JP2003321201A - 水素貯蔵・供給システム - Google Patents

水素貯蔵・供給システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭内の電力の負荷変動に迅速にリスポンス
できる燃料電池システムを可能とする、低コストで、安
定性、効率性に優れた水素貯蔵・供給システムの提供。 【解決手段】 水素貯蔵体の水素化反応と、水素供給体
の脱水素反応との少なくとも一方を利用して水素の貯蔵
及び/又は供給を行う水素貯蔵・供給システムにおい
て、該システムは、原料貯蔵手段(a)と、反応装置
(b)と、金属担持触媒加熱手段(c)と、反応装置へ
の原料供給手段(d)と、生成気体を分離する気液分離
手段(e)と、分離した反応物回収手段(f)とからな
り、さらに、該システムを稼働させるに当たり、水素化
反応には、無機系材料で担持された金属担持触媒を、一
方、脱水素化反応には、炭素系材料で担持された金属担
持触媒を用いることにより、反応の形態に応じて触媒の
種類を切り換えることを特徴とする水素貯蔵・供給シス
テムにて提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素貯蔵・供給シ
ステムに関し、さらに詳しくは、芳香族化合物からなる
水素貯蔵体の水素化反応と、該芳香族化合物の水素化誘
導体からなる水素供給体の脱水素反応との少なくとも一
方を利用して水素の貯蔵及び/又は供給を行う、低コス
トで、安定性、効率性に優れた水素貯蔵・供給システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の悪化、例えば地球温暖
化等が問題となっており、化石燃料に代わるクリーンな
エネルギー源として水素燃料が、また、その利用形態の
一つとして水素による燃料電池システムが注目を浴びて
いる。水素は水の電気分解により製造できるため、海水
や河川の水を電気分解することを前提とすれば、水素燃
料は無尽蔵に存在することになる。しかしながら、水素
は、常温で気体であり可燃性物質でもあるため、貯蔵や
運搬が難しく、取扱いにも極めて注意を要する。
【0003】分散型電源として住宅用等の燃料電池シス
テムを検討する場合には、水素の供給形態が重要となる
が、水素をそのまま各家庭に供給する方法には、安全性
の問題があるばかりでなく、供給のためのインフラを整
備する必要があるという問題があり、現在、実用化可能
な水素の供給形態として、下記の方法が考えられてい
る。 A.水素をボンベ等に圧入して各家庭に配送する方法。 B.既存インフラである都市ガス、プロパンガスから水
蒸気改質等の方法により水素を得る方法。 C.夜間電力により水を電気分解して水素を得る方法。 D.太陽電池等で得た電気エネルギーにより水を電気分
解して水素を得る方法。 E.光触媒反応により光エネルギーと水から直接水素を
得る方法。 F.光合成細菌や嫌気性水素発生細菌等を用いて水素を
得る方法。
【0004】これらの中で、A.は、供給システムとし
ては容易に実現可能であるが、家庭において水素ガスを
取り扱うことになるので、安全性に問題があり、実用性
は低いと考えられる。一方、B.は、既に家庭内に供給
されているガスが利用できるという点では現実的である
が、家庭内の負荷変動に対する改質器のリスポンス性が
十分ではないという問題がある。また、C.〜F.で
も、供給側と需要側にタイムラグが生じるため、家庭内
の負荷変動に追従できないという問題がある。
【0005】従って、実用化の可能性のある上記B.〜
F.の方法を実現させるために、発生させた水素を一旦
貯蔵し、必要に応じてリスポンスよく水素を燃料電池シ
ステムに供給する水素貯蔵・供給システムが検討されて
おり、例えば、特開平7−192746号公報には、水
素吸蔵合金を用いたシステムが、特開平5−27080
1号公報には、フラーレン類やカーボンナノチューブ、
カーボンナノファイバー等のカーボン材料を用いたシス
テムが開示されている。
【0006】しかしながら、水素吸蔵合金を用いたシス
テムでは、熱によって水素の出し入れを制御できる簡便
なシステム構築を可能にするものの、合金単位重量当た
りの水素貯蔵量が低く、代表的なLaNi合金の場合で
も、水素の吸蔵量は3重量%程度に留まっている。ま
た、合金であるため重く、安定性にも欠ける。さらに、
合金の価格が高いことも実用上の大きな問題点となって
いる。
【0007】また、カーボン材料を用いたシステムで
は、水素の高吸蔵が可能な材料が開発されつつあるもの
の未だ十分ではなく、例えば、カーボンナノチューブ
は、嵩密度が大きくて単位体積当たりの貯蔵量が低いた
め、システムが大型となる。また、これらの材料は、工
業的な規模での合成が難しく、いずれも実用に供するま
でには至っていない。
【0008】かかる状況下、本出願人らは、先に特願2
000−388043号において、低コストで、安全
性、運搬性、貯蔵能力にも優れた水素貯蔵・供給システ
ムとして、ベンゼン/シクロヘキサン系やナフタレン/
デカリン・テトラリン系の炭化水素に着目し、芳香族化
合物からなる水素貯蔵体の水素化反応と、該芳香族化合
物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応との
少なくとも一方を利用して水素の貯蔵及び/又は供給を
行う水素貯蔵・供給システムを提案したが、この水素貯
蔵・供給システムは、シクロヘキサンやデカリン等の飽
和炭化水素を、反応装置内の金属担持触媒(活性炭等の
担体に白金等の金属を担持)に噴射ノズルを用いて霧状
に供給して水素を発生させ、一方、水素が充填された反
応装置内の金属担持触媒にベンゼンやナフタレン溶解液
等を同様に噴射して水素を貯蔵するというものであっ
た。
【0009】しかしながら、上記水素貯蔵・供給システ
ムは、低コストで、かつ安全性、運搬性、貯蔵能力の面
では優れているものの、水素の貯蔵を行う水素化反応
と、水素の供給を行う脱水素反応において、金属担持触
媒の触媒金属を担持する担体として同じ材料を使用して
いたため、一方の反応に最適な担体を選択すると、他方
の反応においては触媒としての十分な効果を得ることが
できなかった。これは、水素供給体と水素貯蔵体として
の芳香族化合物とでは分子としての極性の大きさが異な
るため、金属担持触媒の担体の極性の大きさとのマッチ
ングから担体との吸着性に差がでてきて、結果として両
者に最適な反応を同時に得ることができないためであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、こう
した従来技術の問題点に鑑み、家庭内の電力の負荷変動
に迅速にリスポンスできる燃料電池システムを可能とす
る、低コストで、安定性、効率性に優れた水素貯蔵・供
給システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究した結果、芳香族化合物からなる
水素貯蔵体の水素化反応と、該芳香族化合物の水素化誘
導体からなる水素供給体の脱水素反応との少なくとも一
方を利用して水素の貯蔵及び/又は供給を行う水素貯蔵
・供給システムにおいて、原料貯蔵手段、反応装置、原
料供給手段、気液分離手段および反応物回収手段からな
るシステムを構築し、その際、反応装置中に収納された
金属担持触媒の触媒金属を担持する担体を、水素の貯蔵
を行う水素化反応と、水素の供給を行う脱水素反応にお
いて、それぞれの反応に最適な材料を使用すると、上記
課題が達成されることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0012】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素化反応と、該芳
香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素
反応との少なくとも一方を利用して水素の貯蔵及び/又
は供給を行う水素貯蔵・供給システムにおいて、該シス
テムは、水素貯蔵体及び/又は水素供給体を収納する原
料貯蔵手段(a)と、水素貯蔵体の水素化及び/又は水
素供給体の脱水素化を行わせる金属担持触媒を収納する
反応装置(b)と、該金属担持触媒を加熱する加熱手段
(c)と、原料貯蔵手段内の水素貯蔵体及び/又は水素
供給体を反応装置へ供給する原料供給手段(d)と、反
応装置からの生成気体を凝縮させて水素と水素貯蔵体及
び/又は水素供給体に分離する気液分離手段(e)と、
分離した水素貯蔵体及び/又は水素供給体を回収する反
応物回収手段(f)とからなり、さらに、該システムを
稼働させるに当たり、水素化反応には、無機系材料で担
持された金属担持触媒を、一方、脱水素化反応には、炭
素系材料で担持された金属担持触媒を用いることによ
り、反応の形態に応じて触媒の種類を切り換えることを
特徴とする水素貯蔵・供給システムが提供される。
【0013】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、上記無機系材料は、モレキュラーシー
ブス、ゼオライト、シリカゲル、またはアルミナから選
ばれる少なくとも1種の無機系材料であることを特徴と
する水素貯蔵・供給システムが提供される。
【0014】また、本発明の第3の発明によれば、第1
の発明において、上記炭素系材料は、活性炭、カーボン
ナノチューブ、またはグラファイトから選ばれる少なく
とも1種の炭素系材料であることを特徴とする水素貯蔵
・供給システムが提供される。
【0015】また、本発明の第4の発明によれば、第1
〜3のいずれかの発明において、上記担持金属は、ニッ
ケル、パラジウム、白金、バナジウム、クロム、コバル
ト、鉄、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウ
ム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウ
ム、オスミウム、クロム、またはコバルトから選ばれる
少なくとも1種の金属であることを特徴とする水素貯蔵
・供給システムが提供される。
【0016】本発明の第5の発明によれば、第1〜4の
いずれかの発明において、上記芳香族化合物は、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メ
チルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナン
スレン、エチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、ま
たはそれらのアルキル誘導体から選ばれる少なくとも1
種の化合物であることを特徴とする水素貯蔵・供給シス
テムが提供される。
【0017】本発明の第6の発明によれば、第1〜4の
いずれかの発明において、上記水素化誘導体は、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシ
クロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、デカ
ヒドロナフタレン(デカリン)、又はそれらのアルキル
誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物であること
を特徴とする水素貯蔵・供給システムが提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水素貯蔵・供給シ
ステムについて、各項目毎に詳細に説明する。
【0019】1.水素貯蔵・供給システムの基本構成 本発明の水素貯蔵・供給システムは、水素貯蔵体及び/
又は水素供給体を収納する原料貯蔵手段(a)と、水素
貯蔵体の水素化及び/又は水素供給体の脱水素化を行わ
せる金属担持触媒を収納する反応装置(b)と、該金属
担持触媒を加熱する加熱手段(c)と、原料貯蔵手段内
の水素貯蔵体及び/又は水素供給体を反応装置へ供給す
る原料供給手段(d)と、反応装置からの生成気体を凝
縮させて水素と水素貯蔵体及び/又は水素供給体に分離
する気液分離手段(e)と、分離した水素貯蔵体及び/
又は水素供給体を回収する反応物回収手段(f)が具備
されていることを基本構成とする。上記基本構成には、
反応装置における水素化反応及び/又は脱水素反応の条
件を制御する制御手段を含ませることが好ましい。以
下、本発明に係る水素貯蔵・供給システムの実施の形態
について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1は、水素の貯蔵と供給の少なくとも一
方を行うことができる水素貯蔵・供給システムの構成を
模式的に示す説明図である。図1の構成は、水素の貯蔵
と供給の両方が可能なシステムを示しているが、不要な
手段を省き、いずれか一方のみが可能なように構成して
もよい。この水素貯蔵・供給システム1は、主に、原料
貯蔵手段2と、原料送出手段3と、反応装置4と、気体
分離手段5と、反応物回収手段8と、制御手段10とを
備えている。
【0021】原料貯蔵手段2は、タンク状に形成され、
水素貯蔵体であるベンゼン又は水素供給体であるシクロ
へキサンが収納される。また、原料供給手段3は、原料
貯蔵手段2から導いたベンゼン又はシクロへキサンを加
圧して反応装置4に原料を供給するための構成部であ
り、コンプレッサ(ポンプ)31と、電磁弁よりなるバ
ルブ32とにより構成されており、原料貯蔵手段2と配
管接続されている。バルブ32により、反応装置4に供
給される原料の供給量や供給時間が制御される。
【0022】反応装置4は、ベンゼン又はシクロへキサ
ンを金属担持触媒に噴射、供給して、水素付加反応又は
脱水素反応を行わせる構成部である。反応装置4の内面
底部には、ハニカムシート状の触媒41が設けられてお
り、反応装置4の上部中央付近には、触媒41に対向し
て、原料供給手段3に配管接続された噴射ノズル42が
設けられている。噴射ノズル42は、原料が触媒上に均
一に噴射されるように設置されており、原料を噴射ノズ
ル42から噴射することにより、反応装置4内の触媒4
1表面に、原料の均一な液膜が形成される。
【0023】触媒41としては、本実施の形態では、水
素の貯蔵を行う水素化反応においては、ハニカムシート
状のアルミナに金属として白金を担持させた触媒を用
い、また、水素の供給を行う脱水素反応においては、ハ
ニカムシート状の活性炭素地に金属として白金を担持さ
せた触媒を用い、反応装置内の触媒重量をそれぞれ5g
としているが、その重量や大きさは必要に応じて調整す
べき因子であり、特に限定されない。
【0024】反応装置4の底部には、触媒41を加熱す
るヒーター43が備えられている。ヒーター43は、ニ
クロム線による抵抗加熱体であり、触媒41に接してい
るアルミ製のヒーター格納部44に一体的に内蔵され、
ヒーター格納部44を介して熱伝導により触媒41が加
熱される。また、触媒41に接した熱電対45により触
媒温度を検知し、ヒーターへの供給熱量を調整して触媒
41の温度が調整される。ところで、本実施の形態で
は、触媒の加熱にニクロム線による抵抗加熱体を用いて
いるが、加熱手段は特に限定されず、電磁誘導コイルに
高周波電流を流すことにより発生させた高周波で導電体
を誘導加熱する高周波誘導加熱等も使用できる。高周波
誘導加熱を用いる場合は、金属担持触媒の担体としてカ
ーボン等の導電体を用い、渦電流が発生する形状に形成
することにより、触媒を直接加熱することができる。
【0025】触媒41の温度は、ヒーター43により、
ベンゼンの水素付加反応によりシクロへキサンを生成さ
せる際には、約60〜120℃に加熱する。変換効率を
考慮すると、95〜105℃に加熱することが好まし
い。また、シクロへキサンの脱水素反応によりベンゼン
を生成させる際には、約220〜400℃に加熱する。
同様に変換効率を考慮すると、250〜380℃に加熱
することが好ましい。なお、後者の触媒温度を高目に設
定するのは、水素付加反応は発熱反応であり、脱水素反
応は吸熱反応であるため、後者は熱エネルギーをより多
く必要とするからである。反応装置4は、電磁弁よりな
るバルブ6を介して気液分離手段5に、また、電磁弁よ
りなるバルブ7を介して水素供給手段(図示せず)に配
管接続されている。
【0026】バルブ6は、反応装置4内の生成物を気液
分離手段5に導くときに使用される。反応装置4におい
て、水素とベンゼンとの間で水素付加反応が起きるとシ
クロヘキサンが生成し、また、シクロヘキサンの脱水素
反応が起きるとベンゼンと水素が生成するが、これらの
生成物は気体であるため、気液分離手段5は、反応装置
4から送られてくるベンゼン又はシクロへキサンを完全
に液化させて水素を分離するために設けられている。ま
た、バルブ7は、水素を、水素供給手段から反応装置4
内に導入・制御するためのバルブであり、水素付加反応
でベンゼンからシクロヘキサンを生成させるときに使用
するものである。
【0027】気液分離手段5は、冷却水による冷却を行
う、らせん状細管、交互冷却パイプ構造等の熱交換器5
1aからなる蒸気凝縮部51と、水素に同伴する液滴を
分離する、活性炭や水素セパレータ膜等の水素分離部5
2aからなる水素抽出部52とにより構成されている。
蒸気凝縮部51は、発生した水素と芳香族化合物及び水
素化芳香族化合物との気液分離を効率的に実現するた
め、例えば、冷却水温度(例えば5〜20℃)を調節し
て最適化を図ることが好ましい。
【0028】水素抽出部52は、通常、蒸気凝縮部51
の接触面積、冷却水温度、発生水素速度等の諸因子を操
作することにより、水素の分離・精製を行うことが可能
であるため、必ずしも必要とはしないが、より高純度
(99.9%以上)の水素の供給が要求される場合に
は、活性炭や、水素セパレータ膜のシリカ分離膜やパラ
ジウム・銀分離膜等の従来技術を用いて水素の高純度化
を行う必要があるので、本実施の形態では追加設置して
いる。なお、反応物回収手段8と水素抽出部52との間
に、例えばガラスウール、ワイヤーメッシュ等を充填し
た気液分離部(図示せず)を設けて、水素抽出部52へ
の液滴の同伴量を減少させることもできる。
【0029】反応物回収手段8は、気液分離手段5の蒸
気凝縮部51と配管接続されており、蒸気凝縮部51で
冷却されて液化したシクロヘキサン又はベンゼンは、反
応物回収手段8に送られて回収される。また、反応物回
収手段8は、気液分離手段5の水素抽出部52とも配管
接続されており、生成した水素は、蒸気凝縮部51で液
化したシクロヘキサン又はベンゼンと共に一旦反応物回
収手段8に入った後、水素抽出部52に送られ、水素抽
出部52内に設置された活性炭や水素セパレータ膜から
なる水素分離部52aにより、質量が軽く、また拡散速
度が大きい水素ガスのみが分離精製される。精製された
水素は、水素抽出部52に接続された配管91及び水素
放出側バルブ92を通って外部、例えば、住宅用燃料電
池システム等に効率的に供給される。
【0030】上述のように、気液分離手段5の水素抽出
部52は、通常は不用なので、気液分離手段5の蒸気凝
縮部51と水素抽出部52出口とを直接配管接続し、水
素抽出部52をバイパスして水素を配管91に送り、蒸
気凝縮部51の底部に溜まった液状のシクロヘキサン又
はベンゼンを反応物回収手段8に回収してもよい。ま
た、配管91には、発生ガス量を計測するためのセンサ
93が設置されているため、水素の発生量を測定するこ
とができる。
【0031】一方、コンプレッサ(ポンプ)31、バル
ブ32、ヒーター43、熱電対45、バルブ6、バルブ
7、バルブ92、センサ93は、それぞれ制御手段10
と電気的に接続されており、熱電対45、センサ93等
からの情報をもとに、コンプレッサ(ポンプ)や各バル
ブの作動、ヒーターへの熱量(制御手段は図示せず)を
制御できるように構成されている。
【0032】本発明の水素貯蔵・供給システムの基本構
成について、以上図1に基づき詳細に説明したが、芳香
族化合物からなる水素貯蔵体の水素化反応により水素貯
蔵を行わせるための反応装置と、水素供給体の脱水素化
反応により水素発生を行わせる反応装置とをそれぞれ別
々に設け、それぞれ反応条件に応じて切り換える様にし
てもよい。
【0033】2. 水素貯蔵・供給システムの稼動方法 本発明の水素貯蔵・供給システムは、上述のような構成
からなり、かつ、反応装置(b)中に収納された金属担
持触媒の触媒金属を担持する担体が、水素の貯蔵を行う
水素化反応においては、無機系材料であり、水素の供給
を行う脱水素反応においては、炭素系材料であることを
特徴とする。
【0034】本発明の水素貯蔵・供給システムを用いて
ベンゼンの水素付加反応により水素を貯蔵する手順と、
シクロヘキサンの脱水素反応により外部に水素を供給す
る手順との一例を、図1に基づいて簡単に説明する。ベ
ンゼンへの水素付加反応により水素を貯蔵する場合に
は、まず、反応装置4内のヒーター43に通電して、無
機系材料の担体に触媒金属が担持ざれた金属担持触媒4
1の温度を100℃前後に調整しながら、バルブ7を開
いて、水素供給手段(図示せず)より反応装置4に水素
を供給し、水素を反応装置4内部に充填する。次に、バ
ルブ7を閉じ、バルブ32を開くと共に、コンプレッサ
(ポンプ)31を作動させて、原料貯蔵手段2内のベン
ゼンを反応装置4に所定量供給し、噴射ノズル42より
触媒41に向けてベンゼンを噴射する。
【0035】このとき、水素付加反応に伴なって気体状
のシクロヘキサンが生成するが、生成したシクロヘキサ
ンは、気液分離手段5の蒸気凝縮部51で冷却されて液
状となり、反応物回収手段8に移動して反応物回収手段
8内に蓄えられる。一方、未反応の水素は、一旦反応物
回収手段8に入り、気液分離手段5の水素抽出部52を
経由して、外部に移動するが、水素供給手段に接続して
回収し、循環使用するように構成してもよい。
【0036】一方、シクロヘキサンの脱水素反応により
水素を外部に供給する場合には、まず、反応装置4内に
収納される触媒41を、炭素系材料の担体に触媒金属が
担持された金属担持触媒41に換え、反応装置4内のヒ
ーター43に通電して触媒41の温度を350℃前後に
調整しながら、バルブ32を開くと共に、コンプレッサ
(ポンプ)31を作動させて、原料貯蔵手段2内のシク
ロヘキサンを反応装置4に所定量供給し、噴射ノズル4
2より触媒41に向けてシクロヘキサンを噴射させる。
噴射終了後は、コンプレッサ(ポンプ)31の作動を停
止させると共に、バルブ32を閉じる。
【0037】このとき、脱水素反応に伴なって気体状の
ベンゼンと水素が生成するが、生成したベンゼンは、気
液分離手段5の蒸気凝縮部51で冷却されて液状とな
り、反応物回収装置8に移動して反応物回収手段8内に
蓄えられる。一方、生成した水素は、一旦反応物回収手
段8に入り、気液分離手段5の水素抽出部52から配管
91、センサ93を経由して、外部に移動する。
【0038】本発明の水素貯蔵・供給システムは、芳香
族化合物であるナフタレンを用いて水素付加反応により
水素を貯蔵し、ナフタレンの水素化誘導体であるデカリ
ンの脱水素反応により外部に水素を供給する方法も好適
に適用することができるが、ナフタレンは常温では固体
状態になるため、ナフタレンの水素付加反応では、取扱
いが面倒であり、また、デカリンの脱水素反応では、反
応で生成したナフタレンが固体となって析出し、配管な
どを閉塞させる可能性があるため、システム全体または
ナフタレンが係わる配管などの部分的な部位を、ナフタ
レンの融点である80.3℃以上、またデカリンの沸点
である185.5℃以下に加熱保温することにより上記
問題を解決することができる。
【0039】以上、燃料電池への適用を前提に本発明の
水素貯蔵・供給システムを説明したが、当然のことなが
ら、本発明の水素貯蔵・供給システムを燃料電池以外の
発電装置に適用してもよい。例えば、水素を燃やしてス
チームを発生させ、タービンを回転させて発電機によっ
て電気をつくるようにしてもよい。また、従来の火力発
電所や原子力発電所等の電気供給システムと、本発明の
水素貯蔵・供給システムとを併用してもよい。
【0040】3. 水素貯蔵・供給システムにおいて用
いられる原料
【0041】3.1 芳香族化合物=水素貯蔵体 本発明に用いられる芳香族化合物としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチル
ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナンスレ
ン、エチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン等の芳香
族炭化水素化合物、又はそれらのアルキル誘導体が挙げ
られるが、この中でもベンゼン、トルエン、キシレン、
ナフタレン等が効率の面から特に好適に使用される。本
発明に用いられる芳香族化合物は、分子内に多数のエチ
レン結合(C=C)を有するので、水素が付加反応し、
下記に詳細に説明する水素化誘導体となる。すなわち、
芳香族化合物は、エチレン結合(C=C)に水素を結合
させることにより水素を貯蔵することができるので、本
発明においては水素貯蔵体とも呼称される。
【0042】3.2 水素化誘導体=水素供給体 本発明に用いられる芳香族化合物の水素化誘導体として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフ
タレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニ
ル、フェナンスレン、エチルベンゼン、テトラヒドロナ
フタレン等の芳香族炭化水素化合物、又はそれらのアル
キル誘導体を水素添加して得られるものであり、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の水
素化誘導体(B)であるシクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−
ジメチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン(デカ
リン)等が効率の面から特に好適に使用される。本発明
に用いられる水素化誘導体は、エチレン結合(C=C)
はほとんどなく、飽和炭化水素であるから、脱水素反応
により水素を供給することができるので、本発明におい
ては水素供給体とも呼称される。
【0043】3.3 金属担持触媒 本発明で使用される金属担持触媒は、芳香族化合物から
なる水素貯蔵体の水素化反応と、該芳香族化合物の水素
化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応との両方の反
応を促進する機能をもつものであり、下記の担体に金属
を担持させて得られたものである。担持される金属とし
ては、ニッケル、パラジウム、白金、バナジウム、クロ
ム、コバルト、鉄、パラジウム、ロジウム、イリジウ
ム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステ
ン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト等の貴
金属類等が挙げられるが、これらは単一であっても2種
以上併用してもよい。その内、白金、タングステン、レ
ニウム、モリブデン、ロジウム、バナジウムは、活性、
安定性、取り扱い性等の面から特に好ましい。
【0044】金属担持触媒における金属の担持率は、担
体に対して通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5
〜20重量%である。また、2種以上の金属を用いる複
合金属系触媒の場合は、主金属成分M1に対して添加金
属M2の添加量が、M2/M1原子数比で0.001〜
10、特に、0.01〜5であることが好ましい。な
お、M1及びM2は、各々以下に示す金属である。 M1:白金、パラジウム、クロム M2:イリジウム、レニウム、ニッケル、モリブデン、
タングステン、ロジウム、ルテニウム、バナジウム、オ
スミウム、クロム、コバルト、鉄
【0045】一方、触媒金属を担持する炭素系材料及び
無機系材料の担体としては、公知の担体ならば特に限定
されないが、例えば、炭素系材料としては、活性炭、カ
ーボンナノチューブ、グラファイト等を用いるのが好ま
しく、また、無機系材料としては、モレキュラーシーブ
ス、ゼオライト等の多孔質担体、又はシリカゲル、アル
ミナ等を用いるのが好ましい。
【0046】また、上記金属担持触媒の形状は、特に限
定されず、顆粒状、シート状、織布状、ハニカム状、メ
ッシュ状、ポーラス状等、使用形態に合わせて適宜選択
される。
【0047】本発明の水素貯蔵・供給システムでは、金
属担持触媒の触媒金属を担持する担体が、水素の貯蔵を
行う水素化反応においては、無機系材料であり、水素の
供給を行う脱水素反応においては、炭素系材料であるこ
とを特徴とするが、このような担体を選択することによ
り、脱水素反応においては、水素供給体は、その化学的
な構造から、分子としての極性は非常に小さいため、活
性炭等の炭素系材料のような極性の小さい担体には親和
性が大きく、吸着しやすくなり、触媒金属近傍に存在し
やすくなって、反応が容易に進行する。一方、水素化反
応においては、水素貯蔵体は芳香族化合物であるため、
そのπ電子雲の存在から、水素供給体に比較して分子と
しての極性はより大きく、そのため、活性炭のような極
性の小さい担体よりも、アルミナ等の無機系材料のよう
な極性の大きい担体の方が反応が進行しやすくなる。す
なわち、本発明においては、脱水素反応においては、担
体が炭素系材料である金属担持触媒を使用し、水素化反
応においては、担体が無機系材料である金属担持触媒
を、切り換えて使用する。
【0048】
【実施例】以下に、本発明の実施の形態で述べた水素貯
蔵・供給システムに関して、実施例及び比較例を用いて
詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって
何ら限定されるものではない。
【0049】水素供給用(脱水素反応用)金属担持触媒
Aの調製 主担持金属用として、1.328gの塩化白金酸6水和
物を蒸留水200mlに溶かした水溶液を作製した。こ
の水溶液に担体として4.45gの活性炭を浸漬させて
十分に攪拌し、一夜放置させた後、活性炭を混合液の中
から取り出し、十分に水洗した後、乾燥させた。そし
て、この乾燥活性炭を窒素気流下400℃で加熱して付
着した塩分を十分に分解させ、さらに、約400ml/
分の流量の水素気流下350℃で4時間加熱し担持金属
を還元・活性化させて、約5gの水素供給用金属担持触
媒Aを調製した。調製された金属担持触媒Aにおける主
担持金属の白金の含有量は、10wt%であった。
【0050】水素貯蔵用(水素添加反応用)金属担持触
媒Bの調製 主担持金属用として、1.328gの塩化白金酸6水和
物を蒸留水200mlに溶かした水溶液を作製した。こ
の水溶液に担体として4.45gのアルミナを浸漬させ
て十分に攪拌し、一夜放置させた後、アルミナを混合液
の中から取り出し、十分に水洗した後乾燥させた。そし
て、この乾燥アルミナを窒素気流下400℃で加熱して
付着した塩分を十分に分解させ、さらに、約400ml
/分の流量の水素気流下350℃で4時間加熱し担持金
属を還元・活性化させて、約5gの水素貯蔵用金属担持
触媒Bを調製した。調製された金属担持触媒Bにおける
主担持金属の白金の含有量は、10wt%であった。
【0051】(実施例1) 水素発生及び水素貯蔵試験 図1に示す装置を用いて実験を行った。金属担持触媒と
しては、活性炭に10重量%の白金を担持させたハニカ
ムシート状のもの(触媒A)と、アルミナに10重量%
の白金を担持させたハニカムシート状のもの(触媒B)
とを用いた。触媒の量はそれぞれ5gとし、次の要領で
シクロヘキサンの脱水素反応とベンゼンの水素化反応を
行わせた。 [水素供給]図1に示す装置の反応装置4に、金属担持
触媒として上記触媒Aを収納し、この触媒Aを350℃
に加熱して、原料としてのシクロヘキサンを1回あたり
2mlの割合で触媒に噴射して水素発生を行わせた。原
料の噴射時間と停止時間をそれぞれ1秒、5秒として1
分間あたりの水素発生量を測定した結果、水素生成速度
は10l/分であった。 [水素貯蔵]図1に示す装置の反応装置4に、金属担持
触媒として上記触媒Bを収納し、この触媒Bを100℃
に加熱して、原料としてのベンゼンを1回あたり2ml
の割合で触媒に噴射して水素貯蔵を行わせた。原料の噴
射時間と停止時間をそれぞれ1秒、5秒として1分間あ
たりの水素貯蔵量を測定した結果、水素貯蔵速度は10
l/分であった。
【0052】(比較例1)水素貯蔵について、実施例1
の触媒Bに代えて触媒Aを用いて実施例1と同様の実験
を行った。1分間あたりの水素貯蔵量を測定した結果、
水素貯蔵速度は1l/分であった。
【0053】(比較例2)水素発生について、実施例1
の触媒Aに代えて触媒Bを用いて実施例1と同様の実験
を行った。1分間あたりの水素発生量を測定した結果、
水素生成速度は5l/分であった。実施例1、比較例
1、比較例2、及び比較例3の結果を表1に示した。
【0054】(比較例3)触媒Bを用いて実施例1と同
様の水素発生と水素貯蔵の実験を行った。1分間あたり
の水素発生量と水素貯蔵量を測定した結果、水素発生速
度は5l/分、水素貯蔵速度は10l/分であった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の水素貯蔵・供給
システムは、家庭内の電力の負荷変動に迅速にリスポン
スできる燃料電池システムを可能とし、水素の貯蔵を行
う水素化反応と、水素の供給を行う脱水素化反応におい
て、それぞれの反応に最適な担体に触媒金属を担持させ
た金属担持触媒が用いられているので、水素化反応、及
び脱水素反応の両方の転化率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素貯蔵・供給システムの構成を模式
的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 水素貯蔵・供給システム 2 原料貯蔵手段 3 原料供給手段 31 コンプレッサ(ポンプ) 32 バルブ 4 反応装置 41 触媒 42 噴射ノズル 43 ヒーター 44 ヒーター格納部 45 熱電対 5 気液分離手段 51 蒸気凝縮部 52 水素抽出部 6 バルブ 7 バルブ 8 反応物回収手段 91 水素送出ライン 92 バルブ 93 センサ 10 制御手段
フロントページの続き (72)発明者 市川 勝 北海道札幌市西区八軒3条西4丁目4−22 −22 (72)発明者 仮屋 伸子 北海道札幌市北区北15条西2丁目21−348 −201 (72)発明者 五藤 靖志 茨城県つくば市和台32番地 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 深田 和宏 茨城県つくば市和台32番地 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 深谷 和弘 茨城県つくば市和台32番地 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 須貝 保徳 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク1 丁目2番1号 株式会社電制内 (72)発明者 歌川 忠 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク1 丁目2番1号 株式会社電制内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA01B BA08B BC75B CC31 CC40 EA19 FB14 4G140 AA42 AA48 5H027 BA13 DD05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族化合物からなる水素貯蔵体の水素
    化反応と、該芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素
    供給体の脱水素反応との少なくとも一方を利用して水素
    の貯蔵及び/又は供給を行う水素貯蔵・供給システムに
    おいて、 該システムは、水素貯蔵体及び/又は水素供給体を収納
    する原料貯蔵手段(a)と、水素貯蔵体の水素化及び/
    又は水素供給体の脱水素化を行わせる金属担持触媒を収
    納する反応装置(b)と、該金属担持触媒を加熱する加
    熱手段(c)と、原料貯蔵手段内の水素貯蔵体及び/又
    は水素供給体を反応装置へ供給する原料供給手段(d)
    と、反応装置からの生成気体を凝縮させて水素と水素貯
    蔵体及び/又は水素供給体に分離する気液分離手段
    (e)と、分離した水素貯蔵体及び/又は水素供給体を
    回収する反応物回収手段(f)とからなり、さらに、 該システムを稼働させるに当たり、水素化反応には、無
    機系材料で担持された金属担持触媒を、一方、脱水素化
    反応には、炭素系材料で担持された金属担持触媒を用い
    ることにより、反応の形態に応じて触媒の種類を切り換
    えることを特徴とする水素貯蔵・供給システム。
  2. 【請求項2】 上記無機系材料は、モレキュラーシーブ
    ス、ゼオライト、シリカゲル、またはアルミナから選ば
    れる少なくとも1種の無機系材料であることを特徴とす
    る請求項1に記載の水素貯蔵・供給システム。
  3. 【請求項3】 上記炭素系材料は、活性炭、カーボンナ
    ノチューブ、またはグラファイトから選ばれる少なくと
    も1種の炭素系材料であることを特徴とする請求項1に
    記載の水素貯蔵・供給システム。
  4. 【請求項4】 上記担持金属は、ニッケル、パラジウ
    ム、白金、バナジウム、クロム、コバルト、鉄、パラジ
    ウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデ
    ン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウ
    ム、クロム、またはコバルトから選ばれる少なくとも1
    種の金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の水素貯蔵・供給システム。
  5. 【請求項5】 上記芳香族化合物は、ベンゼン、トルエ
    ン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタ
    レン、アントラセン、ビフェニル、フェナンスレン、エ
    チルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、またはそれら
    のアルキル誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の水素貯蔵・供給システム。
  6. 【請求項6】 上記水素化誘導体は、シクロヘキサン、
    メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサ
    ン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、デカヒドロナフ
    タレン(デカリン)、又はそれらのアルキル誘導体から
    選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素貯蔵・供給
    システム。
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