JP2003274559A - 電圧変動補償装置 - Google Patents

電圧変動補償装置

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JP2003274559A JP2002067798A JP2002067798A JP2003274559A JP 2003274559 A JP2003274559 A JP 2003274559A JP 2002067798 A JP2002067798 A JP 2002067798A JP 2002067798 A JP2002067798 A JP 2002067798A JP 2003274559 A JP2003274559 A JP 2003274559A
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Toshiyuki Kikunaga
敏之 菊永
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貢 高橋
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Nobuhiko Hatano
伸彦 羽田野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力系統の各相に直列に接続した各相電圧補
償回路から、各相に備えたコンデンサの電圧を出力して
系統電圧の瞬低時の電圧変動を補償する電圧変動補償装
置において、各相のコンデンサのエネルギを均等に利用
して効率的な電圧補償を行う。 【解決手段】 電力系統の電圧変動時に、各相の出力電
圧を正常電圧に補償するための各相電圧Vta、Vtb、V
tcに、それぞれ同じ重畳電圧ベクトルV0を重畳して演
算された各相補償電圧Via、Vib、Vicを上記各相電圧
補償回路110から出力して、線間電圧の電圧変動を抑
える。また、重畳電圧ベクトルV0は各相電圧補償回路
110からの出力エネルギが概均等となるように決定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、負荷に供給され
る電力系統の電圧が瞬時的に変動した際に、それを検出
して電圧変動を補償する電圧変動補償装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】雷などにより電力系統の電圧が瞬時的に
低下し、工場などの精密機器などが誤作動や一時停止す
ることにより、生産ラインで多大な被害を被ることがあ
る。このような被害を防ぐために、電力系統の瞬時的電
圧低下などの電圧変動を監視して、電圧低下を補償する
電圧変動補償装置が用いられている。従来の電圧変動補
償装置の概略構成図を図12に示す。図に示すように、
送電線1からの電力は、変圧器2により降圧されて、電
圧変動補償装置を介して需要家3(負荷)に接続され、
電力が供給される。電圧変動補償装置は、直流電源4、
インバータ5、平滑フィルタ6および大容量トランス7
で構成される。このような従来の電圧変動補償装置にお
ける、系統電圧の瞬時低下時(以下、瞬低時と称す)の
電圧補償動作について以下に示す。図13は、系統電圧
の瞬低時の、系統電圧、電圧変動補償装置の補償電圧出
力、および需要家3に供給される電圧をそれぞれ示した
ものである。図に示すように、系統電圧に瞬時的に電圧
低下が発生すると、電圧変動を監視している検出部(図
示せず)にて電圧低下を検出し、それに基づく給電制御
により、電圧変動補償装置では、直流電源4とインバー
タ5とで交流電圧を発生させて、平滑フィルタ6と大容
量のトランス7を介して電力系統に直列に接続すること
により、電力系統の電圧低下を補償する。これにより、
需要家3には、電圧低下した系統電圧に電圧変動補償装
置から出力される補償電圧が加算されてほぼ正常な電圧
で電力が供給される。
【0003】上記のような電圧変動補償装置は、トラン
ス7を介して電力系統に接続されるものであるが、近
年、直列接続された複数個の電圧補償サブ回路で構成さ
れる電圧変動補償装置を直接電力系統に直列に接続する
ものが開発されており、図14に基づいて以下に説明す
る。図14に示すように、送電線1からの電力は、変圧
器2により降圧されて、電圧変動補償装置100を介し
て需要家3(負荷)に接続され、電力が供給される。電
圧変動補償装置100は、図に示すように、複数の電圧
補償ユニット15と制御回路16とで構成され、正負い
ずれかの極性で補償電圧を出力する電圧補償サブ回路P
N1、PN2、PN3が電力系統に直列に接続される。
各電圧補償ユニット15には、ダイオードが逆並列に接
続された4個の半導体スイッチング素子9sw11〜9
sw14、9sw21〜9sw24、9sw31〜9s
w34から成るフルブリッジインバータ、およびエネル
ギ蓄積手段としての充電コンデンサ10pn1〜10p
n3で構成される各電圧補償サブ回路PN(PN1、P
N2、PN3)と、充電コンデンサ10(10pn1〜
10pn3)を充電するための充電ダイオード11と充
電用トランス14の2次巻線13とが備えられる。ま
た、充電コンデンサ10の充電電圧V1〜V3は、半導
体スイッチング素子9(9sw11〜9sw14、9s
w21〜9sw24、9sw31〜9sw34)のオン
/オフ制御により正負いずれかの極性で電力系統に接続
される。また、各電圧補償サブ回路PNの出力端には、
各電圧補償サブ回路PNと並列に高速機械式の定常短絡
スイッチ8が設けられる。充電コンデンサ10は充電ダ
イオード11と充電用トランス14の2次巻線13によ
ってそれぞれ異なる電圧が充電され、充電用トランス1
次巻線12は、電力系統と接続される。各電圧補償サブ
回路PN1、PN2、PN3内の充電コンデンサ10に
充電される電圧の比は概ね2のべき乗比に設定されてい
る。つまり、以下の関係を満足させる。 V3=2×V2=2×2×V1
【0004】定常短絡スイッチ8および各半導体スイッ
チング素子9は制御回路16に接続される。この制御回
路16の構成および動作について、図15に基づいて以
下に説明する。図15に示すように、系統電圧は制御回
路16に入力され、設定電圧20と比較される。このと
き設定電圧20は、正常時の系統電圧とする。両者の差
を誤差増幅器21にて増幅し、さらに絶対値変換を施し
た後、A/Dコンバータ22にて3ビットのデジタル信
号(D1〜D3)に変換する。系統電圧と設定電圧20
との差が、充電コンデンサ10pn1の充電電圧V1と
等しくなったとき、A/Dコンバータ22からの出力信
号における最下位ビットD1のみが1、即ち゛001゛
となるよう、また、同様に゛010゛・・・゛111゛
の場合も、充電コンデンサ10の充電電圧の組み合わせ
と等しくなるように誤差増幅器21のゲインは予め調整
しておく。D1〜D3の信号のいずれかが1となると、
NOR回路23を通して、信号z(=0)により定常短
絡スイッチ8をオフする。一方、電圧瞬低制御回路16
に入力された系統電圧は、極性判定回路24にも入力さ
れ、極性が判定される。25は、各電圧補償サブ回路P
Nのインバータの駆動信号を発生する駆動信号発生器
で、系統電圧の極性が正・負の場合に応じて、デジタル
信号D1〜D3にてアクテイブとなる信号g11〜g1
4、g21〜g24、g31〜g34を選択する。
【0005】例えば、図14で示す電圧補償サブ回路P
N1においては、最下位ビットD1=1のときに、系統
電圧の極性が正の場合、スイッチング素子9sw11、
9sw14をオンし、スイッチング素子9sw12、9
sw13をオフすることにより、充電電圧V1を正極性
で出力する。また系統電圧の極性が負の場合、スイッチ
ング素子9sw12、9sw13をオンし、スイッチン
グ素子9sw11、9sw14をオフすることにより、
充電電圧V1を負極性で出力する。またD1=0のと
き、スイッチング素子9sw11〜9sw14、のうち
上アーム側9sw12、9sw14あるいは下アーム側
9sw11、9sw13のどちらか一方をオン状態とし
他方をオフ状態として出力端を短絡し、電圧補償サブ回
路PN1からの出力をほぼゼロとする。通常時、即ちデ
ジタル信号D1〜D3が全て0の時は、定常短絡スイッ
チ8はオン状態で、電流は定常短絡スイッチ8を流れ
る。また電力系統の電圧低下時には、誤差電圧に応じて
発生されたデジタル信号D1〜D3によって選択された
各電圧補償回路PN1、PN2、PN3において、補償
電圧が出力される。これらの出力は、系統にて組み合わ
され、゛000゛〜゛111゛の8階調の電圧出力を発
生することができ、最大の補償電圧は、7×V1とな
る。
【0006】このような従来の電圧変動補償装置100
は、複数の電圧補償サブ回路PN1〜PN3を備えて補
償電圧を階調制御により出力するため、系統電圧の瞬低
時における高精度な電圧補償が可能であり、また直接系
統電圧に接続するため装置全体が安価で小型に構成でき
るものである。上記従来の電圧変動補償装置100の動
作は、系統電圧の1相のみについて説明したが、実際に
は図16に示すように、3相交流(a相、b相、c相)
のそれぞれの相について、コンデンサ10a、10b、
10cを備えた電圧変動補償装置100a、100b、
100cを直列に接続して独立に電圧変動を補償してい
る。なお、トランス7を介して電力系統に接続される従
来の電圧変動補償装置についても同様に、各相にそれぞ
れ電圧変動補償装置を備えて独立に電圧変動を補償して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の電圧変動補償装
置は、以上のように系統電圧の各相をそれぞれ独立に補
償しており、図17のフローチャートに示すように、系
統電圧の変動を検出すると(s1)、各相(a相、b
相、c相)にそれぞれ必要な補償電圧(Vta、Vtb、V
tc)を演算し、それらが各相の出力可能な電圧、即ちコ
ンデンサの電圧(Va、Vb、Vc)以下の時(s2)、
各相に補償電圧(Vta、Vtb、Vtc)を出力する(s
3)。s2において、必要な補償電圧がコンデンサの電
圧を越える相が存在すると、電圧変動に対する補償が不
可能となる(s4)。このように、電圧変動補償装置が
出力可能な補償電圧が、必要補償電圧に満たない相が1
相でもあると補償不可となるため、コンデンサの電圧低
下が最も大きい相で補償可能時間が決定され、他の相の
エネルギを有効利用できず補償不可に陥りやすいという
問題点があった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解消す
るために成されたものであって、電圧系統の各相の電圧
変動を補償する電圧変動補償装置において、各相のエネ
ルギ蓄積手段のエネルギを全体として有効利用し、出力
可能な補償電圧が必要補償電圧に満たない相が存在して
も、継続して電圧補償できることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
記載の電圧変動補償装置は、電力系統における電圧変動
の監視、およびそれに基づく給電制御を行う制御部と、
該電力系統の各相にそれぞれ直列に接続し、エネルギ蓄
積手段に蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する
各相電圧補償回路とを備えて、負荷に供給される電圧変
動を抑える装置構成であって、上記電力系統の電圧変動
時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相
電圧に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルを重畳して演算
された各相補償電圧を上記各相電圧補償回路から出力し
て、上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑える
ものである。
【0010】またこの発明に係る請求項2記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電
圧を出力し、該各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧
ベクトルを、上記各相電圧補償回路からの出力エネルギ
が概均等となるように決定するものである。
【0011】またこの発明に係る請求項3記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電
圧を出力し、該各相補償電圧の大きさが概均等となるよ
うに、重畳する出力電圧ベクトルを決定するものであ
る。
【0012】またこの発明に係る請求項4記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電
圧を出力し、該各エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成
して該各エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、上記
各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上
記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の差を無くすように決
定するものである。
【0013】またこの発明に係る請求項5記載の電圧変
動補償装置は、請求項4において、各エネルギ蓄積手段
の検出電圧の平均値を算出し、該平均値に基づいて上記
各エネルギ蓄積手段の検出電圧の許容範囲を設定し、各
相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルは、上記
許容範囲を越えた相に偏向するように決定するものであ
る。
【0014】またこの発明に係る請求項6記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、エネルギ蓄積手段
は、複数相の電圧補償回路で共用とするものである。
【0015】またこの発明に係る請求項7記載の電圧変
動補償装置は、請求項1または6において、各相電圧補
償回路の異常を検出する手段を備え、各相補償電圧演算
時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記手段により異常
検出された電圧補償回路からの補償電圧出力を0とする
ように決定するものである。
【0016】またこの発明に係る請求項8記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、共用のエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力
し、該エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該エネ
ルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、電力系統の電圧変
動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各
相電圧が上記エネルギ蓄積手段の検出電圧以下の場合、
重畳する出力電圧ベクトルを0ベクトルとし、該検出電
圧を超える相がある場合、上記各相補償電圧が該検出電
圧以下となるように上記重畳する出力電圧ベクトルを決
定するものである。
【0017】またこの発明に係る請求項9記載の電圧変
動補償装置は、請求項2〜5のいずれかにおいて、電力
系統の各相にそれぞれ直列に接続される各相電圧補償回
路は、それぞれ異なる電圧が蓄積されてエネルギ蓄積手
段を構成するエネルギ蓄積部を備え該エネルギ蓄積部に
蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する複数の電
圧補償サブ回路を直列に接続して構成され、上記複数の
電圧補償サブ回路内の上記エネルギ蓄積部にそれぞれ蓄
積される異なる電圧の絶対値を、最も小さい電圧(絶対
値)に対して概2倍(K=0、1、2、・・・)と
し、上記電圧補償サブ回路をバイパスするための高速機
械式の短絡スイッチを、1つもしくは直列接続された複
数の上記電圧補償サブ回路の出力端毎に備えて、各相補
償電圧出力時には、各相における上記複数の電圧補償サ
ブ回路の中から所望の組み合わせを選択し、その出力電
圧の総和で上記電力系統における線間電圧の電圧変動を
抑えるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1について説明する。図1はこの発明の実施
の形態1による電圧変動補償装置200の概略構成図で
ある。図1(a)に示すように、送電線1からの電力
は、変圧器2により降圧されて、電圧変動補償装置20
0を介して需要家3(負荷)に接続され、電力が供給さ
れる。電圧変動補償装置200は図1(b)に示すよう
に、3相交流(a相、b相、c相)のそれぞれの相につ
いて、エネルギ蓄積手段としてのコンデンサ10a、1
0b、10cを備えた各相電圧補償回路110a、11
0b、110cを直列に接続し、制御部として全相で共
通の制御回路30を備えて、この制御回路30からの指
令により、各相電圧補償回路110a、110b、11
0cから各相に補償電圧を出力して電圧変動を補償す
る。
【0019】各相電圧補償回路110a、110b、1
10cの詳細な構成は図2に基づいて以下に説明する。
図2に示すように、各相電圧補償回路110a、110
b、110cは、複数(この場合3個)の電圧補償ユニ
ット15で構成され、正負いずれかの極性で補償電圧を
出力する電圧補償サブ回路PN1、PN2、PN3が電
力系統に直列に接続される。各電圧補償ユニット15に
は、ダイオードが逆並列に接続された4個のIGBT9
sw11〜9sw14、9sw21〜9sw24、9s
w31〜9sw34から成るフルブリッジインバータ、
およびエネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ10p
n1〜10pn3で構成される各電圧補償サブ回路PN
(PN1、PN2、PN3)と、充電コンデンサ10
(10pn1〜10pn3)を充電するための充電ダイ
オード11と充電用トランス14の2次巻線13とが備
えられる。また、充電コンデンサ10の充電電圧V1〜
V3は、IGBT9(9sw11〜9sw14、9sw
21〜9sw24、9sw31〜9sw34)のオン/
オフ制御により正負いずれかの極性で電力系統に接続さ
れる。充電コンデンサ10(10pn1〜10pn3)
は、各相電圧補償回路110a、110b、110cが
備える各コンデンサ10a、10b、10c(図1参
照)を詳細に示したものである。
【0020】また、各相電圧補償回路110a、110
b、110cの出力端には、並列に高速機械式の定常短
絡スイッチ8が設けられる。なお、この定常短絡スイッ
チ8は、各電圧補償サブ回路PNと並列に複数個設けて
も良く、1つあるいは直列接続された複数の電圧補償サ
ブ回路PNの出力端毎に設けられていれば良い。また、
フルブリッジインバータはIGBT9以外の自己消弧型
半導体スイッチング素子で構成しても良い。充電コンデ
ンサ10は充電ダイオード11と充電用トランス14の
2次巻線13によってそれぞれ異なる電圧が充電され、
充電用トランス1次巻線12は、電力系統と接続され
る。各電圧補償サブ回路PN1、PN2、PN3内の充
電コンデンサ10に充電される電圧の比は概ね2のべき
乗比に設定されている。つまり、以下の関係を満足させ
る。 V3=2×V2=2×2×V1
【0021】各相電圧補償回路110a、110b、1
10cの定常短絡スイッチ8および各半導体スイッチン
グ素子9は制御回路30に接続され、制御回路30から
の指令信号z,g11〜g14,g21g〜24,g3
1〜g34により動作する。この制御回路30の構成お
よび動作について、図3に基づいて以下に説明する。図
3に示すように、電力系統の各相の電流をモニタして観
測される系統電圧Vx、Vy、Vz、系統電流Ix、I
y、Izはそれぞれ制御回路30に入力され、補償電圧
算出部33において、系統電圧Vx、Vy、Vz、系統
電流Ix、Iy、Izと、各相の設定電圧31、設定電
流32とに基づいて、各線間電圧の電圧変動を補償する
ように各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。こ
のとき設定電圧31、設定電流32は、正常時の系統電
圧および系統電流とする。上記各相の補償電圧Via、V
ib、Vicの算出は、補償電圧算出部33内の重畳電圧算
出部34で算出される全相に共通の重畳電圧ベクトルV
0を重畳してなされるもので、以下に詳述する。
【0022】図4は、電力系統の各相の電圧、電流をベ
クトル図で示したもので、図4(a)に、正常時の各相
の電圧ベクトルVna、Vnb、Vnc(以下、正常電圧ベク
トルと称す)、電流ベクトルIna、Inb、Inc(以下、
正常電流ベクトルと称す)、および瞬低による電圧変動
時の各相の電圧ベクトルVsa、Vsb、Vsc(以下、瞬低
電圧ベクトルと称す)を示す。なお、θsa、θsb、θsc
は電圧変動時の瞬低電圧ベクトルと正常電流ベクトルと
の位相差を表している。図4(b)に示すように、各相
の瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクト
ルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vna−V
sa、Vnb−Vsb、Vnc−Vsc(以下、Vta、Vtb、Vtc
と表す)に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルである重畳
電圧ベクトルV0を重畳(加算)して、図4(c)に示
すように、各相の補償電圧である各相補償電圧ベクトル
Via、Vib、Vicを算出する。このとき、重畳電圧ベク
トルV0は、各相電圧補償回路110a、110b、1
10cにおける補償電圧出力時の出力エネルギが概均等
になるように重畳電圧算出部34にて算出され、この算
出方法の詳細については、後述する。このように、各相
の電圧変動によって変動した線間電圧を、概均等の出力
エネルギで補償するように、重畳電圧ベクトルV0を重
畳して各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。
【0023】各相の補償電圧Via、Vib、Vicが算出さ
れると、図3に示すように、増幅回路35にて増幅し、
さらに絶対値変換を施した後、A/Dコンバータ36に
て各相毎に3ビットのデジタル信号(D1〜D3)に変
換する。各相の補償電圧Via、Vib、Vicの大きさが、
充電コンデンサ10pn1の充電電圧V1と等しくなっ
たとき、A/Dコンバータ36からの出力信号における
最下位ビットD1のみが1、即ち゛001゛となるよ
う、また、同様に゛010゛・・・゛111゛の場合
も、充電コンデンサ10の充電電圧の組み合わせと等し
くなるように増幅回路35のゲインは予め調整してお
く。D1〜D3の信号のいずれかが1となると、NOR
回路37を通して、信号z(=0)により各相電圧補償
回路110a、110b、110cの定常短絡スイッチ
8を全てオフする。なお、NOR回路37は各相毎に複
数個(この場合3個み)備えても良く、その場合、対応
する電圧補償回路110a、110b、110cの定常
短絡スイッチ8に対して信号zを出力する。
【0024】一方、算出された各相の補償電圧Via、V
ib、Vicは、極性判定回路38にも入力され、極性が判
定される。39a、39b、39cは、各相電圧補償回
路110a、110b、110cに対して駆動信号g
a、gb、gcを発生する駆動信号発生器であり、この
各相の駆動信号ga、gb、gcは、各相電圧補償回路
110a、110b、110c内の複数個の電圧補償サ
ブ回路PNのインバータの12種の駆動信号g11〜g
14,g21〜g24,g31〜g34でそれぞれ構成
される。この駆動信号発生器39a、39b、39cに
より、各相の補償電圧Via、Vib、Vicの極性が
正・負の場合に応じて、デジタル信号D1〜D3にてア
クテイブとなる信号を選択し、各相電圧補償回路110
a、110b、110cに対し、駆動信号ga、gb、
gcを発生する。
【0025】例えば、図2で示す各相電圧補償回路11
0a、110b、110c内の電圧補償サブ回路PN1
においては、最下位ビットD1=1のときに、系統電圧
の極性が正の場合、スイッチング素子9sw11、9s
w14をオンし、スイッチング素子9sw12、9sw
13をオフすることにより、充電電圧V1を正極性で出
力する。また系統電圧の極性が負の場合、スイッチング
素子9sw12、9sw13をオンし、スイッチング素
子9sw11、9sw14をオフすることにより、充電
電圧V1を負極性で出力する。またD1=0のとき、ス
イッチング素子9sw11〜9sw14、のうち上アー
ム側9sw12、9sw14あるいは下アーム側9sw
11、9sw13のどちらか一方をオン状態とし他方を
オフ状態として出力端を短絡し、電圧補償サブ回路PN
1からの出力をほぼゼロとする。他の電圧補償サブ回路
PN2、PN3からの出力も、対応するビットのデジタ
ル信号D2、D3に応じて同様に行われ、即ち、各相電
圧補償回路110a、110b、110c内において、
デジタル信号D1〜D3によって選択された各補償サブ
回路PN1、PN2、PN3から補償電圧が出力され
る。これらの出力は、系統にて組み合わされ、゛000
゛〜゛111゛の8階調の電圧出力を各相で発生するこ
とができ、最大の補償電圧は、7×V1となる。
【0026】次に、重畳電圧ベクトルV0の算出方法の
詳細について説明する。この重畳電圧ベクトルV0は、
上述したように、各相電圧補償回路110a、110
b、110cにおける補償電圧出力時の出力エネルギが
概均等になるように重畳電圧算出部34にて算出され
る。図4を用いて説明したように、各相補償電圧ベクト
ルVia、Vib、Vicは、各相の瞬低電圧ベクトルVsa、
Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償
するための各相電圧に、それぞれ同じ出力電圧ベクトル
である重畳電圧ベクトルV0を重畳して、以下の式
(1)(2)(3)のように表される。
【0027】
【数1】
【0028】この時、各相電圧補償回路110a、11
0b、110cの出力エネルギPia、Pib、Picは、
【数2】 となる。なお、・は内積を表している。
【0029】正常時の系統電圧、系統電流はほぼ三相平
衡状態であり、即ち正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vnc
は120°づつ位相が異なっており、|Vna|=|Vnb|=
|Vnc|=|Vn|、また正常電流ベクトルIna、Inb、In
cも120°づつ位相が異なっており、|Ina|=|Inb|
=|Inc|=|In|である。このため、任意の定数kを使
って、
【数3】 とおくと、
【0030】式(4)(5)(6)は、
【数4】 となる。
【0031】式(8)(9)(10)において、k=1
とすることにより、各相電圧補償回路110a、110
b、110cの出力エネルギPia、Pib、Picをほぼ均
等にすることができる。即ち、k=1のときの式(7)
で示すV0が、求める重畳電圧ベクトルV0である。
【0032】次に、電圧変動補償装置200全体の動作
について、図5のフローチャートに基づいて、以下に説
明する。制御部30では、系統電圧変動を監視し(t
1)、通常時(電圧変動が無い時)には、各相のデジタ
ル信号D1〜D3は全て0であり、定常短絡スイッチ8
はオン状態で、系統電力は抵抗の小さい定常短絡スイッ
チ8を通して負荷(需要家)3に供給されている。系統
電圧変動が発生すると、各相電圧補償回路110a、1
10b、110cの出力エネルギPia、Pib、Picをほ
ぼ均等にするように重畳電圧ベクトルV0を演算し(t
2)、瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベ
クトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vt
a、Vtb、Vtcに、それぞれ重畳電圧ベクトルV0を重畳
して、各相補償電圧Via、Vib、Vicを算出する(t
3)。算出された各相補償電圧Via、Vib、Vicによる
電圧が、各相電圧補償回路110a、110b、110
cの出力可能な電圧、即ち各相におけるコンデンサ電圧
の総和Va、Vb、Vc以下の時(t4)、各相電圧補償
回路110a、110b、110cから各相補償電圧V
ia、Vib、Vicを出力することにより、各相の線間電圧
の変動を補償する(t5)。t4において、各相補償電
圧Via、Vib、Vicがコンデンサ電圧の総和Va、Vb、
Vcを越える相が存在すると、電圧変動に対する補償が
不可能となる(t6)。
【0033】この実施の形態では、各相の電圧補償を行
う際に、同じ重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相補償
電圧Via、Vib、Vicを算出するため、線間電圧の電圧
変動を補償して負荷3への電力供給の信頼性を保ちつ
つ、出力エネルギの各相のバランスを重畳電圧ベクトル
V0によって調整することが可能になる。この場合、各
相電圧補償回路110a、110b、110cの出力エ
ネルギをほぼ均等にするように重畳電圧ベクトルV0を
演算したため、各相電圧補償回路110a、110b、
110cが個別に備えるコンデンサ10a、10b、1
0cのエネルギをほぼ均等に利用することができる。こ
のため、各相で偏った電圧変動が発生しても、電圧変動
補償装置200全体のコンデンサのエネルギを有効利用
でき、その結果電圧変動補償可能時間を延長することが
できる。
【0034】なお、この実施の形態では、重畳電圧ベク
トルV0は、各相電圧補償回路110a、110b、1
10cにおける補償電圧出力時の出力エネルギが概均等
になるように算出したが、電力系統がほぼ三相平衡状態
であれば、各相補償電圧Via、Vib、Vicの電圧の大き
さが概均等になるように、重畳電圧ベクトルV0を算出
しても、出力エネルギは概均等となる。このため、制御
を簡略とするため、各相補償電圧Via、Vib、Vicの電
圧の大きさが概均等になるように、重畳電圧ベクトルV
0を算出して用いることも可能である。
【0035】実施の形態2.次に、この発明の実施の形
態2について説明する。この実施の形態においても、上
記実施の形態1で用いた同様の各相電圧補償回路110
a、110b、110cを用い、各相の電圧補償を行う
際に、同じ重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相補償電
圧Via、Vib、Vicを算出するものであるが、この場
合、各相電圧補償回路110a、110b、110cが
個別に備えるコンデンサ10a、10b、10cにおけ
る電圧の差を無くすように重畳電圧ベクトルV0を演算
する。図6は、この実施の形態による電圧変動補償装置
が備える、制御部としての制御回路30aの構成を示す
図であり、この制御回路30aからの指令により、各相
電圧補償回路110a、110b、110cから各相に
補償電圧を出力して電圧変動を補償する。
【0036】以下、制御回路30aの構成および動作に
ついて説明する。図6に示すように、系統電圧Vx、V
y、Vz、および、各相電圧補償回路110a、110
b、110c内の各コンデンサ10pn1〜10pn3
の電圧をモニタした値Va1〜Va3、Vb1〜Vb3、Vc1〜
Vc3はそれぞれ制御回路30aに入力される。入力され
たコンデンサ電圧Va1〜Va3、Vb1〜Vb3、Vc1〜Vc3
は、電圧加算部40で各相ごとにコンデンサ総和電圧V
a、Vb、Vcが計算される。これらの各相のコンデンサ
総和電圧Va、Vb、Vcは平均値演算部41にて全相の
コンデンサ平均電圧Vaveが計算される。比較演算部4
2にて各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと全相
のコンデンサ平均電圧Vaveとの差をそれぞれ計算し、
計算結果の差の絶対値が、予め設定されたばらつきの許
容値43以下であるかを電圧ばらつき判定部44で判定
する。
【0037】補償電圧算出部33aでは、系統電圧V
x、Vy、Vz、正常時の系統電圧である各相の設定電
圧31、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vc、全
相のコンデンサ平均電圧Vave、および電圧ばらつき判
定部44の判定結果に基づいて、各線間電圧の電圧変動
を補償するように各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算
出する。上記各相の補償電圧Via、Vib、Vicの算出
は、図4で説明したように、各相の瞬低電圧ベクトルV
sa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに
補償するための各相電圧Vta、Vtb、Vtc(Vna−Vs
a、Vnb−Vsb、Vnc−Vsc)に、それぞれ同じ出力電
圧ベクトルである重畳電圧ベクトルV0を重畳して、各
相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。このとき、
重畳電圧ベクトルV0は、各相電圧補償回路110a、
110b、110cにおけるコンデンサ総和電圧Va、
Vb、Vcのばらつきを無くすように、補償電圧算出部3
3a内の重畳電圧算出部34aにて算出され、この算出
方法の詳細については、後述する。
【0038】各相の補償電圧Via、Vib、Vicが算出さ
れると、増幅回路35にて増幅し、さらに絶対値変換を
施した後、A/Dコンバータ36にて、上記実施の形態
1と同様に各相毎に3ビットのデジタル信号(D1〜D
3)に変換する。NOR回路37a、37b、37cは
各相に対して備えられ、D1〜D3の信号のいずれかが
1となると、対応する電圧補償回路110a、110
b、110cの定常短絡スイッチ8に信号z(=0)を
出力して定常短絡スイッチ8をオフする。一方、算出さ
れた各相の補償電圧Via、Vib、Vicは、極性判定回路
38で極性が判定され、上記実施の形態1と同様に、駆
動信号発生器39a、39b、39cにより、各相の補
償電圧Via、Vib、Vicの極性が正・負の場合に
応じて、デジタル信号D1〜D3にてアクテイブとなる
信号を選択し、各相電圧補償回路110a、110b、
110cに対し、駆動信号ga、gb、gcを発生す
る。
【0039】次に、重畳電圧ベクトルV0の算出方法の
詳細について説明する。この重畳電圧ベクトルV0は、
上述したように、各相電圧補償回路110a、110
b、110cにおけるコンデンサ総和電圧Va、Vb、V
cのばらつきを無くすように重畳電圧算出部34aにて
算出され、次の式(11)で表される。 V0=SaVna+SbVnb+ScVnc (11) なお、Sa、Sb、Scの初期値は、Sa=S
=Sc=0で、その時、V0=0となる。電圧ば
らつき判定部44の判定結果が全相においてGO(許容
値以下)であるとき、重畳電圧ベクトルV0=0とな
り、各相の補償電圧Via、Vib、Vicは、各相の瞬低電
圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、
Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vta、Vtb、Vtc
(Vna−Vsa、Vnb−Vsb、Vnc−Vsc)と等しくな
る。
【0040】電圧ばらつき判定部44の判定結果がNG
である相があるとき、即ち、各相のコンデンサ総和電圧
Va、Vb、Vcと全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差
が許容値を越える相が存在するとき、式(11)におけ
るSa、Sb、Scの値を、k=1として以下の
ように更新する。コンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと
全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差が許容値を越え
る相をi相(iはa、b、cのいずれか1つまたは複
数)とし、i相以外の相をj相とすると、 Si=Si+(Vi−Vave)/|Vn| (12) Sj=Sj (13) これにより得られるSa、Sb、Scの値を用い
て、式(11)から、重畳電圧ベクトルV0を求める。
ここでは、コンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと全相の
コンデンサ平均電圧Vaveとの差が許容値を越える相に
ついて、重畳電圧ベクトルV0をシフトさせるもので、
コンデンサ総和電圧が、コンデンサ平均電圧Vaveより
も大きい場合は当該相の順方向(+方向)にシフトさ
せ、コンデンサ平均電圧Vaveよりも小さいい場合は当
該相の逆方向(−方向)にシフトさせて、重畳電圧ベク
トルV0を求める。
【0041】次に、演算された重畳電圧ベクトルV0を
重畳して各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出し、こ
れらの補償電圧Via、Vib、Vicが各相のコンデンサ総
和電圧Va、Vb、Vc以下であれば出力可能であるた
め、演算された重畳電圧ベクトルV0は採用される。
【0042】ここで、算出された補償電圧Via、Vib、
Vicで各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcを越え
る相があるとき、Sa、Sb、Scの値を、k=
2として以下のように更新する。 Sa=Sa−(Via+V0−Va)/|Vn| (14) Sb=Sb−(Vib+V0−Vb)/|Vn| (15) Sc=Sc−(Vic+V0−Vc)/|Vn| (16) なお、式中のV0、Via、Vib、Vicは、k=1のとき
のSa、Sb、Scの値を用いて、式(11)か
ら得たV0と該V0を用いて算出した補償電圧Via、Vi
b、Vicの値である。上記式(14)(15)(16)
で得たSa、Sb、Scの値を用いて、式(1
1)から、再度重畳電圧ベクトルV0を求める。
【0043】この実施の形態では、各相電圧補償回路1
10a、110b、110cのコンデンサ総和電圧V
a、Vb、Vcのばらつきを無くすように重畳電圧ベクト
ルV0を演算し、この重畳電圧ベクトルV0を重畳して各
相補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。このため、線
間電圧の電圧変動を補償して負荷3への電力供給の信頼
性を保ちつつ、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、V
cをほぼ均等に低下させることができる。このため、電
圧変動補償装置200全体のコンデンサのエネルギを有
効利用でき、その結果電圧変動補償可能時間を延長する
ことができる。
【0044】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、Sa、Sb、Scの値を式(12)により求
めたが、定数βを用いて以下の式により求めても良い。 Si=Si+β(Vi−Vave)/|Vi−Vave| (17) 同様に、Sa、Sb、Scの値を式(14)(1
5)(16)の代わりに、定数γを用いて以下の式によ
り求めても良い。 Sa=Sa−γSa/|Sa| (18) Sb=Sb−γSb/|Sb| (19) Sc=Sc−γSc/|Sc| (20) 上記式(17)〜(20)を用いることで、補償電圧の
出力により急激に相電圧が変化することが抑制できて、
電圧変動補償補償装置の誤作動などを防止し、電圧補償
の信頼性が向上する。
【0045】実施の形態4.また、上記実施の形態2で
は、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcにばらつ
きが発生すると、ばらつきを無くすように重畳電圧ベク
トルV0を演算したが、各相のコンデンサ総和電圧Va、
Vb、Vcが一定値(α)以上の電圧であれば、重畳電圧
ベクトルV0を0として重畳させず、上記一定値(α)
よりも電圧が低下した時点で、ばらつきを無くすように
重畳電圧ベクトルV0を演算して用いても良い。さらに
また、各相の瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常
電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電
圧Vta、Vtb、Vtc(Vna−Vsa、Vnb−Vsb、Vnc−
Vsc)が、全て、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、
Vc以下であるときは、重畳電圧ベクトルV0を0として
重畳させず、上記各相電圧Vta、Vtb、Vtcのいずれか
がコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vc以上になった時点
で、上記実施の形態と同様に、ばらつきを無くすように
重畳電圧ベクトルV0を演算して用いても良い。
【0046】実施の形態5.上記実施の形態2で用いた
制御回路30aの別例を図7に示す。実施の形態2で
は、比較演算部42にて各相のコンデンサ総和電圧V
a、Vb、Vcと全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差を
それぞれ計算し、計算結果の差の絶対値が、予め設定さ
れたばらつきの許容値43以下であるかを電圧ばらつき
判定部44で判定した。この実施の形態では、電圧ばら
つき判定部44aにおいて、ばらつきの許容値を、平均
値演算部41で求められた全相のコンデンサ平均電圧V
aveの所定の定数倍とし、この平均電圧Vaveにばらつき
許容値を加算した電圧と各相のコンデンサ総和電圧V
a、Vb、Vcとで判定させる。このように、常に一定の
割合で電圧ばらつきを許容することから、許容値の不適
切による制御エラーを起こりにくくすることが出来、ま
た、ばらつきの許容値をコンデンサ平均電圧Vaveから
容易に設定できるため、制御回路の構成が簡略化でき
る。
【0047】上記実施の形態1〜5では、図2に示す各
相電圧補償回路110a、110b、110cを電力系
統の各相に、直接、直列に接続した電圧変動補償装置に
ついて説明したが、各相電圧補償回路110a、110
b、110cは、フルブリッジインバータを用いるもの
に限るものではなく、また、トランスを介して電力系統
の各相に直列に接続するもので、一般的なPWM制御に
より電圧変動を補償する装置であっても良く、上記実施
の形態1〜5と同様に、重畳電圧ベクトルV0を演算
し、この重畳電圧ベクトルV0を重畳して算出する各相
補償電圧Via、Vib、Vicを用いて、各相の線間電圧の
変動を補償する。
【0048】実施の形態6.次に、この発明の実施の形
態6による電圧変動補償装置210について、図8に基
づいて説明する。図8に示すように、3相交流(a相、
b相、c相)のそれぞれの相について、インバータ回路
53a、53b、53cを備えた各相電圧補償回路12
0a、120b、120cを、高調波除去用の平滑フィ
ルタ52a、52b、52cと大容量のトランス51
a、51b、51cを介して電力系統に接続する。ま
た、エネルギ蓄積手段として全相で共用するコンデンサ
54と、制御部として全相で共通の制御回路50とを備
えて、この制御回路50からの指令により、各相電圧補
償回路120a、120b、120c内のインバータ回
路53a、53b、53cを駆動することにより、共用
コンデンサ54に蓄積された電圧から補償電圧を発生さ
せ、電圧変動を補償する。
【0049】このように構成される電圧変動補装置21
0の動作を図9のフローチャートに基づいて、以下に説
明する。制御回路50では、系統電圧変動を監視し(u
1)、通常時(電圧変動が無い時)には、系統電力はそ
のまま負荷(需要家)3に供給されている。また、共用
コンデンサ54の電圧Vabcをモニタした値を制御回路
50に入力し、u1において、系統電圧変動が発生する
と、瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベク
トルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vta、
Vtb、Vtcを演算し、この各相電圧Vta、Vtb、Vtcが
全てコンデンサ電圧Vabc以下の時(u2)、各相電圧
補償回路120a、120b、120cから各相補償電
圧としてVta、Vtb、Vtcを出力することにより、各相
の電圧変動を補償する(u3)。u2において、各相電
圧Vta、Vtb、Vtcでコンデンサ電圧Vabcを越える相
が存在するとき、次ステップu5において算出する各相
補償電圧Via、Vib、Vicが全てコンデンサ電圧Vabc
以下となるように、重畳電圧ベクトルV0を演算し(u
4)、上記各相電圧Vta、Vtb、Vtcに、それぞれ重畳
電圧ベクトルV0を重畳して、各相補償電圧Via、Vi
b、Vicを算出する(u5)。次に、各相補償電圧Vi
a、Vib、Vicが全てコンデンサ電圧Vabc以下であるか
確認し(u6)、各相電圧補償回路120a、120
b、120cから各相補償電圧Via、Vib、Vicを出力
することにより、各相の線間電圧の変動を補償する(u
7)。u6において、各相補償電圧Via、Vib、Vicで
コンデンサ電圧Vabcを越える相が存在すると、電圧変
動に対する補償が不可能となる(u8)。
【0050】このような電圧補償を行う電圧変動補償装
置で、例えば3相のうちの1相(a相)だけの電圧が大
きく低下した場合で、補償に必要な相電圧Vtaがコンデ
ンサ電圧Vabcよりも大きい場合の電圧補償動作につい
て、図10を用いて説明する。図10は、電力系統の各
相の電圧をベクトル図で示したもので、図10(a)
に、正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncを示す。図10
(b)に示すように、瞬低による電圧変動により発生す
る瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscのうち瞬低電圧ベ
クトルVsaのみが大きく低下し、瞬低電圧ベクトルVsa
を正常電圧ベクトルVnaに補償するための電圧Vta(V
na−Vsa)がコンデンサ電圧Vabcよりも大きくなった
とする。このため、図10(c)に示すように、各相補
償電圧Via、Vib、Vicがコンデンサ電圧Vabc以下と
なるように、重畳電圧ベクトルV0を決定して、算出さ
れた各相補償電圧Via、Vib、Vicを各相電圧補償回路
120a、120b、120cから出力する。
【0051】この実施の形態では、各相の電圧補償を行
う際に、同じ重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相補償
電圧Via、Vib、Vicを算出することにより、単相あた
りの系統電圧変動が電圧変動補償装置210の共用コン
デンサ54の電圧よりも大きい時にも対応して補償する
ことができ、線間電圧の電圧変動を補償して負荷3への
電力供給の信頼性を保ちつつ、電圧変動補償装置210
の共用コンデンサ54のエネルギを有効利用でき、その
結果電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0052】なお、図9で示した補償動作において、u
3にて、各相補償電圧としてVta、Vtb、Vtcを出力し
て各相の電圧変動を補償する補償動作途中に、各相電圧
Vta、Vtb、Vtcでコンデンサ電圧Vabcを越えるもの
が生じたとき、それを検出して制御回路50内の制御を
切り換えることにより、u4からの処理に切り換えるよ
うにすれば、継続して電圧変動補償が行える。
【0053】また、共用コンデンサ54は全相で共用す
るものとしたが、複数相で共用させるコンデンサを複数
個備えることも可能である。
【0054】実施の形態7.上記実施の形態1〜6にお
いて、各相電圧補償回路110a、110b、110c
(120a、120b、120c)の異常を検出する手
段を備え、異常が発生した各相電圧補償回路110a、
110b、110c(120a、120b、120c)
が出力する補償電圧が0となるように、重畳電圧ベクト
ルV0を決定して、その他の各相電圧補償回路110
a、110b、110c(120a、120b、120
c)が出力する各相補償電圧を算出する。これにより、
いずれかの相の各相電圧補償回路110a、110b、
110c(120a、120b、120c)が補償不可
能に陥っても、他の相のみで、線間電圧変動の補償を継
続することが可能となる。
【0055】実施の形態8.ところで、実際の電力系統
では、図11で示すように、電力系統は分岐されて、例
えば、電圧変動補償装置200、210を直列に接続し
て負荷3に供給する線間電圧の補償を行う配電線以外
に、電圧補償対象外の需要家に供給される系統61や、
母線零相電圧検出のための系統が存在し、母線零相電圧
検出器60や配電線零相電流検出器62を備えて、母線
零相電圧や配電線零相電流を監視し、地絡保護を行って
いる場合がある。このため、上記各実施の形態により電
圧変動の補償動作を行う際、以下のような対応に留意す
る必要がある。 1.母線零相電圧検出器60または配電線零相電流検出
器62の異常検出しきい値以下に収まる範囲で、重畳電
圧ベクトルV0を制限するか、または電圧変動補償装置
200、210が動作している時には、母線零相電圧検
出器61の動作を無視する。 2.電圧変動補償装置200、210に別途母線零相電
圧検出器を組み込み、重畳電圧ベクトルV0を常に母線
零相電圧検出器の動作しきい値以下となるように制御す
る。 3.重畳電圧ベクトルV0を重畳して補償電圧を出力す
る時間を母線零相電圧検出器60の異常判定タイマーの
動作しきい時間以内となるように制御する。 4.母線零相電圧検出器60の動作しきい値を、あらか
じめ電圧変動補償装置200、210内の制御回路3
0、50に設定しておき、重畳電圧ベクトルV0ををこ
の値以下となるように制御する。 5.母線零相電圧検出器60の動作ステータス信号によ
り、母線零相電圧検出器60が動作中には、重畳電圧ベ
クトルV0を重畳する制御を行わないようにする。
【0056】例えば、上記実施の形態2、3において重
畳電圧ベクトルV0を演算するためのSa、Sb
Scの値に、上限を設定できるようにしておくと、上
述した母線零相電圧や配電線零相電流を監視するための
対応が容易に行える。
【0057】
【発明の効果】この発明に係る請求項1記載の電圧変動
補償装置は、電力系統における電圧変動の監視、および
それに基づく給電制御を行う制御部と、該電力系統の各
相にそれぞれ直列に接続し、エネルギ蓄積手段に蓄積さ
れた直流電圧を交流に変換して出力する各相電圧補償回
路とを備えて、負荷に供給される電圧変動を抑える装置
構成であって、上記電力系統の電圧変動時に、各相の出
力電圧を正常電圧に補償するための各相電圧に、それぞ
れ同じ出力電圧ベクトルを重畳して演算された各相補償
電圧を上記各相電圧補償回路から出力して、上記電力系
統における線間電圧の電圧変動を抑えるため、線間電圧
の電圧変動を補償して負荷への電力供給の信頼性を保ち
つつ、出力エネルギの各相のバランスを、重畳する出力
電圧ベクトルによって調整することが可能になる。
【0058】またこの発明に係る請求項2記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電
圧を出力し、該各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧
ベクトルを、上記各相電圧補償回路からの出力エネルギ
が概均等となるように決定するため、各相のエネルギ蓄
積手段のエネルギをほぼ均等に利用することができ、全
体のエネルギを有効利用できて、電圧変動補償可能時間
を延長することができる。
【0059】またこの発明に係る請求項3記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電
圧を出力し、該各相補償電圧の大きさが概均等となるよ
うに、重畳する出力電圧ベクトルを決定するため、各相
のエネルギ蓄積手段のエネルギをほぼ均等に利用するこ
とができ、全体のエネルギを容易に有効利用できて、電
圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0060】またこの発明に係る請求項4記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電
圧を出力し、該各エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成
して該各エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、上記
各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上
記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の差を無くすように決
定するため、各相のコンデンサ電圧をほぼ均等に低下さ
せることができ、全体のコンデンサのエネルギを有効利
用できて、電圧変動補償可能時間を延長することができ
る。
【0061】またこの発明に係る請求項5記載の電圧変
動補償装置は、請求項4において、各エネルギ蓄積手段
の検出電圧の平均値を算出し、該平均値に基づいて上記
各エネルギ蓄積手段の検出電圧の許容範囲を設定し、各
相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルは、上記
許容範囲を越えた相に偏向するように決定するため、補
償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、容易で確
実に、各エネルギ蓄積手段の検出電圧の差を無くすよう
に決定できる。
【0062】またこの発明に係る請求項6記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、エネルギ蓄積手段
は、複数相の電圧補償回路で共用とするため、共用のエ
ネルギ蓄積手段から各相に出力される出力エネルギの各
相のバランスを、重畳する出力電圧ベクトルによって調
整して、電圧変動補償可能時間を延長する。
【0063】またこの発明に係る請求項7記載の電圧変
動補償装置は、請求項1または6において、各相電圧補
償回路の異常を検出する手段を備え、各相補償電圧演算
時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記手段により異常
検出された電圧補償回路からの補償電圧出力を0とする
ように決定するため、いずれかの相の各相電圧補償回路
に以上が発生しても、線間電圧変動の補償を継続するこ
とが可能となる。
【0064】またこの発明に係る請求項8記載の電圧変
動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路
は、共用のエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力
し、該エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該エネ
ルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、電力系統の電圧変
動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各
相電圧が上記エネルギ蓄積手段の検出電圧以下の場合、
重畳する出力電圧ベクトルを0ベクトルとし、該検出電
圧を超える相がある場合、上記各相補償電圧が該検出電
圧以下となるように上記重畳する出力電圧ベクトルを決
定するため、単相あたりの電圧変動が共用のコンデンサ
電圧よりも大きい時にも、線間電圧変動の補償を継続す
ることが可能となり、コンデンサのエネルギを有効利用
できて、電圧変動補償可能時間を延長することができ
る。
【0065】またこの発明に係る請求項9記載の電圧変
動補償装置は、請求項2〜5のいずれかにおいて、電力
系統の各相にそれぞれ直列に接続される各相電圧補償回
路は、それぞれ異なる電圧が蓄積されてエネルギ蓄積手
段を構成するエネルギ蓄積部を備え該エネルギ蓄積部に
蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する複数の電
圧補償サブ回路を直列に接続して構成され、上記複数の
電圧補償サブ回路内の上記エネルギ蓄積部にそれぞれ蓄
積される異なる電圧の絶対値を、最も小さい電圧(絶対
値)に対して概2倍(K=0、1、2、・・・)と
し、上記電圧補償サブ回路をバイパスするための高速機
械式の短絡スイッチを、1つもしくは直列接続された複
数の上記電圧補償サブ回路の出力端毎に備えて、各相補
償電圧出力時には、各相における上記複数の電圧補償サ
ブ回路の中から所望の組み合わせを選択し、その出力電
圧の総和で上記電力系統における線間電圧の電圧変動を
抑えるため、安価で小型な装置構成で、全体のエネルギ
を有効利用できる効果的で高精度な電圧補償により、線
間電圧変動の補償が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償
装置の概略構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による各相電圧補償
回路の構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償
装置の制御回路の構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償
装置の動作を説明する電圧、電流のベクトル図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償
装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2による電圧変動補償
装置の制御回路の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態5による電圧変動補償
装置の制御回路の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態6による電圧変動補償
装置の概略構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による電圧変動補償
装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態6による電圧変動補
償装置の動作を説明する電圧のベクトル図である。
【図11】 この発明の実施の形態8による電圧変動補
償装置の動作を説明する図である。
【図12】 従来の電圧変動補償装置の概略構成図であ
る。
【図13】 従来の電圧変動補償装置の動作を説明する
図である。
【図14】 従来の別例による電圧変動補償装置の構成
図である。
【図15】 図14における電圧変動補償装置の制御回
路の構成図である。
【図16】 従来の電圧変動補償装置による3相交流電
圧補償を示す図である。
【図17】 従来の電圧変動補償装置による3相交流電
圧補償の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 負荷、8 短絡スイッチ、10,10a,10b,
10c エネルギ蓄積手段としてのコンデンサ、30,
30a 制御部としての制御回路、31 正常電圧とし
ての設定電圧、33,33a 補償電圧算出部、34,
34a 重畳電圧算出部、39a,39b,39c 各
相電圧補償回路駆動制御部、41 平均値演算部、4
4,44a 電圧ばらつき判定部、50 制御部として
の制御回路、54 共用のエネルギ蓄積手段としての共
用コンデンサ、110a〜110c,120a〜120
c 各相電圧補償回路、200,210 電圧変動補償
装置、PN1,PN2,PN3 電圧補償サブ回路、V
0 重畳電圧ベクトル、Via,Vib,Vic 各相補償電
圧ベクトル、Va1〜Va3,Vb1〜Vb3,Vc1〜Vc3 コ
ンデンサ検出電圧、Vx,Vy,Vz 系統電圧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 明彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 昭弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 菊永 敏之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高橋 貢 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 笹尾 博之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小山 健一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 羽田野 伸彦 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 山本 和生 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 Fターム(参考) 5G066 DA07 5H750 AA01 AA02 BA05 CC02 CC06 CC12 CC14 DD14 DD18 DD26 FF05 GG03 GG06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統における電圧変動の監視、およ
    びそれに基づく給電制御を行う制御部と、該電力系統の
    各相にそれぞれ直列に接続し、エネルギ蓄積手段に蓄積
    された直流電圧を交流に変換して出力する各相電圧補償
    回路とを備えて、負荷に供給される電圧変動を抑える電
    圧変動補償装置において、上記電力系統の電圧変動時
    に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相電
    圧に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルを重畳して演算さ
    れた各相補償電圧を上記各相電圧補償回路から出力し
    て、上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑える
    ことを特徴とする電圧変動補償装置。
  2. 【請求項2】 各相電圧補償回路は、それぞれ独立した
    エネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補
    償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記各相
    電圧補償回路からの出力エネルギが概均等となるように
    決定することを特徴とする請求項1記載の電圧変動補償
    装置。
  3. 【請求項3】 各相電圧補償回路は、それぞれ独立した
    エネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補
    償電圧の大きさが概均等となるように、重畳する出力電
    圧ベクトルを決定することを特徴とする請求項1記載の
    電圧変動補償装置。
  4. 【請求項4】 各相電圧補償回路は、それぞれ独立した
    エネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各エネ
    ルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該各エネルギ蓄積
    手段の電圧検出手段を備え、上記各相補償電圧演算時に
    重畳する出力電圧ベクトルを、上記各エネルギ蓄積手段
    の検出電圧の差を無くすように決定することを特徴とす
    る請求項1記載の電圧変動補償装置。
  5. 【請求項5】 各エネルギ蓄積手段の検出電圧の平均値
    を算出し、該平均値に基づいて上記各エネルギ蓄積手段
    の検出電圧の許容範囲を設定し、各相補償電圧演算時に
    重畳する出力電圧ベクトルは、上記許容範囲を越えた相
    に偏向するように決定することを特徴とする請求項4記
    載の電圧変動補償装置。
  6. 【請求項6】 エネルギ蓄積手段は、複数相の電圧補償
    回路で共用とすることを特徴とする請求項1記載の電圧
    変動補償装置。
  7. 【請求項7】 各相電圧補償回路の異常を検出する手段
    を備え、各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクト
    ルを、上記手段により異常検出された電圧補償回路から
    の補償電圧出力を0とするように決定することを特徴と
    する請求項1または6記載の電圧変動補償装置。
  8. 【請求項8】 各相電圧補償回路は、共用のエネルギ蓄
    積手段から各相補償電圧を出力し、該エネルギ蓄積手段
    をコンデンサで構成して該エネルギ蓄積手段の電圧検出
    手段を備え、電力系統の電圧変動時に、各相の出力電圧
    を正常電圧に補償するための各相電圧が上記エネルギ蓄
    積手段の検出電圧以下の場合、重畳する出力電圧ベクト
    ルを0ベクトルとし、該検出電圧を超える相がある場
    合、上記各相補償電圧が該検出電圧以下となるように上
    記重畳する出力電圧ベクトルを決定することを特徴とす
    る請求項1記載の電圧変動補償装置。
  9. 【請求項9】 電力系統の各相にそれぞれ直列に接続さ
    れる各相電圧補償回路は、それぞれ異なる電圧が蓄積さ
    れてエネルギ蓄積手段を構成するエネルギ蓄積部を備え
    該エネルギ蓄積部に蓄積された直流電圧を交流に変換し
    て出力する複数の電圧補償サブ回路を直列に接続して構
    成され、上記複数の電圧補償サブ回路内の上記エネルギ
    蓄積部にそれぞれ蓄積される異なる電圧の絶対値を、最
    も小さい電圧(絶対値)に対して概2倍(K=0、
    1、2、・・・)とし、上記電圧補償サブ回路をバイパ
    スするための高速機械式の短絡スイッチを、1つもしく
    は直列接続された複数の上記電圧補償サブ回路の出力端
    毎に備えて、各相補償電圧出力時には、各相における上
    記複数の電圧補償サブ回路の中から所望の組み合わせを
    選択し、その出力電圧の総和で上記電力系統における線
    間電圧の電圧変動を抑えることを特徴とする請求項2〜
    5のいずれかに記載の電圧変動補償装置。
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