JP2003314450A - エアコンプレッサのピストン - Google Patents

エアコンプレッサのピストン

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JP2003314450A JP2002124102A JP2002124102A JP2003314450A JP 2003314450 A JP2003314450 A JP 2003314450A JP 2002124102 A JP2002124102 A JP 2002124102A JP 2002124102 A JP2002124102 A JP 2002124102A JP 2003314450 A JP2003314450 A JP 2003314450A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルリング下面に溜った余分のオイルをス
ムーズにコンロッド収容凹部に排出することにより、オ
イルの消費量を低減する。 【解決手段】 外周面に複数のリング状の凹溝12a,
12b,12cが形成されたピストン本体12の頂面の
反対側の下面にコンロッド収容凹部12dが形成され
る。複数の凹溝のうちピストン本体の頂面から最も離れ
た位置にロア凹溝12cが形成され、このロア凹溝に外
周面がシリンダ16内周面に当接するオイルリング13
が収容される。ピストン本体にロア凹溝内とコンロッド
収容凹部とを連通する第1オイル戻し孔31が設けら
れ、ピストン本体にロア凹溝より下方のピストン本体外
周面とコンロッド収容凹部とを連通する第2オイル戻し
孔32が設けられる。更にピストン本体外周面に第2オ
イル戻し孔の入口32aに連通しかつ円周方向に延びる
リング溝12eが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周面にオイルリ
ングを収容する凹溝が形成されたエアコンプレッサのピ
ストンに関する。更に詳しくは、このオイルリングにて
かき落されたシリンダ内周面の余分のオイルをクランク
ケース内に戻すためのオイル戻し孔を有するエアコンプ
レッサのピストンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ピストン本体の外周面に対向する
シリンダ内周面に凹溝が形成され、この凹溝内側にオイ
ル掻きリングが半径方向に出没自在に設けられ、上記凹
溝の奥面と上記シリンダの上端内側とが圧力導入路によ
り連通されたエアコンプレッサが開示されている(実開
平6−67873号)。このように構成されたエアコン
プレッサでは、ピストン本体の上昇時にオイル掻きリン
グが凹溝から突出して、ピストン本体外周面に付着した
オイルを掻き落とし、ピストン本体の下降時にオイル掻
きリングが凹溝内に没入して、オイルの掻き上げを防止
できる。なお、ピストン本体の上昇時に、上記オイル掻
きリングによって掻き落とされたオイルは、ピストン本
体のロア凹溝に収容されたオイルリングによってロア凹
溝内に取り入れられ、このロア凹溝とピストン本体内周
面とを連通する水平なオイル戻し孔を通ってクランクケ
ース内に回収されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の実開平6−
67873号公報に示されたエアコンプレッサでは、図
7に示すように、ピストン本体2が上死点から所定の位
置まで下降するとき、ピストン本体2に下向きの加速度
が作用する、即ちピストン本体2の下降速度が次第に増
大する。しかし、ピストン本体2の下降開始直後は、ピ
ストン本体2の頂面とシリンダヘッド7との間のエア圧
縮室4内に圧力の大きな圧縮エアが残留しているため、
オイルリング3はロア凹溝2c下面に当接しながら下降
する。ピストン本体2が更に下降すると、オイルリング
3の掻き落とした余分のオイルがオイルリング3下面に
溜ってその圧力が上昇するため、このオイルの圧力によ
りオイルリング3が押上げられ、図7の二点鎖線矢印で
示すように、上記余分のオイルがロア凹溝2c下面とオ
イルリング3下面との間の隙間からロア凹溝2c内に流
入した後に、小径のオイル戻し孔1には入らずに、オイ
ルリング3上面とロア凹溝2c上面との間の隙間から上
方に逆流する場合があった。この結果、この逆流したオ
イルがエア圧縮室4内のエアに混入してしまい、オイル
消費量が増大する不具合があった。本発明の目的は、オ
イルリング下面に溜った余分のオイルをスムーズにコン
ロッド収容凹部に排出することにより、オイルの消費量
を低減できる、エアコンプレッサのピストンを提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、外周面に複数のリング状の凹溝12
a,12b,12cが形成され頂面の反対側の下面にコ
ンロッド収容凹部12dが形成されたピストン本体12
と、複数の凹溝12a,12b,12cのうちピストン
本体12の頂面から最も離れた位置に形成されたロア凹
溝12cに収容され外周面がシリンダ16内周面に当接
するオイルリング13とを備えたエアコンプレッサの改
良である。その特徴ある構成は、ピストン本体12にロ
ア凹溝12c内とコンロッド収容凹部12dとを連通す
る第1オイル戻し孔31が設けられ、ピストン本体12
にロア凹溝12cより下方のピストン本体12外周面と
コンロッド収容凹部12dとを連通する第2オイル戻し
孔32が設けられ、ピストン本体12外周面に第2オイ
ル戻し孔32の入口32aに連通しかつ円周方向に延び
るリング溝12eが形成されたところにある。
【0005】この請求項1に記載されたエアコンプレッ
サのピストンでは、エアコンプレッサの吸気行程におい
てピストン本体12がシリンダ16に対して下降すると
き、先ずピストン本体12の下降開始直後はピストン本
体12に下向きの加速度が作用するけれども、ピストン
本体12頂面に圧力の大きな圧縮エアが残留しているた
め、オイルリング13はロア凹溝12cの下面に当接し
た状態で下降する。オイルリング13の下方の余分のオ
イルはオイルリング13下面に溜るけれども、オイルリ
ング13下面はロア凹溝12c下面に密着しているの
で、ロア凹溝12c内を通って上方に逆流せずに、第2
オイル戻し孔32を通って速やかにコンロッド収容凹部
12dに排出される。
【0006】ピストン本体12が次第に下降すると、ピ
ストン本体12の頂面に作用する圧力は急激に小さくな
るとともに、ピストン本体12に下向きの加速度が作用
し続けるので、オイルリング13はその慣性力によりロ
ア凹溝12cの上面に当接する。オイルリング13がロ
ア凹溝12cの下面に密着した状態からロア凹溝12c
の上面に密着した状態に移行するとき、オイルリング1
3によりかき削られてオイルリング13下面に溜った余
分のオイルは第2オイル戻し孔32からコンロッド収容
凹部12dに排出されているため、その圧力は低い。こ
のためオイルリング13下面に溜った余分のオイルがロ
ア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間
からロア凹溝12c内に流入しても、オイルリング13
の上方に逆流することなく、第1オイル戻し孔31を通
ってコンロッド収容凹部12dに排出される。
【0007】ピストン本体12が更に下降すると、ピス
トン本体12に作用する加速度が上向きに変わるので、
オイルリング13はその慣性力によりロア凹溝12cの
下面に当接する。オイルリング13がロア凹溝12cの
上面に密着した状態からロア凹溝12cの下面に密着し
た状態に移行するとき、オイルリング13によりかき削
られてオイルリング13下面に溜った余分のオイルは、
第2オイル戻し孔32からコンロッド収容凹部12dに
排出されるとともに、ロア凹溝12c下面とオイルリン
グ13下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入し
第1オイル戻し孔31を通ってコンロッド収容凹部12
dに排出されているため、その圧力は低い。このためオ
イルリング13下面に溜った余分のオイルがロア凹溝1
2c下面とオイルリング13下面との間の隙間からロア
凹溝12c内に流入しても、オイルリング13の上方に
逆流することはない。
【0008】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
いずれかに係る発明であって、更に図6に示すように、
コンロッド収容凹部12dに第2オイル戻し孔32の出
口側に連通する短絡凹部72fが形成されたことを特徴
とする。この請求項4に記載されたエアコンプレッサの
ピストンでは、第2オイル戻し孔32の長さが短くなる
ので、オイルが第2オイル戻し孔32を通るときの摩擦
損失を低減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1に示すように、エアコン
プレッサのピストン11は外周面に複数のリング状の凹
溝12a,12b,12cが形成されたピストン本体1
2と、これらの凹溝12a,12b,12cのうちピス
トン本体12の頂面から最も離れた位置に形成されたロ
ア凹溝12cに収容されたオイルリング13とを備え
る。ピストン本体12の頂面とシリンダヘッド17との
間にはエア圧縮室14が形成され、上記頂面の反対側の
下面にはコンロッド収容凹部12dが形成される。コン
ロッド収容凹部12dには図示しないがコンロッドの上
端が挿入され、このコンロッドの上端は図示しないピス
トンピンを介してピストン本体12に枢着される。
【0010】なお、シリンダヘッド17には、図示しな
いがエア圧縮室14を大気に連通する吸入ポートと、エ
ア圧縮室14をエアタンクに連通する排出ポートとが形
成される。吸入ポートにはピストン本体12の下降時に
このポートを開きかつピストン本体12の上昇時にこの
ポートを閉じる吸入弁(図示せず)が設けられる。また
排出ポートにはピストン本体12の上昇時にこのポート
を開きかつピストン本体12の下降時にこのポートを閉
じる排出弁が設けられる。
【0011】上記複数の凹溝12a,12b,12cは
この実施の形態では3本であり、上記ロア凹溝12cの
他に、ピストン本体12の頂面に最も近い位置に形成さ
れたアッパ凹溝12aと、このアッパ凹溝12aとロア
凹溝12cとの間に形成されたミドル凹溝12bとから
なる。アッパ凹溝12a及びミドル凹溝12bには第1
及び第2コンプレッションリング21,22がそれぞれ
収容され、これらのコンプレッションリング21,22
はエアコンプレッサの吸気行程(図1)や排気行程(図
示せず)におけるエア圧縮室14内のエアに対する気密
性を保つ機能を有する。
【0012】オイルリング13の外周面にはシリンダ1
6内周面に当接する2本のリップ部13a,13aが設
けられ、これらのリップ部13a,13aの間にはオイ
ルリング13の半径方向の外端及び内端がそれぞれ開口
しかつ所定の長さだけ円周方向に延びる複数の長孔13
bが形成される。オイルリング13はこのリングの弾性
力によりシリンダ16内周面に密着するように構成され
る。このオイルリング13は、シリンダ16内周面に付
着したオイルがエア圧縮室12dに入って、圧縮される
エアに混入されるのを防止するとともに、シリンダ16
内周面に必要最小限の潤滑油膜を形成する機能を有す
る。
【0013】またピストン本体12にはロア凹溝12c
内とコンロッド収容凹部12dとを連通する第1オイル
戻し孔31と、ロア凹溝12cより下方のピストン本体
12外周面とコンロッド収容凹部12dとを連通する第
2オイル戻し孔32とが設けられる。またピストン本体
12の外周面のうちロア凹溝12cの直下には、第2オ
イル戻し孔32の入口32aに連通しかつ円周方向に延
びるリング溝12eが形成される。このリング溝12e
の断面形状は略台形状に形成され、その上縁はロア凹溝
12cに連通するように形成される。
【0014】第1及び第2オイル戻し孔31,32はピ
ストン本体12に円周方向に所定の間隔をあけて4個ず
つ水平にそれぞれ形成される。即ち、第1オイル戻し孔
31はロア凹溝12cの奥面からコンロッド収容凹部1
2dに向ってピストン本体12の頂面と平行にそれぞれ
形成され、第2オイル戻し孔32はリング溝12eから
コンロッド収容凹部12dに向ってピストン本体12の
頂面と平行にそれぞれ形成される。なお、上記リング溝
12eはオイルリング13下面に溜ったオイルを第2オ
イル戻し孔32にスムーズに導くために形成される。
【0015】このように構成されたエアコンプレッサの
動作を説明する。エアコンプレッサの吸気行程の初期、
即ちピストン本体12の下降開始直後は、ピストン本体
12に下向きの加速度が作用するけれども、エア圧縮室
14に圧力の大きな圧縮エアが残留しているため、この
圧力により第1コンプレッションリング21がアッパ凹
溝12aの下面に当接し、第2コンプレッションリング
22がミドル凹溝12bの下面に当接し、更にオイルリ
ング13がロア凹溝12cの下面に当接した状態で、ピ
ストン本体12が下降する(図1(a))。オイルリン
グ13の下方の余分のオイルはオイルリング13により
かき削られてオイルリング13下面に溜るけれども、オ
イルリング13はロア凹溝12c下面に密着しているの
で、上記余分のオイルはロア凹溝12c内を通って上方
に逆流せずに、二点鎖線矢印で示すように第2オイル戻
し孔32を通って速やかにコンロッド収容凹部12dに
排出され、クランクケースに落下する。またオイルリン
グ13の上方に漏れた余分のオイルは、破線矢印で示す
ように第1オイル戻し孔31を通って速やかにコンロッ
ド収容凹部12dに排出され、クランクケースに落下す
る。更にオイルリング13の2本のリップ部13a,1
3aの間に侵入したオイルは、一点鎖線矢印で示すよう
に長孔13c及び第1オイル戻し孔31を通って速やか
にコンロッド収容凹部12dに排出され、クランクケー
スに落下する。
【0016】ピストン本体12が更に下降すると、エア
圧縮室14内の圧力が急激に低下してピストン本体12
の頂面に作用する圧力が急激に小さくなるとともに、ピ
ストン本体12に下向きの加速度が作用し続けてピスト
ン本体12の下降速度は次第に増大する。このため第1
コンプレッションリング21はその慣性力によりアッパ
凹溝12aの上面に当接し、第2コンプレッションリン
グ22はその慣性力によりミドル凹溝12bの上面に当
接し、オイルリング13はその慣性力によりロア凹溝1
2cの上面に当接する(図1(b))。オイルリング1
3がロア凹溝12cの下面に密着した状態からロア凹溝
12cの上面に密着した状態に移行するとき、オイルリ
ング13によりかき削られてオイルリング13下面に溜
った余分のオイルは第2オイル戻し孔32からコンロッ
ド収容凹部12dに排出されているため、その圧力は低
い。このためオイルリング13下面に溜った余分のオイ
ルがロア凹溝12c下面とオイルリング13下面との間
の隙間からロア凹溝12c内に流入しても、オイルリン
グ13の上方に逆流することなく、第1オイル戻し孔3
1を通ってコンロッド収容凹部12dに排出され。クラ
ンクケースに落下する。
【0017】オイルリング13がロア凹溝12cの上面
に密着した状態でピストン本体12が下降すると、この
オイルリング13がシリンダ16の内周面に付着した余
分のオイルをかき削ることにより、シリンダ16の内周
面に必要最小限の厚さの潤滑油膜が形成される。オイル
リング13下面に溜った余分のオイルは、図1(b)の
破線矢印で示すようにオイルリング13下面とロア凹溝
12c下面との間の隙間及び第1オイル戻し孔31を通
って、或は二点鎖線矢印で示すように第2オイル戻し孔
32を通って、クランクケース(図示せず)に落下す
る。またオイルリング13の2本のリップ部13a,1
3aの間に侵入したオイルは、一点鎖線矢印で示すよう
に長孔13b及び第1オイル戻し孔31を通ってクラン
クケースに落下する。
【0018】ピストン本体12が更に下降すると、ピス
トン本体12に作用する加速度が上向きに変って、ピス
トン本体12の下降速度は次第に減少する。このとき第
1コンプレッションリング21はその慣性力によりアッ
パ凹溝12aの下面に当接し、第2コンプレッションリ
ング22はその慣性力によりミドル凹溝12bの下面に
当接し、更にオイルリング13はその慣性力によりロア
凹溝12cの下面に当接する(図1(a))。オイルリ
ング13がロア凹溝12cの上面に密着した状態からロ
ア凹溝12cの下面に密着した状態に移行するとき、オ
イルリング13によりかき削られてオイルリング13下
面に溜った余分のオイルは、第2オイル戻し孔32から
コンロッド収容凹部12dに排出されるとともに、ロア
凹溝12c下面とオイルリング13下面との間の隙間か
らロア凹溝12c内に流入し第1オイル戻し孔31を通
ってコンロッド収容凹部12dに排出されているため、
その圧力は低い。このためオイルリング13下面に溜っ
た余分のオイルがロア凹溝12c下面とオイルリング1
3下面との間の隙間からロア凹溝12c内に流入して
も、オイルリング13の上方に逆流することはない。
【0019】オイルリング13がロア凹溝12cの下面
に密着した状態でピストン本体12が下降すると、オイ
ルリング13はシリンダ16の内周面に付着した余分の
オイルをかき削りながら下降し、シリンダ16の内周面
に必要最小限の厚さの潤滑油膜が形成される。オイルリ
ング13下面に溜った余分のオイルは、図1(a)の二
点鎖線矢印で示すように第2オイル戻し孔32を通って
クランクケースに落下する。またオイルリング13の上
方に漏れた余分のオイルは、その慣性力により破線で示
すように第1オイル戻し孔31を通ってクランクケース
に落下する。更にオイルリング13の2本のリップ部1
3a,13aの間に侵入したオイルは、一点鎖線矢印で
示すように長孔13c及び第1オイル戻し孔31を通っ
てクランクケースに落下する。この結果、エア圧縮室内
のエアに混入する余分なオイルは極めて少ないので、オ
イル消費量を低減できる。次に排気行程(図示せず)に
移行すると、ピストン本体12がシリンダ16に対して
上昇するけれども、このときシリンダ16内周面には必
要最小限の厚さの潤滑油膜しか形成されていないので、
オイルリング13でかき削られる余分のオイルは僅かで
ある。
【0020】図2は本発明の第2の実施の形態を示す。
図2において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、第2オイル戻し孔42がピストン本体1
2外周面からコンロッド収容凹部12dに向うに従って
ピストン本体12の頂面から離れる方向に傾斜して形成
される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成され
る。このように構成されたエアコンプレッサでは、吸気
行程において第2オイル戻し孔42に流入したオイルが
その自重により第2オイル戻し孔42内を第1の実施の
形態よりスムーズに流れるので、オイルリング13下面
に溜ったオイルは第1の実施の形態より速やかにコンロ
ッド収容凹部12dに排出されて、クランクケースに戻
る。
【0021】図3は本発明の第3の実施の形態を示す。
図3において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、第1オイル戻し孔51がロア凹溝12c
内からコンロッド収容凹部12dに向うに従ってピスト
ン本体12の頂面から離れる方向に傾斜して形成され
る。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたエアコンプレッサでは、吸気行程
において第1オイル戻し孔51に流入したオイルがその
自重により第1オイル戻し孔51内を第1の実施の形態
よりスムーズに流れるので、オイルリング13の上方に
漏れた余分のオイルや、オイルリング13の2本のリッ
プ部13a,13aの間に侵入したオイルは、第1の実
施の形態より速やかにコンロッド収容凹部12dに排出
されて、クランクケースに戻る。
【0022】図4は本発明の第4の実施の形態を示す。
図4において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、第1オイル戻し孔51がロア凹溝12c
内からコンロッド収容凹部12dに向うに従ってピスト
ン本体12の頂面から離れる方向に傾斜して形成され、
第2オイル戻し孔42がピストン本体12外周面からコ
ンロッド収容凹部12dに向うに従ってピストン本体1
2の頂面から離れる方向に傾斜して形成される。上記以
外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0023】このように構成されたエアコンプレッサで
は、吸気行程において第1オイル戻し孔51に流入した
オイルがその自重により第1オイル戻し孔51内を第1
の実施の形態よりスムーズに流れるので、オイルリング
13の上方に漏れた余分のオイルや、オイルリング13
の2本のリップ部13a,13aの間に侵入したオイル
は、第1の実施の形態より速やかにコンロッド収容凹部
12dに排出されて、クランクケースに戻る。また吸気
行程において第2オイル戻し孔42に流入したオイルが
その自重により第2オイル戻し孔42内を第1の実施の
形態よりスムーズに流れるので、オイルリング13の下
面に溜ったオイルは第1の実施の形態より速やかにコン
ロッド収容凹部12dに排出されて、クランクケースに
戻る。
【0024】図5は本発明の第5の実施の形態を示す。
図5において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、ピストン本体12の外周面うちロア凹溝
12cの直下に形成されたリング溝62eの断面形状が
略半円状に形成され、その上縁はロア凹溝12cの下縁
から所定の距離だけ離れた下方に形成される。上記以外
は第1の実施の形態と同一に構成される。このように構
成されたエアコンプレッサでは、ピストン本体12に側
圧が作用したり、ピストン本体12に上向きの加速度が
作用すると、リング溝62eより下方のピストン本体1
2外周面に付着していたオイルがオイルリング13に向
って上昇するけれども、このオイルはオイルリング13
に達する前に、リング溝62eの上部内面によりリング
溝62eの中に導かれるので、即ち、上記リング溝62
eの上部内面はオイルをリング溝62eに導く絞り面の
役割を果たす。この結果、ピストン本体12に側圧が作
用したり、ピストン本体12に上向きの加速度が作用し
ても、オイルリング13に達するオイルは殆どないの
で、オイルがロア凹溝12cの背後の回り込むことはな
い。従って、オイルリング13の上方へのオイルの逆流
を、第1の実施の形態より更に確実に防止できる。
【0025】図6は本発明の第6の実施の形態を示す。
図6において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、コンロッド収容凹部12dに第2オイル
戻し孔32の出口側に連通する短絡凹部72fが形成さ
れる。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成され
る。このように構成されたエアコンプレッサでは、第2
オイル戻し孔32の長さが短くなるので、オイルが第2
オイル戻し孔32を通るときの摩擦損失を低減できる。
この結果、オイルリング13下面に溜ったオイルは第2
オイル戻し孔32内をスムーズに流れるので、オイルリ
ング13の下面に溜ったオイルは第1の実施の形態より
速やかにコンロッド収容凹部12dに排出されて、クラ
ンクケースに戻る。
【0026】なお、上記第1〜第6の実施の形態では、
ピストン本体の外周面に凹溝を3本形成したが、2本又
は4本以上でもよい。また、上記第1〜第6の実施の形
態では、第1及び第2オイル戻し孔をピストン本体に円
周方向に所定の間隔をあけて4個ずつそれぞれ形成した
が、これらのオイル戻し孔をピストン本体に2個ずつ、
3個ずつ又は5個ずつ以上設けてもよい。更に、上記第
1〜第6の実施の形態では、第1オイル戻し孔の入口を
ロア凹溝の奥面のみに形成したが、第1オイル戻し孔の
入口をロア凹溝の奥面からロア凹溝の下面にかけかつロ
ア凹溝の下縁コーナ部(ピストン本体外周面とロア凹溝
下面との交線を含むコーナ部)に達しない位置に形成し
てもよい。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ピ
ストン本体にロア凹溝内とコンロッド収容凹部とを連通
する第1オイル戻し孔を設け、ピストン本体にロア凹溝
より下方のピストン本体外周面とコンロッド収容凹部と
を連通する第2オイル戻し孔を設け、更にピストン本体
外周面に第2オイル戻し孔の入口に連通しかつ円周方向
に延びるリング溝を形成したので、ピストン本体の下降
開始直後にオイルリングがロア凹溝の下面に密着し、そ
の後オイルリングがロア凹溝の上面に密着するように、
オイルリングがピストン本体に対して相対的に移動して
も、オイルリング下面に溜ったオイルは第2オイル戻し
孔を通ってコンロッド収容凹部に排出されており、その
圧力は低い状態に保たれる。
【0028】またピストン本体に作用する加速度の向き
の変化により、オイルリングがロア凹溝の上面に密着し
た状態からロア凹溝の下面に密着する状態に移行すると
きも、オイルリング下面に溜った余分のオイルは、第2
オイル戻し孔からコンロッド収容凹部に排出されるとと
もに、ロア凹溝下面とオイルリング下面との間の隙間か
らロア凹溝内に流入し第1オイル戻し孔を通ってコンロ
ッド収容凹部に排出されているため、その圧力は低い状
態に保たれる。この結果、オイルリング下面に溜った余
分のオイルがロア凹溝下面とオイルリング下面との間の
隙間からロア凹溝内に流入しても、オイルリングの上方
に逆流せず、オイルリング下面のシール機能を確保でき
るので、オイルがエア圧縮室の圧縮エアと混合せず、オ
イル消費量を低減できる。
【0029】更にコンロッド収容凹部に第2オイル戻し
孔の出口側に連通する短絡凹部を形成すれば、第2オイ
ル戻し孔の長さが短くなるので、オイルが第2オイル戻
し孔を通るときの摩擦損失を低減できる。この結果、オ
イルリング下面に溜ったオイルは第2オイル戻し孔をス
ムーズに流れるので、オイルリングの下面に溜ったオイ
ルは更に速やかにコンロッド収容凹部に排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のピストンを含むエアコン
プレッサの要部縦断面図。
【図2】本発明の第2実施形態を示す図1に対応する断
面図。
【図3】本発明の第3実施形態を示す図1に対応する断
面図。
【図4】本発明の第4実施形態を示す図1に対応する断
面図。
【図5】本発明の第5実施形態を示す図1に対応する断
面図。
【図6】本発明の第6実施形態を示す図1に対応する断
面図。
【図7】従来例を示す図1に対応する断面図。
【符号の説明】
11 ピストン 12 ピストン本体 12a アッパ凹溝 12b ミドル凹溝 12c ロア凹溝 12d コンロッド収容凹部 12e,62e リング溝 13 オイルリング 16 シリンダ 31,51 第1オイル戻し孔 32,42 第2オイル戻し孔 32a,42a 第2オイル戻し孔の入口 72f 短絡凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に複数のリング状の凹溝(12a,12
    b,12c)が形成され頂面の反対側の下面にコンロッド収容
    凹部(12d)が形成されたピストン本体(12)と、前記複数
    の凹溝(12a,12b,12c)のうち前記ピストン本体(12)の頂
    面から最も離れた位置に形成されたロア凹溝(12c)に収
    容され外周面がシリンダ(16)内周面に当接するオイルリ
    ング(13)とを備えたエアコンプレッサにおいて、 前記ピストン本体(12)に前記ロア凹溝(12c)内と前記コ
    ンロッド収容凹部(12d)とを連通する第1オイル戻し孔
    (31)が設けられ、 前記ピストン本体(12)に前記ロア凹溝(12c)より下方の
    前記ピストン本体(12)外周面と前記コンロッド収容凹部
    (12d)とを連通する第2オイル戻し孔(32)が設けられ、 前記ピストン本体(12)外周面に第2オイル戻し孔(32)の
    入口(32a)に連通しかつ円周方向に延びるリング溝(12e)
    が形成されたことを特徴とするエアコンプレッサのピス
    トン。
  2. 【請求項2】 第1オイル戻し孔(31,51)が水平に形成
    され又はロア凹溝(12c)内から前記コンロッド収容凹部
    (12d)に向うに従って前記ピストン本体(12)の頂面から
    離れる方向に傾斜して形成された請求項1記載のエアコ
    ンプレッサのピストン。
  3. 【請求項3】 第2オイル戻し孔(32,42)が水平に形成
    され又はピストン本体(12)外周面から前記コンロッド収
    容凹部(12d)に向うに従って前記ピストン本体(12)の頂
    面から離れる方向に傾斜して形成された請求項1又は2
    記載のエアコンプレッサのピストン。
  4. 【請求項4】 コンロッド収容凹部(12d)に第2オイル
    戻し孔(32)の出口側に連通する短絡凹部(72f)が形成さ
    れた請求項1ないし3いずれか記載のエアコンプレッサ
    のピストン。
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