JP2003308962A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP2003308962A JP2002112996A JP2002112996A JP2003308962A JP 2003308962 A JP2003308962 A JP 2003308962A JP 2002112996 A JP2002112996 A JP 2002112996A JP 2002112996 A JP2002112996 A JP 2002112996A JP 2003308962 A JP2003308962 A JP 2003308962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円偏波の供給構成とそれを授受する被加熱物
に円偏波加熱の実用的効果を与える加熱空間を備えた高
周波加熱装置を提供する。 【解決手段】 高周波発生手段を装着する導波管10、
高周波発生手段が発生した高周波を2分配する分配手段
であるE面T分岐分配部12、それぞれ2分配された高
周波を伝搬する導波管13、14、各導波管13、14
を直交させた領域に構成した加熱空間15を備え、各導
波管13、14のE面T分岐分配部12から加熱空間1
5に至る長さは導波管の伝搬波長の略1/4の長さの差
とし、ほぼ等量でかつ位相差90度の高周波によって円
偏波を確実に発生させ高周波エネルギの利用効率を高め
るとともに加熱の均一化を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円偏波を用いた高
周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電波伝搬は、垂直偏波と円偏波とに大別
できる。垂直偏波は特定位置での電界強度が時間的に変
化するのに対し、円偏波は電界強度は時間的に変化せず
電界ベクトルの方向が変化する。
【0003】従来の高周波加熱装置は、垂直偏波が用い
られ加熱空間に生じた定在波の影響を受けて被加熱物に
は加熱ムラが生じる。この加熱ムラの抑制対策として、
被加熱物を回転移動させたり、回転アンテナを用いて電
波の放射方向を時間的に変化させたりしている。
【0004】一方、円偏波を利用する高周波加熱装置と
して、特開平10−134955号公報、特開平11−
3774号公報、特開2000−48946号公報など
の先行技術がある。特開平10−134955号公報は
導波管内部に実効波長λgに対してλg/4の長さの仕
切板を設けて直線偏波を円偏波に変換させるものが示さ
れており、変換した円偏波を被加熱物に供給すること
で、被加熱物自身が内部に有する電気双極子の方向に関
係なく被加熱物を均一に加熱することができることを謳
っている。
【0005】また、特開平11−3774号公報は、2
つの導波管のH面がそれぞれ直交するように接続した接
続部に加熱室を形成したものである。この公報の場合、
それぞれの導波管に個別に高周波発生手段を設けてい
る。
【0006】また、特開2000−48946号公報
は、スパイラル形状の給電口や放射アンテナによって直
線偏波を円偏波に変換するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
円偏波を利用した高周波加熱技術およびその装置におい
て、特開平10−134955号公報に開示されたもの
は、導波管内部で直線偏波を円偏波に変換する技術は公
知であり、特開2000−48946号公報をも併せ
て、閉じた空間である加熱室の構造に何らかの工夫を凝
らさなければ円偏波による加熱が実行できるとは言いが
たい。また特開平11−3774号公報は、それぞれの
導波管に個別に高周波発生手段を備えた構成であり、高
周波発生手段の位相を制御するには高価で大型の構造が
必要であり、そのような構造を付帯しない場合、直交接
続部でのそれぞれの高周波を位相差90度で結合させ円
偏波を発生させることに大変な困難さを有していた。
【0008】また、従来の技術は、円偏波による加熱の
実態を直線偏波による加熱実態と比較してその差を明確
化させたものとは言いがたく、実用上の効果と特長が不
明確であった。
【0009】本発明は上記課題を解決するもので、円偏
波の供給構成とそれを授受する被加熱物に円偏波加熱の
実用的効果を与えることができる加熱空間を備えた高周
波加熱装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波加熱装置
は上記課題を解決するために、高周波発生手段が発生す
る高周波電力を2分配する分配手段と、分配したそれぞ
れの高周波を位相差略90度で直交放射する放射手段と
を備えた構成としている。
【0011】上記発明によれば、分配手段は高周波電力
を確実に2分配するとともに分配したそれぞれの高周波
の位相差を0度あるいは180度に規定することができ
る。そしてこの分配したそれぞれの高周波に対してそれ
ぞれの高周波が伝搬する経路の長さを規定することでそ
れぞれの放射位置において位相差略90度を確実に形成
できる。これにより、ほぼ等量でかつ位相差90度の高
周波による円偏波を確実に発生させることができる。そ
して、この円偏波を利用して高周波エネルギの利用効率
を高めるとともに加熱の均一化を促進することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、高周波
発生手段が発生する高周波電力を2分配する分配手段
と、分配したそれぞれの高周波を位相差略90度で直交
放射する放射手段とを備えたものであり、分配手段は高
周波電力を確実に2分配するとともに分配したそれぞれ
の高周波の位相差を0度あるいは180度に規定するこ
とができる。そしてこの分配したそれぞれの高周波に対
してそれぞれの高周波が伝搬する経路の長さを規定する
ことでそれぞれの放射位置において位相差略90度を確
実に形成できる。これにより、ほぼ等量でかつ位相差9
0度の高周波による円偏波を確実に発生させることがで
きる。
【0013】請求項2に記載の発明は、高周波によって
加熱される発熱手段を収納した加熱空間と、前記加熱空
間に直交して設けた第一および第二の放射手段と、高周
波発生手段と、前記高周波発生手段が発生する高周波電
力を2分配する分配手段と、分配したそれぞれの高周波
を位相差略90度で前記第一および第二の放射手段に供
給する導波手段とを備えたものであり、分配手段は高周
波電力を確実に2分配するとともに分配したそれぞれの
高周波の位相差を0度あるいは180度に規定すること
ができる。そしてこの分配したそれぞれの高周波に対し
てそれぞれの高周波が伝搬する経路の長さを規定した導
波手段によって第一および第二の放射手段に供給する高
周波は位相差略90度を確実に形成できる。そして第一
および第二の放射手段は直交させているので円偏波が確
実に発生する。
【0014】また、加熱空間に収納した発熱手段は円偏
波にて伝搬する高周波を効率よく吸収するので加熱空間
を飛び交う高周波は極めて少なく、放射された高周波は
自由空間に放射されたごとくに確実に円偏波伝搬をす
る。これにより、発熱手段は発熱手段の全体が均一に加
熱されるとともに高周波エネルギを有効に吸収するの
で、発熱手段自体が熱応力の発生に伴う機械的な破損を
抑制された状態で短時間に数百℃の高温に加熱される。
【0015】請求項3に記載の発明は、特に、請求項2
記載の発熱手段を多孔質に構成したものであり、これに
より発熱手段の熱容量を小さくして加熱に伴う温度上昇
速度をより速めることができる。
【0016】請求項4に記載の発明は、特に、請求項2
記載の発熱手段に通風する送風手段を付加したものであ
り、これにより発熱手段の発生熱を適当な場所に送るこ
とができる。また、送風することにより、導波手段の構
造物を冷却でき構造自体のコンパクト化が図れるととも
に本装置をユニットとし他の装置への実装性を高めるこ
とができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、貯水手段を配し
た加熱空間と、前記加熱空間に直交して設けた第一およ
び第二の放射手段と、高周波発生手段と、前記高周波発
生手段が発生する高周波電力を2分配する分配手段と、
分配したそれぞれの高周波を位相差略90度で前記第一
および第二の放射手段に供給する導波手段とを備えたも
のであり、分配手段と導波手段とによって第一および第
二の放射手段に供給する高周波は位相差略90度を確実
に形成できる。そして第一および第二の放射手段は直交
させているので円偏波が確実に発生する。
【0018】また、加熱空間に収納した貯水手段は円偏
波にて伝搬する高周波を効率よく吸収するので加熱空間
を飛び交う高周波は極めて少なく、放射された高周波は
自由空間に放射されたごとくに確実に円偏波伝搬をす
る。これにより、貯水手段の中の水は全体が均一に加熱
されるとともに高周波エネルギを有効に吸収するので、
短時間に昇温するとともにすばやく蒸気化させることも
できる。
【0019】請求項6に記載の発明は、特に、請求項5
記載の貯水手段は高周波によって加熱される発熱手段で
構成したものであり、発熱手段は蓄熱手段として作用
し、高周波の断続供給に対しても水の連続的な蒸発を促
進できる。
【0020】請求項7の発明は、特に、請求項2または
5記載の高周波発生手段は、ISM帯のひとつである5
800MHz帯を用いたものであり、分配手段あるいは
導波手段をコンパクトに構成できるとともに、高い周波
数を使うことで加熱の均一化を促進するとともに少ない
高周波電力で所望の発熱あるいは加熱性能を達成するこ
とができる。
【0021】請求項8に記載の発明は、被加熱物を収納
する加熱室と、前記加熱室の壁面に対して略45度で設
けかつ互いが直交配置の第一および第二の放射手段と、
高周波を位相差略90度で前記第一および第二の放射手
段に供給する導波手段とを備えたものであり、二つの放
射手段に位相差略90度の高周波を供給することで生じ
た円偏波を加熱室内に確実に放射することができる。こ
れにより、被加熱物の加熱に寄与するエネルギ利用効率
を高めるとともに加熱室内の定在波発生を解消すること
で被加熱物の加熱の均一化を図ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0023】(実施例1)本発明の実施例1を図1〜図
4を用いて説明する。図1は本発明の実施例1を示す高
周波加熱装置の外観構成図、図2(a)、(b)はそれ
ぞれ図1および従来の高周波加熱装置の比較構成図、図
3は図2の各高周波加熱装置の加熱分布の比較特性図、
図4は図2の各高周波加熱装置の加熱電力の比較特性図
である。
【0024】図1および図2(a)において、10は高
周波発生手段(図示していない)を装着する結合穴11
を有する導波管、12は高周波発生手段が発生した高周
波を2分配する分配手段であるE面T分岐分配部、13
および14はそれぞれ2分配された高周波を伝搬する導
波手段、15は加熱空間である。加熱空間15は各導波
手段13、14を直交させた領域に構成している。
【0025】また、各導波手段13、14は加熱空間1
5を通してさらに延長させた領域16、17を有する。
この領域16、17の終端と加熱空間15の中心との距
離は導波手段の伝搬波長の略1/4の長さとしている。
また各導波手段13、14のE面T分岐分配部12から
加熱空間15に至る長さは導波手段の伝搬波長の略1/
4の長さの差としている。
【0026】これにより、高周波発生手段が発生した高
周波は、電力的には2分配され、位相的には略90度の
位相差となって直交状態にて加熱空間15に導かれる。
【0027】一方、図2(b)は従来の導波管構成を示
す。すなわち、高周波発生手段(図示していない)を装
着する導波管20と、その導波管に接続した断面形状が
同一の導波手段21とで構成している。導波手段21の
終端22から導波手段の伝搬波長の略1/4の長さの位
置を中心として加熱空間23を設けている。
【0028】また、導波手段13、14および21の中
には高周波発生手段が発生する高周波を加熱空間15お
よび23に対して効率よく伝送させるための整合手段1
8、19および24を設けている。
【0029】次に本発明の実施例1の加熱特性の実態を
図3および図4を用いて従来構成との比較の説明をす
る。図3は被加熱物としてアドヘア合成糊を用い加熱分
布特性を比較したものである。
【0030】なお、図3は、左から右に向かって加熱時
間を長くした場合の加熱進行状態を示している。図3よ
り、ほぼ等量の電力でかつ位相差略90度の高周波を直
交給電した場合(図3(a))、導波管の両端側から加
熱が始まり、その後中心部も加熱されて被加熱物のほぼ
全域が高周波によって加熱されることが認められる。一
方、従来構成の場合(図3(b))、導波管の中心部が
加熱されるだけで、その熱の伝導が導波管の両端側に伝
わっている。この場合、加熱領域が中央だけであり、加
熱ムラは大変大きい。
【0031】また、図4は、被加熱物として水を用いた
時の水温上昇値から加熱電力を算出した特性を示す。容
器はアクリル材を用いた。ほぼ等量の電力でかつ位相差
略90度の高周波を直交給電した場合の特性を実線で示
し、従来構成の特性を破線で示す。直交給電の場合、従
来比の130%程度の加熱効率向上が認められた。
【0032】以上のように導波管を直交させた構成と、
その直交領域を加熱空間としこの加熱空間にほぼ等量の
電力および位相差90度の高周波を直交供給する構成に
より、円偏波を確実に発生させることができるとともに
加熱分布の均一化や加熱効率のアップを図ることができ
た。すなわち、高周波発生手段を一つとして、分配手段
および導波手段を配することで電力の2分配および加熱
空間への位相差略90度の供給を確実に行うことができ
る。
【0033】(実施例2)次に、本発明の実施例2につ
いて、図5を用いて説明する。図5において、高周波を
伝送する導波管30は、伝送方向の途中から導波管30
の高さ方向を略2等分する仕切板31を設け、二つの導
波路32、33を形成している。導波路32には被加熱
物である高周波によって加熱する発熱手段34を配設し
ている。この発熱手段34が当接あるいは対面する仕切
板31の位置には開口部35を設けている。仕切板31
の始まり位置から発熱材料34の壁面までの距離は、導
波路32と導波路33とで位相差90度を形成するため
の構成を導波路33に設けている。すなわち、延長導波
路36により、導波路33の実効距離を導波管を伝送す
る高周波の波長の略1/4の長さ分だけ延長させてい
る。
【0034】また、各導波路32、33の終端は、発熱
材料の中心からの距離が導波管を伝送する高周波の波長
の略1/4の長さとし、導波路32の終端には通風穴3
7を設けている。
【0035】38は高周波発生手段(図示していない)
の出力アンテナを挿入して高周波発生手段を導波管30
に装着させる結合穴である。また導波管30の結合穴3
8側の終端にも通風穴39を配設している。
【0036】以上の構成からなる実施例2の高周波加熱
装置によれば、高周波発生手段から発生した高周波は仕
切板31によって導波路32と導波路33とに電力2等
分され、それぞれの導波路を伝送する。各導波路の長さ
の差を導波路内の伝搬波長の1/4の長さとすること
で、発熱手段34に供給するそれぞれの高周波は位相差
略90度となる。これにより、発熱材料34は全体が均
一に加熱されるとともに高周波エネルギを有効に吸収す
るので、熱応力の発生に伴う発熱材料の機械的な破損が
抑制された状態で短時間に数百℃の高温に加熱すること
ができる。
【0037】この装置において、発熱材料34を多孔質
で構成し、送風手段(図示していない)を付加して通風
穴39を流入側とし通風穴37を排出側とすることで高
温の空気流を発生する装置に展開できる。この場合、多
孔質とすることで発熱材料の熱容量を小さくして加熱に
伴う温度上昇速度をよく速めることができる。
【0038】なお、この場合の発熱材料としては、数百
℃の発熱が可能な材料として、ポーラスSiCや無機材
料をベースとし蜂の巣状の穴を構成した基材に酸化スズ
とか金属酸化物を蒸着させたものを用いることができ
る。そして、このような高温発熱する発熱材料34に対
して導波管内に空気を送風することで導波管の構成部材
を冷却することができ、構造自体のコンパクト化が図れ
るとともに本装置をユニットとし他の装置への実装性を
高めることができる。
【0039】また、高周波発生手段は、ISM帯(工業
・科学・医療用に利用が許可された周波数帯)のひとつ
である5800MHz帯を出力するもの用いれば、分配
手段あるいは導波手段をさらにコンパクトに構成できる
とともに、高い周波数を使うことで加熱の均一化を促進
でき、さらには少ない高周波電力で所望の発熱あるいは
加熱性能を達成することができる。
【0040】(実施例3)次に、本発明の実施例3につ
いて図6を用いて説明する。実施例3が実施例2と相違
する点は、被加熱物を貯水手段40としたことである。
高周波伝送に関する動作および作用は実施例2と同様で
あるので説明は省略する。
【0041】図6において、貯水手段40は、高周波を
透過させる材料で構成している。またこの貯水手段40
に注水するための注水用穴41を導波管壁面に付帯させ
ている。
【0042】貯水手段40内に注水された水は広範囲に
加熱が促進され短時間に昇温するとともにすばやく蒸気
化させることができる。
【0043】実施例2と同様に導波路32の終端に通風
穴37を設けることで、蒸気を導波管外に噴出させるこ
とができる。
【0044】また、貯水手段40を高周波によって加熱
する発熱材料で構成することで、発熱手段を蓄熱手段と
して作用させ、高周波の断続供給の下でも水の連続的な
蒸発を促進させることができる。
【0045】実施例3においても、高周波発生手段は、
ISM帯のひとつである5800MHz帯を出力するこ
とで実施例2にて説明したことと同様の作用効果をえる
ことができる。
【0046】(実施例4)次に、本発明の実施例4につ
いて図7を用いて説明する。実施例4は、実施例2や実
施例3で示した高周波加熱装置を熱風発生ユニットや蒸
気発生ユニットとして使用するものである。すなわち、
図7において、高周波加熱装置50は、被加熱物を収納
する加熱室51、被加熱物を載置する載置台52、加熱
室50内に供給する高周波を発生する高周波発生手段5
3、高周波発生手段53が発生した高周波を伝送する導
波管54、高周波を加熱室50に放射する回転式のアン
テナ55、アンテナ55を回転駆動するモータ56、お
よび熱風発生ユニット(あるいは蒸気発生ユニット)5
7を備えている。58は熱風あるいは蒸気を加熱室51
内に導くガイドである。
【0047】このような構成により、被加熱物を高周波
発生手段53が発生する高周波によって高周波加熱する
ことに加えて、高周波発生手段59を動作させることに
よって生じる熱風による乾燥あるいはオーブン調理、さ
らには蒸気による調理などを実現させることができる。
このような装置において、高周波発生手段53、59を
駆動する電源部を共用化できるのでコンパクトな構成が
採れるとともに商用電源の容量限界内での自由な制御が
可能である。
【0048】なお、高周波発生手段53および59は、
ISM帯のひとつである5800MHzを出力するもの
を用いることができる。
【0049】(実施例5)次に、本発明の実施例5につ
いて図8を用いて説明する。実施例5は空間容積が被加
熱物の大きさに対して略10倍以上の広さを有する閉空
間の加熱室に対して被加熱物を効果的に円偏波によって
加熱する実用構成を示すものである。
【0050】図8において、被加熱物を収納する加熱室
60の底壁面61の略中央部に円偏波放射部62を設け
ている。この円偏波放射部62は、加熱室の底壁面61
に対する相対位置角度が略45度で、互いが直交配置の
第一および第二の放射手段63、64とで構成してい
る。
【0051】また、それぞれの放射手段63、64に高
周波を供給する導波手段は、導波管65の中に導波管高
さ方向の略中央部を仕切る仕切板66を設け、二つの導
波路67と導波路68とを形成している。導波路67
は、高周波発生手段69から略直線上の伝送経路であ
り、導波路68は、導波管65の終端部で折返して放射
手段64に至る伝送経路である。これら導波路67、6
8は導波路の長さの差が導波管を伝搬する高周波の伝搬
波長の1/4の長さ分としている。そして、高周波発生
手段69が発生する高周波を電力的には2等分し位相的
には略90度の差として第一および第二の放射手段6
3、64に供給している。これにより、円偏波を確実に
発生させることができる。70は被加熱物を載置する載
置台である。被加熱物は円偏波放射部62の上方に収納
する構成としたことにより、放射部62から伝搬する円
偏波を被加熱物が効率的に吸収し、被加熱物の全体が効
率的に加熱されることになる。
【0052】実施例5においても、高周波発生手段は、
ISM帯のひとつである5800MHz帯を出力するこ
とで上述したことと同様の作用効果を得ることができ
る。
【0053】なお、以上の説明において導波路の長さは
位相差略90度を形成させるように構成するものであ
り、上述した伝搬波長の1/4の長さの差に限らずたと
えば、伝搬波長の3/4、5/4などの長さの差であっ
ても構わない。この場合、円偏波での回転方向が右旋回
か左旋回かに変化するだけで加熱性能は同様である。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高周波発
生手段が発生する高周波電力を2分配する分配手段と、
分配したそれぞれの高周波を位相差略90度で直交放射
する放射手段とを備えた構成とすることにより、ほぼ等
量でかつ位相差90度の高周波によって円偏波を確実に
発生させることができる。そして、被加熱物の高周波加
熱においてこの円偏波を利用することで、高周波エネル
ギの利用効率を高めるとともに加熱の均一化を促進する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高周波加熱装置の外観構成
【図2】(a)同高周波加熱装置の平面構成図 (b)従来の高周波加熱装置の平面構成図
【図3】図2(a)、(b)に示す高周波加熱装置の加
熱分布の比較特性図
【図4】図2(a)、(b)に示す高周波加熱装置の加
熱電力の比較特性図
【図5】本発明の実施例2の高周波加熱装置の断面構成
【図6】本発明の実施例3の高周波加熱装置の断面構成
【図7】本発明の実施例4の高周波加熱装置の断面構成
【図8】本発明の実施例5の高周波加熱装置の断面構成
【符号の説明】
12 E面T分岐部(分配手段) 13、14、32、33、67、68 導波手段 15 加熱空間 31、66 仕切板(分配手段) 34 発熱手段(多孔質の発熱手段) 37、39 通風穴 40 貯水手段(発熱手段で構成) 51、60 加熱室 53、59、69 高周波発生手段(5800MHz
帯) 61 加熱室の底壁面 63、64 第一および第二の放射手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波発生手段が発生する高周波電力を
    2分配する分配手段と、分配したそれぞれの高周波を位
    相差略90度で略直交放射する放射手段とを備えた高周
    波加熱装置。
  2. 【請求項2】 高周波によって加熱される発熱手段を収
    納した加熱空間と、前記加熱空間に直交して設けた第一
    および第二の放射手段と、高周波発生手段と、前記高周
    波発生手段が発生する高周波電力を2分配する分配手段
    と、分配したそれぞれの高周波を位相差略90度で前記
    第一および第二の放射手段に供給する導波手段とを備え
    た高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】 発熱手段は多孔質に構成した請求項2記
    載の高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】 発熱手段に通風する送風手段を付加した
    請求項2記載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】 貯水手段を配した加熱空間と、前記加熱
    空間に直交して設けた第一および第二の放射手段と、高
    周波発生手段と、前記高周波発生手段が発生する高周波
    電力を2分配する分配手段と、分配したそれぞれの高周
    波を位相差略90度で前記第一および第二の放射手段に
    供給する導波手段とを備えた高周波加熱装置。
  6. 【請求項6】 貯水手段は高周波によって加熱される発
    熱手段で構成した請求項5記載の高周波加熱装置。
  7. 【請求項7】 高周波発生手段は、ISM帯のひとつで
    ある5800MHz帯を用いた請求項2または5記載の
    高周波加熱装置。
  8. 【請求項8】 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱
    室の壁面に対して略45度で設けかつ互いが直交配置の
    第一および第二の放射手段と、高周波を位相差略90度
    で前記第一および第二の放射手段に供給する導波手段と
    を備えた高周波加熱装置。
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WO2020054726A1 (ja) * 2018-09-10 2020-03-19 パナソニック株式会社 電磁波加熱装置及び電磁波加熱システム

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