JP2003302436A - 電子部品の品質管理方法 - Google Patents

電子部品の品質管理方法

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JP2003302436A JP2002106306A JP2002106306A JP2003302436A JP 2003302436 A JP2003302436 A JP 2003302436A JP 2002106306 A JP2002106306 A JP 2002106306A JP 2002106306 A JP2002106306 A JP 2002106306A JP 2003302436 A JP2003302436 A JP 2003302436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バーンインや加速試験のための負荷条件の設定
などを短時間で行うことのできる電子部品の品質管理方
法を提供する。 【解決手段】電子部品の所定電気特性の初期特性を測定
する工程、電子部品に同一負荷条件で所定負荷を累積的
に与え、所定負荷が与えられた電子部品の電気特性を所
要累積時間ごとにそれぞれ測定する工程、電子部品に負
荷条件のうち少なくとも1つの物理因子を異ならせて、
それぞれの場合ごとに電子部品の電気特性を測定し、そ
れぞれ得られた測定結果により特性変化の度合いを測定
する工程、該測定で得た特性変化の度合い及び初期特性
に基づいて、電子部品が内在する故障を顕在化させる負
荷条件と該負荷条件を付与する必要時間とを算出する工
程、この算出された負荷条件及び必要時間で品質管理対
象の電子部品に負荷を与えることで、該電子部品の特性
を測定して良品と不良品とを判別する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の品質管
理方法に関し、特に絶縁性電子部品の品質管理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子部品において、例えば、高誘電率磁
器を用いた積層磁器蓄電器では、誘電体磁器に欠陥があ
ったり、異物が混入していたりすると、使用初期におい
て全く問題のない電気特性を示していても、長期的には
絶縁抵抗が低下し、やがて短絡に至るおそれがある。
【0003】このような欠陥を含む電子部品の被検体を
排除するために、例えば、特開2000−164471
号公報や、特開平2000−208380号公報に開示
されているように、バーンイン試験を実施する。
【0004】すなわち、高温下で通常の使用時よりも高
い電圧を被検体に印加することで欠陥を含む被検体の絶
縁抵抗を速やかに低下させ、これを排除することが有効
であることが示されている。
【0005】これは、欠陥などの影響で寿命が本来的に
短い被検体のその寿命を、高温高電圧による負荷によっ
て短時間に使い果たさせていると考えることができる。
【0006】よって、これらの方法によれば、工業的に
は確認することが不可能な数10時間〜数100時間以
上使用して初めて故障するような被検体を短時間のうち
に検出可能であり、信頼性を確保できると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、適切な
負荷印加条件(バーンイン条件等)を求めることができ
れば、被検体の信頼性を確保できるものの、適切な負荷
条件そのものを求めることが極めて困難であるという問
題があった。
【0008】すなわち、ある負荷印加条件で負荷印加
(バーンイン等)を行った後の被検体の信頼性が確保で
きているかどうかを確認するには信頼性試験を実施する
必要があるが、これには非常な長時間を要する。
【0009】加えて、ある負荷印加条件で信頼性が確保
されていなければ、負荷条件を変えて再び負荷印加を行
い、信頼性試験を実施するということを試行錯誤的に繰
返さなければならない。
【0010】また、被検体の故障率が低い場合や、極め
て高い信頼性が要求される場合には、信頼性が確保でき
ているかどうかの確認に非常に多くの被検体を用いなけ
ればならない。
【0011】例えば、信頼性不良率1ppm未満が要求
される場合は、信頼性試験に投入する被検体は最低でも
100万個程度必要であるが、高価な装置と長時間を要
する信頼性試験でこのように大量の被検体を用いて試行
錯誤的に負荷印加条件を探索することは実際上不可能で
あり、被検体の無駄でもある。
【0012】また、従来において、例えば、高誘電率磁
器を用いた積層磁器蓄電器は、大容量蓄電器のうちで非
常に信頼性の高いものとされるが、故障の形態が主に短
絡であることから一旦故障するとその部品で発熱するお
それがある。
【0013】このため、積層磁器蓄電器の寿命を予め推
定しておくことが回路基板などにその積層磁器蓄電器を
搭載する上で重要である。
【0014】しかしながら、非常に長寿命の積層磁器蓄
電器を直接測定することはきわめて困難であるので、高
温下で高電圧を印加することで、短時間で製品を故障に
至るようにすることで故障率を短時間に求める、いわゆ
る加速試験が行われる。
【0015】加速試験を行っている下での電子部品の寿
命と、本来的な使用条件下での寿命とを対応づけるた
め、温度条件、電圧条件とも多くの水準で故障率試験を
行い、その温度や電圧による加速係数を求め、この加速
係数をもとに本来の使用条件下での寿命を計算して推定
することが行われている。
【0016】しかしながら、従来においては、このよう
に温度条件や電圧条件などで水準を多数設定するため故
障率試験を多く行わなければならず、非常に長時間を要
していた。また、故障率試験は一般に恒温槽や絶縁抵抗
測定器を備えた高価な装置が必要であって、1回の試験
でも数100〜1000時間かかるものであり、コスト
的な問題もある。
【0017】さらに、加速係数に高い精度が要求される
場合には、故障率のばらつきを吸収するため数多くの被
検体を用いなければならない。そして、故障率試験は破
壊試験であるので、これを数多く行う必要がある従来技
術では、被検体の無駄でもある。
【0018】また、電子部品の本来の使用条件での寿命
が所望の寿命以上となる定格使用条件を決定するにも、
従来は上記加速試験を行っていたが、その場合も上述し
た不具合があった。
【0019】さらに、例えば、高誘電率磁器を用いた積
層磁器蓄電器が製品に組み込まれて使用されているとき
に故障した場合、この故障原因を追求する必要がある
が、その積層磁器蓄電器がどのような条件下(例えば温
度や電圧などの条件)で使用されてきたか不明であるこ
とが多い。
【0020】そのため、その積層磁器蓄電器の使用法の
誤りによって故障が生じたのか、それともその積層磁器
蓄電器の内部に欠陥がありこれが原因で故障したのか判
断することがきわめて困難である。そのような判断をす
るため、従来は、故障した被検体を研磨して断面観察を
行うなどして原因の推定を行っていた。
【0021】しかしながら、上記のように被検体を研磨
して断面観察を行うのでは、その研磨などに時間が掛か
るという問題があるのみならず、被検体の故障の原因が
発見されない場合が多々有る。例え、その故障の原因が
特定できたとしても、その故障が被検体の誤った使用に
よって生じたものか、それとも初期欠陥などによるもの
か判断が極めて困難である。
【0022】さらにまた、出荷される積層磁器蓄電器が
実際に使用されたときに、ある時間使用されることによ
ってどの程度の割合で故障が発生するかを見積もってお
くことが品質管理上重要である。
【0023】これも、従来においては、上述したように
加速試験によって求めることになるが、故障率試験を数
多く行わなければならないという問題があった。
【0024】したがって、製品に搭載された電子部品が
故障したことが判明した場合、潜在的な故障がどのくら
い市場の製品に存在するか把握すること、あるいは将来
どの程度の故障が見込まれるか速やかに知ってそれに対
応しなければならないが、迅速な対応は困難であった。
【0025】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
であって、バーンインや加速試験のための負荷条件の設
定、電子部品の寿命を推定するための負荷条件の設定、
あるいは故障に至った電子部品の使用状態での負荷条件
の推定などを短時間で行うことのできる電子部品の品質
管理方法を提供することを解決しようとする共通の課題
としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
電子部品の品質管理方法は、予め電子部品における所定
電気特性の初期特性を測定する第1工程と、前記電子部
品に対して同一の負荷条件で所定負荷を時間的に累積す
るように与え、その所要累積時間ごとに該電子部品の電
気特性をそれぞれ測定して、この測定結果に基づいて該
電気特性の前記初期特性に対する時間的な変化の度合い
を求める第2工程と、前記電子部品に対して負荷条件の
うち少なくとも1つの物理因子を異ならせた複数の負荷
条件を設定し、それぞれの負荷条件を所定の一定時間与
えた後、それぞれの場合ごとに該電子部品の電気特性を
測定し、この測定結果に基づいて前記物理因子をパラメ
ータとしたときの該電気特性の前記初期特性に対する変
化の度合いを求める第3工程と、前記電子部品に関し
て、少なくとも1回の故障率試験を行い、時間をパラメ
ータとしたときの前記電子部品の故障率を求める第4工
程と、前記第2工程及び第3工程で求められた前記特性
の変化の度合い、及び前記第4工程で求められた故障率
に基づいて、負荷条件または負荷印加時間または故障率
を求める第5工程とを有する、ことを特徴とする。
【0027】本発明の請求項1に係る構成によれば、未
使用状態の電子部品が有する所定電気特性の初期特性を
予め測定し、同一の負荷条件で所定負荷を時間的に累積
するように与え、所要累積時間ごとに電気特性を測定
し、初期特性と対比させることで負荷を累積的に時間的
に与えたときの電子部品に蓄積される負荷量の変化の度
合いを求めることができ、同じく、負荷条件のうち少な
くとも1つの物理要因を変えたときの電子部品に蓄積さ
れる負荷量のその物理要因に対する変化の度合いを求め
ることができ、さらに少なくとも1回の故障率試験によ
り時間をパラメータとしたときの電子部品の故障率が求
められ、これらの結果に基づいて、時間と、負荷条件と
しての物理要因の少なくとも一つと、負荷量との関係が
わかるので、その関係に基づいて、電子部品に対する負
荷条件または負荷印加時間または故障率が容易に求めら
れることになる。
【0028】本発明の請求項1に記載の電子部品の品質
管理方法において、好ましくは、前記第5工程は、前記
第2工程及び第3工程で求められた前記特性の変化の度
合い、及び前記第4工程で求められた故障率から、該電
子部品に蓄積される負荷量を求め、該負荷量に基づい
て、負荷条件または負荷印加時間または故障率を求める
ことである。
【0029】本発明の請求項1に記載の電子部品の品質
管理方法において、好ましくは、前記第3工程における
前記物理因子とは、処理温度、処理湿度、印加電圧のい
ずれか、またはこれらの組み合わせである。
【0030】本発明の請求項1に記載の電子部品の品質
管理方法において、好ましくは、前記電子部品とは、磁
器蓄電器である。
【0031】本発明の請求項1に記載の電子部品の品質
管理方法において、好ましくは、前記所定の電気特性と
は、容量、損失係数、絶縁抵抗、充電特性のいずれか、
またはこれらの組み合わせである。
【0032】本発明の請求項6に記載の電子部品の品質
管理方法は、請求項1から5のいずれかに記載の電子部
品の品質管理方法において、前記第5工程は、前記第2
工程及び第3工程で求められた前記特性の変化の度合い
に基づいて、前記電子部品の内在故障が顕在化する負荷
条件及び該負荷条件の付与に要する必要時間を算出する
工程であり、この算出された負荷条件及び必要時間で品
質管理対象の電子部品に負荷を与えるとともに、該負荷
印加処理中及び該負荷を与えた後の少なくとも一方にお
いて、該電子部品の特性を測定して良品と不良品とを判
別する第6工程を有する、ことを特徴とする。
【0033】本発明の請求項6に係る構成によれば、未
使用状態の電子部品が有する所定電気特性の初期特性を
予め測定し、同一の負荷条件で所定負荷を時間的に累積
するように与え、所要累積時間ごとに電気特性を測定
し、初期特性と対比させることで、負荷を累積的に時間
的に与えたときの電子部品に蓄積される負荷量の変化の
度合いを求めることができ、同じく、負荷条件のうち少
なくとも1つの物理要因を変えたときの電子部品に蓄積
される負荷量のその物理要因に対する変化の度合いを求
めることができ、さらに少なくとも1回の故障率試験に
より時間をパラメータとしたときの電子部品の故障率が
求められ、これらの結果に基づいて、時間と、負荷条件
としての物理要因の少なくとも一つと、負荷量との関係
がわかるので、その関係に基づいて、電子部品が内在す
る故障を顕在化させる負荷条件と該負荷条件を付与する
負荷印加時間としての必要時間とを算出し、この算出さ
れた負荷条件及び必要時間で品質管理対象の電子部品に
負荷を与え、その負荷が与えられた電子部品の特性測定
により良不良を判別して、その選別を行うことができ
る。
【0034】よって、負荷を与える物理因子をパラメー
タとしてそのパラメータ毎にどれだけ与える負荷が強く
なるかを求めるので、負荷条件設定に必要な予備実験回
数を大幅に少なくできる。
【0035】本発明の請求項6に記載の電子部品の品質
管理方法において、好ましくは、前記第5工程における
「電子部品の内在故障が顕在化する負荷条件」とは、前
記第4工程で求められた前記故障率から「累積故障率の
ワイブル分析により初期故障が収束したと判断される条
件」、または、「所定条件で電子部品を使用した場合に
予想される故障率がある一定値未満になると判断される
条件」である。
【0036】本発明の請求項6に記載の電子部品の品質
管理方法において、好ましくは、前記第5工程におい
て、前記負荷印加処理中及び前記負荷印加後の少なくと
も一方における電子部品の良不良を判別するための特性
の測定とは絶縁抵抗測定である。
【0037】本発明の請求項6に記載の電子部品の品質
管理方法において、好ましくは、前記電子部品に負荷を
与える工程で被検体にかけた電圧の印加方向と、絶縁抵
抗測定を行う際に被検体にかける電圧の印加方向を互い
に一致させる。
【0038】本発明の請求項10に記載の電子部品の品
質管理方法において、請求項1から5のいずれかに記載
の電子部品の品質管理方法において、前記第5工程は、
前記第2工程及び第3工程で求められた前記特性の変化
の度合いに基づいて、使用環境下での負荷条件における
前記電子部品の寿命を推定する工程である、ことを特徴
とする。
【0039】本発明の請求項10に係る構成によれば、
未使用状態の電子部品が有する所定電気特性の初期特性
を予め測定し、同一の負荷条件で所定負荷を時間的に累
積するように与え、所要累積時間ごとに電気特性を測定
し、初期特性と対比させることで、負荷を累積的に時間
的に与えたときの電子部品に蓄積される負荷量の変化の
度合いを求めることができ、同じく、負荷条件のうち少
なくとも1つの物理要因を変えたときの電子部品に蓄積
される負荷量のその物理要因に対する変化の度合いを求
めることができ、さらに少なくとも1回の故障率試験に
より時間をパラメータとしたときの電子部品の故障率が
求められ、これらの結果に基づいて、時間と、負荷条件
としての物理要因の少なくとも一つと、負荷量との関係
がわかるので、その関係に基づいて、電子部品の負荷印
加時間としての寿命に相当する負荷量がわかることにな
る。したがって、寿命を知りたい電子部品に対して、そ
の電子部品が受けた負荷量と寿命に相当する負荷量との
比較を行ってその電子部品がどのくらいで寿命が尽きる
か推定できる。
【0040】本発明の請求項10に記載の電子部品の品
質管理方法において、好ましくは、前記第5工程におけ
る「電子部品の寿命」とは、前記第4工程で求められた
前記故障率から「累積故障率のワイブル分析により偶発
故障が収束し摩耗故障領域に推移したと判断される寿
命」、または、「ある条件で被検体を使用した場合に予
想される故障率が、初期故障が収束してかつ偶発故障領
域で低く安定していた値が徐々に増加してある一定値以
上になった寿命」である。
【0041】本発明の請求項12に係る電子部品の品質
管理方法は、請求項1から5のいずれかに記載の電子部
品の品質管理方法において、前記第5工程は、前記第2
工程及び第3工程で求められた前記特性の変化の度合い
に基づいて、前記電子部品が正常に使用可能な寿命に対
応する使用条件を導出する工程である、ことを特徴とす
る。
【0042】本発明の請求項12に係る構成によれば、
未使用状態の電子部品が有する所定電気特性の初期特性
を予め測定し、同一の負荷条件で所定負荷を時間的に累
積するように与え、所要累積時間ごとに電気特性を測定
し、初期特性と対比させることで、負荷を累積的に時間
的に与えたときの電子部品に蓄積される負荷量の変化の
度合いを求めることができ、同じく、負荷条件のうち少
なくとも1つの物理要因を変えたときの電子部品に蓄積
される負荷量のその物理要因に対する変化の度合いを求
めることができ、さらに少なくとも1回の故障率試験に
より時間をパラメータとしたときの電子部品の故障率が
求められ、これらの結果に基づいて、時間と、負荷条件
としての物理要因の少なくとも一つと、負荷量との関係
がわかるので、その関係に基づいて、負荷量と電子部品
の寿命に相当する負荷量がわかることになる。したがっ
て、電子部品を使用していく上で寿命に達するまでに負
荷条件としてどのような使用条件が可能であるかがわか
り、例えば、特殊な使用条件であっても、その電子部品
が十分使用可能か判断できる。
【0043】本発明の請求項12に係る電子部品の品質
管理方法は、好ましくは、前記第5工程における「電子
部品が正常に使用可能な寿命に対応する使用条件」と
は、前記第4工程で求められた前記故障率から「累積故
障率のワイブル分析により偶発故障が収束し摩耗故障領
域に推移したと判断される条件」、または、「ある条件
で被検体を使用した場合に予想される故障率が、初期故
障が収束してかつ偶発故障領域で低く安定していた値が
徐々に増加してある一定値以上になった条件」である。
【0044】本発明の請求項14に係る電子部品の品質
管理方法は、請求項1から5のいずれかに記載の電子部
品の品質管理方法において、未知の使用状態で使用され
てきた被検体電子部品の所定の電気特性を測定する第7
工程を有し、前記第5工程は、前記第7工程での測定結
果と、前記第2工程及び第3工程で求められた前記特性
の変化の度合いに基づいて、前記被検体電子部品の使用
状態を推定する工程である、ことを特徴とする。
【0045】本発明の請求項14に係る構成によれば、
未使用状態の電子部品が有する所定電気特性の初期特性
を予め測定し、同一の負荷条件で所定負荷を時間的に累
積するように与え、所要累積時間ごとに電気特性を測定
し、初期特性と対比させることで、負荷を累積的に時間
的に与えたときの電子部品に蓄積される負荷量の変化の
度合いを求めることができ、同じく、負荷条件のうち少
なくとも1つの物理要因を変えたときの電子部品に蓄積
される負荷量のその物理要因に対する変化の度合いを求
めることができ、さらに少なくとも1回の故障率試験に
より時間をパラメータとしたときの電子部品の故障率が
求められ、これらの結果に基づいて、時間と、負荷条件
としての物理要因の少なくとも一つと、負荷量との関係
がわかるので、その関係に基づいて、製品に搭載されて
使用されてきた電子部品に対し、その電子部品の電気特
性を測定し、その測定結果と、時間、物理要因の少なく
とも一つの関係とから、負荷条件または負荷印加時間と
してどのような使用状態であったかを推定できる。
【0046】本発明の請求項14に係る電子部品の品質
管理方法は、好ましくは、前記第7工程において、「未
知の使用状態で使用されてきた電子部品」は、「使用中
に故障に至った電子部品」である、または、「使用中に
故障に至った電子部品と同じ使用条件で使用されていた
ことが既知である電子部品」である。
【0047】本発明の請求項14に係る電子部品の品質
管理方法は、好ましくは、前記第5工程は、前記第4工
程で求められた前記故障率、及び前記第2工程及び第3
工程で測定された前記特性の変化の度合いに基づいて、
故障に至った電子部品が摩耗故障か、初期欠陥が原因の
故障かを判断する工程を備える。
【0048】本発明の請求項14に係る電子部品の品質
管理方法は、好ましくは、前記電子部品は積層磁気蓄電
器であるとともに、故障した積層磁器蓄電器の正常層の
電気特性を測定し、これから故障前の電気特性を推定し
て、未知の使用状態で使用されてきた電子部品の電気特
性とする。
【0049】本発明の請求項18に係る電子部品の品質
管理方法は、請求項1から5のいずれかに記載の電子部
品の品質管理方法において、未知の使用状態で使用され
てきた被検体電子部品の所定の電気特性を測定する第7
工程を有し、前記第5工程は、前記第2工程及び第3工
程で求められた前記特性の変化の度合い、及び前記第4
工程によって求められた故障率に基づいて、所望条件下
で使用されている電子部品のある時点での故障率を推定
する工程である、ことを特徴とする。
【0050】本発明の請求項18に係る構成によれば、
未使用状態の電子部品が有する所定電気特性の初期特性
を予め測定し、同一の負荷条件で所定負荷を時間的に累
積するように与え、所要累積時間ごとに電気特性を測定
し、初期特性と対比させることで、負荷を累積的に時間
的に与えたときの電子部品に蓄積される負荷量の変化の
度合いを求めることができ、同じく、負荷条件のうち少
なくとも1つの物理要因を変えたときの電子部品に蓄積
される負荷量のその物理要因に対する変化の度合いを求
めることができ、これらの結果に基づいて、時間と、負
荷条件としての物理要因の少なくとも一つと、負荷量と
の関係がわかり、さらに、少なくとも1回の故障率試験
の結果と合わせて、所望条件下での負荷量に対応して故
障率がどの程度になるかわかることになる。したがっ
て、例えば、同一時間負荷を与えた場合でも負荷の大小
に対応してどのように故障率が推移していくかわかるこ
とになる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳細に説明する。
【0052】(実施の形態1)まず、請求項1に係る発
明の実施の形態について説明する。
【0053】(1)絶縁性電子部品の一例としての積層
磁器蓄電器からなる同一品種の被検体1を複数個準備
し、図1に示す測定装置によって、第1工程として、こ
の被検体1の初期充電特性、すなわち負荷が与えられた
ことのない未使用状態での初期特性である充電特性を測
定する。
【0054】図1に示すように、この測定装置は、収容
した被検体1の温度環境を一定に保つ恒温槽2と、この
恒温槽2内の被検体1に対して充電用の直流電圧を印加
する電源部3と、被検体1に流れる電流を測定する電流
計4と、恒温槽2の温度制御、電源部3の電圧制御を行
うとともに電流計4から測定データを取り込んで記憶装
置に記憶保存する制御装置(この制御装置は例えばパー
ソナルコンピュータである)5と、電源部3から被検体
1へ電圧を印加する状態とその印加を停止する状態とに
切り換えるリレー6とを備えて構成されている。
【0055】そして、この充電特性の測定は、被検体1
に一定の電圧を印加し、印加開始後に被検体1を流れる
電流の時間変化を十分短い時間間隔(例えば10ms以
下)で経時的に監視することで行う。
【0056】この測定された充電特性は、電流をi、印
加開始時点からの経過時間をtとすると、a〜eを定数
として近似的にi=a・exp(−bt)+ctd+e
という式に従う。
【0057】詳述すると、図2のグラフに示すように、
充電特性電流iのうち、a・exp(−bt)で示され
る成分は、真の容量成分、すなわち容量として被検体1
に蓄積されていく電流成分である(図2において、一点
鎖線で示す)。充電特性電流iのうち、ctdで示され
る成分はいわゆる吸収電流成分であって、両対数グラフ
上では直線を描きながら減少していく直線成分となる
(図2において、破線で示す)。充電特性電流iのう
ち、eで示される成分は絶縁抵抗を流れる漏洩電流成分
である(図2において、2点鎖線で示す)。なお、図2
の実線は、真の容量成分、直線成分、漏洩成分の各要素
を総和した実際の電流を示す。図2のグラフは、充電特
性を測定しているときの時間を対数目盛りの横軸に、充
電特性電流を対数目盛りの縦軸にして示している。
【0058】この初期充電特性の実測結果は、制御装置
5に設けられた記憶装置5aに記憶されるとともに、図
2に示すように、各測定ごとにプロットしてグラフ化し
た状態で図示しない表示装置に表示できるようにする。
【0059】ここで、式中の各定数は測定結果から決定
することができるが、後述するように、充電特性の変化
率Δは、cの大きさを用いて求めることが望ましい。
【0060】(2)第2工程として、前記第1工程で用
いた測定装置を使用して、適当な負荷条件(温度T21
電圧V21を印加)で初期充電特性i20が測定された被検
体1に時間t21だけ負荷を印加し、この後、放電してそ
の被検体1の充電特性i21を測定する。さらに、同じ被
検体1に、負荷印加の累積時間がt22,t23になるよう
に同じ負荷条件で負荷を印加して、前記負荷が印加され
たそれぞれの時点で充電特性i22,i23を測定する。そ
の測定結果が、図3に示されるグラフである。このグラ
フは、充電特性を測定しているときの時間を対数目盛り
の横軸に、充電特性電流を対数目盛りの縦軸にして、一
定負荷を与えた累積時間が異なる場合の充電特性を示し
ている。
【0061】なお、この場合、t21、t22、t23の関係
は、t21<t22<t23である。また、その累積負荷印加
時間を3つ以上異ならせた上で、それぞれにおいて充電
特性が測定される。
【0062】次いで、これらの結果から被検体の特性の
変化率と負荷の印加時間の関係を求めることができる。
【0063】図3のグラフから、第2工程において、一
定の所定負荷条件であっても印加時間が長くなるほど、
その印加後の充電特性の測定結果により充電特性におけ
る電流が増大することが判明し、その増大する電流の主
なものは吸収電流または漏洩電流であった。
【0064】したがって、印加時間に対する充電電流の
特性変化率は、充電開始後の経過時間のうちで真の容量
成分の電流の影響のないと思われる経過時間、例えば図
3のグラフにおいては充電開始から0.1秒の時点など
特定の時点における電流値で、初期充電特性の電流に対
して、各充電特性での電流の増大した割合により求めら
れる。そして、この割合を百分率にした値を縦軸とし
て、第2工程での累積印加時間を横軸として、求めた結
果をプロットし、各プロット点を数学的手法で補間した
のが図4のグラフである。
【0065】(3)第3工程として、前記第1工程や第
2工程で用いた測定装置を使用して、初期充電特性i
310の被検体31に温度T31の条件で時間t31だけ負荷
を印加し、このときの印加電圧はV31とし、この後に放
電してから充電特性i311を測定する。この場合、印加
電圧が複数の異ならせた負荷条件を設定する物理因子で
ある。同様に、初期充電特性i320の被検体32に対し
て、温度と印加時間は同じT31,t31とする条件で、印
加電圧V32とした負荷を印加した後、放電してから充電
特性i321を測定する。さらに、初期充電特性i330の被
検体33に対して、温度と印加時間は同じT31,t31
する条件で、印加電圧V33とした負荷を印加した後、放
電してから充電特性i331を測定する。なお、この場
合、V31、V3 2、V33の関係は、V31<V32<V33であ
る。また、その印加電圧値を3つ以上異ならせた上で、
それぞれにおいて充電特性が測定される。その測定結果
の一例のグラフを、図5に示す。
【0066】したがって、印加電圧に対する充電電流の
特性の変化の度合い、すなわち特性変化率は、充電開始
後の経過時間のうちで真の容量成分の電流の影響のない
と思われる経過時間、例えば図5のグラフにおいては充
電開始から0.1秒の時点などの特定の時点における電
流値で、初期充電特性の電流に対して、各充電特性での
電流の増大した割合により得られる。そして、上記印加
電圧を横軸にとり、その割合を百分率にした値を縦軸と
して、求めた結果をプロットし、各プロット点を数学的
手法で補間したのが図6のグラフである。
【0067】(4)同じく第3工程として、前記第1工
程や第2工程で用いた測定装置を使用して、初期充電特
性i410の被検体41に電圧V41、温度T41の条件で時
間t4 1だけ負荷を印加し、この後に放電してから充電特
性i411を測定する。この場合、温度が複数の異ならせ
た負荷条件を設定する物理因子である。同様に、初期充
電特性i420の被検体42には電圧と印加時間を同じV
41,t41とし、温度をT4 2とした負荷を印加した後、放
電してから充電特性i421を測定する。さらに、初期充
電特性i430の被検体43には電圧と印加時間を同じV
41,t41とし、温度T43とした負荷を印加した後、放電
してから充電特性i431を測定する。その測定結果が、
図7に示されるグラフである。なお、この場合、T41
42、T43の関係は、T41<T42<T43である。また、
その温度条件を3つ以上異ならせた上で、それぞれにお
いて充電特性が測定される。
【0068】したがって、物理因子としての温度条件に
対する充電電流の特性の変化の度合い、すなわち特性変
化率は、充電開始後の経過時間のうちで真の容量成分の
電流の影響のないと思われる経過時間、例えば図7のグ
ラフにおいては充電開始から0.1秒の時点などの特定
の時点における電流値で、初期充電特性の電流に対し
て、各充電特性での電流の増大した割合により得られ
る。そして、上記温度条件の温度を横軸にとり、その割
合を百分率にした値を縦軸として、求めた結果をプロッ
トし、各プロット点を数学的手法で補間したのが図8の
グラフである。
【0069】(5)ところで、図3のグラフからもわか
るように、一定負荷条件が継続されて与えられたとき、
その与えられた時間に比例して、被検知体が受けた負荷
量sは大きくなることが判明している。
【0070】ここで、負荷量sとは、被検体に蓄積する
疲労を表す指標として導入した抽象的な量である。負荷
量sと時間tは比例する(例えば同じ条件で2倍の時間
負荷を印加すれば、被検体には2倍の疲労が蓄積する)
ことは明らかであるので、時間と特性変化率との関係は
負荷量sと特性の変化率との関係に一致する(図4のグ
ラフ参照)。つまり、t=cs(cは定数)である。さ
らに、特性の変化率をΔ、時間をt、負荷の量をsとす
ると、Δ=atb(a、bは定数)という関係が得られ
ることが見出せる。結局、負荷の量sと特性変化率Δに
は、Δ=αsβという関係がある。比例定数αは、sの
定義の仕方によって決定するものであって、例えば最高
使用温度・定格電圧のもとで1秒間被検体に負荷を印加
した際の負荷量を1と定義するなどすれば決定する値で
ある。指数βは、詳述しないが、第2工程での各測定結
果からの計算で求められる。
【0071】例えば、図4に例示されるグラフによれ
ば、充電特性の変化率と時間の関係がΔ=2.12×1
-4×t0.682−0.08(式1)として得られる。な
お、式1の右辺第2項は時間0における変化率を表し、
本来は0であるべきものであるが、測定誤差などの影響
で現れた数値である。
【0072】(6)上記した所定の一定負荷条件で負荷
印加時間が異なる場合の時間と、その後の充電特性にお
ける吸収電流または漏洩電流の変化率との関係と同様
に、上記(3)で示した第3工程での各測定結果から、
負荷印加時間と温度とを一定にして、印加電圧を異なら
せた場合における被検体の充電特性の変化率と印加電圧
との関係(図6のグラフ参照)を求めることができる。
また、前式Δ=αsβによりΔとsとの関係がわかって
いるので印加電圧と負荷量sとの関係を知ることができ
る。すなわち、その関係は、印加電圧をVとすると、負
荷量sと、印加電圧Vとが、s=γVδt(γ,δは定
数)という関係になることを見出せる。この比例定数γ
は、温度条件とも関連するからこの時点では決定しな
い。指数δは、詳述しないが、上記(3)で説明した第
3工程での各測定結果からの計算で求められる。
【0073】例えば、図6に例示されるグラフによれ
ば、充電特性の変化率と印加電圧の関係がΔ=2.02
×10-7×V3.18−0.08(式2)として得られ、こ
れを元にsとVの関係が得られる。
【0074】(7)上記した所定の一定負荷条件で負荷
印加時間が異なる場合の時間と、その後の充電特性にお
ける吸収電流または漏洩電流の変化率との関係と同様
に、上記(4)で示した第3工程での各測定結果から、
負荷印加時間と印加電圧とを一定にして、温度条件を異
ならせた場合における被検体の充電特性の変化率と温度
条件との関係を求めることができる(図8のグラフ参
照)。また、前式Δ=αs β,s=γVδtにより変化
率Δと負荷量sとの関係がわかっているので温度と負荷
量sとの関係を知ることができる。
【0075】その関係は、上記(6)での結果とあわせ
て温度をTとすると、s=ζVηexp(κT)t
(η、κは定数)という関係になることを見出せる。ζ
はこの時点では決定しない。κは、上記(5),(7)
での結果から簡単な計算で求められる。
【0076】例えば、図8に例示されるグラフによれ
ば、充電特性の変化率と温度の関係がΔ=2.84×1
-9×exp(4.30×10-2×T)−0.08(式
3)と得られる。
【0077】上記(式1),(式2),(式3)から、
時間と電圧との関係は、次の(式4)となる。
【0078】t=3.72×10-7×V4.66(式4) また、上記(式1),(式2),(式3)から、時間と
温度との関係は、次の(式5)となる。
【0079】 t=7.16×10-8×2T/10.99(式5) この場合、充電特性の変化率と、温度・電圧・時間との
関係から、電圧の4.66乗倍に比例して負荷が大きく
なる(寿命が短くなる)こと、温度が、10.99℃上
昇するたびに負荷が2倍になる(寿命が半分)になるこ
とが求まる。
【0080】(8)次に、例えば、対象となる被検体に
おいて最高使用温度でかつ定格電圧を印加したときに1
秒あたりに被検体に蓄積する負荷量sを1と定義すれば
比例定数ζを決めることができる。以上のようにして、
温度T、電圧V、時間tの条件で被検体に蓄積する負荷
の量s=ζVηexp(κT)tを定式化することがで
きる。
【0081】(9)次に、被検体を多数用意して、所定
の温度T9、電圧V9の条件で故障率試験を行なう。この
故障率試験を行う工程は、第4工程に相当する。故障率
試験の結果の故障率は、図9に示すように、バスタブ曲
線を描き、試験開始直後の故障率の高い領域が初期故障
領域S、その後の故障率の低い部分が偶発故障領域G、
そしてその後故障率が高くなる領域は摩耗故障領域Mと
呼ばれている。この条件では、単位時間当たり、つまり
毎秒V9 ηexp(κT9)という負荷が蓄積している。
なお、図9は、時間軸となる横軸が対数目盛である。
【0082】実際にユーザーが使用する条件は最高使用
温度Tmax定格電圧Vmaxの環境下が最高であるの
で、その場合、被検体には毎秒ζVmaxηexp(κ
Tmax)という負荷しか蓄積しない。よって、実際の
市場での故障率曲線は、この試験で得られたグラフの時
間軸目盛りを(V9 ηexp(κT9))/(Vmax η
exp(κTmax))倍に拡大したものになる。
【0083】信頼性を確保するとは、市場での故障確率
がある一定値(必要故障率)未満である状態を保証する
ことである。換言すれば、最高使用温度・定格電圧で例
えば1ヶ月間使用した際に故障する電子部品が100万
個中、0.1個未満であるような状態を保証することで
ある。このような故障率は電子部品の性格や用途によっ
て決定される。
【0084】このように換算して得た市場での故障率
が、前述の必要故障率に下がる時点での負荷量を前述拡
大された故障率曲線のうち初期故障領域Sから偶発故障
領域Gへ移行する時点をt9としてs=ζVηexp
(κT)t(η、κは定数)の式によって計算し、この
負荷の量をs9とする。
【0085】なお、電子部品の信頼性を確保することが
目的であるので、実際には故障率試験で摩耗故障領域に
至るまで試験を継続する必要はなく、換算した故障率が
前述の必要故障率未満になった時点で試験を打ち切れば
良い。
【0086】(10)量産する電子部品にs9の負荷を
与えた後不良品を排除する判別を行うことで市場での故
障率を所望の値以下に保つ、すなわち信頼性を確保する
ことができる。したがって、この信頼性を確保するバー
ンイン試験での負荷条件の温度をT10、電圧をV10とす
ると、このような負荷を被検体に与えるには、s9
(V10 ηexp(κT10))の時間だけ負荷印加を行な
えば良い。このような条件をみたす温度・電圧・時間の
組み合わせは無限に考えられるが、生産性の観点から時
間をできるだけ短くするように条件設定するのが望まし
い。ただし、例えば被検体のブレークダウン電圧を超え
る電圧や、被検体を構成する材料が溶解する温度のよう
な極端な条件設定はできない。このように、バーンイン
試験での負荷条件を設定する工程が第5工程に相当す
る。
【0087】(11)以上のような過程で求めた条件
で、量産する商品にバーンインによる負荷印加を行い、
この後に負荷印加で故障した電子部品を取り除くために
絶縁抵抗測定を行なう。この絶縁抵抗測定中に不良と判
別するとただちにその測定を停止してその不良品を排除
しても良い。また、多数の電子部品について同時に絶縁
抵抗測定している場合、その測定している全てについて
測定完了後、判別された不良品のみを排除するようにし
ても良い。また、同じく多数の電子部品を同時に絶縁抵
抗測定している場合、その測定途中であっても不良品と
判別したものを測定ステーションから排除していくよう
にしても良い。ここで、(10)の工程において設定し
た負荷条件でバーンインを行い、その後絶縁抵抗測定に
よって良品と不良品とを判別するこの工程(11)が第
6工程に相当する。
【0088】なお、バーンインによる負荷印加の電圧の
極性を絶縁抵抗測定での測定用直流信号の電圧の極性と
を電子部品に対して一致させておくことが望ましい。す
なわち、印加電圧の極性がバーンインと絶縁抵抗測定と
で一致したものにしておけば、故障したものについて絶
縁抵抗の測定精度がより高いものとなる。
【0089】以上、(1)〜(9)までの工程によっ
て、短時間で故障に至るような信頼性の低い電子部品を
出荷前に事前に故障させて判別するバーンインを行う際
に電子部品に与える必要のあるダメージの量、すなわち
負荷の量が予め求められる。さらに、この負荷を短時間
で効率良く電子部品に与えることができる条件を求める
ことができる。このため、工程(10)にて、信頼性の
低い電子部品を効率良く故障させる条件を設定して、工
程(11)にて、その負荷条件で負荷印加させて故障を
内在している電子部品を故障させ、その故障した電子部
品を除去することができる。
【0090】次に、上記実施の形態1における短時間で
故障に至るような信頼性の低い電子部品を出荷前に事前
に故障させて判別するバーンインで電子部品に与える必
要のある負荷量の別の算出方法について説明する。
【0091】上記工程(8)の次の工程において、被検
体を複数個用意して、所定の温度T 9、電圧V9の負荷条
件で故障率試験を行なう。故障率試験の結果の累積故障
率を、図10に示すように、ワイブル確率紙にプロット
する。これによって、初期故障領域Sが偶発故障領域G
に推移する時点t9がわかるから、T9,V9,t9を負荷
の量を前述の式s=ζVηexp(κT)tに代入して
計算し、この時点t9までに被検体に蓄積した負荷の量
をs9とする。この負荷の量s9に基づいて、前述(1
0)の工程で示した式に基づいて、バーンインするため
の時間、電圧、温度の各条件を比較的短時間でバーンイ
ンが済むように設定して、バーンインすることで、初期
故障の生じるおそれのある電子部品を故障させて、その
後、絶縁抵抗測定を行って不良品を除去する。
【0092】以上の処理を、本発明者が36個の被検体
に適応した実験による具体的結果は次のとおりである。
【0093】1. 最高使用温度85℃、定格電圧6.
3Vの10μFの容量の磁器積層蓄電器の被検体36個
に125℃・21Vの条件で故障率試験を行なったとこ
ろ、約44時間で必要な故障率(実質的には0)を実現
できることがわかった。
【0094】2. この被検体を上記の手法で調査した
ところ、125℃・105Vの負荷条件であればわずか
2分程度であることがわかった。
【0095】3. そこで、同じ品種の別の被検体36
個に135℃・105V・2分間の負荷を与え、これの
絶縁抵抗を測定したところ6個の被検体が故障してい
た。
【0096】4. 故障しなかった被検体を、さらに1
25℃・21Vの条件で56時間処理したがこの処理で
故障に至る被検体は1つも検出されなかった。
【0097】上記の結果は、135℃・105Vという
条件でわずか2分間負荷を与えることでこの電子部品の
信頼性を確保できることを意味し、本発明の有効性を示
している。
【0098】さらに、所定の温度、電圧の負荷条件につ
いて、ユーザーが対象となる磁気蓄電器(セラミックコ
ンデンサ)をある条件である期間使用するのと同じ条件
の負荷を被検体に与える試験で、この負荷を被検体に与
えたときに故障率がある値以下であれば品質事故が起こ
る可能性は十分小さいとみなせる。ところで、製造され
たままの電子部品の被検体群には、初期不良を多く含む
ため故障率が高いが、試験において、負荷を与えつづけ
ると、信頼性の低いものは故障してしまい、その不良品
を排除していくと、残りの群全体の故障確率は徐々に低
下する。この故障確率が商品として必要な目標故障確率
を下回るようになったときの負荷の量が、バーンインに
必要な負荷量であるとみなすこともできる。
【0099】次に、そのように目標故障確率を下回ると
きの負荷量を求める方法について具体例によって説明す
る。
【0100】図11に、36個の同一品種のセラミック
コンデンサに温度条件135℃、電圧8.5WVを印加
してその故障率を時間を横軸としてワイブル確率紙にプ
ロットしたものを示している。なお、この場合、蓄積さ
れる負荷量が時間と電圧との関係、時間と温度との関係
で前述した式4,式5に対応するセラミックコンデンサ
について故障率試験を行なったものである。
【0101】この場合、例えば、ある期間における故障
確率が300ppmになる時点を探すことが信頼性を確
保できる条件を求めることになるが、図11において、
ハッチングで示す量の負荷の印加で故障させてしまうこ
とがこのバーンインの目的となる。
【0102】この図11のワイブルチャートは横軸が対
数目盛りであり、累積故障率を示す曲線の傾きが直接故
障率に対応しないことから、図12のようなグラフを別
途作成して故障確率が300ppm未満になる部分を探
すことになる。
【0103】すなわち、図12に示すように、故障率試
験を行なって故障した被検体を除いていったときの残り
の被検体における不良率を縦軸にとり、故障率試験の経
過時間を横軸にとると、この負荷条件が温度条件135
℃、電圧8.5WV場合、不良率300ppm未満とな
る時点が、おおよそ0.09時間であることがわかる。
この時間前記負荷条件を与えて蓄積される負荷量を求
め、この求められた負荷量と同じ負荷量をより短時間で
印加できる温度条件や電圧条件を求めることで、より短
時間のバーンインを行なえることになる。
【0104】なお、図13に、上記実施形態1に関して
各工程の流れを概略的にフローチャートとして示してい
る。ステップS1〜S3が印加電圧と充電特性変化率と
の関係を求める工程(第3工程)に相当し、ステップS
4〜S6が温度条件と充電特性変化率との関係を求める
工程(第3工程)に相当し、ステップS7〜S9が負荷
の累積時間と充電特性変化率との関係を求める工程(第
2工程)に相当する。この図13では、ステップS1か
らS9まで順に経過していくように示しているが、実際
の工程は、上述したように、ステップS1〜S3と、ス
テップS4〜S6と、ステップS7〜S9とは、並列的
に行っても良いとともに、順序が前後しても良い。ステ
ップS10は、上述した工程(8)に相当する。このス
テップS1〜S10までの工程が後述する別の各実施形
態と共通する工程である。そして、ステップS11は、
上述した工程(9)に相当する。ステップS12は、上
述した工程(9)に相当する。ステップS13は、上述
した工程(10)に相当する。ステップS14は、上述
した工程(11)に相当する。
【0105】上記実施の形態1により得られる効果 従来、負荷印加条件の決定は適切な条件が見出されるま
で試行錯誤的に信頼性試験を何度も繰り返して行なう必
要があり、非常に長時間を要していたが、本発明では信
頼性試験は1回行なうだけで良く、負荷印加条件決定に
掛かる時間を大幅に短縮することができる。
【0106】従来、負荷条件のパラメータ(例えば雰囲
気温度・湿度・印加電圧等)が増えると設定可能な負荷
印加条件の組み合わせが非常に多くなり、試行錯誤的に
適切な負荷条件を求めることは極めて困難であったが、
本発明ではパラメータ毎にどれだけ与える負荷が強くな
るかを求めるので、負荷条件設定に必要な予備実験回数
が大幅に少なくて済む。
【0107】本発明では、多くの被検体を用いなければ
ならない信頼性試験を1回行なうだけで良く、信頼性試
験以外で必要な被検体の数は負荷パラメータあたりせい
ぜい数10個程度であるので、従来の試行錯誤的な手法
に比べて負荷印加条件決定に必要な被検体の数を大幅に
減ずることができる。
【0108】従来の手法では、設定した条件が被検体に
過大な負荷を与えて余分な疲労を与えていてもこれを判
定することが困難であったが、本発明では適切な量の負
荷を与える条件を決定でき、良品である被検体に余分な
疲労を与えることを回避できる。
【0109】ワイブル確率紙に累積故障率をプロットし
て描かれた曲線から判明する初期故障領域から偶発故障
領域に推移する時点に基づいて負荷条件を決定する場
合、次の効果を奏する。すなわち、信頼性が比較的高い
電子部品では初期故障が収束し偶発故障領域に推移すれ
ば、市場での故障率は充分に低いことが明らかである
が、このような場合、故障率を精度良く求めるには少数
の被検体で故障率試験を行なっても、初期故障の収束が
確認できれば目的を達成できるので、初期故障試験に必
要な被検体数を少なくすることができる。
【0110】(実施の形態2)次に、実施の形態2につ
いて説明する。なお、上記実施の形態1と共通する工程
については説明を省略する。すなわち、上記実施の形態
1の工程のうち、(1)〜(8)の工程は共通するもの
である。したがって、それよりも後の工程について説明
する。
【0111】この実施の形態2は、請求項10及び11
に係る発明に関するものであって、使用条件に応じて絶
縁性電子部品の製品としての使用可能な負荷印加時間と
しての寿命を推定する方法である。
【0112】(12)被検体を多数用意して、所定の温
度T12電圧V12の条件で第4工程としての故障率試験を
行なう。故障率試験の結果の故障率は、いわゆるバスタ
ブ曲線(図9参照、実施の形態1と共通のグラフ)を描
き、試験開始直後の故障率の高い領域が初期故障領域
S、その後の故障率の低い部分が偶発故障領域G、そし
てその後故障率が高くなる領域は摩耗故障領域Mと呼ば
れている。この条件では、被検体に毎秒ζV12 ηexp
(κT12)という負荷量が蓄積していることが求められ
る。
【0113】製品の寿命とは、市場での故障確率がある
一定値(限界故障率)を超える状態になるまでの使用可
能な時間のことである。換言すれば、きわめて低い故障
率であった製品が、最高使用温度・定格電圧で例えば1
ヶ月間使用した際に100万個中0.1個以上故障して
しまうような状態となることである。なお、どの程度の
故障率になれば商品の寿命であると判定するかは商品の
性格や用途によって決定されるものである。
【0114】実際にユーザーが使用する条件は最高使用
温度Tmax、定格電圧Vmaxの環境下が最高である
ので、被検体には毎秒ζVmaxηexp(κTma
x)という負荷量しか蓄積しない。よって、故障率のグ
ラフ(図9)の時間軸目盛りをV12 ηexp(κT12
/Vmaxηexp(κTmax)と拡大したものが実
際にユーザーが使用する条件での故障率グラフであり、
これを用いて故障率試験結果を市場での故障率に換算で
きる。
【0115】(13)上記のように換算して得た市場で
の故障率が、前述の限界故障率に上がる時点での時間を
13とすると、このt13こそが実際の市場での製品寿命
の推定値である。
【0116】上述した工程(1)〜(8)、(12)に
よって、電子部品の寿命が尽きるまでの電子部品が受け
得るダメージの量、すなわち負荷の量が求められ、さら
に任意の条件で単位時間当たりに電子部品にどれだけの
負荷を与えるかが求められたので、工程(13)におい
て電子部品が市場で使用された際にどれだけの時間で寿
命が尽きるかを推測することができる。この電子部品の
負荷印加時間としての寿命を推測する工程が第5工程に
相当する。
【0117】次に、上記実施の形態2における電子部品
が市場で使用された際にどれだけの時間で寿命が尽きる
かを予測する品質管理方法の別の実施形態について説明
する。
【0118】上記工程(8)の次の工程において、被検
体を複数個用意して、所定の温度T 9、電圧V9の条件で
故障率試験を行なう。故障率試験の結果の累積故障率
を、図10(実施の形態1と共通のグラフ)に示すよう
に、ワイブル確率紙にプロットして偶発故障領域Gが摩
耗故障領域Mに推移する時点t13がわかるから、負荷の
量を前述の式s=ζVηexp(κT)tによって計算
し、この負荷の量をs12とする。この負荷の量s12に基
づいて、寿命が尽きるまでその電子部品が受ける総負荷
量s12を、実際にユーザーが使用する条件は最高使用温
度Tmax、定格電圧Vmaxに基づく単位時間当たり
の負荷量s、すなわちVmaxηexp(κTmax)
で除することにより寿命がわかることになる。この場
合、所定負荷で所定時間使用されてきたことがわかって
いる電子部品についての残り寿命もわかる。つまり、寿
命が尽きるまでその電子部品が受ける総負荷量s12から
所定負荷と所定時間との積分量を差し引いた負荷量をV
maxηexp(κTmax)で除することにより残り
寿命がわかることになる。
【0119】なお、図14に、実施形態2に関して各工
程の流れを概略的にフローチャートとして示している。
ステップS1〜S10は、前述したように、実施形態1
と共通する工程である。そして、ステップS15は、上
述した工程(12)に相当する。ステップS16は、上
述した工程(13)に相当する。
【0120】この実施の形態2による効果は次のとおり
である。
【0121】従来、磁器蓄電器の寿命の推定は、故障率
試験を何度も繰り返して行う必要があり、非常に長時間
を要していたが、本発明では信頼性試験は1回行うだけ
で良く、寿命推定にかかる時間を大幅に短縮することが
できる。
【0122】また、本発明では、多くの被検体を用いな
ければならない信頼性試験を1回行うだけで良く、故障
率試験以外で必要な被検体の数は負荷パラメータあたり
せいぜい数10個程度であるので、従来の手法に比べて
寿命推定に必要な被検体の数を大幅に減ずることができ
る。
【0123】摩耗故障領域での累積故障率が急激に大き
くなる電子部品(寿命ばらつきの小さい電子部品)で
は、故障率で判定しなくとも摩耗故障領域に入ったこと
だけが確認できれば、これを製品寿命とみなしても十分
な場合が多い。このような場合、故障率を精度良く求め
るには少数の被検体で故障率試験を行っても、摩耗故障
領域に入ったことが確認できれば目的を達成できるの
で、初期故障試験に必要な被検体数を少なくすることが
できる。
【0124】(実施の形態3)次に、実施の形態3につ
いて説明する。なお、実施の形態1と共通する工程につ
いては、その説明を省略する。この実施の形態3におい
て実施の形態1と共通する工程は(1)〜(8)であ
る。この工程以降について説明する。
【0125】この実施の形態3は、請求項12及び請求
項13に係る発明に関するものである。すなわち、絶縁
性電子部品を使用する上での必要な寿命に対して、その
寿命を全うするには、どのような使用条件で使用してい
けばよいかを予め知るための品質管理方法である。
【0126】(14)所望寿命を全うするための使用条
件を知りたい被検体を多数用意して、ある温度T14、電
圧V14の条件で第4工程としての故障率試験を行う。故
障率試験の結果の故障率はいわゆるバスタブ曲線(図9
参照、実施の形態1と共通のグラフ)を描き、試験開始
直後の故障率の高い領域が初期故障領域S、その後の故
障率の低い部分が偶発故障領域G、そしてその後、故障
率が高くなる領域は摩耗故障領域Mと呼ばれている。こ
の条件では、被検体に毎秒ζV14 ηexp(κT14)と
いう負荷量が蓄積していることが求められる。
【0127】製品の寿命とは、市場での故障確率がある
一定値(限界故障率)を超える状態になるまでの使用時
間のことである。換言すれば、きわめて低い故障率であ
った製品が、最高使用温度・定格電圧で例えば1ヶ月間
使用した際に100万個中0.1個以上故障してしまう
ような状態になることである。どの程度の故障率になれ
ば商品の寿命であると判定するかは商品の性格や用途に
よって決定されるものである。
【0128】仮に、最高使用温度Tmax、定格電圧V
maxとすると、その最高使用温度でかつ定格電圧で使
用している場合、被検体には毎秒ζVmaxηexp
(κTmax)という負荷量が蓄積する。よって、故障
率のグラフの時間軸目盛りをV 14 ηexp(κT14)/
(ζVmaxηexp(κTmax))としたものが、
その条件における故障率グラフである。
【0129】このようにして、故障率試験の結果を仮に
設定した最高使用温度・定格電圧における故障率試験結
果、すなわち、市場での故障率に換算できる。
【0130】(15)上記のように換算して得られた市
場での故障率が、前述の限界故障率にあがる時点での時
間をt13とすると、このt13こそがこの製品の予測寿命
である。
【0131】この予測寿命t13がその電子部品に求めら
れる寿命よりも長ければその使用条件を用いることがで
きる。短ければ、より弱い使用条件を設定する必要があ
るので、条件を再設定して、上記工程を繰り返せば良
い。もちろん、予測寿命t13が所望の寿命よりも十分に
長い場合には、さらに過酷な環境でその電子部品を使用
できる可能性があるので、やはり条件を再設定して上記
工程を繰り返しても良い。この使用条件を導出する工程
が第5工程に相当する。
【0132】(16)単位時間当たりに製品に与える負
荷の量が等しければ寿命はほぼ変化しないとみなせるの
で、上記(15)の工程を繰り返して特殊な使用条件の
組を設定することも可能である。すなわち、高温で使用
できるが電圧は低く抑えなければならない条件や、高電
圧で使用できるが使用可能温度の上限が低いような条件
である。これにより、負荷条件としての特定の使用条件
についても電子部品の寿命との関係で適宜設定可能であ
るから、過酷な特殊環境下で製品を使用したいユーザー
の要求に応えることができる。
【0133】(17)求めた製品の使用条件は、製品の
寿命の観点で定めた条件である。もし、これらの条件に
おける製品の電気特性が規格を満足しない場合(例えば
温度特性によって容量が変化してしまう場合)には、こ
れを満足するような条件範囲で上記(15)の工程を繰
り返せば良い。
【0134】上述した工程(1)〜(8)、(14)ま
でによって、電子部品の寿命が尽きるまでに商品が受け
得るダメージの量、すなわち負荷の量が求められ、さら
に任意の条件で単位時間当たりに電子部品にどれだけの
負荷を与えるかが求められたので、工程(15)である
使用条件での電子部品の寿命を計算することができ、こ
れによって電子部品の寿命が所望の条件を満たすような
使用条件を決定することができる。
【0135】さらに、上記(16)の工程において、特
定の条件が通常の使用範囲外で電子部品を使用したいよ
うな特殊な状況に対しても、十分な寿命を期待できるよ
うに他の条件を設定することが可能である。
【0136】次に、上記実施の形態3における電子部品
の寿命が所望の条件を満たすような使用条件を決定する
ことができる品質管理方法の別の実施形態について説明
する。
【0137】上記工程(8)の次の工程において、被検
体を複数個用意して、所定の温度T 9、電圧V9の条件で
故障率試験を行なう。故障率試験の結果の累積故障率
を、図10(実施の形態1と共通のグラフ)に示すよう
に、ワイブル確率紙にプロットして偶発故障領域Gが摩
耗故障領域Mに推移する時点t13がわかるから、負荷の
量を前述の式s=ζVηexp(κT)tによって計算
し、この負荷の量をs12とする。この負荷の量s12に基
づいて、寿命が尽きるまでその電子部品が受ける総負荷
量s12を、実際にユーザーが使用する条件は最高使用温
度Tmax、定格電圧Vmaxに基づく単位時間当たり
の負荷量s、すなわちVmaxηexp(κTmax)
で除することにより寿命がわかることになる。その後、
上記(15)〜(17)の工程によって、その寿命での
使用条件を適宜設定できる。
【0138】なお、図15に、実施形態2に関して各工
程の流れを概略的にフローチャートとして示している。
ステップS1〜S10は、前述したように、実施形態1
と共通する工程である。そして、ステップS17は、上
述した工程(14)に相当する。ステップS18は、上
述した工程(15),(16)に相当する。ステップS
19は、上述した工程(15),(16)に相当する。
【0139】この実施の形態3による効果は次のとおり
である。
【0140】従来、磁気蓄電器の寿命の推定は故障率試
験を何度も繰り返して行う必要があり、非常に長時間を
要していたが、この実施形態3の場合、信頼性試験は1
回行なうだけで良く、寿命推定に掛かる時間を大幅に短
縮することができる。
【0141】従って、多くの被検体を用いなければなら
ない信頼性試験を1回行なうだけで良く、故障率試験以
外で必要な被検体の数は負荷パラメータあたりせいぜい
数10個程度であるので、従来の手法に比べて寿命推定
に必要な被検体の数を大幅に減ずることができる。
【0142】ワイブル確率紙に累積故障率をプロットし
て描かれた曲線から判明する偶発故障領域から摩耗故障
領域に推移する時点に基づいて負荷条件を決定する場
合、次の効果を奏する。すなわち、摩耗故障領域に入っ
たことだけが確認できれば、これを製品寿命と考えても
良い。このような場合、故障率を精度良く求めるには少
数の被検体で故障率試験を行なっても、摩耗故障領域に
入ったことが確認できれば目的を達成できるので、初期
故障試験に必要な被検体数を少なくできる。
【0143】(実施の形態4)次に、実施の形態4につ
いて説明する。なお、実施の形態1と共通する工程につ
いては、その説明を省略する。この実施の形態4におい
て実施の形態1と共通する工程は(1)〜(8)であ
る。この工程以降について説明する。
【0144】この実施の形態4は、請求項14から請求
項17に係る発明に関するものである。すなわち、製品
に搭載されて使用されていた絶縁性電子部品が故障した
場合、どのような状態で使用されていたのかを見積もる
ための分析を行うことを可能とする品質管理方法であ
る。
【0145】(18)そのような品質管理をする対象と
なる試料を多数用意して、ある温度T21、電圧V18の条
件で故障率試験を行う。故障率試験の結果の故障率はい
わゆるバスタブ曲線(図9参照、実施の形態1と共通)
を描き、試験開始直後の故障率の高い領域が初期故障領
域S、その後の故障率の低い部分が偶発故障領域G、そ
してその後故障率が高くなる領域は摩耗故障領域Mと呼
ばれている。この条件では、試料に毎秒ζV18 ηexp
(κT18)という負荷が蓄積している。
【0146】(19)さて、故障率を求めたい温度をT
19、電圧をV19とすると、試料には毎秒ζV19 ηexp
(κT19)という負荷が蓄積する。よって、故障率のグ
ラフの時間軸目盛りをV18 ηexp(κT18)/V19 η
exp(κT19)としたものが、その条件における故障
率グラフである。このようにして、故障率試験の結果を
必要な条件での故障率に換算することができる。
【0147】(20)使用状態を知りたい被検体を用意
する。積層磁器蓄電器の故障は、通常誘電体層1層のみ
で発生しており、この層を除く誘電体層は正常であるこ
とが多い。その被検体の正常層に関して充電特性の測定
を行い、この結果から全ての誘電体層が正常である場合
の充電特性i20を求める(例えば、n個の小蓄電器から
なる積層磁器蓄電器の1層のみが故障している場合、測
定結果をn/(n−1)倍すれば良い)。この充電特性
を求める工程が第7工程に相当する。
【0148】(21)この被検体の通常の充電特性から
20がどれほどの割合(Δ21)変化しているかを求め
る。その変化率Δと負荷量sとの関係は工程8までに求
められているので、Δ21から被検体が受けた負荷s21
求めることができる。
【0149】(22)負荷がs21になるような温度・電
圧・時間条件の組み合わせは工程(8)のs=ζVη
xp(κT)tの式からいくつも求めることができる。
【0150】ところで、例えば、使用時間等は被検体を
出荷してからの経過時間以上になり得ないことは明白で
あるので、このような既知の情報によって温度・電圧の
取り得る範囲を絞り込むことができる。
【0151】(23)もし、温度・電圧の取り得る値
が、その製品の最高使用温度や定格電圧を超えたもので
ある場合、故障は被検体の不適切な使用法が原因である
可能性が高いと判断できる。
【0152】(24)被検体が受けた負荷s21は、この
製品の故障率のワイブルプロット上で、初期故障領域S
・偶発故障領域G・摩耗故障領域Mのどの領域にくるか
を工程(25)で得た任意の条件に適応できる故障率試
験結果から判定する。適切にスクリーニングされた製品
では初期故障であることはありえない。摩耗故障領域の
負荷を受けた結果故障したのであれば、これは製品の本
質的な寿命でありやむを得ないといえる。偶発故障域の
負荷しか受けていないにも関わらず故障したのであれ
ば、通常のスクリーニングでは除去できない特殊な欠陥
を内在していた可能性が高いと判断できる。
【0153】上述した工程(1)〜(8),(18)に
おいて、電子部品が受けるダメージの量、すなわち負荷
の量と電子部品の故障率との関係が求められ、さらに任
意の条件で単位時間当たりに電子部品にどれだけの負荷
を与えるかが求められたので、工程(19)において任
意使用条件での故障率を推定できる。
【0154】工程(20)では、故障した被検体の正常
層のみを測定することによって、被検体が故障していな
いという仮想的な場合の電気特性を測定している。
【0155】工程(21)では、被検体の電気特性変化
から、被検体がどれだけの疲労を蓄積しているかを推定
している。
【0156】工程(22)では、被検体が蓄積した疲労
から、どのような使用状態でこの被検体が使用されてき
たのかを推定している。さらに、先見情報を元に、より
詳細な被検体の使用状態を推定している。この推定する
工程が電子部品の負荷条件または負荷印加時間としての
使用状態を推定する第5工程に相当する。
【0157】工程(24)では、推定した使用状態を元
に、被検体の故障原因が、使用法にあるのかそれとも被
検体自体にあるのかを判断している。
【0158】工程(25)では、この故障が製品の本質
的な寿命による避け得ないものであるのか、それとも被
検体になんらかの欠陥があったのかを判断している。
【0159】なお、図15に、実施形態2に関して各工
程の流れを概略的にフローチャートとして示している。
ステップS1〜S10は、前述したように、実施形態1
と共通する工程である。そして、ステップS20は、上
述した工程(20)に相当する。ステップS21は、上
述した工程(21)に相当する。ステップS22は、上
述した工程(22)に相当する。
【0160】この実施の形態4により奏される効果につ
いて説明する。
【0161】故障した積層磁器蓄電器がどのような状態
で使用されていたのかを見積もること(推定すること)
ができる。
【0162】積層磁器蓄電器の故障が、本質的な寿命に
よる避け得ないものであったのか、試料が何らかの欠陥
を内在していたと考えられるのかを判定することができ
る。
【0163】上記の効果により、積層磁器蓄電器の故障
が原因で積層磁器蓄電器を搭載した機器が不具合を生じ
た場合に、故障が使用者の責に帰するものかを明確にで
きる。
【0164】また、実際に積層磁器蓄電器が故障する以
前にこれの使用法が適切であるかどうかを判定できる。
【0165】特に実稼動状態での温度などの測定が困難
な場合に、どのような環境下で使用されてきたかを知る
ことができる。
【0166】また、故障部品に対して正常層を取り出す
ような処理を行わずに、使用状態を推定できる。積層磁
器蓄電器は、1つの機器中に同じ物が複数使用される場
合が珍しくなく、このような場合は1つが故障した場合
に同様の使い方をされている他の試料から使用状態を推
定でき、手間がかからない。また、ほぼ同じ条件で使用
されている同一機種の機器(別の個体)中で使用されて
いる試料を用いても同じ効果がある。
【0167】(実施の形態5)次に、実施の形態5につ
いて説明する。なお、実施の形態1と共通する工程につ
いては、その説明を省略する。この実施の形態5におい
て実施の形態1と共通する工程は(1)〜(8)であ
る。この工程以降について説明する。
【0168】この実施の形態4は、請求項18に係る発
明に関するものである。すなわち、製品に搭載された電
子部品が故障した場合、市場において潜在的にどの程度
の数故障しているのか、あるいは、これから故障するお
それがあるかを見積もる分析を行う品質管理方法であ
る。
【0169】(26)被検体を多数用意して、ある温度
26、電圧V26の条件で第4工程としての故障率試験を
行う。故障率試験の結果の故障率はいわゆるバスタブ曲
線(図9参照、実施の形態1と共通)を描き、試験開始
直後の故障率の高い領域が初期故障領域S、その後の故
障率の低い領域が偶発故障領域G、そしてその後故障率
が高くなる領域は摩耗故障領域Mと呼ばれている。この
条件では、被検体に毎秒ζV26 ηexp(κT26)とい
う負荷が蓄積している。
【0170】(27)さて、故障率を求めたい温度をT
27、電圧をV27とすると、その場合、被検体には毎秒ζ
27 ηexp(κT27)という負荷が蓄積する。よっ
て、故障率のグラフの時間軸目盛りをV26 ηexp(κ
26)/V27 ηexp(κT27)としたものが、その条
件における故障率グラフである。このようにして、故障
率試験の結果を必要な条件での故障率に換算できる。
【0171】(28)上記のように換算して得た故障率
グラフから、任意の時間における製品の故障率の推定値
を読み取ることができる。
【0172】上述した工程(1)〜(8)までによっ
て、電子部品が受けるダメージの量、すなわち負荷の量
と電子部品の故障率との関係が求められ、さらに任意の
条件で単位時間当たりに電子部品にどれだけの負荷を与
えるかが求められので、工程18において任意使用条件
での故障率を推定することができる。
【0173】さらに、工程(27)、(28)において
必要な条件における電子部品の故障率を推定することが
可能である。この故障率を推定する工程が第5工程に相
当する。
【0174】実施の形態5により奏される効果を説明す
る。
【0175】従来、磁器蓄電器の故障率を推定するには
故障率試験を何度も繰り返して行う必要があり、非常に
長時間を要していたが、本発明では故障率試験は1回行
うだけで良く、故障率推定にかかる時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0176】本発明では、多くの被検体を用いなければ
ならない故障率試験を1回行うだけで良く、故障率試験
以外で必要な被検体の数は、負荷パラメータあたりせい
ぜい数10個程度であるので、従来の手法に比べて故障
率推定に必要な被検体数を大幅に減ずることができる。
【0177】本発明は、故障率推定にかかる時間が従来
と比して極めて短くできるので、電子部品が市場で故障
を発生したような場合に、どの程度の数の電子部品が潜
在的に故障しているのか、あるいは、これから故障する
のかを見積もる類の分析を速やかに完了することができ
る。このため、電子部品故障が深刻な問題を生じる前に
対策を実行できる可能性が高くなる。
【0178】上記各実施の形態では、所定電気特性とし
て、充電特性について示したが、本発明は、この充電特
性に限定されるものではなく、磁器蓄電器の場合、例え
ば、その容量特性、損失係数、絶縁抵抗などの特性を測
定しても良いとともに、これらを組み合わせた特性の測
定でも良い。
【0179】また、上記各実施の形態では、負荷条件の
物理因子として、被検体に対する印加電圧、温度、時間
を示したが、これ以外に例えば湿度などの物理因子を負
荷条件としても良い。
【0180】
【発明の効果】本発明によれば、負荷を与える物理因子
をパラメータとしてそのパラメータ毎にどれだけ与える
負荷が強くなるかを求めるので、負荷条件設定に必要な
予備実験回数を大幅に少なくできることになり、きわめ
て短時間で負荷条件を設定できることになる。
【0181】従って、バーンインや加速試験のための負
荷条件の設定、電子部品の寿命を推定するための負荷条
件の設定、あるいは故障に至った電子部品の使用状態で
の負荷条件の推定などを短時間で行うことができ、各作
業効率を大幅に向上できるとともに、それに要するコス
トも低下できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充電特性を測定する測定装置を示す説明図
【図2】充電特性電流及びその各成分電流を示す両対数
グラフ
【図3】所定負荷の累積印加時間を異ならせた場合の充
電特性電流を示す両対数グラフ
【図4】累積印加時間と充電特性電流の変化率との関係
を示す片対数グラフ
【図5】印加電圧を異ならせた場合の充電特性電流を示
す両対数グラフ
【図6】印加電圧と充電特性電流の変化率との関係を示
すグラフ
【図7】温度条件を異ならせた場合の充電特性電流を示
す両対数グラフ
【図8】温度条件と充電特性電流の変化率との関係を示
すグラフ
【図9】単位時間当たりの故障率をバスタブ曲線として
示す片対数グラフ
【図10】累積故障率をワイブル確率紙にプロットして
示す片対数グラフ
【図11】具体例の累積故障率をワイブル確率紙にプロ
ットして示す片対数グラフ
【図12】不良率と時間との関係を示すグラフ
【図13】実施の形態1を示すフローチャート
【図14】実施の形態2を示すフローチャート
【図15】実施の形態3を示すフローチャート
【図16】実施の形態4を示すフローチャート
【符号の説明】
1 被検体(電子部品)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め電子部品における所定電気特性の初
    期特性を測定する第1工程と、 前記電子部品に対して同一の負荷条件で所定負荷を時間
    的に累積するように与え、その所要累積時間ごとに該電
    子部品の電気特性をそれぞれ測定して、この測定結果に
    基づいて該電気特性の前記初期特性に対する時間的な変
    化の度合いを求める第2工程と、 前記電子部品に対して負荷条件のうち少なくとも1つの
    物理因子を異ならせた複数の負荷条件を設定し、それぞ
    れの負荷条件を所定の一定時間与えた後、それぞれの場
    合ごとに該電子部品の電気特性を測定し、この測定結果
    に基づいて前記物理因子をパラメータとしたときの該電
    気特性の前記初期特性に対する変化の度合いを求める第
    3工程と、 前記電子部品に関して、少なくとも1回の故障率試験を
    行い、時間をパラメータとしたときの前記電子部品の故
    障率を求める第4工程と、 前記第2工程及び第3工程で求められた前記特性の変化
    の度合い、及び前記第4工程で求められた故障率に基づ
    いて、負荷条件または負荷印加時間または故障率を求め
    る第5工程とを有する、 ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子部品の品質管理方
    法において、 前記第5工程は、前記第2工程及び第3工程で求められ
    た前記特性の変化の度合い、及び前記第4工程で求めら
    れた故障率から、該電子部品に蓄積される負荷量を求
    め、該負荷量に基づいて、負荷条件または負荷印加時間
    または故障率を求める、 ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の電子部品の品
    質管理方法において、 前記第3工程における前記物理因子とは、処理温度、処
    理湿度、印加電圧のいずれか、またはこれらの組み合わ
    せであることを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の電子部品の品
    質管理方法において、 前記電子部品とは、磁器蓄電器であることを特徴とする
    電子部品の品質管理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の電子部品の品
    質管理方法において、 前記所定の電気特性とは、容量、損失係数、絶縁抵抗、
    充電特性のいずれか、またはこれらの組み合わせである
    ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の電子
    部品の品質管理方法において、 前記第5工程は、前記第2工程及び第3工程で求められ
    た前記特性の変化の度合いに基づいて、前記電子部品の
    内在故障が顕在化する負荷条件及び該負荷条件の付与に
    要する必要時間を算出する工程であり、 この算出された負荷条件及び必要時間で品質管理対象の
    電子部品に負荷を与えるとともに、該負荷印加処理中及
    び該負荷を与えた後の少なくとも一方において、該電子
    部品の特性を測定して良品と不良品とを判別する第6工
    程を有する、 ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子部品の品質管理方
    法において、 前記第5工程における「電子部品の内在故障が顕在化す
    る負荷条件」とは、前記第4工程で求められた前記故障
    率から「累積故障率のワイブル分析により初期故障が収
    束したと判断される条件」、または、「所定条件で電子
    部品を使用した場合に予想される故障率がある一定値未
    満になると判断される条件」であることを特徴とする電
    子部品の品質管理方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の電子部品の品
    質管理方法において、 前記第5工程において、前記負荷印加処理中及び前記負
    荷印加後の少なくとも一方における電子部品の良不良を
    判別するための特性の測定とは絶縁抵抗測定であること
    を特徴とする電子部品の品質管理方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電子部品の品質管理方
    法において、 前記電子部品に負荷を与える工程で被検体にかけた電圧
    の印加方向と、前記絶縁抵抗測定を行う際に被検体にか
    ける電圧の印加方向を互いに一致させることを特徴とす
    る電子部品の品質管理方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から5のいずれかに記載の電
    子部品の品質管理方法において、 前記第5工程は、前記第2工程及び第3工程で求められ
    た前記特性の変化の度合いに基づいて、使用環境下での
    負荷条件における前記電子部品の寿命を推定する工程で
    ある、 ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の電子部品の品質管
    理方法において、 前記第5工程における「電子部品の寿命」とは、前記第
    4工程で求められた前記故障率から「累積故障率のワイ
    ブル分析により偶発故障が収束し摩耗故障領域に推移し
    たと判断される寿命」、または、「ある条件で被検体を
    使用した場合に予想される故障率が、初期故障が収束し
    てかつ偶発故障領域で低く安定していた値が徐々に増加
    してある一定値以上になった寿命」であることを特徴と
    する電子部品の品質管理方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から5のいずれかに記載の電
    子部品の品質管理方法において、 前記第5工程は、前記第2工程及び第3工程で求められ
    た前記特性の変化の度合いに基づいて、前記電子部品が
    正常に使用可能な寿命に対応する使用条件を導出する工
    程である、 ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の電子部品の品質管
    理方法において、 前記第5工程における「電子部品が正常に使用可能な寿
    命に対応する使用条件」とは、前記第4工程で求められ
    た前記故障率から「累積故障率のワイブル分析により偶
    発故障が収束し摩耗故障領域に推移したと判断される条
    件」、または、「ある条件で被検体を使用した場合に予
    想される故障率が、初期故障が収束してかつ偶発故障領
    域で低く安定していた値が徐々に増加してある一定値以
    上になった条件」であることを特徴とする電子部品の品
    質管理方法。
  14. 【請求項14】 請求項1から5のいずれかに記載の電
    子部品の品質管理方法において、 未知の使用状態で使用されてきた被検体電子部品の所定
    の電気特性を測定する第7工程を有し、 前記第5工程は、前記第7工程での測定結果と、前記第
    2工程及び第3工程で求められた前記特性の変化の度合
    いに基づいて、前記被検体電子部品の使用状態を推定す
    る工程である、 ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の電子部品の品質管
    理方法において、 前記第7工程において、「未知の使用状態で使用されて
    きた電子部品」は、「使用中に故障に至った電子部品」
    である、または、「使用中に故障に至った電子部品と同
    じ使用条件で使用されていたことが既知である電子部
    品」であることを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の電子部品の品質管
    理方法において、 前記第5工程は、前記第4工程で求められた前記故障
    率、及び前記第2工程及び第3工程で測定された前記特
    性の変化の度合いに基づいて、故障に至った電子部品が
    摩耗故障か、初期欠陥が原因の故障かを判断する工程を
    備えることを特徴とする電子部品の品質管理方法。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載の電子部
    品の品質管理方法において、 前記電子部品は積層磁気蓄電器であるとともに、 故障した積層磁器蓄電器の正常層の電気特性を測定し、
    これから故障前の電気特性を推定して、未知の使用状態
    で使用されてきた電子部品の電気特性とすることを特徴
    とする電子部品の品質管理方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から5のいずれかに記載の電
    子部品の品質管理方法において、 未知の使用状態で使用されてきた被検体電子部品の所定
    の電気特性を測定する第7工程を有し、 前記第5工程は、前記第2工程及び第3工程で求められ
    た前記特性の変化の度合い、及び前記第4工程によって
    求められた故障率に基づいて、所望条件下で使用されて
    いる電子部品のある時点での故障率を推定する工程であ
    る、 ことを特徴とする電子部品の品質管理方法。
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