JP2003278660A - 可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置 - Google Patents

可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置

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JP2003278660A
JP2003278660A JP2002080112A JP2002080112A JP2003278660A JP 2003278660 A JP2003278660 A JP 2003278660A JP 2002080112 A JP2002080112 A JP 2002080112A JP 2002080112 A JP2002080112 A JP 2002080112A JP 2003278660 A JP2003278660 A JP 2003278660A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍サイクルのエバポレータを流れる冷媒流
量を考慮することで、高い推定精度によりコンプレッサ
駆動トルクを算出することができる可変容量コンプレッ
サの駆動トルク算出装置を提供すること 【解決手段】 車両用空調装置の冷凍サイクルに設けら
れ、外部からの信号により任意に単位時間当たりの理論
吐出容量を制御することができる外部制御型コンプレッ
サ3において、冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバ
ポレータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポレ
ータ7を流れる冷媒流量Grを推定し、推定された冷媒流
量Grを用いてコンプレッサ駆動トルクTcompを算出する
コンプレッサ駆動トルク算出部20aを空調コントロー
ルユニット20に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
る空調装置の冷凍サイクルに採用された可変容量コンプ
レッサの駆動トルク算出装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、可変容量コンプレッサの駆動トル
ク算出装置としては、例えば、特開平5−99156号
公報に記載のものが知られている。
【0003】この従来公報には、外気温度と回転速度と
高圧側圧力と車速に基づいて可変容量コンプレッサの可
変領域にある容量を計算し、この計算した容量と高圧側
圧力とを用いて可変領域にある駆動トルクを計算すると
共に、最大容量と高圧側圧力とを用いて最大容量に達し
た後の駆動トルクを計算する。そして、計算した両駆動
トルクのうちで小さい方を最終的な駆動トルクと決定す
る装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置にあって
は、冷凍サイクル上で高圧側(コンデンサ側)からの高
圧側圧力を主としてコンプレッサ駆動トルクを推定する
ものであるため、冷凍サイクル上で低圧側(エバポレー
タ側)の情報が欠けたものとなっており、しかも、コン
プレッサ駆動トルクを推定するのに重要な冷媒流量が何
ら考慮されていないことで、計算されたコンプレッサ駆
動トルクは推定精度の低い情報になってしまうという問
題があった。
【0005】本発明は、上記問題点に着目してなされた
もので、冷凍サイクルのエバポレータを流れる冷媒流量
を考慮することで、高い推定精度によりコンプレッサ駆
動トルクを算出することができる可変容量コンプレッサ
の駆動トルク算出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、車両用空調装置の冷凍サイクルに設け
られ、外部からの信号により任意に単位時間当たりの理
論吐出容量を制御することができる可変容量コンプレッ
サにおいて、冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバポ
レータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポレー
タを流れる冷媒流量を推定し、推定された冷媒流量を用
いてコンプレッサ駆動トルクを算出するコンプレッサ駆
動トルク算出手段を設けた。
【0007】
【発明の効果】本発明の可変容量コンプレッサの駆動ト
ルク算出装置にあっては、エバポレータを流れる冷媒流
量を推定し、推定された冷媒流量を用いてコンプレッサ
駆動トルクを算出するようにしたため、冷媒流量が考慮
された高い推定精度によりコンプレッサ駆動トルクを算
出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可変容量コンプレ
ッサの駆動トルク算出装置を実現する実施の形態を、請
求項1,2,3,4,5,6に係る発明に対応する第1
実施例に基づいて説明する。
【0009】(第1実施例)まず、構成を説明する。図
1は第1実施例の可変容量コンプレッサの駆動トルク算
出装置が適用された車両用空調システム図である。図1
において、1はエンジン、2はラジエータ、3は外部制
御型コンプレッサ(可変容量コンプレッサ)、4はコン
デンサ、5はリキッドタンク、6は温度式自動膨張弁、
7はエバポレータ、8はオルタネータ、9は冷却電動フ
ァン、10はファンモータ、11はコントロールバル
ブ、12はブロワファン、13はブロワファンモータ、
14はフューエルインジェクタである。
【0010】前記エンジン1は、燃料噴射のためのフュ
ーエルインジェクタ14を有し、エンジン1とラジエー
タ2とは、エンジン冷却水入口管とエンジン冷却水出口
管により連結されている。
【0011】第1実施例装置におけるエアコンサイクル
は、外部制御型コンプレッサ3とコンデンサ4とリキッ
ドタンク5と温度式自動膨張弁6とエバポレータ7とに
より構成される。以下、各構成要素について説明する。
【0012】前記外部制御型コンプレッサ3は、前記エ
ンジン1により駆動され、エバポレータ7から送られる
低温低圧の気体による冷媒を高圧高温の気体にしてコン
デンサ4に送る。この外部制御型コンプレッサ3は、内
蔵されたコントロールバルブ11に対するデューティ信
号によりコンプレッサ容量が外部から可変に制御され
る。なお、外部制御型コンプレッサ3の詳しい構成は後
述する。
【0013】前記コンデンサ4は、前記ラジエータ2の
前面に配置され、走行風や冷却電動ファン9によって得
られる風で、高圧高温の冷媒を凝縮点まで冷却し高圧中
温の液体にしリキッドタンク5へ送る。
【0014】前記リキッドタンク5は、コンデンサ4か
ら送られる高圧中温の液体による冷媒に含まれる水分や
ゴミを取り除き、冷媒が円滑に供給できるように溜め
て、温度式自動膨張弁6へ送る。
【0015】前記温度式自動膨張弁6は、リキッドタン
ク5から送られる高圧中温の液体による冷媒を急激に膨
張させ、低温低圧の液体(霧状)にし、エバポレータ7
に送る。
【0016】前記エバポレータ7は、温度式自動膨張弁
6から送られる霧状の冷媒を、ブロワファン12により
送られる車内空気からの熱を奪いながら蒸発させること
で低圧低温の気体とし、この低圧低温の気体による冷媒
を外部制御型コンプレッサ3に送る。
【0017】前記冷却電動ファン9は、前記エンジン1
により駆動されるオルタネータ8の端子電圧を電源とし
て作動されるファンモータ10を有する。このファンモ
ータ10は、モータ駆動電圧がPWM制御(PWM=Pu
lse Width Modulationの略称)され、ファンモータ10
の作動によるコンデンサ冷却能力が可変に制御される。
【0018】前記ブロワファン12は、ブロワファンモ
ータ13により駆動され、車室内の空気である内気を吸
い込み、前記エバポレータ7に圧送し、冷たくなった空
気を車室内に送り出す。
【0019】次に、電子制御系について説明する。図1
において、20は空調コントロールユニット、20aは
コンプレッサ駆動トルク算出部(コンプレッサ駆動トル
ク算出手段)、20bはファンモータ制御部、20cは
コンプレッサ容量制御部、21は空調制御入力センサ
系、22はPWMモジュール、23はエンジンコントロ
ールユニット、24はエンジン制御入力センサ系であ
る。
【0020】前記空調コントロールユニット20は、冷
凍サイクルの低圧側(エバポレータ7)の冷媒流量Grに
基づいてコンプレッサ駆動トルクTcompを算出するコン
プレッサ駆動トルク算出部20aと、PWMモジュール
22に対し出力するデューティ信号を演算するファンモ
ータ制御部20bと、コントロールバルブ11へ出力す
るデューティ信号を演算するCOMP容量制御部20cと、
を有する。
【0021】前記空調制御入力センサ系21として、エ
アコンスイッチ21-1、モードスイッチ21-2、デフスイッ
チ21-3、オートスイッチ21-4、FREスイッチ21-5、R
ECスイッチ21-6、温度調整スイッチ21-7、オフスイッ
チ21-8、内気温度センサ21-9(内気循環モードでのエバ
前温度検出手段)、外気温度センサ21-10(外気導入モ
ードでのエバ前温度検出手段)、日射センサ21-11、吸
込温度センサ21-12(エバ後温度検出手段)、水温セン
サ21-13、冷媒圧力センサ21-14(高圧冷媒圧力検出手
段)が設けられている。
【0022】これら既設の空調制御入力センサ系21
に、エバポレータ7の入口湿度を検出するエバ前湿度セ
ンサ21-15(エバ前湿度検出手段)が追加されている。
【0023】前記エンジンコントロールユニット23
は、双方通信線を介して空調コントロールユニット20
に接続され、エンジン制御入力センサ系24として、車
速センサ24-1、エンジン回転数センサ24-2、アクセル開
度センサ24-3、アイドルスイッチ24-4等が設けられてい
る。
【0024】図2は外部制御型コンプレッサ3を示す断
面図であり、図3は外部制御型コンプレッサ3のコント
ロールバルブ11に対するデューティ信号によるコンプ
レッサ容量(吐出側圧力)の制御作用説明図である。
【0025】前記外部制御型コンプレッサ3は、多気筒
斜板式であり、コンプレッサケース30と、プーリ31
と、駆動軸32と、斜板駆動体33と、斜板34と、ピ
ストン35と、高圧ボール弁36と、コントロールバル
ブ11と、高圧室37と、クランク室38と、を有して
構成されている。
【0026】この外部制御型コンプレッサ3は、内蔵さ
れた斜板34の傾きを変化させることにより、吐出容量
の制御を行う。つまり、外部制御型コンプレッサ3内に
組み込まれたコントロールバルブ11に対するデューテ
ィ信号により、高圧ボール弁36のリフト量を変化させ
る。これにより、高圧室37(=吐出側圧力Pd)から高
圧ボール弁36を経過してクランク室38へ流れ込む冷
媒流量を制御し、コンプレッサ3内のクランク室38の
圧力(=クランク室圧力Pc)を変え、斜板34の傾きを
変化させる。
【0027】高圧ボール弁36のリフト量は、図3に示
すように、コントロールバルブ11のダイヤフラムに係
る低圧圧力(=吸込側圧力Ps)とセットスプリングのバ
ネ荷重と電磁コイルに発生する磁力のバランスにより決
まる。
【0028】前記コントロールバルブ11内の電磁コイ
ルには、コンプレッサ容量制御部20cから、例えば、
400HzのパルスON-OFF信号(デューティ信号)が送ら
れ、デューティ比による実効電流により発生する磁力の
変化で高圧ボール弁36のリフト量を制御する。
【0029】次に、作用を説明する。
【0030】図4はエアコンコントロールユニット20
のコンプレッサ駆動トルク算出部20aにて実行される
駆動トルク算出処理の流れを示すフローチャートであ
り、このフローチャートに沿って外部制御型コンプレッ
サ3の駆動トルク算出作用を説明する。
【0031】なお、この駆動トルク算出処理は、クーラ
作動中において常時実行するようにしても良いし、ま
た、減速時フューエルカット制御やアイドル回転数制御
等においてエンジンコントロールユニット23から要求
により実行するようにしても良い。
【0032】[室内風量(体積流量)の演算]まず、ス
テップS1では、吸込口スイッチ(FREスイッチ21-5
及びRECスイッチ21-6)からの信号に基づいて、ブロ
ワファン12の吸気ダクトに設けられたインテークドア
が、外気導入位置か内気循環位置か否かが判断され、外
気導入位置である場合にはステップS2へ移行し、内気
循環位置である場合にはステップS6へ移行する。
【0033】外気導入モードである場合、ステップS2
において、外気温度センサ21-10による検出温度を遅延
補正した外気温度センサ認識値を入力し、ステップS3
において、ブロワファンモータ13へのブロワファンモ
ータ駆動信号(デューティ比)を遅延補正したブロワフ
ァン回転数認識値を入力し、ステップS4において、モ
ードスイッチ21-2及びデフスイッチ21-3からの信号に基
づいて判断された空調モードを入力する。次のステップ
S5では、外気導入モードにおける入力情報に基づいて
室内風量Gaを算出する(室内風量算出部)。
【0034】一方、内気循環モードである場合、ステッ
プS6において、内気温度センサ21-9による検出温度を
遅延補正した内気温度センサ認識値を入力し、ステップ
S7において、ブロワファンモータ13へのブロワファ
ンモータ駆動信号(デューティ比)を遅延補正したブロ
ワファン回転数認識値を入力し、ステップS8におい
て、モードスイッチ21-2及びデフスイッチ21-3からの信
号に基づいて判断された空調モードを入力する。次のス
テップS9では、内気循環モードにおける入力情報に基
づいて室内風量Gaを算出する(室内風量算出部)。
【0035】このように、エバポレータ7を介して車室
内に流れ込む室内風量Gaは、外気導入モードにおける各
空調モード毎に、あるいは、内気循環モードにおける各
空調モード毎に、ブロワファン回転数等の条件設定を変
えながら実験を行い、その測定データに基づいてマップ
(演算式や表等)を設定しておけば、入力情報とマップ
を用いて精度良く算出することができる。そして、ステ
ップS4またはステップS8において、室内風量Gaが算
出されるとステップS10へ移行する。
【0036】[エバポレータ空気吸熱量の算出]まず、
ステップS10では、エバ前湿度センサ21-15による検
出湿度を遅延補正したエバ前湿度センサ認識値を入力
し、ステップS11では、吸込温度センサ21-12による
検出温度を遅延補正したエバ後温度センサ認識値を入力
し、ステップS12へ移行する。
【0037】次のステップS12では、エバポレータ空
気吸熱量Qevap(air)を、エバポレータ前後の空気エン
タルピ差(ia1−ia2)と乾き空気の体積流量Ga'を用
いた下記の式により算出する(エバポレータ空気吸熱量
算出部)。 Qevap(air)=(ia1−ia2)×Ga' ...(1) ここで、ia1はエバ入口空気エンタルピ、ia2はエバ出
口空気エンタルピ、Ga'は乾き空気の体積流量であり、G
a'=Ga/vi(vi:エバ入口空気比容積)により求められ
る。
【0038】エバ入口空気エンタルピia1を求めるに
は、図5に示すように、エバ入口側温度t1とエバ入口側
湿度ψ1を測定する必要がある。これに対し、エバ入口
側温度t1は、外気導入モードの時は外気温度センサ認識
値であり、内気循環モードの時は内気温度センサ認識値
である。また、エバ入口側湿度ψ1は、エバ前湿度セン
サ認識値である。よって、これらの認識値によりエバ入
口空気エンタルピia1を求めることができる。
【0039】エバ出口空気エンタルピia2を求めるに
は、図5に示すように、エバ出口側温度t2とエバ出口側
湿度ψ2を測定する必要がある。これに対し、エバ出口
側温度t2は、エバ後温度センサ認識値である。また、エ
バ出口側湿度ψ2は、実験結果により95%程度で設定し
ておけばよい。よって、エバ後温度センサ認識値とエバ
出口側湿度設定値によりエバ出口空気エンタルピia2を
求めることができる。
【0040】室内風量Gaは、湿り空気の体積流量を示す
ため、これを乾き空気の体積流量Ga'(=Ga/vi)に換算
する必要がある。このため、エバ入口空気比容積viを用
いるが、エバ入口空気比容積viを求めるには、図5に示
すように、エバ入口側温度t1とエバ入口側湿度ψ1を測
定する必要がある。これに対し、エバ入口側温度t1は、
外気導入モードの時は外気温度センサ認識値であり、内
気循環モードの時は内気温度センサ認識値である。ま
た、エバ入口側湿度ψ1は、エバ前湿度センサ認識値で
ある。よって、これらの認識値により乾き空気の体積流
量Ga'を求めることができる。
【0041】このように、車室内風量Gaと、外気温度セ
ンサ認識値または内気温度センサ認識値によるエバ入口
側温度t1と、エバ前湿度センサ認識値によるエバ入口側
湿度ψ1と、エバ後温度センサ認識値によるエバ出口側
温度t2と、実験に基づく設定値によるエバ出口側湿度ψ
2とを用いて、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を精
度良く算出することができる。そして、ステップS12
においてエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)が算出さ
れるとステップS13へ移行する。
【0042】[エバポレータ冷媒吸熱量の算出]図6に
示すモリエル線図は、冷媒の単位重量当たりの状態を示
すものであるため、エバポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷
媒)を求めるには、実際どれだけの冷媒が循環している
かが必要である。その量を冷媒流量Grとすると、エバポ
レータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)は、エバポレータ7が外
部から熱を奪って冷媒のエンタルピが変化した分にな
る。
【0043】そこで、ステップS13では、エバポレー
タ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)を、エバポレータ前後の冷媒
エンタルピ差(ievap1−ievap2)と冷媒流量Grを用い
た下記の式により算出する。 Qevap(冷媒)=(ievap1−ievap2)×Gr ...(2) ここで、ievap1はエバ入口冷媒エンタルピ、ievap2は
エバ出口冷媒エンタルピ、Grは冷媒流量である。
【0044】エバ入口冷媒エンタルピievap1は、高圧
側の温度式自動膨張弁6より上流側の冷媒エンタルピと
同じであり(図6の線c−d)、この高圧冷媒エンタル
ピは、高圧側のリキッドタンク5の出口側に設定されて
いる冷媒圧力センサ21-14による冷媒圧力センサ認識値
と、その時とれるサブクール(過冷却、つまり、リキッ
ドタンクを出た後の液冷媒を再びコンデンサのサブクー
ル部で冷やすことをいう。)とで一義的に決まる。サブ
クールについては、最近主流であるコンデンサとリキッ
ドタンクとを一体化し、サブクーラサイクルとしたサブ
クールコンデンサを採用した場合、外気温と車速により
ほぼ比例関係にあり、例えば、アイドリング域の車速を
一定値で与えれば、外気温の関数となる。
【0045】エバ出口冷媒エンタルピievap2を求める
には、エバポレータ7の出口圧力を検出すれば一番的確
であるが、ここでは、下記に示すエバポレータ効率ηev
apの式に基づいてエバ出口圧力を求める。 ηevap=(ia1−ia2)/(ia1−i(Tevap)) ...(3) ここで、i(Tevap)はエバ出口の飽和冷媒温度Tevapにお
けるエバ出口空気エンタルピである。
【0046】すなわち、実際の冷凍サイクルをみると、
エバポレータやコンデンサの圧力が一定でなく、冷媒の
流れがあるため、圧力降下が存在する。配管部について
も同じである。また、コンプレッサについても吸入・吐
出で圧力損失があるほか、機械摩擦により冷媒に熱が加
えられたり、内部漏れが存在したり非常に複雑である。
この挙動をモリエル線図に示すと、図7に示すようにな
る。 ,:エバポレータ、コンデンサは冷媒の流れによ
り、圧力降下を伴いながらエンタルピが増減する。 ,:配管による圧力降下は熱の授受が無いため、エ
ンタルピは一定である。 :コンプレッサの圧縮はエントロピが一定ではなく、
損失で発生する熱の分だけエントロピは増加し、等エン
トロピ線よりも右に傾く。 上記〜の損失により、実際のエバポレータ効率ηev
apは、理想時よりも低下する。
【0047】従って、エバポレータ効率ηevapを実験で
取得しておけば、エバ出口の飽和冷媒温度Tevapにおけ
るエバ出口空気エンタルピi(Tevap)が求まり、その結
果からエバ出口圧力Pevapが算出される。
【0048】ちなみに、エバポレータ効率ηevapを実験
で取得するとしたが、実際には条件による大きな差はな
く、例えば、図8に示すように、エバポレータのサイ
ズ、タイプによりほぼ一定の値を示すことが知られてお
り、車種別に細かいマップ取得の必要はない。
【0049】このように、上記(2)式において、エバ入
口冷媒エンタルピievap1とエバ出口冷媒エンタルピie
vap2を既知の値とし、冷媒流量Grを未知の値とするエバ
ポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)を算出することができ
る。そして、ステップS13においてエバポレータ冷媒
吸熱量Qevap(冷媒)が算出されるとステップS14へ移
行する。
【0050】[冷媒流量の算出]上記エバポレータ空気
吸熱量Qevap(air)と上記エバポレータ冷媒吸熱量Qeva
p(冷媒)とは、Qevap(air)=Qevap(冷媒)という関係に
ある。よって、ステップS14では、冷媒流量Grを下記
の式により算出する(冷媒流量算出部)。 Gr=Qevap(air)/(ievap1−ievap2) ...(4) このステップS14において、冷媒流量Grを算出したら
ステップS15へ移行する。
【0051】[コンプレッサ吸入側圧力の算出]ステッ
プS15では、ステップS13で求めたエバ出口圧力Pe
vapとエバポレータ7から外部制御型コンプレッサ3ま
での配管による圧力損失△P(low)とを用いて、コンプ
レッサ吸入側圧力Psを下記の式により算出する。 Ps=Pevap−△P(low) ...(5) ここで、圧力損失△P(low)は、冷媒流量Grに対して図
9に示すような関係にあり、この冷媒流量Grを用いた下
記の式により求まる。 △P(low)=k×Gr ...(6) ここで、k,mは係数であり、各車両毎の配管レイアウ
トにて台上実験を行うことにより求めることができる。
【0052】[コンプレッサ吐出側圧力の算出]次のス
テップS16では、コンデンサ出口圧力Pcondoutと圧力
損失△P(cond)とを用いた下記の式によりコンプレッサ
吐出側圧力Pdを算出する。 Pd=Pcondout+△P(cond) ...(7) ここで、冷媒圧力センサ21-14が高圧側のリキッドタン
ク5の出口部に設けてあることで、冷媒圧力センサ認識
値をコンデンサ出口圧力Pcondoutとすることができる。
また、コンデンサ4での圧力損失△P(cond)は、冷媒流
量Grを用いた下記の式であらわされる。 △P(cond)=k×Gr ...(8) ここで、k,nは係数であり、適用されるコンデンサを
用いて台上実験を行うことにより求めることができる。
【0053】[コンプレッサ吸入容積の算出]次に、コ
ンプレッサ吸入容積Vcompは、コンプレッサシリンダ体
積V1と、コンプレッサ回転数Ncompと、体積効率ηvとを
用いた下記の理論式により算出することができる。 Vcomp=(60・V1・Ncomp・ηv)/10 ...(9) ここで、コンプレッサシリンダ体積V1は適用するコンプ
レッサの種類により決まる値である。コンプレッサ回転
数Ncompは、エンジン駆動の場合にはNcomp=エンジン回
転数となり、電動モータ駆動の場合にはモータ回転数と
なる。体積効率ηvは、予め実験を行うことにより求め
ることができる。
【0054】しかしながら、実際のコンプレッサ吸入容
積Vcompは、理論式通りにいかず冷媒流量Grを用いた下
記の関係により換算した方が良く合うことが判明した。
そこで、ステップS17では、下記の関係によりコンプ
レッサ吸入容積Vcompを求める。 Vcomp∝k・Gr ...(10) ここで、kは定数であり、実験データにより設定する。
【0055】[コンプレッサ駆動トルクの算出]ステッ
プS18では、コンプレッサ吸入側圧力Psと、コンプレ
ッサ吐出側圧力Pdと、コンプレッサ吸入容積Vcompと、
断熱係数kと、を用いてコンプレッサ駆動トルクTcomp
を下記の式により算出する(コンプレッサ駆動トルク算
出部)。 Tcomp=k/(k-1)・Ps・Vcomp・{(Pd/Ps)(K-1)/k-1} ...(11) なお、図10で示すP−V線図で囲まれた面積が、(11)
式により得られるコンプレッサ駆動トルクTcompの理論
値である。しかし、コンプレッサ駆動トルクTcompの理
論値(1,2,3,4で囲まれた面積)に比べ、実際のコンプレ
ッサ駆動トルクTcomp(1',2',3',4'で囲まれた面積)
は、図中の各損失が加わることで大きくなる。よって、
コンプレッサ効率ηcompを考慮して(11)式で求めたコン
プレッサ駆動トルクTcompを補正し、補正した値を最終
的なコンプレッサ駆動トルクTcompとして求めるように
しても良い。
【0056】[コンプレッサ駆動トルク情報の利用]ス
テップS19では、ステップS18で算出されたコンプ
レッサ駆動トルクTcompを、エンジンコントロールユニ
ット23やコンプレッサ容量制御部20cに送信する。
【0057】このエンジンコントロールユニット23へ
の送信により、エンジン制御側でコンプレッサ負荷を正
確に把握することができ、例えば、減速時フューエルカ
ット制御やアイドル回転数制御等の様々なエンジン制御
にコンプレッサ駆動トルク情報を活用することができ
る。すなわち、エンジン制御側では、エンジンストール
が生じないように、最大コンプレッサ駆動トルクを想定
して制御に用いるしきい値や目標値を設定していたのに
対し、これらの値をコンプレッサ駆動トルク情報に応じ
た値により与えることができる。
【0058】さらに、コンプレッサ容量制御部20cへ
の送信により、例えば、減速時フューエルカット制御や
アイドル回転数制御が行われる時には、要求冷房能力が
低ければ空調制御側でコンプレッサ容量を下げるという
ように、空調制御とエンジン制御とを協調させた総合制
御を行うこともできる。
【0059】次に、効果を説明する。
【0060】第1実施例の可変容量コンプレッサの駆動
トルク算出装置にあっては、下記に列挙する効果を得る
ことができる。
【0061】(1) 車両用空調装置の冷凍サイクルに設け
られ、外部からの信号により任意に単位時間当たりの理
論吐出容量を制御することができる外部制御型コンプレ
ッサ3において、冷凍サイクルの低圧側に設けられるエ
バポレータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポ
レータ7を流れる冷媒流量Grを推定し、推定された冷媒
流量Grを用いてコンプレッサ駆動トルクTcompを算出す
るコンプレッサ駆動トルク算出部20aを空調コントロ
ールユニット20に設けたため、冷凍サイクルのエバポ
レータ7を流れる冷媒流量Grを考慮した高い推定精度に
よりコンプレッサ駆動トルクTcompを算出することがで
きる。
【0062】(2) コンプレッサ駆動トルク算出部20a
は、冷凍サイクルに設けられるエバポレータ7を経過し
て車室に流れ込む室内風量Gaを算出する室内風量算出ス
テップ(ステップS1〜ステップS9)と、室内風量Ga
と、エバポレータ前後の空気エンタルピの変化によりエ
バポレータ空気吸熱量Qevap(air)を算出するエバポレ
ータ空気吸熱量算出ステップ(ステップS12)と、算
出されたエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)と、エバ
ポレータ前後の冷媒のエンタルピ変化量(ievap1−ie
vap2)によりエバポレータ7を流れる冷媒流量Grを算出
する冷媒流量算出ステップ(ステップS14)と、算出
された冷媒流量Grを用いてコンプレッサ駆動トルクTco
mpを算出するコンプレッサ駆動トルク算出ステップ(ス
テップS18)と、を有するため、コンプレッサ駆動ト
ルクTcompの推定精度を左右する冷凍サイクルのエバポ
レータ7を流れる冷媒流量Grを、エバポレータ空気吸熱
量Qevap(air)の算出により、高い精度により推定する
ことができる。
【0063】(3) 室内風量算出ステップ(ステップS1
〜ステップS9)は、外気導入モードと内気循環モード
に分け、各モードについてブロワファン回転数と空調モ
ードに応じて室内風量Gaを算出するため、エバポレータ
空気吸熱量Qevap(air)の算出要素である室内風量Ga
を、外気導入モードであるか内気循環モードであるかに
かかわらず、精度良く推定することができる。
【0064】(4) エバポレータ7の入口湿度ψ1を検出
するエバ前湿度センサ21-15を追加し、エバポレータ空
気吸熱量算出ステップ(ステップS12)は、エバポレ
ータ7の入口温度t1と入口湿度ψ1によりエバ入口空気
エンタルピia1を求め、エバポレータ7の出口温度t2と
出口湿度ψ2によりエバ出口空気エンタルピia2を求
め、エバ入口空気エンタルピia1からエバ出口空気エン
タルピia2を差し引いて空気エンタルピ差(ia1−ia2)
を求め、算出された室内風量Gaと、空気エンタルピ差
(ia1−ia2)とを用いてエバポレータ空気吸熱量Qevap
(air)を算出するため、室内風量Gaと空気エンタルピ差
(ia1−ia2)により精度良くエバポレータ空気吸熱量Q
evap(air)を算出することができる。
【0065】加えて、第1実施例では、エバポレータ7
の入口温度t1は既存の内気温度センサ21-9または外気温
度センサ21-10を用いて検出し、エバポレータ7の出口
温度t2は既存の吸込温度センサ21-12を用いて検出し、
エバポレータ7の出口湿度ψ2は計測するまでもなくほ
ぼ一定値であることで固定値により与えたため、エバポ
レータ7の入口湿度ψ1を検出するエバ前湿度センサ21-
15を追加するだけのシステムで、コスト増を抑えながら
精度良くエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を算出す
ることができる。
【0066】(5) 冷媒流量算出ステップ(ステップS1
4)は、冷媒圧力センサ21-14からの冷媒圧力検出値に
基づいてエバ入口冷媒エンタルピievap1を求め、エバ
ポレータ効率ηevapに基づいてエバ出口冷媒エンタルピ
ievap2を求め、エバ入口冷媒エンタルピievap1からエ
バ出口冷媒エンタルピievap2を差し引いて冷媒エンタ
ルピ差(ievap1−ievap2)を求め、エバポレータ空気
吸熱量Qevap(air)と、冷媒エンタルピ差(ievap1−i
evap2)とを用いてエバポレータ7を流れる冷媒流量Gr
を算出するため、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)
と冷媒エンタルピ差(ievap1−ievap2)により精度良
くエバポレータ7を流れる冷媒流量Grを算出することが
できる。
【0067】(6) コンプレッサ駆動トルク算出ステップ
(ステップS18)は、エバ出口圧力Pevapとエバポレ
ータ7から外部制御型コンプレッサ3までの配管による
圧力損失△P(low)(=k×Gr)とを用いてコンプレ
ッサ吸入側圧力Psを求め、コンデンサ出口圧力Pcondout
と圧力損失△P(cond)(=k×Gr)とを用いてコンプ
レッサ吐出側圧力Pdを求め、冷媒流量Grを用いてコンプ
レッサ吸入容積Vcompを求め、求められたコンプレッサ
吸入側圧力Psとコンプレッサ吸入側圧力Pdとコンプレッ
サ吸入容積Vcompと断熱係数kを用いてコンプレッサ駆
動トルクTcompを算出するため、コンプレッサ吸入側圧
力Psとコンプレッサ吸入側圧力Pdとコンプレッサ吸入容
積Vcompとの3つのトルク算出要素を冷媒流量Grに基づ
いて求めることで、精度良くコンプレッサ駆動トルクT
compを算出することができる。
【0068】以上、本発明の可変容量コンプレッサの駆
動トルク算出装置を第1実施例に基づき説明してきた
が、具体的な構成については、この第1実施例に限られ
るものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明
の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容さ
れる。
【0069】例えば、第1実施例では、コンプレッサと
してエンジン駆動による外部制御型コンプレッサを用い
る例を示したが、モータにより駆動される可変容量の電
動コンプレッサを備えた冷凍サイクルにも適用できる。
【0070】第1実施例では、センサとしてエバ前湿度
センサを追加するだけの好ましい例を示したが、エバ前
湿度センサ以外のセンサ類を追加したものであっても、
要するに、冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバポレ
ータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポレータ
を流れる冷媒流量を推定し、推定された冷媒流量を用い
てコンプレッサ駆動トルクを算出するものであれば本発
明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の可変容量コンプレッサの駆動トル
ク算出装置が適用された車両用空調システム図である。
【図2】第1実施例装置が適用された冷凍サイクルに有
する外部制御型コンプレッサを示す断面図である。
【図3】第1実施例装置に適用された冷凍サイクルに有
する外部制御型コンプレッサでの容量可変制御作用の説
明図である。
【図4】第1実施例のエアコンコントロールユニットの
コンプレッサ駆動トルク算出部にて実行される駆動トル
ク算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】エバポレータの前後位置でのエバ入口空気エン
タルピとエバ出口空気エンタルピとの関係を示す図であ
る。
【図6】理想の冷凍サイクルを示すモリエル線図であ
る。
【図7】実際の冷凍サイクルを示すモリエル線図であ
る。
【図8】エバポレータ吸熱量に対するエバポレータ効率
特性図である。
【図9】冷媒流量に対する圧力損失特性図である。
【図10】往復式コンプレッサにおける理想の圧縮線図
に対する実際の圧縮線図を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 ラジエータ 3 外部制御型コンプレッサ(可変容量コンプレッサ) 4 コンデンサ 5 リキッドタンク 6 温度式自動膨張弁 7 エバポレータ 8 オルタネータ 9 冷却電動ファン 10 ファンモータ 11 コントロールバルブ 12 ブロワファン 13 ブロワファンモータ 14 フューエルインジェクタ 20 空調コントロールユニット 20a コンプレッサ駆動トルク算出部(コンプレッサ
駆動トルク算出手段) 20b ファンモータ制御部 20c コンプレッサ容量制御部 21 空調制御入力センサ系 21-9 内気温度センサ(内気循環モードでのエバ前温度
検出手段) 21-10 外気温度センサ(外気導入モードでのエバ前温
度検出手段) 21-12 吸込温度センサ(エバ後温度検出手段) 21-14 冷媒圧力センサ(高圧冷媒圧力検出手段) 21-15 エバ前湿度センサ(エバ前湿度検出手段) 22 PWMモジュール 23 エンジンコントロールユニット 24 エンジン制御入力センサ系
フロントページの続き Fターム(参考) 3G093 AA13 DA01 DA06 DB00 DB05 DB07 DB09 DB25 EB05 3H045 AA04 AA10 AA12 AA27 BA01 CA02 CA03 CA09 CA13 CA24 CA28 DA00 DA09 DA43 EA13 EA16 EA17 EA26 EA38 EA42 EA46

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用空調装置の冷凍サイクルに設けら
    れ、外部からの信号により任意に単位時間当たりの理論
    吐出容量を制御することができる可変容量コンプレッサ
    において、 冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバポレータ前後の
    エンタルピの変化に基づいて、エバポレータを流れる冷
    媒流量を推定し、推定された冷媒流量を用いてコンプレ
    ッサ駆動トルクを算出するコンプレッサ駆動トルク算出
    手段を設けたことを特徴とする可変容量コンプレッサの
    駆動トルク算出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された可変容量コンプレ
    ッサの駆動トルク算出装置において、 前記コンプレッサ駆動トルク算出手段は、 冷凍サイクルに設けられるエバポレータを経過して車室
    に流れ込む室内風量を算出する室内風量算出部と、 前記室内風量と、エバポレータ前後の空気エンタルピの
    変化によりエバポレータ空気吸熱量を算出するエバポレ
    ータ空気吸熱量算出部と、 算出されたエバポレータ空気吸熱量と、エバポレータ前
    後の冷媒エンタルピの変化によりエバポレータを流れる
    冷媒流量を算出する冷媒流量算出部と、 算出された冷媒流量を用いてコンプレッサ駆動トルクを
    算出するコンプレッサ駆動トルク算出部と、 を有することを特徴とする可変容量コンプレッサの駆動
    トルク算出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された可変容量コンプレ
    ッサの駆動トルク算出装置において、 前記室内風量算出部は、外気導入モードと内気循環モー
    ドに分け、各モードについてブロワファン回転数と空調
    モードに応じて室内風量を算出することを特徴とする可
    変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3の何れかに記載
    された可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置にお
    いて、 エバポレータの入口温度を検出するエバ前温度検出手段
    と、エバポレータの入口湿度を検出するエバ前湿度検出
    手段と、エバポレータの出口温度を検出するエバ後温度
    検出手段と、エバポレータの出口湿度を検出するエバ後
    湿度検出手段とを設け、 前記エバポレータ空気吸熱量算出部は、エバポレータの
    入口温度と入口湿度によりエバ入口空気エンタルピを求
    め、エバポレータの出口温度と出口湿度によりエバ出口
    空気エンタルピを求め、前記エバ入口空気エンタルピか
    らエバ出口空気エンタルピを差し引いて空気エンタルピ
    差を求め、前記室内風量算出部により算出された室内風
    量と、前記空気エンタルピ差とを用いてエバポレータ空
    気吸熱量を算出することを特徴とする可変容量コンプレ
    ッサの駆動トルク算出装置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4の何れかに記載
    された可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置にお
    いて、 冷凍サイクルの高圧側に設けられる高圧冷媒圧力検出手
    段を設け、 前記冷媒流量算出部は、冷媒圧力検出値に基づいてエバ
    入口冷媒エンタルピを求め、エバポレータ効率に基づい
    てエバ出口冷媒エンタルピを求め、前記エバ入口冷媒エ
    ンタルピからエバ出口冷媒エンタルピを差し引いて冷媒
    エンタルピ差を求め、前記エバポレータ空気吸熱量算出
    部により算出されたエバポレータ空気吸熱量と、冷媒エ
    ンタルピ差とを用いてエバポレータを流れる冷媒流量を
    算出することを特徴とする可変容量コンプレッサの駆動
    トルク算出装置。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項5の何れかに記載
    された可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置にお
    いて、 冷凍サイクルの低圧側に設けられる低圧冷媒圧力検出手
    段と、冷凍サイクルの高圧側に設けられる高圧冷媒圧力
    検出手段とを設け、 前記コンプレッサ駆動トルク算出部は、前記冷媒流量算
    出部からの冷媒流量による配管の圧力損失と低圧冷媒圧
    力検出値に基づいてコンプレッサ吸入側圧力を求め、前
    記冷媒流量算出部からの冷媒流量による配管の圧力損失
    と高圧冷媒圧力検出値に基づいてコンプレッサ吐出側圧
    力を求め、前記冷媒流量算出部からの冷媒流量に基づい
    てコンプレッサ吸入容積を求め、求められたコンプレッ
    サ吸入側圧力とコンプレッサ吸入側圧力とコンプレッサ
    吸入容積と断熱係数を用いてコンプレッサ駆動トルクを
    算出することを特徴とする可変容量コンプレッサの駆動
    トルク算出装置。
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