JP2003311890A - 農業用柔軟性多層フィルム - Google Patents

農業用柔軟性多層フィルム

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JP2003311890A
JP2003311890A JP2002123539A JP2002123539A JP2003311890A JP 2003311890 A JP2003311890 A JP 2003311890A JP 2002123539 A JP2002123539 A JP 2002123539A JP 2002123539 A JP2002123539 A JP 2002123539A JP 2003311890 A JP2003311890 A JP 2003311890A
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vinyl acetate
agricultural
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film
composition
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Yuichi Sekiguchi
雄一 関口
Koichi Ozamoto
孝一 尾座本
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JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保温性を保持しつつ、更に透明性、強靭性や
柔軟性に優れ、ハウスやトンネルでの換気作業が容易に
なり、1シーズン使用後フィルム保管の際に、収納時の
フィルム嵩が小さく収納スペースを少なくし、多湿時に
フィルムが白化しない農業用柔軟性多層フィルムを提供
する。 【解決手段】 内層A、中間層B及び外層Cの少なくと
も3層で構成し、ヤング率が120N/mm以下であ
る農業用柔軟性多層フィルムであって、内層A及び中間
層Bに特定のエチレン酢酸ビニル共重合体を、外層Cに
ポリエチレンをそれぞれ用い、各層に特定の比表面積を
有する無機フィラーが含有されている農業用柔軟性多層
フィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハウスやトンネルの
被覆資材として用いられる農業用柔軟性多層フィルムに
関する。更に詳しくは、透明性、柔軟性、強靭性、保温
性に優れ、ハウスやトンネルでの換気作業が軽減され、
1シーズン使用後のフィルムの収納スペースが少なくて
済み、多湿時にフィルムが白化しない農業用柔軟性多層
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】農業用ハウスやトンネル等の被覆資材と
して、様々のプラスチックフィルムが使用されている。
それらの代表的なものとして、ポリ塩化ビニルフィルム
(以下、農ビという)、ポリエチレンフィルム(以下、
農ポリという)、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム
(以下、農酢ビという)、農業用ポリオレフィン系特殊
フィルム(以下、農業用多層フィルムという)等を挙げ
ることができる。
【0003】中でも、農ビは保温性、透明性、経済性等
に優れているため、最も多く使用されている。しかし、
農ビは比重が大きいため、ハウスに展張する際フィルム
の重量が大きくなり、展張作業が困難であった。また、
使用後の廃棄処理として焼却処理すると塩化水素ガスを
発生する等の問題もあり、有害ガスの発生しない農ビ代
替品が望まれている。
【0004】一方、農ポリや農酢ビは、防塵性及び廃棄
処理のしやすさという点において農ビより優れている。
しかし、農ポリは、保温性、柔軟性及び強靱性が劣るた
め、作物の生育不良や、ハウスやトンネルでの換気作業
がやりにくく、1シーズン使用後にフィルムを保管する
際、収納時のフィルム嵩が高くなり、広い収納スペース
が必要であり改良が望まれてきた。また、農酢ビは柔軟
性において農ポリよりも改良されるものの、フィルムが
ブロッキングするなどの問題点があり、保温性も農ビに
比べ低いため作物の生育不良が発生していた。
【0005】近年、従来のマルチサイト触媒に代わって
シングルサイト触媒を用いて得られるエチレン−α−オ
レフィン共重合体である線状低密度ポリエチレンの開発
が進み、特開平9−52332号公報には密度が0.9
25〜0.940g/cmのエチレン−α−オレフィ
ン共重合体からなる外層(ハウスやトンネルの外側の大
気に接する層)、密度が0.880〜0.910g/c
のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる中間
層及び密度が0.905〜0.930g/cm からな
るエチレン−α−オレフィン共重合体からなる内層(ハ
ウスやトンネル内側の大気に接する層)が積層された農
業用積層フィルムが提案されている。また、特開平8−
276542号公報にはエチレン−酢酸ビニル共重合体
を中間層とし、内層及び外層にエチレン−α−オレフィ
ン共重合体を使用した農業用多層フィルムが提案されて
いる。
【0006】これらの農業用多層フィルムは、強靱性は
改良されているものの、柔軟性に劣り、フィルムに適度
なベタツキが無いため、ハウスやトンネル換気の際に、
たくし上げたフィルムが一部降りてしまい、ハウスやト
ンネル内の換気効率が悪くなり、作物の生育に影響を及
ぼすことがあった。また、最近の農家では、被覆資材の
コストを低減するために、単年用フィルムを2シーズン
程度使用する傾向があり、1シーズン使用後のフィルム
を箱に入れ納屋等に収納し、その後2シーズン目を使用
し、廃棄するケースが増えている。1シーズン使用後に
フィルムを保管する際、フィルムの柔軟性が悪いと収納
時のフィルムが嵩高くなり、広い収納スペースが必要で
ある等の問題があった。更に、ハウス内の作物や灌水等
による水分若しくは屋外の雨天による水分が付着する
と、フィルムが水分を吸収して白化する現象が発生し、
光線透過率が減少することから作物の光合成に影響を及
ぼす等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、保温
性を保持しつつ、更に透明性、強靭性や柔軟性に優れ、
ハウスやトンネルでの換気作業が容易になり、1シーズ
ン使用後フィルム保管の際に、収納時のフィルム嵩が小
さく収納スペースを少なくし、多湿時にフィルムが白化
しない農業用柔軟性多層フィルムを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究した。その結果、内層A、中間層
B及び外層Cの少なくとも3層で構成され、ヤング率が
120N/mm以下である農業用柔軟性多層フィルム
であって、内層A及び中間層Bに特定のエチレン酢酸ビ
ニル共重合体を、外層Cにポリエチレンをそれぞれ用
い、各層に特定の比表面積を有する無機フィラーが含有
されている農業用柔軟性多層フィルムが前記課題を解決
することを見出し、この知見に基づき本発明を完成する
に至った。
【0009】本発明は、以下から構成される。 1.内層A、中間層B及び外層Cの少なくとも3層から
構成された農業用柔軟性多層フィルムであって、該3層
が下記の各層から構成され、農業用柔軟性多層フィルム
の縦(MD)方向及び横(TD)方向のヤング率がそれ
ぞれ120N/mm以下であることを特徴とする農業
用柔軟性多層フィルム。
【0010】(1)ポリエチレンに対して、BET比表
面積が5〜50m/gである無機フィラーを5重量%
以下含有する組成物から構成される外層C、
【0011】(2)酢酸ビニル含有量が1〜5重量%、
密度が0.850〜0.970g/cmのエチレン酢
酸ビニル共重合体に対して、BET比表面積が5〜50
/gである無機フィラーを5重量%以下含有する組
成物から構成される内層A、
【0012】(3)酢酸ビニル含有量が10〜30重量
%、密度が0.850〜0.970g/cmのエチレ
ン酢酸ビニル共重合体に対して、BET比表面積が5〜
50m /gである無機フィラーを1〜10重量%含有
する組成物から構成される中間層B。
【0013】2.外層Cが、組成物に対してエチレン
酢酸ビニル共重合体を更に含有する組成物から構成さ
れ、組成物の酢酸ビニル含有量をI、組成物の酢酸
ビニル含有量をIIとするとき、I>IIの条件を満足する
前記1記載の農業用柔軟性多層フィルム。
【0014】3.無機フィラーが、タルク、ハイドロタ
ルサイト系化合物及びリチウム・アルミニウム複合水酸
化物塩系化合物から選ばれる少なくとも1種である前記
1記載の農業用柔軟性多層フィルム。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる農業用柔軟
性多層フィルムについて詳細に説明する。本発明の中間
層Bを構成する組成物に用いられるエチレン酢酸ビニ
ル共重合体の酢酸ビニル含有量は10〜30重量%であ
り、特に好ましくは10〜20重量%が価格の面で好ま
しい。また、前記酢酸ビニル共重合体の密度は0.85
0〜0.970g/cmの範囲である。
【0016】本発明の内層Aを構成する組成物に用い
られるエチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量
は1〜5重量%であり、特に好ましくは3〜5重量%で
ある。前記酢酸ビニル共重合体の密度は0.850〜
0.970g/cmの範囲である。
【0017】本発明の外層Cを構成する組成物に用い
られるポリエチレンは、特に限定されない。密度0.8
8〜0.92g/cmの低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、密度0.94〜0.97g/cm
の高密度ポリエチレン及びシングルサイト触媒を用いて
重合された密度が0.88〜0.94g/cmのエチ
レン−α−オレフィン共重合体が透明性や価格の面で好
適に用いられ、特に、密度0.88〜0.92g/cm
の低密度ポリエチレン等が好適に用いられる。
【0018】前記外層Cは、組成物にエチレン酢酸ビ
ニル共重合体を更に含有させた組成物から構成するこ
ともできる。エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル
含有量は5〜30重量%であり、酢酸ビニル共重合体の
密度は0.850〜0.970g/cmの範囲である
ことが好ましい。
【0019】内層Aを構成する組成物の酢酸ビニル含
有量をI、外層Cを構成する組成物の酢酸ビニル含有
量をIIとするとき、I>IIの条件を満足することが好ま
しい。これにより多湿時にフィルムが白化することがな
く、光線透過率の低下が少ない。
【0020】本発明で各層を構成する組成物に用いられ
る樹脂は、それぞれ製造方法は限定されない。また、市
販の中から所望の仕様のものを選択して用いることもで
きる。
【0021】本発明の農業用柔軟性多層フィルムの内層
A、中間層B及び外層Cの各層を構成する組成物は、前
記多層フィルムの保温性向上を目的として、無機フィラ
ーを含有する。前記無機フィラーとしては、酸化珪素、
珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム
等の珪酸化合物、アルミノ珪酸カルシウム、アルミノ珪
酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム等のアルミノ珪酸
化合物、アルミナ、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸
カリウム、アルミン酸カルシウム等のアルミン酸化合
物、炭酸カルシウム、下記式(2)、下記式(3)、下
記式(4)及び下記式(5)で示されるリチウム・アル
ミニウム複合水酸化物塩系化合物や下記式(6)で示さ
れるハイドロタルサイト系化合物等の群から選ばれる少
なくとも1種の無機フィラーが挙げられる。
【0022】 Li(Al3+(OH・(A n−1/n・mHO (2) (式中、A n−はn価のアニオン、mは0≦m≦3の
範囲にある数、nは1≦n≦3の範囲にある数を示
す。)
【0023】 [AlLi(OH)(An−)・mHO (3) (式中、An−はn価のアニオン、mは3以下の数を示
す。)
【0024】 [(Al3+(Li (1−x)・M2+ )(OH ・(Si(2y+1) 2−(1+x)・mHO (4) (式中、M2+は2価の金属イオン、mは0≦m<5の
範囲にある数、xは0≦x<1の範囲にある数、yは2
≦y≦4の範囲にある数を示す。)
【0025】 [(Al3+(Li (1−x)・M2+ )(OH ・(An―2(1+x)/n・mHO ( 5) (式中、M2+は2価の金属イオン、An―はn価の陰
イオンであり、mは0≦m<5の範囲にある数、xは
0.01≦x<1の範囲にある数、nは1≦n≦3の範
囲にある数を示す。)
【0026】 M2+ 1−xAl3+ (OH(A1 n−x/n・mHO (6) (式中、M2+はMg2+、Ca2+、及びZn2+
中から選ばれた少なくとも1種の2価金属イオンを示
し、A1 n−はn価のアニオン、xは0<x<0.5の
範囲にある数、mは0≦m≦2の範囲にある数、nは1
≦n≦3の範囲にある数を示す。)
【0027】前記無機フィラーとしては、JIS Z
8830に従って測定されるBET比表面積が5〜50
/g、好ましくは5〜20m/gのものが用いら
れる。BET比表面積がこの範囲であれば、防曇剤や防
霧剤のフィルム表面への移行による防曇性能や防霧性能
の発現が十分であり、かつそれらの持続性が十分であ
る。
【0028】中間層Bを構成する組成物に対する前記無
機フィラーの添加量は1〜10重量%である。同様に、
内層Aもしくは外層Cを構成する組成物に対する添加量
は5重量%以下である。添加量がこの範囲であれば保温
性が十分であり、透明性、機械的特性の低下も少ない。
【0029】本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、前
記組成物を用いることによって、フィルムの縦(MD)
方向と横(TD)方向のヤング率がそれぞれ120N/
mm 以下であり、柔軟性に優れることから換気時のた
くし上げのし易さを発現する。
【0030】本発明においては、内層A、中間層B及び
外層Cを構成する組成物に本発明の目的を損なわない範
囲で、通常農業用フィルムに用いられている改質用樹脂
や添加剤を配合することができる。前記添加剤として
は、防曇剤、耐候剤、防霧剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、抗菌剤、色素・着色
剤等を挙げることができる。
【0031】内層A、中間層B及び外層Cを構成する組
成物を得る方法としては、それぞれの層に用いられる熱
可塑性樹脂に所望の前記添加剤を加え、ヘンシェルミキ
サー(商品名)等の高速撹拌機付混合機及びリボンブレ
ンダー並びにタンブラーミキサー等の通常の配合装置に
より混合する方法が例示でき、更に通常の単軸押出機又
は二軸押出機等を用いてペレット化する方法が例示でき
る。
【0032】本発明の農業用柔軟性多層フィルムの厚み
は、使用する場所や耐用年数等により異なるが、一般的
に0.05〜0.3mm程度のものが好適に用いられ
る。内層Aの厚みTa、中間層Bの厚みTb及び外層Cの
厚みTは特に限定されるものではないが、Ta:Tb
=1〜5:1〜5:1〜5の厚み比の範囲が好まし
い。
【0033】本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、前
記の組成物を用いインフレーション法もしくはTダイ法
等の技術により製造することができ、また、中間層Bの
他に、保温性を付与した中間層D、防曇性を向上させる
ための中間層G、再生原料を入れた中間層H等を積層し
た4層以上の多層フィルムであっても構わない。更に、
防塵塗布剤や防曇塗布剤等を塗布・乾燥し、表面に塗布
膜を形成させても構わない。
【0034】本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、透
明でも、梨地でも良く、農業用ハウス(温室)、トンネ
ル等の被覆用以外のマルチング用、袋掛け用等の用途に
使用しても良い。
【0035】
【実施例】以下、実施各例及び比較各例によって本発明
を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定され
るものではない。尚、実施例及び比較例における農業用
柔軟性多層フィルムの評価は、下記の方法によって実施
した。
【0036】1)全光線透過率及びヘーズ;JIS K
7105に従って、カラーコンピューター「HGM−
2K」(商品名、スガ試験機(株)製)を用いてフィルム
製造後2週間後の製品を測定した。ヘーズは、数値が小
さいほど透明性が良好である。
【0037】2)引張弾性率(柔軟性:ヤング率);A
STM D 882に従って、フィルムのサンプルの縦
(MD)と横(TD)の引張弾性率を測定した。
【0038】3)引張荷重;JIS K 6732に従
って縦(MD)方向と横(TD)方向の引張切断荷重を
求めた。引張切断荷重と引張弾性率が大きいと強靭であ
る。
【0039】4)密度;JIS K 7112に従って
測定した。
【0040】5)メルトフローレート(MFR);JI
S K 7210に従って190℃、21.18Nの条
件で測定した。
【0041】6)展張試験;フィルム厚み0.1mm、長
さ100m、幅2mのフィルムをトンネルハウスにバン
ドを掛けて3ヶ月間展張後、たくし上げを5m毎に片側
19カ所、両側合計38カ所換気し、翌日たくし上げ換
気が降りている所の数を計測した。数字が大きいほど、
たくし上げ換気がやりにくい。
【0042】7)収納試験;フィルム厚み0.1mm、
長さ100m、幅2.7mのフィルムを縦50cm、横
30cm、高さ50cm四方の箱につづら折りに収納し
上板をかぶせ、上部より5kg重りを乗せ3分間加圧し
たときの高さを測定した。数字が大きいほど嵩が高く、
収納スペースが必要である。
【0043】8)耐水白化試験;フィルム厚み0.1m
m、長さ15cm、幅5cmにフィルムを切断し、ビー
カーに水温15℃の水を200ml入れ、12時間浸積
後のヘーズをJIS K 7105に従って、カラーコ
ンピューター「HGM−2K」(商品名、スガ試験機
(株)製)を用いて測定した。
【0044】9)保温性(赤外線反射吸収率、単位:
%);赤外線分光計(PERKIN ELMER PA
RAGON1000PC)で400〜4000cm―1
の波数領域における被覆資材の赤外線透過率を10cm
―1毎に測定し、以下の計算式により算出した。 E=Cλ−5/{exp(C/λT)−1}J/m・hr・m (7 ) (式中λは波長(m)、Tは絶対温度(K)、C
1.346×10−12J・m/h、Cは0.01
4387m・Kである。) A=E×{1−(変曲点でのIR透過率)} (8) (式中Aは10cm―1毎の赤外線反射吸収率であ
る。) S=(A+A)×(λ−λ)/2 (9) (式中λ・λは波長、A+Aは各赤外線反射吸
収率、Sは波長軸と黒体輻射曲線で囲まれた面積であ
る。) A=ΣS/ΣE (10) (式中Aは波長2.5〜25μm迄の赤外線反射吸収率
である。)赤外線反射吸収率が高いほど地面から放出さ
れる赤外線が透過しにくく、保温性に優れることを示
す。
【0045】実施例1〜10、比較例1〜9 表1及び表2に記載した農業用柔軟性多層フィルムの各
層別の配合と後述の共通配合の処方に従い、各層用の組
成物を用意した。得られた組成物を用い、65mmφ押
出機1台と45mmφ押出機2台を有する3種3層イン
フレ多層押出装置を使用して、成形温度180℃にて、
厚み0.1mmの多層フィルムを製膜した。多層フィル
ムの各層の厚み比は、外層:中間層:内層=1:3:1
である。得られた多層フィルムの評価結果を表1及び表
2に示した。
【0046】尚、表1及び表2に記載した多層フィルム
の各層を構成する組成物に用いた樹脂の記号と内容は以
下の通りである。 LDPE:低密度ポリエチレン、NUC8505(商
品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190℃)=0.
8g/10分、密度=0.92g/cm
【0047】LLDPE:線状低密度ポリエチレン
(エチレン−α−オレフィン共重合体)、ダウレックス
2045AC(商品名、ダウ・ケミカル(株)製)、MF
R(190℃)=1.0g/10分、密度=0.920g
/cm、α−オレフィン(1−ブテン)含有量<20
重量%
【0048】EVA(5%):酢酸ビニル含有量5重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、NUC3250
(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190℃)=
1.5g/10分、密度=0.93g/cm
【0049】M−PE:シングルサイト触媒系エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、エリート5400(商品
名、ダウ・ケミカル(株)製)、MFR(190℃)=1.
0g/10分、密度=0.916g/cm、α−オレ
フィン(1−オクテン)含有量<20重量%
【0050】EVA(25%):酢酸ビニル含有量2
5重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体、NUC319
5(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190
℃)=4.0g/10分、密度=0.95g/cm
【0051】EVA(15%):酢酸ビニル含有量1
5重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体、NUC845
2(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190
℃)=1.0g/10分、密度=0.94g/cm
【0052】EVA(10%):酢酸ビニル含有量1
0重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体、DQDJ18
30(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190
℃)=1.5g/10分、密度=0.93g/cm
【0053】無機フィラー1:合成ハイドロタルサイ
ト、DHT−4A(商品名、協和化学工業(株)製)
【0054】また、表1及び表2に記載した各多層フィ
ルムの前記樹脂を除く、共通配合組成は、組成物基準
で、外層Cにおいて、耐候剤0.2重量%、紫外線吸収
剤0.1重量%、フェノール系安定剤0.1重量%、リ
ン系安定剤0.1重量%、ステアリン酸カルシウム0.
2重量%、アンチブロッキング剤0.1重量%、帯電防
止剤0.2重量%を、中間層Bにおいて耐候剤0.3重
量%、紫外線吸収剤0.1重量%、非イオン系防曇剤2
重量%、フェノール系安定剤0.1重量%、リン系安定
剤0.1重量%、ステアリン酸カルシウム0.3重量
%、防霧剤0.1重量%を、また、内層Aにおいて耐候
剤0.2重量%、紫外線吸収剤0.1重量%、フェノー
ル系安定剤0.1重量%、リン系安定剤0.1重量%、
ステアリン酸カルシウム0.2重量%、アンチブロッキ
ング剤0.1%、帯電防止剤0.2重量%である。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、
透明性、柔軟性、保温性、強靭性、換気特性、収納効率
及び耐水白化性に優れた農業用柔軟性多層フィルムであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 2B024 DB01 DB07 EA01 2B029 EB03 EC02 EC06 EC09 EC14 EC16 EC18 EC19 EC20 4F100 AA00A AA00B AA00C AA17A AA17B AA17C AA19A AA19B AA19C AA33A AA33B AA33C AC10A AC10B AC10C AK04C AK06 AK62 AK63 AK68 AK68A AK68B AK68C AL05C BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C BA13 BA15 CA23A CA23B CA23C EH20 GB01 JA13A JA13B JB07 JJ02 JK01 JK02 JK07 JK13 JK17 JN01 YY00 YY00A YY00B YY00C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層A、中間層B及び外層Cの少なくと
    も3層から構成された農業用柔軟性多層フィルムであっ
    て、該3層が下記の各層から構成され、農業用柔軟性多
    層フィルムの縦(MD)方向及び横(TD)方向のヤン
    グ率がそれぞれ120N/mm以下であることを特徴
    とする農業用柔軟性多層フィルム。 (1)ポリエチレンに対して、BET比表面積が5〜5
    0m/gである無機フィラーを5重量%以下含有する
    組成物から構成される外層C、(2)酢酸ビニル含有
    量が1〜5重量%、密度が0.850〜0.970g/
    cmのエチレン酢酸ビニル共重合体に対して、BET
    比表面積が5〜50m/gである無機フィラーを5重
    量%以下含有する組成物から構成される内層A、
    (3)酢酸ビニル含有量が10〜30重量%、密度が
    0.850〜0.970g/cmのエチレン酢酸ビニ
    ル共重合体に対して、BET比表面積が5〜50m
    gである無機フィラーを1〜10重量%含有する組成物
    から構成される中間層B。
  2. 【請求項2】 外層Cが、組成物に対してエチレン酢
    酸ビニル共重合体を更に含有する組成物から構成さ
    れ、組成物の酢酸ビニル含有量をI、組成物の酢酸
    ビニル含有量をIIとするとき、I>IIの条件を満足する
    請求項1記載の農業用柔軟性多層フィルム。
  3. 【請求項3】 無機フィラーが、タルク、ハイドロタル
    サイト系化合物及びリチウム・アルミニウム複合水酸化
    物塩系化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1記載の農業用柔軟性多層フィルム。
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