JP2003277893A - 磁気特性に優れた電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents

磁気特性に優れた電磁鋼板及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常使用される程度の厚さを有する鋼板に効
率的に高濃度のNを含有させ、かつ鋼成分および窒化後
の熱履歴との兼ね合いで特定の組成を持つ窒化物を効率
的に形成させることで、従来なしえなかった高磁束密度
と低鉄損を両立させた電磁鋼板を提供する。 【解決手段】 Nを質量%で0.05〜8.0%含有す
る電磁鋼板。その製法としては、窒化によりNを0.0
5〜8.0%含有させる。さらにMnを0.3%以上と
し、また窒化物の生成を制御するため、Siを3.5%
以下、Alを2.0%以下、さらにTi、B、Crなど
の含有量を調整し、さらには熱処理後の冷却過程での変
態挙動の制御のためNi、C量を調整することで金属組
織中にFeを主体とする特殊な窒化物を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モーター、発電
機、トランス等に用いられる、磁束密度、鉄損、強度、
靭性、加工性、剪断打ち抜き性、溶接性、まためっきや
塗装、表面皮膜などの形成性に優れる電磁鋼板及びその
製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】様々な方面で用いられる電磁鋼板におい
ては、基本的な磁気特性として高い磁束密度と低い鉄損
が求められるが、これに加え、回転機での強度、靭性、
疲労特性、部材として加工する際の打ち抜き性、溶接
性、さらには表面皮膜の形成性など様々な特性が求めら
れる。このうち電磁鋼板の特性として最も基本的な磁束
密度と鉄損については一般に鉄損を低くするためにS
i,Al,Mnなどを添加すると磁束密度も低くなって
しまう。これは集合組織が変化してしまうこともある
が、物性としてFeにSi,Al,Mnを添加すると飽
和磁束密度が低下することの影響が大きく、高磁束密度
と低鉄損の両立が困難である所以である。一方、モータ
ー等の回転機では回転に伴う遠心力による変形や疲労破
壊を防ぐため強度の高い電磁鋼板が求められる場合が多
いが、合金を添加すると上述のように殆どの場合は磁束
密度が低下してしまう。また、Al,Siの添加は鋳造
性、圧延性などを劣化させるため、現在、実用的にはS
i:4%、Al:3%が限度である。これ以上の低鉄損
材としては特殊な方法によりSiを含有させた鋼板や、
アモルファス合金が用いられる。しかし、これらの方法
は歩留まり等も含め生産性が非常に低いばかりでなく、
磁束密度化は上述の理由により低いレベルにならざるを
得ない。
【0003】Feに何らかの元素を添加して磁束密度が
向上する例としては、Fe−N合金での可能性が固体物
理、Vol.7(1972)、483に示されている。しかし、高磁束
密度が得られる組成はFe162(質量%で3%N)と
非常な高N成分かつ不安定な相であり、通常の溶解−鋳
造という大量生産工程での製造はほぼ不可能である。実
際、この効果は蒸着、スパッタリングなどの技術で作ら
れた厚さ数μm以下の極薄膜で確認されたものであり、
様々な実施において良好な特性が得られないという報告
もあり、現状では非常に不安定な現象であり通常の電磁
鋼板が使用されている用途へ適用できるようなものでは
ない。
【0004】また、特開昭61−143557号公報、
特開昭63−7332号公報、特開平4−268027
号公報には、特殊な手段により薄くした鋼板に窒化処理
と析出焼鈍を行うことにより、上述のFe162を形成
させ、良好な磁気特性を得る方法が開示されているが、
薄くするための製造コストが高くなる上、特性について
も飽和磁化の評価しかされておらず、電磁鋼板の主要な
用途である、交流磁界の中で用いられるモーターコアや
トランス等の用途については考慮されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、通常使用さ
れる程度の厚さを有する鋼板に効率的に高濃度のNを含
有させ、かつ鋼成分および窒化後の熱履歴との兼ね合い
で特定の組成を持つ窒化物を効率的に形成させること
で、従来なしえなかった高磁束密度と低鉄損を両立させ
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成できる高N電磁鋼板を提供するべく、鋼成分や窒
化条件、その後の熱処理、鋼板の組織と磁気特性との関
係について鋭意検討を行い、本発明を完成させたもので
ある。その趣旨は以下のとおりである。
【0007】従来よりNはオーステナイト相を安定化さ
せる元素として知られているが、従来の製造法のように
溶鋼段階で高濃度のNを含有させる方法では精練が困難
であり、また鋳造時に綱片中にガスが発生し凝固後に気
泡が残存し良好な綱板を得ることができない。このため
本発明鋼が対象とするような高N鋼の磁気特性、強度、
靭性、耐疲労特性などを含めた広い範囲での特性は検討
されておらず、未知であった。そこで本発明者はNを、
鋳造後、製品となる直前に含有させる方法を検討し、窒
化によりNを多量に含有させた後、特定の熱履歴を経る
ことで非常に特異な結晶組織を得ることが可能で、この
組織は熱的にも非常に安定であり、磁気特性に優れるこ
とを見出した。本発明はこの知見をもとにさらにSi、
Mn、C、Al等の元素およびTi、Bなどの微量元素
の影響および窒化条件および目的とする金属組織に制御
するための熱履歴などを検討し達成されたものである。
本発明の要旨は、(1)Nを高濃度に含有させる、
(2)変態挙動を制御するためMn量を適当な範囲に制
御する、(3)Feに優先して窒化物を形成するSi,
Al,B,Tiなどの含有量を適当な範囲に制御する、
(4)窒化の効率のみならず、最終的に窒化物を形成す
る鋼中Nの状態を窒化中から制御するため窒化処理の板
温度および雰囲気を適当に制御する、(5)磁気特性の
向上に必須となる特異な構造を有するFeを主体とした
窒化物の形成を促進するため、窒化後の熱履歴を制御す
る、ことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における鋼成分の限定理由
を以下に詳細に説明する。
【0009】Nは本発明の最も重要な元素である。本発
明の特徴である磁気特性に優れるFeを主体とした窒化
物相を得るには従来鋼以上に高濃度であるNが必要であ
ることは間違いないが、優れた磁気特性を有するメカニ
ズムは未解明の部分が多い。
【0010】一般的にはFe162として知られるが、
本発明鋼においては成分的にSi,Cr等の元素を含有
する場合もあり、またFeとNの組成比も16:2近傍
で変化している。Nはオーステナイト生成元素であり、
後述のMnの影響も考慮するとオーステナイト相からの
変態が好ましい組織の生成に寄与していると予想され
る。N濃度が0.05%未満ではその効果が見出せない
か厳格な熱処理が必要となる。一方、N濃度を高めるに
は窒化処理時間が長くなることから、制限範囲を0.0
5〜8.0%とした。好ましくは0.10〜5.0%、
さらに好ましくは0.30〜3.5%である。
【0011】Mnは、本発明の効果を制御するために有
用な元素で、Nと同様にオーステナイト安定化させ元素
であることから前述の変態挙動に影響を及ぼし組織生成
に寄与していると予想される。上下限は特に限定する必
要はないが、Mn濃度が0.1%未満ではFe4Nが析
出しやすくなり効果が損なわれやすく、または良好な効
果を得るには厳格な熱処理が必要となる。また過剰な添
加は表面欠陥または表面処理上の問題が出ることや他の
成分との兼ね合いもあるがオーステナイト相が安定化し
磁気特性を損ねる場合もあることから、好ましくは0.
3〜5.0%、より好ましくは0.6〜4.0%、さら
に好ましくは0.8〜3.0%である。
【0012】Siは、本発明鋼のような高N含有鋼では
過剰に添加するとSi窒化物を形成し、鉄損を上昇させ
るとともにFeを主体とした窒化物相の形成効果を低減
させるため、過剰な添加は好ましくない。ただし、Si
窒化物が過剰に形成された場合でも、1000℃程度以
上の熱処理により溶解させることは可能である。一方、
過剰なSi窒化物を形成しなければ低鉄損化には有効な
元素である。好ましい範囲を3.5%以下、より好まし
くは2.0%以下、さらに好ましくは0.01〜0.5
%とする。
【0013】Alは、一般に脱酸剤として用いられる
が、Si以上に強い窒化物形成元素であるため、上述の
Siと同様に過剰な添加は好ましくなく、熱処理による
溶解もSi窒化物より困難となる。好ましい範囲は2.
0%以下、より好ましくは0.2%以下、さらに好まし
くは0.05%以下である。
【0014】Ti、Bも、Al以上に強い窒化物形成元
素であり、添加は好ましくない。Tiは0.2%以下が
好ましく、より好ましい範囲は0.05%以下、さらに
好ましくは0.01%以下である。Bは0.02%以下
が好ましく、より好ましい範囲は0.005%以下、さ
らに好ましくは0.001%以下である。
【0015】Crも窒化物を形成するが、Si,Al,
Ti,Bに比較すると悪影響は小さく、Fe−Crの窒
化物を形成し磁気特性向上に有効な窒化物を安定化させ
る効果もあるので、積極的に添加することも有効とな
る。添加コストを考慮し上限を10%とする。好ましく
は3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
【0016】本発明において、従来の窒化技術を活用し
た鋼板ではなし得なかった非常に良好な磁気特性が発現
する機構は不明確であるが、変態が絡んでいる可能性が
高く、変態に関しN、Mnと同様の効果を持ち、Nの役
割を補助する効果を有する元素としてC、Niを適当量
含有させることは、本発明の磁気特性向上効果をさらに
高めるのに有効である。
【0017】Cは、過剰に存在するとセメンタイトを形
成し延性を劣化させる場合があるので、好ましい範囲を
0.50%以下、より好ましくは0.05%以下、さら
に好ましくは0.002%以下とする。
【0018】Niは、多量に添加するとオーステナイト
相を安定化させ磁気特性を損ねる場合があることと添加
コストを考え、好ましい範囲を5.0%以下とする。
【0019】また、本明細書において述べている特性に
限らず、様々な使用特性を向上させる目的で、または鋳
造性、圧延性、焼鈍通板性など製造上の課題を改善する
目的で、各種元素を添加することは本発明の効果を何ら
損なうものではない。一般に鋼中に不可避的に含まれる
P,Nb,Mo,Sn,W,Sb,O等を1%未満の範
囲で添加しても本発明の効果が得られることを確認して
いる。
【0020】本発明は、基本的にFeフェライト相およ
び窒化物相を主要な相としているが、オーステナイト安
定元素であるN、Mnを比較的多量に含有し、結晶組織
の形成に変態が関与していると考えられることから、そ
の組織中にオーステナイトが残留する場合がある。残留
オーステナイト相は磁気特性上は好ましからざるもので
あるため、その体積率を5%以下とすることが好まし
い。
【0021】本発明鋼に残留するオーステナイト相は製
造条件によっては非常に安定な場合もあるが、比較的不
安定な場合には、鋼板を変形することでマルテンサイト
に加工誘起変態させることも可能であるため、熱処理に
より大量にオーステナイト相を残留させ、その後のスキ
ンパス等の加工によりその体積率を低減してもよい。た
だし、加工による歪が大きいと磁気特性が劣化する場合
もあるので注意が必要である。
【0022】本発明鋼の組織は、基本的には良好な特性
を有すると考えられているFe16 2、質量%で3%N
−Feに近いものであると考えられるが、鋼組成が3%
を外れても従来鋼のレベルから見て非常に良好な特性を
示すことから、Fe162以外の相の影響が大きいと考
えられる。また、従来の極薄膜状でのみ得られていたF
162とは異なり、熱的にも非常に安定である。
【0023】窒化中も含め高N状態とした後の工程で熱
処理により調質を行う場合、良好な磁気特性を得ること
ができる温度、冷却速度等の範囲は、従来公知の電磁鋼
板の処理条件で実現可能である。後述するように特に良
好な特性を得るため調質熱処理の温度、冷却速度等を制
御することも可能であるが、実用的な条件内であれば、
蒸着等により極薄膜状で得られるFe162のように熱
処理により良好な特性が失われる懸念は小さい。このた
め、通常の電磁鋼板で行われているような、コアに加工
された後に歪取り焼鈍(SRA)を行っても良好な特性
を維持できる。また、本発明鋼は本来、特性が良好で従
来の電磁鋼板ほど加工による歪の影響を受けないため、
SRAを省略しても十分な特性を得ることが可能であ
る。
【0024】次に本発明で重要な要因である製品の形状
について説明する。本発明は板厚0.010mm以上、
1.0mm以下の板形状で提供されるものとする。磁気
特性が非常に良好な素材として存在が示唆されているF
162は、これまでのところスパッタリングや蒸着の
ような手法でしか製造されておらず、厚さは数μm程度
までであった。このような薄い薄膜状の材料は、取り扱
いが非常に困難になるだけでなく、モーターやトランス
等の大量生産品に用いるためには非常に多くの枚数を重
ねる必要があり、モーター等の生産上、問題が大きい。
また言うまでもないが、蒸着等の手法では、大量生産品
で使用される実用的な電磁鋼板と同程度の板厚0.1m
m以上、幅約1m、長さはコイルなら数千m、切り板で
も数十cmの大きさのものを製造するのは不可能と言わ
ざるを得ない。本発明は蒸着等の方法では実用上到達し
得ない板厚0.010mm以上を対象とする。
【0025】対象とする板厚の上限は、本発明の特徴で
ある窒化によって鋼中のN含有量を高めるためには窒化
前の板形状は薄いものの方が有利となる観点から、1.
0mm以下に規制する。これ以上の厚みを持つ部位を有
する鋼板を窒化し本発明の効果を得るには、非常に長時
間の窒化処理が必要となり、工業生産上、生産性に支障
を及ぼすためである。もちろん鋼材または鋼部品の表層
のみを窒化し表層部に本発明の効果を付与し、全体とし
てそれなりの効果を得ることや、表層のみに良好な磁気
特性を付与することが有効である場合はこの限りではな
い。
【0026】板厚は低鉄損化のため薄手化の方向にある
電磁鋼板の実用的な範囲や、また薄い鋼板は急速冷却凝
固のような方法で得られることも考慮すれば、好ましく
は0.050〜1.0mm、さらに好ましくは0.20
〜0.8mmである。
【0027】次に、本発明鋼板の製造方法について説明
する。
【0028】本発明で用いる鋼板は、従来公知の製造方
法により得られる電磁鋼板を用いることができる。すな
わち、無方向性電磁鋼板であれば、所望の成分に調整し
た溶鋼を鋳造または分塊してスラブとし、熱間圧延し、
1回もしくは中間焼鈍を介挿する2回以上の冷間圧延に
よって最終板厚とし、再結晶焼鈍を行う。また鋳造を薄
スラブとして熱間圧延を省略もしくは簡略化しても良
く、または急冷凝固法により最終板厚の鋼板を直接製造
しても良い。
【0029】また、方向性電磁鋼板であればインヒビタ
ー成分を含有する溶鋼を鋳造または分塊してスラブと
し、熱間圧延し、熱延板焼鈍を行いもしくは省略し、1
回もしくは中間焼鈍を介挿する2回以上の冷間圧延によ
って最終板厚とし、一次再結晶焼鈍を行い、焼鈍分離剤
を塗布した後、1100℃以上で仕上焼鈍を行う。
【0030】本発明の特徴は、以上のような公知の電磁
鋼板に、従来では考えられなかったほどの高濃度のNを
含有させることにある。本発明鋼の成分系では、溶鋼段
階での成分調整によって多量のNを含有させることは困
難であるが、鋼片または鋼板への窒化を適用すると比較
的容易に高濃度のNを含有させることが可能になる。こ
の窒化の方法としては、ガスによるもの、液体中で行う
もの、さらには窒化能を有する固体との接触や、イオン
照射、プラズマ照射などによるものが考えられるが、何
れの方法を用いても、窒化処理により含有N量を0.0
5%以上に増加することができれば、本発明の効果を得
ることができる。
【0031】工業的な生産性等を考慮するとガスによる
窒化が最も効率的な手段である。ガスによる窒化の場合
の好ましい条件の一例としては580〜800℃の温度
域でアンモニアを2%以上含む雰囲気中で保持すること
である。窒化時の温度は厳密には板温度と雰囲気温度そ
れぞれの影響があるが、ここでは一般的な焼鈍設備を想
定し、板温と雰囲気温度がほぼ等しいとして記述する。
窒化温度がこの範囲を外れると窒化効率が低下し、必要
量の窒化に長時間を要する。また、低温側に外れた場合
は多量の鉄窒化物を形成し、本発明鋼で必要とする磁気
特性を付与するために580℃以上の追加熱処理が必要
となり、さらには有効な窒化物相の形成効率が落ちる場
合がある。
【0032】窒化雰囲気のガス組成は特に限定しない
が、アンモニアの濃度を窒化雰囲気中への導入ガス流量
に対する比で2%以上にすることが、窒化効率の観点か
ら有効である。
【0033】アンモニア以外の雰囲気が主としてN2
2である場合、窒化効率の観点からはN2の導入流量を
多くする方が有利であり、〔窒素ガスの体積〕/〔水素
ガスの体積〕≧2.0とするのが好ましい。他のキャリ
アガスの例として、酸素や炭化物は、鋼板に酸化や浸炭
を起こすので、低減することが好ましい。HeやAr等
の不活性ガスを用いることは問題ないが、コスト高とな
る。
【0034】また窒化中の保持時間は必要鋼中N量との
兼ね合いで決定される。連続焼鈍の場合は設備構成上、
最長で30分が限度であるが、箱焼鈍などを用いること
で数時間以上、数日の処理も可能となる。操業性や生産
性などを考慮し2秒〜20日の範囲で行われる。
【0035】窒化処理を行うタイミングは、鋳片以降の
どの段階で行うことも可能である。電磁鋼板の製造工程
では、組織制御を目的として熱処理が行われているが、
それと同時、又は前後に窒化処理を行っても、本発明の
効果は何ら損なわれるものではない。なお窒化では表面
から鋼内部へのNの拡散を利用しているため、板厚は薄
いほど高窒化が容易で、通常は最終製品に近い形状に加
工された後に窒化することが有利となる。特に熱間仕上
げ圧延以降の段階で行うことが好ましく、再結晶焼鈍炉
の一部または全部を窒化雰囲気にすることで窒化を行う
ことが生産上は都合が良い。または独立した後工程で窒
化処理を行うのでも構わない。なお、方向性電磁鋼板で
は、仕上焼鈍時にインヒビター除去のため脱窒されるた
め、それ以降の工程や、仕上焼鈍終了時の冷却中に行う
必要がある。
【0036】なお、実用的には電磁鋼板は磁気特性向上
や加工性向上などのため鋼板表面に皮膜を形成されて使
用することが多いが、本発明における窒化は通常この皮
膜を形成する以前に行われる。鋼中に存在する高濃度の
Nが場合によっては皮膜形成に悪影響を及ぼす場合もあ
りうるが大きな問題となるレベルではなく、窒化後、通
常の方法でまたは多少の改善を行った方法で皮膜を形成
し、従来鋼と同様に使用することができる。
【0037】磁気特性は高Nを含有させた後の熱履歴を
適当に制御することでさらに向上させることができる。
この熱処理は窒化処理と連続している必要はなく、いっ
たん室温まで冷却した後、またはさらに何らかの加工、
めっき、皮膜処理などを行った後に行っても構わない。
熱処理条件としては最高到達温度の制御が重要で、75
0℃以上に到達させる。保持時間は数秒で十分である
が、板厚方向のN濃度勾配を小さくし、より均一とする
ため、数分または数時間以上保持しても構わない。
【0038】また窒化の後、580℃以上の温度域から
の冷却過程における熱履歴によっても磁気特性の制御が
可能であり、成分により若干異なるが、580〜500
℃の温度域での滞在時間を10秒以内とする、500〜
100℃の温度域での滞在時間を10秒以上とする、さ
らには冷却過程において10℃/秒以上の冷却速度での
冷却工程を経ることの1以上を行うことにより、磁気特
性に好ましい窒化物相をより安定かつ多量に形成させる
ことが可能となる。
【0039】また、一般に電磁鋼板は、所定の形状に打
ち抜きまたは切断後、積層して使用されるが、モーター
コアやトランス等の積層部材に組み上げられた後に窒化
することでも、良好な効果を得ることが可能である。こ
れは鋼板のせん断面は鋼がむきだしであり、この微小部
分が窒化により特性改善するためと思われる。このよう
な端面は磁束の集中等により全体の特性に強く影響し、
特にマイクロモーターや小さなトランス等の微小な部材
では、部材組み上げ後の本発明の適用による特性改善効
果は大きい。
【0040】本発明の特徴である良好な磁気特性を有す
る組織は、用途によっては鋼板の全ての部分に均一に形
成されている必要はなく、例えば高周波の用途では、表
層のみの磁性が改善されていればかなりの効果を得るこ
とができる。また、部分的に組織が異なることで、強度
や靭性、疲労特性などと、延性などの通常両立すること
が困難な特性を良好に組み合わせた複合機能を持たせる
ことも可能となる。
【0041】部分的に組織を変化させる方法は、例えば
成分を不均一にすることが考えられ、本発明のように窒
化を行うものでは鋼板表面から中心へのNの濃度勾配を
活用することが考えられる。また、本発明では微細組織
の発現にN以外の成分の影響が見られ、特にMnの影響
が大きいことから、Mn濃度が異なる鋼を複層鋼として
製造し、これを窒化することで実現が可能となる。ま
た、窒化後に行う調質熱処理において部分的に温度を変
化させることでも組織を制御できる。
【0042】
【実施例】磁気特性は55mm×55mmの大きさのサ
ンプルでコイルの圧延方向から0°、45°、90°の
特性を測定し、実施例1、3、4では (X0+2×X45+X90)/4 ただし、X0,X45,X90:コイルの圧延方向から0
°,45°,90°方向の磁気特性で得られる鋼板の面
内平均により評価し、実施例2では0°方向の特性のみ
で比較した。測定は実施例1,2,4では切り出しまま
の状態で、実施例3では750℃×2時間のSRA後で
行った。なお、実用化されている電磁鋼板では特性向上
のため鋼板表面に皮膜を形成しているが、本実施例では
鋼板そのものの特性を比較するため、全て板表面の皮膜
がない状態で特性を測定している。
【0043】<実施例1>表1に成分を示す板厚0.3
5mmの鋼板で実施した。発明鋼はNを0.004%以
下含有する鋼片を通常の条件で熱延、冷延し、800
℃、1分の再結晶焼鈍の後、アンモニアガス、窒素ガ
ス、水素ガスを含有する雰囲気中で窒化処理した。その
後、900℃、2分の調質熱処理を行った。また窒化処
理条件および900℃、2分後の冷却条件を表2に示
す。比較鋼は通常の製法で製造された無方向性電磁鋼板
である。特性の評価結果を表2に示す。本発明鋼はいず
れも特性が良好である。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】<実施例2>表3に成分を示す板厚0.3
5mmの鋼板で実施した。発明鋼はNを0.004%以
下含有する鋼片を通常の条件で熱延、冷延し、850
℃、1分の再結晶焼鈍の後、アンモニアガス、窒素ガ
ス、水素ガスを含有する雰囲気中で窒化処理した。その
後、850℃、50秒の調質熱処理を行った。また窒化
処理条件および850℃、50秒後の冷却条件を表4に
示す。比較鋼は通常の製法で製造された方向性電磁鋼板
である。特性の評価結果を表4に示す。本発明鋼はいず
れも特性が良好である。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】<実施例3>表5に成分を示す板厚0.2
0mmの鋼板で実施した。発明鋼はNを0.004%以
下含有する鋼片を通常の条件で熱延、冷延し、890
℃、1分の再結晶焼鈍の後、アンモニアガス、窒素ガ
ス、水素ガスを含有する雰囲気中で窒化処理した。その
後、900℃、10秒の調質熱処理を行った。また窒化
処理条件および900℃、10秒後の冷却条件を表6に
示す。比較鋼は通常の製法で製造された無方向性電磁鋼
板である。特性の評価結果を表6に示す。本発明鋼はい
ずれも特性が良好である。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】<実施例4>ベース成分を同一とした場合
の窒化量の特性に及ぼす影響を見るため、表7に成分を
示す板厚0.35mmの鋼板を用いた。鋼Mは通常の製
鋼−熱延−冷延−焼鈍工程を経て製造された鋼板であ
る。これらの鋼板をアンモニアガス、窒素ガス、水素ガ
スを含有する雰囲気中で窒化処理した。窒化処理雰囲気
組成、温度および時間を変化させることで含有N量を
0.002%から9%程度まで変化させた。
【0053】その後、900℃、2分の調質熱処理を行
い、580℃から250℃までを10秒で冷却(平均冷
却速度:33℃/秒)し、250℃から100℃を緩冷
却(平均冷却速度:0.5℃/秒、この温度域での滞在
時間:5分)し、さらに100℃以下を10秒で室温ま
で冷却した。
【0054】このときの含有N量と磁束密度の関係を図
1に示す。0.05%までの窒化により特性が劣化する
が、これ以上では窒化をしない材料と同等以上の特性を
示し、0.1%以上では明確に良好な特性を示し、さら
に0.3%以上では特性的にほぼ飽和するものの最高の
特性を示す。また3%程度以上の窒化域では特性の劣化
が見られ5%では未窒化材と同等程度まで低下し、8%
以上では特性は極端に劣化してしまう。
【0055】
【表7】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、従来公
知の電磁鋼板に窒化処理を施して、従来考えられなかっ
たほど高Nとすることで、高磁束密度と低鉄損を両立さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板含有窒素量と磁束密度の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K028 AA02 AB01 AC04 AC08 4K033 CA05 CA06 CA07 FA03 FA13 HA03 LA00 RA02 SA03 SA04 TA01 5E041 AA02 CA02 CA04 HB11 HB19 NN01 NN17 NN18

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%でN:0.05〜8.0%を含有
    し、板厚が0.010mm以上、1.0mm以下である
    ことを特徴とする磁気特性に優れた電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 質量%でMn:0.1%以上を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気特性に優れた電
    磁鋼板。
  3. 【請求項3】 質量%でSi:3.5%以下、Al:
    2.0%以下、Ti:0.2%以下、B:0.02%以
    下であることを特徴とする請求項1〜2に記載の磁気特
    性に優れた電磁鋼板。
  4. 【請求項4】 質量%でCr:10%以下であることを
    特徴とする請求項1〜3に記載の磁気特性に優れた電磁
    鋼板。
  5. 【請求項5】 質量%でNi:0.5〜5.0%である
    ことを特徴とする請求項1〜4に記載の磁気特性に優れ
    た電磁鋼板。
  6. 【請求項6】 質量%でC:0.050%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5に記載の磁気特性に優れた
    電磁鋼板。
  7. 【請求項7】 N以外の元素の鋼板内の濃度が実質的に
    均一であることを特徴とする請求項1〜6に記載の磁気
    特性に優れた電磁鋼板。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載の電磁鋼板の製造方
    法として、常法による電磁鋼板の製造工程における鋳片
    以降の段階で窒化処理を行うことにより、N含有量を質
    量%で0.05〜8.0%とすることを特徴とする磁気
    特性に優れた電磁鋼板の製造方法。
  9. 【請求項9】 窒化処理が、アンモニアガスを流量で2
    %以上含む雰囲気ガスを導入した中で580〜800℃
    で2秒〜20日間保持することを特徴とする請求項8に
    記載の磁気特性に優れた電磁鋼板の製造方法。
  10. 【請求項10】 窒化処理の雰囲気が、アンモニアガ
    ス、窒素ガス、水素ガスを含み、(窒素ガスの流量)/
    (水素ガスの流量)≧2.0であることを特徴とする請
    求項9に記載の磁気特性に優れた電磁鋼板の製造方法。
  11. 【請求項11】 窒化処理の雰囲気が、実質的にアンモ
    ニアガス、窒素ガス、水素ガスからなることを特徴とす
    る請求項9〜10に記載の磁気特性に優れた電磁鋼板の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 窒化処理を行った後に鋼板を750℃
    以上の温度にで熱処理する工程を経ることを特徴とする
    請求項8〜11に記載の磁気特性に優れた電磁鋼板の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 窒化処理および/又は請求項12記載
    の窒化処理後の熱処理における冷却過程において、58
    0〜500℃の温度域での滞在時間を10秒以内とする
    ことを特徴とする請求項8〜12に記載の磁気特性に優
    れた電磁鋼板の製造方法。
  14. 【請求項14】 窒化処理および/又は請求項12記載
    の窒化処理後の熱処理における冷却過程において、50
    0〜100℃の温度域での滞在時間を10秒以上とする
    ことを特徴とする請求項8〜13に記載の磁気特性に優
    れた電磁鋼板の製造方法。
  15. 【請求項15】 窒化処理および/又は請求項12記載
    の窒化処理後の熱処理における冷却過程において、冷却
    過程において10℃/秒以上の冷却速度での冷却工程を
    経ることを特徴とする請求項8〜14に記載の磁気特性
    に優れた電磁鋼板の製造方法。
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