JP2003306695A - 弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法 - Google Patents
弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法Info
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Abstract
性アミノカルボン酸を基材として固形化することなく用
いて、高品質に安定して安価に製造する方法の提供。 【解決手段】 N−アシル酸性アミノカルボン酸と、多
価アルコールと、低級アルコールと、中和剤と水とを含
む前記洗浄剤を製造するに際し、酸性アミノジカルボン
酸と長鎖脂肪酸ハライドとの縮合により得られた。この
縮合反応液のpHを5以下とし、形成した有機相成分を、
低級アルコール/硫酸水溶液で洗浄し、得られた有機相
成分を固化することなく濃度40〜90質量%に脱水濃
縮したものを基剤として使用する。
Description
浄剤の製造方法に関するものである。より詳細に述べる
ならば、本発明は1個のアミノ基又はイミノ基と2個の
カルボン酸基を有する酸性アミノカルボン酸残基を親水
基として有するN−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸を
基剤として含有する弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法に
関するものである。
成分として脂肪酸石鹸が使用されてきたが、脂肪酸石鹸
は、溶解性、泡立ち、洗浄性の改善のために配合された
低級脂肪酸成分により、また脂肪酸石鹸中の遊離アルカ
リにより及び使用中の脂肪酸石鹸の加水分解によるpHの
上昇などによって皮膚を刺激することがある。これらの
欠点を解消法として、弱酸性領域でも界面活性を有する
N−アシル酸性アミノ酸塩を基剤とする透明固形洗浄剤
が提案されてきた。
明固形洗浄剤の配合組成は、特開昭55−25465号
報、特開平4−1297号報、特開平6−264092
号報等より、知られている。これらのN−アシル酸性ア
ミノ酸塩を基剤とする透明固形洗浄剤の原料として用い
られるN−長鎖アシル酸性アミノ酸は、特公昭46−8
685号報に示されるように、脂肪酸ハライドと酸性ア
ミノ酸の縮合反応によって得られ、有機溶媒を含有し或
いは含有せず、副生成物に塩化ナトリウム等の無機塩を
含有し、N−アシル酸性アミノ酸塩の含有量が20〜3
0%の水溶液の状態で製造されている。このとき得られ
る反応混合液中の、生成N−アシル酸性アミノ酸塩の含
有量が30%以上になるように反応条件を変更すると、
未反応物残留量が増大し、ゲル化が発生して反応が困難
になるなどの問題点が生ずるため、このような反応条件
は一般には採用されていない。
る透明固形洗浄剤を製造するには、その原料として用い
られるN−アシル酸性アミノ酸塩の種類によっても異な
るが、その組成物中にN−アシル酸性アミノ酸塩を30
%以上含有することを必要とする物であるから、N−ア
シル酸性アミノ酸塩の含有量が20〜30%の水溶液を
原料として使用することは困難である。また反応液に副
生している塩化ナトリウム等の無機塩は、目的とする弱
酸性透明固形洗浄剤の透明安定性を損ねるので、一般的
には、公知技術により製造されたN−長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩溶液を脱塩し、再結晶やスプレードライ等の方
法によりN−アシル酸性アミノ酸を固形化し、これを原
料とするのが通常であった。
過分離、真空加熱などによる乾燥工程を行なうため複数
の製造装置が必要であるため、このようにすると、経済
性が著しく低下し、かつ、各工程における加熱による着
色或いは/また匂いの悪化など品質低下を起こすなどの
欠点があり、このため、N−長鎖アシル酸性アミノ酸を
含有する弱酸性透明固形洗浄剤を安価にかつ安定に製造
することが困難であった。
単離、固形化する場合、アシル基ソース及び酸性アミノ
カルボン酸の選択によっては、スプレードライや再結晶
等の比較的熱履歴の少ない製造方法では粉末化が困難な
場合があり、このため、N−長鎖アシル酸性アミノカル
ボン酸の自由な配合組成により透明固形洗浄剤の物性を
変化させることが困難であった。従って、当該透明固形
洗浄剤は、その安全性が高いにもかかわらず、幅広く使
用されるに至っておらず、このため、より安価で高品質
の透明固形洗浄剤の製法の開発が望まれていた。
酸性アミノカルボン酸を基剤として透明固形洗浄剤を製
造するに際し、この基剤として用いられるN−アシル酸
性アミノカルボン酸を、固形化・乾燥することなく、反
応混合液の精製濃縮液を用いて、その固形化・乾燥によ
り発生する基剤品質の低下、及びコスト増大を防止し、
安定に、かつ安価に品質の優れた透明固形洗浄剤を製造
する方法を提供しようとするものである。
酸性透明固形洗浄剤の欠点を解消するために鋭意検討し
た結果、基剤であるN−長鎖アシル酸性アミノカルボン
酸の製造により得られる反応混合液の精製濃縮液を原料
として用いて弱酸性透明固形洗浄剤を製造することによ
って、N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の固形化に
起因する弱酸性透明固形洗浄剤の色相の安定化が得られ
るばかりでなく、従来の製造法では固形化が不可能であ
った低溶融点N−アシル酸性アミノカルボン酸を主剤と
する弱酸性透明固形洗浄剤の製造も可能であることを見
出し、本発明を完成するに至った。
の製造方法は、N−アシル酸性アミノカルボン酸からな
る基剤に、分子当り3〜6個の炭素原子を有する多価ア
ルコールと、分子当り2〜4個の炭素原子を有する低級
アルコールと、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸の
中和剤と、水とを含む添加成分を混合加熱して溶解し、
この溶解物を冷却して、所望形状・寸法に固化すること
を含み、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸含有基剤
が、分子当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカ
ルボン酸基とを有する酸性アミノジカルボン酸と、6〜
22個の炭素原子を含む長鎖脂肪酸ハライドとを、アル
カリ性反応媒体中において、縮合反応させて、前記酸性
アミノジカルボン酸残基からなる親水性基と、前記長鎖
脂肪酸ハライド残基からなる疎水性基とからなるN−ア
シル酸性アミノジカルボン酸化合物を生成させ、この生
成物を含む縮合反応混合液のpHを5以下に調整し、それ
によって、前記生成物含有縮合反応混合液中に相分離し
て形成された有機相成分を分別捕集し、この有機相成分
を2〜4個の炭素原子を有する低級アルコールと、硫酸
とを含有する水溶液をもって洗浄し、この洗浄混合物の
有機相成分を、分離捕集し、この有機相成分を固化する
ことなく脱水濃縮して得られ、かつ40〜90質量%の
N−アシル酸性アミノカルボン酸を含む水性液として、
前記混合加熱溶解工程に供されることを特徴とするもの
である。本発明の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法にお
いて、前記洗浄剤成分として用いられる低級アルコール
及び前記有機相成分の洗浄に用いられる低級アルコール
が、それぞれ、互に独立に、エタノール、n−プロパノ
ール及びイソプロパノールから選ばれることが好まし
い。本発明の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法におい
て、前記酸性アミノジカルボン酸が、グルタミン酸、イ
ミノジ酢酸、及びカルボキシエチルグリシンから選ばれ
ることが好ましい。本発明の弱酸性透明固形洗浄剤の製
造方法において、分子当り6〜12個の炭素原子を有す
る炭化水素、チオ尿素、尿素、及びマルチトールから選
ばれた少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
固形洗浄剤は、N−アシル酸性アミノカルボン酸からな
る基剤に、分子当り3〜6個の炭素原子を有する多価ア
ルコールと、分子当り2〜4個の炭素原子を有する低級
アルコールと、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸の
中和剤と、水とを含む添加成分を混合加熱して溶解し、
この溶解物を冷却して、所望形状・寸法に固化すること
によって得られる。
ノカルボン酸を含有する基材の製造において、先ず分子
当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカルボン酸
基とを有する酸性アミノジカルボン酸と、6〜22個の
炭素原子を含む長鎖脂肪酸ハライドとを、アルカリ性反
応媒体中において、縮合反応させて、前記酸性アミノジ
カルボン酸残基からなる親水性基と、前記長鎖脂肪酸ハ
ライド残基からなる疎水性基とからなるN−アシル酸性
アミノジカルボン酸化合物を生成させる。
は、炭素原子数6〜22の、好ましくは8〜20の、飽
和または不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基、例えば
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸などのアシル基を含有する単一脂肪酸の
脂肪酸ハライド、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、パ
ーム脂肪酸、牛脂脂肪酸などの混合脂肪酸から誘導され
る混合脂肪酸ハライドから選ぶことができる。先に述べ
たように、従来のN−アシル酸性アミノカルボン酸を固
形物として単離して透明固形洗浄剤の基剤として使用す
る場合、原料脂肪酸ハライドの種類によっては、再結晶
やスプレードライ等の製造時にかかる熱履歴が比較的穏
やかな条件では固形化が困難な場合も有るが、本発明方
法では、反応生成物を固形物として単離することがない
ので、原料選択においてこれらの制限が無いという優れ
た長所を有する。
は、分子当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカ
ルボン酸基とを有するものであって、天然物或いは合成
品のいずれでもよいが、例えばグルタミン酸、イミノジ
酢酸、カルボキシエチルグリシン等が好ましく用いられ
る。
シル酸性アミノカルボン酸塩の調製には、2〜4個の炭
素原子を有する低級アルコールを含有する水溶媒のpH
を、アルカリ金属水酸化物などのアルカリ剤の水溶液を
用いて10〜13に調製し、これに酸性アミノカルボン
酸を加え濃度が20〜60%、好ましくは30〜50%
の酸性アミノカルボン酸水溶液を調製する。この水溶液
中に、脂肪酸ハライドを、アルカリによりpH10〜13
の範囲内におさまるよう調整しながら30℃以下で滴下
することにより縮合反応させる。上記反応に用いられる
低級アルコールと水との割合は、5:95〜80:20
であり、好ましくは20:80〜50:50がよい。こ
のとき低級アルコールが5:95以下になると副生成物
である脂肪酸塩の含量が増大し、またそれが50:50
以上になると低級アルコールとのエステルが増大し、こ
れらの副生物が弱酸性透明固形洗浄剤の製剤化の障害に
なる場合がある。
ル酸性アミノカルボン酸塩をN−長鎖アシル酸性アミノ
カルボン酸への変換は特に困難はなく、硫酸、塩酸など
の鉱酸でpHを5以下、好ましくは2以下にすればよい。
すなわち、N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸塩を含
む水溶液中に、攪拌しながら鉱酸を加え、pHを5以下に
調整すればよい。このN−長鎖アシル酸性アミノカルボ
ン酸化生成物含有反応混合液は、鉱酸によるpH調整によ
って、或いは、pH調整後加熱することにより、N−長鎖
アシル酸性アミノカルボン酸を含む有機相と水相とに分
離する。この分離温度条件は、N−長鎖アシルアミノカ
ルボン酸が融解している温度であればよいが、通常室温
から低級アルコールの沸点の温度で行なわれる。低級ア
ルコールの沸点を越えると、加圧下での分層が必要とな
り、このために多額の設備費が必要となり、経済的に不
利である。なお、N−長鎖アシルアミノカルボン酸が融
解している状態とは、反応混合液が流動性を保ち、液状
化している状態をいう。この溶融物と水との混合物を静
置すれば、これらを容易に分層することができる。
N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸塩の調製時に副生
した無機塩を含む。この無機塩は、製剤化後に、経時的
に透明固形洗浄剤の表面に析出し、商品的価値を損なう
ので、本発明方法においては、この有機相成分を低級ア
ルコールと硫酸とを含む水溶液により洗浄することによ
り無機塩を除去することができる。このときの低級アル
コールと1%硫酸水との割合を5:95〜40:60と
し、好ましくは、10:90〜20:80の割合の水溶
液で洗浄を行なうと無機塩を容易に除去することができ
る。低級アルコールと1%硫酸水との割合が5:95以
下であると水相が上層となり、N−長鎖アシル酸性アミ
ノカルボン酸を含む有機相を完全に分離するために別の
設備が必要となり、経済的に不利となることがある。ま
た、この洗浄液に硫酸以外の酸を用いた場合やはり水相
が上層となることがある。低級アルコールと1%硫酸水
との割合が40:60以上になるとN−長鎖アシル酸性
アミノカルボン酸が洗浄液に溶解し分層が困難となるこ
とがある。
水分と低級アルコールとを含むN−長鎖アシル酸性アミ
ノカルボン酸の混合溶融物であるが、反応条件の選択に
よってはN−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の含有率
が40重量%を下回る場合があるため、この有機相成分
に脱アルコール及び脱水処理を施す。この処理における
減圧操作は、N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸が酸
タイプになっているので、泡立ちも無くスムーズに施す
ことができる。また、低級アルコールは、透明固形洗浄
剤化する際も必須成分として配合されるため、これらの
完全な留去は必要でなく、通常の加熱減圧下で製剤化に
必要な程度の濃縮でよい。即ちN−長鎖アシル酸性アミ
ノカルボン酸含有量が40〜90重量%になるように、
脱アルコール及び脱水して濃縮する。この時得られるN
−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸含有物は、水及び微
量の低級アルコールを含有するため、純度の高いN−長
鎖アシル酸性アミノカルボン酸比較して低い溶融温度を
有している。そのため、N−長鎖アシル酸性アミノカル
ボン酸含有物を保存し別途加熱溶解後、透明固形洗浄剤
の原料とすることも可能である。
有量を高速液体クロマトグラフィーで測定することによ
り容易に濃度を知ることが出来る。この時、有機層のN
−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の含有量が40重量
%を下回ると製造される弱酸性透明固形洗浄剤の固さが
不足して変形しやすくなり、またそれが90重量%を超
えて濃縮すると、粘度が上昇し他の成分の混合が困難と
なり、弱酸性透明固形洗浄剤得られない場合が有り好ま
しくない。濃縮はN−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸
の含有量が60〜70重量%である場合が、製造される
弱酸性透明固形洗浄剤の固さが好ましく、操作性も良く
好ましい。
ノカルボン酸基剤に配合される2〜6個の炭素原子を有
する多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトー
ル、及びプロピレングリコールが例示され、これらから
選ばれる少なくとも1種以上の混合物を用いてもよい。
ミノカルボン酸の中和剤の好適例としては、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩基性化合
物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の塩基性有機アミン化合物、アンモ
ニア及びアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性ア
ミノ酸化合物が用いられ、これらは単独で用いられても
よく、或いは2種以上の混合物として用いてもよい。特
に、トリエタノールアミンを用いると、透明性に優れた
製品を得ることができる。
低級アルコール及び、洗浄剤に含まれる低級アルコール
は、それぞれ互に独立に、2〜4個の炭素原子を有する
ものであって、好ましくは、一般に化粧品で使用される
低級アルコール、例えばエタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノールが用いられる。
アシル酸性アミノカルボン酸含有濃縮水性液を製造した
反応器を用いて、この濃縮水性液に、弱酸性透明固形洗
浄剤を作成するのに必要な他の成分: 2〜6個の炭素原子を有する多価アルコール、 低級アルコール、 N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の中和剤 水 その他の添加成分 を加え加熱溶解後、成形容器に流し込み、冷却して固化
し、乾燥し、型打ちを施して、所望の形状の弱酸性透明
固形洗浄剤を製造する形態が挙げられる。この時N−ア
シル酸性アミノカルボン酸は、固形化されることなく濃
縮水性液のまま用いることができるので、コスト的効果
が著しく高い。
用感の調整などの目的で、通常化粧品に用いられる他の
成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出
物、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、
高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコー
ン、N−アシル酸性アミノ酸型以外のアニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界
面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、被膜剤、紫
外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、糖類、アミノ酸類、
有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調整剤、皮膚
栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香
料、水などを必要に応じて一種乃至は2種以上、透明固
形化を阻害しない範囲で加えることが可能である。これ
らは、当該透明固形洗浄剤の質量に対し25質量%以下
の配合量で用いることができる。
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。実施例1 L−グルタミン酸90.0gを20%イソプロパノール
水溶解150.0gに溶解し、これに、48%水酸化ナ
トリウム水溶液40.0gを加えてL−グルタミンナト
リウム水溶液を調製した。これを10〜20℃以下に保
ちつつ、これにヤシ油脂肪酸クロライド90.0gと4
8%水酸化ナトリウムとを、pH10〜14に調整しなが
ら同時滴下した。滴下終了後、更に前記温度で1時間攪
拌し、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナト
リウム水溶液420.0gを得た。これに60℃で75
%硫酸水溶液を加えてそのpHを1.0に調整し、これを
温度60℃に30分間放置したところ、有機層と水層と
に分離した。分離した有機相成分を前記温度で、イソプ
ロパノール50.0gと1%硫酸水400.0gとの混
合液により洗浄し、得られた有機相成分から、含水N−
ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸325.4gを
捕集した。次いで、この水性液を減圧濃縮し、含水N−
ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸199.0gを
得た。これにイソプロパノール40.0g、トリエタノ
ールアミン102.5g、グリセリン40.0g、尿素
40.0gを加え、80〜85℃に加温して、均一に融
解した。この融解液を型に注入し、室温に冷却して固化
させたところ、透明固形洗浄剤が得られた。得られた透
明固形洗浄剤配合の組成は表1に記載の通りである。
アシル−L−グルタミン酸粉末を準備して従来法で透明
固形洗浄剤を試作した。
較例1の方法を5回繰り返して透明固形洗浄剤を作成し
た。 (1)外観色相は透明固形洗浄剤を10mmの厚さに切断
し、表面を平滑化したものを試料とし、色差計でのΔb
値測定により判断した。 (2)臭いはモニターによる官能評価によって判断し
た。テスト(1)及び(2)の各々において、実施例1
の1回目のサンプルを基準に下記3段階に評価した。○
は実施例1の一回目のサンプルと同等、△は実施例1の
一回目のサンプルよりやや悪い、×は実施例1の一回目
のサンプルより悪い各試料についての評価を表2にまと
めた。
験は、5回とも外観(色相)、臭いに差が見られないこ
とが確認されたが、従来法による製造では色相、特に黄
色味にばらつきが多くb値が安定しないことが認めら
れ、更に5例中1例に、評価者によりやや異なる臭いが
感じられることがあった。
解205.8gに溶解し、これに48%水酸化ナトリウ
ム水溶液71.3gを加えてイミノジ酢酸ナトリウム液
を調製した。次いで、これを20〜30℃以下に保ちつ
つ、これにラウリン酸クロライド90.0gと48%水
酸化ナトリウムとを、pH10〜14に調整しながら同時
に滴下した。滴下終了後、更に前記温度で1時間攪拌
し、N−ラウロイルイミノジ酢酸ナトリウム水溶液45
8.3gを得た。これに60℃で75%硫酸水溶液を加
えてpH1に調製し、これを60℃の温度で30分間放置
したところ、有機層と水層とに分離した。分離した有機
相成分を、温度60℃でイソプロパノール50.0gと
1%硫酸水400.0gの混合液により洗浄後、含水N
−ラウロイルイミノジ酢酸311.3gを捕集した。次
いで、これを減圧濃縮し、含水N−ラウロイルイミノジ
酢酸205.1gを得た。これにイソプロパノール1
8.1g、トリエタノールアミン104.7g、グリセ
リン36.1g、尿素18.1gを加え、80〜85℃
に加温して、均一に融解した後これを成形型に注入して
室温にて冷却固化させ透明固形洗浄剤を作製した。得ら
れた透明固形洗浄剤の配合組成を表3に示す。
物を作製した。5回とも透明性にすぐれ、外観(色
相)、臭いに差が認められない製品が得られた。
透明固形洗浄剤を、品質の低下なく、安定して、かつ安
価に製造することが可能になった。
Claims (4)
- 【請求項1】 N−アシル酸性アミノカルボン酸からな
る基剤と、分子当り2〜6個の炭素原子を有する多価ア
ルコールと、分子当り2〜4個の炭素原子を有する低級
アルコールと、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸の
中和剤と、水とを含む混合物を加熱して溶解し、この溶
解物を冷却して、所望形状・寸法に固化することを含
み、 前記N−アシル酸性アミノカルボン酸含有基剤が、分子
当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカルボン酸
基とを有する酸性アミノジカルボン酸と、6〜22個の
炭素原子を含む長鎖脂肪酸ハライドとを、アルカリ性反
応媒体中において、縮合反応させて、前記酸性アミノジ
カルボン酸残基からなる親水性基と、前記長鎖脂肪酸ハ
ライド残基からなる疎水性基とからなるN−アシル酸性
アミノジカルボン酸化合物を生成させ、この生成物を含
む縮合反応混合液のpHを5以下に調整し、それによっ
て、前記生成物含有縮合反応混合液中に相分離して形成
された有機相成分を分別捕集し、この有機相成分を2〜
4個の炭素原子を有する低級アルコールと、硫酸とを含
有する水溶液をもって洗浄し、この洗浄混合物の有機相
成分を、分離捕集し、この有機相成分を固化することな
く脱水濃縮して得られ、かつ40〜90質量%のN−ア
シル酸性アミノカルボン酸を含む水性液として、前記混
合加熱溶解工程に供されることを特徴とする弱酸性透明
固形洗浄剤の製造方法。 - 【請求項2】 前記洗浄剤成分として用いられる低級ア
ルコール及び前記有機相成分の洗浄に用いられる低級ア
ルコールが、それぞれ、互に独立に、エタノール、n−
プロパノール及びイソプロパノールから選ばれる、請求
項1に記載の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法。 - 【請求項3】 前記酸性アミノジカルボン酸が、グルタ
ミン酸、イミノジ酢酸、及びカルボキシエチルグリシン
から選ばれる請求項1に記載の弱酸性透明固形洗浄剤の
製造方法。 - 【請求項4】 分子当り6〜12個の炭素原子を有する
炭化水素、チオ尿素、尿素、及びマルチトールから選ば
れた少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜3のいず
れか1項に記載の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法。
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