JP2003320813A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2003320813A
JP2003320813A JP2002131515A JP2002131515A JP2003320813A JP 2003320813 A JP2003320813 A JP 2003320813A JP 2002131515 A JP2002131515 A JP 2002131515A JP 2002131515 A JP2002131515 A JP 2002131515A JP 2003320813 A JP2003320813 A JP 2003320813A
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belt
tire
reinforcing layer
reinforcing
carcass
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JP2002131515A
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English (en)
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Takuya Yoshimi
拓也 吉見
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高速走行時におけるベルトの迫り出し性を改
善するのはもちろんのこと、タイヤのロードノイズ及び
高速耐久性を改善する。 【解決手段】 カーカス2と、カーカス2のクラウン部
2aの外周にベルト層3a,3bよりなるベルト3とを
具えた空気入りタイヤ1であり、ベルト3の外周上にベ
ルト上補強層4が設けられており、ベルト上補強層4の
ショルダー領域4b,4cがタイヤ中央領域4aよりも
高い弾性を有しており、ショルダー領域4b,4cの合
計の幅寸法がベルト上補強層4の幅寸法の15〜50%
であり、ベルト3とカーカス2との間のベルト3の内周
面に、少なくとも1つのベルト下補強層5が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーカスと、該カ
ーカスのクラウン部外周に配した少なくとも1つのベル
ト層よりなるベルトとを具えた空気入りタイヤ に関す
る。
【0002】
【従来の技術】乗用車用タイヤのベルトには、スチール
コードを含有する少なくとも1つのベルト層よりなるベ
ルトが用いられる。1つのベルト層からなるベルトはデ
ルタ構造において知られている。
【0003】また、現在の 乗用車用タイヤのベルトに
は、主として、少なくとも2つのベルト層からなるベル
トが用いられている。かかるベルトでは、少なくとも2
つのベルト層が、タイヤの赤道面に対して所定のコード
角度に傾斜配列されたコードを含んでおり、一方のベル
ト層中のコードが他方のベルト層中のコードと互いに交
差するようにして用いられ る。
【0004】かかるベルトには、走行時の安定性確保、
中でも高速時におけるベルトの剥離(ベルト層間の剥離
やベルト層上の剥離、特にベルト端部やその近傍で顕著
に起こる剥離)を防止し、耐久性を向上させるために、
場合によって、ナイロンコード等よりなるキャッププラ
イや、キャッププライとエッジカバーとの組合せ体がベ
ルト補強層としてベルト上に配列されている。
【0005】高速耐久性向上のために、現在ではキャッ
ププライ等の構造を採用することは一般的となり、キャ
ッププライ用のコード材質として、低発熱、低コストの
ナイロンがおおむね使われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年の新品購入時の部
品の要求特性として挙げられるロードノイズの低減やフ
ラットスポットの低減、あるいは前述の高速走行時にお
けるベルト層端部の迫り出し性には改善が求められてい
る。
【0007】それらの改善策として、ナイロン(以下
「NY」と称する。)対比高弾性でありかつガラス転移
点(以下「Tg」と称する。)が高いことでフラットス
ポット低減に効果があるポリエチレンナフタレート(以
下「PEN」と称する。)やポリエチレンテレフタレー
ト(以下「PET」と称する。)等のコードのいずれか
をキャッププライに適用することが考えられる。
【0008】しかし、高速耐久評価では、かかるベルト
補強層による迫り出し量低減効果が反映されず、大幅な
耐久ライフ向上に至らないという問題がある。
【0009】本発明の課題は、高速走行時におけるベル
トの迫り出し性を改善すると共に、タイヤのロードノイ
ズを低減し、かつ高速耐久性を向上させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、カーカスと、
該カーカスのクラウン部外周に配した少なくとも1つの
ベルト層よりなるベルトとを具えた空気入りタイヤにお
いて、前記ベルトの外周上に、ベルト上補強層が設けら
れており、前記ベルト上補強層がキャッププライ又はキ
ャッププライとエッジカバーとの組合せ体からなり、タ
イヤを幅方向で切断して見たとき、前記ベルト上補強層
が中央部のタイヤ中央領域と両端部のショルダー領域と
を備えており、前記ショルダー領域が前記タイヤ中央領
域よりも高い弾性を有しており、前記タイヤ中央領域及
び前記ショルダー領域が補強素子から形成されており、
前記ショルダー領域の補強素子が前記タイヤ中央領域の
補強素子よりも高い弾性を有しており、前記ショルダー
領域の合計の幅寸法が前記ベルト上補強層の幅寸法の1
5〜50%であり、前記ベルトと前記カーカスとの間の
前記ベルトの内周面に、少なくとも1つのベルト下補強
層が設けられており、前記ベルト下補強層が補強素子か
ら形成されており、前記ベルト下補強層の補強素子がナ
イロンよりも高い弾性を有しかつナイロンよりも高いガ
ラス転移点を有していることを特徴とする空気入りタイ
ヤ に係るものである。
【0011】本発明は、スチールベルトの上のベルト上
補強層に加え、スチールベルトの下(カーカスプライと
スチールベルトとの間)に、NYに比べて高弾性で高T
gのPENコードからなるベルト下補強層を用いること
により、タイヤ転動時に、タイヤの径方向への拡がりが
抑制され、スチールベルトが動かないようになって、ロ
ードノイズの低減等の空気入りタイヤの性能の向上が可
能になるという知見に基づくものである。
【0012】本発明にかかるベルト上補強層は、ベルト
の外周上に設けられ、タイヤの転動時に拡径方向に動く
ベルトを強制的に押さえるように働く。かかるベルト上
補強層はキャッププライ又はキャッププライとエッジカ
バーとの組合せ体からなる。
【0013】本発明では、 キャッププライの使用目的
の一つとして拡径方向に動くベルトを押さえるベルト補
強という考え方を用いる。
【0014】本発明にかかるベルト下補強層は、キャッ
ププライとは異なり、動くベルトを押さえるわけでな
く、転動時のタイヤの拡径を抑制し、ベルトが動かない
ようにする。かかるベルト下補強層はタイヤの拡径に伴
うベルトの動き自体を抑制するように働く。
【0015】本発明では、ベルト下補強層によって転動
時のタイヤの拡径が完全になくなるわけではないので、
タイヤの拡径に伴って起こるベルトの動き、特にベルト
端部の動きをベルト上補強層によって抑制することで、
ロードノイズの低減効果と径方向への迫り出し抑制の効
果を持たせることが可能となる。
【0016】本発明の空気入りタイヤによれば、所定の
ベルト上補強層及びベルト下補強層によって、タイヤの
転動時にベルトが動き難くなり、高速走行時におけるベ
ルトの迫り出し性が改善すると共に、タイヤのロードノ
イズ及び高速耐久性が著しく改善する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。 (1)空気入りタイヤ 本発明の空気入りタイヤは、カーカスと、 このカーカ
スのクラウン部外周上に配した少なくとも 1つのベル
ト層よりなるベルトを具える。
【0018】好ましくは、本発明の空気入りタイヤはラ
ジアル構造のカーカスを備える空気入りラジアルタイヤ
である。かかるラジアル構造のカーカスは、カーカスコ
ードを一対のビード部間にトロイダル状に延在させて得
ることができる。
【0019】(2)ベルト 本発明にかかるベルトは、少なくとも 1つ、好ましく
は2つ以上のベルト層よりなる。かかるベルトは、特に
制限されることなく、種々の材質、形状等、及び複数の
材質、形状等の種々の組合せからなることができる。
【0020】(3)ベルト下補強層 本発明では、ベルトとカーカスとの間でベルトの内周面
に少なくとも1つのベルト下補強層を設ける。かかるベ
ルト下補強層は、転動時のタイヤの拡径を抑制し、ベル
トが動かないようにする。
【0021】好ましくは、ベルト下補強層は、タイヤを
幅方向で切断して見たとき、ベルトの幅寸法の0.5〜
1.05倍の幅寸法、更に好ましくは、ベルトの幅寸法
よりも小さい幅寸法を有する。0.5倍未満では、転動
時のタイヤの拡径抑制が十分でなくなることがあり、
1.05倍を超えると、ベルト下補強層の端部やその近
傍で2つ以上のベルト下補強層の間やベルト下補強層と
タイヤゴム等との間の剥離が顕著となったり、コードボ
リュームに比例するフラットスポットの悪化を招いたり
することがある。
【0022】(3−1)補強素子 本発明にかかるベルト下補強層は、NYよりも高い弾性
を有しかつNYよりも高いTgを有する補強素子から形
成する。かかるベルト下補強層はベルト上補強層のタイ
ヤ中央領域よりも高い弾性を有することができる。かか
るベルト下補強層の補強素子は、特に制限されることな
く、種々の材質、形状等からなることができる。補強素
子は、例えば 高弾性の有機繊維からなるコード等であ
る。
【0023】NYよりも高い弾性を有しかつNYよりも
高いTgを有する補強素子は、PENから形成すること
ができる。
【0024】(4)ベルト上補強層 本発明では、ベルトの外周上にベルト上補強層を設け
る。かかるベルト上補強層は、タイヤの転動時に動くベ
ルトを強制的に押さえる働きをする。
【0025】かかるベルト上補強層は、特に制限される
ことなく、種々の材質、形状等のものが用いられる。代
表的には、ベルト上補強層はキャッププライ又はキャッ
ププライとエッジカバーとの組合せ体からなる。エッジ
カバーは、ベルトの動き、特にその端部の動きをより一
層完全に抑制するために用いることができる。
【0026】(4−1)タイヤ中央領域及びショルダー
領域 かかるベルト上補強層は、 タイヤを幅方向で切断して
見たとき、中央部に設けられるタイヤ中央領域と、両端
部に設けられるショルダー領域とを備える。各ショルダ
ー領域は、タイヤ中央領域と機能が異なるように、例え
ばベルトの端部やその近傍の動きをより一層強く押さえ
る働きができるように設計する。
【0027】ショルダー領域はタイヤ中央領域よりも高
い弾性を有する。かかるベルト上補強層は、 タイヤ加
硫拡張時に最も拡張率の大きいベルト中央部の締め付け
(食込み)を抑えることができ、タイヤの耐久性を向上
させ、且つ、NYコードを使用したベルト上補強層を備
えるタイヤと比べ、大幅な迫出し抑制効果と低フラット
スポット性能の実現が可能となる。
【0028】ショルダー領域がタイヤ中央領域よりも高
い弾性を有するベルト上補強層は、タイヤ中央領域とシ
ョルダー領域とを材質や形状等を変えて作製することで
得られる。ショルダー領域はキャッププライの端部又は
キャッププライの端部とエッジカバーとの組合せ体から
なることができる。
【0029】本発明にかかるベルト上補強層は、ショル
ダー領域の合計の幅寸法がベルト上補強層の幅寸法の1
5〜50%の幅寸法を有する。15 %未満では、ショ
ルダー領域によって ベルト端部の動きを十分に抑制で
きないことがある。50%を超えると、ショルダー領域
が、 ベルト端部の動きを抑制するに留まらず、加硫拡
張率の大きいタイヤ中央領域を締め付けてしまうことが
ある。
【0030】(4−2)補強素子 本発明では、タイヤ中央領域及びショルダー領域を補強
素子から形成する。かかる補強素子は、特に制限される
ことなく、種々の材質、形状等からなるものを用いるこ
とができる。好ましくは、補強素子は リボン状シート
からなり、リボン状シートは少なくとも1本の補強素
子、例えばPETコード、PENコード等の有機繊維コ
ードのゴム引き体である。
【0031】ショルダー領域の補強素子は、タイヤ中央
領域の補強素子よりも高い弾性を有する。ショルダー領
域の補強素子は、ベルト下補強層の補強素子と同様の補
強素子を用いることができる。
【0032】例えば、タイヤ中央領域の補強素子は、N
Y、PET等からなる群より選ばれる少なくとも1種の
材料、好ましくは、NY等とPETとの複合材料又はP
ET等、特に好ましくは、PETからなる。また、例え
ば、ショルダー領域の補強素子は、PENからなる。
【0033】好ましくは、タイヤ中央領域はNYに比べ
て高弾性なPET等からなる補強素子によってショルダ
ー領域よりも低い弾性を有するように作製し、ショルダ
ー領域はタイヤ中央領域よりも高い弾性を有するように
PENからなる補強素子によって作製する。
【0034】(5)タイヤの製造方法 本発明の空気入りタイヤは、特に制限されることなく、
種々の方法によって製造することができる。かかる方法
としては、例えばブラダーや剛性コアを用いる加硫成形
方法が挙げられる。好ましくは、空気入りタイヤの製造
方法は、加硫成形時にベルト等の拡径が抑制できる剛性
コアを用いる方法である。
【0035】剛性コアを用いてモールド内で生タイヤを
加硫する場合、従来のブラダーを用いた加硫成形と異な
り、生タイヤのシェーピング時の拡張変形がなく、キャ
ッププライ等を構成するコードの加硫伸長時の伸びを十
分少なくすることができ、また加硫時における破断等を
十分に防止することができ、その結果加硫後のタイヤに
おいて、ベルト下補強層やベルト上補強層とベルトとの
コード接触を防止することができる。
【0036】好ましくは、ベルト下補強層及びベルト上
補強層の双方は、細長いリボン状シートをタイヤの幅方
向にらせん巻回することによって形成する。リボン状シ
ートは、好ましくは、少なくとも1本の補強素子、例え
ばPEN、PET等からなる有機繊維のコードをゴム引
きして形成されるゴム引き体からなる。
【0037】リボン状シートは、ベルト下補強層及びベ
ルト上補強層、キャッププライのタイヤ中央領域及びシ
ョルダー領域、又はエッジカバー等の配設幅よりも狭い
幅寸法をもつことができる。かかるリボン状シートを所
定の配設幅寸法になるまでタイヤの幅方向に複数回らせ
ん巻回することによって、ベルト下補強層等を形成する
ことができる。
【0038】本発明にかかるベルト下補強層やベルト上
補強層は、ゴム引きしていないディップコードをタイヤ
の幅方向にらせん巻回して形成することができる。
【0039】図面を参照して、本発明をより一層詳細に
説明する。図1は本発明の1例の空気入りタイヤを幅方
向で切断した状態を示す要部断面図である。図2は本発
明の他の例の空気入りタイヤを製造する際の状態を示す
要部断面図である。
【0040】図1及び2に示すように、空気入りタイヤ
1は、カーカス2,12と、カーカス2,12のクラウ
ン部2a,12aの外周に配したベルト3,13とを具
えることができる。
【0041】本発明では、ベルトは少なくとも1つのベ
ルト層からなる。好ましくは、図1及び2に示すよう
に、ベルト3,13は、2枚のベルト層3a,3b,1
3a,13bからなる。
【0042】ベルト3の外周上には、図1に示すよう
に、キャッププライからなるベルト上補強層4が設けら
れる。ベルト上補強層4は、所定の タイヤ中央領域4
aと所定のショルダー領域4b,4cとを有する。
【0043】本発明では、図2に示すように、ベルト1
3の外周上のベルト上補強層14を用いることができ
る。ベルト上補強層14は、キャッププライ14aとエ
ッジカバー14bとの組合せ体からなる。ベルト上補強
層14は、キャッププライ14aの中央部で形成される
タイヤ中央領域14cとキャッププライ14aの端部
14dとエッジカバー14bとで形成されるショルダー
領域14eとを有する。
【0044】本発明においては、図1及び2に示すよう
に、カーカス2,12とベルト3,13との間のベルト
3,13の内周面に、それぞれ、少なくとも1つのベル
ト下補強層5,15が設けられる。
【0045】図2には、剛性コア上で成形した生タイヤ
をモールド内に装入して、加硫成形する状態を示す。図
2において、剛性コア16は、製品タイヤの内面形状と
ほぼ対応する外面形状を有し、全体としてほぼドーナツ
形を有する。剛性コア16は複数個のセグメントに分解
することができる。
【0046】剛性コア16の外面上で、まずカーカスコ
ードを該コアのほぼラジアル方向に延在させ、かつ周方
向に所定の離間隔で配列してなるカーカス12を形成
し、該カーカスの両端部をビードコア17の周りで折り
返す。
【0047】カーカス12のクラウン部12aの外周上
で、ベルト13の内周面下になる位置に、PENコード
等の高弾性でかつ高Tgのコードを実質的に周方向に延
在させ、螺旋状に巻回してなるベルト下補強層15を配
設する。
【0048】次いで、ベルト下補強層15の外周面上
に、例えば内外二層のスチールコード層13a,13b
よりなるベルト13を配設する。
【0049】そして、ベルト13の外周側でその両端部
のみを覆うようにPENコード等の高弾性でかつ高Tg
のコードを実質的に周方向に延在させ、螺旋状に巻回し
てなるエッジカバー14bと、該カバー14bの外周側
でほぼベルト13を覆うように形成したキャッププライ
14aとを配設する。なお、キャッププライ14aのエ
ッジカバーに対応する領域は、PENコード等の高弾性
かつ高Tgのコードを実質的に周方向に延在させ、螺旋
状に巻回して構成され、該キャッププライの中央領域
は、PENコードよりも低弾性のPETコードを実質的
に周方向に延在させ、螺旋状に巻回して構成されてい
る。
【0050】エッジカバー14b及びキャッププライ1
4aは、一本又は複数本のコードを単位として、それを
ベルトの周りに直接的又は間接的に螺旋巻回することに
より形成することができる。
【0051】エッジカバー14b及びキャッププライ1
4aよりなるベルト上補強層14を形成した後、サイド
ゴム、トレッドゴム等のゴム材料を配置して所要の構
造、形状及び寸法等を具える生タイヤTを成形する。
【0052】このような生タイヤTにおいて、ベルト下
補強層及びベルト上補強層に高い補強機能を発揮させ
て、次の加硫工程において少ないコード伸長量の下で、
PETコード、PENコード等のコード破断、ラジアル
カーカスの変形等のおそれを十分に除去することができ
る。
【0053】次いで、生タイヤTを剛性コア16ととも
にモールド18内に装入する。モールド18は、トレッ
ド部の加硫成形に主として寄与し、半径方向に拡縮変位
可能な複数個のセグメントよりなるトレッドリング18
aと、サイド部の加硫成形に主として寄与するサイドリ
ング18bとからなる割りモールドである。かかる割り
モールドを用いると、トレッドリングの各セグメントを
その縮径変位に基づいて生タイヤTのトレッド部に押圧
することができるので、生タイヤTのトレッド部外径寸
法を製品タイヤのものに十分近づけることが可能で、周
方向に延在するコードの加硫時の伸長をより効果的に抑
制することができる。
【0054】
【実施例】図面を参照して、本発明を実施例に基づいて
詳細に説明する。 (実施例1)図1に示すような空気入りタイヤ1を製造
する。このタイヤ1のベルト3は、150mm幅のベル
ト層3aとその上の140mm幅のベルト層3bとを、
各ベルト層中のコードが交差するように積層して作製す
る。
【0055】ベルト3の上には、ベルト上補強層4をタ
イヤ周方向に平行配列する。ベルト上補強層4は、ポリ
エチレンテレフタレート(以下、「PET」と称す
る。)コード(1670dtex/2の太さ、26×2
6の撚り、及び50本/50mmの打ち込み) からな
るタイヤ中央領域4aと、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(以下、「PEN」と称する。)コード(16
70dtex/2の太さ、39×39の撚り、及び50
本/50mmの打ち込み) からなるショルダー領域4
b,4cとを有する。
【0056】タイヤ中央領域4aとショルダー領域4
b,4cの幅に関しては、各ショルダー領域4b,4c
の幅寸法をそれぞれ40mmとし、タイヤ中央領域4a
の幅寸法を80mmとする(ショルダー領域の合計の幅
寸法はベルト上補強層の総幅寸法の50%)。
【0057】また、ベルト3の下には、主ベルト層3a
の幅よりも小さな幅寸法をもち、PENコードからなる
ベルト下補強層5をタイヤ周方向に平行配列する。
【0058】試作タイヤは、タイヤサイズ:195/6
5R14、タイヤ内圧:200kPa、リムサイズ:6J
−14を適用する。試作タイヤを以下に示すタイヤ性能
試験に従って評価する。タイヤの構造及び性能試験結果
を表1にまとめて示す。
【0059】(タイヤ性能試験及び評価方法) (1)高速耐久性 試作タイヤについて150km/hの速度で30分間の
走行試験を行なう。故障が無ければ速度を6km/hず
つ上げていき、故障が発生した時点で試験を打ち切る。
後述する比較例1の故障発生速度を指数100とし、耐
久限界速度が上昇する(良)方向で指数100以上にな
るよう算出する。
【0060】(2)ロードノイズ 試作タイヤを実車、排気量:2000ccのセダンタイ
プ乗用車の4輪ともに装着する。この実車(2名乗車)
をテストコース(ロードノイズ評価路)において60k
m/hの速度で走行させる。集音マイクを運転席の背も
たれの部分の中央側に取り付け、周波数:100〜50
0Hzの全音圧(デシベル)を測定し、この測定値から
ロードノイズを評価する。比較例1のロードノイズを指
数100とし、ロードノイズが低減する(良)方向で指
数100以上になるよう算出する。
【0061】(3)フラットスポット 試作タイヤを実車に装着する。この実車(1名乗車)を
一定時間走行させて、装着タイヤが十分な高温になるよ
うにする。その後、高温のタイヤを、負荷をかけながら
完全に冷えるまで放置する。フラットスポット性は、こ
のようにして生じるタイヤの変形を、真円度の変化をも
って測定して評価する。すなわち、負荷の前後における
真円度をそれぞれ測定して、その差をフラットスポット
量として検出する。比較例1のフラットスポット量を指
数100とし、フラットスポット量が低減する(良)方
向で指数100以上になるよう算出する。
【0062】(4)ベルト迫り出し量 (1)の高速耐久性試験において、150km/h走行
時、ショルダー領域と中央領域の(高速変形)迫り出し
量を測定し、その平均値を計算する。比較例1の迫り出
し量を指数100とし、迫り出し量が低減する(良)方
向で指数100以上になるよう算出する。
【0063】(実施例2)実施例1で示すベルト上補強
層において、タイヤ中央領域の幅寸法を100mmと
し、各ショルダー領域の幅寸法をそれぞれ30mmに変
える (ショルダー領域の合計の幅寸法はベルト上補強
層の総幅寸法の37.5%)以外は、実施例1と同様に
して空気入りタイヤを製造する。実施例1と同様にして
タイヤ性能の試験及び評価を行う。構造及び性能試験
結果を表1にまとめて示す。
【0064】(実施例3)実施例1で示すベルト上補強
層において、タイヤ中央領域の幅寸法を120mmと
し、各ショルダー領域の幅寸法をそれぞれ20mmに変
える (ショルダー領域の合計の幅寸法はベルト上補強
層の総幅寸法の約25%)以外は、実施例1と同様にし
て空気入りタイヤを製造する。実施例1と同様にして
タイヤ性能の試験及び評価を行う。構造及び性能試験結
果を表1にまとめて示す。
【0065】(比較例1)実施例1で示すベルト下補強
層を用いることなく、実施例1で示すベルト上補強層
を、タイヤ中央領域とショルダー領域とを区別せずに、
ナイロンコード(1400dtex/2の太さ、13×
13の撚り、及び50本/50mmの打ち込み)からな
る160mmの幅寸法のベルト上補強層に変える以外
は、実施例1と同様にタイヤを製造する。実施例1と同
様に タイヤ性能の試験及び評価を行う。構造及び性能
試験結果を表1にまとめて示す。
【0066】(比較例2)比較例1において、ナイロン
コードに代えてPENコード(実施例1で使用するもの
と同じ。)を用いベルト上補強層を作製する以外は、比
較例1と同様にタイヤを製造する。実施例1と同様に
タイヤ性能の試験及び評価を行う。構造及び性能試験結
果を表1にまとめて示す。
【0067】(比較例3)実施例1で示すベルト下補強
層において、幅寸法を160mm(ベルトの幅寸法に対
して約1.07倍)に変え、実施例1で示すベルト上補
強層において、タイヤ中央領域の幅寸法を60mmと
し、各ショルダー領域の幅寸法をそれぞれ50mmに変
える (ショルダー領域の合計の幅寸法はベルト上補強
層の総幅寸法の62.5%)以外は、実施例1と同様に
して空気入りタイヤを製造する。実施例1と同様にして
タイヤ性能の試験及び評価を行う。構造及び性能試験
結果を表1にまとめて示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1に示すように、実施例1〜3の空気入
りタイヤは、比較例1〜3のタイヤに比べて、ベルト迫
り出し量が低減すると共に、ロードノイズ及び高速耐久
性が著しく改善される。
【0070】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤによれば、所定
のベルト上補強層及びベルト下補強層によって、タイヤ
の転動時にベルトが動き難くなり、高速走行時における
ベルトの迫り出し性が改善すると共に、タイヤのロード
ノイズ及び高速耐久性が著しく改善する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1例の空気入りタイヤを幅方向で切
断した状態を示す要部断面図である。
【図2】 本発明の他の例の空気入りタイヤを製造する
際の状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ 2,12 カーカス 2a,12a クラウン部 3,13 ベルト 3a,3b,13a,13b ベルト層 4 ベルト上補強層 4a,14c タイヤ中央領域 4b,4c,14e ショルダー領域 5,15 ベルト下補強層 14a キャッププライ 14b エッジカバー 14d キャッププライ の端部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 9/20 B60C 9/20 D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーカスと、該カーカスのクラウン部外
    周に配した少なくとも1つのベルト層よりなるベルトと
    を具えた空気入りタイヤにおいて、 前記ベルトの外周上に、ベルト上補強層が設けられてお
    り、前記ベルト上補強層がキャッププライ又はキャップ
    プライとエッジカバーとの組合せ体からなり、タイヤを
    幅方向で切断して見たとき、前記ベルト上補強層が中央
    部のタイヤ中央領域と両端部のショルダー領域とを備え
    ており、前記ショルダー領域が前記タイヤ中央領域より
    も高い弾性を有しており、前記タイヤ中央領域及び前記
    ショルダー領域が補強素子から形成されており、前記シ
    ョルダー領域の補強素子が前記タイヤ中央領域の補強素
    子よりも高い弾性を有しており、前記ショルダー領域の
    合計の幅寸法が前記ベルト上補強層の幅寸法の15〜5
    0%であり、前記ベルトと前記カーカスとの間の前記ベ
    ルトの内周面に、少なくとも1つのベルト下補強層が設
    けられており、前記ベルト下補強層が補強素子から形成
    されており、前記ベルト下補強層の補強素子がナイロン
    よりも高い弾性を有しかつナイロンよりも高いガラス転
    移点を有していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 タイヤを幅方向で切断して見たとき、前
    記ベルト下補強層が前記ベルトの幅寸法の0.5〜1.
    05倍の幅寸法を有する請求項1記載の空気入りタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 前記ベルト下補強層の補強素子が、ポリ
    エチレンナフタレートからなる請求項1又は2記載の空
    気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記タイヤ中央領域の補強素子がポリエ
    チレンテレフタレートからなり、前記ショルダー領域の
    補強素子がポリエチレンナフタレートからなる請求項1
    〜3のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記ベルト下補強層及び前記ベルト上
    補強層の双方が細長いリボン状シートをタイヤの幅方向
    にらせん巻回することによって形成されており、前記リ
    ボン状シートが少なくとも1本の補強素子のゴム引き体
    である請求項1〜4のいずれか一項記載の空気入りタイ
    ヤ。
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