JP2003307597A - 放射線画像変換パネル - Google Patents

放射線画像変換パネル

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JP2003307597A
JP2003307597A JP2003033528A JP2003033528A JP2003307597A JP 2003307597 A JP2003307597 A JP 2003307597A JP 2003033528 A JP2003033528 A JP 2003033528A JP 2003033528 A JP2003033528 A JP 2003033528A JP 2003307597 A JP2003307597 A JP 2003307597A
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layer
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JP2003033528A
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Satoru Honda
哲 本田
Osamu Morikawa
修 森川
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿耐久性が高く、発光強度即ち粒状性に優
れ、且つ、高鮮鋭性の画像が得られる放射線画像変換パ
ネルを提供する。 【解決手段】 支持体上に、輝尽性蛍光体層、アルミナ
蒸着層を有する該輝尽性蛍光体層の保護層とを有する放
射線画像変換パネルにおいて、該保護層の、波長が40
0nm以下の光に対する光透過率が80%以下であり、
且つ、波長が410nm以上の光に対する光透過率が8
0%以上であり、該輝尽性蛍光体層がアルカリハライド
蛍光体を含有することを特徴とする放射線画像変換パネ
ル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像変換パネ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像で代表される放射線画像は、病
気診断用など多方面に渡り用いられている。このX線画
像を得る方法としては、被写体を通過した放射線を、蛍
光体層(蛍光スクリーンとも言う)に照射し、蛍光体層
で発生した可視光を、ハロゲン化銀写真感光材料(以
降、単に感光材料とも言う)等に照射し、その後の現像
処理を施して可視画像を得る、いわゆる放射線写真方式
が主に利用されている。
【0003】しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩
を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体
層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されてい
る。
【0004】上記方法としては、被写体を透過した放射
線を、蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を、例
えば光又は熱エネルギーで励起することにより、この蛍
光体が、X線の吸収により蓄積した放射線エネルギーを
蛍光として放射し、この蛍光を検出し、画像化する方法
である(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0005】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射
線画像変換パネルを利用するもので、詳しくは、この放
射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に、被写体を透過
した放射線を当て、被写体各部の放射線透過密度に対応
する放射線エネルギーを蓄積させ、その後、輝尽性蛍光
体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列
的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積され
ている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、こ
の光の強弱による信号を、たとえば光電変換した電気信
号として取り出し、この信号をハロゲン化銀写真感光材
料などの既存の画像記録材料、あるいはCRTなどに代
表される画像表示装置上に、可視像として再生する方法
である。
【0006】上記の放射線画像記録の再生方法は、従来
の放射線用感光材料と増感紙とを組合せて用いる放射線
写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量
で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという
利点がある。
【0007】放射線画像変換パネルは、支持体とその表
面に設けられた輝尽性蛍光体層又は自己支持性の輝尽性
蛍光体層からなり、輝尽性蛍光体層は、通常、輝尽性蛍
光体とこれを分散支持する結合剤からなるものと、蒸着
法や焼結法によって形成される輝尽性蛍光体の凝集体の
みから構成されるものがある。また、該凝集体の間隙に
高分子物質が含浸されているものも知られている。さら
に、輝尽性蛍光体層の支持体側とは反対側の表面には、
通常、ポリマーフィルムや無機物の蒸着膜からなる保護
層膜が設けられる。
【0008】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0009】従来より放射線画像変換パネルに用いられ
てきた輝尽性蛍光体の例としては、希土類元素賦活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(例えば、特許
文献3〜13参照。)、2価のユーロピウム賦活アルカ
リ土類金属ハロゲン化物系蛍光体(例えば、特許文献1
4〜26参照。)、希土類元素賦活オキシハライド蛍光
体(例えば、特許文献27参照。)、セリウム賦活3価
金属オキシハライド蛍光体(例えば、特許文献28参
照。)、ビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光
体(例えば、特許文献29参照。)、2価のユーロピウ
ム賦活アルカリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体(例えば、特
許文献30、31参照。)、2価のユーロピウム賦活ア
ルカリ土類金属ハロ硼酸塩蛍光体(例えば、特許文献3
2参照。)、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属
水素化ハロゲン化物蛍光体(例えば、特許文献33参
照。)、セリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体
(例えば、特許文献34、35参照。)、セリウム賦活
希土類ハロ燐酸塩蛍光体(例えば、特許文献36参
照。)、2価のユーロピウム賦活ハロゲン化セリウム・
ルビジウム蛍光体(例えば、特許文献37参照。)、2
価のユーロピウム賦活ハロゲン蛍光体(例えば、特許文
献38参照。)、液相から析出させた14面体希土類金
属賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(例
えば、特許文献39参照。)等が知られている。
【0010】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含
有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム
賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を
含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体、およびヨウ素を含有するビスマス賦活アルカリ金
属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示す。
【0011】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使
用できることが利点の一つである。すなわち、従来の放
射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線用感光材料を
消費するのに対して、この放射線画像変換方法では、放
射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保
護、経済効率の面からも有利である。
【0012】上記のような使用形態において、放射線画
像変換パネルには、得られる放射線画像の画質を劣化さ
せることなく、長期間の使用に耐える性能を付与するこ
とが強く要求される。
【0013】しかしながら、放射線画像変換パネルの製
造に用いられる上記輝尽性蛍光体は、通常の気候条件の
室内に長期間放置すると、環境中の湿気あるいは紫外線
などの光などによって、時間の経過とともに特性が劣化
するという問題点を有している。
【0014】例えば、輝尽性蛍光体を高湿度条件下に長
時間置くと、吸収した水分の増大に伴って、輝尽性蛍光
体の放射線感度が低下する。また、紫外線などのエネル
ギーの高い光の当たるもとで放置すると輝尽性蛍光体の
一部が徐々に分解し、放射線感度が低下する。一般には
輝尽性蛍光体に記録された放射線画像の潜像は、放射線
照射後の時間経過に伴って退行するため、再生される放
射線画像信号の強度は、放射線照射からの励起光による
走査までの時間が長いほど、低下するという特性を有
し、輝尽性蛍光体が吸湿すると前記潜像退行の速度が、
更に加速され、大きな問題を起こす。吸湿した輝尽性蛍
光体、あるいは紫外線などの光で劣化した輝尽性蛍光体
を有する放射線画像変換パネルを用いると、放射線画像
の読み取り時において、再生信号の再現性が低下する。
【0015】従来、輝尽性蛍光体の吸湿による前記の劣
化現象を防止するには、透湿度の低い防湿性保護層で輝
尽性蛍光体層を被覆することにより、あるいは蛍光体粒
子を疎水化処理することにより該蛍光体層に到達する水
分を低減させる方法が提案、実施されている。
【0016】透湿度の低い防湿性保護層としては、ガラ
ス板や高バリア性の厚手の樹脂フィルムを使用する方法
やポリエチレンテレフタレートフィルム上に、金属酸化
物、窒化珪素などのガラス薄膜を蒸着したフィルムを2
〜8枚積層してなる積層フィルムを使用する方法等が知
られているが、これらの方法では保護フィルム自体の厚
みが厚くなり、得られる放射線画像の鮮鋭性が劣化して
しまう問題があった。
【0017】また、防湿性保護層として酸化アルミ蒸着
膜を用いると防湿性は極めて良好である。しかし、その
中でも特に防湿性を高めるように作製した酸化アルミ蒸
着膜は、輝尽性蛍光体からの輝尽発光を吸収することに
より、輝尽性蛍光体の発光強度の低減を招来するという
問題点があった。
【0018】蛍光体プレート全体を封止材を用いて保護
する実施形態が記載されているもの(例えば、特許文献
40参照。)もあるが、吸湿性の高いアルカリハライド
蛍光体を用いた場合には、防湿性が十分ではなく、更な
る改良が要望されていた。
【0019】
【特許文献1】米国特許第3,859,527号明細書
【0020】
【特許文献2】特開昭55−12144号公報
【0021】
【特許文献3】特開昭55−12145号公報
【0022】
【特許文献4】特開昭55−160078号公報
【0023】
【特許文献5】特開昭56−74175号公報
【0024】
【特許文献6】特開昭56−116777号公報
【0025】
【特許文献7】特開昭57−23673号公報
【0026】
【特許文献8】特開昭57−23675号公報
【0027】
【特許文献9】特開昭58−206678号公報
【0028】
【特許文献10】特開昭59−27289号公報
【0029】
【特許文献11】特開昭59−27980号公報
【0030】
【特許文献12】特開昭59−56479号公報
【0031】
【特許文献13】特開昭59−56480号公報
【0032】
【特許文献14】特開昭59−75200号公報
【0033】
【特許文献15】特開昭60−84381号公報
【0034】
【特許文献16】特開昭60−106752号公報
【0035】
【特許文献17】特開昭60−166379号公報
【0036】
【特許文献18】特開昭60−221483号公報
【0037】
【特許文献19】特開昭60−228592号公報
【0038】
【特許文献20】特開昭60−228593号公報
【0039】
【特許文献21】特開昭61−23679号公報
【0040】
【特許文献22】特開昭61−120882号公報
【0041】
【特許文献23】特開昭61−120883号公報
【0042】
【特許文献24】特開昭61−120885号公報
【0043】
【特許文献25】特開昭61−235486号公報
【0044】
【特許文献26】特開昭61−235487号公報
【0045】
【特許文献27】特開昭59−12144号公報
【0046】
【特許文献28】特開昭58−69281号公報
【0047】
【特許文献29】特開昭60−70484号公報
【0048】
【特許文献30】特開昭60−141783号公報
【0049】
【特許文献31】特開昭60−157100号公報
【0050】
【特許文献32】特開昭60−157099号公報
【0051】
【特許文献33】特開昭60−217354号公報
【0052】
【特許文献34】特開昭61−21173号公報
【0053】
【特許文献35】特開昭61−21182号公報
【0054】
【特許文献36】特開昭61−40390号公報
【0055】
【特許文献37】特開昭60−78151号公報
【0056】
【特許文献38】特開昭60−78153号公報
【0057】
【特許文献39】特開平7−233369号公報
【0058】
【特許文献40】特開平11−249243号公報
【0059】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐湿
耐久性が高く、かつ発光強度に優れ、高鮮鋭性の画像が
得られる放射線画像変換パネルを提供することである。
【0060】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成1〜9によって達成された。
【0061】1.支持体上に、輝尽性蛍光体層、アルミ
ナ蒸着層を有する該輝尽性蛍光体層の保護層とを有する
放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の、波長が4
00nm以下の光に対する光透過率が80%以下であ
り、且つ、波長が410nm以上の光に対する光透過率
が80%以上であり、該輝尽性蛍光体層が前記一般式
(1)〜(3)から選ばれる一般式で表されるアルカリ
ハライド蛍光体を含有することを特徴とする放射線画像
変換パネル。
【0062】2.支持体上に、輝尽性蛍光体層、アルミ
ナ蒸着層を有する該輝尽性蛍光体層の保護層とを有する
放射線画像変換パネルにおいて、該保護層の、波長が4
00nm以下の光に対する光透過率が80%以下であ
り、且つ、波長が410nm以上の光に対する光透過率
が80%以上であり、該輝尽性蛍光体層が、410nm
以上の波長の発光極大を有することを特徴とする放射線
画像変換パネル。
【0063】3.前記保護層の、波長が400nm以下
の光に対する光透過率が70%以下であることを特徴と
する請求項1または2に記載の放射線画像変換パネル。
【0064】4.前記輝尽性蛍光体層がアルカリハライ
ド蛍光体を含み、該アルカリハライド蛍光体が、前記一
般式(1)で表され、且つ、Aが2価のEuであること
を特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の放射線
画像変換パネル。
【0065】5.前記輝尽性蛍光体層がアルカリハライ
ド蛍光体を含み、該アルカリハライド蛍光体が、前記一
般式(1)で表され、且つ、Aが1価のInであること
を特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の放射線
画像変換パネル。
【0066】6.前記輝尽性蛍光体層がアルカリハライ
ド蛍光体を含み、該アルカリハライド蛍光体が、前記一
般式(1)で表され、且つ、Aが1価のGaであること
を特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の放射線
画像変換パネル。
【0067】7.前記保護層がフィルムを有し、前記ア
ルミナ蒸着層が該フィルム上に設けられることを特徴と
する前記1〜6のいずれか1項に記載の放射線画像変換
パネル。
【0068】8.前記支持体と前記輝尽性蛍光体層の全
体が、前記保護層により密封されていることを特徴とす
る前記1〜7のいずれか1項に記載の放射線画像変換パ
ネル。
【0069】9.前記アルミナ蒸着層が前記輝尽性蛍光
体層上に直接アルミナを蒸着する工程を経て設けられた
ことを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の放
射線画像変換パネル。
【0070】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
等は、種々検討の結果、請求項1に記載のような、支持
体上に、少なくとも輝尽性蛍光体層、該輝尽性蛍光体層
の保護層とを有する放射線画像変換パネルにおいて、該
輝尽性蛍光体層が特定のアルカリハライド輝尽性蛍光体
を含み、且つ、該保護層が、本発明に記載の特性を示す
酸化アルミ蒸着膜を有することを特徴とする放射線画像
変換パネルにより、本発明に記載の効果、すなわち、防
湿性が高く、発光強度に優れ、且つ、高鮮鋭性の画像が
得られる放射線画像変換パネルを見出した。
【0071】《輝尽性蛍光体層》本発明に係る輝尽性蛍
光体層は蛍光体粒子と高分子樹脂を含む塗布液を用いて
塗設、形成される塗布型蛍光体層と、蒸着、スパッタリ
ング等の方法により形成される蒸着型蛍光体層とがあ
る。
【0072】(塗布型蛍光体層の作製)塗布型蛍光体層
は、主に蛍光体粒子と高分子樹脂(結合剤ともいう)よ
り構成され、支持体上にコータを用いて塗設、形成され
る。塗布型蛍光体層で用いることのできる輝尽性蛍光体
としては、波長が500nm〜900nmの波長範囲に
ある励起光によって、410nm〜500nmの波長範
囲の輝尽発光を示す蛍光体が好ましい。
【0073】ここで、用いられる結合剤(バインダー)
の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等の
ポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高
分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビ
ニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニ
リデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)
アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポ
リウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビ
ニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高
分子物質などにより代表される結合剤を挙げることがで
きる。
【0074】上記記載の結合剤の中で特に好ましいもの
は、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキ
ル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリ
エステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル
(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンと
ポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これら
の結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよ
い。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法により
下塗層上に形成することができる。
【0075】まず輝尽性蛍光体、および結合剤を適当な
溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に
蛍光体粒子および該化合物の粒子が均一に分散した塗布
液を調製する。
【0076】結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対して
0.01質量部〜1質量部の範囲で使用されることが好
ましい。しかしながら得られる放射線画像変換パネルの
感度と鮮鋭性向上の観点からは、結合剤は少ない方が好
ましく、塗布の容易さとの兼合いから0.03質量部〜
0.2質量部の範囲がより好ましい。
【0077】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0078】尚、塗布液には、該塗布液中における蛍光
体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の
輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合
力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合
されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤
の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、
親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可
塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジ
ル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステ
ル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸
ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そ
して、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエ
ステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエス
テルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステルなどを挙げることができる。
【0079】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータな
どを用いることにより行なうことができる。
【0080】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。
【0081】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータな
どの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することに
より輝尽性蛍光体層が形成される。
【0082】塗布型輝尽性蛍光体層の膜厚は目的とする
放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結
合剤と輝尽性蛍光体との混合比等によって異なるが、1
0μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好まし
く、10μm〜500μmの範囲から選ばれるのがより
好ましい。
【0083】(蒸着型蛍光体層の作製)本発明に係るア
ルカリハライド輝尽性蛍光体は、蒸着、スパッタリング
等の方法等を用いて輝尽性蛍光体層を形成出来る。
【0084】アルカリハライド蛍光体の中でもRbBr
やCsBr等のアルカリハライド輝尽性蛍光体が高輝
度、高画質である点、好ましく、中でもCsBr系蛍光
体、あるいはRbBr系蛍光体が特に、好ましい。
【0085】支持体上に、蒸着型の輝尽性蛍光体層を形
成する方法としては、例えば、支持体上に特定の入射角
で輝尽性蛍光体の蒸気又は該原料を供給し、蒸着等の気
相成長(堆積)させる方法によって独立した細長い柱状
結晶からなる輝尽性蛍光体層を得ることができる。蒸着
時の輝尽性蛍光体の蒸気流の入射角に対し約半分の成長
角で該柱状結晶は結晶成長することができる。また、常
温近傍で蒸着することにより分子状の蒸着膜を設けるこ
ともできる。
【0086】輝尽性蛍光体の蒸気流を支持体面に対しあ
る入射角をつけて供給する方法には、支持体を蒸発源を
仕込んだ坩堝に対し互いに傾斜させる配置を取る、或い
は、支持体と坩堝を互いに平行に設置し、蒸発源を仕込
んだ坩堝の蒸発面からスリット等により斜め成分のみ支
持体上に蒸着させる様規制する等の方法をとることがで
きる。
【0087】これらの場合において、支持体と坩堝との
最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね
10cm〜60cmに設置するのが適当である。尚、柱
状結晶の太さは、支持体の温度が低くなるほど細くなる
傾向にある。
【0088】蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均一に溶解
させるか、プレス、ホットプレスによって成形して坩堝
に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好まし
い。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法は電子銃
により発した電子ビームの走査により行われるが、これ
以外の方法にて蒸発させることもできる。
【0089】また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体であ
る必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであっ
てもよい。
【0090】また、蛍光体の母体に対して賦活剤をあと
からドープしてもよい。例えば、母体であるRbBrの
みを蒸着した後、賦活剤であるEuをドープしてもよ
い。即ち、結晶が独立しているため、膜が厚くとも充分
にドープ可能であるし、結晶成長が起こりにくいので、
MTF(Modular Transfer Func
tion)は低下しないからである。
【0091】ドーピングは形成された蛍光体の母体層中
にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によ
って行うことが出来る。
【0092】これらの柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層
において、ヘイズ率を低下するためには、柱状結晶の大
きさ(柱状結晶を支持体と平行な面から観察したときの
各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平均値であり、
少なくとも100個以上の柱状結晶を視野中に含む顕微
鏡写真から計算する)は1μm〜50μm程度がよく、
更に好ましくは、1μm〜30μmである。
【0093】又各柱状結晶間の間隙の大きさは30μm
以下がよく、更に好ましくは5μm以下がよい。即ち、
間隙が30μmを越える場合は蛍光体層中のレーザー光
の散乱が増加し、鮮鋭性が低下してしまう。
【0094】又、輝尽性蛍光体の斜め柱状結晶の成長角
は0°より大きく、90°より小であれば特に問わない
が、10〜70°がよく、好ましくは20°〜55°で
ある。成長角を10〜70°にするには、入射角を20
〜80°にすればよく20〜55°にするには入射角を
40〜70°にすればよい。成長角が大きいと支持体に
対して柱状結晶が倒れすぎ、膜が脆くなりやすい。
【0095】該輝尽性蛍光体を気相成長(堆積)させる
方法としては蒸着法、スパッタ法及びCVD法がある。
【0096】蒸着法は、支持体を蒸着装置内に設置した
のち、装置内を排気して1.333×10-4Pa程度の
真空とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵
抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発
させて支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに斜め堆
積させる。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体
層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて輝
尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、前記
蒸着工程では複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビー
ムを用いて蒸着を行うことも可能である。また蒸着法に
おいては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器或いは
エレクトロンビームを用いて蒸着し、支持体上で目的と
する輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を
形成することも可能である。更に蒸着法においては、蒸
着時に必要に応じて被蒸着物を冷却或いは加熱してもよ
い。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理して
もよい。
【0097】スパッタ法は前記蒸着法と同様に支持体を
スパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して
1.333×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパ
ッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内
に導入して1.333×10-1Pa程度のガス圧とす
る。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、斜め
にスパッタリングすることにより支持体表面に輝尽性蛍
光体を所望の厚さに斜めに堆積させる。このスパッタ工
程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層を
形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時或
いは順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性
蛍光体層を形成することも可能である。また、スパッタ
法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用
い、これを同時或いは順次スパッタリングして、支持体
上で目的とする輝尽性蛍光体層を形成する事も可能であ
るし、必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性
スパッタを行ってもよい。更に、スパッタ法において
は、スパッタ時必要に応じて被蒸着物を冷却或いは加熱
してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層を
加熱処理してもよい。
【0098】CVD法は目的とする輝尽性蛍光体或いは
輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周
波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上
に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであ
り、いずれも輝尽性蛍光体層を支持体の法線方向に対し
て特定の傾きをもって独立した細長い柱状結晶に気相成
長させることが可能である。
【0099】これらの方法により形成した輝尽性蛍光体
層の層厚は目的とする放射線像変換パネルの放射線に対
する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、1
0μm〜1000μmの範囲から選ばれるのが好まし
く、20μm〜800μmから選ばれるのがより好まし
い。
【0100】《アルカリハライド輝尽性蛍光体》本発明
に係るアルカリハライド輝尽性蛍光体について説明す
る。
【0101】本発明に係るアルカリハライド輝尽性蛍光
体としては、上記記載の一般式(1)〜(3)からなる
群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられ
る。
【0102】前記一般式(1)〜(3)で表されるアル
カリハライド輝尽性蛍光体は、特許公告07−0845
88号公報、同07−084589号公報、同07−0
84591号公報、同05−014751号公報、特開
昭61−071212号公報等に記載の方法を参照し
て、調製、製造することが出来る。
【0103】前記一般式(1)〜(3)で表されるアル
カリハライド輝尽性蛍光体を用いて放射線画像変換パネ
ルを製造するに当たり、良好な防湿性を示す反面、従来
の輝尽性蛍光体の発光を阻害するような吸収を有する酸
化アルミ蒸着膜を有する保護層(保護層の水蒸気透過率
と光透過率の関係は後述する)の使用時においても、良
好な発光輝度を示すので好ましく用いることが出来る
が、中でも、賦活剤として2価のEu(ユーロピウ
ム)、あるいは賦活剤として1価のIn(インジウ
ム)、さらには賦活剤として1価のGa(ガリウム)が
付与された輝尽性蛍光体が好ましく用いられる。
【0104】本発明に係る輝尽性蛍光体が好ましい理由
を図1を用いて説明する。図1は、輝尽性蛍光体の輝尽
励起スペクトルの波長範囲と発光スペクトルの波長範囲
を示す模式図である。
【0105】図1において、(a)は従来公知及び本発
明に係るアルカリハライド輝尽性蛍光体の輝尽励起スペ
クトルの形状及び波長範囲を示す。輝尽励起スペクトル
の波長範囲は、おおよそ、660nm〜700nmの範
囲に入る。
【0106】また、(b)−1は、従来公知のユーロピ
ウム賦活弗化バリウム(BaFBr):Eu2+蛍光体の
発光スペクトルであり、400nmに極大を示し、
(b)−2は、本発明に係るアルカリハライド輝尽性蛍
光体の中で、賦活剤がEu2+、In+1の化合物の発光ス
ペクトルの一例を示し、440nmに極大を示し、更
に、(b)−3は、本発明に係るアルカリハライド輝尽
性蛍光体の中で、賦活剤がGa+1である代表的化合物
(CsBr:Ga)の発光スペクトルを示し、500n
mに極大を示していることがわかる。
【0107】図1において、(c)−1、(c)−2
は、各々本発明に係るアルミナ蒸着膜を有する保護層の
光透過率を示す。(c)−1で示される光透過率を示す
保護層は、従来公知の輝尽性蛍光体から本発明に係るア
ルカリハライド輝尽性蛍光体の発光スペクトル領域の波
長において、高い光透過率を示すが、後述する水蒸気透
過率も高いため、アルカリハライド輝尽性蛍光体の吸湿
による劣化を十分に防止することが出来ない。
【0108】一方、(c)−2で示される光透過率を示
す保護層は、従来公知の輝尽性蛍光体の発光スペクトル
(b)−1の波長領域に光吸収を有するため、輝尽性蛍
光体の発光を吸収し、結果として、感度の大幅な低下を
招来してしまう。しかし、本発明に係るアルカリハライ
ド輝尽性蛍光体の発光スペクトルは、(b)−2、
(b)−3に各々示される様に、410nm以上の長波
長に発光極大を有するため、発光が保護層に吸収される
ことがないため、感度の低下がなく、しかも、十分な防
湿性を有する保護層により吸湿による感度劣化をも併せ
て防ぐことが可能になる。
【0109】ここで、放射線画像変換パネルの輝尽励起
スペクトル、発光スペクトルの測定は各々、下記に記載
のようにして行う。
【0110】《放射線画像変換パネルの輝尽励起スペク
トルの測定》放射線画像変換パネルに下記の条件でX線
を照射した後、市販の蛍光光度計分光器により分光した
励起光で輝尽性蛍光体面を照射し、励起光波長を変えな
がら発光強度を計測し、励起光波長と発光強度とをプロ
ットして、輝尽励起スペクトルを得た。
【0111】 X線照射条件 :80kV、200mA、60sec 蛍光光度計 :スリット幅励起光1.5nm、発光
光1.5nm 波長スキャン速度:60nm/min 《放射線画像変換パネルの発光スペクトルの測定》放射
線画像変換パネルに下記の条件で紫外光を照射し、その
際の発光を分光して発光スペクトルを得た。
【0112】光照射条件 :320nm(紫外光) 蛍光光度計 :スリット幅励起光1.5nm、発光
光1.5nm 波長スキャン速度:60nm/min 《酸化アルミ蒸着膜を有する保護層》本発明に係る、酸
化アルミナ蒸着膜を有する保護層について説明する。
【0113】(保護層の透湿度:水蒸気透過率%)本発
明においては、輝尽性蛍光体の吸湿劣化を防止する観点
から、本発明に係る、酸化アルミ蒸着膜を有する保護層
は、防湿性が付与されているが、具体的には、前記保護
層の透湿度(水蒸気透過率ともいう)が50g/m2
day以下であることが好ましく、更に好ましくは10
g/m2・day以下であり、特に好ましくは1g/m2
・day以下である。ここで、保護層の透湿度はJIS
Z 0208により規定された方法を参照して測定する
ことが出来る。また、輝尽性蛍光体層に直接、酸化アル
ミナ蒸着膜を設けた保護層の透湿度も上記のJIS Z
0208に準じて測定できる。
【0114】具体的には、本発明における透湿度は以下
の方法で測定することができる。40℃において、前記
保護層を境界面とし、一方の側を90%RH(相対湿
度)、他方の側を吸湿剤を用いて乾燥状態に保つ。この
状態で24時間にこの保護層を通過する水蒸気の質量
(g)(保護層を1m2に換算する)を本発明における
保護層の透湿度と定義する。
【0115】保護層の透湿度を上記記載の範囲に調整
し、防湿性を向上させる観点から、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に酸化アルミナ薄膜を蒸着した蒸着フィルムが好ま
しく用いられる。
【0116】(保護層の光透過率(%))ここで、保護
層の光透過率とは、空気だけの場合の光透過率を100
%に設定して各保護層の光透過率を相対値で表した。
【0117】上記記載の光透過率は下記式に従って求め
られる。 光透過率(%)=(透過光/入射光)×100 本発明に係る、アルミナ蒸着層を有する保護層の透湿度
(水蒸気透過率)、前記保護層の光透過率との間には、
一定の相関関係があり、図2を用いて示す。
【0118】図2は、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上にアルミナ蒸着膜を設けた保護層の光透過率と水
蒸気透過率との関係を示す模式図である。
【0119】図2において、(d)、(e)、(f)
は、各々500nmの光、440nmの光、400nm
の光に対する保護層の光透過率と水蒸気透過率との関係
を示し、500nmの光については、水蒸気透過率が
0.05g/m2・dayとなるように蒸着膜を作製し
ても光透過率の減少が比較的に低いことが判る、反面、
400nmの光については、水蒸気透過率を0.05g
/m2・dayとなるように蒸着膜を作製した場合、極
めて高い防湿性を付与することが出来るが、一方、光透
過率は65%近くにまで低下してしまうことが判る。
【0120】尚、アルミナ蒸着膜の透湿度及び光透過率
を調整する方法については、特に限定は無いが、例え
ば、アルミナ蒸着を行う際の雰囲気の気圧若しくは酸素
ガスの分圧を調整することでアルミナの酸化度を調整す
ること等を一例として挙げることが出来る。
【0121】以上から、保護層の水蒸気透過率を低く設
定して、放射線画像変換パネルに高い防湿性を付与し、
且つ、光透過率の減少を抑えて高輝度を得るために、輝
尽性蛍光体の発光スペクトルが長波長であることが好ま
しいことが判る。
【0122】本発明に係る、酸化アルミナ蒸着層を有す
る保護層を用いて輝尽性蛍光体層全体を封止するにあた
っては、輝尽性蛍光体面よりも大きな面積を有する保護
層部材を用い、従来公知の如何なる方法も適用すること
が出来るが、保護層側の輝尽性蛍光体層に接する側の最
外層に熱融着性を有する樹脂を用いることにより保護層
同士が融着可能となり、効率的に輝尽性蛍光体層の周縁
部における封止作業を行うことが出来る。これにより、
輝尽性蛍光体の吸湿による特性の劣化を更に効果的に防
止することが出来る。
【0123】好ましくは、輝尽性蛍光体層側ばかりでな
く、輝尽性蛍光体層が設けられている側の反対側の支持
体上にも保護層部材を配置し、その周縁部が融着してい
る封止構造とすることでより、輝尽性蛍光体層を有する
支持体面の反対側からの水分進入も効果的に防止でき
る。
【0124】更には、上記記載の封止に用いる個所のみ
上記記載の熱融着性を有する樹脂を含有する層を前記の
保護層が有する態様が好ましく用いられる。
【0125】また、輝尽性蛍光体層が設けられている側
の反対側の支持体面側の保護部材としては、1層以上の
アルミフィルムをラミネートしてなる積層フィルムも水
分の侵入防止に有効である。
【0126】また、保護層の輝尽性蛍光体層に接する側
の最外層の熱融着性を有する樹脂層と蛍光体面は実質的
に接着していないことが好ましい。
【0127】『保護層と輝尽性蛍光体層とが実質的に接
着していない』とは、輝尽性蛍光体層と保護層とが、光
学的に一体化していない状態のことを意味する。より具
体的には、微視的に輝尽性蛍光体層と封止材とが点接触
していたとしても、光学的、力学的には殆ど輝尽性蛍光
体層と保護フィルムとは不連続体として扱える状態であ
るということを意味する。
【0128】具体的には、上記記載の封止構造におい
て、輝尽性蛍光体層と防湿性の保護層は、微視的な点で
各所で接触していると考えられるが、この接触面積が、
蛍光体層面積の10%以下の場合、本発明においては実
質的に接着していないと定義する。
【0129】熱融着性フィルムとは、一般に使用される
インパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのこと
で、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)
やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリエチレン(P
E)フィルム等があげられるが本発明はこれらに限定さ
れない。
【0130】また、所定の大きさに断裁された放射線画
像変換パネルを封止材で封止するには既知のいかなる方
法も使用できるが、例をあげると放射線画像変換パネル
を上下の封止材の間に挟み周縁部をインパルスシーラー
で加熱融着する方法や2本の加熱したローラー間で加圧
加熱するラミネート方式等が挙げられる。
【0131】上記インパルスシーラーで加熱融着する方
法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光
体シートの保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の
湿気を排除する意味でより好ましい。
【0132】(保護層のヘイズ率)本発明に係る保護層
のヘイズ率について説明する。
【0133】本発明の放射線画像変換パネルの防湿性を
向上させ、更に、特に鮮鋭性の向上、画像ムラや線状ノ
イズを低減させる観点から、封止材のヘイズ率が5%以
上、60%以下になるように調整することが好ましく、
更に好ましくは、5%〜50%であり、特に好ましく
は、5%〜30%である。
【0134】ここで、保護層のヘイズ率は、ASTMD
−1003に規定された方法を用いて測定することがで
きる。本発明に係る保護層のヘイズ率は、使用する樹脂
フィルムのヘイズ率を参照して調整することができる。
また、任意のヘイズ率の樹脂フィルムは工業的に入手可
能である。
【0135】《支持体》本発明に係る支持体について説
明する。
【0136】支持体としては、各種高分子材料、ガラ
ス、金属等が用いられ、例えば、石英、ホウ珪酸ガラ
ス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、あるいは、セル
ロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフ
タレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフ
ィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、
銅、クロム等の金属シートあるいは親水性微粒子の被覆
層を有する金属シートが好ましい。これら支持体の表面
は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を
向上させる目的でマット面としてもよい。また、本発明
においては、支持体と輝尽性蛍光体層の接着性を向上さ
せるために、必要に応じて支持体の表面に予め接着層を
設けてもよい。
【0137】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。これらの支持体の表面
は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を
向上させる目的でマット面としてもよい。
【0138】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層
との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けら
れる面に下引層を設けてもよい。
【0139】本発明に係る輝尽性蛍光体層に用いられる
結合剤(バインダー)の例としては、ゼラチン等の蛋白
質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビ
アゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチル
セルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、
ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸
ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテー
トブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステ
ルなどのような合成高分子物質などにより代表される結
合剤を挙げることができる。
【0140】上記記載の結合剤の中で特に好ましいもの
は、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキ
ル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリ
エステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル
(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンと
ポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これら
の結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよ
い。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法により
下塗層上に形成することができる。
【0141】まず輝尽性蛍光体、および結合剤を適当な
溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に
蛍光体粒子および該化合物の粒子が均一に分散した塗布
液を調製する。
【0142】一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対
して0.01乃至1質量部の範囲で使用される。しかし
ながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の
点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの
兼合いから0.03乃至0.2質量部の範囲がより好ま
しい。
【0143】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0144】尚、塗布液には、該塗布液中における蛍光
体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の
輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合
力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合
されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤
の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、
親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可
塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジ
ル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステ
ル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸
ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そ
して、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエ
ステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエス
テルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステルなどを挙げることができる。
【0145】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータな
どを用いることにより行なうことができる。
【0146】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合
剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は2
0μm乃至1mmとする。また、この層厚は50乃至5
00μmとするのが好ましい。
【0147】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータな
どの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することに
より輝尽性蛍光体層が形成される。
【0148】本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍
光体層の膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの特
性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混
合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範
囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの
範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0149】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シ
ートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般
のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面
から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
【0150】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0151】実施例1 《放射線画像変換パネル1の作製》:蒸着タイプ以下に
記載の方法に従って、蒸着型蛍光体層を有する放射線画
像変換パネル1を作製した。
【0152】(支持体1の作製)厚さ500μm厚の結
晶化ガラス上の下記のようにして光反射層を設け、支持
体1を作製した。
【0153】(光反射層の形成)フルウチ化学社製酸化
チタンとフルウチ化学社製酸化ジルコニウムとを、40
0nmでの反射率が85%、660nmでの反射率が2
0%となるように、蒸着装置を用いて支持体表面に膜形
成を行った。
【0154】(輝尽性蛍光体プレート1の作製)上記作
製した支持体1を240℃加温し、真空チャンバー中に
窒素ガスを導入し、真空度を0.1Paとした後、支持
体の一方の面に、公知の蒸着装置を用いて、CsBr:
Eu2+からなるアルカリハライド蛍光体を支持体表面の
法線方向に対して略0°(ここで、略とは0±5°の範
囲を表す)の入射角度で、アルミニウム製のスリットを
用いて、支持体とスリット(蒸着源)の距離を60cm
として、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸
着を行って、300μm厚の柱状構造を有する蛍光体層
を形成した。
【0155】上記で作製した輝尽性蛍光体プレート1を
用いて放射線画像変換パネル1を作製した。詳しくは、
輝尽性蛍光体プレート1の蛍光体蒸着面に表1に示す透
過率を示す保護フィルム(表面上に酸化アルミナ蒸着膜
(蒸着膜の厚さは30nm)を設けたポリエチレンテレ
フタレートフィルム(厚さ12μm))を市販の2液反
応型のウレタン系接着剤を用いて接着層が3μmとなる
ようにラミネートし、保護層を設けた。ここで、前記保
護層(保護フィルムともいう)を本願ではAタイプとす
る。
【0156】《放射線画像変換パネル2〜8の作製》:
蒸着タイプ 放射線画像変換パネル1の作製において、表1に記載の
組成を有する輝尽性蛍光体に変更し、且つ、保護層を表
1に記載の保護層タイプに変更した以外は同様にして放
射線画像変換パネル2〜8を各々作製した。
【0157】尚、放射線画像変換パネル3、5の作製に
用いたBタイプの保護層の作製は下記のようにして行っ
た。
【0158】(Bタイプの保護層の作製):保護フィル
ムの作製 放射線画像変換パネル3、5の作製においては、上記記
載の輝尽性蛍光体プレート1の蛍光体蒸着面に表1に示
す光透過率を示す下記構成(B)を用いて減圧下でプレ
ートの周辺部をインパルスシーラーを用いて融着、封止
し、保護層(保護フィルムともいう)を設けた。
【0159】構成(B) NY15///VMPET12///VMPET12/
//PET12///CPP20 NY:ナイロン PET:ポリエチレンテレフタレート CPP:キャステングポリプロピレン VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタラ
イジング社製) 各樹脂フィルムの後ろに記載の数字は、樹脂層の膜厚
(μm)を示す。
【0160】上記「///」は、ドライラミネーション
接着層で、接着剤層の厚みが3.0μmであることを意
味する。使用したドライラミネーション用の接着剤は、
2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
【0161】また、蛍光体プレート1の支持体裏面側の
保護フィルムは、CPP30μm/アルミフィルム9μ
m/ポリエチレンテレフタレート(PET)188μm
の構成のドライラミネートフィルムとした。また、この
場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレ
タン系接着剤を使用した。
【0162】(Cタイプの保護層の作製):保護フィル
ムの作製 上記記載の輝尽性蛍光体プレート1の蛍光体蒸着面に表
1に示す光透過率を示す30nmの酸化アルミナ蒸着膜
を直接設けた保護層(保護フィルム)をCタイプとす
る。
【0163】《放射線画像変換パネル9の作製》:塗布
型タイプ (蛍光体の調製)ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウム
の輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶
液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液
(0.15mol/L)27mlを反応器に入れた。こ
の反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温し
た。次いで、弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)
322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入
し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2
時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に、沈澱物をろ
別後、エタノールにより洗浄した後、真空乾燥させてユ
ーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成
時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子
サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒
子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して
結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させ
た。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて
水素ガス雰囲気下で、850℃で2時間焼成した後、分
級して平均粒径が4μmのユーロピウム賦活弗化ヨウ化
バリウム(BaF(Br、I):Eu2+)蛍光体を調製
した。
【0164】(蛍光体層塗布液の調製)上記調製した蛍
光体を100gとポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイ
ロン63SS 固形分濃度30%)16.7gとをメチ
ルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加
し、プロペラミキサーによって分散し、粘度を25〜3
0Pa・sに調整して、蛍光体層塗布液を調製した。
【0165】(蛍光体シートの作製)上記調製した蛍光
体層塗布液を用いて、ドクターブレードにより、厚さ2
50μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、塗
布幅として1000mmで膜厚が230μmとなるよう
に塗布したのち、100℃で15分間乾燥させて蛍光体
層を形成し、次いで下記の防湿性保護フィルムを配設し
て放射線画像変換パネル9を作製した。
【0166】(防湿性保護フィルムの作製):Aタイプ
の保護層 防湿性保護層(保護フィルム)の作製は、上記の放射線
画像変換パネル1に用いたAタイプを設けた。但し、保
護層の光透過率、水蒸気透過率は表1に記載のように調
整した。
【0167】《放射線画像変換パネル10の作製》:塗
布型タイプ 放射線画像変換パネル9の作製において、輝尽性蛍光体
の組成を表1に記載のように変更した以外は同様にし
て、放射線画像変換パネル10を作製した。
【0168】得られた放射線画像変換パネル1〜10の
各々について、耐久性(発光輝度の劣化防止)、鮮鋭性
と粒状性を評価した。
【0169】《耐久性評価》放射線画像変換パネル1〜
10の各々について、作製直後に発光輝度の測定を行
い、次いで、前記放射線画像変換パネル1〜10の各々
を40℃、90%RHの条件下に180日放置した後、
発光輝度を測定し、初期の輝度に対する劣化の度合を下
記記載のようにランク評価した。
【0170】 A:5%未満 B:5%以上20%未満 C:20%以上 本願では、Bランク以上を実用可と判断した。
【0171】(輝度(感度)測定)輝度の測定は、各放
射線画像変換パネルについて、管電圧80kVpのX線
を蛍光体シート支持体の裏面側から照射した後、パネル
を半導体レーザー光(690nm)で操作して励起し、
蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S
−5の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定し
た。
【0172】《鮮鋭性評価》鮮鋭性については、変調伝
達関数(MTF)を求め評価した。
【0173】各放射線画像変換パネルにCTFチャート
を貼りつけた後、80kVpのX線を10mR(被写体
までの距離;1.5m)照射した後、蛍光体層Aを有す
る面側から半導体レーザ光(690nm、パネル上での
パワー40mW)を照射して、直径100μmφの半導
体レーザ光でCTFチャートを走査し、読みとって求め
た。表1の記載の値は、0.5lp/mmにおける放射
線画像変換パネル1のMTF値を100とし、各パネル
について相対値で求めたものである。
【0174】《粒状性評価》 (放射線画像変換パネル1〜10の粒状性評価)放射線
画像変換パネル1の粒状性評価は、放射線画像の形成は
下記に記載のX線照射条件にて行い、次いで、放射線画
像の読取には、励起光として690nmの半導体レーザ
光を用いて行った。読取の後、フィルム出力したX線の
ベタ露光画像を目視評価し、下記に示すように5段階に
ランク評価した。
【0175】 X線照射条件:80kV、200mA、0.1sec フィルム出力条件:γ(階調)=3.0出力 5:粒状がほとんどわからず極めて良好 4:若干の粒状が認められるものの良好 3:粒状が認められる 2:粒状感がある 1:粒状がはっきり目立つ 得られた結果を表1に示す。
【0176】
【表1】
【0177】表1から、比較に比べて、本発明の試料
は、発光輝度、高圧照射条件での粒状性、低圧照射条件
での粒状性共に優れていることが明らかである。
【0178】
【発明の効果】本発明により、耐湿耐久性が高く、発光
強度即ち粒状性に優れ、且つ、高鮮鋭性の画像が得られ
る放射線画像変換パネルを提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】輝尽性蛍光体の輝尽励起スペクトルの波長範囲
と発光スペクトルの波長範囲を示す模式図である。
【図2】ポリエチレンテレフタレートフィルム上にアル
ミナ蒸着膜を設けた保護層の光透過率と水蒸気透過率と
の関係を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/85 CPF C09K 11/85 CPF G01T 1/00 G01T 1/00 B Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC01 CC02 DD01 DD02 DD11 DD13 DD16 EE02 EE03 EE08 4H001 CA04 CA08 XA04 XA09 XA12 XA13 XA17 XA20 XA21 XA28 XA31 XA35 XA37 XA38 XA39 XA48 XA49 XA53 XA55 XA56 XA57 XA61 XA71 YA11 YA25 YA29 YA31 YA47 YA49 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA81 YA82 YA83

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、輝尽性蛍光体層、アルミナ
    蒸着層を有する該輝尽性蛍光体層の保護層とを有する放
    射線画像変換パネルにおいて、該保護層の、波長が40
    0nm以下の光に対する光透過率が80%以下であり、
    且つ、波長が410nm以上の光に対する光透過率が8
    0%以上であり、該輝尽性蛍光体層が下記一般式(1)
    〜(3)から選ばれる一般式で表されるアルカリハライ
    ド蛍光体を含有することを特徴とする放射線画像変換パ
    ネル。 一般式(1) M(I)X・aM(II)X′2・bM(III)X″3:c
    A 〔式中、M(I)はRbまたはCsである;M(II)は
    Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、CdおよびNiから選
    ばれる少なくとも一種の二価金属である;M(III)は
    Sc、Y、La、Pm、Lu、Al、GaおよびInか
    ら選ばれる少なくとも一種の三価金属である;X、X′
    およびX″は、各々Cl、BrおよびIから選ばれる少
    なくとも一種のハロゲンである;AはEu、In、G
    a、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Y
    b、Er、Gd、Sm、Tl、Na、AgおよびCuか
    ら選ばれる賦活剤を表す;aは0<a<0.5の範囲の
    数値を表すが、AがEuのときは0<a<0.25の範
    囲の数値を表し、bは0≦b<0.5の範囲の数値、c
    は0<c≦0.2の範囲の数値を表す。〕 一般式(2) (1−x)CsBr・xM(I)X・aM(II)X′2
    ・bM(III)X″3:cEu・dA 〔式中、M(I)はRbまたはCsである;M(II)は
    Be、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも
    一種の二価金属である;M(III)は、Y、La、L
    u、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも一種
    の三価金属であり、X、X′およびX″はF、Cl、B
    rおよびIから選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
    る;Eu、Aは各々賦活剤を表し、該賦活剤AはIn、
    Ga、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Y
    b、Er、Gd、Sm、Tl、Na、AgおよびCuか
    ら選ばれる少なくとも一種の金属である;x、a、b、
    cおよびdはそれぞれ、0≦x≦0.4、0.7≦x≦
    1.0、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<c<
    0.2、0≦d<0.2の範囲の数値である。〕 一般式(3) (1−x)RbBr・xM(I)X・aM(II)X′2
    ・bM(III)X″3:cEu・dA 〔式中、M(I)はRbまたはCsである;M(II)は
    Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd及びNiか
    ら選ばれる少なくとも1種の二価金属である;M(II
    I)はSc、Y、La、Pm、Lu、Al、Ga及びI
    nから選ばれる少なくとも1種の三価金属である;X、
    X′およびX″は、F、Cl、BrおよびIから選択さ
    れる少なくとも1種のハロゲンである;Eu、Aは各々
    賦活剤を表し、該賦活剤AはIn、Ga、Tb、Ce、
    Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、S
    m、Na、Ag、Cu、Pb、Bi及びMnから選ばれ
    る少なくとも1種の金属である;x、a、b、c及びd
    は、各々0≦x≦0.4、0.7≦x≦1.0、0≦a
    <0.5、0≦b<0.5、0<c<0.2、0≦d<
    0.2の範囲の数値である。〕
  2. 【請求項2】 支持体上に、輝尽性蛍光体層、アルミナ
    蒸着層を有する該輝尽性蛍光体層の保護層とを有する放
    射線画像変換パネルにおいて、該保護層の、波長が40
    0nm以下の光に対する光透過率が80%以下であり、
    且つ、波長が410nm以上の光に対する光透過率が8
    0%以上であり、該輝尽性蛍光体層が、410nm以上
    の波長の発光極大を有することを特徴とする放射線画像
    変換パネル。
  3. 【請求項3】 前記保護層の、波長が400nm以下の
    光に対する光透過率が70%以下であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の放射線画像変換パネル。
  4. 【請求項4】 前記輝尽性蛍光体層がアルカリハライド
    蛍光体を含み、該アルカリハライド蛍光体が、前記一般
    式(1)で表され、且つ、Aが2価のEuであることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線
    画像変換パネル。
  5. 【請求項5】 前記輝尽性蛍光体層がアルカリハライド
    蛍光体を含み、該アルカリハライド蛍光体が、前記一般
    式(1)で表され、且つ、Aが1価のInであることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線
    画像変換パネル。
  6. 【請求項6】 前記輝尽性蛍光体層がアルカリハライド
    蛍光体を含み、該アルカリハライド蛍光体が、前記一般
    式(1)で表され、且つ、Aが1価のGaであることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線
    画像変換パネル。
  7. 【請求項7】 前記保護層がフィルムを有し、前記アル
    ミナ蒸着層が該フィルム上に設けられることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線画像変換
    パネル。
  8. 【請求項8】 前記支持体と前記輝尽性蛍光体層の全体
    が、前記保護層により密封されていることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線画像変換パ
    ネル。
  9. 【請求項9】 前記アルミナ蒸着層が前記輝尽性蛍光体
    層上に直接アルミナを蒸着する工程を経て設けられたこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の放
    射線画像変換パネル。
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