JP2003310210A - 泡盛蒸留粕と乾燥おから末とからなる食品及びその製造方法 - Google Patents
泡盛蒸留粕と乾燥おから末とからなる食品及びその製造方法Info
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Abstract
蒸留粕とおからを有効利用して、栄養価の高い食品であ
る泡盛蒸留粕と乾燥おから末とからなる食品及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 泡盛蒸留粕と乾燥おから末とを、5〜1
00:1(質量部)の割合で混合し、混合物を加熱する
ことにより、混合物の水分の約40〜45質量%を濃縮
させて粘体とし、該粘体を送風乾燥することにより固形
物とし、該固形物を粉砕機によって粉末化する。
Description
泡盛蒸留粕と乾燥おから末とからなる食品、より詳細に
は、クエン酸、ミネラル、不飽和脂肪酸、アミノ酸等の
栄養素を豊富に且つバランス良く含む栄養補助食品であ
る泡盛蒸留粕と乾燥おから末とからなる食品及びその製
造方法に関する。
あり、現在、沖縄県内には48社の泡盛メーカーが存在
している。泡盛は、タイ米に黒麹菌を植菌して糖化・ク
エン酸発酵させたものを麹とし、この麹に水と焼酎酵母
を添加してアルコール発酵させてもろみとし、このもろ
み中のアルコールを蒸留して得られるものである。一
方、アルコールを蒸留した後には蒸留粕(泡盛蒸留粕)
が多量に生じ、従来、この蒸留粕は産業廃棄物として処
理されてきた。
行うところまで様々であるが、一般には、週2〜3回の
仕込みを行っている。従って、泡盛蒸留粕は、週に2〜
10トンのペースで排出され、沖縄県の泡盛メーカ全体
では、1週間に約550トンにものぼる量が排出されて
いる。泡盛蒸留粕を産業廃棄物として処理すると、多大
な費用がかかってしまう。
ノ酸等の栄養成分が豊富であることが知られている。特
に、多量のクエン酸が含まれていることに着目し、泡盛
蒸留粕を濾過したものをクエン酸酢として商品化したも
のが種々販売されている。クエン酸は、大きな社会問題
となっている生活習慣病の予防に特に有効であることが
知られている。例えば、体液を弱アルカリ性にし、疾病
に対する自然治癒力を高める;カルシウムの吸収を促進
する;血液を浄化し、血管を丈夫にする;疲労物質であ
る乳酸の生成を抑制し、疲労回復・肩こり・神経痛・リ
ウマチを予防する;中性脂肪やコレステロールの蓄積を
防ぐことにより、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中
などを予防する;免疫力を高める;アレルギー性疾患の
症状を緩和する;血糖値を下げる等の効果が知られてい
る。
エン酸酢を採取した後のもろみ粕を、さらに加工して粉
末としたものに、大豆、黒糖及びウコンを加えた粉末状
の健康食品も販売されている(商品名:命どぅ宝 天然
発酵クエン酸 POWER STICK60、命どぅ宝総本舗社製)。
繊維、ビタミン、不飽和脂肪酸などを豊富に含む栄養価
の高いものであるが、その一部のみが食品、飼料等とし
て利用され、残りの大部分は泡盛蒸留粕と同様に産業廃
棄物として処理されている。
明は、泡盛蒸留粕の栄養的価値を有効に活用し、同時
に、従来は産業廃棄物として廃棄処理されてきた泡盛蒸
留粕を生産性の有る産業に利用することを目的とする。
め、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、アルコール
を蒸留した後に残る蒸留粕に、乾燥おから末を混合し、
濃縮した後に粉末化することで、高濃度のクエン酸を含
み、且つ、有機酸、ビタミン、不飽和脂肪酸、ミネラ
ル、アミノ酸等の栄養素をバランス良く含有する食品を
提供できることを見出し、本発明に到達した。
粕と乾燥おから末とからなる食品及びその製造方法を提
供する。乾燥おから末は、大豆から製造されるものであ
るが、ここでは、おからとなった状態のものを意図して
おり、泡盛蒸留粕と大豆自体とからなる食品は意図して
いない。
末とを、5〜100:1(質量部)の割合で混合し、混
合物を加熱することにより、混合物の水分の約40〜4
5質量部を濃縮させて粘体とし、該粘体を送風乾燥する
ことにより固形物とし、該固形物を粉砕機によって粉末
化することを特徴とする食品の製造方法を提供する。
本発明の食品(以下、「黒麹もろみ末」と呼ぶ)は、少
なくとも泡盛蒸留粕と乾燥おから末とからなることを特
徴とする。
り、タイ米に黒麹菌を植菌して糖化・クエン酸発酵させ
たものを麹とし、この麹に水と焼酎酵母を添加してアル
コール発酵させてもろみとし、このもろみ中のアルコー
ルを蒸留して得られたものである。原料であるタイ米や
黒麹菌、焼酎酵母の種類には特に制限はなく、通常、泡
盛の製造に用いられているものであればいずれの種類の
ものであってもよい。
6〜10質量%の固形分とからなっている。本発明で
は、前述の命どぅ宝総本舗社製の粉末状食品とは異な
り、泡盛蒸留粕の固体分を濾過すること無くそのまま用
いて濃縮させる。それにより、クエン酸等の水溶性成分
が濾過によって減少せず、従来の粉末状食品に比べてク
エン酸等が豊富に含まれた食品が得られる。
じる豆乳のしぼり糟を乾燥させたものである。通常のお
からは、乾燥前の状態で約85質量%程度の水分を含ん
でいる。
なる食品は、クエン酸を、通常2質量%以上、好ましく
は5質量%、さらに好ましくは7質量%以上含有し、従
来のクエン酸を主成分とする栄養補助食品と比べて、ク
エン酸を非常に高濃度で含んでいる。それ故、前述のよ
うな種々の効果を発揮することができる。
とからなる食品は、カルシウムとマグネシウムとを、約
2:1(質量部)の割合で含有しており、カルシウムの
吸収効率が最適のバランスで混合されている点で優れて
いる。
なる食品は、泡盛蒸留粕のみでなく、おからを原料とし
て使用しているため、おからに含まれる栄養素をも含
む。特に食物繊維が豊富で、便通を改善するなどの効用
が期待できる。さらにはビタミン類、特にビタミンB群
も多く含んでいる。
なる食品は、必須脂肪酸(不飽和脂肪酸)を多く含み、
血液の浄化作用等が期待できる。
なる食品は、アミノ酸(必須アミノ酸及び非必須アミノ
酸)をバランス良く含んでいる。具体的には、体がタン
パク質の合成を行うためには、必須アミノ酸と非必須ア
ミノ酸のバランスがとれている必要がある。そして必須
アミノ酸は1つ1つがお互いに適切なバランスとなって
いる必要がある。例えば、リジンとメチオニンの比は
2:1となるのが好ましいとされているが、本発明の場
合では、リジンが1090mgに対し、メチオニンが4
70mgであり、略2:1の割合となっている。また、
リジンとトリプトファンの比は3:1となるのが好まし
いとされているが、本発明の場合では、リジンが109
0mgに対し、トリプトファンが310mgであり、略
3:1の割合となっており、理想的なバランスとなって
いる。
康を維持するのに必要な種々の栄養素をバランス良く含
むものである。なお、本発明の食品の原料はいずれも天
然物由来の泡盛蒸留粕、おから、秋ウコン、春ウコン、
紫ウコンなどの薬草類であり、それらの成分組成は、季
節、気温等の環境条件によって変動するものであり、そ
れに連動して、本発明の食品の成分組成も変動しうるこ
とは言うまでもないことである。
発明の方法という)は、泡盛蒸留粕と乾燥おから末と
を、5〜100:1(質量部)の割合で混合し、混合物
を加熱することにより、混合物の水分の約40〜45質
量%を濃縮させて粘体とし、該粘体を送風乾燥すること
により固形物とし、該固形物を粉砕機によって粉末化す
ることを特徴とする。
0:1(質量部)、好ましくは10:1(質量部)の割
合で混合する。泡盛蒸留粕が5質量部未満であると、栄
養バランスの点で満足するものが得られず、目的とする
栄養価を達成できない恐れがある。また、100質量部
より多く使用しても、本発明の食品の吸収性にそれ以上
の向上は見られず、水分を蒸発させる手間及びコストが
かかるため現実的でない。泡盛蒸留粕が10質量部とす
ると、栄養バランスが優れ、且つ食品の吸収性及びコス
トの観点からも優れている。
熱は、例えば、直火型攪拌機中に混合物を入れ、混合撹
拌して行うのが好ましい。加熱温度は70℃以下であっ
ても、滅菌可能である。加熱時間は、混合物の水分の約
40〜45質量%を蒸発させるのに必要な時間である。
なお、70℃程度で1時間以上加熱することにより、原
料中の大腸菌、サルモネラ菌等を滅菌することもでき
る。70℃以上の高温であっても、短時間であれば、成
分の性質の変化は問題とならないので、適用可能であ
る。例えば、330℃で3分間とすることにより、内部
成分の変化せずに、短時間で滅菌可能である。この場
合、内部温度は、70〜80℃となる。水分を蒸発させ
て濃縮するための送風乾燥は、温風を用いることが好ま
しい。
粉末化して本発明の食品を得る。粉末化された食品の粒
子サイズは、好ましくは約0.037〜0.1mmであ
る。微粉末とすることにより、食品中の栄養素の生体へ
の吸収性が向上する。
乾燥おから末の他に薬草末を混合してもよい。薬草末を
混合することにより、特定の効果を目的とする栄養補助
食品を得ることが可能となる。
に制限はないが、例えば、薬草末には、秋ウコン、春ウ
コン、紫ウコン、クミスクチン、グァバ、月桃、パパイ
ヤ、ゴーヤー、ギムネマシルベスタなどが好ましい。薬
草末は、1種のみ又は2種以上を用いることができる。
る場合には、泡盛蒸留粕、乾燥おから末及び薬草末を一
緒に混合する。泡盛蒸留粕:(乾燥おから末+薬草末)
の割合は、通常5〜100:1、好ましくは10:1で
ある。乾燥おから末:薬草末の割合には、特に制限はな
いが、1:1(質量部)であることが好ましい。
説明するが、本発明は、下記実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
%)500kgと、乾燥おから末(水分7〜9質量%、
固形分93〜91質量%)50kgを、直火型攪拌機に
入れ、70℃の温度で6〜8時間混合撹拌し、約220
〜250kg(元の質量の約40〜45%)の粘体にな
るまで濃縮する。
8時間乾燥し、水分含量5.7質量%の固形物を得る。
固形物を粉砕機で、約0.037〜0.1mmの微粉末
とし、黒麹もろみ末を得る。
%)500kg、乾燥おから末(水分7〜9質量%、固
形分93〜91質量%)25kg及び薬草末25kg
を、直火型攪拌機に入れ、70℃で6〜8時間混合撹拌
し、約220〜250kg(元の質量の約40〜45
%)の粘体になるまで濃縮する。
8時間乾燥し、水分含量5.7質量%の固形物を得る。
得られた固形物を粉砕機で、約0.1mmの微粉末と
し、薬草入り黒麹もろみ末を得る。
分分析試験結果を下記表1及び表2に示す。
例として、前記の「命どぅ宝 天然発酵クエン酸 POWER
STICK60 」の成分表(命どぅ宝総本舗社のホームページ
http://www.nuchidu-takara.com/index.html より転
載)を表3〜5として示す。
ると、本発明の黒麹もろみ末が、極めて高いクエン酸含
量を有していることがわかる。これは、命どぅ宝総本舗
社製のものと異なり、クエン酸酢を採取することなく、
泡盛蒸留粕をそのまま使用して濃縮して粉末化している
ことによる。
の1つとして利用しているため、食物繊維が非常に豊富
であり、便通を良くするなどの効果が期待できる。さら
には、おから末に由来するビタミン類、不飽和脂肪酸類
を豊富に含み、優れた栄養補助効果を有すると言える。
ル、アミノ酸、不飽和脂肪酸などをバランス良く含み、
栄養補助食品として優れていると言える。特に、ミネラ
ルについては、カルシウムとマグネシウムが、ほぼ2:
1というカルシウム吸収率の最も良い理想的なバランス
で含有されている。アミノ酸については、必須アミノ酸
と非必須アミノ酸のバランスが良い。不飽和脂肪酸につ
いては、必須脂肪酸がバランス良く含まれている。
して廃棄されてきた泡盛蒸留粕とおからを有効利用する
ことができる。本発明によれば、有機酸、特にクエン酸
を豊富に含み、食物繊維が多く含まれ、ミネラル、不飽
和脂肪酸、ビタミン、アミノ酸のそれぞれをバランス良
く含む栄養価に優れた食品が得られる。
Claims (15)
- 【請求項1】 少なくとも泡盛蒸留粕と乾燥おから末と
からなる食品。 - 【請求項2】 クエン酸が2質量%以上含まれているこ
とを特徴とする請求項1に記載の食品。 - 【請求項3】 カルシウムとマグネシウムとが、約2:
1(質量部)の割合で含まれていることを特徴とする請
求項1又は2に記載の食品。 - 【請求項4】 薬草末をさらに含むことを特徴とする請
求項1〜3のいずれか1項に記載の食品。 - 【請求項5】 薬草末が、秋ウコン、春ウコン、紫ウコ
ン、クミスクチン、グァバ、月桃、パパイヤ、ゴーヤー
及びギムネマシルベスタからなる群から選択されること
を特徴とする請求項4に記載の食品。 - 【請求項6】 泡盛蒸留粕は、その水分を濾過すること
無くそのまま用いることを特徴とする請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の食品。 - 【請求項7】 泡盛蒸留粕と乾燥おから末とを、5〜1
00:1(質量部)の割合で混合し、混合物を加熱する
ことにより、混合物の水分の約40〜45質量%を濃縮
させて粘体とし、該粘体を送風乾燥することにより、固
形物とし、該固形物を粉砕機によって粉末化することを
特徴とする食品の製造方法。 - 【請求項8】 泡盛蒸留粕と乾燥おから末を10:1
(質量部)の割合で混合することを特徴とする請求項7
に記載の製造方法。 - 【請求項9】 泡盛蒸留粕と乾燥おから末の混合物を、
直火型攪拌機に入れて混合撹拌することによって、水分
を蒸発させることを特徴とする請求項7又は8に記載の
製造方法。 - 【請求項10】 粘体の送風乾燥を、温風を用いて行う
ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の
製造方法。 - 【請求項11】 粉砕機によって粉末化された食品の粒
子サイズが約0.037〜0.1mmであることを特徴
とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方
法。 - 【請求項12】 薬草末をさらに混合することを特徴と
する請求項7〜11のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項13】 薬草末が、秋ウコン、春ウコン、紫ウ
コン、クミスクチン、グァバ、月桃、パパイヤ、ゴーヤ
ー及びギムネマシルベスタからなる群から選択されるこ
とを特徴とする請求項12に記載の製造方法。 - 【請求項14】 乾燥おから末と薬草末とを1:1(質
量部)の割合で混合することを特徴とする請求項12又
は13に記載の製造方法。 - 【請求項15】 泡盛蒸留粕は、その水分を濾過するこ
と無くそのまま用いることを特徴とする請求項7〜14
のいずれか1項に記載の製造方法。
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JP2005261419A (ja) * | 2004-02-20 | 2005-09-29 | Ti Kenkyusho:Kk | 抗酸化作用を有する健康食品およびその製法 |
JP2009247283A (ja) * | 2008-04-07 | 2009-10-29 | Ito En Ltd | 粉砕ウコン末およびそれを用いた飲食物 |
KR20190020470A (ko) * | 2017-08-21 | 2019-03-04 | 임재록 | 막걸리박 혼합 환 및 이의 제조방법 |
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