JP2011084850A - 繊維シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
生活環境において問題となる悪臭ガスの吸着性能を向上させた消臭材を提供すること。
【解決手段】
繊維シートにおいて、ゼオライトよりなる吸着材を、天然繊維および吸水性もしくは親水性合成繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維よりなる基材の表面および/または内部に存在させることを特徴とする。
吸着材は、ゼオライトとヒドラジド化合物、またはゼオライトと銅化合物及びアンモニアとの組み合わせ、あるいはゼオライトと銅化合物及びリン酸の組み合わせよりなる。
また、吸着材は重量比が50:1〜2:1の範囲で基材に付着させる。また、吸着材におけるゼオライトと他の化合物との重量比は50:1〜2:1の範囲である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゼオライトよりなる吸着材を用いた消臭繊維シートに関する。
近年建設される住宅は、気密性が著しく高く、冷暖房にかかるエネルギーの削減効果は著しく向上しているが、自然な空気の流れによる換気は期待できない状況である。これは自動車内でも同様であり、内装材や製造に不可欠な接着剤やプラスチック成型物などから発生するVOCガスについて、製造各社が削減の努力を進めている。VOCガスは、現代人の生活環境に欠かせない自動車、家電製品、家具、住宅建材等、あらゆる物質から発生する可能性がある。
一方、我々を取巻く生活環境において発生する生活臭についても様々な対応が考えられている。例えばアンモニア、硫化水素、メルカプタン、アルデヒド、酢酸、等が挙げられるが、中でもタバコ臭の原因になる成分としては、アンモニア、アルデヒド、ピリジン等が代表的な悪臭として取り上げられる。
VOCガスならびに生活臭において、アルデヒド類はとりわけ除去することが困難でその発生量も大きいため、大きな問題である。硫化水素、メルカプタン、アンモニアは生ごみやペット飼育環境において、生活する人々に強い不快感を与える臭いである。
このような背景から、近年、高度な消臭機能を有する製品に対する要望が益々高まっている。繊維製品を例にとると、難水溶性ヒドラジド化合物を繊維原料に練りこんだ消臭繊維(特許文献1)や、無機多孔質粒子、酸化亜鉛、ヒドラジド化合物をバインダーとともにポリエステル織物に塗付熱処理した消臭生地(特許文献2)等が提案されている。
特許第2818929号公報 特許第3605985号公報
しかしながら、上記の特許文献記載の先行技術は、十分な消臭効果を発揮できないという問題があった。
本願発明は、従来技術の上記問題を解決し、生活環境において問題となる悪臭ガスの吸着性能を向上させた消臭材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ゼオライトよりなる吸着材を、天然繊維等の基材に付着させることにより、ゼオライト元来の芳香族類吸着能力を損なうことなく、生活環境において問題となる悪臭ガスの吸着性能を飛躍的に向上させた繊維シートが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の技術を基礎とする。
(1)ゼオライトよりなる吸着材を、天然繊維および吸水性もしくは親水性合成繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維よりなる基材の表面および/または内部に存在させることを特徴とする繊維シート。
(2)基材が天然繊維よりなることを特徴とする(1)記載の繊維シート。
(3)天然繊維が綿であることを特徴とする(2)記載の繊維シート。
(4)吸着材を重量比が50:1〜2:1の範囲で基材に付着させたことを特徴とする(1)記載の繊維シート。
(5)吸着材が、ゼオライト及びヒドラジド化合物よりなることを特徴とする(1)〜(4)に記載の繊維シート。
(6)吸着材が、ゼオライト、銅化合物及びアンモニアよりなることを特徴とする(1)〜(4)に記載の繊維シート。
(7)吸着材が、ゼオライト、銅化合物及びリン酸よりなることを特徴とする(1)〜(4)に記載の繊維シート。
(8)ゼオライトと他の化合物との重量比が50:1〜2:1の範囲である吸着材を基材に付着させたことを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の繊維シート。
(9)
吸着材をバインダーにより基材に付着させ、且つゼオライトとバインダーの重量比が20:1〜3:1の範囲であることを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の繊維シート。
本発明によれば、ゼオライト元来の吸着性能を損なうことなく、悪臭ガスに関する吸着性能を飛躍的に向上させた繊維シートを得ることができる。
また、(9)によれば、吸着材がバインダーにより基材に担持されるので、耐久性の優れた消臭生地が製造でき、さらに適宜の大きさに切断、成形、接着、縫製することで多様な消臭製品が提供できる。さらには、プリーツおよび波板加工を施せば、ハニカムフィルターを製造することも可能である。
本発明は、ゼオライトよりなる吸着材を、天然繊維および吸水性もしくは親水性合成繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維よりなる基材の表面および/または内部に存在させた繊維シートである。
<1.ゼオライト>
本発明におけるゼオライトは、結晶性アルミノケイ酸塩である三次元骨格構造を有すればよい。例えばA型、X型、Y型、L型やβ型、ZSM-5等のハイシリカゼオライトが挙げられるが、結晶型には特に制限は無く、不定形であっても良く、それらが混合したものであっても良い。これらの中でも、特にSiO/Alのモル比が20以下のゼオライトを用いることが、アルデヒド類のガスを吸着する能力が高い点で好ましい。
合成ゼオライトを用いる場合、当該合成ゼオライトは、例えば、ケイ酸ナトリウム等のシリカ源、アルミン酸ナトリウム等のアルミナ源、水酸化ナトリウム等の鉱化剤及び水を含む原料を用いた水熱合成法により製造することができる。
本件に使用するゼオライトの平均粒子径は10μ以下が望ましい。
ゼオライトよりなる吸着材は、他の化合物と組み合わせることにより特定のガスに対しての吸着効果を向上させることができる。たとえば、ヒドラジド化合物と組み合わせることによりアセトアルデヒド等のアルデヒド類に対して有効な吸着材とすることができる。また、銅化合物及びアンモニアを用いると硫黄系ガスに、銅化合物及びリン酸を用いるとアンモニア系ガスに対して有効な吸着材とすることができる。
<2.ヒドラジド化合物>
本発明で用いることのできるヒドラジド化合物としては、例えば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、メチルカルバゼート、エチルカルバゼート、セミカルバジド塩酸塩などのモノヒドラジド、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4´−ビスベンゼンジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、N,N´−ヘキサメチレンビスセミカルバジドなどのジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、ピロメリット酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジドなどのトリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジドなどのテトラヒドラジドなどを用いることができる。特に、ヒドラジノ基を2つ以上有するヒドラジド化合物が好適である。
一般に、ヒドラジン化合物とアセトアルデヒドガスは、以下の化学式で吸着反応が進行する。
-NH2 + CH3CHO →-NH(OH)CHCH3
ゼオライトとヒドラジド化合物、銅化合物及びアンモニア並びに銅化合物及びリン酸などの他の化合物と組み合わせて使用する場合において、ゼオライトと他の化合物の重量比は50:1〜2:1が好ましく、より好ましくは25:1〜4:1である。この範囲を外れると悪臭ガスの吸着能力が不足する場合がある。
特にゼオライトとヒドラジド化合物よりなる吸着材の場合、ゼオライトとヒドラジド化合物の重量比が50:1を超える場合は特にアセトアルデヒドガスの吸着能力が不足する場合があり、2:1より小さい場合は他のガス、たとえばトルエンガスの吸着能力が不足する場合がある。
ゼオライトと他の化合物よりなる吸着材を製造する方法は特に限定されないが、たとえば他の化合物を溶媒中に溶解あるいは分散させそこにゼオライトを投入して担持させる方法、固体状の他の化合物を化学的あるいは物理的方法により担持させる方法、基材に吸着材を付着させるためのバインダー中にゼオライトと他の化合物をいっしょに混合して調整する方法等を挙げることができる。特に安定して高い悪臭ガスの吸着能力を得ることができので、あらかじめゼオライトに他の化合物を担持させることが好ましい。
本発明のおける担持とは、ゼオライト表面に付着している状態、化学的に結合している状態、ゼオライトの細孔に含浸している状態などを言い、直接付着や含浸をさせてもよいし、バインダー等を用いてもよい。
<3.基材>
本発明の基材は、天然繊維および吸水性もしくは親水性合成繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維である。これらの繊維は、他のたとえば吸水性や親水性でない合成繊維と比べて、分子内に水酸基を多く含み、繊維表面の微細孔やヒダならびに中空構造等の物理的条件も重なり、多孔質粉体であるゼオライトやその他機能化合物を容易に塗付、含浸、担持できることから、アルデヒド類ならびに芳香族類の吸着性能を有する消臭繊維シートとして好ましく用いることができる。
天然繊維としては、たとえば、綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン等のセルロース繊維;羊毛、絹等のタンパク質系繊維;アルギン繊維、キチン繊維、マンナン繊維等の天然高分子系繊維;これらの2種以上の天然繊維からなる混紡天然繊維等が挙げられる。
吸水性合成繊維や親水性合成繊維の原料となる合成繊維としては、たとえば、ポリアミド系繊維、ナイロン、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ尿素系繊維等を挙げることができる。
吸水性合成繊維は、上記合成繊維に親水性化合物を練り込んで共重合する方法で吸水性を付与する方法(化学的方法)や、形状を異形断面または微多孔構造とすることにより吸水性能を付与することにより得ることができる。
親水性合成繊維は、上記合成繊維の表面をレーザー、プラズマ、電子線などの処理により親水性に改質することにより得ることができる。
また、生地の形状としては、織物、編物、不織布、タフテッドカーペットやモケットのような立体布帛等、特に限定されない。
<4.繊維シートの製造方法>
ゼオライトよりなる吸着材を、基材表面および/または内部に存在させる方法としては、特に限定されないが、たとえば、吸着材とバインダー樹脂を溶媒に分散させた処理液を、生地の少なくとも一部に付着せしめた後、乾燥することによって製造できる。この時、処理液は前記ゼオライトとバインダー樹脂を可能な限り分散させることが好ましい。
また、バインダー樹脂を用いてゼオライトよりなる吸着材を生地に添着させ、消臭材として使用することができる。バインダー樹脂はどのような種類の樹脂でも使用することができる。たとえばアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂を二種類以上混合しても良い。ゼオライトとバインダーの重量比は20:1〜3:1の範囲であることが、ゼオライトや機能化合物の固着性ならびにガス吸着性能の点で好ましい。
調合の際、予め先にゼオライトよりなる吸着材を溶媒に分散させておいてから、バインダー樹脂を分散させるほうが、より均一に分散させるのに好ましい。
前記処理液を生地に付着させる方法としては、たとえば、浸漬法とコーティング法が挙げられる。浸漬法は、前記処理液に、生地を浸漬した後マングルで絞り、これを乾燥させる方法がある。この浸漬法で製造すれば、ゼオライトよりなる吸着材とバインダー樹脂を生地に均一に固着することができる。
前記コーティング法は、生地に前記処理液を生地の少なくとも一部に塗布コーティングした後乾燥させる方法が挙げられる。コーティング法で製造すれば、生産性を顕著に向上でき、固着量も精度高く制御できる利点がある。前期コーティング方法の具体的手法としては、特に限定されるものではないが、例えばグラビアロール加工、スプレー加工、ロールコーター加工、転写プリント加工、スクリーンプリント加工等が挙げられる。
また、上記の方法以外でも、前記消臭生地を熱成型、もしくは前述の塗工技術を用いてプラスチックフイルムや成型体表面および実体内部にゼオライトよりなる吸着材を付加することも可能である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
Y型ゼオライト(ユニオン昭和製モレキュラーシーブHSV1000、粒子径10ミクロン以下)19.93gを蒸留水59.11gに分散し、コハク酸ジヒドラジド(日本ファインケム製CDH)1.00gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(電気化学工業製 デンカポバールK-17EF)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に19.93g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(日清紡製 綿100%メッシュ不織布、目付42.58g/m2、AM2040)を浸漬し、マングルで絞り、120℃にてピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例2〕
Y型ゼオライト(同上)20.60gを蒸留水56.70gに分散し、カルボジヒドラジド(日本ファインケム製CDH)2.06gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に20.60g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例3〕
Y型ゼオライト(同上)24.19gを蒸留水48.39gに分散し、カルボジヒドラジド(同上)3.23gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に24.19g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例4〕
Y型ゼオライト(同上)25.32gを蒸留水45.57gに分散し、カルボジヒドラジド(同上)3.80gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に25.32g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例5〕
Y型ゼオライト(同上)20.20gを蒸留水55.56gに分散し、カルボジヒドラジド(同上)4.04gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に20.20g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例6〕
Y型ゼオライト(同上)18.52gを蒸留水55.56gに分散し、カルボジヒドラジド(同上)7.41gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に18.52g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例7〕
Y型ゼオライト(同上)20.10gを蒸留水47.8gに分散し、コハク酸ジヒドラジド(同上)12gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に20.10g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例8〕
Y型ゼオライト(同上)19.50gを蒸留水45.00gに分散し、カルボジヒドラジド(同上)16.00gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に19.50g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔実施例9〕
Y型ゼオライト(同上)20.00gを蒸留水59.80gに分散し、カルボジヒドラジド(同上)0.2gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に20.00g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド処理ゼオライト添着不織布を得た。
〔比較例1〕
Y型ゼオライト(同上)22.22gを蒸留水55.56gに分散し、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に22.22g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ゼオライト添着不織布を得た。
〔比較例2〕
コハク酸ジヒドラジド(同上)17.39gを蒸留水43.48gに分散し、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に39.13g加え、30分間撹拌した。上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド添着不織布を得た。
〔比較例3〕
コハク酸ジヒドラジド(同上)11.63gを蒸留水46.51gに分散し、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に41.86g加え、30分間撹拌した。上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り、120℃のピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、ヒドラジド添着不織布を得た。
<性能評価>
[消臭試験1]
実施例1〜9および比較例1〜3記載の吸着材を2.5cm x 2.5cmのサイズ゛に切り、100ppmアセトアルデヒドガス3Lと共に5Lテドラーパックに封入し、消臭試験を行った。残存アセトアルデヒドガス濃度は光明理化学社またはガステック社製ガス検知管および高速液体クロマトグラフィー分析装置を用いて測定した。
100ppmトルエンガスについても、同様に消臭試験を行った。
実施例1〜9および比較例1〜3の処理液を表1に、アセトアルデヒドおよびトルエンの消臭試験結果を表2にまとめる。
表1及び表2より、実施例1〜9の吸着材は、比較例1〜3と比較してアセトアルデヒドの吸着性能が格段に高く、ゼオライトが元来有する高いトルエン吸着性能が損なわれていないことがわかる。
このことから、処理液に含まれるゼオライトとヒドラジド化合物の重量比は、10/0.25〜10/4が最適とわかる。
次に、ゼオライト、銅化合物及びアンモニアよりなる吸着材を用いた実施例を示す。
〔実施例10〕
水46.9kgに硫酸銅・五水和物(和光純薬工業製:CuSO4・5H2O)5.3gを溶解し、Y型ゼオライト(同上)17.6gを加えて30分間撹拌して反応させた。次に25%アンモニア水4.0gを加えて60分間撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に26.3g加え、60分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)、目付42.58g/m2、AM2040)を浸漬し、マングルで絞り、120℃にてピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、銅化合物とアンモニア処理ゼオライト添着不織布を得た。
<性能評価>
[消臭試験2]
実施例10記載の吸着材を2.5cm x 2.5cmのサイズ゛に切り、65ppm硫化水素3Lと共に5Lテドラーパックに封入し、消臭試験を行った。残存硫化水素濃度は光明理化学工業ガス検知管を用いて測定した。
90ppmメチルメルカプタンについても、ガステック社製ガス検知管を用いた点以外は同様にして消臭試験を行った。
実施例10の処理液を表3に、硫化水素の消臭試験結果を表4にまとめる。
次に、ゼオライト、銅化合物及びリン酸よりなる吸着材を用いた実施例を示す。
〔実施例11〕
水51.6kgに硫酸銅・五水和物(同上)5.2gを溶解し、Y型ゼオライト(同上)20.6gを加えて60分間撹拌し反応させた。次に75%リン酸2.1gを加えて30分間撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に20.6g加え、60分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)、目付42.58g/m2、AM2040)を浸漬し、マングルで絞り、120℃にてピンテンター乾燥機で乾燥・固着し、銅化合物とリン酸処理ゼオライト添着不織布を得た。
<性能評価>
[消臭試験3]
実施例11記載の吸着材を2.5cm x 2.5cmのサイズ゛に切り、530ppmアンモニアガス3Lと共に5Lテドラーパックに封入し、消臭試験を行った。残存硫化水素濃度はガステック社および光明理化学工業製ガス検知管を用いて測定した。
実施例11の処理液を表5に、硫化水素の消臭試験結果を表6にまとめる。
次に、実施例12及び比較例4、5により、基材による効果の違いを比較する。
〔実施例12〕
Y型ゼオライト(同上)24.73gを蒸留水48.07gに分散し、コハク酸ジヒドラジド(日本ファインケム製SUDH)2.47gを溶解させ、20℃、5分間スターラーで撹拌した。PVAバインダー(同上)の10%水溶液を調合し、上記水溶液に24.73g加え、30分間撹拌した。
上記処理液に幅20cm、長さ60cmのコットン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り(絞り率365%)、ラジエーター乾燥機で吊り干し乾燥後(約80度)、対流式乾燥機で120度・1時間のキュアー処理を行い、目付87g/m2の消臭性コットン不織布を得た。マングル絞り率から計算される目付け重量とほぼ一致した。
〔比較例4〕
実施例12と同様の処理液に幅10cm、長さ20cmのポリプロピレン不織布(同上)を浸漬し、マングルで絞り(絞り率215%)、ラジエーター乾燥機で吊り干し乾燥後(約80度)、対流式乾燥機で120度・1時間のキュアー処理を行い、目付け57g/m2の消臭性ポリプロピレン不織布を得た。
ポリプロピレン不織布は、チッソ製レギュラーポリプロピレン綿(繊維長約50mm、繊維径約20um)を使用し、ニードルパンチ試験機で不織布を形成後、平板プレス機で150度20秒間プレスして、目付約42g/m2で厚み0.45mmの基材不織布を作製した。
マングル絞り率から計算される目付重量(69g/m2)と比較して低くなったことから、乾燥・キュアー処理工程で機能成分が脱落したと考えられる。
〔比較例5〕
実施例12と同様の処理液に幅10cm、長さ20cmのポリエステル不織布を浸漬し、マングルで絞り(絞り率195%)、ラジエーター乾燥機で吊り干し乾燥後(約80度)、対流式乾燥機で120度・1時間のキュアー処理を行い、目付51g/m2の消臭性ポリエステル不織布を得た。
ポリエステル不織布は、帝人ファイバー製レギュラーポリエステル綿(繊維長約50mm、繊維径約12um)を使用し、ニードルパンチ試験機で不織布を形成後、平板プレス機で180度20秒間プレスして、目付約47g/m2で厚み0.42mmの基材不織布を作製した。
マングル絞り率から計算される目付重量(73g/m2)と比較して大幅に低くなったことから、比較例7と同様に、乾燥・キュアー処理工程で機能成分が脱落したと考えられる。
<性能評価>
[消臭試験4]
実施例12および比較例4、5記載の不織布を2.5cm x 2.5cmのサイズ゛に切り、所定濃度のアセトアルデヒドガス3Lと共に5Lテドラーパックに封入し、消臭試験を行った。
残存アセトアルデヒドガス濃度は光明理化学社製ガス検知管および液体クロマトグラフィー分析装置を用いて測定した。
所定濃度のトルエンガスについても、同様に消臭試験を行い、残存トルエンガス濃度は光明理化学社製ガス検知管およびガスクロマトグラフィー分析装置を用いて測定した。
表7に実施例12および比較例4、5の実験概要を、表8にアセトアルデヒドおよびトルエンの消臭試験結果を示す。
実施例12の消臭性不織布についてみると、アセトアルデヒドのガス吸着量は比較例4の2.6倍、比較例5の6倍、トルエンの吸着量は比較例4の2.4倍、比較例5の3.8倍であった。
比較例4および比較例5は、マングル絞り率より計算される目付重量より軽くなり、ゼオライトおよびヒドラジド化合物の固着量が少なくなった。そのため、アセトアルデヒド、トルエンのガス吸着性能が低くなった。
コットン不織布は乾燥・キュアー処理工程での機能成分の脱落が少なく、消臭性不織布の基材に適している。
本発明の繊維シートは、用途が特に限定されるものではないが、例えばカーテン、カーペット、壁紙、椅子張り地等のインテリア用布帛の他、自動車、車両、船舶、航空機などの内装用生地、また、ハニカムフィルター等の工業用フィルター素材他の消臭材として広く有用に使用することができる。また、他の吸着物質、例えば光触媒、活性炭、シリカゲルと組み合わせれば、さらに高性能の悪臭除去機能を有する消臭生地とすることができる。また、市販の難燃剤を添加して、消臭生地に難燃性を持たせることも可能である。

Claims (9)

  1. ゼオライトよりなる吸着材を、天然繊維および吸水性もしくは親水性合成繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維よりなる基材の表面および/または内部に存在させることを特徴とする繊維シート。
  2. 基材が天然繊維よりなることを特徴とする請求項1記載の繊維シート。
  3. 天然繊維が綿であることを特徴とする請求項2記載の繊維シート。
  4. 吸着材を重量比が50:1〜2:1の範囲で基材に付着させたことを特徴とする請求項1記載の繊維シート。
  5. 吸着材が、ゼオライトおよびヒドラジド化合物よりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維シート。
  6. 吸着材が、ゼオライト、銅化合物及びアンモニアよりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維シート。
  7. 吸着材が、ゼオライト、銅化合物及びリン酸よりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維シート。
  8. ゼオライトと他の化合物との重量比が50:1〜2:1の範囲である吸着材を基材に付着させたことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の繊維シート。
  9. 吸着材をバインダーにより基材に付着させ、且つゼオライトとバインダーの重量比が20:1〜3:1の範囲であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の繊維シート。
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