JP2003275288A - 消臭材及びその製造方法 - Google Patents

消臭材及びその製造方法

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JP2003275288A JP2002087332A JP2002087332A JP2003275288A JP 2003275288 A JP2003275288 A JP 2003275288A JP 2002087332 A JP2002087332 A JP 2002087332A JP 2002087332 A JP2002087332 A JP 2002087332A JP 2003275288 A JP2003275288 A JP 2003275288A
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保太郎 瀬戸
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達男 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタ
ン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気に対して優れた消
臭性能を発揮することのできる消臭材及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン
錯体とを含む消臭組成物を担持体2に担持した構成とす
る。好ましくはヒドラジン誘導体/金属フタロシアニン
錯体の重量比を75/25〜95/5に設定する。上記
消臭組成物を含む処理剤に担持体2を浸漬するか、或い
は該処理剤を担持体2にコーティングして消臭材1を製
造するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば消臭シー
ト、エアコン等の消臭フィルター等として用いられる消
臭材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の生活環境の向上に伴い、生活空間
の一層の快適性を確保すべく、生活空間における例えば
アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメル
カプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の生活臭を除去す
ることに強い関心が持たれている。
【0003】また、このような生活臭だけではなく、例
えば食品を貯蔵する倉庫やコンテナ内では、トリメチル
アミン、メチルメルカプタン等の臭いが残留してこの残
留臭が次に貯蔵する食品に移ってしまって商品価値を低
下させてしまうといった問題があり、このような残留臭
を除去することにも強い関心が寄せられている。
【0004】このような臭いの問題を解決するものとし
て様々な種類の消臭材が上市されている。例えば活性炭
を不織布表面に担持したものが知られているが、このよ
うな吸着タイプの消臭材は速効性は十分に得られるもの
の、消臭効果の持続性に乏しく寿命が非常に短いという
欠点があった。
【0005】そこで、近年では、鉄フタロシアニン錯体
を不織布に担持せしめてなる消臭シートや、酸化チタン
等の光触媒を担持せしめたものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では次のような問題があった。即ち、前者の鉄フ
タロシアニン錯体を不織布に担持せしめてなる消臭シー
トでは、消臭性能及び消臭効果の持続性ともに未だ十分
といえるものではなかった。
【0007】また、後者の光触媒を担持せしめたもので
は、様々な臭気成分を常温で分解できるという特長を備
えているものの、分解作用を発揮せしめるためには光触
媒に特定波長の紫外線が照射されなければならず、消臭
材としての使用環境が限定されるという問題があるし、
消臭性能も十分なものではなかった。
【0008】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、アンモニア、硫化水素、メチルメ
ルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気に対して
優れた消臭性能を発揮することができると共に、この優
れた消臭性能を長く維持できる消臭材及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ヒドラジン
誘導体と金属フタロシアニン錯体とを含む消臭組成物を
含有してなる処理剤で担持体が処理されることによっ
て、該消臭組成物が担持体に担持されてなることを特徴
とする消臭材によって達成される。
【0010】上記構成の消臭材によれば、担持されたヒ
ドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体の相乗作用に
よって、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、
酢酸、アセトアルデヒド等の臭気が十分に除去される。
また、消臭性能の持続性も十分に得られる。
【0011】上記処理剤におけるヒドラジン誘導体/金
属フタロシアニン錯体の重量比は75/25〜95/5
の範囲とするのが好ましい。このような特定範囲に設定
すれば、ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体の
相乗作用が顕著に発現し、消臭性能が格段に向上する。
【0012】上記消臭組成物は、更に多孔質無機物質を
含んでなるのが好ましい。多孔質無機物質は臭気成分を
捕捉する作用に優れており、この多孔質無機物質によっ
て効率良く捕捉された臭気成分がヒドラジン誘導体・金
属フタロシアニン錯体の分解作用等によって十分に除去
されるので、このような連係作用によって消臭性能が向
上する。
【0013】上記多孔質無機物質としてはゼオライトを
用いるのが好ましい。ゼオライトは特に優れた吸着捕捉
能を有するので、消臭性能が一層向上するものとなる。
【0014】上記消臭組成物は、更にバインダー樹脂を
含んでなるのが好ましい。バインダー樹脂により消臭組
成物中の他の成分(ヒドラジン誘導体、金属フタロシア
ニン錯体、多孔質無機物質等)が担持体に強固に担持さ
れるので、これら消臭組成物の各成分の担持体からの離
脱が効果的に防止され、消臭性能の持続耐久性がさらに
向上する。
【0015】上記金属フタロシアニン錯体としてはコバ
ルトフタロシアニン錯体を用いるのが好ましい。このよ
うな構成を採用すれば、特にメチルメルカプタン、酢酸
に対する消臭性能が更に向上する。
【0016】上記消臭組成物の担持量は担持体に対して
0.1〜10重量%の範囲とするのが、コストを増大さ
せることなく十分な消臭性能が確保される点で、好まし
い。
【0017】上記担持体として不織布シートが用いられ
ている場合には、例えば建材用途に使用することも可能
となるし、シート状であることからスペースをとること
もなく、またフレキシブルに変形することも可能であ
り、従って様々な用途に適用可能であって汎用性に優れ
たものとなる。
【0018】上記担持体として多孔質構造体が用いられ
ている場合には、単位体積当たりの接触表面積が大きい
ものとなるので、例えばエアコン等の空調設備の消臭フ
ィルター、各種脱臭装置の消臭フィルター等として好適
に用いられ得る。
【0019】この発明に係る消臭材の製造方法は、ヒド
ラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体とを含む消臭組
成物を含有してなる処理剤に担持体を浸漬した後、乾燥
させることによって前記消臭組成物を担持体に担持させ
ることを特徴とするものである。
【0020】本製造方法で製造した消臭材は、担持した
ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体の相乗作用
によって、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタ
ン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去でき
ると共に、消臭性能の持続性も良いものとなる。また、
担持体を処理剤に浸漬しているので、消臭組成物を担持
体に対して均一に担持させることができる。
【0021】また、この発明の別の消臭材の製造方法
は、ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体とを含
む消臭組成物を含有してなる処理剤をシート状担持体に
コーティングした後、乾燥させることによって前記消臭
組成物をシート状担持体に担持させることを特徴とする
ものである。
【0022】本製造方法で製造した消臭材は、担持した
ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体の相乗作用
によって、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタ
ン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去でき
ると共に、消臭性能の持続性も良いものとなる。また、
コーティング方式であるから、生産性を顕著に向上でき
ると共に担持量の制御を精度高く行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明に係る消臭材(1)は、
ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体とを含む消
臭組成物を含有してなる処理剤で担持体(2)が処理さ
れることによって、該消臭組成物が担持体(2)に担持
されてなるものであり、担持されたヒドラジン誘導体と
金属フタロシアニン錯体の相乗作用によって、アンモニ
ア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアル
デヒド等の臭気を十分に消臭することができる。
【0024】前記担持体(2)としては、前記消臭組成
物を担持できるものであればどのようなものでも使用す
ることができ、例えば不織布シート、多孔質構造体等を
例示できる。
【0025】前記不織布シートの種類は特に限定され
ず、例えばスパンボンド不織布、ニードルパンチ不織
布、ケミカルボンド不織布、メルトブロー法により製造
された不織布等が挙げられる。また、これら不織布を構
成する繊維の素材も特に限定されず、例えばポリエステ
ル、ポリアミド、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨ
ン等の再生繊維、綿、絹等の天然繊維等を例示できる。
また、これら不織布を構成する繊維は、短繊維であって
も良いし、長繊維であっても良く、その長さは特に限定
されないし、繊維太さも特に限定されない。
【0026】前記多孔質構造体としては、例えばハニカ
ム構造体、樹脂発泡体、或いは図1、2に示すような平
面シート(3)と波形シート(4)が交互に積層されて
一体化された多孔質構造体等を例示できる。
【0027】次に、この発明の消臭材(1)を構成する
のに用いられる消臭組成物について説明する。この消臭
組成物は、ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体
を必須成分として含有する。もちろん、ヒドラジン誘導
体、金属フタロシアニン錯体とともに、他の消臭剤や臭
気捕捉剤、添加剤等を併用するものとしても良いことは
言うまでもない。
【0028】前記ヒドラジン誘導体としては、例えば、
ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応さ
せたもの、或いはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物
とを反応させたもの等が挙げられる。
【0029】中でも、ヒドラジンおよびセミカルバジド
からなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭
素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族
モノカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる群よ
り選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物
や、ヒドラジンおよびセミカルバジドからなる群より選
ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモ
ノグリシジル誘導体およびジグリシジル誘導体からなる
群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生
成物が好適である。このようなヒドラジン誘導体を用い
れば、一層優れた消臭性能を得ることができる。前記反
応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジ
ド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラ
ジドなどが挙げられるが、特にこれら例示の化合物に限
定されるものではない。
【0030】前記金属フタロシアニン錯体としては、特
に限定されるものではないが、例えば鉄フタロシアニン
錯体、コバルトフタロシアニン錯体、ニッケルフタロシ
アニン錯体、銅フタロシアニン錯体等が挙げられる。こ
れらの中でも、コバルトフタロシアニン錯体を用いるの
が好ましく、この場合には、特にメチルメルカプタン、
酢酸に対する消臭性能をさらに向上させることができる
利点がある。
【0031】前記処理剤におけるヒドラジン誘導体/金
属フタロシアニン錯体の重量比は75/25〜95/5
の範囲とするのが好ましい。このような特定範囲に設定
すれば、後の実施例での対比データから明らかなよう
に、ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体の相乗
効果が顕著に発現し、消臭性能が格段に向上するのに対
し、これら範囲を逸脱すると消臭性能が低下する。ま
た、金属フタロシアニン錯体の使用比率が増大するとコ
スト高となるので好ましくない。
【0032】この発明において、消臭組成物には更に多
孔質無機物質を含有させるのが好ましい。この多孔質無
機物質は臭気成分を捕捉する作用に優れており、この多
孔質無機物質によって効率良く捕捉された臭気成分がヒ
ドラジン誘導体・金属フタロシアニン錯体の分解作用等
によって十分に除去されるものとなり、このような連係
作用によって消臭性能が向上する。
【0033】前記多孔質無機物質としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば活性炭、ゼオライト等が挙
げられる。中でも、特に優れた吸着捕捉能を有するゼオ
ライトを用いるのが好ましく、これにより消臭性能を一
層向上させることができると共に、消臭効果の速効性も
向上するものとなる。
【0034】更に、前記消臭組成物には更にバインダー
樹脂を含有させるのが好ましく、このバインダー樹脂に
よって消臭組成物中の他の成分(ヒドラジン誘導体、金
属フタロシアニン錯体、多孔質無機物質等)を担持体に
強固に担持することができるので、これら消臭組成物の
各成分の担持体からの離脱を効果的に防止することがで
き、ひいては消臭性能の持続耐久性を向上させることが
できる利点がある。
【0035】前記バインダー樹脂としては、特に限定さ
れず、例えばアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂、グリオキザール樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、イソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン
−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等が挙
げられる。これら樹脂を2種類以上混合してバインダー
樹脂としても良い。
【0036】前記消臭組成物の担持量は担持体に対して
0.1〜10重量%の範囲とするのが好ましい。0.1
重量%未満では消臭効果が十分に得られなくなり、特に
効果の速効性の点で低下が大きくなるので、好ましくな
い。一方、10重量%を超えるとコストを増大させるの
で好ましくない。
【0037】この発明に係る消臭材(1)は、例えば次
のようにして製造することができる。まず、前記消臭組
成物の諸成分を水に分散させた水分散液からなる処理剤
を調合する。この時、これらの消臭組成物を可能な限り
均一に分散させるのが好ましい。また、バインダー樹脂
を用いる場合には、バインダー樹脂と水との間でエマル
ジョン状態を形成させるのが好ましい。なお、分散媒と
しては、水以外にアルコールなども使用し得るが、水が
好適である。なお、前記処理剤には、分散剤、増粘剤な
どの処理剤の特性向上のための各種添加剤を配合しても
良い。
【0038】このようにして得られた処理剤を用いて担
持体の処理を行って、消臭組成物を担持体に担持する。
好適な方法として次の2つの方法がある。第1の製造方
法は、前記担持体を処理剤に浸漬した後、これを乾燥さ
せることによって消臭組成物を担持体に担持するもので
ある。このような浸漬法を採用すれば、消臭組成物を担
持体に対して均一に担持させることができるので、高品
質の消臭材の製造が可能となる。
【0039】第2の製造方法は、前記処理剤をシート状
担持体にコーティングした後、乾燥させることによって
前記消臭組成物をシート状担持体に担持するものであ
る。コーティング法で消臭組成物を付与するので、生産
性を顕著に向上できるし、担持量も精度高く制御でき
る。前記コーティングの手法としては、特に限定される
ものではないが、例えばグラビアロール加工、スプレー
加工、ロールコーター加工、ジェットプリント加工、転
写プリント加工、スクリーンプリント加工等を例示でき
る。
【0040】前記乾燥の際の乾燥手段は特に限定され
ず、風乾により行っても良いし、あるいは加熱処理によ
り行っても良いが、乾燥処理の効率を考慮すると、加熱
処理により乾燥させるのが望ましい。
【0041】なお、前記処理手法としては上記例示のも
のに特に限定されるものではなく、例えば前記消臭組成
物を不織布シートを構成する繊維に予め練り込む手法等
を採用することもできる。
【0042】この発明の消臭材(1)の用途としては、
特に限定されるものではないが、例えば建材用等の消臭
シート、エアコン等の空調設備の消臭フィルター、各種
脱臭装置の消臭フィルター等が挙げられる。
【0043】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0044】<実施例1>セバシン酸ジヒドラジド0.
45重量部とコバルトフタロシアニン錯体(コバルトフ
タロシアニンポリスルホン酸ナトリウム)0.05重量
部を79.5重量部の水に加えた後、攪拌機により撹拌
を行い、分散液を得た。この分散液にさらに20重量部
のアクリル樹脂(固形分50%)を加え、良く撹拌して
均一な分散液(処理液)を得た。この処理液に、ポリエ
ステル製のスパンボンド不織布(目付40g/m2 )を
浸漬した後、取り出してマングルで絞って乾燥させて、
消臭シートを得た。
【0045】<実施例2〜7、比較例1、2>表1に示
す構成からなる処理剤を用いて表1に示す条件で行った
以外は、実施例1と同様にして、消臭シートを得た。
【0046】
【表1】
【0047】<実施例8>担持体として、スパンボンド
不織布に代えて、図1、2に示すような晒しクラフト紙
からなる平面シート(3)と波形シート(4)とが交互
に積層一体化された多孔質構造体(縦43mm×横55
mm×厚さ12mm)を用いた以外は、実施例2と同様
にして、消臭材を得た。
【0048】<実施例9>担持体として、スパンボンド
不織布に代えて、図1、2に示すような晒しクラフト紙
からなる平面シートと波形シートとが交互に積層一体化
された多孔質構造体(縦43mm×横55mm×厚さ1
2mm)を用いた以外は、実施例3と同様にして、消臭
材を得た。
【0049】<実施例10>セバシン酸ジヒドラジド
0.45重量部とコバルトフタロシアニン錯体(コバル
トフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム)0.05
重量部を79.5重量部の水に加えた後、攪拌機により
撹拌を行い、分散液を得た。この分散液にさらに20重
量部のアクリル樹脂(固形分50%)を加え、良く撹拌
して均一な分散液(処理液)を得た。この処理液を、グ
ラビアロール加工機を用いて目付70g/m2 のポリプ
ロピレン不織布(メルトブロー製法で作成したもの)に
ドットプリントした後、乾燥させて、消臭シートを得
た。
【0050】<実施例11>表2に示す構成からなる処
理剤を用いて表2に示す条件で行った以外は、実施例1
0と同様にして、消臭シートを得た。
【0051】
【表2】
【0052】上記のようにして製作された各消臭材に対
し下記試験法に従い、消臭性能の評価を行った。その結
果を表3、4に示す。
【0053】<消臭性能試験法A(消臭シートとしての
性能評価)>(アンモニア消臭性能)各消臭材から切り
出した試験片(10×10cm角)を、内容量2Lの袋
内に入れた後、袋内において濃度が100ppmとなる
ようにアンモニアガスを注入した。注入してから10分
経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定
値より各試験片がアンモニアガスを吸着除去した総量を
算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を計算
した。
【0054】(硫化水素消臭性能)アンモニアガスに代
えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が10pp
mとなるように注入した以外は、上記試験と同様にして
硫化水素の除去率(%)を算出した。
【0055】(メチルメルカプタン消臭性能)アンモニ
アガスに代えてメチルメルカプタンガスを用いて袋内に
おいて濃度が10ppmとなるように注入した以外は、
上記試験と同様にしてメチルメルカプタンの除去率
(%)を算出した。
【0056】(酢酸消臭性能)アンモニアガスに代えて
酢酸ガスを用いて袋内において濃度が10ppmとなる
ように注入した以外は、上記試験と同様にして酢酸の除
去率(%)を算出した。
【0057】(アセトアルデヒド消臭性能)アンモニア
ガスに代えてアセトアルデヒドガスを用いて袋内におい
て濃度が10ppmとなるように注入した以外は、上記
試験と同様にしてアセトアルデヒドの除去率(%)を算
出した。
【0058】そして、除去率が95%以上であるものを
「◎」、除去率が90%以上95%未満であるものを
「○」、除去率が85%以上90%未満であるものを
「△」、除去率が85%未満であるものを「×」と評価
した。
【0059】
【表3】
【0060】<消臭性能試験法B(消臭フィルターとし
ての性能評価)>各消臭シートから切り出した円形試験
片(直径50mm)を、長尺の円筒管の中間位置に配置
されたサンプルホルダーに固定し、円筒管の一端側から
毎分5Lの通気量で規定濃度の臭気ガスを通気し、サン
プルホルダー通過前のガス濃度及びサンプルホルダー通
過後のガス濃度を検知管にて測定し、これら測定値より
各試験片が各臭気ガスを吸着除去した総量を算出し、こ
れより臭気ガスの除去率(%)を求めた。
【0061】除去率が70%以上であるものを「◎」、
除去率が50%以上70%未満であるものを「○」、除
去率が45%以上50%未満であるものを「△」、除去
率が45%未満であるものを「×」と評価した。
【0062】なお、サンプルホルダー通過前のガス濃度
は、アンモニアガスの場合には100ppm、硫化水
素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒドの場
合には10ppmに設定した。
【0063】
【表4】
【0064】表3、4から明らかなように、この発明に
係る実施例1〜11の消臭材は、アンモニア、硫化水
素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒドのい
ずれに対しても優れた消臭性能を発揮できる。特に、ヒ
ドラジン誘導体/金属フタロシアニン錯体の重量比が7
5/25〜95/5の範囲にある実施例1〜5及び8〜
11は、消臭性能が格段に優れていた。
【0065】これに対して、金属フタロシアニン錯体を
単独で用いた比較例1、ヒドラジン誘導体を単独で用い
た比較例2はいずれも十分な消臭性能が得られなかっ
た。
【0066】
【発明の効果】この発明の消臭材は、ヒドラジン誘導体
と金属フタロシアニン錯体の相乗作用によって、アンモ
ニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトア
ルデヒド等の臭気を除去することができる。また、消臭
性能の持続性も十分に確保できる。
【0067】処理剤におけるヒドラジン誘導体/金属フ
タロシアニン錯体の重量比が75/25〜95/5の範
囲である場合には、ヒドラジン誘導体と金属フタロシア
ニン錯体の相乗作用が顕著に発現し、消臭性能を格段に
向上させることができる。
【0068】消臭組成物が更に多孔質無機物質を含んで
なる場合には、消臭性能をさらに向上させることができ
る。
【0069】多孔質無機物質がゼオライトである場合に
は、消臭性能を一層向上させることができると共に、消
臭効果において速効性を十分に確保できる。
【0070】消臭組成物が更にバインダー樹脂を含んで
なる場合には、消臭組成物の担持体からの離脱を効果的
に防止することができるので、消臭性能の持続耐久性を
更に向上させることができる。
【0071】金属フタロシアニン錯体がコバルトフタロ
シアニン錯体である場合には、特にメチルメルカプタ
ン、酢酸に対する消臭性能がさらに向上する。
【0072】消臭組成物の担持量が、担持体に対して
0.1〜10重量%の範囲である場合には、より低コス
トで十分な消臭性能を確保できるものとなる。
【0073】担持体として不織布シートが用いられてい
る場合には、シート状であることからスペースをとるこ
とがなく、また様々な形状に容易に変形することができ
るので、多様な用途に適用することができ汎用性に優れ
た消臭材となる。
【0074】担持体として多孔質構造体が用いられてい
る場合には、接触表面積が大きいので、エアコン等の空
調設備の消臭フィルター、各種脱臭装置の消臭フィルタ
ーとして好適なものとなる。
【0075】この発明の第1の製造方法は、ヒドラジン
誘導体と金属フタロシアニン錯体とを含む消臭組成物を
含有してなる処理剤に担持体を浸漬した後、乾燥させる
ことによって消臭組成物を担持体に担持させるものであ
るから、消臭組成物を担持体に対して均一に担持でき
る。
【0076】また、この発明の第2の製造方法は、ヒド
ラジン誘導体と金属フタロシアニン錯体とを含む消臭組
成物を含有してなる処理剤をシート状担持体にコーティ
ングした後、乾燥させることによって消臭組成物をシー
ト状担持体に担持させるものであるから、生産性を顕著
に向上できると共に担持量の制御を精度高く行うことが
でき、従って高品質の消臭材を低コストで製造できる。
【0077】上記製造方法において、処理剤におけるヒ
ドラジン誘導体/金属フタロシアニン錯体の重量比が7
5/25〜95/5の範囲である場合には、ヒドラジン
誘導体と金属フタロシアニン錯体の相乗作用が顕著に発
現し、消臭性能を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る消臭材を示す斜視
図である。
【図2】図1におけるA−A線の断面図である。
【符号の説明】
1…消臭材 2…担持体 3…平面シート 4…波状シート
フロントページの続き (72)発明者 西野 善春 奈良市南永井町甲231−16 Fターム(参考) 4C080 AA06 BB02 CC01 HH05 HH09 JJ03 JJ06 KK08 MM18 MM19 NN04 NN23

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニン
    錯体とを含む消臭組成物を含有してなる処理剤で担持体
    が処理されることによって、該消臭組成物が担持体に担
    持されてなることを特徴とする消臭材。
  2. 【請求項2】 前記処理剤におけるヒドラジン誘導体/
    金属フタロシアニン錯体の重量比が75/25〜95/
    5の範囲である請求項1に記載の消臭材。
  3. 【請求項3】 前記消臭組成物が、更に多孔質無機物質
    を含んでなる請求項1または2に記載の消臭材。
  4. 【請求項4】 前記多孔質無機物質がゼオライトである
    請求項3に記載の消臭材。
  5. 【請求項5】 前記消臭組成物が、更にバインダー樹脂
    を含んでなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭
    材。
  6. 【請求項6】 前記金属フタロシアニン錯体がコバルト
    フタロシアニン錯体である請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の消臭材。
  7. 【請求項7】 前記消臭組成物の担持量が、前記担持体
    に対して0.1〜10重量%の範囲である請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の消臭材。
  8. 【請求項8】 前記担持体として不織布シートが用いら
    れている請求項1〜7のいずれか1項に記載の消臭材。
  9. 【請求項9】 前記担持体として多孔質構造体が用いら
    れている請求項1〜7のいずれか1項に記載の消臭材。
  10. 【請求項10】 ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニ
    ン錯体とを含む消臭組成物を含有してなる処理剤に担持
    体を浸漬した後、乾燥させることによって前記消臭組成
    物を担持体に担持させることを特徴とする消臭材の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 ヒドラジン誘導体と金属フタロシアニ
    ン錯体とを含む消臭組成物を含有してなる処理剤をシー
    ト状担持体にコーティングした後、乾燥させることによ
    って前記消臭組成物をシート状担持体に担持させること
    を特徴とする消臭材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記処理剤におけるヒドラジン誘導体
    /金属フタロシアニン錯体の重量比が75/25〜95
    /5の範囲である請求項10または11に記載の消臭材
    の製造方法。
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