JP2003303712A - 磁性単結晶フェライト - Google Patents
磁性単結晶フェライトInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安価で、且つ高周波域におる材料損失を低減
した磁性単結晶フェライトを提供する。 【解決手段】 Fe2O3とMnOとZnOとを主成分と
する磁性単結晶フェライトにおいて、CoOを1.5m
ol%から2.2mol%の範囲で添加したとともに、
前記Fe2O3の組成を48.5mol%から49.1m
ol%の範囲とした。
した磁性単結晶フェライトを提供する。 【解決手段】 Fe2O3とMnOとZnOとを主成分と
する磁性単結晶フェライトにおいて、CoOを1.5m
ol%から2.2mol%の範囲で添加したとともに、
前記Fe2O3の組成を48.5mol%から49.1m
ol%の範囲とした。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯機器に使用さ
れる超小型電源用トランス、インダクターなど、小型の
高周波パワーデバイスに使用される磁気コアの材料とし
て好適な磁性材料である磁性単結晶フェライトに関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】小型のDC−DCコンバータは、電源利
用効率、サイズなどの点から、携帯電話、PDAなど小
型携帯機器用電源として広く使用されている。従来、こ
れに使用されるトランス、インダクターなどの磁気コア
を構成する材料としては、主に多結晶焼結フェライトが
使用されてきた。これは、多結晶焼結フェライトが、比
較的高い周波数まで透磁率が高く、損失も小さいこと、
及びプレス成形による量産が可能であり、価格的にも廉
価であることによる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、近年は、こ
れら携帯機器のいっそうの小型化が進み、DC−DCコ
ンバータについても、いっそうの小型化が要求されてい
る。この小型化のためには、DC−DCコンバータの電
源周波数の高周波化が有効であり、従来使用されている
100kHzから500kHz程度の範囲から、1MH
zから5MHz帯の実用化が検討されている。 【0004】しかしながら、こうした高周波域において
は、従来の多結晶焼結フェライトは小型化、損失の点で
性能的に不十分であるという問題があり、改善が求めら
れていた。これを解決しようとして、磁気コアに、高性
能である積層金属磁性膜の応用も検討されているが、経
済性の点を改善できず、未だ実用に至っていない。一
方、磁性単結晶フェライトは、材料の均質性より、小型
化に際しては、極めて、安定した特性を示すことが期待
されるものの、十分な高周波特性が得られていないとい
う問題があった。 【0005】そこで本発明は、上記問題を解決し、安価
で且つ高周波域における材料損失を低減した磁性単結晶
フェライトを提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、本発明は、Fe2O3とMnOとZnOと
を主成分とする磁性単結晶フェライトにおいて、CoO
を1.5mol%から2.2mol%の範囲で添加した
とともに、前記Fe2O3の組成を48.5mol%から
49.1mol%の範囲とし、高周波域での鉄損を低減
したことを特徴とする磁性単結晶フェライトである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
本発明は、上記課題を解決するために、鋭意研究した結
果、MnO、ZnO、Fe2O3からなる磁性単結晶フェ
ライトのFe2O3が少ない組成域において、CoOを適
量添加することにより、軟磁気特性が向上し、材料損失
の低減に効果があるという知見を得て、成されたもので
ある。 【0008】以下、実施例及び比較例について説明す
る。 <実施例1>粉末の酸化第1鉄(Fe2O3)、酸化マン
ガン(MnO)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化コバルト
(CoO)を所定の組成比で混合後、焼成したものを原
料として、ブリッジマン法により磁性単結晶フェライト
を作成した。単結晶フェライトのインゴット先端から約
20mmのところを、所定の厚さを有するウェハに切り
出した。ウェハを、超音波切断機で打ち抜き、測定用リ
ングを作成した。測定用リングの形状はφ4mm×φ2
mm×t1mmである。 【0009】ウェハの残りを用いて、通常の化学分析に
よって組成を求めた。組成は次の通りであった。なお、
結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.8mol% (2)MnO …32.7mol% (3)ZnO …17.0mol% (4)CoO …1.5mol% 合計100mol% 【0010】 【表1】 【0011】この測定用リングを用いて、高周波鉄損測
定器により、鉄損(単位は、J/m 3である)を測定し
た。このとき、励磁磁束密度Bm=0.05Tのとき
は、0.01MHzから10MHzの周波数範囲につい
て、Bm=0.1Tのときは、0.01MHzから3M
Hzの周波数範囲について、Bm=0.2Tのときは、
0.01MHzから1.5MHzの周波数範囲につい
て、それぞれ測定を行った。 【0012】Bm=0.1Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは2.24J/m3、0.1MHzでは4.51
J/m3、0.15MHzでは5.12J/m3、0.2
MHzでは5.61J/m3、0.3MHzでは7.7
1J/m3、0.5MHzでは9.43J/m3、0.7
MHzでは12.4J/m3、1MHzでは16.6、
1J/m3.5MHzでは22.6J/m3、2MHzで
は26.9J/m3、3MHzでは27.9J/m3であ
った。結果を表2に示す。 【0013】 【表2】 【0014】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは7.34J/m3、0.1MHzでは17.7
J/m3、0.15MHzでは20.5J/m3、0.2
MHzでは23.3J/m3、0.3MHzでは36.
8J/m3、0.5MHzでは44.1J/m3、0.7
MHzでは55.8J/m3、1MHzでは73.8J
/m3、1.5MHzでは95.1J/m3であった。結
果を表3に示す。 【0015】 【表3】 【0016】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.58J/m3、0.1MHzでは1.1
8J/m3、0.15MHzでは1.3J/m31、0.
2MHzでは1.43J/m3、0.3MHzでは1.
69J/m3、0.5MHzでは1.93J/m3、0.
7MHzでは2.29J/m3、1MHzでは2.57
J/m3、1.5MHzでは3.51J/m3、2MHz
では4.59J/m3、3MHzでは7.89J/m3、
5MHzでは10J/m3、7MHzでは11.3J/
m3、10MHzでは15J/m3であった。結果を表4
に示す。 【0017】 【表4】 【0018】<実施例2>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして実施例2の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …49.1mol% (2)MnO …32.7mol% (3)ZnO …16.4mol% (4)CoO …1.8mol% 合計100mol% 【0019】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは3.68
J/m3、0.1MHzでは6.67J/m3、0.15
MHzでは7.35J/m3、0.2MHzでは7.9
6J/m3、0.3MHzでは8.79J/m3、0.5
MHzでは8.05J/m3、0.7MHzでは8.1
5J/m3、1MHzでは10.9J/m3、1.5MH
zでは15.5J/m3、2MHzでは22.3J/
m3、3MHzでは27.7J/m3であった。結果を表
2に示す。 【0020】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは8.63J/m3、0.1MHzでは17.4
J/m3、0.15MHzでは17.6J/m3、0.2
MHzでは18.7J/m3、0.3MHzでは30.
5J/m3、0.5MHzでは34.7J/m3、0.7
MHzでは46.3J/m3、1MHzでは65.9J
/m3であった。結果を表3に示す。 【0021】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは1.32J/m3、0.1MHzでは1.9
8J/m3、0.15MHzでは2.23J/m3、0.
2MHzでは2.39J/m3、0.3MHzでは2.
59J/m3、0.5MHzでは2.84J/m3、0.
7MHzでは3.14J/m3、1MHzでは3.41
J/m3、1.5MHzでは3.24J/m3、2MHz
では3.57J/m3、3MHzでは5.16J/m3、
5MHzでは9.15J/m3、7MHzでは11.4
J/m3、10MHzでは14.3J/m3であった。結
果を表4に示す。 【0022】<実施例3>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして実施例3の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.5mol% (2)MnO …33.0mol% (3)ZnO …16.3mol% (4)CoO …2.2mol% 合計100mol% 【0023】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは9.2J
/m3、0.1MHzでは10.5J/m3、0.15M
Hzでは11J/m3、0.2MHzでは11.3J/
m3、0.3MHzでは12.1J/m3、0.5MHz
では11.3J/m3、0.7MHzでは11J/m3、
1MHzでは11.3J/m3、1.5MHzでは1
1.9J/m3、2MHzでは14J/m3、3MHzで
は18.1J/m3であった。結果を表2に示す。 【0024】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは24.7J/m3、0.1MHzでは26.5
J/m3、0.15MHzでは27J/m3、0.2MH
zでは27J/m3、0.3MHzでは27.5J/
m3、0.5MHzでは29J/m3、0.7MHzでは
35J/m3、1MHzでは42J/m3、1.5MHz
では53.2J/m3であった。結果を表3に示す。 【0025】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは3.31J/m3、0.1MHzでは3.5
5J/m3、0.15MHzでは3.35J/m3、0.
2MHzでは3.4J/m3、0.3MHzでは3.4
2J/m3、0.5MHzでは3.5J/m3、0.7M
Hzでは3.61J/m3、1MHzでは3.8J/
m 3、1.5MHzでは3.92J/m3、2MHzでは
4.18J/m3、3MHzでは4.31J/m3、5M
Hzでは6.49J/m3、7MHzでは9.58J/
m3、10MHzでは13.5J/m3であった。結果を
表4に示す。J/m3 【0026】<比較例1>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例1の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …49.7mol% (2)MnO …34.1mol% (3)ZnO …16.2mol% (4)CoO …0mol% 合計100mol% 【0027】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは1.55
J/m3、0.1MHzでは5.63J/m3、0.15
MHzでは7.37J/m3、0.2MHzでは8.8
5J/m3、0.3MHzでは11.3J/m3、0.5
MHzでは15.9J/m3、0.7MHzでは20.
5J/m3、1MHzでは24.4J/m3、1.5MH
zでは33.1J/m3、2MHzでは39.2J/
m3、3MHzでは52.1J/m3であった。結果を表
2に示す。 【0028】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは4.48J/m3、0.1MHzでは17.5
J/m3、0.15MHzでは21.8J/m3、0.2
MHzでは26.3J/m3、0.3MHzでは33.
2J/m3、0.5MHzでは51J/m3、0.7MH
zでは68.5J/m3、1MHzでは89.7J/
m 3、1.5MHzでは110J/m3であった。結果を
表3に示す。 【0029】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.52J/m3、0.1MHzでは1.9
3J/m3、0.15MHzでは2.28J/m3、0.
2MHzでは2.89J/m3、0.3MHzでは3.
67J/m3、0.5MHzでは5.02J/m3、0.
7MHzでは6.29J/m3、1MHzでは7.7J
/m3、1.5MHzでは9.71J/m3、2MHzで
は12.1J/m3、3MHzでは15.2J/m3、5
MHzでは19.7J/m3であった。結果を表4に示
す。 【0030】<比較例2>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例2の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …49.4mol% (2)MnO …33.1mol% (3)ZnO …16.9mol% (4)CoO …0.6mol% 合計100mol% 【0031】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは1.6
6、0.1MHzでは6.4J/m3、0.15MHz
では8.2J/m3、0.2MHzでは10.1J/
m3、0.3MHzでは13J/m3、0.5MHzでは
18.1J/m3、0.7MHzでは23J/m3、1M
Hzでは28J/m3、1.5MHzでは37.1J/
m3、2MHzでは44.1J/m3、3MHzでは58
J/m3であった。結果を表2に示す。 【0032】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは5.56J/m3、0.1MHzでは22.3
J/m3、0.15MHzでは28.8J/m3、0.2
MHzでは35.8J/m3、0.3MHzでは45.
8J/m3、0.5MHzでは61.8J/m3、0.7
MHzでは81J/m3、1MHzでは90.1J/
m 3、1.5MHzでは100J/m3であった。結果を
表3に示す。 【0033】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.64J/m3、0.1MHzでは2.2
2J/m3、0.15MHzでは2.65J/m3、0.
2MHzでは3.31J/m3、0.3MHzでは4.
31J/m3、0.5MHzでは5.99J/m3、0.
7MHzでは7.6J/m3、1MHzでは9.6J/
m3、1.5MHzでは12.8J/m3、2MHzでは
15.9J/m3、3MHzでは19.1J/m3、5M
Hzでは26.7J/m3であった。結果を表4に示
す。 【0034】<比較例3>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例3の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.9mol% (2)MnO …34.0mol% (3)ZnO …16.0mol% (4)CoO …1.1mol% 合計100mol% 【0035】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは2.1
7、0.1MHzでは5.6J/m3、0.15MHz
では7.14J/m3、0.2MHzでは8.24J/
m3、0.3MHzでは9.92J/m3、0.5MHz
では13.4J/m3、0.7MHzでは16.7J/
m3、1MHzでは21J/m3、1.5MHzでは2
6.2J/m3、2MHzでは30.7J/m3、3MH
zでは37.2J/m3であった。結果を表2に示す。 【0036】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは7.33J/m3、0.1MHzでは20.1
J/m3、0.15MHzでは24J/m3、0.2MH
zでは27.6J/m3、0.3MHzでは35.2J
/m3、0.5MHzでは45.9J/m3、0.7MH
zでは56.8J/m3、1MHzでは69.6J/
m 3、1.5MHzでは80.2J/m3であった。結果
を表3に示す。 【0037】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.74J/m3、0.1MHzでは1.9
7J/m3、0.15MHzでは2.29J/m3、0.
2MHzでは2.56J/m3、0.3MHzでは3J
/m3、0.5MHzでは3.77J/m3、0.7MH
zでは4.41J/m3、1MHzでは5.42J/
m 3、1.5MHzでは6.69J/m3、2MHzでは
8.09J/m3、3MHzでは10.4J/m3、5M
Hzでは12.1J/m3であった。結果を表4に示
す。 【0038】<比較例4>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例4の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.7mol% (2)MnO …32.4mol% (3)ZnO …16.4mol% (4)CoO …2.5mol% 合計100mol% 【0039】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは20.2
J/m3、0.1MHzでは29.7J/m3、0.15
MHzでは29.8J/m3、0.2MHzでは29.
7J/m3、0.3MHzでは28.7J/m3、0.5
MHzでは25.7J/m3、0.7MHzでは24J
/m3、1MHzでは21.6J/m 3、1.5MHzで
は19.1J/m3、2MHzでは18.7J/m3、3
MHzでは34.1であった。結果を表2に示す。 【0040】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは59.1J/m3、0.1MHzでは84.8
J/m3、0.15MHzでは77.9J/m3、0.2
MHzでは74.9J/m3、0.3MHzでは67.
2J/m3、0.5MHzでは49.7J/m3、0.7
MHzでは113J/m3、1MHzでは82.4J/
m3、1.5MHzでは109J/m3であった。結果を
表3に示す。 【0041】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは5.12J/m3、0.1MHzでは7.5
3J/m3、0.15MHzでは7.89J/m3、0.
2MHzでは8.12J/m3、0.3MHzでは8.
13J/m3、0.5MHzでは8.18J/m3、0.
7MHzでは8.1J/m3、1MHzでは8.42J
/m3、1.5MHzでは7.71J/m3、2MHzで
は8.1J/m3、3MHzでは7.25J/m3、5M
Hzでは7.46J/m3、7MHzでは7.4J/
m3、10MHzでは14.9J/m3であった。結果を
表4に示す。 【0042】表2の内容を、鉄損と周波数の関係として
図1に、鉄損とCoO量との関係として図4にそれぞれ
示す。同様に、表3の内容を、鉄損と周波数の関係とし
て図2に、鉄損とCoO量との関係として図5にそれぞ
れ示す。同様に、表4の内容を、鉄損と周波数の関係と
して図3に、鉄損とCoO量との関係として図6にそれ
ぞれ示す。なお、図1乃至図6において、縦軸はCor
e Lossと表示し鉄損を示す。 【0043】すなわち、図2は、本発明の磁性単結晶フ
ェライトの実施例及び比較例において、励磁磁束量Bm
=0.2Tとしたときの鉄損の周波数依存性を示すグラ
フ図である。図3は、本発明の磁性単結晶フェライトの
実施例及び比較例において、励磁磁束量Bm=0.05
Tとしたときの鉄損の周波数依存性を示すグラフ図であ
る。図4は、本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及
び比較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁
束量Bm=0.1Tとしたときの鉄損のCoO量依存性
を示すグラフ図である。図5は、本発明の磁性単結晶フ
ェライトの実施例及び比較例において、周波数をパラメ
ータとして、励磁磁束量Bm=0.2Tとしたときの鉄
損のCoO量依存性を示すグラフ図である。図6は、本
発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比較例におい
て、周波数をパラメータとして、励磁磁束量Bm=0.
05Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を示すグラフ
図である。 【0044】図1より、Bm=0.1Tのときには、3
MHzでの鉄損は、実施例1乃至実施例3においては、
30J/m3以下の良好な値を示していることが分か
る。比較例においては、最もよい値を示す比較例4にお
いて34.1J/m3である。また、図2より、Bm=
0.2Tのときには、1.5MHzでの鉄損は、実施例
1乃至実施例3においては、80J/m3以下の良好な
値を示していることが分かる。なお、比較例において
は、最もよい値を示す比較例4において80.2J/m
3である。また、図3より、Bm=0.05Tのときに
は、10MHzにおいても、鉄損は、実施例1乃至実施
例3においては、15J/m3以下の良好な値を示して
いることが分かる。なお、比較例においては、最もよい
値を示す比較例4においては、14.9J/m3であ
る。 【0045】なお、0.5MHz程度までの低周波にお
いては、実施例、比較例とも鉄損には大きな差がない
が、高周波になると、各実施例においては、低い鉄損を
示している。各実施例と各比較例のCoO量をパラメー
タとして表したのが図4乃至図6であるが、これより、
各実施例に示したように、CoOを1.5mol%から
2.2mol%含有させた場合(このとき、Fe2O3
の組成範囲は48.5mol%から49.1mol%と
なる)には、特に10MHzのような高周波において、
鉄損が低い良好な値になることが分かる。 【0046】上述した各実施例の磁性単結晶フェライト
は、今後更に進むであろうコアの小型化に際し、単結晶
であることより、材料が均質であるため、極めて小型の
コアを作成しても、特性が均一となる。また、金属薄膜
に比較して、安価である。また、特に高周波において、
鉄損が少ないので、上述した各実施例の単結晶フェライ
トは超小型DC−DCコンバータ用のコア材料として、
好適な材料である。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁性単結
晶フェライトは、CoOを1.5mol%から2.2m
ol%の範囲で添加したとともに、Fe2O3の組成を4
8.5mol%から49.1mol%の範囲としたこと
により、安価で且つ高周波域における材料損失を低減し
た磁性単結晶フェライトを提供できるという効果があ
る。
れる超小型電源用トランス、インダクターなど、小型の
高周波パワーデバイスに使用される磁気コアの材料とし
て好適な磁性材料である磁性単結晶フェライトに関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】小型のDC−DCコンバータは、電源利
用効率、サイズなどの点から、携帯電話、PDAなど小
型携帯機器用電源として広く使用されている。従来、こ
れに使用されるトランス、インダクターなどの磁気コア
を構成する材料としては、主に多結晶焼結フェライトが
使用されてきた。これは、多結晶焼結フェライトが、比
較的高い周波数まで透磁率が高く、損失も小さいこと、
及びプレス成形による量産が可能であり、価格的にも廉
価であることによる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、近年は、こ
れら携帯機器のいっそうの小型化が進み、DC−DCコ
ンバータについても、いっそうの小型化が要求されてい
る。この小型化のためには、DC−DCコンバータの電
源周波数の高周波化が有効であり、従来使用されている
100kHzから500kHz程度の範囲から、1MH
zから5MHz帯の実用化が検討されている。 【0004】しかしながら、こうした高周波域において
は、従来の多結晶焼結フェライトは小型化、損失の点で
性能的に不十分であるという問題があり、改善が求めら
れていた。これを解決しようとして、磁気コアに、高性
能である積層金属磁性膜の応用も検討されているが、経
済性の点を改善できず、未だ実用に至っていない。一
方、磁性単結晶フェライトは、材料の均質性より、小型
化に際しては、極めて、安定した特性を示すことが期待
されるものの、十分な高周波特性が得られていないとい
う問題があった。 【0005】そこで本発明は、上記問題を解決し、安価
で且つ高周波域における材料損失を低減した磁性単結晶
フェライトを提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、本発明は、Fe2O3とMnOとZnOと
を主成分とする磁性単結晶フェライトにおいて、CoO
を1.5mol%から2.2mol%の範囲で添加した
とともに、前記Fe2O3の組成を48.5mol%から
49.1mol%の範囲とし、高周波域での鉄損を低減
したことを特徴とする磁性単結晶フェライトである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
本発明は、上記課題を解決するために、鋭意研究した結
果、MnO、ZnO、Fe2O3からなる磁性単結晶フェ
ライトのFe2O3が少ない組成域において、CoOを適
量添加することにより、軟磁気特性が向上し、材料損失
の低減に効果があるという知見を得て、成されたもので
ある。 【0008】以下、実施例及び比較例について説明す
る。 <実施例1>粉末の酸化第1鉄(Fe2O3)、酸化マン
ガン(MnO)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化コバルト
(CoO)を所定の組成比で混合後、焼成したものを原
料として、ブリッジマン法により磁性単結晶フェライト
を作成した。単結晶フェライトのインゴット先端から約
20mmのところを、所定の厚さを有するウェハに切り
出した。ウェハを、超音波切断機で打ち抜き、測定用リ
ングを作成した。測定用リングの形状はφ4mm×φ2
mm×t1mmである。 【0009】ウェハの残りを用いて、通常の化学分析に
よって組成を求めた。組成は次の通りであった。なお、
結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.8mol% (2)MnO …32.7mol% (3)ZnO …17.0mol% (4)CoO …1.5mol% 合計100mol% 【0010】 【表1】 【0011】この測定用リングを用いて、高周波鉄損測
定器により、鉄損(単位は、J/m 3である)を測定し
た。このとき、励磁磁束密度Bm=0.05Tのとき
は、0.01MHzから10MHzの周波数範囲につい
て、Bm=0.1Tのときは、0.01MHzから3M
Hzの周波数範囲について、Bm=0.2Tのときは、
0.01MHzから1.5MHzの周波数範囲につい
て、それぞれ測定を行った。 【0012】Bm=0.1Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは2.24J/m3、0.1MHzでは4.51
J/m3、0.15MHzでは5.12J/m3、0.2
MHzでは5.61J/m3、0.3MHzでは7.7
1J/m3、0.5MHzでは9.43J/m3、0.7
MHzでは12.4J/m3、1MHzでは16.6、
1J/m3.5MHzでは22.6J/m3、2MHzで
は26.9J/m3、3MHzでは27.9J/m3であ
った。結果を表2に示す。 【0013】 【表2】 【0014】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは7.34J/m3、0.1MHzでは17.7
J/m3、0.15MHzでは20.5J/m3、0.2
MHzでは23.3J/m3、0.3MHzでは36.
8J/m3、0.5MHzでは44.1J/m3、0.7
MHzでは55.8J/m3、1MHzでは73.8J
/m3、1.5MHzでは95.1J/m3であった。結
果を表3に示す。 【0015】 【表3】 【0016】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.58J/m3、0.1MHzでは1.1
8J/m3、0.15MHzでは1.3J/m31、0.
2MHzでは1.43J/m3、0.3MHzでは1.
69J/m3、0.5MHzでは1.93J/m3、0.
7MHzでは2.29J/m3、1MHzでは2.57
J/m3、1.5MHzでは3.51J/m3、2MHz
では4.59J/m3、3MHzでは7.89J/m3、
5MHzでは10J/m3、7MHzでは11.3J/
m3、10MHzでは15J/m3であった。結果を表4
に示す。 【0017】 【表4】 【0018】<実施例2>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして実施例2の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …49.1mol% (2)MnO …32.7mol% (3)ZnO …16.4mol% (4)CoO …1.8mol% 合計100mol% 【0019】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは3.68
J/m3、0.1MHzでは6.67J/m3、0.15
MHzでは7.35J/m3、0.2MHzでは7.9
6J/m3、0.3MHzでは8.79J/m3、0.5
MHzでは8.05J/m3、0.7MHzでは8.1
5J/m3、1MHzでは10.9J/m3、1.5MH
zでは15.5J/m3、2MHzでは22.3J/
m3、3MHzでは27.7J/m3であった。結果を表
2に示す。 【0020】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは8.63J/m3、0.1MHzでは17.4
J/m3、0.15MHzでは17.6J/m3、0.2
MHzでは18.7J/m3、0.3MHzでは30.
5J/m3、0.5MHzでは34.7J/m3、0.7
MHzでは46.3J/m3、1MHzでは65.9J
/m3であった。結果を表3に示す。 【0021】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは1.32J/m3、0.1MHzでは1.9
8J/m3、0.15MHzでは2.23J/m3、0.
2MHzでは2.39J/m3、0.3MHzでは2.
59J/m3、0.5MHzでは2.84J/m3、0.
7MHzでは3.14J/m3、1MHzでは3.41
J/m3、1.5MHzでは3.24J/m3、2MHz
では3.57J/m3、3MHzでは5.16J/m3、
5MHzでは9.15J/m3、7MHzでは11.4
J/m3、10MHzでは14.3J/m3であった。結
果を表4に示す。 【0022】<実施例3>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして実施例3の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.5mol% (2)MnO …33.0mol% (3)ZnO …16.3mol% (4)CoO …2.2mol% 合計100mol% 【0023】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは9.2J
/m3、0.1MHzでは10.5J/m3、0.15M
Hzでは11J/m3、0.2MHzでは11.3J/
m3、0.3MHzでは12.1J/m3、0.5MHz
では11.3J/m3、0.7MHzでは11J/m3、
1MHzでは11.3J/m3、1.5MHzでは1
1.9J/m3、2MHzでは14J/m3、3MHzで
は18.1J/m3であった。結果を表2に示す。 【0024】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは24.7J/m3、0.1MHzでは26.5
J/m3、0.15MHzでは27J/m3、0.2MH
zでは27J/m3、0.3MHzでは27.5J/
m3、0.5MHzでは29J/m3、0.7MHzでは
35J/m3、1MHzでは42J/m3、1.5MHz
では53.2J/m3であった。結果を表3に示す。 【0025】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは3.31J/m3、0.1MHzでは3.5
5J/m3、0.15MHzでは3.35J/m3、0.
2MHzでは3.4J/m3、0.3MHzでは3.4
2J/m3、0.5MHzでは3.5J/m3、0.7M
Hzでは3.61J/m3、1MHzでは3.8J/
m 3、1.5MHzでは3.92J/m3、2MHzでは
4.18J/m3、3MHzでは4.31J/m3、5M
Hzでは6.49J/m3、7MHzでは9.58J/
m3、10MHzでは13.5J/m3であった。結果を
表4に示す。J/m3 【0026】<比較例1>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例1の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …49.7mol% (2)MnO …34.1mol% (3)ZnO …16.2mol% (4)CoO …0mol% 合計100mol% 【0027】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは1.55
J/m3、0.1MHzでは5.63J/m3、0.15
MHzでは7.37J/m3、0.2MHzでは8.8
5J/m3、0.3MHzでは11.3J/m3、0.5
MHzでは15.9J/m3、0.7MHzでは20.
5J/m3、1MHzでは24.4J/m3、1.5MH
zでは33.1J/m3、2MHzでは39.2J/
m3、3MHzでは52.1J/m3であった。結果を表
2に示す。 【0028】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは4.48J/m3、0.1MHzでは17.5
J/m3、0.15MHzでは21.8J/m3、0.2
MHzでは26.3J/m3、0.3MHzでは33.
2J/m3、0.5MHzでは51J/m3、0.7MH
zでは68.5J/m3、1MHzでは89.7J/
m 3、1.5MHzでは110J/m3であった。結果を
表3に示す。 【0029】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.52J/m3、0.1MHzでは1.9
3J/m3、0.15MHzでは2.28J/m3、0.
2MHzでは2.89J/m3、0.3MHzでは3.
67J/m3、0.5MHzでは5.02J/m3、0.
7MHzでは6.29J/m3、1MHzでは7.7J
/m3、1.5MHzでは9.71J/m3、2MHzで
は12.1J/m3、3MHzでは15.2J/m3、5
MHzでは19.7J/m3であった。結果を表4に示
す。 【0030】<比較例2>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例2の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …49.4mol% (2)MnO …33.1mol% (3)ZnO …16.9mol% (4)CoO …0.6mol% 合計100mol% 【0031】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは1.6
6、0.1MHzでは6.4J/m3、0.15MHz
では8.2J/m3、0.2MHzでは10.1J/
m3、0.3MHzでは13J/m3、0.5MHzでは
18.1J/m3、0.7MHzでは23J/m3、1M
Hzでは28J/m3、1.5MHzでは37.1J/
m3、2MHzでは44.1J/m3、3MHzでは58
J/m3であった。結果を表2に示す。 【0032】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは5.56J/m3、0.1MHzでは22.3
J/m3、0.15MHzでは28.8J/m3、0.2
MHzでは35.8J/m3、0.3MHzでは45.
8J/m3、0.5MHzでは61.8J/m3、0.7
MHzでは81J/m3、1MHzでは90.1J/
m 3、1.5MHzでは100J/m3であった。結果を
表3に示す。 【0033】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.64J/m3、0.1MHzでは2.2
2J/m3、0.15MHzでは2.65J/m3、0.
2MHzでは3.31J/m3、0.3MHzでは4.
31J/m3、0.5MHzでは5.99J/m3、0.
7MHzでは7.6J/m3、1MHzでは9.6J/
m3、1.5MHzでは12.8J/m3、2MHzでは
15.9J/m3、3MHzでは19.1J/m3、5M
Hzでは26.7J/m3であった。結果を表4に示
す。 【0034】<比較例3>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例3の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.9mol% (2)MnO …34.0mol% (3)ZnO …16.0mol% (4)CoO …1.1mol% 合計100mol% 【0035】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは2.1
7、0.1MHzでは5.6J/m3、0.15MHz
では7.14J/m3、0.2MHzでは8.24J/
m3、0.3MHzでは9.92J/m3、0.5MHz
では13.4J/m3、0.7MHzでは16.7J/
m3、1MHzでは21J/m3、1.5MHzでは2
6.2J/m3、2MHzでは30.7J/m3、3MH
zでは37.2J/m3であった。結果を表2に示す。 【0036】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは7.33J/m3、0.1MHzでは20.1
J/m3、0.15MHzでは24J/m3、0.2MH
zでは27.6J/m3、0.3MHzでは35.2J
/m3、0.5MHzでは45.9J/m3、0.7MH
zでは56.8J/m3、1MHzでは69.6J/
m 3、1.5MHzでは80.2J/m3であった。結果
を表3に示す。 【0037】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは0.74J/m3、0.1MHzでは1.9
7J/m3、0.15MHzでは2.29J/m3、0.
2MHzでは2.56J/m3、0.3MHzでは3J
/m3、0.5MHzでは3.77J/m3、0.7MH
zでは4.41J/m3、1MHzでは5.42J/
m 3、1.5MHzでは6.69J/m3、2MHzでは
8.09J/m3、3MHzでは10.4J/m3、5M
Hzでは12.1J/m3であった。結果を表4に示
す。 【0038】<比較例4>実施例1とは各成分の組成が
異なるだけで、実施例1と同様にして比較例4の磁性単
結晶フェライトを作製し、組成を分析し、測定用リング
を作製し、その鉄損特性を測定した。組成は次の通りで
あった。結果を表1に示す。 (1)Fe2O3 …48.7mol% (2)MnO …32.4mol% (3)ZnO …16.4mol% (4)CoO …2.5mol% 合計100mol% 【0039】鉄損の測定結果は次の通りであった。Bm
=0.1Tのとき、鉄損は0.01MHzでは20.2
J/m3、0.1MHzでは29.7J/m3、0.15
MHzでは29.8J/m3、0.2MHzでは29.
7J/m3、0.3MHzでは28.7J/m3、0.5
MHzでは25.7J/m3、0.7MHzでは24J
/m3、1MHzでは21.6J/m 3、1.5MHzで
は19.1J/m3、2MHzでは18.7J/m3、3
MHzでは34.1であった。結果を表2に示す。 【0040】Bm=0.2Tのとき、鉄損は0.01M
Hzでは59.1J/m3、0.1MHzでは84.8
J/m3、0.15MHzでは77.9J/m3、0.2
MHzでは74.9J/m3、0.3MHzでは67.
2J/m3、0.5MHzでは49.7J/m3、0.7
MHzでは113J/m3、1MHzでは82.4J/
m3、1.5MHzでは109J/m3であった。結果を
表3に示す。 【0041】Bm=0.05Tのとき、鉄損は0.01
MHzでは5.12J/m3、0.1MHzでは7.5
3J/m3、0.15MHzでは7.89J/m3、0.
2MHzでは8.12J/m3、0.3MHzでは8.
13J/m3、0.5MHzでは8.18J/m3、0.
7MHzでは8.1J/m3、1MHzでは8.42J
/m3、1.5MHzでは7.71J/m3、2MHzで
は8.1J/m3、3MHzでは7.25J/m3、5M
Hzでは7.46J/m3、7MHzでは7.4J/
m3、10MHzでは14.9J/m3であった。結果を
表4に示す。 【0042】表2の内容を、鉄損と周波数の関係として
図1に、鉄損とCoO量との関係として図4にそれぞれ
示す。同様に、表3の内容を、鉄損と周波数の関係とし
て図2に、鉄損とCoO量との関係として図5にそれぞ
れ示す。同様に、表4の内容を、鉄損と周波数の関係と
して図3に、鉄損とCoO量との関係として図6にそれ
ぞれ示す。なお、図1乃至図6において、縦軸はCor
e Lossと表示し鉄損を示す。 【0043】すなわち、図2は、本発明の磁性単結晶フ
ェライトの実施例及び比較例において、励磁磁束量Bm
=0.2Tとしたときの鉄損の周波数依存性を示すグラ
フ図である。図3は、本発明の磁性単結晶フェライトの
実施例及び比較例において、励磁磁束量Bm=0.05
Tとしたときの鉄損の周波数依存性を示すグラフ図であ
る。図4は、本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及
び比較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁
束量Bm=0.1Tとしたときの鉄損のCoO量依存性
を示すグラフ図である。図5は、本発明の磁性単結晶フ
ェライトの実施例及び比較例において、周波数をパラメ
ータとして、励磁磁束量Bm=0.2Tとしたときの鉄
損のCoO量依存性を示すグラフ図である。図6は、本
発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比較例におい
て、周波数をパラメータとして、励磁磁束量Bm=0.
05Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を示すグラフ
図である。 【0044】図1より、Bm=0.1Tのときには、3
MHzでの鉄損は、実施例1乃至実施例3においては、
30J/m3以下の良好な値を示していることが分か
る。比較例においては、最もよい値を示す比較例4にお
いて34.1J/m3である。また、図2より、Bm=
0.2Tのときには、1.5MHzでの鉄損は、実施例
1乃至実施例3においては、80J/m3以下の良好な
値を示していることが分かる。なお、比較例において
は、最もよい値を示す比較例4において80.2J/m
3である。また、図3より、Bm=0.05Tのときに
は、10MHzにおいても、鉄損は、実施例1乃至実施
例3においては、15J/m3以下の良好な値を示して
いることが分かる。なお、比較例においては、最もよい
値を示す比較例4においては、14.9J/m3であ
る。 【0045】なお、0.5MHz程度までの低周波にお
いては、実施例、比較例とも鉄損には大きな差がない
が、高周波になると、各実施例においては、低い鉄損を
示している。各実施例と各比較例のCoO量をパラメー
タとして表したのが図4乃至図6であるが、これより、
各実施例に示したように、CoOを1.5mol%から
2.2mol%含有させた場合(このとき、Fe2O3
の組成範囲は48.5mol%から49.1mol%と
なる)には、特に10MHzのような高周波において、
鉄損が低い良好な値になることが分かる。 【0046】上述した各実施例の磁性単結晶フェライト
は、今後更に進むであろうコアの小型化に際し、単結晶
であることより、材料が均質であるため、極めて小型の
コアを作成しても、特性が均一となる。また、金属薄膜
に比較して、安価である。また、特に高周波において、
鉄損が少ないので、上述した各実施例の単結晶フェライ
トは超小型DC−DCコンバータ用のコア材料として、
好適な材料である。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁性単結
晶フェライトは、CoOを1.5mol%から2.2m
ol%の範囲で添加したとともに、Fe2O3の組成を4
8.5mol%から49.1mol%の範囲としたこと
により、安価で且つ高周波域における材料損失を低減し
た磁性単結晶フェライトを提供できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、励磁磁束量Bm=0.1Tとしたときの
鉄損の周波数依存性を示すグラフ図である。 【図2】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、励磁磁束量Bm=0.2Tとしたときの
鉄損の周波数依存性を示すグラフ図である。 【図3】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、励磁磁束量Bm=0.05Tとしたとき
の鉄損の周波数依存性を示すグラフ図である。 【図4】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁束量
Bm=0.1Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を示
すグラフ図である。 【図5】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁束量
Bm=0.2Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を示
すグラフ図である。 【図6】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁束量
Bm=0.05Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を
示すグラフ図である。
較例において、励磁磁束量Bm=0.1Tとしたときの
鉄損の周波数依存性を示すグラフ図である。 【図2】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、励磁磁束量Bm=0.2Tとしたときの
鉄損の周波数依存性を示すグラフ図である。 【図3】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、励磁磁束量Bm=0.05Tとしたとき
の鉄損の周波数依存性を示すグラフ図である。 【図4】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁束量
Bm=0.1Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を示
すグラフ図である。 【図5】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁束量
Bm=0.2Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を示
すグラフ図である。 【図6】本発明の磁性単結晶フェライトの実施例及び比
較例において、周波数をパラメータとして、励磁磁束量
Bm=0.05Tとしたときの鉄損のCoO量依存性を
示すグラフ図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】Fe2O3とMnOとZnOとを主成分とす
る磁性単結晶フェライトにおいて、CoOを1.5mo
l%から2.2mol%の範囲で添加したとともに、前
記Fe2O3の組成を48.5mol%から49.1mo
l%の範囲とし、高周波域での鉄損を低減したことを特
徴とする磁性単結晶フェライト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002106232A JP2003303712A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | 磁性単結晶フェライト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002106232A JP2003303712A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | 磁性単結晶フェライト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003303712A true JP2003303712A (ja) | 2003-10-24 |
Family
ID=29390605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002106232A Pending JP2003303712A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | 磁性単結晶フェライト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003303712A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11948712B2 (en) | 2020-03-09 | 2024-04-02 | Seiko Epson Corporation | Magnetic powder, magnetic powder molded body, and method for manufacturing magnetic powder |
-
2002
- 2002-04-09 JP JP2002106232A patent/JP2003303712A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11948712B2 (en) | 2020-03-09 | 2024-04-02 | Seiko Epson Corporation | Magnetic powder, magnetic powder molded body, and method for manufacturing magnetic powder |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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