JP3961107B2 - 外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置およびこれを用いた自動車エンジン制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出容量を変化させる制御圧力を外部からの電気信号に基づいて制御するコントロール手段を備えた外部制御式可変容量コンプレッサの駆動トルクを予測する装置に関し、特に、簡易な構成で精度良くコンプレッサのトルク予測を行うことができるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、カーエアコンに対する省動力ニーズおよびコンプレッサのON/OFF制御時の吹出風温度変化やショック低減といった快適性ニーズを満たすため、冷房能力の必要量に応じて冷媒吐出容量を可変しうる可変容量コンプレッサが広く普及しつつある。たとえば、斜板式の可変容量コンプレッサを例にとると、冷房空間の熱負荷に応じて斜板の傾きを連続的に変えることにより、ピストンストロークを変化させ、連続的に容量を変えるようにしている。この場合、斜板の傾きが大きければ吐出量が多く(最大冷房時)、傾きが小さければ吐出量も少なくなる(容量制御時)。このように最大冷房時以外では冷媒循環量が減少するため、コンプレッサ所要動力が減少する。
【0003】
このような可変容量コンプレッサにおいて容量を変化させる(たとえば、斜板式の場合には斜板の傾きを変化させる)制御方法として、いわゆるメカニカルコントロールバルブ(MCV)を用いて制御を行うのが一般的である。このメカニカルコントロールバルブは、コンプレッサ本体に設けられた弁(たとえば、ベローズ式コントロールバルブ)であって、コンプレッサの吸入圧力を使って容量の可変制御を内部的に行うものである。たとえば、斜板式可変容量コンプレッサにベローズ式コントロールバルブを設けた場合、コンプレッサの熱負荷に応じて変化する吸入圧力の変化(設定圧力との大小関係)によるべローズの収縮・膨脹により、クランクケース内とコンプレッサの吐出側とに通じる高圧側のバルブ、およびクランクケース内とコンプレッサの吸入側とに通じる低圧側のバルブの開閉を行うことで、クランクケース内の圧力(制御圧力)を制御し、ピストンを挟んでシリンダ内とクランクケース内の圧力差から生じるピストンに加わる圧力のバランスを変えて斜板の傾きを変化させている。
【0004】
しかし、このような可変容量コンプレッサの可変容量制御にあっては、べローズ式などのメカニカルコントロールバルブを用いた特性に基づく機械的制御であるため、連続制御は可能となるものの、省動力などを目的とした複雑な制御を行うことが困難なものであった。
【0005】
これに対し、電気信号による外部制御が可能な電磁弁などの電子操作式コントロールバルブ(ECV)を備えた外部制御式可変容量コンプレッサがある。これによれば、ソフトウエアによって外部から制御を行うことができるので、コンプレッサの最適制御が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような外部から電気信号によって複雑な制御を行う外部制御式可変容量コンプレッサにあっては、その多岐にわたる制御内容にしたがってコンプレッサの駆動トルクが変動することとなるが、エンジンにより駆動される可変容量コンプレッサにおいては、このエンジン負荷となるコンプレッサの駆動トルクについて特に予測することは行われていなかった。
【0007】
このため、コンプレッサ作動時における自動車エンジンの燃料供給の制御は概略補正にとどまり、燃料供給が少な過ぎるとエンジンストールが発生する虞れがあり、一方、燃料供給が多過ぎるとハイアイドリング(自動変速機付き車両の場合にはトルク変動による過大なクリープ現象の発生)や、燃費の悪化を招く虞れがあるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、外部から電気信号によって制御を行う外部制御式可変容量コンプレッサの駆動トルクを簡易な構成で精度良く予測することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、吐出容量を変化させる制御圧力を外部からの電気信号に基づいて制御するコントロール手段を備えると共に自動車用空調装置の冷凍サイクルを構成する外部制御式可変容量コンプレッサの駆動トルクを予測する装置であって、前記冷凍サイクルの高圧側飽和温度を検出する温度検出手段と、前記可変容量コンプレッサの吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段と、前記温度検出手段により検出された高圧側飽和温度および前記吸入圧力検出手段により検出された吸入圧力に基づいて前記可変容量コンプレッサの駆動トルクの推定値を演算する演算手段と、を有し、前記温度検出手段は、前記冷凍サイクルを構成するリキッドタンクに取り付けられる圧力スイッチのコネクタ内に一体的に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置において、前記演算手段は、前記高圧側飽和温度、前記吸入圧力および前記電気信号に基づいて前記可変容量コンプレッサの駆動トルクの推定値を演算することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置において、前記温度検出手段 (44) は、前記圧力スイッチ (45) に対して直列に電気的接続されることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置により得られたトルク推定値に基づいて、自動車エンジンの燃料供給を調整する燃料供給調整手段 (50) を有することを特徴とする自動車エンジン制御装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置およびこれを用いた自動車用エンジン制御装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。
【0017】
このシステムは、自動車用空調装置(カーエアコン)に搭載された冷凍サイクル1を有する。この冷凍サイクル1は、外部制御式可変容量コンプレッサ2、コンデンサ3、リキッドタンク4、膨脹弁5、およびエバポレータ6などを配管で連結し、その中に冷媒を封入して構成されている。外部制御式可変容量コンプレッサ2は、図示しないエンジンにより図示しないベルト、プーリ7およびマグネットクラッチ11を介して選択的に駆動され、その駆動時にエバポレータ6で蒸発した低温低圧のガス冷媒を吸入し圧縮して、高温高圧になったガス冷媒をコンデンサ3に圧送し、該冷媒をコンデンサ3およびエバポレータ6を介して繰返し循環させる。コンデンサ3にはコンデンサファン8が付設されており、コンデンサ3は、コンデンサファン8によって供給される冷却空気との熱交換により、コンプレッサ2から送り込まれてきた高温高圧のガス冷媒を冷却し凝縮液化させる。コンデンサ3と膨脹弁5の間に設けられたリキッドタンク4は、コンデンサ3で液化した冷媒を気液分離して液冷媒を一度貯え、液冷媒のみを膨脹弁5に送り出す。一般的に使用される温度式の膨脹弁5の場合には、リキッドタンク4を通ってきた中温高圧の液冷媒を減圧膨脹させて、低温低圧の霧状の冷媒にするとともに、エバポレータ6の下流に設けた図示しない感温筒のフィードバックにより、エバポレータ出口で、冷媒の蒸発状態が適度な過熱度を持つよう冷媒流量を調節する。エバポレータ6は、コンデンサ3で液化され膨脹弁5で低温低圧になった霧状の冷媒を蒸発させて、外側に図示しないブロアファンにより送られてくる空気を流して前記霧状冷媒と熱交換させることで、車室内に吹き出される空気を冷却し、同時に除湿する。
【0018】
この外部制御式可変容量コンプレッサ2は、たとえば、斜板式の外部制御式可変容量コンプレッサであって、その斜板の傾きが電気信号で外部から制御できるようになっている。つまり、この外部制御式可変容量コンプレッサ2は、コントロール手段として、従来のメカニカルコントロールバルブ(MCV)に代えて電気信号による外部制御が可能な電磁弁などの電子操作式コントロールバルブ(ECV)9を備えている。たとえば、ECV9として高圧側と通じている電磁弁を用いた場合、クランクケース内と低圧側とは所定の開度の通路で連通しており、クランクケース内の圧力は低圧側に逃げるようになっている。よって、かかる電磁弁9をON−OFFして高圧側圧力を導入・遮断することでクランクケース内の圧力(制御圧力)を制御することにより、ピストンに加わる圧力のバランスを変えて斜板の傾きを変化させ、これによってコンプレッサ2の吐出容量を制御することができる。
【0019】
このとき、電磁弁9には、外部からの電気信号として、たとえば、後述する演算手段としてのオートアンプ10から演算された適当な値のデューティ比(パルス波においてパルス幅を周期で割った数値)を持ったデューティ信号が与えられる。容量(斜板の傾き)を小さくする必要があるときは、大きなデューティ比を持ったデューティ信号を与えて電磁弁9の開弁時間を長くしてクランクケース内の圧力(制御圧力)を上昇させ、容量(斜板の傾き)を大きくする必要があるときは、小さなデューティ比を持ったデューティ信号を与えて電磁弁9の開弁時間を短くしてクランクケース内の圧力(制御圧力)を低下させる。
【0020】
この外部制御式可変容量コンプレッサ2は、オートアンプ10によって制御される。ここでは、コンプレッサのトルク予測およびこれを用いた自動車エンジンの燃料供給調整を目的とした制御に必要な構成要素のみを図示してある。すなわち、オートアンプ10には、外部制御式可変容量コンプレッサ2の吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段としての高圧側圧力センサ(高圧トランスデューサ)15、および吸入圧力検出手段としての低圧側圧力センサ(低圧トランスデューサ)16等が接続されている。高圧側圧力センサ15はコンデンサ3とコンプレッサ2の間の高圧配管に取り付けられ、冷媒の高圧側圧力を電気信号に変換するものである。コンプレッサ2の吐出圧力はこの高圧側圧力によって示される。なお、高圧側圧力センサ15をコンデンサ3と膨脹弁5の間の高圧配管に取り付けて、この高圧側圧力をコンプレッサ2の吐出圧力の代替として検出してもよい。また、低圧側圧力センサ16はエバポレータ6とコンプレッサ2の間の低圧配管に取り付けられ、冷媒の低圧側圧力を電気信号に変換するものである。コンプレッサ2の吸入圧力はこの低圧側圧力によって示される。
【0021】
オートアンプ10は、内蔵しているマイクロコンピュータによって、図示しない乗員によって操作される温度調節スイッチ、車室外気温センサ、車室内気温センサ、日射量センサ、エバポレータ下流側空気温度センサ、加熱源となるエンジン冷却水の温度センサなどの各スイッチおよびセンサからの入力信号を演算処理して、必要なコンプレッサの吐出容量となるように、制御パラメタであるデューティ比を決定し、このデューティ比信号を外部制御式可変容量コンプレッサ2の電磁弁(ECV)9に出力するようになっている。
【0022】
ここで、コンプレッサの吐出圧力をPd、コンプレッサの吸入圧力をPs、デューティ比をR、コンプレッサの駆動トルクをTrとした場合に、次の関係がある。
f(Tr)=f(Pd,Ps,R)
但し、fは関数を示す。具体的には、これらTr,Pd,Ps,Rの関係は、あらかじめ実験により求めることができ、図2に示すような関係にあることがわかる。この関係を利用して、オートアンプ10は、コンプレッサの吐出圧力Pd、コンプレッサの吸入圧力Ps、およびデューティ比Rからコンプレッサの駆動トルクTrの推定を行うようになっている。
【0023】
また、オートアンプ10は、燃料供給の調整などの自動車エンジンの制御を司っている燃料供給調整手段としてのエンジンコントロールアンプ50に接続されており、コンプレッサの駆動トルクTrの推定値がオートアンプ10からエンジンコントロールアンプ50に出力されるように構成されている。
【0024】
もちろん、オートアンプ10は、上記のほかに、自動車用空調装置についての通常の制御を行う。すなわち、オートアンプ10には、図示しない他のスイッチやセンサ、例えば、ファンスイッチ、加熱源となるエンジン冷却水温度センサなどがさらに接続されており、オートアンプ10は、内蔵しているマイクロコンピュータによって、それらの各センサ、エアミックスPBR(エアミックスドアアクチュエータに内蔵)、および各スイッチなどの信号を演算処理し、各アクチュエータ(インテークドアアクチュエータ、エアミックスドアアクチュエータ、モードドアアクチュエータ)、ファンコントロールアンプ、およびコンプレッサ2(のプーリ7からの駆動力を伝達または遮断するためのマグネットクラッチ)を作動させることにより、吸込口位置、吹出風温度、吹出口位置、吹出風量、およびコンプレッサ2自体のON/OFFを総合的に制御する機能をも有している。
【0025】
本実施形態は、上記のように構成されており、以下コンプレッサのトルク予測およびこれを用いた自動車エンジンの燃料供給調整を目的とした制御動作について説明する。
【0026】
まず、図示しないエアコンスイッチやデフロストスイッチなどコンプレッサ作動指令が出されると、外部制御式可変容量コンプレッサ2が起動され、冷凍サイクル1内の冷媒の循環が行われて所定の空調動作が開始される。オートアンプ10は、図示しない温度調節スイッチ、車室外、内の気温などからの入力信号を演算処理して制御パラメタであるデューティ比Rを決定する。そして、オートアンプ10は、演算された所定のデューティ比Rを電磁弁9に出力して高圧側圧力を導入・遮断し、クランクケース内の圧力を制御することにより、斜板の傾きを変化させ、これによってコンプレッサ2の吐出容量の制御を行う。
【0027】
また、高圧側圧力センサ15により検出された吐出圧力Pdと、低圧側圧力センサ16により検出された吸入圧力Psの信号とがオートアンプ10に入力される。オートアンプ10は、図2に示したあらかじめ実験により求められた吐出圧力、吸入圧力、デューティ比およびコンプレッサの駆動トルクの関係に基づいて、コンプレッサの駆動トルクの推定を行う。すなわち、図2の右側部分に示すように、検出された吐出圧力および吸入圧力から定常時でのデューティ比が決まり、これらに基づいて、図2の左側部分の関係から、外部制御式可変容量コンプレッサの駆動トルクを簡易な構成で精度良く予測することができる。
【0028】
なお、図2からわかるように、ある吐出圧力Pdが決まると、デューティ比Rによって吸入圧力Psが定まることとなるので、結果的には吐出圧力Pdと吸入圧力Psとによってコンプレッサの駆動トルクTrの推定を行うことが可能である。但し、デューティ比Rは制御パラメタとして外部制御式可変容量コンプレッサ2の電磁弁(ECV)9に出力されるものであって、吐出圧力Pdおよび吸入圧力Psの数値を変化させる要因となるものであることから、このデューティ比Rを考慮することによって、コンプレッサの駆動トルクTrの推定を、そのトルクの遷移動向を考慮してより迅速かつ正確に行うことが可能となる。
【0029】
次いで、このようにして求められたコンプレッサの駆動トルクTrの推定値は、オートアンプ10からエンジンコントロールアンプ50に出力される。そして、エンジンコントロールアンプ50は、コンプレッサの駆動トルクTrの推定値に基づいて、自動車エンジンへの燃料供給の調整を行う。このように、エンジン負荷としてのコンプレッサの駆動トルクTrの推定値の大きさに応じて燃料供給の調整を行うようにしたので、コンプレッサの駆動に必要なトルクを確保した効率的な燃料供給が可能となる。このため、燃料供給が少な過ぎてエンジンストールが発生することを防止することができ、一方、燃料供給が多過ぎてハイアイドリングとなることを防止することができる。したがって、省燃費性能の向上を図ることができる。
【0030】
図3は、本発明の他の実施形態に係る外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置およびこれを用いた自動車用エンジン制御装置のシステム構成を説明するためのブロック図、図4は、温度センサ付き圧力スイッチが取り付けられたリキッドタンクを示す断面図、図5は、圧力スイッチと温度センサとの接続方法を示す回路図である。
【0031】
この実施形態は、吐出圧力Pdの代わりに冷凍サイクル1上の高圧側飽和温度TL を検出するようにした点で上記実施形態と相違している。但し、その他の点については同様であるため、図1に示した部材と共通する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
図3および図4に示すように、リキッドタンク4の端板41に、気液混合部42に臨むようにして、温度センサ付き圧力スイッチ43が取り付けられている。温度センサ44は、当該温度センサ付き圧力スイッチ43の先端側のコネクタ内に、圧力スイッチ45と一体的に配置されており、好ましくは、温度センサ自身の保護のため、冷媒の温度を熱伝導性の良好な金属板等からなる伝熱部材44aを介して検出することができるように構成される。
【0033】
温度センサ44としては、例えばサーミスタが使用され、図5に示すように、圧力スイッチ45に対して直列に接続される。なお、圧力スイッチ45は、高圧側圧力の異常上昇(Hi側)および異常低下(Lo側)を検出するものである。したがって、サーミスタである温度センサ44は、通常は、その抵抗値が電圧となって後述するコンプレッサの駆動トルクの推定に使用される。また、圧力スイッチ45の作動時は、圧力スイッチ45の接点45aが離れ、温度センサでカットするよりも時定数の遅れなく確実にカットすることができる。ここで、「カット」とは、クラッチを切ってコンプレッサを停止することをいう。
【0034】
なお、高プレッシャ(Hi側)により圧力スイッチ45が作動して回路の抵抗値が∞となった場合、アンプとしては、圧力が高いということになるため、コンプレッサの駆動トルクは高トルクであると判定される。一方、低プレッシャ(Lo側)により圧力スイッチ45が作動した場合は、コンプレッサの駆動トルクは低トルクなのに高トルクと判定されてしまい、ハイ(Hi)アイドリングとなってしまう。よって、圧力で切れる前の状態を見ておき、Lo側で切れたのかHi側で切れたのか判断する必要がある。
【0035】
図6は、高圧側飽和温度TL とコンプレッサの吐出圧力Pdとの関係を示す図である。図示のように、これら両者の間には相関がかなり安定的にあることがわかる。したがって、この高圧側飽和温度TL を吐出圧力Pdの代わりに使用することによっても、上記した実施形態と同様に、外部制御式可変容量コンプレッサの駆動トルクを簡易な構成で精度良く予測することができる。
【0036】
特に、本実施形態によれば、圧力スイッチと温度センサとを一体化して2つの機能を果たさせるように構成したので、ハーネスを新設しなくても済み、しかも、温度センサを取り付けるために取付相手側の加工が必要になることもない。また、高圧側圧力センサ(高圧トランスデューサ)よりも温度センサの方が安価であるため、低コストにてコンプレッサの駆動トルクの推定を行うことができる利点がある。さらに、圧力スイッチとしての機能は従来どおり確保することが可能である。
【0037】
なお、以上説明した実施形態は、本発明を限定するために記載されたものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、図3に示すシステムでは、温度センサと圧力スイッチとを一体化したものを使用して説明したが、温度センサを圧力スイッチとは別個に例えば配管に取り付けて、高圧側飽和温度TL を検出する構成とすることも可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、外部制御式可変容量コンプレッサの駆動トルクを簡易な構成で精度良く予測することができ、しかも、吐出圧力検出手段よりも温度検出手段の方が安価であるため、低コスト化を図ることができる。
さらに、温度センサを取り付けるために取付相手側の加工が必要になることもなく、また、圧力スイッチとしての機能は従来どおり確保することができる。
【0039】
請求項2記載の発明によればさらに、コンプレッサの駆動トルクの推定を、そのトルクの遷移動向を考慮してより迅速かつ正確に行うことが可能となる。
【0040】
請求項3記載の発明によればさらに、圧力スイッチと温度センサとを直列接続して一体化し、2つの機能を果たさせるように構成したので、ハーネスを新設しなくても済む。
【0041】
請求項4記載の発明によれば、コンプレッサの駆動に必要なトルクを確保した効率的な燃料供給が可能となる。このため、エンジンストールやハイアイドリングとなることを防止することができる。また、省燃費性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置およびこれを用いた自動車用エンジン制御装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。
【図2】 コンプレッサの吐出圧力Pd、コンプレッサの吸入圧力Ps、デューティ比Rおよびコンプレッサの駆動トルクTrの関係を示す図である。
【図3】 本発明の他の実施形態に係る外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置およびこれを用いた自動車用エンジン制御装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。
【図4】 温度センサ付き圧力スイッチが取り付けられたリキッドタンクを示す断面図である。
【図5】 圧力スイッチと温度センサとの接続方法を示す回路図である。
【図6】 高圧側飽和温度TL とコンプレッサの吐出圧力Pdとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1…冷凍サイクル、
2…外部制御式可変容量コンプレッサ、
4…リキッドタンク、
9…電磁弁(コントロール手段)、
10…オートアンプ(演算手段)、
15…高圧側圧力センサ(吐出圧力検出手段)、
16…低圧側圧力センサ(吸入圧力検出手段)、
44…温度センサ(温度検出手段)、
45…圧力スイッチ、
50…エンジンコントロールアンプ(燃料供給調整手段)。
Claims (4)
- 吐出容量を変化させる制御圧力を外部からの電気信号に基づいて制御するコントロール手段(9) を備えると共に自動車用空調装置の冷凍サイクル(1) を構成する外部制御式可変容量コンプレッサ(2) の駆動トルクを予測する装置であって、
前記冷凍サイクル (1) の高圧側飽和温度を検出する温度検出手段 (44) と、
前記可変容量コンプレッサ(2) の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段(16)と、
前記温度検出手段 (44) により検出された高圧側飽和温度および前記吸入圧力検出手段(16)により検出された吸入圧力に基づいて前記可変容量コンプレッサ(2) の駆動トルクの推定値を演算する演算手段(10)と、を有し、
前記温度検出手段 (44) は、前記冷凍サイクル (1) を構成するリキッドタンク (4) に取り付けられる圧力スイッチ (45) のコネクタ内に一体的に配置されることを特徴とする外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置。 - 前記演算手段(10)は、前記高圧側飽和温度、前記吸入圧力および前記電気信号に基づいて前記可変容量コンプレッサ(2) の駆動トルクの推定値を演算することを特徴とする請求項1記載の外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置。
- 前記温度検出手段 (44) は、前記圧力スイッチ (45) に対して直列に電気的接続されることを特徴とする請求項1記載の外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置により得られたトルク推定値に基づいて、自動車エンジンの燃料供給を調整する燃料供給調整手段 (50) を有することを特徴とする自動車エンジン制御装置。
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