JP2003284931A - 中空糸膜の乾燥装置 - Google Patents

中空糸膜の乾燥装置

Info

Publication number
JP2003284931A
JP2003284931A JP2002087779A JP2002087779A JP2003284931A JP 2003284931 A JP2003284931 A JP 2003284931A JP 2002087779 A JP2002087779 A JP 2002087779A JP 2002087779 A JP2002087779 A JP 2002087779A JP 2003284931 A JP2003284931 A JP 2003284931A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
yarn bundle
drying
performance
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002087779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4325904B2 (ja
Inventor
Teruhiko Oishi
輝彦 大石
Masujiro Ogata
益次郎 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Medical Co Ltd filed Critical Asahi Medical Co Ltd
Priority to JP2002087779A priority Critical patent/JP4325904B2/ja
Publication of JP2003284931A publication Critical patent/JP2003284931A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4325904B2 publication Critical patent/JP4325904B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 糸束状に製束された湿潤膜をマイクロ波照射
により複数束同時に乾燥するための装置において、全て
の糸束を均一に乾燥できる装置を提供する。 【解決手段】 容器内に、マイクロ波照射手段と、糸束
を固定し搬入・搬出する手段と、誘電体損失係数が1〜
50である液体を通過させる手段とを有することを特徴
とする中空糸膜の乾燥装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜の乾燥装
置に関するものである。より詳細には、本発明は、糸束
状に製束された湿潤膜をマイクロ波照射により複数束同
時に乾燥するための装置であって、照射炉内の局所的な
温度上昇による一部の糸束の性能不良を防ぎ、且つ全て
の糸束を均一に乾燥することを目的とした乾燥装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、選択的な透過性を有する膜を利用
する技術がめざましく進歩し、これまでに気体や液体の
分離フィルター、医療分野における血液透析器、血液濾
過器、血液成分選択分離フィルター等の広範な分野での
実用化が進んでいる。該膜の材料としては、セルロース
系(再生セルロース系、酢酸セルロース系、化学変性セ
ルロース系等)、ポリアクリロニトリル系、ポリメチル
メタクリレート系、ポリスルホン系、ポリエチレンビニ
ルアルコール系、ポリアミド系等のポリマーが用いられ
てきた。このうちポリスルホン系ポリマーは、その熱安
定性、耐酸、耐アルカリ性に加え、製膜原液に親水化剤
を添加して製膜することにより、血液適合性が向上する
ことから、半透膜素材として注目され研究が進められて
きた。
【0003】一方、膜を接着してモジュールを作製する
ためには膜を乾燥させる必要があるが、有機高分子より
なる多孔膜、なかでもポリスルホン系等の疎水性ポリマ
ーからなる透析膜、限外濾過膜は、製膜後に乾燥させる
と乾燥前に比べ著しく透水量が低下することが知られて
いる。そのため膜は常に湿潤状態か、水に浸漬させた状
態で取り扱う必要があった。
【0004】この対策として従来からとられてきた方法
は、製膜後、乾燥前にグリセリン等の低揮発性有機液体
を多孔膜中の空孔部分に詰めておくことであった。しか
しながら、低揮発性有機液体は、一般に高粘度なため、
洗浄除去に時間がかかり、膜をモジュール成型して洗浄
後も微量ではあるが低揮発性有機液体由来の溶出物等
(低揮発性有機液体と化学反応して生成した様々な誘導
体)がモジュール封入液中にみられることに問題があっ
た。
【0005】低揮発性有機液体を用いずに乾燥させる方
法として、特開平6−277470号公報には、低揮発
性有機液体の代わりに塩化カルシウム等の無機塩を用い
る方法が示されているが、洗浄除去する必要性に変わり
はない。また、微量であるとしても残存した無機塩が透
析患者に与える悪影響が危惧される。
【0006】また、膜の乾燥方法として、特開平11−
332980号公報には、中空糸膜に対し水蒸気による
湿熱処理を行いながらマイクロ波を照射する中空糸膜の
製造方法が示されている。しかし、乾燥でありながら膜
の変形を防ぐために水蒸気処理していることから乾燥時
間を長くする欠点があり、さらに、グリセリン等の低揮
発性有機液体を付着させてからの乾燥であることから、
膜からの溶出物を低減させるという目的は達成されな
い。
【0007】特開平8−52331号公報及び特公平8
−9668号公報には、低揮発性有機液体を用いずに乾
燥処理をしたポリビニルピロリドンを含む親水化膜が開
示されている。これらには、血液から血漿成分を分離す
る性能が記載されているが、血漿タンパクが透過するこ
とから透析膜としては有効でないことが分かる。また、
ポリビニルピロリドンを分解・変性させる温度で乾燥し
ていることから、膜からの溶出物を低減させるという目
的においては極めて好ましくない製法である。
【0008】また、特開平6−296686号公報には
血液が直接接触する膜内表面でのポリビニルピロリドン
の存在率を20〜50%程度にした中空糸膜が開示され
ている。これは主に血液タンパク、血小板等の付着物を
少なくするための湿潤膜を示すものである。従って、血
液タンパクが付着しにくいことから濾液速度の経時変化
が起こりにくいことが示されているが、アルブミンの透
過性が低い等の透析性能についての記載は一切無い。
【0009】本発明者は、特定の性能を有する湿潤膜を
グリセリン等の低揮発性有機液体を含浸せずに乾燥して
高性能な血液浄化膜を製造する方法を提案して特許出願
した(特願2001−22246号)。しかし、その後
の検討の結果、糸束状にして乾燥した場合、糸束の中心
部と外周部の膜とでは若干の性能差が生じることが明ら
かとなった。
【0010】そこで本発明者は、糸束内の性能差を改善
した血液浄化膜を製造する方法を提案して特許出願した
(特願2001−309673号、特願2001−30
9674号、特願2001−309675号)。しか
し、本発明者らのその後のさらなる検討の結果、複数の
糸束を同時に乾燥するためにマイクロ波照射装置(照射
炉)をスケールアップした場合には、これらの方法によ
っても、糸束の局所的な温度上昇が起こり、一部の糸束
が性能不良となることが明らかとなった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、糸束
状に製束された湿潤膜をマイクロ波照射により複数同時
に乾燥するための中空糸膜の乾燥装置であって、照射炉
内の局所的な温度上昇による一部の糸束の性能不良を防
ぎ、且つ全ての糸束を均一に乾燥することを目的とした
乾燥装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の如くモジュールか
らの溶出物の原因となる膜孔保持剤を用いずに乾燥した
透析性能を有する血液浄化用乾燥膜は本発明者等の出願
発明(特願2001−22246号)までなかった。そ
の原因は、膜孔保持剤を用いずに乾燥させると、湿潤状
態とは全く異なった低性能の膜となることであった。そ
こで、本発明者等は、前期出願により、あらかじめ目標
とする性能よりも高透水量で大孔径である特定の性能を
有する湿潤膜を作製しておき、これを乾燥・収縮させて
目標の透析性能を有する膜を製造するというこれまでに
ない、誰も思いつかなかった発想に基づき鋭意研究を進
めた結果、溶出物が極めて少なく、血液タンパクや血小
板の付着が少ない選択透過性に優れた透析性能を有する
膜を得る方法を提供した。
【0013】その後、さらに研究を進めたところ、本発
明者らは、特願2001−22246号の方法によって
血液浄化膜を製造する際、湿潤膜を糸束状にして乾燥す
ると、糸束の中心部と外周部の膜とでは、透水量や透過
性能にばらつきが生じることを発見した。そこで、ばら
つきをなくすために鋭意研究した結果、乾燥工程を工夫
することで、ばらつきが抑えられることを見出し新たに
特許出願した(特願2001−309673号、特願2
001−309674号、特願2001−309675
号)。
【0014】ところが、その後の検討の結果、複数の糸
束を同時に乾燥するためにマイクロ波照射装置をスケー
ルアップした結果、性能不良となる糸束が発生した。原
因は明確ではないが、スケールアップにより糸束を固定
するために用いられるトレーを構成している金属部材が
加熱・放電することによって照射炉内の糸束の一部が急
速に温度上昇し、性能不良となることが推測される。ト
レーは、照射炉内への糸束の出し入れにも用いられるた
め、金属を用いずに、例えばプラスチックのみで作製す
ることは、機械的強度が低下するために困難である。そ
こで、金属部材の加熱・放電を防ぐために鋭意研究した
結果、糸束中の水分子の振動(水分子の加熱)に用いら
れる以外の余剰なマイクロ波を効率良く除去する流体
(液体)を照射炉内、特に金属部材あるいはその周辺に
通過させることで糸束の一部の局所的な温度上昇を抑え
られることを見出し本発明に至ったものである。
【0015】すなわち本発明は、(1)糸束状に製束さ
れた湿潤膜を乾燥するための装置であって、容器内にマ
イクロ波照射手段と、糸束状に製束された湿潤膜を固定
し搬入・搬出する手段と、容器内に誘電損失係数が1〜
50である液体を通過させる手段とを有することを特徴
とする中空糸膜の乾燥装置、(2)容器内の金属部位あ
るいは金属部位の周辺に誘電損失係数が1〜50である
液体を通過させるための配管を有することを特徴とする
上記(1)記載の装置、(3)マイクロ波を照射する手
段が複数存在することを特徴とする上記(1)または
(2)に記載の製造装置、(4)糸束に通風する手段を
有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記
載の製造装置、(5)糸束を固定し出し入れするために
用いられる手段を固定して、さらに回転させる手段を有
することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載
の製造装置、(6)容器がマイクロ波を遮断する機能を
有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記
載の製造装置、(7)容器が容器内の気体の温度を一定
に保つ機能を有することを特徴とする(1)〜(6)の
いずれかに記載の製造装置、(8)容器が容器内の気体
を循環する機能を有することを特徴とする(1)〜
(7)のいずれかに記載の製造装置、(9)容器が容器
内の気体を外部の気体と入れ換える機能を有することを
特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の製造装
置、及び(10)中空糸膜が中空糸状血液浄化膜である
上記(1)〜(9)のいずれかに記載の装置、に関する
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、中空糸状血液浄化膜の
乾燥装置に限られるわけではないが、以下には、本発明
の中空糸状血液浄化膜(以下単に「膜」又は「中空糸状
膜」ともいう)の乾燥装置について説明する。本発明の
乾燥装置を用いて製造される中空糸状血液浄化膜は、膜
孔保持剤を含まないことが好ましいが、それに限られる
わけではない。
【0017】以下には、本発明の乾燥装置を用いて乾燥
される中空糸状血液浄化膜の製造方法をまず説明する。
本発明の中空糸状血液浄化膜の製造方法は、高透水量で
大きな孔径の湿潤膜をあらかじめ製造しておき、脱溶剤
後に膜孔保持剤を含浸させずに乾燥させることに特徴を
有する。
【0018】通常、中空糸状血液浄化膜を製造する際に
用いられる膜孔保持剤には、粘性を有する有機物と人体
への毒性が懸念される無機物に分類される。粘性を有す
る有機物からなる膜孔保持剤は、粘性が高いために完全
に洗浄除去することが困難であることから、膜中に残存
して膜からの溶出量を増加させ、さらに残存した膜孔保
持剤と化学反応して有害物を生じる原因と成り得る。一
方、無機物からなる膜孔保持剤においても、微量に残存
するため透析患者に与える悪影響が危惧される。
【0019】本発明でいう膜孔保持剤とは、乾燥時の性
能低下を防ぐために乾燥前までの製造過程で膜中の空孔
部分に詰めておく物質である。膜孔保持剤を含んだ溶液
に湿潤膜を浸漬することによって膜中の空孔部分に該保
持剤を詰めることが可能である。乾燥後も膜孔保持剤を
洗浄・除去さえすれば、膜孔保持剤の効果により湿潤膜
と同等の透水量、阻止率等の性能を保持することが可能
である。
【0020】膜孔保持剤としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、及び蔗糖脂肪酸エステル等の有機化合物および塩
化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛等の無機塩を
挙げることができる。
【0021】また、本発明において、高透水量で大きな
孔径の湿潤膜とは、透水量が100mL/(m2・hr
・mmHg)以上であって、重量平均分子量40,00
0のポリビニルピロリドンの透過率が75%を超え、且
つ牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.3%以上
である性能を有する湿潤膜を意味する。
【0022】牛血漿アルブミンの透過率は、以下のよう
な方法で測定することが可能である。まず、長さ20c
mの中空糸状膜を100本束ねて小型モジュールを作製
する。このモジュールに37℃に加温したヘパリン添加
牛血漿(ヘパリン5000IU/I、タンパク濃度6.
0g/dL(デシリットル))を膜内表面側に線速1.
0cm/秒で通過させ、モジュールの入り圧と出圧の平
均圧力50mmHgにて30分間限外濾過を行なう。得
られた濾液と元液の濃度の測定は、紫外分光光度計によ
り280nmの波長にて測定し、下記の式(1)に代入
して透過率を算出する。 透過率(%)=(濾液の吸光度)×100/(元液の吸光度) (1)
【0023】ポリビニルピロリドンの透過率は、濾過す
る水溶液を3重量%のポリビニルピロリドン(BASF
社製 K30、重量平均分子量40,000)のリン酸
バッファー(0.15mol/リットル、pH7.4)
水溶液にして、モジュールの入り圧と出圧の平均圧力を
200mmHgにした以外は、牛血漿アルブミンの透過
率の測定と同様な操作を行うことにより求められる。
【0024】高透水量で大きな孔径の湿潤膜は、ポリス
ルホン系ポリマー(以下単に「ポリマー」ともいう)、
ポリビニルピロリドン、及び溶剤からなる製膜原液を、
内部液とともに2重環状ノズルから吐出させ、エアギャ
ップを通過させた後、凝固浴で凝固させる製造方法にお
いて、内部液にポリマーの溶剤の水溶液を用いることに
より製造可能である。
【0025】内部液は,膜の中空部と内表面を形成させ
るものであるが、内表面の孔径は、内部液中の溶剤濃度
に比例して大きくなることが判っている。本発明では、
湿潤膜を乾燥収縮させることにより目標の性能の透析膜
が得られることから、内部液中の溶剤濃度を、目標とす
る透析性能を有する湿潤膜を製造する時に比べて、高濃
度にする必要がある。
【0026】本発明で用いられるポリスルホン系ポリマ
ーとしては、下記の式(2)、または式(3)で示され
る繰り返し単位を有するものが挙げられる。なお、式中
のArはパラ位での2置換のフェニル基を示し、重合度
や分子量については特に限定しない。 −O−Ar−C(CH32−Ar−O−Ar−SO2−Ar− (2) −O−Ar−SO2−Ar− (3)
【0027】ポリビニルピロリドンは高分子量のものほ
ど膜への親水化効果が高いため、高分子量のものほど少
量で十分な効果が発揮できることから、本発明において
は重量平均分子量900,000以上のポリビニルピロ
リドンが使用される。900,000より小さい重量平
均分子量を有するポリビニルピロリドンを用いて膜への
親水化効果を付与するためには大量のポリビニルピロリ
ドンを膜中に残存させる必要があるが、このために膜か
らの溶出物が増加することになる。また、逆に溶出物を
下げるために900,000より小さい重量平均分子量
のポリビニルピロリドンの膜中での残存量を少なくする
と親水化効果が不十分となってしまい、その結果血液透
析を行ったとき濾過速度の経時的低下をきたし十分な効
果を発揮できない。
【0028】また、ポリスルホン系ポリマーとポリビニ
ルピロリドンの溶解に用いられる溶剤は、これら両方を
共に溶解するものであり、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等である。
【0029】製膜原液中のポリマー濃度は、製膜可能
で、かつ得られた膜が膜としての性能を有するような濃
度の範囲であれば特に制限されず、5〜35重量%、好
ましくは10〜30重量%である。高い透水性能を達成
するためには、ポリマー濃度は低い方がよく、10〜2
5重量%が好ましい。
【0030】さらに重要なことはポリビニルピロリドン
の添加量であり、ポリマーに対するポリビニルピロリド
ンの混和比率が27重量%以下、好ましくは10〜27
重量%、さらに好ましくは20〜27重量%である。ポ
リマーに対するポリビニルピロリドンの混和比率が27
重量%を超えると溶出量が増える傾向にあり、また10
重量%未満では製膜原液の粘性が低いためにスポンジ構
造の膜を得ることが困難である。また、原液粘度、溶解
状態を制御する目的で、水、貧溶剤等の第4成分を添加
することも可能であり、その種類、添加量は組み合わせ
により随時行なえばよい。
【0031】凝固浴としては、例えば水;メタノール、
エタノール等のアルコール類;エーテル類;n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類などポリマーを
溶解しない液体が用いられるが、水が好ましい。また、
凝固浴にポリマーを溶解する溶剤を若干添加することに
より凝固速度をコントロールすることも可能である。凝
固浴の温度は、−30〜90℃、好ましくは0〜90
℃、さらに好ましくは0〜80℃である。凝固浴の温度
が90℃を超えたり、−30℃未満であると、凝固浴中
の中空糸状膜の表面状態が安定しにくい。
【0032】脱溶剤洗浄後の乾燥は、中空糸状膜を多数
本束ねた糸束の形態(以後、単に『糸束』と呼ぶ)に
て、十分に湿潤している糸束にマイクロ波照射すること
により行なわれる。しかしながら、マイクロ波照射は低
含水率の糸束をより均一に乾燥するのに適していること
から、過加熱による膜の変形・溶融を防ぐために、糸束
の平均含水率が20〜70%、より好ましくは50〜7
0%になる時点でマイクロ波照射の出力を低下させるの
が好ましい。
【0033】さらに、糸束の平均含水率が20〜70
%、好ましくは50〜70%になる時点での該糸束の中
心部と外周部における膜の含水率の差が5%以内である
ことが、性能のばらつきを抑えるために好ましい。乾燥
の時、糸束内に通風を行なうことによって、糸束の中心
部と外周部における膜の含水率の差を5%以内にするこ
とが可能である。ここで、糸束の中心部とは、糸束の円
形状断面において中心点から直径の1/6の範囲をい
う。また、糸束の外周部とは、糸束の円形状断面におい
て外周から直径の1/6の範囲をいう。
【0034】また、同様な理由から、乾燥開始時におけ
る糸束についても、糸束の中心部と外周部における膜の
含水率の差が10%以内であることが好ましい。脱溶剤
後糸束を放置しておくと、糸束の中心部と外周部の含水
率には差が生じるために、乾燥工程に入る直前に糸束を
再度水中に浸漬することにより糸束中心部と外周部の含
水率の差を10%以内にすることが可能である。
【0035】ここで、含水率とは、乾燥前の糸束(又は
膜)の重量(A(g))と乾燥糸束(又は膜)の重量
(B(g))から(4)式により計算で求められるもの
をいう。 含水率(%)=(A−B)×100/B (4) さらに、糸束の中心部と外周部の乾燥速度の差をなくす
ために、糸束内には40℃を超えない温度の除湿気体を
通風することが好ましい。糸束内に通風するとは中空糸
状膜間に風を流すことを意味する。本発明において、4
0℃以上120℃以下の温度の除湿気体を糸束内に通風
することは、糸束内に通風すると同時に糸束に対し加熱
乾燥を行なっていることを意味する。
【0036】本発明において、糸束へのマイクロ波照射
は、密閉された照射炉内(容器内)で複数束同時に行な
われる。糸束は金属部材と非金属(例えばプラスチッ
ク)からなるトレー上に固定させる。マイクロ波は糸束
中の水分子の振動(水分子の加熱)に消費させるが、一
方で余剰のマイクロ波は金属部材の加熱・放電の原因と
なる。この加熱・放電が糸束の局所的な温度上昇を引き
起こし、糸束の一部の性能不良の原因となる。性能不良
を無くすために、本発明ではマイクロ波の吸収力の高い
液体を照射炉内設置した配管内に流すことによって余剰
のマイクロ波を取り除くことを可能とした。
【0037】マイクロ波の吸収力は誘電損失係数の大き
さに比例することから、誘電損失係数の大きな液体を流
すことが好ましく、誘電損失係数の値が1〜50である
液体であることが好ましい。誘電損失係数が1未満では
マイクロ波の吸収力が低いために好ましくなく、50を
超える液体は過冷却状態の水等であり、実用的でない。
【0038】本発明における誘電損失係数とは、2,4
50MHz(メガヘルツ)の周波数で測定された物質の
比誘電率と誘電正接の値の積を意味する。誘電損失係数
が1〜50の液体としては、水;メチルアルコール、エ
チルアルコール等のアルコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、2−ブチン−1,4−ジオール、2−メチル−
2,4−ペンタジオール、2−エチル−1,3−ヘキサ
ンジオール、グリセリン、テトラエチレングリコール、
ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコー
ル300、ポリエチレングリコール400等のグリコー
ル系又はグリセロール系化合物を挙げることができるが
水が最も好ましい。
【0039】本発明において導波管とはマイクロ波の照
射源を意味する。導波管は糸束の数に比例して複数用い
ることが好ましい。また、マイクロ波の出力は高いこと
が好ましいが、乾燥させる膜の量及び含水率により最適
値は異なる。
【0040】乾燥後の膜に電子線及びγ線等の放射線を
照射することにより、膜中のPVPの一部を水に不溶化
できることから、膜からの溶出量をより低減することが
可能である。放射線の照射は、モジュール化前又はモジ
ュール化後のどちらでも良い。また、膜中の全PVPを
不溶化してしまうと、溶出量を低減できる一方で、透析
時にロイコペニア症状が観察されることから好ましくな
い。
【0041】本発明でいう水に不要であるPVPとは、
膜中の全PVP量から水に可溶であるPVP量を差し引
いたものである。膜中の全PVP量は、窒素及びイオウ
の元素分析により容易に算出することができる。また、
水に可溶であるPVP量は、以下の方法により求めるこ
とができる。膜をN−メチル−2−ピロリドンで完全に
溶解した後、得られたポリマー溶液に水を添加してポリ
スルホン系ポリマーを完全に沈殿させる。さらに該ポリ
マー溶液を静置した後、上澄み液中のPVP量を液体ク
ロマトグラフィーで定量することにより水に可溶である
PVPを定量することができる。
【0042】本発明の乾燥装置は、特に、糸束状に製束
された膜孔保持剤を含まない湿潤膜を複数同時に乾燥す
るのに適する装置であって、本装置を用いて得られた膜
は、膜孔保持剤を含まない乾燥膜であって、純水の透水
量が10〜1,000mL/(m2・hr・mmH
g)、重量平均分子量40,000のポリビニルピロリ
ドンの透過率が75%以下で、且つ牛血漿系におけるア
ルブミンの透過率が0.3%未満であり、さらにそれぞ
れの性能のバラツキが小さいことを特徴とする中空糸状
血液浄化膜である。
【0043】最近の血液透析療法では、透析アミロイド
病状の改善のために原因物質とされているβ2−ミクロ
グロブリン(分子量:11,800)を十分に透過させ
るが、アルブミン(分子量:67,000)はほとんど
透過させない分画性を有する膜が求められており、本発
明の膜は、牛血漿系におけるアルブミンの透過率が0.
3%以下である。アルブミンの透過率が0.3%を超え
ることは体内に有効なアルブミンを大きく損失すること
を意味することから血液透析膜としては好ましくない。
【0044】また、純水の透水量が10mL/(m2
hr・mmHg)以上の膜においては、ポリビニルピロ
リドンの透過率(A(%))とβ2−ミクログロブリン
のクリアランス(B(mL/分))とには下記の式
(5)に示す一次関数的な相関関係が存在する。クリア
ランス評価には1.5m2の有効膜面積を有する透析仕
様のモジュールに成形・加工することが必要であるが、
本評価方法では簡易的に測定可能であり、クリアランス
を容易に推測することが可能である。 B(mL/分)=0.636A+29.99 (5) ここで、β2−ミクログロブリンのクリアランスは、
1.5m2の有効膜面積のモジュールに、血液流量20
0mL/分(膜内表面側)、透析液流量500mL/分
(膜外表面側)の条件下で日本人工臓器学会の性能評価
基準に従い透析測定したものである。β2−ミクログロ
ブリンのクリアランスは、透析患者の体力や病状及び病
状の進行度に合わせて様々なものが要求されているが、
ポリビニルピロリドンの透過率が75%を超えるとアル
ブミンの透過率が0.3%を超えてしまうことから、ポ
リビニルピロリドンの透過率は75%以下であることが
必要である。
【0045】また、本発明により作られた膜は,膜孔保
持剤を製造工程で使用していないことから、膜孔保持剤
由来の溶出物は存在しない。従って、本発明の膜の溶出
物試験液の吸光度は0.04未満であり、且つ該試験液
中に膜孔保持剤を含まない。ここで、溶出物試験液と
は、人工腎臓装置承認基準に基づき調整したものであ
り、2cmに切断した乾燥中空糸状膜1.5gと注射用
蒸留水150mLを日本薬局方の注射用ガラス容器試験
のアルカリ溶出試験に適合するガラス容器に入れ、70
±5℃で1時間加温し、冷却後膜を取り除いた後蒸留水
を加えて150mLとしたものを意味する。吸光度は2
20〜350nmでの最大吸収波長を示す波長にて紫外
吸収スペクトルで測定する。人工腎臓装置承認基準では
吸光度を0.1以下にすることが定められているが、本
発明の膜は膜孔保持剤を保持しないことから0.04未
満を達成することが可能である。また、膜孔保持剤の有
無については、該試験液を濃縮又は水分除去したものを
ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、示
差屈折系、紫外分光光度計、赤外線吸光光度法、核磁気
共鳴分光法、及び元素分析等の公知の方法により測定す
ることにより検知可能である。また、膜中に膜孔保持剤
を含むか否かについてもこれらの測定方法により検知可
能である。
【0046】本発明により作られた膜は、ポリスルホン
系ポリマーとポリビニルピロリドンからなり、膜内表面
におけるポリビニルピロリドンの濃度が30〜45重量
%である。膜の血液適合性に重要な因子は、血液が接す
る膜内表面の親水性であり、ポリビニルピロリドン(以
下単に「PVP」ともいう)を含有するポリスルホン系
膜では、膜内表面のPVP濃度が重要である。膜内表面
のPVP濃度が低すぎると膜内表面が疎水性を示し、血
漿タンパク質が吸着しやすく、血液の凝固も起こりやす
い。すなわち、膜の血液適合性不良となる。逆に膜内表
面のPVP濃度が高すぎると、PVPの血液系への溶出
量が増加し本発明の目的や用途にとっては好ましくない
結果を与える。従って、本発明での膜内表面のPVPの
濃度は、30〜40%の範囲であり、好ましくは33〜
40%である。
【0047】膜内表面のPVP濃度は、エックス線光量
子スペクトル(X−ray Photoelectro
n spectroscopy、以下XPS)によって
決定される。すなわち、膜内表面のXPSの測定は、試
料を両面テープ上に並べた後、カッターで繊維軸方向に
切開し、膜の内側が表になるように押し広げた後、通常
の方法で測定する。すなわち、C1s、O1s、N1
s、S2pスペクトルの面積強度から、装置付属の相対
感度係数を用いて窒素の表面濃度(窒素原子濃度)とイ
オウの表面濃度(イオウ原子濃度)から求めた濃度をい
うものであり、ポリスルホン系ポリマーが(2)式の構
造であるときには(6)式により計算で求めることがで
きる。 PVP濃度(重量%)=C11×100/(C11+C22) (6) ここで、C1:窒素原子濃度(%) C2:イオウ原子濃度(%) M1:PVPの繰り返しユニットの分子量(111) M2:ポリスルホン系ポリマーの繰り返しユニットの分
子量(442)
【0048】次に本発明の乾燥装置の一例を、図面を参
照して説明する。図1に示す乾燥装置は、容器(1)、
マイクロ波照射手段(2)、糸束を固定し搬入・搬出す
る手段(3)、糸束通風手段(4)、誘電損失係数が1
〜50である液体を通過させる手段(5)、及び、糸束
を固定し搬入・搬出する手段(3)を固定して回転させ
る回転手段(6)からなる。
【0049】糸束を固定し搬入・搬出するために用いら
れる手段(3)に固定された糸束(7)は、容器(1)
内でマイクロ波照射手段(2)から照射されたマイクロ
波により乾燥される。マイクロ波照射の間、通風手段
(4)により除湿気体が糸束に流される。さらに容器内
には、誘電損失係数が1〜50である液体を通過させる
手段(5)が設けられているので、余剰なマイクロ波が
吸収されて局所的な温度上昇が防止される結果、全ての
糸束を均一に乾燥することができる。
【0050】容器(1)は、さらに、(a)マイクロ波
を遮断する機能、(b)容器内の温度を一定に保つ温度
制御手段、(c)容器内の気体を循環する手段、及び
(d)容器内の気体を外部の気体と置換する手段を有す
る。マイクロ波を遮断する機能は、糸束の乾燥にマイク
ロ波を有効に使用するだけでなく、作業者の安全上必要
である。また、乾燥バッチ間の性能差を無くすために
は、容器内の温度を一定に保つことが必要である。さら
に、容器内の気体を循環及び外部と入れ換えることによ
り、乾燥効率を向上することが可能である。
【0051】マイクロ波照射手段(2)は、糸束(7)
にマイクロ波を照射するために用いられるもので、形
状、大きさは特に限定されないが、複数の糸束を均等に
乾燥するためには、容器内に複数設置することが好まし
い。糸束を固定し搬入・搬出するために用いられる手段
(3)は、容器内での糸束の位置を固定して効率良く乾
燥するために用いられるものである。さらに、固定・搬
入・搬出手段(3)は、糸束の固定及び取り出しを容易
にするために乾燥装置からの取り外しが可能である。糸
束通風手段(4)は、糸束内に気体を通風するために用
いられる。
【0052】誘電損失係数が1〜50である液体を通過
させる手段(5)は、液体を流すことができる手段であ
ればどのようなものでも良いが、内部に誘電損失係数が
1〜50である液体を通過させる非金属製の配管である
ことが好ましい。液体通過用の配管は、余剰のマイクロ
波が、金属治具などの金属部材を加熱・放電しやすいの
で、照射炉内の金属部材あるいはその周辺に設けること
が好ましい。糸束を固定し搬入・搬出する手段(3)を
固定して、さらに回転させる手段(6)は、糸束へのマ
イクロ波照射をより均等にするために用いられる。回転
は水平方向である。
【0053】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示すが、本発明
は、これに限定されるものではない。 (血小板粘着量の測定)膜への血小板粘着量の測定は、
以下の操作手順で行った。長さ15cmの中空糸状膜を
10本束ねて小型モジュールを作製し、該モジュールに
ヘパリン添加ヒト新鮮血を線速1.0cm/秒にて15
分間通過させ、続いて生理食塩水を1分間通過させた。
次に中空糸状膜を5mm間隔程度に細断し、0.5%ポ
リエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(和光
純薬社製商品名トリトンX−100)を含む生理食塩水
中で超音波照射して膜表面に粘着した血小板から放出さ
れる乳酸脱水素酵素(以下、「LDH」という)を定量
することにより膜面積(内表面換算)当たりのLDH活
性として算出した。酵素活性の測定はLDHモノテスト
キット(ベーリンガー・マンハイム・山之内社製)を使
用した。なお、陽性対照としてPVPを含有しない膜
(γ線照射前の実施例1の膜を有効塩素濃度1,500
ppmの次亜塩素酸ナトリウムに2日間浸漬した後、エ
タノールに1日間浸漬することにより得られたもの)を
用い、試験品と同時に比較した。
【0054】(血漿タンパク質吸着量)膜への血漿タン
パク質吸着量は、限外濾過時間を240分にした以外は
アルブミンの透過率測定と同様な操作を行った後、生理
食塩水で1分間洗浄した。次に中空糸状膜を5mm間隔
程度に細断し、1.0%ラウリル酸ナトリウムを含む生
理食塩水中で攪拌して抽出した血漿タンパク質を定量す
ることにより膜重量当たりのタンパク質吸着量として算
出した。タンパク質濃度はBCAプロテインアッセイ
(ピアース社製)を使用した。なお、陽性対照としてP
VPを含有しない膜(γ線照射前の実施例1の膜を有効
塩素濃度1,500ppmの次亜塩素酸ナトリウムに2
日間浸漬した後、エタノールに1日間浸漬することによ
り得られたもの)を用い、試験品と同時に比較した。
【0055】
【実施例1】(製膜及び残溶剤の除去)ポリスルホン
(Amoco Engineering Polyme
rs社製P−1700)18.0重量%、ポリビニルピ
ロリドン(BASF社製 K90、重量平均分子量1,
200,000)4.3重量%を、N,N−ジメチルア
セトアミド77.7重量%に溶解して均一な溶液とし
た。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビ
ニルピロリドンの混和比率は23.9重量%であった。
この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセト
アミド30重量%と水70重量%の混合溶液からなる内
部液とともに、紡口(2重環状ノズル 0.1mm−
0.2mm−0.3mm)から吐出させ、0.96mの
エアギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ
浸漬した。この時、紡口から凝固浴までを円筒状の筒で
囲み、筒の中に水蒸気を含んだ窒素ガスを流しながら、
筒の中の湿度を54.5%、温度を51℃にコントロー
ルした。紡速は、80m/分に固定した。ここで、紡速
に対するエアギャップの比率は、0.012m/(m/
分)であった。巻き取った糸束を切断後、糸束(長さ3
0cm、膜本数9400本)の切断面上方から80℃の
熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の
残溶剤を除去した。
【0056】(湿潤膜の乾燥及びPVPの不溶化処理)
図1に示す装置を用いて、上記の残溶剤除去後の糸束
(含水率が300%、糸束中心部の膜の含水率が300
%、糸束外周部の膜の含水率が300%、糸束の中心部
と外周部における膜の含水率の差が0%)90束をマイ
クロ波照射炉(照射炉内の風速3m/秒)内に、トレー
に糸束をセットすることにより、それぞれを等間隔で均
等に配置した。この時糸束の切断面が必ず上又は下にな
るように治具で固定した。さらに、照射炉内でそれぞれ
の糸束に均一にマイクロ波が照射されるように6本の導
波管をそれぞれ等間隔で均等に固定した。
【0057】該糸束に対してマイクロ波出力30kW
(キロワット)で18分間マイクロ波照射した。この時
点で照射炉内の中心部に位置する糸束の含水率は42%
(糸束中心部の膜の含水率が44%、糸束外周部の膜の
含水率が40%)であった。引き続いてマイクロ波の出
力のみを21kWに低下させてさらに8分間マイクロ波
照射することにより含水率が1%未満の乾燥膜(糸束)
を得た。
【0058】また、乾燥開始時から乾燥終了時までの
間、以下の操作を行なった。 (1)照射炉内のトレーの周りに設置した非金属製配管
内に水を流した。 (2)トレーを1分間に4回転の速度で回転させた。 (3)照射炉内の温度を70±2℃に保持した。 (4)各糸束の下部から4m/秒の風速にて除湿空気
(湿度10%以下)を糸束の下部から上部へと通風し
た。この時、糸束の上部からは乾燥開始時において糸束
平均で0.4m/秒の風速が測定された。さらに、得ら
れた乾燥膜(糸束)に2.5Mradのγ線を照射する
ことにより膜中のPVPの一部を不溶化した。
【0059】(性能評価結果)全糸束を評価した時の各
物性の平均値と該平均値に対して最も外れた値を有する
糸束(最外性能の糸束)の各物性を表1に示す。平均値
に相当する糸束(膜)を有効濾過面積1.5m2のモジ
ュールにしてβ2−ミクログロブリンのクリアランスを
実測したところ、32mL/分で有ることが分かり、P
VPの透過率を式(5)に代入して算出したクリアラン
ス32.5mL/分と同等であることが明らかとなっ
た。さらに、該モジュールにて尿素、ビタミンB12の
透過測定を行ったところ、尿素のクリアランスと透過率
はそれぞれ185mL/分、83%であった。また、ビ
タミンB12については同様に95mL/分、48%で
あった。測定は、
【0044】と同様な方法で行った。また、膜中の全P
VP量の62%が、水に不溶であった。膜の溶出物試験
をした結果、溶出物試験液の吸光度は0.04以下であ
った。また、膜孔保持剤を用いていないことから溶出物
試験液中に膜孔保持剤は含まれて無かった。さらに、こ
の膜は陽性対照膜に比べて、血小板粘着量が低く(陽性
対照膜43Unit/m2)、且つ血漿タンパク質の粘
着量も低いことが明らかとなった(陽性対照膜63mg
/g)。以上に挙げた性能から、この膜は、膜からの溶
出量が極めて少なく、血液タンパク質や血小板の付着が
少ないことが明らかとなった。また、アルブミンの透過
率が少なくβ2−ミクログロブリンのクリアランスにも
優れることから透析性能にも優れた膜であることが分か
った。さらに、全糸束の平均値と該平均値に対して最も
外れた値を有する糸束(最外性能の糸束)との性能差も
比較例1に比べて少ないことが明らかとなった。
【0060】
【実施例2】製膜原液中のポリビニルピロリドンを4重
量%、N,N−ジメチルアセトアミドを78重量%とし
た以外は、実施例1と同様な操作を行った。この時の製
膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドン
の混和比率は22.2重量%であった。この時の全糸束
を評価した時の各物性の平均値と該平均値に対して最も
外れた値を有する糸束(最外性能の糸束)の各物性を表
1に示す。この膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、
血液タンパク質や血小板の付着が少ないことが明らかと
なった。また、アルブミンの透過率が少なく、且つβ2
−ミクログロブリンのクリアランスにも優れることが示
唆されたことから透析性能にも優れた膜であることが分
かった。さらに、全糸束の平均値と該平均値に対して最
も外れた値を有する糸束(最外性能の糸束)との性能差
も比較例1に比べて少ないことが明らかとなった。
【0061】
【実施例3】製膜原液中のポリビニルピロリドンを4.
8重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを77.2重
量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。こ
の時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピ
ロリドンの混和比率は26.7重量%であった。この時
の全糸束を評価した時の各物性の平均値と該平均値に対
して最も外れた値を有する糸束(最外性能の糸束)の各
物性を表1に示す。この膜は、膜からの溶出量が極めて
少なく、血液タンパク質や血小板の付着が少ないことが
明らかとなった。また、アルブミンの透過率が少なく、
且つβ2−ミクログロブリンのクリアランスにも優れる
ことが示唆されたことから透析性能にも優れた膜である
ことが分かった。さらに、全糸束の平均値と該平均値に
対して最も外れた値を有する糸束(最外性能の糸束)と
の性能差も比較例1に比べて少ないことが明らかとなっ
た。
【0062】
【実施例4】内部液にN,N−ジメチルアセトアミド5
2重量%と水48重量%からなる混和溶液を用いた以外
は、実施例3と同様な操作を行った。この時の全糸束を
評価した時の各物性の平均値と該平均値に対して最も外
れた値を有する糸束(最外性能の糸束)の各物性を表1
に示す。この膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血
液タンパク質や血小板の付着が少ないことが明らかとな
った。また、アルブミンの透過率が少なく、且つβ2−
ミクログロブリンのクリアランスにも優れることが示唆
されたことから透析性能にも優れた膜であることが分か
った。さらに、全糸束の平均値と該平均値に対して最も
外れた値を有する糸束(最外性能の糸束)との性能差も
比較例1に比べて少ないことが明らかとなった。
【0063】
【比較例1】γ線照射しない以外は、実施例1と同様な
操作を行った。この結果を表2に示す。PVPの溶出の
ため溶出試験液の吸光度が0.04を超えることが明ら
かとなった。性能評価は、照射炉内中心部に位置する糸
束のみを行なった。
【0064】
【比較例2】製膜原液中のポリビニルピロリドンを5.
0重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを77.0重
量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。こ
の時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピ
ロリドンの混和比率は27.8重量%であった。この糸
束の性能を表2に示す。製膜原液中のポリスルホンに対
するポリビニルピロリドンの混和比率が27重量%を超
えているので、溶出量、膜内表面PVP濃度が増加して
いる。性能評価は、照射炉内中心部に位置する糸束のみ
を行なった。
【0065】
【比較例3】製膜原液中のポリビニルピロリドンを3.
6重量%、N,N−ジメチルアセトアミドを78.4重
量%とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。こ
の時の製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピ
ロリドンの混和比率は20.0重量%であった。この糸
束の性能を表2に示す。膜内表面のPVP量が30%を
下回っていることが明らかとなった。性能評価は、照射
炉内中心部に位置する糸束のみを行なった。
【0066】
【比較例4】内部液にN,N−ジメチルアセトアミド6
0重量%と水40重量%からなる混和溶液を用いた以外
は、実施例3と同様な操作を行った。この糸束の性能を
表2に示す。この膜は、アルブミンの透過率が0.3%
を超えており、またPVPの透過率も75%を超える性
能であった。性能評価は、照射炉内中心部に位置する糸
束のみを行なった。
【0067】
【比較例5】内部液にN,N−ジメチルアセトアミド1
0重量%と水90重量%からなる混和溶液を用いた以外
は、実施例1と同様な操作を行った。この糸束の性能を
表2に示す。純水の透水量が10mL/(m2・hr・
mmHg)を下回る性能であった。性能評価は、照射炉
内中心部に位置する糸束のみを行なった。
【0068】
【比較例6】乾燥温度を170℃にした以外は、実施例
1と同様な操作を行った。この糸束の性能を表2に示
す。この膜は、膜中の全てのPVPが水に不溶であっ
た。この膜を有効濾過面積1.5m2のモジュールにし
【0044】に示した方法で臨床血液評価したところ、
透析患者の白血球数が一時的に低下するロイコペニア症
状が観察された。性能評価は、照射炉内中心部に位置す
る糸束のみを行なった。
【0069】
【比較例7】照射炉内のトレーの周り及びトレー下部に
設置した非金属製の配管内に水を流さない以外は実施例
1と同様な操作を行った。この時の全糸束を評価した時
の各物性の平均値と該平均値に対して最も外れた値を有
する糸束(最外性能の糸束)の各物性を表3に示す。マ
イクロ波照射の間トレーの金属部材からは放電が観察さ
れた。この放電・加熱によりトレーの金属治具周辺にあ
る糸束の中には透水量が0(ゼロ)であるものが見ら
れ、明らかに性能不良の糸束が発生することが明らかと
なった。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明の乾燥装置によれば、糸束状に製
束された湿潤膜をマイクロ波照射により複数束同時に乾
燥する場合においても、一部の糸束に性能不良を生ずる
ことなく中空糸膜を乾燥することができる。製造された
中空糸膜は、膜からの溶出量が極めて少なく、血液タン
パク質や血小板の付着が少ない優れた透析性能を有する
ことから医薬用途、医療用途、及び一般工業用途に用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液浄化膜の製造装置の一例を示す正
面図である。
【符号の説明】
1 容器 2 マイクロ波照射手段 3 糸束を固定し搬入・搬出する手段 4 通風手段 5 液体通過手段 6 回転手段 7 糸束
フロントページの続き Fターム(参考) 3L113 AA03 AC12 BA01 CA08 DA24 4C077 AA05 BB01 GG20 LL05 NN03 PP02 PP03 PP13 PP15 4D006 GA13 MA01 MB06 MC40X MC62X NA05 NA12 NA50 NA62 NA64 PB09 PB52

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸束状に製束された湿潤膜を乾燥するた
    めの装置であって、容器内にマイクロ波照射手段と、糸
    束状に製束された湿潤膜を固定し搬入・搬出する手段
    と、容器内に誘電損失係数が1〜50である液体を通過
    させる手段とを有することを特徴とする中空糸膜の乾燥
    装置。
  2. 【請求項2】 容器内の金属部位あるいは金属部位の周
    辺に誘電損失係数が1〜50である液体を通過させるた
    めの配管を有することを特徴とする請求項1記載の装
    置。
  3. 【請求項3】 マイクロ波照射手段が複数存在すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 糸束に通風する手段を有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 【請求項5】 糸束状に製束された湿潤膜を固定し搬入
    ・搬出する手段を回転させる手段をさらに有することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
  6. 【請求項6】 容器がマイクロ波遮断機能を有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  7. 【請求項7】 容器内の温度を一定に保つ温度制御手段
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の装置。
  8. 【請求項8】 容器内の気体を循環する手段をさらに有
    することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    装置。
  9. 【請求項9】 容器内の気体を外部の気体と置換する手
    段をさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいず
    れかに記載の装置。
  10. 【請求項10】 中空糸膜が中空糸状血液浄化膜である
    請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
JP2002087779A 2002-03-27 2002-03-27 中空糸膜の乾燥装置 Expired - Fee Related JP4325904B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002087779A JP4325904B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 中空糸膜の乾燥装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002087779A JP4325904B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 中空糸膜の乾燥装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003284931A true JP2003284931A (ja) 2003-10-07
JP4325904B2 JP4325904B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=29233846

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002087779A Expired - Fee Related JP4325904B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 中空糸膜の乾燥装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4325904B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005056081A1 (ja) 2003-12-09 2005-06-23 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束およびその製造方法
WO2005089918A1 (ja) * 2004-03-23 2005-09-29 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束及びその製造方法
JP2006167597A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Toyobo Co Ltd 中空糸膜束の乾燥方法
JP2009233639A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Nikkiso Co Ltd 中空糸型液浄化器用乾燥装置、および乾燥方法
WO2010008043A1 (ja) * 2008-07-17 2010-01-21 日機装株式会社 血液浄化器の製造方法及び血液浄化器
US7922007B2 (en) 2004-03-22 2011-04-12 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Separation membrane with selective permeability and process for producing the same
WO2022033637A1 (de) * 2020-08-12 2022-02-17 Fricke Und Mallah Microwave Technology Gmbh Trocknung von filtermodulen und filtergehäusen mit einem frequenzgeführten mikrowellenprozess
CN115176119A (zh) * 2020-02-28 2022-10-11 沙郎斯基自动化与模拟有限公司 用于干燥透析过滤器的设备和方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103619371B (zh) * 2011-07-27 2016-06-29 旭化成医疗株式会社 中空纤维膜型血液净化装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005056081A1 (ja) 2003-12-09 2005-06-23 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束およびその製造方法
US7922007B2 (en) 2004-03-22 2011-04-12 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Separation membrane with selective permeability and process for producing the same
WO2005089918A1 (ja) * 2004-03-23 2005-09-29 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束及びその製造方法
JP2006167597A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Toyobo Co Ltd 中空糸膜束の乾燥方法
JP2009233639A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Nikkiso Co Ltd 中空糸型液浄化器用乾燥装置、および乾燥方法
WO2010008043A1 (ja) * 2008-07-17 2010-01-21 日機装株式会社 血液浄化器の製造方法及び血液浄化器
JPWO2010008043A1 (ja) * 2008-07-17 2012-01-05 日機装株式会社 血液浄化器の製造方法及び血液浄化器
JP5481379B2 (ja) * 2008-07-17 2014-04-23 日機装株式会社 血液浄化器の製造方法及び血液浄化器
CN115176119A (zh) * 2020-02-28 2022-10-11 沙郎斯基自动化与模拟有限公司 用于干燥透析过滤器的设备和方法
WO2022033637A1 (de) * 2020-08-12 2022-02-17 Fricke Und Mallah Microwave Technology Gmbh Trocknung von filtermodulen und filtergehäusen mit einem frequenzgeführten mikrowellenprozess

Also Published As

Publication number Publication date
JP4325904B2 (ja) 2009-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6465234B2 (ja) 中空糸膜モジュール、中空糸膜の製造方法および中空糸膜モジュールの製造方法
JP3772909B1 (ja) 血液浄化器
EP3141296A1 (en) Hollow fiber membrane module and manufacturing method thereof
JP2007090126A (ja) ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束とその製造方法および血液浄化器
JP4843988B2 (ja) ポリスルホン系中空糸膜型血液浄化器
JP4325904B2 (ja) 中空糸膜の乾燥装置
JP2006263600A (ja) 中空糸膜の製造方法
JP3992185B2 (ja) 中空糸状膜の製造方法
JP3992186B2 (ja) 中空糸状膜の製造方法
JP3281364B1 (ja) 血液浄化膜の製造方法
JP3281363B1 (ja) 血液浄化膜
JP6558063B2 (ja) 中空糸膜モジュールおよびその製造方法
JP4325903B2 (ja) 中空糸膜の製造方法
JP2006304826A (ja) 血液浄化器
JP2006230459A (ja) ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束および血液浄化器
JP2006068689A (ja) 中空糸膜束の乾燥方法
JP4843993B2 (ja) 血液浄化器
JP2003245529A (ja) 中空糸膜の製造方法
JP3659256B1 (ja) ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束およびその乾燥方法
JP3992187B2 (ja) 中空糸状膜の製造方法
JP4748348B2 (ja) ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束
JP4843992B2 (ja) 血液浄化器
JP4711169B2 (ja) 中空糸膜束および分離用モジュール
JP2006068716A (ja) 中空糸膜束の乾燥方法
JP2006035195A (ja) 中空糸膜束の乾燥方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20061011

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061020

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20061218

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090304

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20090312

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090410

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20090518

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090605

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees