JP2003273014A - 酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子用基板 - Google Patents
酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子用基板Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 良好な窒化ガリウム膜を形成できる酸化アル
ミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子
用基板を提供する。 【解決手段】 サファイヤ単結晶基板2の表面に非晶質
の酸化アルミニム3の蒸着し、その後、蒸着膜3が形成
されたサファイヤ単結晶基板2を熱処理すると、非晶質
の蒸着膜3が単結晶化し、この上にサファイヤ単結晶基
板2の表面の傷2aの影響を受けない良好な窒化ガリウ
ム層5が形成する。
ミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子
用基板を提供する。 【解決手段】 サファイヤ単結晶基板2の表面に非晶質
の酸化アルミニム3の蒸着し、その後、蒸着膜3が形成
されたサファイヤ単結晶基板2を熱処理すると、非晶質
の蒸着膜3が単結晶化し、この上にサファイヤ単結晶基
板2の表面の傷2aの影響を受けない良好な窒化ガリウ
ム層5が形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子用
のサファイヤ基板及び半導体発光素子用基板に関し、特
に、膜付けの母材となるサファイヤ基板の表面に残留す
る傷の影響を受けない良好な窒化ガリウム膜(GaN膜)
を形成できるサファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子
用基板に関する。
のサファイヤ基板及び半導体発光素子用基板に関し、特
に、膜付けの母材となるサファイヤ基板の表面に残留す
る傷の影響を受けない良好な窒化ガリウム膜(GaN膜)
を形成できるサファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子
用基板に関する。
【0002】
【従来技術】サファイヤ単結晶基板は、主にHM法(熱
交換法)やCz法(チョクラルスキー法)などによって
育成された単結晶の塊を、その端面がC面になるように
適当な直径を持つ円筒状に加工した後、端面に沿って切
断し、基板を研磨することによって製造されている。
交換法)やCz法(チョクラルスキー法)などによって
育成された単結晶の塊を、その端面がC面になるように
適当な直径を持つ円筒状に加工した後、端面に沿って切
断し、基板を研磨することによって製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3
(a)に示すように、サファイヤ単結晶基板21の表面の
研磨面には、傷21aが入りやすく、サファイヤ単結晶
基板21の表面に窒化ガリウム22をエピタイキシャル
成長させる場合、図3(b)に示すように、研磨面に生じ
る傷によって窒化ガリウム22aが異常成長し、多結晶
化したり窒化ガリウム表面の平滑度が保てないという問
題点がある。
(a)に示すように、サファイヤ単結晶基板21の表面の
研磨面には、傷21aが入りやすく、サファイヤ単結晶
基板21の表面に窒化ガリウム22をエピタイキシャル
成長させる場合、図3(b)に示すように、研磨面に生じ
る傷によって窒化ガリウム22aが異常成長し、多結晶
化したり窒化ガリウム表面の平滑度が保てないという問
題点がある。
【0004】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、良好な窒化ガリ
ウム膜(GaN膜)を形成できる酸化アルミニウム蒸着サ
ファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子用基板を提供す
ることである。
のであって、その目的とするところは、良好な窒化ガリ
ウム膜(GaN膜)を形成できる酸化アルミニウム蒸着サ
ファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子用基板を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意研究した結果、サファイヤ単結晶基板の表面に非晶
質の酸化アルミニムの蒸着膜を形成し、熱処理後にその
酸化アルミニウムの蒸着膜の上に窒化ガリウム膜(GaN
膜)を形成すると、サファイヤ単結晶基板の表面の傷の
影響を受けない良好な窒化ガリウム層が成長することが
判明した。
鋭意研究した結果、サファイヤ単結晶基板の表面に非晶
質の酸化アルミニムの蒸着膜を形成し、熱処理後にその
酸化アルミニウムの蒸着膜の上に窒化ガリウム膜(GaN
膜)を形成すると、サファイヤ単結晶基板の表面の傷の
影響を受けない良好な窒化ガリウム層が成長することが
判明した。
【0006】本発明者は、さらに研究を進めた結果、酸
化アルミニウムの蒸着の際に、高温で酸化アルミニウム
を蒸着すると、酸化アルミニウムが多結晶化してしま
い、窒化ガリウム層は、サファイヤ単結晶基板の表面の
傷を反映した異常成長がおきやすいという知見を得た。
これに対して、単結晶化していない非晶質(アモルファ
ス)の酸化アルミニウムを蒸着し、その後、非晶質の蒸
着膜が形成されたサファイヤ単結晶基板を熱処理する
と、非晶質の蒸着膜が単結晶化し、サファイヤ単結晶基
板の表面の傷の影響を受けない良好な窒化ガリウム層が
成長するという知見を得た。
化アルミニウムの蒸着の際に、高温で酸化アルミニウム
を蒸着すると、酸化アルミニウムが多結晶化してしま
い、窒化ガリウム層は、サファイヤ単結晶基板の表面の
傷を反映した異常成長がおきやすいという知見を得た。
これに対して、単結晶化していない非晶質(アモルファ
ス)の酸化アルミニウムを蒸着し、その後、非晶質の蒸
着膜が形成されたサファイヤ単結晶基板を熱処理する
と、非晶質の蒸着膜が単結晶化し、サファイヤ単結晶基
板の表面の傷の影響を受けない良好な窒化ガリウム層が
成長するという知見を得た。
【0007】上記知見に基づいて完成された請求項1記
載の発明は、サファイヤ単結晶基板の表面に非晶質の酸
化アルミニムの蒸着膜が形成された酸化アルミニウム蒸
着サファイヤ単結晶基板である。
載の発明は、サファイヤ単結晶基板の表面に非晶質の酸
化アルミニムの蒸着膜が形成された酸化アルミニウム蒸
着サファイヤ単結晶基板である。
【0008】非晶質の酸化アルミニウムの蒸着法(蒸着
膜の作成法)は、単結晶にならない条件であれば、真空
蒸着法・スパッタ法・イオンプレーテイング法・化学気
相析出法(CVD法)・ゾルゲル法などいずれの方法で
も良い。
膜の作成法)は、単結晶にならない条件であれば、真空
蒸着法・スパッタ法・イオンプレーテイング法・化学気
相析出法(CVD法)・ゾルゲル法などいずれの方法で
も良い。
【0009】請求項2記載の発明は、サファイヤ単結晶
基板の表面に形成された非晶質の酸化アルミニウムの蒸
着膜が、大気、酸素、窒素のいずれかから選択される雰
囲気下で熱処理された後、単結晶化したものであること
を特徴とする酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基
板である。
基板の表面に形成された非晶質の酸化アルミニウムの蒸
着膜が、大気、酸素、窒素のいずれかから選択される雰
囲気下で熱処理された後、単結晶化したものであること
を特徴とする酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基
板である。
【0010】請求項3記載の発明は、サファイヤ単結晶
基板の表面に形成された非晶質の酸化アルミニウムの蒸
着膜が、窒素雰囲気下で熱処理された後、単結晶化する
と共に、単結晶化した酸化アルミニウムの蒸着膜の表面
に窒化アルミニウムの単結晶層が形成されていることを
特徴とする酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板
である。
基板の表面に形成された非晶質の酸化アルミニウムの蒸
着膜が、窒素雰囲気下で熱処理された後、単結晶化する
と共に、単結晶化した酸化アルミニウムの蒸着膜の表面
に窒化アルミニウムの単結晶層が形成されていることを
特徴とする酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板
である。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記酸化
アルミニウムの蒸着膜の膜厚が、1nm以上1μm以下
に形成されていることを特徴とする酸化アルミニウム蒸
着サファイヤ単結晶基板である。
項3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記酸化
アルミニウムの蒸着膜の膜厚が、1nm以上1μm以下
に形成されていることを特徴とする酸化アルミニウム蒸
着サファイヤ単結晶基板である。
【0012】酸化アルミニウムの蒸着膜の膜厚が1nm
以上としたのは、1nm未満であると、サファイヤ単結
晶基板の表面の傷を覆うことができず、良好な窒化ガリ
ウム層を成長させることができないからである。また、
蒸着膜の膜厚が1μm以下としたのは、1μmを越える
と、熱処理の際に蒸着膜が多結晶化してしまい、良好な
窒化ガリウム層を成長させることができないからであ
る。
以上としたのは、1nm未満であると、サファイヤ単結
晶基板の表面の傷を覆うことができず、良好な窒化ガリ
ウム層を成長させることができないからである。また、
蒸着膜の膜厚が1μm以下としたのは、1μmを越える
と、熱処理の際に蒸着膜が多結晶化してしまい、良好な
窒化ガリウム層を成長させることができないからであ
る。
【0013】酸化アルミニウムの蒸着膜の膜厚は、好ま
しくは、10nm以上100nm以下の範囲で形成され
ているのがよい。この範囲内であれば、熱処理により蒸
着膜を単結晶化させやすいからである。
しくは、10nm以上100nm以下の範囲で形成され
ているのがよい。この範囲内であれば、熱処理により蒸
着膜を単結晶化させやすいからである。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項2乃至請求
項4のいずれかに記載の単結晶化した酸化アルミニウム
蒸着サファイヤ単結晶基板上に窒化ガリウム膜が形成さ
れていることを特徴とする半導体発光素子用基板であ
る。
項4のいずれかに記載の単結晶化した酸化アルミニウム
蒸着サファイヤ単結晶基板上に窒化ガリウム膜が形成さ
れていることを特徴とする半導体発光素子用基板であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る半導体発
光素子用基板4は、図1(b)に示すように、サファイヤ
単結晶基板2の表面に単結晶化した酸化アルミニウムの
蒸着膜3が形成されており、さらに、その酸化アルミニ
ウムの蒸着膜3の表面に窒化ガリウム膜5が形成された
ものである。
光素子用基板4は、図1(b)に示すように、サファイヤ
単結晶基板2の表面に単結晶化した酸化アルミニウムの
蒸着膜3が形成されており、さらに、その酸化アルミニ
ウムの蒸着膜3の表面に窒化ガリウム膜5が形成された
ものである。
【0016】このように、サファイヤ単結晶基板2の表
面に直接、窒化ガリウム膜5を形成せずに、サファイヤ
単結晶基板2と窒化ガリウム膜5の間に、単結晶化した
蒸着膜3を形成することにより、サファイヤ単結晶基板
2の表面に存在する傷(潜傷を含む)2aに影響しない
良好な半導体発光素子用基板4を得ることができる。
面に直接、窒化ガリウム膜5を形成せずに、サファイヤ
単結晶基板2と窒化ガリウム膜5の間に、単結晶化した
蒸着膜3を形成することにより、サファイヤ単結晶基板
2の表面に存在する傷(潜傷を含む)2aに影響しない
良好な半導体発光素子用基板4を得ることができる。
【0017】次に、上記の半導体発光素子用基板4の製
造工程を説明する。
造工程を説明する。
【0018】<研磨工程>例えばEFG法により製造され
たサファイヤ単結晶基板2の表面を研磨し、サファイヤ
単結晶基板2の表面を平滑化する。
たサファイヤ単結晶基板2の表面を研磨し、サファイヤ
単結晶基板2の表面を平滑化する。
【0019】<蒸着工程>次に、図1(a)に示すよう
に、研磨により平滑化されたサファイヤ単結晶基板2の
表面であるC面上に、低温で酸化アルミニウムを蒸着
し、非晶質の酸化アルミニウムの蒸着膜3を形成する。
ここで、蒸着法は、単結晶にならない条件であれば、真
空蒸着法・スパッタ法・イオンプレーテイング法・化学
気相析出法(CVD法)・ゾルゲル法などいずれの方法
で蒸着しても良い。
に、研磨により平滑化されたサファイヤ単結晶基板2の
表面であるC面上に、低温で酸化アルミニウムを蒸着
し、非晶質の酸化アルミニウムの蒸着膜3を形成する。
ここで、蒸着法は、単結晶にならない条件であれば、真
空蒸着法・スパッタ法・イオンプレーテイング法・化学
気相析出法(CVD法)・ゾルゲル法などいずれの方法
で蒸着しても良い。
【0020】また、酸化アルミニウムの蒸着膜3の膜厚
は、1nm以上1μm以下の範囲内で形成される。これ
は、蒸着膜3の膜厚が1nm未満であると、サファイヤ
単結晶基板2の表面の傷(潜傷を含む)2aを覆うこと
ができず、良好な窒化ガリウム層を成長させることがで
きないからである。また、蒸着膜3の膜厚が1μmを越
えると、後述する熱処理の際に蒸着膜3が多結晶化して
しまい、良好な窒化ガリウム膜5を成長させることがで
きないからである。
は、1nm以上1μm以下の範囲内で形成される。これ
は、蒸着膜3の膜厚が1nm未満であると、サファイヤ
単結晶基板2の表面の傷(潜傷を含む)2aを覆うこと
ができず、良好な窒化ガリウム層を成長させることがで
きないからである。また、蒸着膜3の膜厚が1μmを越
えると、後述する熱処理の際に蒸着膜3が多結晶化して
しまい、良好な窒化ガリウム膜5を成長させることがで
きないからである。
【0021】なお、酸化アルミニウムの蒸着膜3は、1
0nm以上100nm以下の範囲で形成されているのが
好ましい。この範囲内であれば、蒸着膜3を後述する熱
処理により単結晶化させやすいからである。
0nm以上100nm以下の範囲で形成されているのが
好ましい。この範囲内であれば、蒸着膜3を後述する熱
処理により単結晶化させやすいからである。
【0022】以上の蒸着工程により、サファイヤ単結晶
基板2の表面に、非晶質(アモルファス)の酸化アルミ
ニウムの蒸着膜3が形成されるため、酸化アルミニウム
蒸着サファイヤ単結晶基板1が得られる。
基板2の表面に、非晶質(アモルファス)の酸化アルミ
ニウムの蒸着膜3が形成されるため、酸化アルミニウム
蒸着サファイヤ単結晶基板1が得られる。
【0023】<熱処理工程>次に、非晶質の酸化アルミ
ニウムの蒸着膜3が形成された酸化アルミニウム蒸着サ
ファイヤ単結晶基板1を熱処理し、非晶質の酸化アルミ
ニウムの蒸着膜3を単結晶化させる。この熱処理は、大
気、酸素、窒素のいずれかから選択される雰囲気下で行
われる。このように、非晶質の蒸着膜3を単結晶化させ
ることにより、単結晶化した酸化アルミニウムの蒸着膜
3が形成された酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶
基板1が得られる。
ニウムの蒸着膜3が形成された酸化アルミニウム蒸着サ
ファイヤ単結晶基板1を熱処理し、非晶質の酸化アルミ
ニウムの蒸着膜3を単結晶化させる。この熱処理は、大
気、酸素、窒素のいずれかから選択される雰囲気下で行
われる。このように、非晶質の蒸着膜3を単結晶化させ
ることにより、単結晶化した酸化アルミニウムの蒸着膜
3が形成された酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶
基板1が得られる。
【0024】<エピタキシャル成長工程>次に、図1
(b)に示すように、有機金属気相成長法(MOCVD法)
により、単結晶化した酸化アルミニウムの蒸着膜3が形
成された酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板1
の蒸着膜3の表面に窒化ガリウムをエピタキシャル成長
させる。
(b)に示すように、有機金属気相成長法(MOCVD法)
により、単結晶化した酸化アルミニウムの蒸着膜3が形
成された酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板1
の蒸着膜3の表面に窒化ガリウムをエピタキシャル成長
させる。
【0025】以上の工程により、窒化ガリウム膜5は、
サファイヤ単結晶基板2の表面に存在する傷(潜傷を含
む)2aの影響を受けずに成長するため、窒化ガリウム
膜5の表面の平滑度が向上する。これにより、窒化ガリ
ウム膜5の表面の平滑度が向上した良好な半導体発光素
子用基板4を得ることができる。
サファイヤ単結晶基板2の表面に存在する傷(潜傷を含
む)2aの影響を受けずに成長するため、窒化ガリウム
膜5の表面の平滑度が向上する。これにより、窒化ガリ
ウム膜5の表面の平滑度が向上した良好な半導体発光素
子用基板4を得ることができる。
【0026】なお、本実施形態では、サファイヤ単結晶
基板2のC面に蒸着膜3を形成した場合を説明したが、
これに限定するものではなく、a面やその他の面上に蒸
着膜3を形成してもよい。
基板2のC面に蒸着膜3を形成した場合を説明したが、
これに限定するものではなく、a面やその他の面上に蒸
着膜3を形成してもよい。
【0027】また、上記の熱処理工程を窒素雰囲気下で
行うと、図2(a)に示すように、酸化アルミニウム蒸着
サファイヤ単結晶基板6には、単結晶化した酸化アルミ
ニウムの蒸着膜3の表面に単結晶化した窒化アルミニウ
ムの単結晶層7が形成される。そして、図2(b)に示す
ように、単結晶化した窒化アルミニウムの単結晶層7の
表面に窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて、半導
体発光素子用基板8を得ることができる。
行うと、図2(a)に示すように、酸化アルミニウム蒸着
サファイヤ単結晶基板6には、単結晶化した酸化アルミ
ニウムの蒸着膜3の表面に単結晶化した窒化アルミニウ
ムの単結晶層7が形成される。そして、図2(b)に示す
ように、単結晶化した窒化アルミニウムの単結晶層7の
表面に窒化ガリウムをエピタキシャル成長させて、半導
体発光素子用基板8を得ることができる。
【0028】
【実施例】<実施例1>2インチで厚み500μmのサ
ファイヤ単結晶基板のC面にイオンプレーティング法を
用いて非晶質の酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
この蒸着膜の膜厚は、約50nmに形成した。なお、こ
の蒸着膜をX線回折及び電子線回折により調べた結果、
蒸着膜は非晶質(アモルファス)であった。次に、この
非晶質の酸化アルミニウムが蒸着された基板について1
000度の大気雰囲気中で30分間熱処理を行い、非晶
質の蒸着膜の結晶化を進め、単結晶化を促進した。その
後、酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板に窒化
ガリウムを有機金属気相成長法(MOCVD法)によりエ
ピタキシャル成長させて半導体発光素子用基板を得た。
ファイヤ単結晶基板のC面にイオンプレーティング法を
用いて非晶質の酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
この蒸着膜の膜厚は、約50nmに形成した。なお、こ
の蒸着膜をX線回折及び電子線回折により調べた結果、
蒸着膜は非晶質(アモルファス)であった。次に、この
非晶質の酸化アルミニウムが蒸着された基板について1
000度の大気雰囲気中で30分間熱処理を行い、非晶
質の蒸着膜の結晶化を進め、単結晶化を促進した。その
後、酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板に窒化
ガリウムを有機金属気相成長法(MOCVD法)によりエ
ピタキシャル成長させて半導体発光素子用基板を得た。
【0029】この半導体発光素子用基板について、窒化
ガリウム膜をコンフォーカル顕微鏡で観察を行ったが、
傷に起因する異常な成長は発見されなかった。サファイ
ヤ単結晶基板と窒化ガリウム層の境界を電子線回折によ
って調べた結果酸化アルミニウムのアモルファス層は観
察されなかった。さらに、断面資料を作成し透過電子顕
微鏡観察(TEM)・および格子像の観察を行ったがア
モルファス層は確認出来なかった。これにより、生成し
た蒸着膜が熱処理によりサファイヤ単結晶基板に整合し
て単結晶化することが確認された。
ガリウム膜をコンフォーカル顕微鏡で観察を行ったが、
傷に起因する異常な成長は発見されなかった。サファイ
ヤ単結晶基板と窒化ガリウム層の境界を電子線回折によ
って調べた結果酸化アルミニウムのアモルファス層は観
察されなかった。さらに、断面資料を作成し透過電子顕
微鏡観察(TEM)・および格子像の観察を行ったがア
モルファス層は確認出来なかった。これにより、生成し
た蒸着膜が熱処理によりサファイヤ単結晶基板に整合し
て単結晶化することが確認された。
【0030】<実施例2>実施例1と同様の非晶質の酸
化アルミニウムが蒸着された基板について600度の真
空雰囲気中で120分間熱処理を行い、得られた半導体
発光素子用基板について実施例1と同様の観察を行う
と、実施例1と同様に傷に起因する異常な成長は発見さ
れなかった。
化アルミニウムが蒸着された基板について600度の真
空雰囲気中で120分間熱処理を行い、得られた半導体
発光素子用基板について実施例1と同様の観察を行う
と、実施例1と同様に傷に起因する異常な成長は発見さ
れなかった。
【0031】<実施例3>実施例1と同様の非晶質の酸
化アルミニウムが蒸着された基板について600度の窒
素雰囲気中で120分間熱処理を行い、得られた半導体
発光素子用基板について実施例1と同様の観察を行う
と、実施例1と同様に傷に起因する異常な成長は発見さ
れなかった。
化アルミニウムが蒸着された基板について600度の窒
素雰囲気中で120分間熱処理を行い、得られた半導体
発光素子用基板について実施例1と同様の観察を行う
と、実施例1と同様に傷に起因する異常な成長は発見さ
れなかった。
【0032】<比較例1>図2(a)に示すように、有機
金属気相成長法(MOCVD法)により実施例1と同様の
サファイヤ単結晶基板の表面に直接、窒化ガリウムをエ
ピタキシャル成長させたところ、図2(b)に示すよう
に、基板表面の傷(潜傷を含む)の影響を受けた窒化ガ
リウム膜が生成した。生成した窒化ガリウム膜をコンフ
ォーカル顕微鏡で観察を行ったところ、傷に起因すると
思われる異常な成長が確認された。
金属気相成長法(MOCVD法)により実施例1と同様の
サファイヤ単結晶基板の表面に直接、窒化ガリウムをエ
ピタキシャル成長させたところ、図2(b)に示すよう
に、基板表面の傷(潜傷を含む)の影響を受けた窒化ガ
リウム膜が生成した。生成した窒化ガリウム膜をコンフ
ォーカル顕微鏡で観察を行ったところ、傷に起因すると
思われる異常な成長が確認された。
【0033】<比較例2>実施例1と同様のサファイヤ
単結晶基板の表面に、高温で酸化アルミニウムの蒸着膜
を形成し、有機金属気相成長法(MOCVD法)により結
晶化した蒸着膜の表面に窒化ガリウムをエピタキシャル
成長させたところ、図2(b)に示すように、基板表面の
傷(潜傷を含む)の影響を受けた窒化ガリウム膜が生成
した。生成した窒化ガリウム膜をコンフォーカル顕微鏡
で観察を行ったところ、傷に起因すると思われる異常な
成長が確認された。
単結晶基板の表面に、高温で酸化アルミニウムの蒸着膜
を形成し、有機金属気相成長法(MOCVD法)により結
晶化した蒸着膜の表面に窒化ガリウムをエピタキシャル
成長させたところ、図2(b)に示すように、基板表面の
傷(潜傷を含む)の影響を受けた窒化ガリウム膜が生成
した。生成した窒化ガリウム膜をコンフォーカル顕微鏡
で観察を行ったところ、傷に起因すると思われる異常な
成長が確認された。
【0034】
【発明の効果】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
の発明は、サファイヤ単結晶基板の表面に残留する傷や
潜傷の影響をまったく受けない窒化ガリウム膜(GaN
膜)を形成することができるという効果を奏する。
の発明は、サファイヤ単結晶基板の表面に残留する傷や
潜傷の影響をまったく受けない窒化ガリウム膜(GaN
膜)を形成することができるという効果を奏する。
【0035】即ち、単結晶化させた酸化アルミニウムの
蒸着膜の表面又は単結晶化させた窒化アルミニウムの表
面に窒化ガリウムをエピタキシャル成長させると、窒化
ガリウム膜は、サファイヤ単結晶基板の表面に存在する
傷や潜傷の影響を受けずに成長するため、窒化ガリウム
の表面の平滑度が向上する。これにより、窒化ガリウム
膜の表面の平滑度が向上した良好な半導体発光素子用基
板を得ることができるという効果を奏する。
蒸着膜の表面又は単結晶化させた窒化アルミニウムの表
面に窒化ガリウムをエピタキシャル成長させると、窒化
ガリウム膜は、サファイヤ単結晶基板の表面に存在する
傷や潜傷の影響を受けずに成長するため、窒化ガリウム
の表面の平滑度が向上する。これにより、窒化ガリウム
膜の表面の平滑度が向上した良好な半導体発光素子用基
板を得ることができるという効果を奏する。
【0036】なお、本発明は、半導体発光素子用基板の
製造方法において、サファイヤ単結晶基板の表面に非晶
質の酸化アルミニウムの蒸着膜を形成する蒸着工程と、
前記蒸着膜を大気、酸素、窒素のいずれかから選択され
る雰囲気下で熱処理し、前記蒸着膜を単結晶化させる熱
処理工程と、単結晶化した蒸着膜の表面に窒化ガリウム
膜をエピタキシャル成長させる工程とを含むことを特徴
とする半導体発光素子用基板の製造方法としてとらえる
ことも可能である。
製造方法において、サファイヤ単結晶基板の表面に非晶
質の酸化アルミニウムの蒸着膜を形成する蒸着工程と、
前記蒸着膜を大気、酸素、窒素のいずれかから選択され
る雰囲気下で熱処理し、前記蒸着膜を単結晶化させる熱
処理工程と、単結晶化した蒸着膜の表面に窒化ガリウム
膜をエピタキシャル成長させる工程とを含むことを特徴
とする半導体発光素子用基板の製造方法としてとらえる
ことも可能である。
【0037】また、前記蒸着工程において、前記酸化ア
ルミニウムの蒸着膜の膜厚は、1nm以上1μm以下に
形成することを特徴とする半導体発光素子用基板の製造
方法としてとらえることも可能である。
ルミニウムの蒸着膜の膜厚は、1nm以上1μm以下に
形成することを特徴とする半導体発光素子用基板の製造
方法としてとらえることも可能である。
【図1】(a)は、本実施形態に係る酸化アルミニウム蒸
着サファイヤ単結晶基板の断面図であり、(b)は、本実
施形態に係る半導体発光素子の断面図である。
着サファイヤ単結晶基板の断面図であり、(b)は、本実
施形態に係る半導体発光素子の断面図である。
【図2】(a)は、本実施形態に係る酸化アルミニウム蒸
着サファイヤ単結晶基板の断面図であり、(b)は、本実
施形態に係る半導体発光素子の断面図である。
着サファイヤ単結晶基板の断面図であり、(b)は、本実
施形態に係る半導体発光素子の断面図である。
【図3】(a)は、従来のサファイヤ単結晶基板の断面図
であり、(b)は、従来の半導体発光素子の断面図であ
る。
であり、(b)は、従来の半導体発光素子の断面図であ
る。
1 酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板
2 サファイヤ単結晶基板
3 酸化アルミニウムの蒸着膜
4 半導体発光素子用基板
5 窒化ガリウム膜
6 酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板
7 窒化アルミニウムの単結晶層
8 半導体発光素子用基板
Claims (5)
- 【請求項1】 サファイヤ単結晶基板の表面に非晶質の
酸化アルミニムの蒸着膜が形成された酸化アルミニウム
蒸着サファイヤ単結晶基板。 - 【請求項2】 サファイヤ単結晶基板の表面に形成され
た非晶質の酸化アルミニウムの蒸着膜が、大気、酸素、
窒素のいずれかから選択される雰囲気下で熱処理された
後、単結晶化したものであることを特徴とする酸化アル
ミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板。 - 【請求項3】 サファイヤ単結晶基板の表面に形成され
た非晶質の酸化アルミニウムの蒸着膜が、窒素雰囲気下
で熱処理された後、単結晶化すると共に、単結晶化した
酸化アルミニウムの蒸着膜の表面に窒化アルミニウムの
単結晶層が形成されていることを特徴とする酸化アルミ
ニウム蒸着サファイヤ単結晶基板。 - 【請求項4】 前記酸化アルミニウムの蒸着膜の膜厚
は、1nm以上1μm以下に形成されていることを特徴
とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の酸化ア
ルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板。 - 【請求項5】 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載
の単結晶化した酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶
基板上に窒化ガリウム膜が形成されていることを特徴と
する半導体発光素子用基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002069487A JP2003273014A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002069487A JP2003273014A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子用基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003273014A true JP2003273014A (ja) | 2003-09-26 |
Family
ID=29200310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002069487A Pending JP2003273014A (ja) | 2002-03-14 | 2002-03-14 | 酸化アルミニウム蒸着サファイヤ単結晶基板及び半導体発光素子用基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003273014A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018154552A (ja) * | 2014-09-12 | 2018-10-04 | ホンコン バプテスト ユニバーシティ | サファイア薄膜コーティングされたフレキシブル基板 |
US10941480B2 (en) | 2011-12-23 | 2021-03-09 | Hkbu R&D Licensing Limited | Sapphire thin film coated flexible substrate |
US11028471B2 (en) | 2011-12-23 | 2021-06-08 | Hkbu R&D Licensing Limited | Sapphire thin film coated substrate |
US11535926B2 (en) | 2011-12-23 | 2022-12-27 | Hkbu R&D Licensing Limited | Sapphire thin film coated substrate |
US11713503B2 (en) | 2011-12-23 | 2023-08-01 | Hong Kong Baptist University | Sapphire coated substrate with a flexible, anti-scratch and multi-layer coating |
-
2002
- 2002-03-14 JP JP2002069487A patent/JP2003273014A/ja active Pending
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US11713503B2 (en) | 2011-12-23 | 2023-08-01 | Hong Kong Baptist University | Sapphire coated substrate with a flexible, anti-scratch and multi-layer coating |
JP2018154552A (ja) * | 2014-09-12 | 2018-10-04 | ホンコン バプテスト ユニバーシティ | サファイア薄膜コーティングされたフレキシブル基板 |
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