JP2003278233A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 汚れた下着や介護用品を便器内で洗浄したい
という要望の増加に応じ便器内での洗浄を可能とする人
体局部洗浄装置の改良による洗浄装置を提供する。 【解決手段】 使用者が操作する操作部と、人体局部を
洗浄する洗浄ノズルと、洗浄ノズルへの給水通路を開閉
する開閉弁を備え、操作部の操作にもとづいて、ノズル
が略収納位置にある状態で洗浄水を放出するので、洗浄
水は前方に吐出され便器外や使用者への汚水の飛び散り
などを心配することなく安心して汚物を洗浄することが
出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルより局部に
洗浄水を噴出するようにした衛生洗浄装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】便器に設置された衛生洗浄装置の外観図
を図１に示す。便器２の上には便ふた３、便ふた４、及
び本体５が備えられた衛生洗浄装置が取り付けられ、衛
生洗浄装置には給水管６を通じて給水される。図示しな
いが、本体５には局部を洗浄する洗浄ノズル、洗浄ノズ
ルへの給水を制御する給水弁、おしり洗浄／ビデ洗浄の
流路を切り替える流路切替弁、洗浄水を温める熱交換
器、機器を制御するコントローラなどが内設され、また
使用者が洗浄を指示する操作部７が配置されている。

【０００３】熱交換器には水を加温するヒーター、給水
弁には開閉する電磁弁、洗浄ノズルにはノズルの吐水穴
を洗浄に適した位置まで駆動するためのモータなどがそ
れぞれ設けられ、コントローラによって制御されてい
る。使用者が着座し、操作部７にある洗浄スイッチ（た
とえばおしり洗浄スイッチやビデ洗浄スイッチ）を押す
ことにより、ノズルは洗浄に適した位置まで伸出した後
に給水弁が開き、流路切替弁や流量調整弁が制御されて
人体局部に向かって洗浄水が放出される。

【０００４】従来から汚れ物を便器内に洗い流す使用者
がいたが、近年、介護の増加などにより、汚れた下着や
介護用品、またオストメイトのパウチなどを洗い流した
いという要望は増えつつある。

【０００５】しかしながら、トイレ室内にはそういった
汚物を洗い落とすのに適切な水がないために、便器はあ
っても汚物を洗い流すという行為は甚だ面倒な作業であ
り、トイレ室外からバケツなどで持ってきた水を使って
洗い、かつ洗浄に使用した水を便器内に流さなければな
らなかった。

【０００６】一方で近年、衛生洗浄装置が普及し、肛門
などの局部洗浄が快適に行えるようになってきており、
この衛生洗浄装置を使用して下着やしびん等の介護用品
を洗浄しようとする使用者もいる。しかしながらこの
時、図２の断面図に示したように、飛び出した洗浄水は
当然人体局部に向かって放出されるよう設計されている
ため、汚物を洗浄しようとすると、汚れた水が飛び散っ
たり、便器外に飛び出てしまう恐れがあり、甚だ使い勝
手が悪いものであった。従って便器内に容易に汚物を洗
い流したいという要望は満たされなかった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の課題を
解決するために考案されたものであり、汚れた下着や介
護用品が容易に便器内に洗い流せるよう、衛生洗浄装置
を用いて洗浄用の水もしくは温水を供給することを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段・作用及び効果】上記目的
を達成するために、請求項１記載の衛生洗浄装置におい
ては、使用者が操作する操作部と、人体局部を洗浄する
洗浄ノズルと、洗浄ノズルへの給水通路を開閉する開閉
弁を備え、操作部の操作にもとづいて、ノズルが略収納
位置にある状態で洗浄水を放出することにより汚物を洗
浄することができる。従って使用者は従来のように便器
外や使用者への汚水の飛び散りなどを心配することなく
安心して汚物を洗浄することが出来る。

【０００９】請求項２記載の衛生洗浄装置においては、
使用者が操作する操作部と、人体局部を洗浄する洗浄ノ
ズルと、洗浄ノズルへの給水通路を開閉する開閉弁と、
洗浄ノズルの上流に分岐部を備え、操作部の操作に基づ
いて、分岐部から別流路へ洗浄水を分岐して放出するた
め、例えば専用の洗浄に適したノズルや吐水口を設ける
ことで洗浄水の放出に自由度をもたせることができ、使
い易さが飛躍的に向上する。

【００１０】請求項３記載の衛生洗浄装置においては、
洗浄水を温める熱交換器を備え、前記分岐部は熱交換器
の下流に設けているので、使用者は取りづらい汚れも温
水の効果により簡単に洗い流すことができる。また、温
水が使用できるので洗浄時も暖かく、快適である。

【００１１】請求項４記載の衛生洗浄装置においては洗
浄水を温める熱交換器を備え、前記分岐部は熱交換器の
上流に設けているので、汚物を洗浄する洗浄水は温水を
使用しないので省エネの効果がある。

【００１２】なお、請求項３及び請求項４の両方の機能
を持ち、操作や設定により、いずれかを用いる構成とし
ても良い。

【００１３】請求項５記載の衛生洗浄装置においては操
作開始から一定時間経過すると自動的に通水を停止する
ので、停止操作を忘れた場合の水の垂れ流しを防止する
ことができる。また、一定時間経過により停止されるの
で、停止操作を行う必要がないため、使用勝手が良い。

【００１４】請求項６記載の衛生洗浄装置においては水
量を調節する水量調節装置を備えているため、使用者の
使い勝手や汚れ物に応じて洗浄することができるために
使用勝手が向上する。

【００１５】請求項７記載の衛生洗浄装置においては衛
生洗浄装置が便器に備え付けられていることを検出し、
便器に備え付けられていない時には弁を閉状態に保つよ
うに制御するため、便器から取り外す時や便器から取り
外して掃除などをする時に、誤操作によって便器外へ水
が溢れてしまうようなことがなく、安心して使用するこ
とができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。本発明を示す衛生洗浄装置の給水
系統の実施例を図４に、また給水系統の駆動シーケンス
を図５にそれぞれ示す。

【００１７】従来の衛生洗浄装置の給水系統は図４
（ａ）に示されているものであり、その給水系統の駆動
シーケンスは図５（ａ）に示されているもののみであっ
た。この給水系統と駆動シーケンスにより、使用者が局
部洗浄のスイッチを押すと、給水弁４１が開となり、温
水タンク４２と流路切替／流量調整弁４４を経て洗浄ノ
ズル４３に至り、局部洗浄に適した位置に伸出した洗浄
ノズル４３を通じて人体局部に洗浄水を放出することが
できる。

【００１８】しかしながら、例えば使用者がしびんなど
の汚物をトイレで洗浄しようとする場合、この構成では
図２に示したように、洗浄ノズルが伸出した状態に合わ
せて洗浄しなければならず、洗浄水が人体や便器外に飛
び散ってしまう恐れがあるため使用勝手が悪く、かつ、
汚物が上になるために洗浄ノズルに汚れがかかってしま
うという問題があった。

【００１９】本発明では、局部の洗浄を行うための駆動
シーケンス（図５（ａ））に加えて、例えば駆動シーケ
ンス（図５（ｂ）乃至（ｅ））を備える。図５（ｂ）の
シーケンスによれば、汚物洗浄用の操作スイッチを使用
者が押すことにより、洗浄ノズルが略収納状態のままで
給水弁４１が開状態となり、衛生洗浄装置への給水を継
続する。洗浄ノズルは略収納状態のままで吐水し、洗浄
ノズルを洗浄するための洗浄室と呼ばれる部屋内に放出
され、そのまま便器内へと垂れ落ちる。使用者はこの水
を使って汚物を容易に洗い流すことができる。また洗浄
室の形状を工夫し、洗浄ノズルの位置をこの洗浄室内で
移動させることにより、図３に示されるように便器内前
方に（便器外に吐出することなく安全に）吐水すること
もできる。すなわち、洗浄ノズルを洗浄するときには洗
浄室内のイのゾーンに洗浄水を放出することにより、洗
浄室で跳ね返った水で洗浄ノズルを洗う。そして、洗浄
ノズルを移動させて（図５（ｂ）の汚物洗浄位置）洗浄
室内のロのゾーンに洗浄水を放出することにより、洗浄
水を前方便器内に放出させる。こうして放出される水に
より、使用者は便器内で容易に汚物を洗浄することがで
きる。

【００２０】また、図５（ｂ）に示しているが、水勢調
整用のスイッチ操作により、洗浄水量が変えられるよう
制御することで、汚れに応じた水の強さで汚物を洗浄で
きるため、更に使用勝手は向上する。ここで汚物を洗浄
している状態（以降汚物洗浄モードと呼ぶ）と製品待機
状態との状態遷移の一実施例を図７に示す。

【００２１】使用者が汚物洗浄用のスイッチ（図示しな
い）を押すことで汚物洗浄モードとなる。汚物洗浄モー
ドへの移行は専用スイッチの操作のみに限らず、例えば
局部洗浄用のスイッチの複数組み合わせ押しや特定スイ
ッチの長時間押しなどの操作でも良く、音声や個人認識
などにより移行しても良い。

【００２２】汚物洗浄モードからは図７に示したように
「止スイッチ」や「汚物洗浄用スイッチ」を操作する場
合だけでなく、汚物洗浄モードへ移行してから一定時間
が経過した後、もしくは一定量吐水した後に待機状態へ
戻るよう制御すると、止め忘れ防止になり、水や電力を
無駄に浪費することがない。また、吐出される温水の温
度を検出し、異常な高温水が検出された場合には直ちに
給水を停止し、待機状態もしくは製品ロック状態となる
よう制御すれば、安全性が更に高まる。

【００２３】さらに衛生洗浄装置を便器への取付検知を
行い、便器から体が取り外されたことを検出すると給水
を停止する。勿論本体を取り外した状態では汚物洗浄モ
ードへ移行しないので、誤操作によって便器内以外に水
が噴出される恐れもない。以上説明した駆動シーケンス
及び状態遷移を実現するための制御部の制御ブロックの
一実施例を図６に示す。

【００２４】制御部のＣＰＵには操作スイッチ６１や衛
生洗浄装置の便器取り付け状態検出手段６３、温水タン
ク（熱交換器）内サーミスタ６２からの信号が入力さ
れ、ＣＰＵ６４に入力された各種信号の演算により、給
水弁駆動回路６５、温水タンク（熱交換器）内ヒータ駆
動回路６７、流路切替／流量調整弁駆動回路６５、給水
弁２駆動回路６６等への出力が制御される。以上述べた
制御ブロックと状態遷移に従った制御により、安全にか
つ快適に使用することができる。

【００２５】更に続いて本発明の別の実施例を、図４の
水路系統（ｂ）〜（ｄ）とそれぞれ対応させた図５の駆
動シーケンス（ｃ）〜（ｅ）とを使って説明する。図１
（ｂ）の給水経路によれば、熱交換器４２の下流に局部
洗浄への通水路４６と汚物洗浄用の通水路の流路切替弁
が設けられている。従って、汚物を洗浄する洗浄水とし
て人体にも快適な熱交換器の温水を使用することがで
き、温水で洗浄できるため、洗浄効果が高まる。また、
熱交換器には高温防止の制御も取り入れられているため
に高温水が出てくることもないので非常に安全である。
従来であればトイレ外から持ち入るしかなかった温水
が、衛生洗浄装置の温水を利用して容易に使うことが出
来ることになる。熱交換器を瞬間式の熱交換器にする
と、温水の湯が低下することもなく持続できるため使用
者の満足度はさらに向上する。

【００２６】また、汚物洗浄用の流路へ切替える弁につ
いては、好ましくは図示するように流路切替弁と流量調
整弁をひとつの弁で構成することにより省スペースとコ
ストダウンを図ることが出来る。図４（ｃ）の給水系統
によれば、熱交換器の上流に汚物洗浄用流路４７ｂへの
流路切替弁を設けており、図５（ｄ）の駆動シーケンス
に従って給水弁４１と汚物洗浄用の副給水弁４７ａを同
時に開とし、洗浄ノズルへの通水路を遮断することで、
汚物洗浄用の流路４７ｂへと通水される。

【００２７】この構成によれば、汚物洗浄に使用する水
は熱交換器を通過しないため、熱交換器の温水を使用す
ることなく汚物を洗浄できる。従って貯湯式の温水タン
クでは、貯めている温水を使うことなく汚物を洗浄でき
る。また瞬間式の熱交換器では、同じく汚物洗浄に使用
する洗浄水が熱交換器への流入流量に影響を与えないた
め、汚物の洗浄に使用する洗浄水量を大幅に増やして
も、熱交換器やその制御器に負担をかけることがない。

【００２８】図４（ｄ）の給水系統と図５（ｅ）の動作
シーケンスによれば、熱交換器４２、洗浄ノズル４３に
連通させる給水弁４１と汚物洗浄用の流路に連通させる
給水弁４８が並列に配置されているため、汚物洗浄の場
合には給水弁４８のみを「開」とすれば良く、熱交換器
や洗浄ノズルにストレスを与えないまた上述してきた汚
物洗浄用の流路の開放口はノズル先端の吐水噴出口を収
納する洗浄室近傍である必要はない。便器面近傍に設置
されていれば特にホースなどを連結することなく便器内
に洗浄水が排出できるが、ホースなどを連結すれば衛生
洗浄装置の適当な位置に配置して良い。

【００２９】上述してきた構成により、使用者はしびん
やオストメイトのパウチなどの汚物を衛生洗浄装置によ
って容易に、安心して洗浄することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 衛生洗浄装置の設置外観図

【図２】 従来の衛生洗浄装置を使った汚物洗浄の図

【図３】 本発明の一実施例を表す洗浄ノズル近傍の
断面図

【図４】 本発明の実施例を表す水路系統図

【図５】 本発明の実施例を表す動作シーケンス

【図６】 本発明の実施例を表す制御ブロック図

【図７】 本発明の汚物洗浄モードの状態遷移図

【符号の説明】

４１ … 開閉弁（給水弁） ４２ … 熱交換器（温水タンク） ４３ … 洗浄ノズル ４４ … 水量調節装置（流路切替／流量調整弁）

フロントページの続き (72)発明者 大石 晃 福岡県北九州市小倉南区舞ヶ丘１丁目１番 １号 株式会社パンウォシュレット内 Ｆターム(参考） 2D038 JA05 JB01 JB04 JC00 JC03 JF00 JF02 JF03 JH06 JH12 JH16 JH21 KA06 KA14

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用者が操作する操作部と、人体局部を
   洗浄する洗浄ノズルと、洗浄ノズルへの給水通路を開閉
   する開閉弁を備え、操作部の操作にもとづいて、ノズル
   が略収納位置にある状態で汚物を洗浄するための洗浄水
   を放出することを特徴とする衛生洗浄装置。
2. 【請求項２】 使用者が操作する操作部と、人体局部を
   洗浄する洗浄ノズルと、洗浄ノズルへの給水通路を開閉
   する開閉弁と、洗浄ノズルの上流に分岐部を備え、操作
   部の操作に基づいて、分岐部から洗浄ノズルと異なる流
   路へ汚物を洗浄するための洗浄水を分岐したことを特徴
   とする衛生洗浄装置。
3. 【請求項３】 洗浄水を温める熱交換器を備え、前記分
   岐部は熱交換器の下流に設けたことを特徴とする請求項
   ２記載の衛生洗浄装置。
4. 【請求項４】 洗浄水を温める熱交換器を備え、前記分
   岐部は熱交換器の上流に設けたことを特徴とする請求項
   ２記載の衛生洗浄装置。
5. 【請求項５】 操作開始から一定時間経過すると自動的
   に通水を停止することを特徴とする請求項１〜４記載の
   衛生洗浄装置。
6. 【請求項６】 水量調節装置を備えたことを特徴とする
   請求項１〜４記載の衛生洗浄装置。
7. 【請求項７】 衛生洗浄装置が便器に備え付けられてい
   ることを検出し、便器に備え付けられていない時には弁
   を閉状態に保つ制御を行うことを特徴とする請求項１〜
   ４記載の衛生洗浄装置。