JP4190943B2 - 光学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダブルクラッドファイバを備えた光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、増幅媒質がドープされたシングルモードコアと、このシングルモードコアの周囲を被覆する第1クラッドと、この第1クラッドの周囲を被覆する第2クラッドを多数の細孔を含む多孔構造に構成したダブルクラッドファイバが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のダブルクラッドファイバは、図1に示すように、増幅媒質がドープされたシングルモードコア11と、第1クラッド12と、ファイバ軸方向に延びる多数の細孔13aを含む第2クラッド13と、この第2クラッド13の周囲を囲むサポート層14と、サポート層14の外周囲に被覆された被覆層15とを備えている。
【0004】
多孔構造に構成された第2クラッドの屈折率(実効屈折率)は、その空隙率に依存し、空隙率を大きくすることにより第2クラッドの実効屈折率を小さくすることができる。このため、第2クラッドを多孔構造に構成したダブルクラッドファイバでは、上記空隙率を調整することにより、第1クラッドと第2クラッドとの比屈折率差を、従来のダブルクラッドファイバに比べて大きくすることができる。その結果、第2クラッドに多孔構造を有するダブルクラッドファイバは、内部を伝搬する励起光に対する開口数(NA)が大きくすることができるという利点がある。
【0005】
また、ダブルクラッドファイバの第1クラッド内に励起光を入射することにより、上記シングルモードコアの伝搬光を増幅する技術も知られている。
【0006】
ダブルクラッドファイバの第1クラッド内に励起光を入射する技術として、いわゆるサイドポンピング方式が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
特許文献2には、ダブルクラッドファイバの第2クラッドを除去して第1クラッドを露出させ、この露出させた第1クラッドの側面に、テーパ状に形成されたマルチモード型光ファイバを光学的に接続した光学装置が開示されている。特許文献2に係る発明によれば、マルチモード型光ファイバに励起光を入射することにより、上記接続部からダブルクラッドファイバ内に励起光を入射することが可能となる。
【0008】
このような光学装置は、ファイバレーザやファイバアンプに用いられるものであって、伝搬光(ファイバアンプにあっては信号光、ファイバレーザにあってはレーザ発振光)を上記シングルモードコア内を伝搬させる一方、該伝搬光を励起する励起光を上記第1クラッド内に入射するものである。こうすることで、第1クラッド内を伝搬する励起光は、上記コアと交差する度にコアにドープされた増幅媒質を励起し、その結果、コア内を伝搬する伝搬光が増幅されることになる。
【0009】
しかし、第2クラッドが多孔構造に構成されたダブルクラッドファイバでは、被覆層を除去してサポート層の周面から励起光を入射しても、第2クラッドが多孔構造であるために励起光を伝搬せず、その結果、第1クラッド内まで励起光を透過させることができない。そこで、第1クラッド内に励起光を入射するには、例えば、サポート層と第2クラッドとを研削により除去することが考えられる。しかし、ファイバ強度の観点から、研削は極めて困難である上に、その研削くずが第2クラッドの細孔内に入り込んでしまう。このため、サポート層と第2クラッドとを研削により除去することは現実的ではない。
【0010】
そこで、第2クラッドが多孔構造に構成されたダブルクラッドファイバにおいて、励起光を確実に第1クラッド内に入射させるため、図7に示すように、 ダブルクラッドファイバ1の入射端面に、シングルモード型光ファイバ20の出射端面を接続する技術が考えられた。本技術は、上記シングルモード型光ファイバ20の周面に、マルチモード型光ファイバ30を光学的に接続し、該シングルモード型光ファイバ20のコア21に伝搬光を入射するとともに、マルチモード型光ファイバ30からシングルモード型光ファイバ20のクラッド22へ励起光を入射するものである。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−277669号公報
【特許文献2】
特許第3337691号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ダブルクラッドファイバ1の入射端面にシングルモード型光ファイバ20を接続する技術では、以下のような問題があった。即ち、マルチモード型光ファイバ30から上記シングルモード型光ファイバ20へのカプリング効率が約0.5と低く、該マルチモード型光ファイバ30から出射される励起光の約50%程度がシングルモード型光ファイバ20に入射されるにすぎなかった。ここで、カプリング効率とは、上記マルチモード型光ファイバから出射される励起光の光量をP、上記シングルモード型光ファイバに入射される励起光の光量をPとしたとき、P/Pで示される値をいう。上記カプリング効率が大きいほど、上記マルチモード型光ファイバ30からシングルモード型光ファイバ20に入射される励起光の光量が増加するので、サイドポンピングの効果を高めることができる。従って、サイドポンピング方式を採用する光学装置において、伝搬光の増幅率を向上させるためには、カプリング効率を向上させる必要がある。
【0013】
一方、上記カプリング効率は、光接合部分における上記マルチモード型光ファイバ30とシングルモード型光ファイバ20の断面積比に依存することも知られている。即ち、断面積比とは、上記マルチモード型光ファイバの断面積をD、上記シングルモード型光ファイバの断面積をDとしたとき、D/Dで示される値をいい、該断面積比が大きいほど上記カプリング効率が向上する関係にある。
【0014】
そこで、例えば図8に示すように、ダブルクラッドファイバ1の被覆層15の一部を除去した上で、そこに熱を加えて第2クラッド13の各細孔13aを潰す技術が考えられた。本技術によれば、サポート層14の外周面に接続されたマルチモード型光ファイバ3から励起光を入射することにより、その励起光をサポート層14と細孔13aが潰された領域に入射することができる。また、上記細孔が潰された領域の断面積は、通常のシングルモード型光ファイバに比べてかなり大きい。そのため、上記断面積比を大きくすることができ、カプリング効率を向上させることができた。
【0015】
ところが、この構成では、図8に矢印で示すように、入射した励起光のほとんどがサポート層14の側に入ってしまい、第1クラッド12内を伝搬する励起光の光量が、マルチモード型光ファイバ3から入射した光量の10%程度になってしまうことがわかった。
【0016】
本発明は、上記マルチモード型光ファイバから光学装置へ入射される励起光のカプリング効率を向上させるとともに、入射された励起光を確実にダブルクラッドファイバの第1クラッド内に入射することができる光学装置の実現を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光学装置は、増幅媒質がドープされたシングルモードコア、該シングルモードコアの周囲を被覆する第1クラッド、及び該第1クラッドの周囲を被覆する多数の細孔を含む多孔構造で構成された第2クラッドを有するダブルクラッドファイバと、
その出射端部がテーパ状に形成されたマルチモード型光ファイバと、
を備え、
上記ダブルクラッドファイバは、その中間部に、上記第2クラッドを構成する多孔構造の上記多数の細孔が潰されて形成された、上記第1クラッドよりも外径が大きいシングルモードファイバ型構造のカプリング領域を有し、
上記カプリング領域は、その外周面に上記マルチモード型光ファイバの出射端部が光学的に接続されていると共に、出射端側が上記第1クラッドに収束するようにテーパ状に形成されており、
上記マルチモード型光ファイバからの励起光が上記ダブルクラッドファイバの上記カプリング領域を介して上記第1クラッドに入射されるように構成されている。
【0018】
この構成によれば、上記ダブルクラッドファイバは、上記増幅媒体がドープされたシングルモードコアに信号光等を伝搬させるとともに、上記カプリング領域から励起光を本光学装置内に導入することができ、上記信号光等を増幅することができる。
【0019】
即ち、上記ダブルクラッドファイバの所定部位に形成されたカプリング領域には、励起光を出射するマルチモード型光ファイバが光学的に接続されている。これにより、上記励起光はマルチモード型光ファイバから該カプリング領域内に入射される。
【0020】
該カプリング領域には、上記多孔構造で形成された第2クラッドが形成されていないため、カプリング領域の周縁から入射された励起光は、第2クラッドに遮られることなくカプリング領域内で全反射を繰り返しながら伝搬してゆく。
【0021】
本発明において、カプリング領域の外径は、上記第1クラッドの外径よりも大きく形成されていることにより、比較的大きい断面積比を実現することができ、惹いては、励起光のカプリング効率を向上させることができる。
【0022】
上記カプリング領域の出射端側では、上記第1クラッドの外径に収束するようテーパ部が形成されている。そのため、該カプリング領域に入射した励起光は、該カプリング領域の出射端側に連なるダブルクラッドファイバの第1クラッド内に確実に入射される。
【0023】
こうして、高いカプリング効率で本光学装置内に入射された励起光が、確実に上記ダブルクラッドファイバの第1クラッド内に入射され伝搬することにより、シングルモードコアにドープされた増幅媒質は高い効率で励起される。その結果、このシングルモードコア内を伝搬する伝搬光は効果的に増幅される。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学装置によれば、上記マルチモード型光ファイバからダブルクラッドファイバのカプリング領域へ、高いカプリング効率で励起光を入射することができる。また、上記カプリング領域に入射された励起光は、該カプリング領域に連なるダブルクラッドファイバの第1クラッド内に確実に伝搬されるため、励起光を高い効率で利用することができる。それにより、ダブルクラッドファイバのシングルモードコアを伝搬する信号光を効果的に増幅することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。本実施形態に係る光学装置は、信号光を光ファイバで遠距離に伝送する際、適所に配置されて減衰した信号光を増幅するファイバアンプ装置や、レーザ光源から出射されたレーザ光を増幅して高出力レーザ光を得るファイバレーザ装置として使用される。
【0026】
図1は、本実施形態の光学装置に用いられるダブルクラッドファイバ1を示している。このダブルクラッドファイバ1は、ファイバの軸心部で軸方向に延びるシングルモードコア11と、このシングルモードコア11の周囲を被覆する第1クラッド12と、この第1クラッド12の周囲を被覆する第2クラッド13と、この第2クラッド13の周囲を被覆するサポート層14と、サポート層14の外周囲を被覆する被覆層15とを備えている。
【0027】
このダブルクラッドファイバ1では、伝搬光が上記シングルモードコア11内を伝搬する一方、励起光が第1クラッド12内を伝搬する。
【0028】
上記シングルモードコア11、第1クラッド12、第2クラッド13、及びサポート層14はそれぞれSiO製であるのに対し、被覆層15は樹脂製である。被覆層15に使用される樹脂としては、例えば紫外線硬化型樹脂等が用いられる。
【0029】
上記シングルモードコア11は、第1クラッド12の屈折率よりも高くなるようにGe等がドープされているとともに、増幅媒質がドープされている。該増幅媒質は、上記第1クラッド12内を伝搬する励起光によって励起され反転分布形質を形成し、そこから誘導放出を発する。これによって、シングルモードコア11内を伝搬する伝搬光を増幅することができる。増幅媒質としては、例えば、Er、Nd,Yb等の希土類元素の中から適宜選択される。
【0030】
上記第1クラッド12は、上記シングルモードコア11の周囲を囲みながら、ファイバ軸方向に延びて形成されており、その断面形状が円形状とされている。
【0031】
尚、本実施形態では、第1クラッド12の断面形状を円形状とするが、この断面形状は円形状に限らず、例えば六角形状、三角形状、矩形状等の多角形状や、楕円形状等に形成してもよい。また、円形の一部を切り欠いた形状とすることも可能である。第1クラッド12の断面形状を上記非円形状にすることによって、励起光のスキュー成分が低減し、励起効率を高めることができる。
【0032】
上記第2クラッド13は、上記第1クラッド12の周囲を囲みながら、ファイバ軸方向に延びて形成されている。第2クラッド13は、ファイバ軸方向に延びる多数の細孔13aを含んだ多孔構造に構成されている。この各細孔13aは、ファイバ断面において周方向に略均一に配設されている。
【0033】
上記多孔構造を有する第2クラッド13の屈折率(実効屈折率)は、空隙率、つまり、第2クラッド13領域の全体積に対する孔13aの体積の割合に依存し、空隙率が大きい程、第2クラッド13の実効屈折率は小さくなる。この第2クラッドの外側にサポート層が形成されている場合、サポート層によってファイバの機械的用度を担保することができるため、上記空隙率をかなり大きくすることができる。そのため、第2クラッド13を多孔構造にすることで、この第2クラッド13を中実構造で構成する場合に比べて、励起光に対する開口数(NA:numerical aperture)を大幅に大きくすることができる。
【0034】
上記サポート層14は、上記第2クラッド13の周囲を囲むように形成されており、このサポート層14によって、多孔構造の第2クラッド13を保護すると共に、ダブルクラッドファイバ1の機械的強度を向上するようにしている。
【0035】
このように、第2クラッドが多孔構造に構成されたダブルクラッドファイバ1は、プリフォームを加熱・延伸してファイバ状に延伸することによって製造される。具体的に、プリフォームは次の手順に従って作成される。
【0036】
先ず、断面略円形状の円管状のサポート管を1本用意すると共に、コア用ロッド(中実棒)を1本、多数本の第1クラッド用ロッド及び第2クラッド用キャピラリ(中空棒)とをそれぞれ用意する。これら各部材はすべて石英で形成されており、上記コア用ロッドには、上記増幅媒質がドープされている。
【0037】
そして、上記サポート管内の中心位置に上記コア用ロッドを配置し、このコア用ロッドの周囲に、複数本の第1クラッド用ロッドを規則的に配置する。このとき、成形後の第1クラッド部が、断面略円形状となるように、第1クラッド用ロッドを上記コア用ロッドの周囲に略最密に配設することが好ましい。
【0038】
次に、上記第1クラッド用キャピラリと上記サポート管の内周面との間に、多数本の第2クラッド用キャピラリを規則的に配置する。尚、コア及び第1クラッド用ロッド、並びに第2クラッド用キャピラリを配置する順序は適宜変更してもよい。
【0039】
このようにサポート管に各ロッドとキャピラリが充填された状態で、全体を加熱する。加熱温度が所定温度以上になると各ロッド、キャピラリ、及びサポート管が溶着し、各部材間の間隙が緻密化されてプリフォームが完成する。
【0040】
このプリフォームを、線引き炉で加熱・延伸してファイバ化する。プリフォームのコア用ロッドに対応する部分が、ダブルクラッドファイバ1のシングルモードコア11を、プリフォームの第1クラッド用ロッドに対応する部分が、ダブルクラッドファイバ1の第1クラッド12を、プリフォームの第2クラッド用各キャピラリに対応する部分が、ダブルクラッドファイバ1の細孔13aを備えた第2クラッド13を、サポート管に対応する部分が、ダブルクラッドファイバ1のサポート層14を、それぞれ形成する。そして、このファイバの外周囲に被覆材を塗布することで、ダブルクラッドファイバ1の被覆層15を形成する。この被覆層15の形成は、線引きの際に行ってもよい。
【0041】
このようにして、第2クラッド13が多孔構造に構成されたダブルクラッドファイバ1が製造される。
【0042】
尚、プリフォームは、コア用ロッド及び第1クラッド用ロッドを用いて作成する代わりに、コア部とクラッド部(第1クラッド部)とを有する第1プリフォームを作成し、この第1プリフォームを用いて作成してもよい。
【0043】
即ち、上記第1プリフォームを、例えばVAD法、OVD法、ロッドインチューブ法等の公知の方法により作成し、この第1プリフォームをサポート管内の略中心位置に配設する。次いで、この第1プリフォームとサポート管の内周面との間に、多数の第2クラッド用キャピラリを配設する。こうすることでも、コア部、第1及び第2クラッド部を有するプリフォームが完成する。
【0044】
図2は、本発明の実施形態に係る光学装置を示している。
【0045】
この光学装置は、上記ダブルクラッドファイバ1と、その出射端側がテーパ状に形成されたマルチモード型光ファイバ2を備えている。
【0046】
上記ダブルクラッドファイバ1の中間部には、カプリング領域3が形成されている。上記カプリング領域3の上記被覆層15は除去されている。カプリング領域3には、上記第2クラッド13は形成されておらず、シングルモードファイバ型構造を有する。また、カプリング領域の外径は、上記ダブルクラッドファイバ1の第1クラッドの外径よりも大きく形成されている。更に、カプリング領域3の出射端側(図2の右側端面)には、上記ダブルクラッドファイバの外径に収束するように平滑なテーパ部3aが形成されている。カプリング領域3の出射端は、ダブルクラッドファイバ1の第1クラッド12に連なっている。
【0047】
カプリング領域3は、このような構造を有しているため、マルチモード型光ファイバ2から出射端側に向かって該カプリング領域3に入射した光は、すべてダブルクラッドファイバ1の第1クラッド12内に入射されることになる。
【0048】
上記マルチモード型光ファイバ2は、先端側に向かって先細り状にテーパ部2aが形成されている。マルチモード型光ファイバ2の先端部2bは、上記ダブルクラッドファイバ1のカプリング領域3の外周面に光学的に接続されている。該先端部2bの外径は、上記カプリング領域2の外径よりもかなり小さく形成されていることが好ましい。
【0049】
これにより、上記マルチモード型光ファイバ2の断面積をD、上記カプリング領域3の断面積をDとしたとき、D/Dで示される断面積比を相当大きくすることができ、マルチモード型光ファイバからカプリング領域へのカプリング効率を飛躍的に向上させることができる。
【0050】
本実施形態において、図2に示すように、上記マルチモード型光ファイバ2の先端部2bは、カプリング領域3の外周面に所定角度で熱融着されることにより、光学的に接続されている。
【0051】
次に本実施形態に係る光学装置の製造方法について説明する。
【0052】
上記ダブルクラッドファイバ1の適所に形成されるカプリング領域3は、以下のように形成される。図3の(a)に示すように、上記方法で形成された全長にわたって均一なダブルクラッドファイバ1を用意する。このダブルクラッドファイバ1の長さは、特に限定させるものではなく、光学装置の用途や要求される性能に応じて決まるカプリング領域の個数等によって適宜決定される。
【0053】
図3の(b)に示すように、上記ダブルクラッドファイバの中間部の適当な位置にコラプス処理を施して、上記第2クラッド13を構成する上記細孔13a(図3では、図示しない。)をすべて潰してしまう。具体的には、カプリング領域を形成しようとする領域の被覆層15を、内部のファイバに傷等を付けないように適当な手段により剥がす。次に、この領域をバーナ等の適当な加熱手段により加熱する。加熱によりこの領域が半溶融状態となると、界面張力により第2クラッド13を形成している細孔13aが潰れて、上記サポート層14、第2クラッド13の細孔13a以外の部位、及び第1クラッド12が一体化する。上記シングルモードコア11は中実であるため、何ら変化することはない。このように、コラプス処理により、ダブルクラッドファイバの一部にシングルモードファイバ型構造を備えた領域4(以下、「コラプス領域4」ともいう。)が形成される。
【0054】
次に、上記コラプス領域4の出射端側にテーパ部3を形成する。該テーパ部3を形成するためにはエッチング処理を用いるのが好ましい。具体的には、図4に示すように、一部を切り欠いたフッ素樹脂製チューブ5の略軸心上であって、上記コラプス領域4とダブルクラッドファイバとの境界部が該フッ素樹脂製チューブ5の長手方向の略中央に位置するように上記光ファイバを固定する。この状態で切欠部からフッ化水素をフッ素樹脂製チューブ内に注入する。表面張力の作用により、フッ素樹脂製チューブ5の中央部には、その両端部と比較して相対的に多量のフッ化水素が貯留される。この状態で静置すると、上記石英製の光ファイバは、外周面から軸心に向かって溶解してゆく。光ファイバの移動やフッ化水素の対流がない状態において、相対的に貯留量に少ない両端部から中央部にかけて、フッ化水素と石英の反応が順次飽和状態に達して停止する。その結果、上記コラプス領域において、入射端側(図4の左方側)からダブルクラッドファイバ1との境界部に向かって先細りの平滑なテーパ部3aが形成され、カプリング部3が完成する。ここで形成されるテーパ部3aの出射端側(図3の(c)における右方側)の外径は、上記第1クラッド12の外径と等しいか、あるいは小さいことが必要である。このように、テーパ部3aの出射端側の外径が、第1クラッドの外径以下に形成されることにより、カプリング部3からダブルクラッドファイバ1に入射される励起光は、第2クラッド13やサポート層14に漏れることなく、確実に第1クラッド12内に入射される。
【0055】
次に、図3の(d)に示すように、上記カプリング部3の外周面に、上記マルチモード型光ファイバ2を光学的に接続する。
【0056】
マルチモード型光ファイバ2とカプリング領域3との接続方法としては、例えば、図5に示すように、マルチモード型光ファイバ2のテーパ状出力端部2aを、上記シングルモード型光ファイバ3の周面に沿わせた状態で熱により一体化させてもよい。また、図6に示すように、マルチモード型光ファイバ2のテーパ状出力端部2a、2bを、上記カプリング領域3の外周面に巻きつけた状態で熱により一体化させてもよい。
【0057】
次に、本実施形態に係る光学装置を用いたダブルクラッドファイバの励起方法について説明する。
【0058】
図2に示す上記光学装置において、ダブルクラッドファイバ1の入射端側には、シングルモードコア11に信号光を発する光源装置(図示せず。)が光学的に接続されている。また、上記マルチモード型光ファイバ2の入射端側には、励起光を発するレーザ光源(図示せず。)が光学的に接続されている。このレーザ光源から発せられる励起光の波長は、上記シングルモードコア11にドープされた増幅媒質の吸収波長であることが必要である。
【0059】
上記ダブルクラッドファイバ1の入射端に接続された光源装置から、ダブルクラッドファイバのシングルモードコア11内に信号光が入射される。入射された信号光は、上記シングルモードコア11内で全反射を繰り返しながら伝搬してゆく。上記レーザ光源からは励起光が連続的に上記マルチモード型光ファイバ2に入射されている。入射された励起光は、マルチモード型光ファイバ2内で全反射を繰り返しながら伝搬してゆき、上記ダブルクラッドファイバ1のカプリング領域3へ入射される。カプリング領域3に入射された励起光は、カプリング領域3内を伝搬してゆき、上記テーパ部3aで絞り込まれてダブルクラッドファイバ1の第1クラッド12内に確実に入射される。第1クラッド12内に入射された励起光は、第1クラッド内で全反射し、上記シングルモードコア11と交差を繰り返しながら伝搬してゆく。上記励起光は第1クラッドと交差して透過する際、ドープされている増幅媒質に吸収されることによって反転分布形質を形成し、そこからの誘導放出によって信号光を増幅することができる。
【0060】
このように、本実施形態に係る光学装置及びダブルクラッドファイバの励起方法によれば、上記カプリング領域3における断面積比を大きくすることができる。そのため、上記マルチモード型光ファイバ2からダブルクラッドファイバ1のカプリング領域3へ、高いカプリング効率で励起光を入射することができる。
【0061】
また、上記カプリング領域3に入射された励起光は、カプリング領域3の出射端側に形成されたテーパ部3aによって、該カプリング領域に連なるダブルクラッドファイバの第1クラッド12内に確実に伝搬されるため、励起光を高い効率で利用することができる。それにより、ダブルクラッドファイバ1のシングルモードコア11を伝搬する信号光を高い効率で増幅することができる。
【0062】
具体的に、図7に示す構成の光学装置(比較例)では、マルチモード型光ファイバ3から入射した励起光の光量に対する、第1クラッド12に入射された励起光の光量の割合(励起光の入射効率)は、10%程度であったのに対し、図2に示す構成の光学装置では、励起光の入射効率が、80%以上となった。
【0063】
本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0064】
上記実施形態では、上記ダブルクラッドファイバ1の入射端には、信号光源が接続されているが、この信号光源に替えてパルス光源やレーザ光源を接続してもよい。このように本発明に係る光学装置は、パルス発生装置やファイバレーザ装置に適用することができる。更に、ダブルクラッドファイバ1を挟んだ両側に、所定の反射波長を有するミラーを配置することにより、ファブリペロー型のファイバレーザを構成することもできる。
【0065】
また、上記光学装置において、上記カプリング領域3を複数形成し、各領域に接続されたマルチモード型光ファイバ2からそれぞれ励起光を入射することにより、ダブルクラッドファイバ1のシングルモードコア11の伝搬光を多段的に増幅することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダブルクラッドファイバの断面図である。
【図2】 本発明に係る光学装置の構成を示す概念図である。
【図3】 本発明に係る光学装置の製造工程を示す概念図である。
【図4】 本発明に係る光学装置のカプリング領域の加工方法を説明する概念図である。
【図5】 マルチモード型光ファイバとカプリング領域との接続形態の一例を示す図である。
【図6】 マルチモード型光ファイバとカプリング領域との接続形態の一例を示す図である。
【図7】 従来の光学装置の構成を示す概念図である。
【図8】 従来の光学装置の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 ダブルクラッドファイバ
11 シングルモードコア
12 第1クラッド
13 第2クラッド
13a 細孔
14 サポート層
15 被覆層
2 マルチモード型光ファイバ
2a テーパ部
2b 先端部
3 カプリング領域
3a テーパ部
4 コラプス領域
5 フッ素樹脂製チューブ

Claims (1)

  1. 増幅媒質がドープされたシングルモードコア、該シングルモードコアの周囲を被覆する第1クラッド、及び該第1クラッドの周囲を被覆する多数の細孔を含む多孔構造で構成された第2クラッドを有するダブルクラッドファイバと、
    その出射端部がテーパ状に形成されたマルチモード型光ファイバと
    を備え、
    上記ダブルクラッドファイバは、その中間部に、上記第2クラッドを構成する多孔構造の上記多数の細孔が潰されて形成された、上記第1クラッドよりも外径が大きいシングルモードファイバ型構造のカプリング領域を有し、
    上記カプリング領域は、その外周面に上記マルチモード型光ファイバの出射端部が光学的に接続されていると共に、出射端側が上記第1クラッドに収束するようにテーパ状に形成されており、
    上記マルチモード型光ファイバからの励起光が上記ダブルクラッドファイバの上記カプリング領域を介して上記第1クラッドに入射されるように構成されていることを特徴とする光学装置。
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