JP2003306695A - 弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法 - Google Patents

弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法

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JP2003306695A JP2002110977A JP2002110977A JP2003306695A JP 2003306695 A JP2003306695 A JP 2003306695A JP 2002110977 A JP2002110977 A JP 2002110977A JP 2002110977 A JP2002110977 A JP 2002110977A JP 2003306695 A JP2003306695 A JP 2003306695A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弱酸性透明固形洗浄剤基剤を、N−アシル酸
性アミノカルボン酸を基材として固形化することなく用
いて、高品質に安定して安価に製造する方法の提供。 【解決手段】 N−アシル酸性アミノカルボン酸と、多
価アルコールと、低級アルコールと、中和剤と水とを含
む前記洗浄剤を製造するに際し、酸性アミノジカルボン
酸と長鎖脂肪酸ハライドとの縮合により得られた。この
縮合反応液のpHを5以下とし、形成した有機相成分を、
低級アルコール/硫酸水溶液で洗浄し、得られた有機相
成分を固化することなく濃度40〜90質量%に脱水濃
縮したものを基剤として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弱酸性透明固形洗
浄剤の製造方法に関するものである。より詳細に述べる
ならば、本発明は1個のアミノ基又はイミノ基と2個の
カルボン酸基を有する酸性アミノカルボン酸残基を親水
基として有するN−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸を
基剤として含有する弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透明固形洗浄剤において、その主
成分として脂肪酸石鹸が使用されてきたが、脂肪酸石鹸
は、溶解性、泡立ち、洗浄性の改善のために配合された
低級脂肪酸成分により、また脂肪酸石鹸中の遊離アルカ
リにより及び使用中の脂肪酸石鹸の加水分解によるpHの
上昇などによって皮膚を刺激することがある。これらの
欠点を解消法として、弱酸性領域でも界面活性を有する
N−アシル酸性アミノ酸塩を基剤とする透明固形洗浄剤
が提案されてきた。
【0003】N−アシル酸性アミノ酸塩を基剤とする透
明固形洗浄剤の配合組成は、特開昭55−25465号
報、特開平4−1297号報、特開平6−264092
号報等より、知られている。これらのN−アシル酸性ア
ミノ酸塩を基剤とする透明固形洗浄剤の原料として用い
られるN−長鎖アシル酸性アミノ酸は、特公昭46−8
685号報に示されるように、脂肪酸ハライドと酸性ア
ミノ酸の縮合反応によって得られ、有機溶媒を含有し或
いは含有せず、副生成物に塩化ナトリウム等の無機塩を
含有し、N−アシル酸性アミノ酸塩の含有量が20〜3
0%の水溶液の状態で製造されている。このとき得られ
る反応混合液中の、生成N−アシル酸性アミノ酸塩の含
有量が30%以上になるように反応条件を変更すると、
未反応物残留量が増大し、ゲル化が発生して反応が困難
になるなどの問題点が生ずるため、このような反応条件
は一般には採用されていない。
【0004】一方N−アシル酸性アミノ酸塩を基剤とす
る透明固形洗浄剤を製造するには、その原料として用い
られるN−アシル酸性アミノ酸塩の種類によっても異な
るが、その組成物中にN−アシル酸性アミノ酸塩を30
%以上含有することを必要とする物であるから、N−ア
シル酸性アミノ酸塩の含有量が20〜30%の水溶液を
原料として使用することは困難である。また反応液に副
生している塩化ナトリウム等の無機塩は、目的とする弱
酸性透明固形洗浄剤の透明安定性を損ねるので、一般的
には、公知技術により製造されたN−長鎖アシル酸性ア
ミノ酸塩溶液を脱塩し、再結晶やスプレードライ等の方
法によりN−アシル酸性アミノ酸を固形化し、これを原
料とするのが通常であった。
【0005】しかしながら、製造工程において結晶の濾
過分離、真空加熱などによる乾燥工程を行なうため複数
の製造装置が必要であるため、このようにすると、経済
性が著しく低下し、かつ、各工程における加熱による着
色或いは/また匂いの悪化など品質低下を起こすなどの
欠点があり、このため、N−長鎖アシル酸性アミノ酸を
含有する弱酸性透明固形洗浄剤を安価にかつ安定に製造
することが困難であった。
【0006】また、N−アシル酸性アミノカルボン酸を
単離、固形化する場合、アシル基ソース及び酸性アミノ
カルボン酸の選択によっては、スプレードライや再結晶
等の比較的熱履歴の少ない製造方法では粉末化が困難な
場合があり、このため、N−長鎖アシル酸性アミノカル
ボン酸の自由な配合組成により透明固形洗浄剤の物性を
変化させることが困難であった。従って、当該透明固形
洗浄剤は、その安全性が高いにもかかわらず、幅広く使
用されるに至っておらず、このため、より安価で高品質
の透明固形洗浄剤の製法の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、N−アシル
酸性アミノカルボン酸を基剤として透明固形洗浄剤を製
造するに際し、この基剤として用いられるN−アシル酸
性アミノカルボン酸を、固形化・乾燥することなく、反
応混合液の精製濃縮液を用いて、その固形化・乾燥によ
り発生する基剤品質の低下、及びコスト増大を防止し、
安定に、かつ安価に品質の優れた透明固形洗浄剤を製造
する方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の弱
酸性透明固形洗浄剤の欠点を解消するために鋭意検討し
た結果、基剤であるN−長鎖アシル酸性アミノカルボン
酸の製造により得られる反応混合液の精製濃縮液を原料
として用いて弱酸性透明固形洗浄剤を製造することによ
って、N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の固形化に
起因する弱酸性透明固形洗浄剤の色相の安定化が得られ
るばかりでなく、従来の製造法では固形化が不可能であ
った低溶融点N−アシル酸性アミノカルボン酸を主剤と
する弱酸性透明固形洗浄剤の製造も可能であることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の弱酸性透明固形洗浄剤
の製造方法は、N−アシル酸性アミノカルボン酸からな
る基剤に、分子当り3〜6個の炭素原子を有する多価ア
ルコールと、分子当り2〜4個の炭素原子を有する低級
アルコールと、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸の
中和剤と、水とを含む添加成分を混合加熱して溶解し、
この溶解物を冷却して、所望形状・寸法に固化すること
を含み、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸含有基剤
が、分子当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカ
ルボン酸基とを有する酸性アミノジカルボン酸と、6〜
22個の炭素原子を含む長鎖脂肪酸ハライドとを、アル
カリ性反応媒体中において、縮合反応させて、前記酸性
アミノジカルボン酸残基からなる親水性基と、前記長鎖
脂肪酸ハライド残基からなる疎水性基とからなるN−ア
シル酸性アミノジカルボン酸化合物を生成させ、この生
成物を含む縮合反応混合液のpHを5以下に調整し、それ
によって、前記生成物含有縮合反応混合液中に相分離し
て形成された有機相成分を分別捕集し、この有機相成分
を2〜4個の炭素原子を有する低級アルコールと、硫酸
とを含有する水溶液をもって洗浄し、この洗浄混合物の
有機相成分を、分離捕集し、この有機相成分を固化する
ことなく脱水濃縮して得られ、かつ40〜90質量%の
N−アシル酸性アミノカルボン酸を含む水性液として、
前記混合加熱溶解工程に供されることを特徴とするもの
である。本発明の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法にお
いて、前記洗浄剤成分として用いられる低級アルコール
及び前記有機相成分の洗浄に用いられる低級アルコール
が、それぞれ、互に独立に、エタノール、n−プロパノ
ール及びイソプロパノールから選ばれることが好まし
い。本発明の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法におい
て、前記酸性アミノジカルボン酸が、グルタミン酸、イ
ミノジ酢酸、及びカルボキシエチルグリシンから選ばれ
ることが好ましい。本発明の弱酸性透明固形洗浄剤の製
造方法において、分子当り6〜12個の炭素原子を有す
る炭化水素、チオ尿素、尿素、及びマルチトールから選
ばれた少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法において、弱酸性透明
固形洗浄剤は、N−アシル酸性アミノカルボン酸からな
る基剤に、分子当り3〜6個の炭素原子を有する多価ア
ルコールと、分子当り2〜4個の炭素原子を有する低級
アルコールと、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸の
中和剤と、水とを含む添加成分を混合加熱して溶解し、
この溶解物を冷却して、所望形状・寸法に固化すること
によって得られる。
【0011】本発明方法において、N−アシル酸性アミ
ノカルボン酸を含有する基材の製造において、先ず分子
当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカルボン酸
基とを有する酸性アミノジカルボン酸と、6〜22個の
炭素原子を含む長鎖脂肪酸ハライドとを、アルカリ性反
応媒体中において、縮合反応させて、前記酸性アミノジ
カルボン酸残基からなる親水性基と、前記長鎖脂肪酸ハ
ライド残基からなる疎水性基とからなるN−アシル酸性
アミノジカルボン酸化合物を生成させる。
【0012】本発明方法に使用できる脂肪酸ハライド
は、炭素原子数6〜22の、好ましくは8〜20の、飽
和または不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基、例えば
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸などのアシル基を含有する単一脂肪酸の
脂肪酸ハライド、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、パ
ーム脂肪酸、牛脂脂肪酸などの混合脂肪酸から誘導され
る混合脂肪酸ハライドから選ぶことができる。先に述べ
たように、従来のN−アシル酸性アミノカルボン酸を固
形物として単離して透明固形洗浄剤の基剤として使用す
る場合、原料脂肪酸ハライドの種類によっては、再結晶
やスプレードライ等の製造時にかかる熱履歴が比較的穏
やかな条件では固形化が困難な場合も有るが、本発明方
法では、反応生成物を固形物として単離することがない
ので、原料選択においてこれらの制限が無いという優れ
た長所を有する。
【0013】本発明における酸性アミノジカルボン酸
は、分子当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカ
ルボン酸基とを有するものであって、天然物或いは合成
品のいずれでもよいが、例えばグルタミン酸、イミノジ
酢酸、カルボキシエチルグリシン等が好ましく用いられ
る。
【0014】弱酸性透明固形洗浄剤の基剤であるN−ア
シル酸性アミノカルボン酸塩の調製には、2〜4個の炭
素原子を有する低級アルコールを含有する水溶媒のpH
を、アルカリ金属水酸化物などのアルカリ剤の水溶液を
用いて10〜13に調製し、これに酸性アミノカルボン
酸を加え濃度が20〜60%、好ましくは30〜50%
の酸性アミノカルボン酸水溶液を調製する。この水溶液
中に、脂肪酸ハライドを、アルカリによりpH10〜13
の範囲内におさまるよう調整しながら30℃以下で滴下
することにより縮合反応させる。上記反応に用いられる
低級アルコールと水との割合は、5:95〜80:20
であり、好ましくは20:80〜50:50がよい。こ
のとき低級アルコールが5:95以下になると副生成物
である脂肪酸塩の含量が増大し、またそれが50:50
以上になると低級アルコールとのエステルが増大し、こ
れらの副生物が弱酸性透明固形洗浄剤の製剤化の障害に
なる場合がある。
【0015】上記縮合反応により得られたN−長鎖アシ
ル酸性アミノカルボン酸塩をN−長鎖アシル酸性アミノ
カルボン酸への変換は特に困難はなく、硫酸、塩酸など
の鉱酸でpHを5以下、好ましくは2以下にすればよい。
すなわち、N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸塩を含
む水溶液中に、攪拌しながら鉱酸を加え、pHを5以下に
調整すればよい。このN−長鎖アシル酸性アミノカルボ
ン酸化生成物含有反応混合液は、鉱酸によるpH調整によ
って、或いは、pH調整後加熱することにより、N−長鎖
アシル酸性アミノカルボン酸を含む有機相と水相とに分
離する。この分離温度条件は、N−長鎖アシルアミノカ
ルボン酸が融解している温度であればよいが、通常室温
から低級アルコールの沸点の温度で行なわれる。低級ア
ルコールの沸点を越えると、加圧下での分層が必要とな
り、このために多額の設備費が必要となり、経済的に不
利である。なお、N−長鎖アシルアミノカルボン酸が融
解している状態とは、反応混合液が流動性を保ち、液状
化している状態をいう。この溶融物と水との混合物を静
置すれば、これらを容易に分層することができる。
【0016】本発明方法により得られた有機相成分は、
N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸塩の調製時に副生
した無機塩を含む。この無機塩は、製剤化後に、経時的
に透明固形洗浄剤の表面に析出し、商品的価値を損なう
ので、本発明方法においては、この有機相成分を低級ア
ルコールと硫酸とを含む水溶液により洗浄することによ
り無機塩を除去することができる。このときの低級アル
コールと1%硫酸水との割合を5:95〜40:60と
し、好ましくは、10:90〜20:80の割合の水溶
液で洗浄を行なうと無機塩を容易に除去することができ
る。低級アルコールと1%硫酸水との割合が5:95以
下であると水相が上層となり、N−長鎖アシル酸性アミ
ノカルボン酸を含む有機相を完全に分離するために別の
設備が必要となり、経済的に不利となることがある。ま
た、この洗浄液に硫酸以外の酸を用いた場合やはり水相
が上層となることがある。低級アルコールと1%硫酸水
との割合が40:60以上になるとN−長鎖アシル酸性
アミノカルボン酸が洗浄液に溶解し分層が困難となるこ
とがある。
【0017】本発明方法により得られる有機相成分は、
水分と低級アルコールとを含むN−長鎖アシル酸性アミ
ノカルボン酸の混合溶融物であるが、反応条件の選択に
よってはN−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の含有率
が40重量%を下回る場合があるため、この有機相成分
に脱アルコール及び脱水処理を施す。この処理における
減圧操作は、N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸が酸
タイプになっているので、泡立ちも無くスムーズに施す
ことができる。また、低級アルコールは、透明固形洗浄
剤化する際も必須成分として配合されるため、これらの
完全な留去は必要でなく、通常の加熱減圧下で製剤化に
必要な程度の濃縮でよい。即ちN−長鎖アシル酸性アミ
ノカルボン酸含有量が40〜90重量%になるように、
脱アルコール及び脱水して濃縮する。この時得られるN
−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸含有物は、水及び微
量の低級アルコールを含有するため、純度の高いN−長
鎖アシル酸性アミノカルボン酸比較して低い溶融温度を
有している。そのため、N−長鎖アシル酸性アミノカル
ボン酸含有物を保存し別途加熱溶解後、透明固形洗浄剤
の原料とすることも可能である。
【0018】N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の含
有量を高速液体クロマトグラフィーで測定することによ
り容易に濃度を知ることが出来る。この時、有機層のN
−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の含有量が40重量
%を下回ると製造される弱酸性透明固形洗浄剤の固さが
不足して変形しやすくなり、またそれが90重量%を超
えて濃縮すると、粘度が上昇し他の成分の混合が困難と
なり、弱酸性透明固形洗浄剤得られない場合が有り好ま
しくない。濃縮はN−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸
の含有量が60〜70重量%である場合が、製造される
弱酸性透明固形洗浄剤の固さが好ましく、操作性も良く
好ましい。
【0019】本発明方法において、N−アシル酸性アミ
ノカルボン酸基剤に配合される2〜6個の炭素原子を有
する多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトー
ル、及びプロピレングリコールが例示され、これらから
選ばれる少なくとも1種以上の混合物を用いてもよい。
【0020】本発明に使用されるN−長鎖アシル酸性ア
ミノカルボン酸の中和剤の好適例としては、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩基性化合
物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の塩基性有機アミン化合物、アンモ
ニア及びアルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性ア
ミノ酸化合物が用いられ、これらは単独で用いられても
よく、或いは2種以上の混合物として用いてもよい。特
に、トリエタノールアミンを用いると、透明性に優れた
製品を得ることができる。
【0021】本発明の方法において、洗浄に用いられる
低級アルコール及び、洗浄剤に含まれる低級アルコール
は、それぞれ互に独立に、2〜4個の炭素原子を有する
ものであって、好ましくは、一般に化粧品で使用される
低級アルコール、例えばエタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノールが用いられる。
【0022】本発明方法の最適実施形態としては、N−
アシル酸性アミノカルボン酸含有濃縮水性液を製造した
反応器を用いて、この濃縮水性液に、弱酸性透明固形洗
浄剤を作成するのに必要な他の成分: 2〜6個の炭素原子を有する多価アルコール、 低級アルコール、 N−長鎖アシル酸性アミノカルボン酸の中和剤 水 その他の添加成分 を加え加熱溶解後、成形容器に流し込み、冷却して固化
し、乾燥し、型打ちを施して、所望の形状の弱酸性透明
固形洗浄剤を製造する形態が挙げられる。この時N−ア
シル酸性アミノカルボン酸は、固形化されることなく濃
縮水性液のまま用いることができるので、コスト的効果
が著しく高い。
【0023】本発明の透明固形洗浄剤には、洗浄性、使
用感の調整などの目的で、通常化粧品に用いられる他の
成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出
物、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、
高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコー
ン、N−アシル酸性アミノ酸型以外のアニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界
面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、被膜剤、紫
外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、糖類、アミノ酸類、
有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調整剤、皮膚
栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香
料、水などを必要に応じて一種乃至は2種以上、透明固
形化を阻害しない範囲で加えることが可能である。これ
らは、当該透明固形洗浄剤の質量に対し25質量%以下
の配合量で用いることができる。
【0024】
【実施例】本発明を下記実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。実施例1 L−グルタミン酸90.0gを20%イソプロパノール
水溶解150.0gに溶解し、これに、48%水酸化ナ
トリウム水溶液40.0gを加えてL−グルタミンナト
リウム水溶液を調製した。これを10〜20℃以下に保
ちつつ、これにヤシ油脂肪酸クロライド90.0gと4
8%水酸化ナトリウムとを、pH10〜14に調整しなが
ら同時滴下した。滴下終了後、更に前記温度で1時間攪
拌し、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナト
リウム水溶液420.0gを得た。これに60℃で75
%硫酸水溶液を加えてそのpHを1.0に調整し、これを
温度60℃に30分間放置したところ、有機層と水層と
に分離した。分離した有機相成分を前記温度で、イソプ
ロパノール50.0gと1%硫酸水400.0gとの混
合液により洗浄し、得られた有機相成分から、含水N−
ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸325.4gを
捕集した。次いで、この水性液を減圧濃縮し、含水N−
ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸199.0gを
得た。これにイソプロパノール40.0g、トリエタノ
ールアミン102.5g、グリセリン40.0g、尿素
40.0gを加え、80〜85℃に加温して、均一に融
解した。この融解液を型に注入し、室温に冷却して固化
させたところ、透明固形洗浄剤が得られた。得られた透
明固形洗浄剤配合の組成は表1に記載の通りである。
【0025】
【表1】
【0026】比較例1 実施例1の最終配合比率になるよう、N−ヤシ油脂肪酸
アシル−L−グルタミン酸粉末を準備して従来法で透明
固形洗浄剤を試作した。
【0027】テスト 従来法と本発明方法とを比較するため、実施例1及び比
較例1の方法を5回繰り返して透明固形洗浄剤を作成し
た。 (1)外観色相は透明固形洗浄剤を10mmの厚さに切断
し、表面を平滑化したものを試料とし、色差計でのΔb
値測定により判断した。 (2)臭いはモニターによる官能評価によって判断し
た。テスト(1)及び(2)の各々において、実施例1
の1回目のサンプルを基準に下記3段階に評価した。○
は実施例1の一回目のサンプルと同等、△は実施例1の
一回目のサンプルよりやや悪い、×は実施例1の一回目
のサンプルより悪い各試料についての評価を表2にまと
めた。
【0028】
【表2】
【0029】本発明方法による透明固形洗浄剤の製造実
験は、5回とも外観(色相)、臭いに差が見られないこ
とが確認されたが、従来法による製造では色相、特に黄
色味にばらつきが多くb値が安定しないことが認めら
れ、更に5例中1例に、評価者によりやや異なる臭いが
感じられることがあった。
【0030】実施例2 イミノジ酢酸58.1gを30%イソプロパノール水溶
解205.8gに溶解し、これに48%水酸化ナトリウ
ム水溶液71.3gを加えてイミノジ酢酸ナトリウム液
を調製した。次いで、これを20〜30℃以下に保ちつ
つ、これにラウリン酸クロライド90.0gと48%水
酸化ナトリウムとを、pH10〜14に調整しながら同時
に滴下した。滴下終了後、更に前記温度で1時間攪拌
し、N−ラウロイルイミノジ酢酸ナトリウム水溶液45
8.3gを得た。これに60℃で75%硫酸水溶液を加
えてpH1に調製し、これを60℃の温度で30分間放置
したところ、有機層と水層とに分離した。分離した有機
相成分を、温度60℃でイソプロパノール50.0gと
1%硫酸水400.0gの混合液により洗浄後、含水N
−ラウロイルイミノジ酢酸311.3gを捕集した。次
いで、これを減圧濃縮し、含水N−ラウロイルイミノジ
酢酸205.1gを得た。これにイソプロパノール1
8.1g、トリエタノールアミン104.7g、グリセ
リン36.1g、尿素18.1gを加え、80〜85℃
に加温して、均一に融解した後これを成形型に注入して
室温にて冷却固化させ透明固形洗浄剤を作製した。得ら
れた透明固形洗浄剤の配合組成を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】実施例2の方法で5回繰り返し、透明固形
物を作製した。5回とも透明性にすぐれ、外観(色
相)、臭いに差が認められない製品が得られた。
【0033】
【発明の効果】本発明方法により、品質の優れた弱酸性
透明固形洗浄剤を、品質の低下なく、安定して、かつ安
価に製造することが可能になった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB051 AC011 AC101 AC102 AC111 AC122 AC131 AC661 AC662 AC681 AC682 AC761 CC23 DD01 DD21 FF01 FF06 4H003 AB09 BA01 DA02 EB02 EB04 EB05 EB18 EB21 FA02 FA10 FA28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−アシル酸性アミノカルボン酸からな
    る基剤と、分子当り2〜6個の炭素原子を有する多価ア
    ルコールと、分子当り2〜4個の炭素原子を有する低級
    アルコールと、前記N−アシル酸性アミノカルボン酸の
    中和剤と、水とを含む混合物を加熱して溶解し、この溶
    解物を冷却して、所望形状・寸法に固化することを含
    み、 前記N−アシル酸性アミノカルボン酸含有基剤が、分子
    当り1個のアミノ基又はイミノ基と、2個のカルボン酸
    基とを有する酸性アミノジカルボン酸と、6〜22個の
    炭素原子を含む長鎖脂肪酸ハライドとを、アルカリ性反
    応媒体中において、縮合反応させて、前記酸性アミノジ
    カルボン酸残基からなる親水性基と、前記長鎖脂肪酸ハ
    ライド残基からなる疎水性基とからなるN−アシル酸性
    アミノジカルボン酸化合物を生成させ、この生成物を含
    む縮合反応混合液のpHを5以下に調整し、それによっ
    て、前記生成物含有縮合反応混合液中に相分離して形成
    された有機相成分を分別捕集し、この有機相成分を2〜
    4個の炭素原子を有する低級アルコールと、硫酸とを含
    有する水溶液をもって洗浄し、この洗浄混合物の有機相
    成分を、分離捕集し、この有機相成分を固化することな
    く脱水濃縮して得られ、かつ40〜90質量%のN−ア
    シル酸性アミノカルボン酸を含む水性液として、前記混
    合加熱溶解工程に供されることを特徴とする弱酸性透明
    固形洗浄剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄剤成分として用いられる低級ア
    ルコール及び前記有機相成分の洗浄に用いられる低級ア
    ルコールが、それぞれ、互に独立に、エタノール、n−
    プロパノール及びイソプロパノールから選ばれる、請求
    項1に記載の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸性アミノジカルボン酸が、グルタ
    ミン酸、イミノジ酢酸、及びカルボキシエチルグリシン
    から選ばれる請求項1に記載の弱酸性透明固形洗浄剤の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 分子当り6〜12個の炭素原子を有する
    炭化水素、チオ尿素、尿素、及びマルチトールから選ば
    れた少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の弱酸性透明固形洗浄剤の製造方法。
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