JP2003285753A - 自動車の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

自動車の電動パワーステアリング装置

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JP2003285753A
JP2003285753A JP2002095970A JP2002095970A JP2003285753A JP 2003285753 A JP2003285753 A JP 2003285753A JP 2002095970 A JP2002095970 A JP 2002095970A JP 2002095970 A JP2002095970 A JP 2002095970A JP 2003285753 A JP2003285753 A JP 2003285753A
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control unit
steering
control
electric power
power steering
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JP2002095970A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Terada
哲也 寺田
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵力特性モデルを設定し制御することによ
り、簡便かつ精度良く目標操舵力特性を設定可能とし、
操舵フィールと操安性能を向上させた自動車の電動パワ
ーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 本発明は、電動モータによりハンドルの
操舵をアシストする自動車の電動パワーステアリング装
置である。本発明は、操舵トルクを検出するトルクセン
サ24と、このトルクセンサの値を小さくするように電
動モータ14の制御量を設定する第1制御部(通常のア
シスト制御部)18と、予め設定した目標操舵力となる
ように電動モータの制御量を設定する第2制御部(セン
ターフィール補償制御部)20と、これらの第1制御部
と第2制御部によるそれぞれの制御量を加算した制御量
により電動モータを制御する電動モータ制御部22と、
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の電動パワ
ーステアリング装置に係わり、特に、電動モータにより
ハンドルの操舵をアシストする自動車の電動パワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、例えば、特開平8−332964
号公報等に示されているような、電動機の動力をステア
リング系に作用させて操作力の低減を図るようにした電
動パワーステアリング装置が使用されるようになってき
ている。この電動パワーステアリング装置は、操舵力検
出手段を備え、この操舵力検出手段により運転者の操舵
力(操舵トルク)を検出すると共に、同時に車速に基づ
き所定補正トルクを発生させるように電動機への駆動電
流を制御し、運転者の操舵力の軽減を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電動パワー
ステアリング装置を設計する場合、良好な操舵フィーリ
ングと高い操安性能を得るためには、操舵角に対する操
舵力の特性(以下「操舵力特性」という)を所望の操舵
力特性(目標操舵力特性)となるように設定する必要が
ある。従来は、電動パワーステアリングを構成するトー
ションバーやパワーアシストなどの特性をチューニング
することにより、所望の操舵力特性(目標操舵力特性)
となるように設定していた。しかし、これら特性のチュ
ーニングには多くの工数を要し、また、構成部品の特性
ばらつきが原因で精度良く目標操舵力特性を設定するこ
とも難しい。
【0004】そこで、本発明は、このような従来からの
課題を解決するためになされたものであり、操舵力を操
舵角の関数モデルとして表現した操舵力特性モデルを設
定し制御することにより、簡便かつ精度良く目標操舵力
特性を設定可能とし、操舵フィールと操安性能を向上さ
せた自動車の電動パワーステアリング装置を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、電動モータによりハンドルの操舵をアシ
ストする自動車の電動パワーステアリング装置であっ
て、操舵トルクを検出するトルクセンサと、このトルク
センサの値を小さくするように電動モータの制御量を設
定する第1制御部と、予め設定した目標操舵力となるよ
うに電動モータの制御量を設定する第2制御部と、これ
らの第1制御部と第2制御部によるそれぞれの制御量を
加算した制御量により電動モータを制御する電動モータ
制御部と、を有することを特徴としている。
【0006】このように構成された本発明においては、
第1制御部によりトルクセンサの値を小さくするように
電動モータの制御量を設定し、第2制御部により予め設
定した目標操舵力となるように電動モータの制御量を設
定し、さらに、電動モータ制御部により第1制御部と第
2制御部によるそれぞれの制御量を加算した制御量によ
り電動モータを制御するようにしている。本発明によれ
ば、本来のアシスト制御を行なうと共に目標操舵力を得
ることができ、操安性能を向上させることができる。
【0007】また、本発明において、好ましくは、第2
制御部は、目標操舵力を舵角に基づいて設定する。ま
た、本発明は、好ましくは、更に、車速を検出する車速
センサを有し、第2制御部は、目標操舵力を車速及び舵
角に基づいて設定する。
【0008】また、本発明は、好ましくは、更に、路面
状態を検出するμセンサを有し、第2制御部は、目標操
舵力をこのμセンサにより検出された路面状態に応じて
補正する。また、本発明において、好ましくは、第2制
御部は、目標操舵力を所定量補正する。
【0009】また、本発明において、好ましくは、第2
制御部は、目標操舵力とトルクセンサの値の偏差が小さ
くなるように制御量を設定している。また、本発明にお
いて、好ましくは、第2制御部は、トルクセンサの値と
して、フィルタ手段を介して所定周波数範囲のデータを
使用する。
【0010】また、本発明において、好ましくは、第2
制御部は、自動車がほぼ直進状態のときのみ制御量を設
定する。また、本発明において、好ましくは、第2制御
部は、車速が約80km以上のときのみ制御量を設定す
る。
【0011】また、本発明において、好ましくは、第2
制御部が制御量を設定しているとき、第1制御部は、制
御量を設定しないようになっている。さらに、本発明に
おいて、好ましくは、第1制御部が制御量を設定してい
るとき、第2制御部は、制御量を設定しないようになっ
ている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用される自動
車の電動パワーステアリング装置の一例を示す斜視図で
ある。この図1に示すように、自動車の電動パワーステ
アリング装置1は、ハンドル(ステアリングホィール)
2を備え、このハンドル2は、ステアリングシャフト4
の上端に連結されており、ハンドル2を操作する操舵力
がスタアリングシャフト4に伝達されるようになってい
る。このステアリングシャフト4の下端部には自在継手
を介して中間シャフト6の上端が連結され、この中間シ
ャフト6の下端には、ステアリングギヤボックス8が設
けられている。このステアリングギヤボックス8の両側
にはタイロッド10が連結されており、これらの各タイ
ロッド10にはタイヤ(車輪)12が取り付けられてい
る。
【0013】ここで、ステアリングギヤボックス8の内
部には、ラック・ピニオン機構(図示せず)が設けられ
ており、このピニオンには、中間シャフト6の下端が連
結されている。一方、ラックの両端部には上述したよう
にタイロッド10を介してタイヤ12が連結されてい
る。ステアリングギヤボックス8には、減速ギヤ(図示
せず)を介してピニオン側に力を付与する電動モータ1
4が設けられ、さらに、減速ギヤと中間シャフト6の間
にはトルクセンサ(図示せず)が配置されている。この
トルクセンサは、中間シャフト6に作用している操舵力
(操舵トルク)を検出するためのものである。これらの
電動モータ14及びトルクセンサは、それぞれ制御ユニ
ット16に接続されている。この制御ユニット16は、
後述する第1制御部(通常のアシスト制御部)、第2制
御部(センターフィール補償制御部)、及び、モータ電
流制御部から構成されており、トルクセンサの検出値
(操舵トルク)及び車速等に基づき、トルクセンサの検
出値が小さくなるようにすると共に目標操舵力特性を実
現するように、電動モータ14が制御されるようになっ
ている。
【0014】次に、図2及び図3を参照して、本発明の
電動パワーステアリング装置に適用される操舵力特性モ
デルを説明する。先ず、操舵力特性モデルは、高車速且
つほぼ直進状態の走行時に適用可能である。ここで、高
車速とは、約80km/h〜約130km/h程度の速
度であり、ほぼ直進状態とは、ハンドルをゆっくりと操
作する状態、具体的には、0.2Hzの正弦波でハンド
ルを操作し横向加速度(横G)が0.2G以下となるよ
うな操舵状態を想定している。
【0015】このような高速直進時の操舵力特性を、ば
ね成分(操舵角を含む線形及び/又は非線形の関数で表
される)、粘性成分(操舵角速度に比例する)、摩擦成
分(操舵角速度を含む非線形関数で表される)とに分解
することにより、実際の操舵力特性を精度良く表現でき
る操舵力特性モデル(操舵力を操舵角の関数モデルとし
て表現したもの)を設定した。
【0016】次に、図2及び図3により、操舵力特性モ
デルの内容を詳細に説明する。図2は、操舵力特性モデ
ルを示す図であり、図3は、この操舵力特性モデルにお
けるばね成分、粘性成分及び摩擦成分を示す図である。
操舵力特性モデルは、図2に示すように、ばね成分、粘
性成分、及び、摩擦成分からなるモデルである。なお、
本発明は、高速直進走行時の操舵力特性を対象したもの
であるため、ハンドルは、上述したようにゆっくりと操
舵される(0.2Hzの正弦波)ため、慣性成分は含ま
ないモデルとなっている。
【0017】ばね成分は、以下の式(数1)に示す指数
関数として設定する。この式(数1)において、θは操
舵角であり、Kp及びTpは、ばね成分の特性パラメー
タである。ばね成分は、基本的には、操舵角にほぼ比例
するが、所定の操舵角以上となると飽和状態となるた
め、特性パラメータKpはこの飽和状態に対応し、特性
パラメータTpは、指数関数の時定数を示している。こ
のように、ばね成分を示す数3は、非線形関数となって
いる。このように、ばね成分は、操舵角を含む線形及び
/又は非線形の関数で表されるものと定義される。
【数1】
【0018】粘性成分は、操舵角速度に比例した力であ
り、以下の式(数2)により示されている。この式(数
2)において、Kdは、粘性成分の特性パタメータであ
る。このように粘性成分は、操舵角速度に比例するもの
として定義される。
【数2】
【0019】摩擦成分は、操舵角速度が舵角が小さいと
きは操舵角速度にほぼ比例した力であり、操舵角速度が
大きくなると一定の大きさの摩擦力(飽和状態)とな
る。この摩擦成分は、以下の式(数3)に示す指数関数
として設定する。この式(数3)において、Kf及びT
fが摩擦成分の特性パラメータである。特性パラメータ
Kfはこの飽和状態に対応し、特性パラメータTfは、
指数関数の時定数を示している。このように、摩擦成分
を示す式(数3)は、非線形関数となっている。このよ
うに、摩擦成分は、操舵角速度を含む非線形関数として
定義される。
【数3】
【0020】このようにして、操舵力特性モデルにおい
て、ばね成分、粘性成分、摩擦成分が設定され、操舵力
(操舵トルク)はこれらの各成分の合計値として設定さ
れる。即ち、操舵力特性モデルは、以下の式となる。
【数4】
【0021】次に、図4乃至図7を参照して、本発明の
自動車の電動パワーステアリング装置の第1実施形態を
説明する。図4は本実施形態の制御ユニットを示すブロ
ック図であり、図5は本実施形態の制御ユニットの第1
制御部及び第2制御部の制御ゲインの補正マップであ
り、図6は本実施形態による制御内容を示すフローチャ
ートであり、図7は本実施形態による走行時の操舵力特
性を示す線図である。
【0022】先ず、図4により、制御ユニットの構成を
説明する。制御ユニット16は、第1制御部18、第2
制御部20、及び、モータ電流制御部22から構成され
ている。また、本実施形態の電動パワーステアリング装
置は、ステアリングシャフト又は中間シャフトに作用し
ている操舵力(操舵トルク)を検出するためのトルクセ
ンサ24、横方向加速度(横G)を検出する横Gセンサ
26、車速を検出する車速センサ28、操舵角を検出す
る操舵角センサ30、及び、路面状態又は路面摩擦係数
を検出する路面μセンサ32を備えており、これらの各
センサの出力値が制御ユニット16に入力されるように
なっている。
【0023】第1制御部18は、通常のアシスト制御を
行なう制御部であり、トルクセンサ24の出力値を小さ
くするように、即ち、操舵反力を減らす方向のアシスト
力を発生させるように、電動モータ14を制御するため
の制御部である。この第1制御部18には、トルクセン
サ24からのトルクセンサ値が入力され、フィルタ34
によりノイズがカットされ、制御ゲインK1により基準
目標電流I0 が演算されるようになっている。ここで、
この制御ゲインK1は、後述するように、横Gセンサ2
6及び車速センサ28の値に基づいて設定される(図5
参照)。
【0024】第2制御部20は、センターフィール補償
制御部であり、高車速(80km/h以上)且つほぼ直
進状態(例えば、0.2Hzの正弦波で横Gが0.2G
以下)の走行時(以下、「センターフィール感応域」と
呼ぶ)に、予め設定した目標操舵力となるように電動モ
ータ14を制御するための制御部である。第2制御部2
0は、目標操舵力演算部36を有し、この目標操舵力演
算部36には、車速センサ28、操舵角センサ30、路
面μセンサ32からの各値が入力される。目標操舵力演
算部36は、これらのセンサからの各値及び上述した式
(数4)により表現された操舵力特性モデルを用いて、
目標操舵力を算出するようになっている。
【0025】第2制御部20は、ローパスフィルタであ
るフィルタ38を有し、このフィルタ38により、セン
ターフィール感応域に対応した帯域(例えば、0.2H
zを含む帯域)のトルクセンサ24のトルクセンサ値の
みを入手できるようになっている。また、操舵角センサ
30からの操舵角の値をフィルタ38と同様な機能を持
つフィルタ40を経て、目標操舵力演算部36に入力さ
れるようになっている。この第2制御部20では、目標
操舵力演算部36から出力された目標操舵力とフィルタ
38から出力されたトルクセンサ値との偏差が求めら
れ、この偏差から、制御ゲインK3により補償目標電流
f が演算されるようになっている。ここで、この制
御ゲインK3は、後述するように、横Gセンサ26及び
車速センサ28の値に基づいて設定される(図5参
照)。
【0026】次に、第1制御部20から出力された基準
目標電流I0 と補償目標電流If とが加算され、目標電
流Iが算出される。具体的には、符号を、操舵力を減少
させるためにアシスト力を増大する場合には(+)、操
舵力を増大させるためにアシスト力を減少させる場合に
は(−)としているため、基準目標電流I0 に対して補
償目標電流If を減算する演算が行なわれる。
【0027】モータ電流制御部22は、電動モータ14
に供給される電流が目標電流Iとなるようにするための
フィードバック制御を行なうための制御部である。この
ため、モータ電流制御部22は、制御ゲンンK1、比例
積分制御を行なうPI制御部40、モータ特性補償部4
2を有している。このようにして演算されて電動モータ
14に供給される目標電流Iは、以下の式(数5)によ
り表される。
【数5】 ここで、式(数5)において、(I)は目標電流、(T
s1)はフィルタ34を通ったトルクセンサ値、(K
1)は第1制御部の制御ゲイン、(f(θ))は式(数
4)により表現された操舵力特性モデル出力、(Ts
2)はフィルタ38を通ったトルクセンサ値、(K3)
は第2制御部の制御ゲインである。
【0028】次に図5により、第1制御部及び第2制御
部の比例ゲインの補正マップである。図5に示された補
正マップは、センターフィール感応域、遷移領域I、遷
移領域II、非センターフィール感応域の4つの領域を有
し、それぞれの領域において、制御ゲインK1(K1=
K1*β),K3(K3=K3*α)の値が補正される
ようになっている。ここで、α及びβは補正係数であ
り、0〜1の範囲で変化する。先ず、センタフィール感
応域においては、補正係数は、α=1、β=0と設定さ
れる。このため、第1制御部の制御ゲインK1は0とな
り、第1制御部による電動モータの電流制御は禁止され
る。一方、第2制御部の制御ゲインK3はそのまま使用
されるので、第2制御部20により、上述した操舵力特
性モデルに基づいて予め設定された目標操舵力が発生す
るように、補償電流If が設定される。この結果、セン
ターフィール感応域においては、所望の操舵力特性が得
られ、操安性能が向上する。また、第1制御部18と第
2制御部20が同時に作動することにより発生する制御
ハンチング(制御干渉)も防止できる。
【0029】次に、非センターフィール感応域において
は、補正係数は、α=0、β=1と設定される。このた
め、第2制御部の制御ゲインK3は0となり、第2制御
部による電動モータの電流制御は禁止される。一方、第
1制御部の制御ゲインK1はそのまま使用されるので、
第1制御部18により、トルクセンサ値が小さくなるよ
うに基準目標電流I0 が設定される。この結果、非セ
ンターフィール感応域においては、通常のアシスト制御
が行なわれ、ステアリングの取り回し性能が向上する。
また、第1制御部18と第2制御部20が同時に作動す
ることにより発生する制御ハンチング(制御干渉)も防
止できる。
【0030】次に、遷移領域Iは、自動車の走行状態が
非センターフィール領域からセンターフィール感応域に
変化する際に適用される領域である。この遷移領域Iに
おいて、補正係数αは、0→1に変化し、補正係数β
は、1→0に変化する。また、遷移領域IIは、自動車の
走行状態がセンターフィール領域から非センターフィー
ル感応域に変化する際に適用される領域である。この遷
移領域IIにおいて、補正係数αは、1→0に変化し、補
正係数βは、0→1に変化する。これらの遷移領域I,I
I においては、第1制御部において補正された制御ゲイ
ンK1に基づき基準目標電流I0 が設定され、第2制御
部において補正された制御ゲインK3に基づき補償電流
f が設定され、これらの電流が加算され、目標電流I
が算出される。この結果、これらの遷移領域I,II にお
いては、通常のアシスト制御を行なうと共に併せて目標
操舵力を得ることができ、これにより、操安性能が向上
する。また、自動車の走行状態が、非センターフィール
領域とセンターフィール感応域との間を移行する場合に
は、その移行方向により、異なる遷移領域を適用するよ
うにしているので、第1制御部18と第2制御部20が
同時に作動することにより発生する制御ハンチング(制
御干渉)も防止できる。
【0031】次に、図6により、本実施形態による制御
フローを説明する。ここで、図6においては、センター
フィール感応域は、図5に示された「センターフィール
感応域」、「遷移領域I」及び「遷移領域II」の3つの
領域を含む広義の意味で用いられている。なお、図6に
おける「S」は、各ステップを示している。この制御フ
ローにおいては、先ず、S1において、各センサ値を入
力する。具体的には、トルクセンサ24、横Gセンサ2
6、車速センサ28、操舵角センサ30、路面μセンサ
32からの各出力値である。次に、S2において、自動
車の走行状態が、図5に示された車速及び横Gの値に基
づき、センターフィール感応域か否かを判定する。
【0032】センターフィール感応域でなければ、図5
に示す非センターフィール感応域であるため、この場合
には、S3に進み、補償電流をIf =0と設定し、これ
により第2制御部による電動モータの電流制御を禁止す
る。センターフィール感応域の場合には、S4に進み、
第2制御部における補償電流をIf =(f(θ)−Ts
2)*K3と設定する。ここで、(f(θ))は(数
4)により表現された操舵力特性モデル出力、(Ts
2)はフィルタ38を通ったトルクセンサ値、K3は第
2制御部の制御ゲインである。
【0033】次に、S5に進み、第1制御部の制御ゲイ
ンK1を図5(図5の遷移領域I、遷移領域II、センタ
ーフィール感応域の3つの領域が適用される)に基づい
て補正(減少補正)する。さらに、S6に進み、第1制
御部における基準目標電流がI0 =Ts1*K1と設定
する。ここで、(Ts1)はフィルタ34を通ったトル
クセンサ値、(K1)は第1制御部の制御ゲインであ
る。次に、S7に進み、目標電流をI=I0 −If と設
定する。さらに、S8に進み、この目標電流Iを電動モ
ータに提供し、電動モータの電流制御を実行する。
【0034】次に、図7により、本実施形態による走行
時の操舵力特性を説明する。この図7において、破線B
は第1制御部のみにより電動モータを制御した場合(非
センターフィール感応域)の操舵力特性を示し、実線A
は第2制御部のみにより電動モータを制御した場合(セ
ンターフィール感応域)の操舵力特性(=目標操舵力特
性)を示している。また、遷移領域I,IIでは、操舵力
特性は、この実線A及び破線Bで示された操舵力特性の
中間の特性となる。このように本実施形態では、センタ
ーフィール感応域では、所望の目標操舵力特性を得るこ
とができ、非センターフィール感応域では、必要なアシ
スト力を得ることができるので、操安性能が従来のもの
よりも向上する。
【0035】次に、本実施形態では、路面が低摩擦状態
(雨天走行等)となった場合には、上述した第2制御部
20の目標操舵力演算部36で設定する目標操舵力を補
正するようにしている。路面が低摩擦状態になると、タ
イヤが受ける路面からの反力が小さくなりそれによりば
ね成分が減少し、さらに、低摩擦となるので摩擦成分も
減少する。このため、例えば、式(数4)で表現された
操舵力特性モデルにおいて、ばね成分及び摩擦成分の値
を所定値だけ減少補正する。図8の鎖線Cは、このよう
にして減少補正された目標操舵力を示している。本実施
形態では、このように低摩擦路面を走行時には、目標操
舵力を所定値のみ減少補正するようにしているので、ド
ライバは、操舵反力から、低摩擦路面であることを認識
できるようになっている。
【0036】次に、図本発明の自動車の電動パワーステ
アリング装置の第2の実施形態を説明する。図9は、本
発明の第2の実施形態による制御ユニットを示すブロッ
クである。第2実施形態は、第1実施形態とほぼ同じで
あるが、図9に示す制御ユニットにおいて、第1実施形
態の図4に対して以下の構成が異なっている。第2実施
形態では、第1実施形態のフィルタ38(図4参照)の
代わりに、実操舵力推定部50を設け、さらに、この実
操舵力推定部50は、トルクセンサ値を用いることな
く、車速センサ28からの車速と操舵角センサ30から
の操舵角を用いて、実操舵力を推定する。具体的には、
その車両における操舵角、操舵力、車速との関係を示す
関数モデルを予め実験により求めておき、実操舵力推定
部50は、この関数モデルを用いて、入力された車速と
操舵角とから、実操舵力を推定する。この第2実施形態
でも、上述した第1実施形態と同様に、センターフィー
ル感応域では、所望の目標操舵力特性を得ることがで
き、非センターフィール感応域では、必要なアシスト力
を得ることができるので、操安性能が従来のものよりも
向上する。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動車の
電動パワーステアリング装置によれば、操舵力特性モデ
ルを設定し制御することにより、簡便かつ精度良く目標
操舵力特性を設定可能とし、操舵フィールと操安性能を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される電動パワーステアリング装
置の一例を示す斜視図である。
【図2】操舵力特性モデルを示す図である。
【図3】操舵力特性モデルにおけるばね成分、粘性成分
及び摩擦成分を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態の制御ユニットを示すブ
ロック図である。
【図5】第1実施形態の制御ユニットにおける第1制御
部及び第2制御部の制御ゲインの補正マップである。
【図6】第1実施形態による制御内容を示すフローチャ
ートである。
【図7】第1実施形態による走行時の操舵力特性を示す
線図である。
【図8】第1実施形態による低摩擦路面での目標操舵力
を示す線図である。
【図9】本発明の第2の実施形態による制御ユニットを
示すブロックである。
【符号の説明】
1 電動パワーステアリング装置 2 ハンドル 4 ステアリングシャフト 6 中間シャフト 12 タイヤ 14 電動モータ 16 制御ユニット 18 第1制御部 20 第2制御部 22 モータ電流制御部 24 トルクセンサ 26 横Gセンサ 28 車速センサ 30 操舵角センサ 32 路面μセンサ 34,38,40 フィルタ 36 目標操舵力演算部 50 実操舵力推定部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータによりハンドルの操舵をアシ
    ストする自動車の電動パワーステアリング装置であっ
    て、 操舵トルクを検出するトルクセンサと、 このトルクセンサの値を小さくするように上記電動モー
    タの制御量を設定する第1制御部と、 予め設定した目標操舵力となるように上記電動モータの
    制御量を設定する第2制御部と、 これらの第1制御部と第2制御部によるそれぞれの制御
    量を加算した制御量により上記電動モータを制御する電
    動モータ制御部と、 を有することを特徴とする自動車の電動パワーステアリ
    ング装置。
  2. 【請求項2】 上記第2制御部は、上記目標操舵力を舵
    角に基づいて設定する請求項1記載の自動車の電動パワ
    ーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 更に、車速を検出する車速センサを有
    し、上記第2制御部は、上記目標操舵力を車速及び舵角
    に基づいて設定する請求項1記載の自動車の電動パワー
    ステアリング装置。
  4. 【請求項4】 更に、路面状態を検出するμセンサを有
    し、上記第2制御部は、上記目標操舵力をこのμセンサ
    により検出された路面状態に応じて補正する請求項1記
    載の自動車の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 上記第2制御部は、上記目標操舵力を所
    定量補正する請求項4記載の自動車の電動パワーステア
    リング装置。
  6. 【請求項6】 上記第2制御部は、上記目標操舵力と上
    記トルクセンサの値の偏差が小さくなるように上記制御
    量を設定している請求項1乃至5の何れか1項記載の自
    動車の電動パワーステアリング装置。
  7. 【請求項7】 上記第2制御部は、上記トルクセンサの
    値として、フィルタ手段を介して所定周波数範囲のデー
    タを使用する請求項6記載の自動車の電動パワーステア
    リング装置。
  8. 【請求項8】 上記第2制御部は、自動車がほぼ直進状
    態のときのみ上記制御量を設定する請求項1乃至7の何
    れか1項記載の自動車の電動パワーステアリング装置。
  9. 【請求項9】 上記第2制御部は、車速が約80km以
    上のときのみ上記制御量を設定する請求項8記載の自動
    車の電動パワーステアリング装置。
  10. 【請求項10】 上記第2制御部が上記制御量を設定し
    ているとき、上記第1制御部は、上記制御量を設定しな
    いようになっている請求項1乃至9の何れか1項記載の
    自動車の電動パワーステアリング装置。
  11. 【請求項11】 上記第1制御部が上記制御量を設定し
    ているとき、上記第2制御部は、上記制御量を設定しな
    いようになっている請求項1乃至10の何れか1項記載
    の自動車の電動パワーステアリング装置。
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