JP2003293209A - 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法 - Google Patents

衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法

Info

Publication number
JP2003293209A
JP2003293209A JP2002097925A JP2002097925A JP2003293209A JP 2003293209 A JP2003293209 A JP 2003293209A JP 2002097925 A JP2002097925 A JP 2002097925A JP 2002097925 A JP2002097925 A JP 2002097925A JP 2003293209 A JP2003293209 A JP 2003293209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
muscle
exercise
stimulating
muscles
stimulus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002097925A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Ogino
毅 荻野
Kenjiro Mori
健次朗 森
Tetsuhiro Yamashita
哲弘 山下
Yoshihiro Chijimatsu
芳弘 千々松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizuno Corp
Original Assignee
Mizuno Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizuno Corp filed Critical Mizuno Corp
Priority to JP2002097925A priority Critical patent/JP2003293209A/ja
Publication of JP2003293209A publication Critical patent/JP2003293209A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】着用することにより高いボディーバランスや身
体支持力を得ることができ、運動効果を最大限に引き出
すことができる衣類と、それに基づく姿勢形成方法とト
レーニング指導方法とを提供する。 【解決手段】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊張
の強弱で区分される筋群の中から選択される少なくとも
1つの筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた筋に筋緊張
を与えて所望の筋の筋意識を高めることで理想の姿勢を
形成する姿勢形成方法。上記刺激部材を設ける位置に刺
激を加えて所望の筋の筋意識を高めて運動を行わせるこ
とにより、理想の運動を行わせるトレーニング指導方
法。上記刺激部材を設ける位置に、着用状態でその筋に
筋緊張を与える刺激部21が形成された水着2a。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運動時の使用に好
適な衣類と、姿勢形成方法と、トレーニング指導方法と
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】そもそも運動と言うものは、地球上にい
る限り、重力を受けた状態で行われるものであり、そこ
で優れたパフォーマンスを発揮するためには、高いボデ
ィーバランスや支持力などが要求される。
【0003】しかし、日常生活においても、右利き左利
きが存在するように、高いボディーバランスや左右前後
・ねじれに対し均等な身体支持力を持った状態を保つと
いうことは難しい。すなわち、人間は、普段あまり意識
していない固有感覚というものによって身体各部位の相
対位置を知覚しているが、この固有感覚自体は、ボディ
ーバランスや身体支持力の不均等要素を持っているの
で、この固有感覚とともに発達する筋肉や骨格などは完
全な均等ではなく、厳密には不均等である。したがっ
て、ある一定の強度や関節行動許容範囲を越えて運動を
行ったり、固有感覚に任せて強度の高い運動をし続ける
と、一部の筋肉や関節に負担がかかり過ぎて怪我をして
しまうことがある。
【0004】そこで、従来より、このような経過(身体
バランスを崩したことに原因をおく)をたどり怪我をし
てしまった場合、上記したような負担のかかる筋肉や関
節に、テーピングを行ったり、サポーターを着用したり
することで、これらの筋肉や関節を援助してボディーバ
ランスや身体支持力を維持することが行われている。ま
た、怪我をする前であっても、経験的に負担のかかる筋
肉や関節を理解しているような場合には、あからじめ上
記したようなテーピングを行ったり、サポーターを着用
したりすることが行われている。
【0005】また、このような一部の筋肉を支持しなが
ら関節の支持力を援助することによって、怪我(肉離
れ、靱帯や腱の断裂や損傷)の予防を図るとともに、運
動の際の筋肉の動きを妨げないようにするための衣料品
として、特定の筋肉を弱圧接するとともに、これら筋肉
の脇側縁近傍を強圧接するようになされたものや、肘や
膝の関節の中央部を弱圧接するとともに、この周縁部を
強圧接したりするようになされたものが提案されている
(例えば、特開平8−117382号公報参照)。
【0006】また、従来より、上記したような衣料品を
使用する以外にも、運動を行う人間が、怪我をせずに運
動能力が向上するように、トレーナーによるトレーニン
グ指導も行われている。このようなトレーナーによるト
レーニング指導は、運動を行う人間の動きを見て悪い点
を正すように指摘したり、上記したような負担のかかる
筋肉を鍛えて活動に備えることが行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の衣
料品は、一部の筋肉の脇側縁部近傍を、強圧接によって
支持することで、この筋肉による関節の支持力を援助す
るようになされているため、健常者がこの衣料品を着用
して運動を行った場合、筋肉には、本来運動によって加
わるべき負荷が完全に加わらず、充分な運動効果を得る
ことができないことになってしまう。すわなち、上記従
来の衣料品によるサポート的力が、筋肉に加わるべき負
荷を代わりに吸収してしまうため、正しい動きで運動を
行っている時にも、この正しい動きによって筋肉に加わ
るべき負荷の一部を、衣料品のサポート的力が援助して
干渉してしまうこととなる。
【0008】また、上記従来の衣料品は、怪我の発症す
る部位の関節や筋肉を支持するようになされているた
め、この衣料品を着用した状態では、ある程度のボディ
ーバランスや身体支持力が保てることになるかもしれな
いが、この衣料品を着用して運動を続けると、この衣料
品によって支持される筋肉や関節に加わる負荷と、この
衣料品によって支持されない筋肉や関節に加わる負荷と
に差が生じるので、運動すればするほど、運動効果に差
ができてしまい、ボディーバランスや身体支持力の乱れ
を助長することになってしまう。
【0009】さらに、上記従来の衣料品は、肘や膝の関
節の中央部を弱圧接するとともに、この周縁部を強圧接
したりすることによって、関節の支持力を援助するよう
になされているが、本来のサポーターの能力としては、
前後左右への関節の動揺性を止めることしかできない。
確かに、関節部での動揺性を軽減することは、怪我の発
生を減少させ得る。しかし、運動中に発生する垂直性の
負荷(抗重力的作用)により発生する痛みなどに関して
は、抑制・助長作用は、何の効果も認めることはできな
い。なぜならば、膝関節部における運動に対する抗力
(抗重力的作用)の発生は、膝関節部での関節への内圧
を高めるような方法(膝の屈伸運動不能な程の強圧迫)
以外では困難なものであり、また、それを助長されると
する装具の場合、ある程度の効果しか見込めない。が、
本来、運動により発生する障害は、持続的な垂直性負荷
による関節軸への動揺との変位から誘発されているもの
であり、また、関節とは、柔と剛という矛盾する運動を
表現しなければならない関係上、このような重度の関節
固定をすることは、不可能な方法となる。つまり、垂直
性負荷を他の関節に移動する方法か、関節そのものから
取り除く方法以外、改善する手段は無い。よって、後述
する足関節中心の運動(アンクルリフレクション)によ
って起きる過度の前傾姿勢から来る膝関節部への垂直性
の過負荷を軽減させない限り、膝関節での障害を軽減す
ることはできないし、また、膝関節に対する装具的補助
だけでは、改善を見込めないこととなる。したがって、
膝関節等における関節内軟部組織(関節円板等)にかか
る負荷も軽減させることは、上記従来の衣料品などで
は、ありえないことになる。
【0010】さらに、上記従来の衣料品は、怪我の発症
する部位の関節や筋肉を支持するようになされている
が、これらの関節や筋肉は、怪我が実際に発生する関節
や筋肉であって、怪我の発症原因となる関節や筋肉では
ない。したがって、上記従来の衣料品を着用しても、怪
我の発症を根本的に解決することができない。
【0011】また、上記従来のトレーニング指導方法の
ように、運動を行う人間の動きを見て悪い点を正すよう
に指摘しても、その指摘を受けた人間が、常に正しい動
きを意識的(錘体路系)に心がけながら運動を行わなけ
れば意味が無く、指摘された点を忘れてしまうと、固有
感覚に任せた運動(錘体外路系)になってしまい、固有
感覚による不均等要素が出てくることとなる。実際にス
ポーツを楽しんでいる人は、付きっ切りでトレーニング
指導を受ける状況にないのが通常であるため、指摘され
た点を意識的(錘体路系)に心がけながら運動を行うこ
とが困難になり、不均等要素を持った固有感覚に任せた
運動(錘体外路系)から抜け出して運動を続けることが
できない。また、悪い点を正すように指摘されても、正
しい動きを意識して作り出すまでに相当な時間(固有筋
神経に対する促通動作が完成されるまでの時間・コント
ロールされた運動性を獲得するまでの時間)を要するこ
ととなる。正しい動きを意識して作り出せたととして
も、その運動が普段あまり意識していない固有感覚に任
せた運動(錘体外路系)に定着するまでには、さらに相
当な時間(錘体路系の運動から反射活動である錘体外路
系へと移行する時間)を要することとなる。
【0012】また、上記従来のトレーニング指導方法の
ように、負担の係る筋肉を鍛えて活動に備える場合、鍛
えられた筋肉によって怪我への耐久性が増すだけで、怪
我をしないような動きのできる高いボディーバランスや
身体支持力(しなやかな動き・コントロールされた運動
性)を作り上げることができない。
【0013】本発明は、係る実情に鑑みてなされたもの
であって、着用することにより高いボディーバランスや
身体支持力を得ることができ、運動効果を最大限に引き
出すことができる衣類と、それに基づく姿勢形成方法と
トレーニング指導方法とを提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の衣類は、抗重力的作用を伴う運動からみた筋
緊張の強弱で区分された筋群の中から選択される少なく
とも1つの筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位
置に、着用状態でその筋に筋緊張を与える刺激部が形成
されたものである。
【0015】また、上記課題を解決するための本発明の
姿勢形成方法は、抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊
張の強弱で区分される筋群の中から選択される少なくと
も1つの筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた筋に筋緊張
を与えて所望の筋の筋意識を高めることで理想の姿勢を
形成するものである。
【0016】さらに、上記課題を解決するための本発明
のトレーニング指導方法は、抗重力的作用を伴う運動か
らみた筋緊張の強弱で区分される筋群の中から選択され
る少なくとも1つの筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相
当する位置に、刺激を加えて所望の筋の筋意識を高めて
運動を行わせることにより、理想の運動を行わせるもの
である。 [抗重力的作用を伴なう運動からみた筋緊張]人間が、
地球上で立位若しくは座位等の姿勢を維持しながら、運
動・作業する上で常に働き、抵抗しておかなければ運動
そのものが成立しない重力への力といったものが存在す
る。この時、優先的・反射的に選択して使用している筋
肉群を総称して抗重力筋と呼び、その殆どが伸筋によっ
て構成されている。この抗重力筋とは別に、この抗重力
状態において筋緊張を強く生じる筋肉群というのは、人
種、生活週間、遺伝などの要因によって異なる。例え
ば、閉眼状態で起立位をとった場合、運動姿勢が前傾位
の人間(黄色人種や運動苦手者の典型的なパターン)は
爪先側に体重が乗った前傾姿勢を採ることが多く、運動
姿勢が後傾位の人間は踵側に体重が乗った後傾姿勢を採
ることが多い。日本人や運動苦手者の場合、図1に示す
ように、平均的な運動姿勢は、前傾位であり、この時の
ボディーバランスおよび身体支持力は、僧帽筋、腹筋上
部周辺、大腿部前面・下腿部後面の筋肉により強く制御
・支持され、これらの部位の筋肉群は、抗重力的作用を
伴う運動において、筋緊張を強く生じる。これに対し
て、中南米人や運動上達者の場合、図2に示すように、
平均的な運動姿勢は、後傾位であり、この時のボディー
バランスおよび身体支持力は、脊柱起立筋、腹筋下部周
辺、各臀筋部(特に大臀筋)、大腿部後面、下腿部前面
の筋肉により強く制御・支持され、これらの部位の筋肉
群は、抗重力的作用を伴う運動において、筋緊張を強く
生じる。このように、抗重力的作用を伴う運動におい
て、筋緊張を強く生じる筋の配置バランスは、前傾位と
後傾位とで異なる。このような前傾位、後傾位は、普段
あまり意識されていない固有感覚・固有の筋肉によっ
て、身体の各部位の相対位置を知覚している(姿勢性の
反射活動)。表1および表2は、前傾位と後傾位とのそ
れぞれにおける抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊張
の強弱で区分した筋を示している。また、表3は、理想
の運動姿勢における抗重力的作用を伴う運動からみた筋
緊張の強弱で区分した筋を示している。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】[多関節筋と単関節筋]同表1ないし表3
は、それぞれの筋を、多関節筋と単関節筋とに分類して
いる。
【0021】関節には、関節運動の自由度と呼ばれるも
のがあり、特に能力の高い部分から順に自由度三度、二
度、一度と分けて表現されている。関節自由度三度の関
節の代表として肩関節と股関節とが挙げられる。これら
の関節における運動の軸は、前後左右に止まらず斜め、
回転といった運動形態をも含んでいる。これらの関節に
対し、膝関節部は、運動自由度一度と呼ばれる関節で、
前後の運動軸に対する制御・支持しか担当していない。
このように、関節運動は、柔軟性の高さと支持力の強さ
との矛盾・相反する条件をクリアーして成り立つことが
できるように、柔軟性の高い関節と、支持力の強い関節
とで、それぞれ役割分担を持っている。また、これらの
関節に作用し、ボディーバランスや身体支持力を形成し
ているのが筋肉(正しい抗重力筋活動)である。
【0022】多関節筋は、上記した関節の二つ以上の関
節に作用する筋である。
【0023】単関節筋は、上記した関節の一つに作用す
る筋である。 [理想的な運動姿勢]前記したように、日本人や運動苦
手者の平均的な運動姿勢は、前傾位であり、中南米人や
運動上達者の平均的な運動姿勢は、日本人や運動苦手者
のそれに比べて後傾気味であり、それぞれ理想的な運動
姿勢からは、前方およびやや後方に重心がずれているこ
とになる。したがって、そのまま運動を続けると、平均
的な運動姿勢の日本人や運動苦手者の場合は、ボディー
バランスおよび身体支持力を強く制御・支持している筋
肉、すなわち、僧帽筋、腹筋上部周辺、大腿部前面・下
腿部後面の筋肉が強化されることとなり、平均的な運動
姿勢の中南米人や運動上達者の場合は、脊柱起立筋、腹
筋下部周辺、各臀筋部(特に大臀筋)、大腿部後面、下
腿部前面の筋肉が強化されることとなる。
【0024】前傾位の場合、爪先に荷重がかかるため、
足裏全体の面で身体を支持する必要性が高くなり、足関
節自体での伸筋群(底屈筋群)での働きが促進され、よ
って、足関節主体での運動であるアンクルリフレクショ
ンが運動の中心となってしまう。この場合、全身のバラ
ンスにおける筋肉の緊張表現は、僧帽筋、腹筋上部周
辺、大腿部前面・下腿部後面の筋肉が中心となり、さら
にこの部分の筋肉が強化されると、より前傾位を招き、
アンクルリフレクションを中心とした運動形態に強化・
固定してしまう。この場合、アンクルリフレクションの
特徴として、運動基底面から受ける力を後発的に体幹が
受けることとなる。すなわち、運動の支点が足関節へと
移行し、この場合の力点は、下腿部後面筋群が主導筋と
なって作用点は、足底部となるため、運動のロスが多く
なってしまう。これに伴い、股関節の伸展筋活動は、そ
の機能を完全に発揮することはできなくなり、かつ、体
幹の運動は二次的な質量バランスを中心としたものとな
り、これらの部位での運動への補助・助長・強調的活動
は、意味のないものとなってしまう。
【0025】これに対して後傾位の場合、かかとに荷重
がかかるため、足裏全体の面で身体を支持する必要性が
無くなり、足関節周辺の筋群は刺激を受け無い。これに
より、身体のバランス支持面は、足関節ではなくなり
(伸筋群の神経刺激および筋緊張が無くなるため、拮抗
する足関節屈筋群の活動も起こすことができなくなるた
め)、他の関節へとその力の発現は、移行することとな
る。この場合、自由下肢帯を形成している関節は、膝お
よび股関節となってしまい、その力は、それらの関節へ
と移行することとなるが、関節自由度の低い膝関節では
(関節自由度1度)、その多方向にわたる運動をその機
能で完全にカバーすることはできないため(関節運動軸
前後でのバランスしか制御できないため)、関節自由度
三度の股関節へと力を移行することが必要となり、結
果、股関節主体での運動であるヒップリフレクションを
中心とした運動形態へと変化を余儀なくされる。この場
合、ヒップリフレクションの特徴として、大臀筋と体幹
伸展機能(脊柱起立筋)との連動が促進されるため、重
心を支点とした運動と体幹の安定および一体化、上下肢
に対する均等な運動質量の振り分け、上肢で発生する筋
力を正しく下肢に伝える運動形態となり、これにより運
動機能は著しく向上する。
【0026】骨盤が前傾傾向にある日本人や運動苦手者
の場合は、足関節主体の運動(アンクルリフレクショ
ン)が中心となり運動中に発生する筋力のロスが多くな
る。一方、骨盤が立腰状態にある中南米人や運動上達者
の場合には、その状態での股関節主体の運動(ヒップリ
フレクション)が中心となり、全身(特に上半身部)で
発生する筋力のロスが極力抑えられることとなる(身体
のほぼ中央部で支点が形成されるため)。
【0027】したがって、平均的な運動姿勢が前傾位で
ある場合には、後傾方向へと導き、正しくヒップリクレ
クションが起こる運動姿勢へと変える必要がある。逆
に、平均的な運動姿勢が後傾位である場合には、前傾方
向へと導き、より正しいヒップリフレクションがとれる
様に変化させるべきである。これを活動の中心となるよ
うにして運動を行えば、普段強く制御・支持・活動して
いなかった眠っていた筋肉を覚醒し強化できると同時
に、普段強く制御・支持し、負担を強いられていた筋肉
へのストレスを軽減して理想的な運動姿勢へと形成・変
化できることとなる。 [理想的な運動姿勢の形成]上記したように前傾位を後
傾方向へと導き、後傾位を前傾方向へと導いて具体的に
理想的な運動姿勢を形成するためには、理想的な運動姿
勢から離れ、崩れている関節や筋肉を選択し、強化しな
ければならない。
【0028】強化する関節については、下肢の場合、前
記した自由度三度、二度、一度の関節のうち、重心位置
に近く、かつ、さまざまな運動形態が可能な股関節であ
り、また、自由上肢帯においては、重心軸に近く、か
つ、さまざまな運動形態が可能な肩関節となる(ちなみ
に、両関節とも多方向へ運動可能な球状関節であ
る。)。
【0029】また、強化する筋肉については、これら股
関節や肩関節に作用する筋や、重心軸を形成する筋群が
中心となる。これらの自由度三度の関節は、さまざまな
運動方向への軸形成が可能であるため、非理想的な運動
軸形態をとったままでもある程度の筋力を発揮すること
ができる。しかし、これらの関節が理想的な運動形態と
った状態で支持されるように支持力の足りない筋肉を緊
張させ、また、反対に支持力の強過ぎる筋肉を弛緩させ
れば、より理想的な運動姿勢を形成できることとなる。
ただし、脊椎に固定された骨盤が支持面となって運動が
行われる自由下肢帯である股関節とは異なり、自由上肢
帯での運動の中心になる肩関節の場合、肩甲骨および肩
関節の連動的な運動により、関節活動が形成されている
ため、前傾における僧帽筋の緊張は、肩甲骨を後上方に
引き、それに伴って肩甲骨の固定を促進させることとな
り、肩関節の円滑な運動を阻害する。
【0030】したがって、肩甲骨の固定を促進させてし
まう僧帽筋の緊張を取り除くことが円滑な運動を行う上
では肝要であり、そのためには、立腰状態で活動を促進
される筋肉(特に、大臀筋)の意識を高め、体幹と自由
上肢帯の独立した運動を形成できうるようなボディバラ
ンスや身体支持力が必要となる。
【0031】ここで僧帽筋について少し触れておくと、
僧帽筋は、広背筋と縦方向での拮抗的役割を脊柱を中心
の軸として行っており、簡単に言えば広背筋によって下
後方へと修正され、また制御されていると言える。日本
人や運動苦手者のように中心・支点となる起立筋・脊椎
の働きも悪く、また、そのボディーバランスを僧帽筋に
頼ってしまう者の場合、特に必要となる筋活動である
が、背中中央部より下側の筋肉と脊柱起立筋を発達させ
たり、意識的、または無意識・反射的に選択させその機
能を充分に使うためには自由上肢帯の部分だけでの運動
形態や過度の緊張状態を改善しなければならなくなり
(肩甲骨の固定状態によって腕のみを使った上肢の運動
となってしまうため)、前述したように姿勢そのものが
前傾状態にあり、この運動に必要な筋肉群に意識を持た
せ使いこなすことができない日本人や運動苦手者の場合
には大変に困難を究める筋肉活動と言える。
【0032】よって、上半身や自由上肢帯での運動を円
滑に行うためには、全身から見た下半身の位置矯正と補
正力が肝要となる。
【0033】このように、脊柱の運動を補正・矯正・強
化するためにも脊柱起立筋との連動運動活動を行う各臀
筋部などの働きを重視したものでなければならない。
【0034】理想的な運動姿勢を形成するにあたり、日
本人を含めた黄色人種や運動苦手者が、なぜ前傾位をと
るかについてもう少し考察する。
【0035】前半部分で説明したように、黄色人種が運
動・活動を行う場合、脊柱起立筋に対する運動および重
力への感受性が、上肢の運動筋である僧帽筋に対して低
くなることともう一点、臀筋部(特にこの場合大臀筋を
指しているのだが)、脊柱起立筋を支え、補助している
筋肉群の働きが悪いこととに起因して前傾しているもの
と思われる。なぜならば、バランスを採る上で脊柱起立
筋の緊張なくしては、上肢の運動そのものが成り立たな
くなるために前傾のポジションを採る事により背部全体
の筋肉群への筋緊張を促そうとしているためと考えられ
る(運動が苦手な者の場合も同様で、その運動および筋
肉活動は、そのほとんどが、重心固定のバランスと安定
を図るために使われる。)。
【0036】また、運動が苦手な者の場合も同様で、そ
の活動中、大きいモーションを採ることも少なく、した
がって、体幹部分の筋肉も鍛えられ難いという特徴があ
らわれる。しかも、運動の大半を下肢伸筋群に頼ってし
まう傾向が強くあらわれ(なぜならば、身体全体のバラ
ンスを採る上では、いつも、その行動を抑制し、かつ、
減速出来得る状態にしておかなければ立っていられな
い、バランスを崩すことにより、運動を続けられない状
態になるからである。)、これにより下肢部を構成して
いる伸筋群を絶えず緊張させておかなければならなくな
り、さらに強く前傾位を採らざるを得なくなる。
【0037】この場合、膝部周辺の単関節筋群と足関節
周辺の単関節筋群の手助けが最も必要となり(大腿の下
側の筋肉である大腿四頭筋中の下部三広筋の活動がこれ
に当たります。)、しかも、元来、このような状態に陥
っている人の場合、股関節を内旋、内転させることによ
り下肢部の一部である骨盤を使った方法で固定面を作り
出し、安定を図るように移行しようとしてくるので、大
腿三広筋の中でも特に内側広筋を種に主動筋として選択
するようになる(アンクルリフレクション)。ちなみに
この状態は、お年寄りの運動時に見られる状態に酷似し
ている。なぜならば、共に運動を行う上で、活動の程度
の違いこそあれども、その活動に充分な筋力を保有して
いないからに他ならない。したがって、運動軸そのもの
を前傾位に保っておいた方がその移動方法および筋肉活
動パターンを表現する上では、前記したように優位な状
態となり、よって前傾位を選択せざるを得なくなる。
【0038】したがって、この部分の筋肉を鍛えなが
ら、かつ、この部分だけに運動の主力軸を任せ過ぎない
ことにより、体幹そのものを後傾気味に正しい軸へと導
き、ヒップリフレクションを覚醒・促進させ、屈筋の活
動を促すことにより、理想の運動姿勢を形成することが
できる。また、これにより、伸筋のみの活動に頼るため
に起こり得る膝部などでの障害を取り除き、かつ、安定
した軸・筋活動を伴わせ、これによる副産物としてより
得る、運動能力の向上を図ることができる。通常の人
は、このように様々な運動阻害要因によって、前傾位を
とることを余儀無くされ運動が苦手となっている。つま
り、前傾位からの開放・矯正が理想の運動姿勢を形成し
て運動能力を向上させる上で、一番の要となる。 [刺激(筋肉へのアプローチ)]皮膚の表面を擦過する
と、皮膚の浅部の神経刺激を起こすことになり、その内
側の筋肉が刺激を受容し、緊張を起こすことは、マーガ
レットルード(MargaretRood )によって証明されてい
る。また、マーガレットルード等が提唱している(Stoc
kmeyer SA:An Interpretation of the Approa
ch of Rood tothe Treatment of Neuromuscula
r Dysfunction , In Bouman HD(ed):An Expl
oratory and Analytical Survey of Therapeuti
c Exercise:Northwestern University Special
Therapeutic Exercise Project. Baltimore , Th
e Williams & Wilkins Co,1966,pp 900-956
)皮膚分節や筋分節に相当した機能的皮膚領域(funct
ional skin area)や機能的皮膚領域が欠如している
場合では促通したい筋肉の皮膚・筋腹上等に、軽擦や圧
迫、バイブレーションや温寒熱刺激等を直接適用すると
起こる" 痛みの軽減"や" 筋紡錘の感受性の増大" 、"
発汗の減少" 等などの事象(Stockmeyer SA:Procedur
es for improvement of motor control ,Unpu
blished notes from Boston University,PT710
,1978)が起こる。また、これらを踏まえた上で、皮
膚刺激を通して得られる効果である" 筋肉の緊張や弛
緩" 、" 血行の促進" や" 反射の習得・強化" 等を利用
し、また、この刺激を使ったアプローチと組み合わせに
よって、所望の筋肉を刺激することで、身体の各部位の
相対位置を知覚している固有感覚を変え、理想の運動姿
勢へ導くことは理論上可能である。
【0039】この場合の刺激は、皮膚の受容器が認識で
きる程度の刺激であれば良い。このような刺激の種類と
しては、温熱的刺激、機械的刺激、電気的刺激、化学的
刺激などが挙げられる。知覚受容器としては、マイスネ
ル小体、マーケル触盤、パチニ小体、ルフィニ終末、ク
ラウゼ終棍、自由神経終末、などが挙げられる。この刺
激の範囲としては、緊張を起こす筋肉によって異なる
が、約4cm2 程度の面積以下の点刺激的な範囲であれ
ばよい。刺激を加える位置としては、緊張を起こそうと
する筋肉の起始停止範囲内の皮膚表面の位置であれば、
特に限定されるものではないが、その筋肉のモーターポ
イント近傍に相当する皮膚表面が最も好ましい。この刺
激は、一箇所であってもよいし、二箇所以上の複数箇所
であってもよい。皮膚表面に刺激を加えると、最も簡単
な反射弓である受容器、求心性ニューロン、遠心性ニュ
ーロン、効果器(この場合、筋肉)という興奮伝達が起
こり、脊髄反射を利用した筋活動が起きる。この場合の
反射活動は、伸張反射と、屈筋反射との二つに分類され
るが、全身性の運動を見た場合、この反射活動だけで
は、運動表現するには足りず、脳幹が加わる姿勢反射、
小脳が関与する平衡反射などをも利用した反射活動が必
要となる。そのため、本発明では、多方向からの皮膚受
容器の刺激とその多岐にわたる刺激方法とにより、身体
の所望の部位に反射を形成して理想の運動姿勢を作り上
げる。この運動姿勢で運動を繰り返し行わせることによ
り、錘体外路系の運動活動を強調化させ、無意識のうち
に理想の姿勢反射、平衡反射を覚醒させ、無意識的に少
ない努力で、正確に速い運動ができるような性質の活動
(たくみな運動)を引き出すことができる。
【0040】浅部の筋肉を緊張させる場合、その筋肉と
皮膚表面との間には、他の筋肉が介在していないので、
所望の筋肉だけに刺激を加えることができる。しかし、
深部の筋肉を緊張させる場合、その筋肉と皮膚表面との
間には、他の筋肉が介在する。が、例えば、皮膚の表面
上の任意の点刺激を与えた場合、受け得る刺激は、浅部
の筋肉にのみ影響を与えるとされるが、浅層部の筋肉の
みによって運動が表現されていることは無く、その深層
部の筋肉との連動によって運動コントロールされている
以上、皮膚表面からによる浅部の筋肉への刺激でも深部
の筋肉を協調的に刺激することは可能である。
【0041】具体的な温熱的刺激としては、冷感、温感
などが挙げられる。この温熱的刺激を加える方法として
は、例えば、ブレスサーモ(ミズノ社製 吸放湿発熱性
繊維)を皮膚に当接して温感により神経的興奮を高める
方法、金属を皮膚に当接して冷感により神経的興奮を高
める方法、刺激部分にメッシュ素材を用いて空冷による
冷感により神経的興奮を高める方法、コールドスプレー
や氷を皮膚に当接して直接冷却して冷感により神経的興
奮を高める方法、使い捨てのカイロやお灸を皮膚に当接
して温感により神経的興奮を高める方法、使い捨ての冷
却シートや保冷材を皮膚に当接して冷感により神経的興
奮を高める方法、などが挙げられる。ただし、この場
合、一定の温度状況下におかれることが条件であり、外
気温等によって干渉を受ける場合この限りではなく、例
えば、寒冷地における冷的刺激よりも温刺激、また、温
暖地での温刺激よりも冷刺激といった刺激入力の方が必
要とされる場合もある。なぜならば、これら諸々の条件
により、人の受容器が関知できる刺激範囲は変動を起こ
し、正しく刺激として認知されない場合もあるからであ
る(中立点(tonus )の可変と呼ばれている現象)。
【0042】また、温熱及び冷寒刺激を筋肉強化中に適
用すると、筋力強化の効果が遅れてしまう(Chastain
P:The effect of deep heat on isometric strength.Ph
ys Ther 58:543-546,1978 Oliver RA,Jhonson DJ:The
effect of cold water on post treatment leg strengt
h.Phys Sports Med,November 1976 Oliver RA,Johnso
n DJ,Wheelhouse WW,et al:Isometric muscle contract
ion response during recovery from reduced intarmus
cular temperature.Arch Phys Med Rehabilitation 60:
126-129,1979)、ということもある。また、体温に近い
不感温感では、筋肉へのリラクゼーション的効果があ
り、痛みなどに対して鎮静の効果が働く。また、温熱・
冷寒に代表される熱による刺激は、筋肉のスパズムや痙
攣を減少させ、痛みや腫脹の緩和に効果があることも解
っている(Rood M :The use ofsensory recept
ors to activate,facilitate,and inhibitmotor
response,autonomic and somatic ,in develo
pmental sequence.In Sattely C (ed):Approa
ches to the Treatment of Patients with Neur
omuscular Dysfunction.DuBuque ,IA,WMC Brown
,1962)。したがって、これらを使った皮膚への刺激
入力方法では、それらの理由によって、リラクゼーショ
ンもしくは、筋肉の緊張緩和・鎮痛的効果を狙った種類
の刺激にしか、適用することが出来ないことになるの
で、配慮が必要になる。
【0043】具体的な物理・機械的刺激としては、摩
擦、打撃、振動などが挙げられる。この物理・機械的刺
激を加える方法としては、バイブレーターを皮膚表面に
当接して神経的興奮を高める方法、起毛や圧着したシリ
コン突起を皮膚表面に当接して神経興奮を高める方法、
金属などで作り出した尖端突起を皮膚表面に当接して神
経興奮を高める方法、絆創膏などの自着材を皮膚表面に
当接して神経興奮を高める方法、粗性繊維を皮膚表面に
当接して神経興奮を高める方法などが挙げられる。この
場合にも、先に挙げた中立点(tonus )の可変が起き得
る可能性がある。例えば、振動性刺激を受けるような運
動(テニスなどの打撃的スポーツ等)における自由上肢
体に対する振動性刺激入力もこれに当たる。
【0044】具体的な電気的刺激としては、低周波、高
周波、磁性性刺激などが挙げられる。この電気的刺激を
加える方法としては、局所電極刺激法、磁性金属を皮膚
に当接する方法などが挙げられる。
【0045】具体的な化学的刺激としては、化学物質を
触れた時に感じる刺激などが挙げられる。この化学的刺
激を加える方法としては、アルコールやユーカリ油など
の揮発性の化学物質を皮膚に塗った場合や、カプサイシ
ンや柑橘系エキス(酸類)が配合されたいわゆるウォー
ムアップ用クリームを皮膚に塗った場合などが挙げられ
る。ただし、化学的刺激を加える場合、皮膚を破壊する
ような痛覚にならないようにすることが好ましい。
【0046】また、上記した刺激は、二種類以上を組み
合わせるものであってもよい。例えば、図3(a)に示
すように、直径2cm程度の円形状に剥がすことができ
るように構成された絆創膏などの自着材11の接着面
に、化学的刺激を加えることができる有効成分12が塗
布されたような刺激部材1によって、物理・機械的刺激
と化学的刺激とを加えるようになされたものであっても
よいし、図3(b)に示すように、このような自着材1
1の接着面に、磁性金属13が設けられたような刺激部
材1によって、物理・機械的刺激と電気的刺激とを加え
るようになされたものであってもよい。
【0047】表4ないし表7は、理想から外れた運動姿
勢(前傾位)と、比較的理想的であるが若干の改善が必
要な運動姿勢(後傾位)において、抗重力的作用を伴う
運動からみた筋緊張が強い筋肉および弱い筋肉に、それ
ぞれ刺激を加えた場合のメリットとデメリットとを示し
ている。また、図4ないし図15は、表4ないし表7に
おいて例示されている刺激を加える筋肉の位置を説明し
ている。
【0048】表4および表6に示すように、例えば、前
傾位の運動姿勢において、抗重力的作用を伴う運動から
みた筋緊張の弱い多関節筋に、この刺激を加えた場合、
大半は、この多関節筋の意識が高まり、筋緊張が強まる
こととなるので、運動姿勢(体幹軸)の補正・矯正を図
ることができる。また、前傾位の運動姿勢において、抗
重力的作用を伴う運動から見た筋緊張の弱い単関節筋
に、この刺激を加えた場合、大半は、この単関節筋の意
識が高まり、筋緊張が強まることとなるので、関節運動
軸の補正・矯正を図ることができる。
【0049】しかし、前傾位の運動姿勢において、抗重
力的作用を伴う運動からみた筋緊張の強い多関節筋に、
この刺激を加えた場合、大半は、その筋緊張がより明確
になってしまうことで、理想から外れた運動姿勢をより
強化して運動能力の低下を招いてしまうので注意しなけ
ればならない。また、前傾位の運動姿勢において、抗重
力的作用を伴う運動からみた筋緊張の強い単関節筋に、
この刺激を加えた場合、大半は、その筋緊張がより明確
になってしまうことで、理想から外れた姿勢のまま関節
支持力をより強化してしまうので注意しなければならな
い。
【0050】また、表5および表7に示すように、後傾
位の運動姿勢において、抗重力的作用を伴う運動からみ
た筋緊張の強い多関節筋に、この刺激を加えた場合、大
半は、その筋緊張がより明確になり、運動能力の向上・
助長を図ることができる。また、後傾位の運動姿勢にお
いて、抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊張の強い単
関節筋に、この刺激を加えた場合、大半は、その筋緊張
がより明確になり、関節支持力の向上・助長を図ること
ができる。
【0051】しかし、後傾位の運動姿勢において、抗重
力的作用を伴う運動からみた筋緊張の弱い多関節筋に、
この刺激を加えた場合、大半は、その多関節筋に筋緊張
が生まれることとなり、運動姿勢を崩して運動能力の低
下を招いてしまう可能性があるので注意しなければなら
ない。また、後傾位の運動姿勢において、抗重力的作用
を伴う運動からみた筋緊張の弱い単関節筋に、この刺激
を加えた場合も、大半は、その単関節筋に筋緊張が生ま
れることとなり、理想から外れた姿勢のまま関節支持力
をより強化してしまう可能性があるので注意しなければ
ならない。
【0052】なお、表4ないし表7に示すように、多関
節、単関節の筋肉の活動には、刺激強調する度合いや場
所に応じてメリットとデメリットが生じることがある。
なぜならば、関節運動とは、主動および拮抗筋での協調
的バランスによって生じるものであり、どちらか片側だ
けの筋の過剰な緊張は、このバランスを歪め、結果とし
て運動能力を阻害してしまうからである。よって、刺激
を加える場合は、対象となる人における運動能力や前・
後傾に代表される運動姿勢を考慮に入れ、全体の調和を
図らなければならない。その方法としては、前述したヒ
ップリフレクションによる運動姿勢へと導くことが最も
良く、また、その姿勢での運動活動を強化するものでな
ければならない。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】また、表4および表5において、伸筋と
は、重力に抗する力を持ち、関節を伸展位へと導く、多
関節筋および単関節筋を示す。また、屈筋とは、重力に
対し、関節を屈曲位へと導く、多関節筋および単関節筋
を示す。表6および表7において、内旋とは、肩および
股関節等の回転軸運動において、体幹に対して内向きに
働く軸運動を示し、外旋とは、肩および股関節等の回転
軸運動において、体幹に対して外向きに働く軸運動を示
す。
【0058】ただし、これらの刺激による作用力には、
30秒間の潜伏期間があること、刺激を30〜40分位まで行
う必要性がある(Rood M :The use of sensory
receptors to active,facilitate,and inhibi
t motor response,autonomic and somatic ,
in developmental sequence.In Sattely C (e
d):Approaches to the Treatment of Patient
s with Neuromuscular Dysfunction.DuBuque,IA ,W
M C Brown ,1962)としている為、持続的な刺激入
力が必要となる。しかも、人間の反射的活動は、継続し
て起きる運動状態を16秒間以上継続して行わせなけれ
ば、習得には至らない(伊藤正男:ニューロンの生理
学、岩波書店、東京、1976)。また、人間の皮膚等の感
覚受容力は、これらの刺激にすぐに対応・適応してしま
う(Spicer SD, Matyas TA:Facilitation of the
TVR by cutaneous stimulation. AMJ Phys Med
59:223 −231,1980 Spicer SD, Matyas TA:Fa
cilitation of the TVR by cutaneous stimulatio
n in hemiplegics AMJ Phys Med 59 :280 −287,
1981)ので、この問題点を解決するためには、刺激入力
位置は、目的とする筋肉の機能的皮膚領域、或は、筋腹
上に適用すること(Rood M :The use of sensor
y receptors to activate,facilitate,and in
hibitmotor response,autonomic and somatic ,
in developmental sequence.In Sattely C (e
d):Approaches to the Treatment of Patient
s with Neuromuscular Dysfunction.DuBuque ,I
A,WMC Brown ,1962)が必要であり、その上で、 1.刺激入力点が、絶えず位置変化すること。 2.刺激入力方法が、絶えず変化すること。 3.刺激入力情報(刺激強度の変化等)が、絶えず変化す
ること。 4.刺激入力時間が、絶えず断続的に変化し続けること。 等の上記4項目のうち、最低1項目の刺激入力方法を満
たしているものが好ましい。
【0059】このような要件を満たすものとしては、例
えば、図16に示すように、内部が中空1aとなされ、
その中空1aの部分に球体などの転跳物1bが設けら
れ、その外部には、皮膚3などに貼着可能な粘着剤1c
が設けて構成された刺激部材1であってもよい。この刺
激部材1によると、皮膚3に貼着した状態で日常生活を
行うと、人間の動きに応じて転跳物1bが中空1a部内
の不特定の位置に不規則的に衝突して多種多様な振動を
起こすこととなるので、人間の皮膚3の感覚受容力が作
用し難い状況をつくり出すことができる。同様な刺激部
材1としては、図17に示すように、皮膚3に貼着可能
な粘着剤が設けられた基材1dの表面に毛状体1eが設
けられたもの、図18に示すように、基材1dの表面に
バネ体1fが設けられたもの、図19に示すように、基
材1dの表面に突起物1gが設けられたもの、図20に
示すように、基材1dの表面に風力抵抗物1hが設けら
れたもの、図21に示すように、基材1dの表面に紐体
1iが設けられ、その先端に重り1jが設けられたも
の、図22に示すように、基材1dの表面にウォーター
バック状の流動体1kが設けられたもの、図23に示す
ように、基材1dの表面に、周波数が多種多様に変化す
る電気的刺激物1mが設けられたものなどが挙げられ
る。図17に示すように、毛状体1eを設けた刺激部材
1の場合、毛状体1eは、人間の動きや風等で不規則的
に揺れることとなり、皮膚3の表面を多種多様に擦過す
ることとなる。図18に示すように、バネ体1fを設け
た刺激部材1の場合、バネ体1fは、人間の動きに応じ
て不規則的に伸縮して多種多様に基材1dの接着面を引
っ張ることとなる。図19に示すように、突起物1gを
設けた刺激部材1の場合、突起物1gは、人間の着用し
ている衣類2に不規則的に衝突し、皮膚3を直接刺激し
たり基材1dの接着面を引っ張ることとなる。図20に
示すように、風力抵抗物1hが設けられた刺激部材1の
場合、風力抵抗物1hは、風などで不規則的に揺れるこ
ととなり、多種多様に基材1dの接着面を引っ張ること
となる。図21に示すように、紐1iの先端に重り1j
を設けた刺激部材1の場合、重り1jは、人間の動きに
応じて基材1d周辺の不特定の位置に不規則的に衝突し
て皮膚3の表面に多種多様に刺激を与えることとなる。
図22に示すように、流動体1kが設けられた刺激部材
1の場合、人間の動きに応じて流動体1kが不規則的に
流動することにより、多種多様に基材1dの接着面を引
っ張ることとなる。図23に示すように、電気刺激物1
mが設けられた刺激部材1の場合、電気刺激物1mは、
周波数が多種多様に変化することで、皮膚3に多種多様
の刺激を加えることができることとなる。
【0060】上記したように人間の皮膚3に直接設ける
ようになされた刺激部材1以外に、このような刺激部材
1は、衣類に設けるようにしてもよい。 [衣類]上記刺激は、衣類の一部分に、着用状態で、上
記点刺激を人体に与えることができるような刺激部とし
て形成することができる。
【0061】この場合、衣類としては、刺激部によっ
て、皮膚の浅部の神経刺激を起こすことができるように
なされたものであれば、特にその形態を限定されるもの
ではなく、例えば、衣類が皮膚に密着するようになされ
た、スポーツインナー、タイツ、スパッツ、スイムウェ
ア、スポーツブラ、ハイソックス、レッグウォーマー、
ニーウォーマー、スイムキャップ、ストッキング、一般
肌着、腹巻などが挙げられる。ただし、これらの衣類に
縫合部分があるような場合、この縫合部分から、皮膚の
浅部の神経刺激を起こさないように考慮することが好ま
しい。このような考慮がされた衣類としては、例えば、
自動丸編機(例えば、イタリアのサントニ社製の成形丸
編機 商品名:SM8)によって全体を身体形状に合致
する筒状に編み上げて縫合部分をできるだけ少なくする
ようにしたものや、縫合を必要とする部分の生地と生地
との間に、例えば、スラックスの裾上げ等に用いられる
熱溶融性のポリウレタン系フィルム等を挟み、熱で溶か
して融着させるホットメルト接着仕様の縫合部分にした
ものや、高周波ミシンによる誘導加熱によって生地の端
と端とを融着させる縫合部分にしたものなどが挙げられ
る。また、このような縫合部分からの刺激を取り除いた
としても、刺激部による刺激を強調する上では、衣料品
自体が皮膚に接した際の全体的な刺激を、できるだけ小
さくすることが好ましい。
【0062】さらに、衣類は、効果的に人体に上記点刺
激を加えるという意味からは、皮膚に密着するようにな
されたものであることが好ましいが、例えばTシャツな
どのように、動作の中で皮膚に接し、その際、刺激部
が、皮膚の浅部の神経刺激を起こすようになされたもの
であってもよい。
【0063】衣類を形成するベースとなる生地について
は、使用する糸としては、合成繊維(ポリエステル、ナ
イロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリウレタンな
ど)や半合成繊維(ジアセテート、トリアセテートな
ど)および、再生繊維(レーヨン、ポリノジックなど)
等からなる化学繊維であってもよく、動物繊維(ウー
ル、絹など)や植物繊維(綿、麻など)等からなる天然
繊維であってもよく、あるいは、これらの組み合わせで
あってもよい。
【0064】特に、スポーツを意識した衣類の場合は、
ポリエステル糸の断面を異型にして吸水性を持たせ、汗
処理性を高めたものや、糸の芯部を中空にして軽量性を
付与したものや、ポリウレタン糸との組み合わせでスト
レッチ性を持たせたものが好ましい。
【0065】生地の作成方法については、ループを形成
してなるニット緯編み(丸編み、横編み)や経編み(ト
リコット、ラッシェルなど)や、経糸と緯糸からなる織
り、あるいは繊維を集合して形成する不織布などでも良
い。
【0066】このような衣類に形成する刺激部として
は、衣類と同等の耐久性を備え、反復利用可能なもので
あることが好ましい。このような刺激部のうち、請求項
6記載の突起物による刺激としては、例えば、衣類の皮
膚に接する肌面側の刺激部の位置だけ、シリコンなどの
樹脂による凸部を印刷形成したり、リベットのような金
具を設けたりするといったものであってもよい。
【0067】また、図24に示すように、ループテープ
とフックテープとによって構成される面テープのうちの
フックテープによって両面が形成された4cm2 程度の
刺激部材1を用意し、この刺激部材1の片面14を、衣
類2を構成する布地20の皮膚3に接する肌面側の所望
の位置に貼り付けることによって、衣類2に刺激部21
を形成するものであってもよい。この場合、刺激部材1
の他面15で皮膚3の表面を刺激することができる。さ
らに、図25に示すように、ピンバッチと同様の着脱構
造で構成されたピン本体16とピン受け17とからなる
刺激部材1を用意し、この刺激部材1のピン本体16と
ピン受け17とで、衣類2を構成する布地20を挟んで
固定することで、衣類2に点刺激部21を形成するもの
であってもよい。この場合、この刺激部材1によって、
皮膚3の表面を刺激することができる。
【0068】しかも、このような衣類2に形成した刺激
部21による刺激の場合、前記した皮膚3に直接貼着す
る刺激部材1の場合のように人間の動きに追従するよう
なことにならず、人間の動きに対して目的の刺激位置を
守りながら適度にズレを起こすこととなる。これによ
り、目的位置で不規則的な刺激入力をし続ける事が可能
で、刺激に対する順応や慣れと言ったものが起き難い状
況を作り出すことができる。したがって、このような衣
類2の場合、皮膚3に直接貼着する刺激部材1の場合の
ように、人間の皮膚3の感覚受容力が作用し難い工夫を
積極的にする必要は無いが、そのような工夫を取り入れ
ることは、より好ましい。例えば、図26は、このよう
な工夫を取り入れた衣類2に形成した点刺激部21を示
している。この刺激部21を構成する刺激部材1は、中
空1aの部分に球体などの転跳物1bが設けられたピン
本体16とピン受け17とによって構成されており、衣
類2を構成する布地20を挟んで固定することで、所望
の位置に点刺激部21を形成するようになされている。
この衣類2によると、衣類2自体が活動の中で人間の動
きに対して目的の刺激位置を守りながら適度にズレを起
こして刺激に対する順応や慣れと言ったものが起き難い
状況を作り出すとともに、刺激部21自体も、人間の動
きに応じて転跳物1bが中空1a部内の不特定の位置に
不規則的に衝突して多種多様な振動を起こすこととな
る。したがって、この衣類2を着用した場合、人間の皮
膚3の感覚受容力が、より一層作用し難い状況をつくり
出すことができる。
【0069】請求項8の後加工により生地内面を突起状
に形成したものによる刺激としては、編み織り等により
生地を形成後、例えば、凹状柄を彫り込んだロ−ルによ
り、熱と圧力で生地肌面に凸状の柄を形成させる所謂エ
ンボス加工と言われる手法を用いる方法がある。また、
生地組織形成後、その部位のみを起毛加工することでそ
の部位を毛羽起たせ刺激を持たせる方法などもある。
【0070】請求項9の温冷感による刺激としては、衣
類の皮膚に接する肌面側の刺激部に、例えば、吸放湿発
熱性アクリレ−ト系繊維を、衣服の生地組織の皮膚面に
織り、あるいは編み込んだり、この繊維を用いた生地
(ミズノ社製、商品名" ブレスサ−モ" 等)をこの刺激
部に、縫合あるいは接着するなどして温感により神経的
興奮を高める方法や、熱伝導性の高い繊維(エチレンビ
ニ−ルアルコ- ル繊維など)を同様に、衣服の生地組織
の皮膚面に織り或いは編み込んだり、この繊維を用いた
生地(ミズノ社製、商品名" アイスタッチ" 等)をこの
刺激部に、縫合或いは接着するなどして冷感により神経
的興奮を高める方法がある。また、保水しやすい繊維
(天然繊維の" 綿繊維" や、高吸水性ポリマ−繊維な
ど)を、この刺激部の皮膚に接する部分に用いること
で、運動による汗を吸水し、この水分により冷感刺激を
与えることが可能となる。さらに、刺激部分をメッシュ
調の生地組織にすることで、皮膚を外気にさらすこと
で、空冷による冷刺激として有効である。
【0071】請求項10の刺激のある生地組織として
は、生地刺激部の形状を凸状にし皮膚面へ当てるという
方法として、刺激の必要な部位に生地組織がパイル調
(擬似パイル、ボアなども含む)の生地を用いたり、ニ
ット生地の丸編みによる浮き編みやボス糸の添え編みに
より刺激部を形成したり、また、織物では、二重織り組
織の生地を刺激部に用いる方法などが挙げられる。
【0072】請求項11の刺激のある異種繊維の組み合
わせとしては、合成繊維の中では、同じ太さの糸でもフ
ィラメント数の高い糸をベース部分に使用し、フィラメ
ント数の低い糸を刺激部に使用した組み合わせや、同じ
太さで同じフィラメント数でも弾性率の低い繊維をベー
ス部分に使用し、弾性率の高い繊維を刺激部に使用した
組み合わせ、フィラメント繊維を刺激部に使用し、それ
を短くカットしたステ−プル繊維をベース部分に使用し
た組み合わせ、紡糸したままの生糸をベース部分に使用
し、それに仮より加工を施した繊維を刺激部に使用した
組み合わせ、また、天然繊維でもウ−ルのように皮膚刺
激の強い繊維と通常それよりは弱い繊維(綿など)との
組み合わせ、風合いの異なる合成繊維と天然繊維との組
み合わせなどが挙げられる。さらに糸に撚りを加えた意
匠撚糸(ファンシ−ヤーン)など、皮膚への刺激性の高
い糸を面刺激したい部位に用いることも有効である。
【0073】図27は、ロングジョンタイプの男性用の
水着2aであって、脊柱起立筋、下後鋸筋部、腹筋下
部、大臀筋部、大腿内転筋群部、大腿二頭筋部、大腿四
頭筋内側広筋部、前脛骨筋のそれぞれのモーターポイン
トに相当する位置に刺激部21が形成されている。この
水着2aは、ポリエステル糸44dtex/ 36f とポリウ
レタン弾性糸56dtexを使用し、ハーフトリコット編み
により編みたてし、ポリエステル糸80%、ポリウレタ
ン糸20%の混率によって構成されている。また、刺激
部21は、シリコン樹脂による凸部を印刷形成すること
によって構成されている。この水着2aの縫合を必要と
する部分は、熱溶融性のポリウレタン系フィルムを生地
と生地との間に挟み、熱と圧力で溶かして融着させるホ
ットメルト接着仕様である。この水着2aは、腹筋下部
に設けた刺激部21によって骨盤の前傾状態を修正する
とともに、これを受けて大臀筋部に設けた刺激部21
は、連動的作用を起こし(腹筋下部が収縮を起こすと骨
盤が立腰状態へと導かれるので、それにより大臀筋部の
緊張が起きるという筋活動)、また、これを受け、脊柱
起立筋は、緊張を起こすとともに(大臀筋部の緊張は、
脊柱起立筋(体幹伸展筋)の緊張が起き、刺激後活性化
するという筋活動)、体幹の伸展活動を行う。この刺激
により、脊柱起立筋と下後鋸筋に設けた刺激部21は、
連動を起こし、より安定した体幹の伸展活動を起こす。
これら、三点の刺激で体幹のバランス力および支持力が
向上する。よって、より効率の良い運動姿勢が実現され
る。これを泳状態として見るならば、平泳ぎやクロール
に代表される体全体をできる限り水面へと出し、水のか
かる抵抗(接水面が増えるほど抵抗は大きくなる)を極
力減らすために、体幹の伸展活動により水などの抵抗か
ら見た運動効率が最も良くなる状態(接水部分が極力低
下する位置)へと導くこととなる。また、体幹の横への
動揺も抑えられるため、上記のような理由により、運動
効率が向上する。しかも、運動効率から見て無駄の無い
正しい軸回転運動(体幹軸運動など)から起きる推進力
への転換の筋肉活動をも向上させることができる。これ
ら上記の三点により作られる支持軸の影響を受け(股関
節を運動の中心とした力点・支点・作用点が明確となる
ため)、大腿二頭筋の筋刺激を起こす点は、股関節の伸
展活動を向上させ得るヒップリフレクションへと導く。
これにより、泳状態では、キックにより作り出される推
進力向上へと変換されることとなる。大腿内転筋部への
点刺激は、足の左右へ起きる外転活動をコントロール
し、足への水の抵抗をも軽減させることができる。大腿
四頭筋内側広筋部への点刺激は、膝の伸展活動を促進さ
せ、キック時における膝の過度な屈曲をコントロール
し、円滑なキックによる推進力を作り出すこととなる。
前脛骨筋部への刺激は、下腿部後面の伸筋群への拮抗的
コントロールとして働き、過度な足関節部での伸展活動
を抑制し、上記のような円滑な運動を形成することとな
る。
【0074】図28は、ハイウエストに形成された下着
2bであって、脊柱起立筋、下後鋸筋、腹筋下部、大臀
筋部のそれぞれのモーターポイントに相当する位置に刺
激部21が形成されている。この下着2bは、綿糸40/1
とポリウレタン糸22dtex を使用し、平編み(プレ−ン
編み)によって編まれ、綿糸90%、ポリウレタン糸10%
の混率によって構成されている。また、刺激部21は、
面テ−プのフックテ−プによって構成されている。この
下着2bは、腹筋下部に設けた刺激部21によって骨盤
の前傾状態を修正するとともに、これを受けて大臀筋部
に設けた刺激部21は、連動的作用を起こし(腹筋下部
が収縮を起こすと骨盤が立腰状態へと導かれるので、そ
れにより大臀筋部の緊張が起きるという筋活動)、ま
た、これを受け、脊柱起立筋は、緊張を起こすとともに
(大臀筋部の緊張は、脊柱起立筋(体幹伸展筋)の緊張
が起き、刺激後活性化するという筋活動)、体幹の伸展
活動を行う。この刺激により、脊柱起立筋と下後鋸筋に
設けた刺激部21は、連動を起こし、より安定した体幹
の伸展活動を起こす。これら、三点の刺激で体幹のバラ
ンス力および支持力が向上する。よって、より効率の良
い運動姿勢が実現される。
【0075】図29は、運動用のタイツ2cであって、
腹筋下部、大臀筋部、大腿二頭筋部、大腿内転筋群部、
前脛骨筋部のそれぞれのモーターポイントに相当する位
置に刺激部21が形成されている。このタイツ2cは、
太さ78dtex/ 48f のナイロン糸を引き揃えた糸と、
太さ44dtexのポリウレタン弾性糸の周りに太さ56dt
ex/ 48f のナイロン糸をシングルカバーリングした糸
を使用し平編み(プレーン編み)によって編まれてい
る。また、刺激部21は、太さの78dtex/ 36f ポリ
エステル糸をボス糸として添え編みして突状の組織によ
って構成している。このタイツ2cは、腹筋下部に設け
た刺激部21によって骨盤の前傾状態を修正するととも
に、これを受けて大臀筋部に設けた刺激部21は、連動
的作用を起こし(腹筋下部が収縮を起こすと骨盤が立腰
状態へと導かれるので、それにより大臀筋部の緊張が起
きるという筋活動)、また、これを受け、脊柱起立筋
は、緊張を起こすとともに(大臀筋部の緊張は、脊柱起
立筋(体幹伸展筋)の緊張が起き、刺激後活性化すると
いう筋活動)、体幹の伸展活動を行う。また、この点
は、脊柱筋群へと連動を起こし、より安定した体幹の伸
展活動を起こす。これら、二点の刺激で体幹のバランス
力および支持力が向上する。よって、より効率の良い運
動姿勢が実現される。上記の体幹の支持面の影響を受け
(股関節を運動の中心とした力点・支点・作用点が明確
となるため)、大腿二頭筋を緊張させる刺激部21は、
股関節の伸展活動を向上させ得るヒップリフレクション
へと導く。大腿内転筋群部への刺激は、運動支持力を向
上させ、遠心的筋活動を補助強調させる軸(ヒップリフ
レクション状態を安定させる軸)を形成することによ
り、より効率の良い軸回転運動へと導く。前脛骨筋部へ
の刺激は、下腿伸筋群部への拮抗的コントロールを担
い、走状態で要求されるトウアップに代表される足底全
体による着地状態(母指部、小指部、踵部による三点着
地)を安定的に作り出し、下腿部伸筋群により作り出さ
れる地面に対する抗力を極力減少させることにより、推
進力を向上させる。
【0076】図30は、ハイソックス2dであって、前
脛骨筋、第三腓骨筋、短趾屈筋および母趾内転筋、のそ
れぞれのモーターポイントに相当する位置に刺激部21
が形成されている。このハイソックス2dは、綿とアク
リルの混紡糸の太さ綿番手32/1と、ポリウレタン弾
性糸22dtexとナイロン糸78dtex/ 48f とを撚り合
わせたFTY糸を使用し平編み(プレ−ン編み)によっ
て構成されている。また、刺激部21は、シリコン樹脂
による凸部を印刷形成によって構成されている。このハ
イソックス2dは、前脛骨筋部に設けた刺激部21によ
って、下腿後面(腓腹筋)の拮抗筋として働くように促
し、強い協調力を生み出す。これにより、下腿後面(腓
腹筋)の筋緊張は緩和され、緊張によって起きる下腿後
面筋群の障害を減少させる。また、第三腓骨筋部に設け
た刺激部21によって、前脛骨筋部による筋活動の一つ
である足関節部内反運動に対しての拮抗筋として働くよ
うに筋肉の緊張および強い協調力を作らせる。この二つ
の筋肉の活動により、足関節は、左右横軸方向の安定を
強くし、かつ、円滑な足関節部における底屈(伸筋群活
動)を起こさせることができる。これにより、上記に述
べたように、下腿部を構成する筋肉の障害は、軽減され
ることとなる。また、この刺激により、筋肉および固有
神経の疲労による足関節部における運動伝達障害も遅延
させることができ、より長い時間でも安全な運動状態を
維持することができるようになる。短趾屈筋および母趾
内転筋に設けた刺激部21によって、常日頃靴や靴下の
ように足尖部を筒状に被覆することによって起きる足本
来の動きである足指部での運動(開帳(離開位)および
閉合位運動)の阻害が軽減され、円滑に足尖部の運動が
起きることとなる。これは、例えば、足尖部を開帳する
ことによって起きる足尖ピボット運動を円滑に行うこと
ができる。また、閉合位状態では、地べた等の運動支持
面に対する把握感が増し、運動路面不整などによる足場
の確保が難しい場合に、足裏部の感覚が増し、より不安
定な運動基底面でも敏感で安定的な支持面(足底部)を
作り出すことができるようになる。
【0077】先に述べたように、刺激後、" 筋紡錘の感
受性が高まっている状態" であれば、より運動効率の良
い活動ができる。また、本発明での刺激入力は、入力
後、2次的に起き得るリアクション的現象の一部となる
筋肉に対する血流量の増加や促進、柔軟性の向上、筋肉
の巧緻性向上等が起きる。また、これらは、筋肉の弛緩
や支持によって起き得る事象ではなく、筋肉活動促進・
促通によって起きる筋肉運動量増加による発熱や運動筋
の神経的感受性向上・反射等によるものであり、従来か
らある様々なサポート的効果を含む装具の運動抑制性効
果よりも運動効率の良い活動である促通性効果の方が大
きく働くものとなり、運動神経群に対する刺激割合や効
果も促通的活動方向に変化することとなり、高いボディ
ーバランスや身体支持力を得ることができ、運動効果を
最大限に引き出すことができる。
【0078】したがって、競技選手の場合、怪我をする
ことなく、理想の姿勢で効率の良いトレーニングを行う
ことができ、しかも、競技では、運動力の無駄を無くし
て優れた成績を納めることができることとなる。また、
体幹の伸展機能の向上に伴って緊張が緩和され、体幹の
柔軟性や呼吸機能が向上するので、メンタル面での能力
が向上し、競技本番で充分な能力を発揮できる身体にす
ることができる。
【0079】また、一般に運動をしている人の場合、短
期間で、怪我をしない運動に好適な理想の姿勢を作り上
げることができ、運動能力の向上、日常生活における姿
勢の矯正、身体プロポーションの向上などを図ることが
できる。特に、身体プロポーションに関しては、これら
の衣類を着用して運動を行うことにより、猫背、出っ
尻、太い太股、太いふくらはぎなどを、骨格および筋肉
から根本的に作り替えることができることとなる。
【0080】さらに、高齢者に対するリハビリ的運動へ
もこれらの機能の効果により、より安全でより効果的な
運動形態へと昇華させることができる。例えば、膝関節
変形症による膝部外反(がに股)、脊柱変形症より起こ
る前傾位(凸背)の抑制・脊柱の機能向上、また前傾姿
勢による前足部への負担を軽減し、外反母指等の足への
障害をも軽減させることができる。また、転倒等の事故
は、体幹の筋力低下およびバランス能力の低下によって
誘発されるものであり、怪我への確率が軽減されること
となる。
【0081】
【発明の実施の形態】−実施例1、2− 図31および図32に示すように、刺激部21を有する
二種類のタイツ2e、2fを作成した。
【0082】タイツ2e、2fの作成には、シリンダー
径7インチ、26ゲージのイタリアのサントニ社製の成
形丸編機(商品名 マテックHF70)を使用し、図3
3に示すように、身体へのフィット製を良くするため
に、周り方向の編み機の針数をA部、B部、C部の各部
位によって、それぞれ572針(全針)、429針(全
針×3/4)、286針(全針×1/2)の3段階に変
えて作成した。編み組織は基本的に平編み(プレーン編
み)である。さらに、刺激部21の編み組織を図34に
示している。図33(b)ないし(d)および図34に
おいて、左右にウェール方向、上下にコース方向とす
る。○はニット(ループを形成する)、×はミス(ルー
プを形成しない)を示している。
【0083】このタイツ2e、2fは、全体を、太さ7
8dtex/ 48f のナイロン糸を引き揃えた糸と、太さ4
4dtexのポリウレタン弾性糸の周りに太さ56dtex/ 4
8fのナイロン糸をシングルカバーリングした糸とで構
成した。
【0084】さらに、刺激部21は、太さの78dtex/
36f ポリエステル糸をボス糸として添え編みして使用
した。
【0085】図31に示すように、一方のタイツ2eの
刺激部21は、着用状態で、それぞれ腹直筋下部周辺、
臀筋(大臀筋)に相当する位置の皮膚表面に位置するよ
うに、タイツ2eの皮膚と接する肌面に設けた。なお、
腹直筋下部周辺は、腸骨下腹神経と腸骨鼠径神経を最大
に刺激しうる任意の点であり、臀筋(大臀筋)は、下臀
神経を最大に刺激しうる任意の点である。
【0086】図32に示すように、他方のタイツ2fの
刺激部21は、着用状態で、それぞれ腹直筋下部周辺、
臀筋(大臀筋)、大腿四頭筋内側広筋部に相当する位置
の皮膚表面に位置するように、タイツ2fの皮膚と接す
る肌面に設けた。なお、腹直筋下部周辺は、腸骨下腹神
経と腸骨鼠径神経を最大に刺激しうる任意の点であり、
臀筋(大臀筋)は、下臀神経を最大に刺激しうる任意の
点であり、大腿四頭筋内側広筋部は、大腿神経を最大に
刺激しうる任意の点である。−比較例1、2−図35に
示すように、刺激部21を大腿四頭筋内側広筋部に形成
した以外は、上記実施例2と同様のタイツ2yを作成し
た。また、図36に示すように、この刺激部21を有し
ない以外は、上記実施例1と同様のタイツ2zを作成し
た。 −被験者の選定− 比較例2のタイツ2zを着用した被験者に、閉眼状態で
起立してもらい、爪先側に体重が乗った前傾姿勢の被験
者を10人選別した。 −試験項目− 比較例2のタイツ2zを着用したまま、以下の試験項目
についてそれぞれ試験を行った。また、試験時の被験者
の動きを目視で確認した。
【0087】(a)足裏の重心測定法 タイツ2zを着用した被験者に、フットプリントの測定
面に起立してもらい、その時のインクの濃淡により、被
験者の荷重位置を測定する。
【0088】(b)垂直飛び試験 タイツ2zを着用した被験者に垂直飛びを行ってもら
い、その時の高さを測定する。
【0089】(c)連続性跳躍運動による全身動揺の測
定 タイツ2zを着用した被験者にその場での跳躍運動を連
続して行ってもらい、その時の着地地点の乱率を測定す
る。飛躍運動は、メトロノームで100bpmとした場
合のリズムに合わせてそれぞれ行った。また、飛躍運動
時の高さを目視により確認した。
【0090】(d)片側肢立位における経時的変化の測
定 タイツ2zを着用した被験者に閉眼でその場で片足立ち
になってもらい、バランスを崩して測定軸足の移動が起
こるまでの時間を測定する。その後、上記(a)ないし
(d)と同様の試験を、それぞれ被験者に行った。ま
た、試験時の被験者の動きを目視で確認した。
【0091】実施例1および実施例2のタイツ2e、2
fならびに比較例1のタイツ2yに着替えた場合につい
ても、同様の試験を、それぞれ被験者に行った。また、
試験時の被験者の動きを目視で確認した。全ての結果を
表8に示す。
【0092】
【表8】
【0093】表8から、本発明に係る実施例1および実
施例2のタイツ2e、2fは、(a)の試験結果から、
前傾姿勢であった被験者を、中間姿勢またはやや後傾姿
勢にできることが確認できた。また、(c)の試験結果
により、身体の動揺性も減少することが確認できた。
(d)の試験結果により、運動基底面の変化による動揺
性の変化・減少をも確認できた。
【0094】さらに、(b)の試験結果から、本発明に
かかる実施例1および実施例2のタイツ2e、2fを着
用した場合は、比較例1および比較例2のタイツ2y、
2zを着用した場合に比べて優れた垂直飛びの成績が得
られた。これは、前記(a)(b)の結果からも明らか
なように、運動姿勢と、それから表現される力の積には
密接な関係があることが証明された。
【0095】また、(b)(c)の試験時の被験者の動
きから、比較例1および比較例2のタイツ2y、2zを
着用した際にアンクルリフレクションを中心とした運動
形態であった被験者の動きが、実施例1および実施例2
のタイツ2e、2fを着用することによって体幹が安定
し、ヒップリフレクションを中心とした運動形態に変化
していることが確認できた。また、比較例1および比較
例2のタイツ2y、2zを着用した場合の試験結果によ
り、膝を中心としたアンクルリフレクションでは、安定
した運動表現を得ることが難しいことが証明された。さ
らに、体幹を固定した実施例1と、比較例2の試験結果
により、上肢と下肢との連動的役割が運動に及ぼす影響
が大きいことが証明された。また、これらの試験結果
と、本発明と比較例2の試験結果により、実施例1およ
び2により発生しうるヒップレフレクションを中心とし
た運動形態の方が、比較例2により発生しうるアンクル
リフレクションより、高い運動能力の向上のあることが
証明された。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によると、高
いボディーバランスや身体支持力を得ることができ、運
動効果を最大限に引き出すことができる。
【0097】また、高いボディーバランスや身体支持力
を得ることにより、怪我防止、姿勢の矯正、身体プロポ
ーションおよび運動能力の向上、などを図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ないし(c)は、運動姿勢が前傾位の人
間の抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊張の強い筋群
を示す人体の側面図、正面図、背面図である。
【図2】(a)ないし(c)は、運動姿勢が後傾位の人
間の抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊張の強い筋群
を示す人体の側面図、正面図、背面図である。
【図3】(a)および(b)は本発明にかかる刺激を加
えるための刺激部材を示す斜視図である。
【図4】大腿直筋の位置を示す人体の側面図、正面図、
背面図である。
【図5】大腿二頭筋の位置を示す人体の側面図、正面
図、背面図である。
【図6】腹直筋(上部)・外腹斜筋の位置を示す人体の
側面図、正面図、背面図である。
【図7】腹直筋(下部)・内腹斜筋の位置を示す人体の
側面図、正面図、背面図である。
【図8】大腿四頭筋下部三広筋の位置を示す人体の側面
図、正面図、背面図である。
【図9】ヒラメ筋の位置を示す人体の側面図、正面図、
背面図である。
【図10】足底筋群の位置を示す人体の側面図、正面
図、背面図である。
【図11】前脛骨筋、第三腓骨筋の位置を示す人体の側
面図、正面図、背面図である。
【図12】大腿筋膜張筋の位置を示す人体の側面図、正
面図、背面図である。
【図13】大腿薄筋の位置を示す人体の側面図、正面
図、背面図である。
【図14】大腿縫工筋の位置を示す人体の側面図、正面
図、背面図である。
【図15】大臀筋の位置を示す人体の側面図、正面図、
背面図である。
【図16】本発明にかかる刺激を加えるための刺激部材
の使用状態を示す断面図である。
【図17】(a)は本発明にかかる刺激を加えるための
他の刺激部材を示す断面図、(b)および(c)は同刺
激部材の使用状態を示す断面図である。
【図18】(a)は本発明にかかる刺激を加えるための
さらに他の刺激部材を示す断面図、(b)および(c)
は同刺激部材の使用状態を示す断面図である。
【図19】(a)は本発明にかかる刺激を加えるための
さらに他の刺激部材を示す断面図、(b)および(c)
は同刺激部材の使用状態を示す断面図である。
【図20】(a)は本発明にかかる刺激を加えるための
さらに他の刺激部材を示す断面図、(b)および(c)
は同刺激部材の使用状態を示す断面図である。
【図21】(a)は本発明にかかる刺激を加えるための
さらに他の刺激部材を示す断面図、(b)および(c)
は同刺激部材の使用状態を示す断面図である。
【図22】(a)は本発明にかかる刺激を加えるための
さらに他の刺激部材を示す断面図、(b)および(c)
は同刺激部材の使用状態を示す断面図である。
【図23】本発明にかかる刺激を加えるためのさらに他
の刺激部材の使用状態を示す断面図である。
【図24】(a)および(b)は、本発明に係る衣類の
刺激部の一実施形態である刺激部材を衣類に取り付ける
状態を説明する部分断面図である。
【図25】(a)および(b)は、本発明に係る衣類の
刺激部の一実施形態である他の刺激部材を衣類に取り付
ける状態を説明する部分断面図である。
【図26】本発明に係る衣類の刺激部の一実施形態であ
るさらに他の刺激部材を衣類に取り付けて着用した状態
を説明する部分断面図である。
【図27】(a)ないし(c)は、本発明にかかる衣類
の一実施形態であるロングジョンタイプの水着を示す側
面図、正面図、背面図である。
【図28】(a)ないし(c)は、本発明にかかる衣類
の一実施形態である下着を示す側面図、正面図、背面図
である。
【図29】(a)ないし(c)は、本発明にかかる衣類
の一実施形態であるタイツを示す側面図、正面図、背面
図である。
【図30】(a)ないし(d)は、本発明にかかる衣類
の一実施形態であるハイソックスを示す側面図、正面
図、背面図、底面図である。
【図31】(a)ないし(c)は、本発明に係る実施例
1のタイツを人体に着用した状態で示す側面図、正面
図、背面図である。
【図32】(a)ないし(c)は、本発明に係る実施例
2のタイツを人体に着用した状態で示す側面図、正面
図、背面図である。
【図33】(a)は本発明に係る実施例1および実施例
2のタイツの編み組織を説明する概略図、(b)ないし
(d)は同タイツの編み組織を説明する組織図である。
【図34】本発明に係る実施例1および実施例2のタイ
ツの点刺激部の編み組織を説明する組織図である。
【図35】(a)ないし(c)は、比較例1のタイツを
人体に着用した状態で示す側面図、正面図、背面図であ
る。
【図36】(a)ないし(c)は、比較例2のタイツを
人体に着用した状態で示す側面図、正面図、背面図であ
る。
【符号の説明】
1 刺激部材 2 衣類 2a 水着 2b 下着 2c タイツ 2d ハイソックス 2e タイツ 2f タイツ 21 刺激部 3 皮膚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 健次朗 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35 号 美 津濃株式会社内 (72)発明者 山下 哲弘 神戸市長田区山下町2丁目3番14号 (72)発明者 千々松 芳弘 神戸市兵庫区湊町1丁目6番5号 Fターム(参考) 3B011 AA02 AB17 AC00

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊張
    の強弱で区分された筋群の中から選択される少なくとも
    1つの筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
    に、着用状態でその筋に筋緊張を与える刺激部が形成さ
    れたことを特徴とする衣類。
  2. 【請求項2】 筋緊張の強い多関節筋群の中から選択さ
    れる少なくとも1つの多関節筋の起始停止範囲内の皮膚
    表面に相当する位置に、刺激部が形成された請求項1記
    載の衣類。
  3. 【請求項3】 筋緊張の強い単関節筋群の中から選択さ
    れる少なくとも1つの単関節筋の起始停止範囲内の皮膚
    表面に相当する位置に、刺激部が形成された請求項1記
    載の衣類。
  4. 【請求項4】 筋緊張の弱い多関節筋群の中から選択さ
    れる少なくとも1つの多関節筋の起始停止範囲内の皮膚
    表面に相当する位置に、刺激部が形成された請求項1記
    載の衣類。
  5. 【請求項5】 筋緊張の弱い単関節筋群の中から選択さ
    れる少なくとも1つの単関節筋の起始停止範囲内の皮膚
    表面に相当する位置に、刺激部が形成された請求項1記
    載の衣類。
  6. 【請求項6】 刺激部は、皮膚に存在する受容器が認識
    できる程度の刺激を発生するものであり、この刺激部に
    より認識される刺激は、それ以外の部分から認識される
    刺激よりも大きくなされた請求項1ないし5の何れか一
    記載の衣類。
  7. 【請求項7】 刺激部は、生地肌面に設けられた突起物
    による点刺激である請求項6記載の衣類。
  8. 【請求項8】 刺激部は、生地形成後の加工により、こ
    の刺激部に相当する部分の生地肌面を突起状にしたもの
    である請求項6記載の衣類。
  9. 【請求項9】 刺激部は、温冷感によるものである請求
    項6記載の衣類。
  10. 【請求項10】 刺激部は、生地組織を利用して形成し
    たものである請求項6記載の衣類。
  11. 【請求項11】 刺激部は、この刺激部以外の生地組織
    を構成する繊維と異なった繊維を使用して形成したもの
    である請求項6記載の衣類。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11の何れか一記載の
    衣類を用いて、筋群の中から選択される少なくとも1つ
    の筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置に、刺
    激部による筋緊張を与えて所望の筋の筋意識を高めるこ
    とで理想の姿勢を形成することを特徴とする姿勢形成方
    法。
  13. 【請求項13】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊
    張の強弱で区分される筋群の中から選択される少なくと
    も1つの筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
    に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた筋に筋緊張
    を与えて所望の筋の筋意識を高めることで理想の姿勢を
    形成することを特徴とする姿勢形成方法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし11の何れか一記載の
    衣類を用いて、筋群の中から選択される少なくとも1つ
    の筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置に、刺
    激部による筋緊張を与えて所望の筋の筋意識を高めて運
    動を行わせることを特徴とするトレーニング指導方法。
  15. 【請求項15】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊
    張の強弱で区分される筋群の中から選択される少なくと
    も1つの筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
    に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた筋に筋緊張
    を与えて所望の筋の筋意識を高めて運動を行わせること
    を特徴とするトレーニング指導方法。
  16. 【請求項16】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊
    張の強い多関節筋群の中から選択される少なくとも1つ
    の多関節筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
    に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた多関節筋に
    筋緊張を与えて所望の多関節筋の筋緊張力を増大させた
    状態で運動を行わせることで、運動能力の向上および助
    長を図ることを特徴とするトレーニング指導方法。
  17. 【請求項17】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊
    張の強い単関節筋群の中から選択される少なくとも1つ
    の単関節筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
    に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた単関節筋に
    筋緊張を与えて所望の単関節筋の筋緊張力を増大させた
    状態で運動を行わせることで、関節支持力の向上および
    助長を図ることを特徴とするトレーニング指導方法。
  18. 【請求項18】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊
    張の弱い多関節筋群の中から選択される少なくとも1つ
    の多関節筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
    に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた多関節筋に
    筋緊張を与えて所望の多関節筋の筋緊張力を増大させた
    状態で運動を行わせることで、運動姿勢の補正および矯
    正を図ることを特徴とするトレーニング指導方法。
  19. 【請求項19】 抗重力的作用を伴う運動からみた筋緊
    張の弱い単関節筋群の中から選択される少なくとも1つ
    の単関節筋の起始停止範囲内の皮膚表面に相当する位置
    に、刺激部材を設け、この刺激部材を設けた単関節筋に
    筋緊張を与えて所望の単関節筋の筋緊張力を増大させた
    状態で運動を行わせることで、関節運動軸の補正および
    矯正を図ることを特徴とするトレーニング指導方法。
JP2002097925A 2002-03-29 2002-03-29 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法 Pending JP2003293209A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002097925A JP2003293209A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002097925A JP2003293209A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003293209A true JP2003293209A (ja) 2003-10-15

Family

ID=29240181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002097925A Pending JP2003293209A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003293209A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006028648A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Iida Kutsushita Kk 衣料
KR100932196B1 (ko) * 2009-06-18 2009-12-16 주식회사 자세과학 신체 밸런스 교정용 운동장비
JP2009293145A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Deiigamu:Kk 衣料
US20110191931A9 (en) * 2004-02-11 2011-08-11 Dominique Sellier Garment serving to combat cellulite and/or venous and lymphatic insufficiency
CN113616210A (zh) * 2021-07-30 2021-11-09 华中科技大学 一种分布式手臂力传感信号采集装置
US11202954B2 (en) 2017-12-21 2021-12-21 Rawlings Sporting Goods Company, Inc. Hinged leg guard

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110191931A9 (en) * 2004-02-11 2011-08-11 Dominique Sellier Garment serving to combat cellulite and/or venous and lymphatic insufficiency
JP2006028648A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Iida Kutsushita Kk 衣料
JP4520781B2 (ja) * 2004-07-12 2010-08-11 イイダ靴下株式会社 衣料
JP2009293145A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Deiigamu:Kk 衣料
KR100932196B1 (ko) * 2009-06-18 2009-12-16 주식회사 자세과학 신체 밸런스 교정용 운동장비
US11202954B2 (en) 2017-12-21 2021-12-21 Rawlings Sporting Goods Company, Inc. Hinged leg guard
CN113616210A (zh) * 2021-07-30 2021-11-09 华中科技大学 一种分布式手臂力传感信号采集装置
CN113616210B (zh) * 2021-07-30 2022-04-08 华中科技大学 一种分布式手臂力传感信号采集装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2009225276B2 (en) Repositioning apparatus and garment, and posture-forming method and training instruction method using the same
CN102470040B (zh) 姿态改善服装
JP6132828B2 (ja) 感覚運動刺激衣服および方法
CN103826486A (zh) 感觉运动刺激内衣及使用方法
WO2015021395A1 (en) Posture control and therapy system
JP2014506635A (ja) 神経−筋肉−骨格補助のための衣服体
JPWO2010050540A1 (ja) 衣類
JP2004100116A (ja) 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法
JP2003293207A (ja) 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法
JP2003293209A (ja) 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法
JP2004232157A (ja) タイツ
WO2017170272A1 (ja) 衣類
JP2003293206A (ja) 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法
WO2012010716A1 (es) Prendas médico-deportivas de protección muscular y recuperación
JP3356637B2 (ja) スポーツ用衣服
JP2004100114A (ja) 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法
Agarwal et al. The effectiveness of compression garment in relieving muscular pain: a review
JP2004100115A (ja) 衣類、姿勢形成方法およびトレーニング指導方法
WO2008047575A1 (fr) Vêtements
WO2019169463A1 (pt) Órtese com tensionamento ativo para membros superiores
JP7214169B1 (ja) 下半身用下着
US20210045930A1 (en) Compression garment
Mattes Active isolated stretching
CN115475322A (zh) 一种治疗关节痹痛的昼夜贴身穿戴式治疗服
BR102018004389B1 (pt) Órtese com tensionamento ativo para membros superiores

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061010