JP2003259738A

JP2003259738A - 苗用ポット

Info

Publication number: JP2003259738A
Application number: JP2002063828A
Authority: JP
Inventors: Kayoko Tanaka; 佳代子田中
Original assignee: KINBOSHI CORP
Current assignee: KINBOSHI CORP
Priority date: 2002-03-08
Filing date: 2002-03-08
Publication date: 2003-09-16

Abstract

(57)【要約】【課題】苗の運搬や移植時に苗の植ったポットを極めて
容易に持ち運びでき、移植に当ってポットより苗を土く
ずれさせず取出しでき、苗取出し時苗の根がポットにく
っついて痛むのを防止した切離し容易な底網付きの苗用
ポットを提供する。【解決手段】薄肉の合成樹脂からなる小形鉢状のポット
１の上部開口部1aの対向する側壁上部の外側位置に、紙
製等の吊下用バンド２を装着可能に狭巾開口部3aを有す
るごとく係止部材３を付設し、該バンド２両端の係止部
2₁の左右両側縁に係止突部2₁’，2₁’を形成して前記開
口部3aに挿入後展開して係止部材３に係止できるように
する。また、上部開口部を２分した対向する２点1a',1
a' からポットの側壁４、底壁５を通し破線状切込６を
形成してボット１を２分割して苗を取出せるようにし、
底壁５の中央に底網部材７を手指で破断可能な連結部８
を介して底壁５と一体成形し、苗を底網部材ごと取出せ
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、花卉類の苗用ポ
ットに関し、より詳しくは種や挿木により苗を育成した
ポットや畑から堀上げた苗を収容したポットの取扱いを
容易にした苗用ポットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、花卉類の苗は、移植時に便利なよ
うに、種や挿木により薄肉の合成樹脂からなる小形鉢状
の苗用ポットで育成した苗を用いたり、畑から堀上げた
苗を取扱いを容易にするべく苗用ポットに収容した苗を
用いるようにしている。之等の苗用ポットは、単に薄肉
の小形鉢状で底に水抜きの穴を備えた合成樹脂製のも
の、乃至水抜きの穴をカバーするべく合成樹脂製のネッ
トを用いるものが大半で、小形鉢状の開口部周壁に花卉
類の表示カードを挿入挟持する溝孔を設けたものもあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記に示す苗用ポット
は、苗の植った状態で持ち運びする際は、小形鉢状のポ
ット自体を手で持って運ぶため、苗の移植時のみならず
それ迄の運搬が面倒で、苗の販売時や購入客の持ち運び
時には別の手下げ用の袋に収容して取扱うなど不便は免
れなかった。

【０００４】また、苗用ポットから苗を移植するべく取
出す場合には、通常、苗の茎の根元を指の間に挟んでポ
ットを逆さにして手の平で支え、ポットの底を叩いて取
出すようにしていた。この際、往々にして苗の根のまわ
りの土がばらけてくずれることが多く、円滑に移植でき
ない場合が多かった。

【０００５】さらに、苗用ポットの底にネットを用いな
い場合、苗の根がポットの底にくっついて根を痛めるこ
とが多く、ネットのある場合は、根は直接ポットの底に
くっつかないため根のポットの底へのくっつきは減る
が、別にネットを準備する必要があった。

【０００６】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あって、苗用ポットの運搬や移植の為にポットを持ち運
びするとき、きわめて容易に持ち運びできることを第１
の目的とし、移植に当って苗をポットより土くずれさせ
ることなく容易に取出しできることを第２の目的とし、
ネットをポットとは別個に準備するのを不要とすること
を第３の目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明に於ては、花卉類の苗用ポット
として、薄肉の合成樹脂からなる小形鉢状のポット１の
上部開口部1aの対向する側壁上部の外側位置に、それぞ
れ吊下用バンド２を装着可能に該バンドの両端の係止部
2₁を係止するための係止部材３を付設した構成としてい
る。

【０００８】これにより、苗用ポットの持ち運びに際し
ては、吊下用バンドを用いることができるため、小形鉢
状のポット自体を手で持つ必要がなく、また、別の運搬
用袋に苗用ポットを入れる必要もなく、吊下用バンドを
保持してきわめて容易に持ち運びすることができる。

【０００９】吊下用バンド２は紙乃至合成樹脂製で、所
定長さの帯体両端の先端係止部2₁は、左右両側縁がそれ
ぞれ折込み可能な係止突部2₁’，2₁’に形成された爪状
に形成されたものを用いる一方、ポット１に設ける係止
部材３には、前記先端係止部2₁が係止突部2₁’，2₁’を
折込み挿入後展開して係止部材側縁に係止可能に、所定
高さの小側壁により狭巾長方形開口部3aを有するように
形成されたものを用いるのが効果的である。

【００１０】この場合、帯体両端の先端係止部2₁及びポ
ット１に設ける係止部材３には、他の形態のものを用い
ることは無論可能で、例えば係止部材３は根元のくびれ
た円錐状の小突起をポット側壁に設けて、帯体両端の先
端係止部2₁には小孔外周に放射状の切込を設けたものを
用い、ホック的に前記小突起に押込み係止するようにす
ることも可能である。

【００１1 】吊下用バンド２の所定長さの帯体両端の先
端係止部2₁の内方バンド中央側には、係止部2₁より広巾
の花卉類の表示部2₂を設けるとよい。これにより、吊下
用バンド２をポット１に装着使用時には、苗の種類を容
易に判別することができ、花卉類の苗の販売時乃至苗の
移植・育成時にきわめて有効である。

【００１２】請求項４記載の花卉類の苗用ポットの発明
においては、薄肉の合成樹脂からなる小形鉢状のポット
１の上端開口部1aを２等分する開口部の対向する２点1
a’，1a’からポット軸心に平行にポット側壁４を通
し、連続してポット底壁５を２つに分けるように破線状
切込６を形成して、ポット１を２分割可能にした構成と
している。

【００１３】これにより、苗の移植に当ってポット１を
手指により容易に２分割してそのまま苗を取出すことが
できるので、ポットを逆さにして取出さないため、苗の
根のまわりの土がばらけてくずれることを防止して円滑
に苗の移植をすることができる。

【００１４】請求項５記載の花卉類の苗用ポットの発明
においては、薄肉の合成樹脂からなる小形鉢状のポット
１の底壁５中央に、多数の網目7aを有する所定形状の底
網部材７を、該底網部材外周を複数等分する底網部材外
側位置で、底網部材外周の底壁５と連結するための手指
で破断可能な連結部８を介して底壁５と一体成形した構
成としている。

【００１５】これにより、苗をポットから取出すとき、
予め底網部材７と底壁５との間の連結部８をナイフの先
で押切ったり、或いは底網部材７を底部から指で押すこ
とにより該連結部８を容易に破断することができ、連結
部８を切断乃至破断後苗を取出すとき、苗の根は大半が
底網部材７にからまったまま、底網部材７とともに苗を
容易に取出せて、根が切れて根を痛めるようなことを別
個のネットを使用することなく、容易に防止することが
できる。この場合、苗は根に底網部材７をつけたまま移
植することになる。なお、前記においてポットの開口部
の形状及び底網部材の形状は正方形・円形を問わない。

【００１6 】

【発明の実施の形態】本発明にかかる苗用ポットの好ま
しい実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。図１
に示す実施形態の苗用ポットは苗を省略して図示した斜
視図で、図２は苗用ポットの平面図である。

【００１７】苗用ポット１は、方形の上部開口部1aを有
する所定高さの４方の側壁を備え、上部開口部1aより若
干狭い方形の底壁５を有し、薄肉の合成樹脂から小形鉢
状に形成されたもので、底壁下面の４隅にＬ字形の脚部
と該脚部の中間に短い直線状の脚部が低い高さで底壁５
と一体に形成されている。

【００１８】上部開口部1aには、四方の側壁上面に、薄
肉の方形の枠部1bが外縁が若干側壁外面より張出して形
成されており、該上部開口部1aの対向する側壁上部の外
側位置に、それぞれ後述する吊下用バンド２を装着可能
に該バンドの両端の係止部2₁を係止するための係止部材
３が、所定高さの小側壁により狭巾長方形開口部3aを有
するごとく形成されている。

【００１９】小形鉢状のポット１の底壁５の中央に、多
数（実施の形態では１５列・１５行：２２５ケ）の網目
7aを有する方形の底網部材７が、該底網部材外周を４等
分する位置の該底網部材７の各辺の中央で、底網部材７
から狭溝7bを介した底網部材外周の底壁５と連結するた
めの手指で破断可能（ナイフ先で切断可能）な狭巾（断
面Ｖ溝：図３参照）の連結部８を介して底壁５と一体成
形により形成されている。

【００２０】また、小形鉢状のポット１の上端開口部1a
を２等分する開口部の対向する２点1a’，1a’から、ポ
ットの軸心（上下方向）に平行にポット側壁４を通して
連続してポット底壁５を２分するように破線状切込み６
（中央の底網部材７部分を除く）が形成されており、両
手で破線状切込み部分の左右を把持して底部の切込部を
軸としてポット１を左右に開くことによりポットを２分
割できるように形成されている（苗用ポットの一部縦断
側面図及び２分割図である図３参照）。この場合、予め
底網部材７外周の底壁５との連結部８は切断乃至破断し
ておく。これにより，ポット１内の苗の根を含んだ土部
は、底網部材と一体的にポット側壁部から分離して残さ
れるため、ポット１から容易に苗を取出すことができ
る。

【００２１】ポット１に装着する吊下用バンド２は、図
５の吊下用バンドの展開図が示すように、所定長さの帯
体両端の各先端係止部2₁は、左右両外側縁がそれぞれ折
込み可能な係止突部2₁’，2₁’に形成された爪状に形成
されるとともに、先端係止部2₁の内方バンド中央側に、
係止部2₁より広巾の花卉類の表示部2₂（名称や写真が片
方の表示部に、栽培・取扱い方法が他の表示部にそれぞ
れ記載）がそれぞれ形成されている。

【００２２】本ポットを使用するに当っては、種や挿木
によりポットに苗を育成するか、畑から掘上げた苗をポ
ットに収容して使用する。この苗が植っているポット１
に対し、吊下用バンド２を装着するには、図４のポット
１へのバンド装着時の側面図が示すように、バンド両端
の各先端係止部2₁の左右両外縁の係止突部2₁’，2₁’を
折込み、ポット１側面の係止部材３上部の狭巾長方形開
口部3aに挿入後展開して、係止部材３の側壁下部に前記
先端係止部2₁を係止せしめ（図４（Ｂ）参照）、持ち運
び可能な状態とする（図１参照）。

【００２３】そして、ポット１から苗を取出し移植する
場合には、前記したごとく予め、底網部材７外周のポッ
ト底壁５との連結部８を切断乃至破断した後、ポット側
壁の破線状切込み６の左右を把握して左右に開き（図３
参照）、苗の根に底網部材７が付いた状態で苗を取出し
移植する。

【００２４】上記のごとく本苗用ポットを使用すること
により、苗の植ったポットの運搬を容易にするととも
に、苗の根のポットへのくっつきを防止して苗の根を痛
めることなく、苗の移植を容易に且つ良好に行うことが
できる。

【００２５】また、上記吊下用バンド２には、両端の先
端係止部2₁のバンド中央側に、先端係止部2₁より広巾の
花卉類の表示部2₂がそれぞれ形成されているため、この
表示部の一方に花卉類の写真、名称等を、他の表示部2₂
に苗の栽培・取扱い方法（管理方法）を記載しておくと
花卉類の栽培者にきわめて有利である。

【００２６】上記実施の形態では、ポットの上部開口部
が方形の小形鉢状のポットについて説明したが、上部開
口部が円形の小形鉢状のポットにも同様に吊下用バンド
２用の係止部材３を設け、底網部材７として円形のもの
を使用することも勿論可能である。

【００２７】上記本苗用ポットの合成樹脂に生分解性合
成樹脂を使用すると、苗の移植後ポットを廃棄した場
合、自然に土に帰るため環境を良好に保つことができ、
燃焼時にダイオキシンなどの有毒ガスを発生しない合成
樹脂を使用すると無公害で焼却廃棄処理することができ
る。

【００２８】また、ポットに形成する吊下用バンドの係
止部材を根元のくびれた円錐状の小突起として、バンド
の帯体両端の先端係止部には小孔外周に放射状の切込を
有するものを用いることも可能であり、吊下用バンドも
苗の種類によってバンドの長さを長くしても良く、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えること
ができる。

【００２９】

【発明の効果】請求項１記載の本発明の苗用ポットによ
れば、従来の苗用ポットがその運搬に際してポット自体
を手で持って運ぶか、或は別の袋に入れて下げて運ぶよ
うにしているため、運搬が面倒で、袋使用の場合はコス
ト高を免れなかったが、ポットに形成された係止部材に
吊下用バンドの両端を装着するだけで、袋使用のように
コストがかかるということがなく、きわめて容易に運搬
することができ、移植に対応させることができる。

【００３０】請求項２記載の発明によれば、吊下用バン
ド両端に形成された先端係止部の左右両外縁の係止突部
を折込み、ポットに形成された係止部材の狭巾長方形開
口部に挿入後展開するだけで、吊下用バンドをポットに
きわめて容易に装着してポットを運ぶことができる。

【００３１】請求項３記載の発明によれば、吊下用バン
ド両端の先端係止部の内方バンド中央側に設けた花卉類
の表示部により、苗の種類を容易に判別することがで
き、苗の販売時乃至苗の移植・育成時にきわめて有効に
利用することができる。

【００３２】請求項４記載の発明の苗用ポットによれ
ば、小形鉢状の苗用ポットに形成された破線状切込みを
用いてポットを容易に２分割することができるので、ポ
ットから苗を移植するに際して、従来のごとくポットを
逆さにして取出して根部の土くずれを起すようなことが
なく、苗を正立状態で苗の根部の土くずれを防止して、
容易且つ良好に苗を移植することができる。

【００３３】請求項５記載の発明の苗用ポットによれ
ば、小形鉢状の苗用ポットの底壁に形成された多数の網
目を有する底網部材を底壁から容易に切離すことができ
るため、苗の移植時、底網部材を底壁から切離して、苗
の根に該底網部材をくっつけた状態で移植することがで
き、ポットに対し別のネットを使用する必要をなくして
苗の根のポットへのくっつきによる根切れを防止して、
根を痛めることなく良好に苗を移植することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】吊下用バンドを装着した苗用ポットの斜視図で
ある。

【図２】苗用ポットの平面図である。

【図３】苗用ポットの一部縦断側面図及び２分割図であ
る。

【図４】苗用ポットへの吊下用バンドの装着を示す側面
図である。

【図５】吊下用バンドの展開図である。

【符号の説明】

１…ポット、 1a…上部開口部、 1a' …上部開口部２
等分点、２…吊下用バンド、 2₁…先端係止部（係止
部）、 2₁' …係止突部、 2₂…花卉類の表示部、３
…係止部材、 3a…狭巾長方形開口部、４…ポット側
壁、５…ポット底壁、６…破線状切込、７…底網
部材、 7a…網目、８…連結部。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】花卉類の苗用ポットであって、薄肉の合成
樹脂からなる小形鉢状のポット１の上部開口部1aの対向
する側壁上部の外側位置に、それぞれ吊下用バンド２を
装着可能に該バンドの両端の係止部2₁を係止するための
係止部材３を付設したことを特徴とする苗用ポット。
【請求項２】吊下用バンド２は紙乃至合成樹脂製であっ
て、所定長さの帯体両端の先端係止部2₁は、左右両外縁
がそれぞれ折込み可能な係止突部2₁’，2₁’に形成され
た爪状に形成される一方、ポット１の係止部材３は、前
記先端係止部2₁が係止突部2₁’，2₁’を折込み挿入後展
開して係止部材側縁に係止可能に、所定高さの小側壁に
より狭巾長方形開口部3aを有するごとく形成されている
ことを特徴とする請求項１記載の苗用ポット。
【請求項３】吊下用バンド２の所定長さの帯体両端の先
端係止部2₁の内方バンド中央側に、係止部2₁より広巾の
花卉類の表示部2₂を設けた請求項２記載の苗用ボット。
【請求項４】花卉等の苗用ポットであって、薄肉の合成
樹脂からなる小形鉢状のポット１の上部開口部1aを２等
分する開口部の対向する２点1a’，1a’から、ポット軸
心に平行にポット側壁４を通し、連続してポット底壁５
を２分するごとく破線状切込６を形成して、ポット１を
２分割可能にしたことを特徴とする苗用ポット。
【請求項５】花卉等の苗用ポットであって、薄肉の合成
樹脂からなる小形鉢状のポット１の底壁５中央に、多数
の網目7aを有する所定形状の底網部材７を、該底網部材
外周を複数等分する底網部材外側位置で、底網部材外周
の底壁５と連結するための手指で破断可能な連結部８を
介して底壁５と一体成形したことを特徴とする苗用ポッ
ト。