JP2003257046A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2003257046A
JP2003257046A JP2002057360A JP2002057360A JP2003257046A JP 2003257046 A JP2003257046 A JP 2003257046A JP 2002057360 A JP2002057360 A JP 2002057360A JP 2002057360 A JP2002057360 A JP 2002057360A JP 2003257046 A JP2003257046 A JP 2003257046A
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groove
optical recording
signal
land
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JP2002057360A
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Noboru Komori
昇 小森
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LPP信号振幅(ランドプリピットにおける
信号の変動量)の最適化により、高温高湿保存時、フェ
ード保存時等において、PIエラーの増加が抑えられ、
良好なPIエラー特性が示される光記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 スパイラル状のグルーブおよびアドレス
を示すランドプリピットが設けられた光記録媒体であっ
て、前記グルーブへレーザー光を照射したときに得られ
る反射信号に対する前記ランドプリピットの影響による
反射信号の変動量が、前記グルーブへレーザー光を照射
したときに得られる信号強度の8%以内であることを特
徴とする光記録媒体である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関
し、特に、ランドプリピットの影響による反射信号の変
動量を規定した光記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】近年の短波長レーザの開発により、コン
パクトディスク(CD)よりも高密度な記録再生を可能
とするデジタルビデオディスク(DVD)が実用化さ
れ、現在では、書き込みが可能な追記型光記録媒体であ
るDVD−Rも実用化されている。そして、DVD−R
は、パーソナルコンピューターの普及に伴ってその需要
も次第に増大している。 【0003】上記DVD−Rは、プラスチック等の透明
基板上に記録層、反射層を順次設け、レーザー光の照射
による記録層の物理的あるいは化学的変化を利用して情
報を記録する。また、記録された情報の読み取りもレー
ザー光を照射することにより行われる。DVD−Rの最
大記録容量は、データ記録領域の内周直径が48mm、
外周直径が116mm、トラックピッチが最小0.74
μmの場合で、線速度を3.5m/sとしたときに、最
大で4.70GBである。 【0004】前記透明基板は、スタンパーを油圧プレス
機のモールディングダイスの片側に取り付け、溶融点付
近まで加熱した樹脂(ポリカーボネート)をプレス加工
する圧縮成型法により作製される。前記トラッキング用
の案内溝のトラックピッチは隣接する案内溝の中心線間
の距離である。また、前記線速度は溝に刻まれたウォブ
ルの周期で決定され、記録装置、再生装置にて媒体を回
転させた際のウォブルの周波数が所定の周波数となるよ
うにした場合の溝方向の速度のことであり、DVD−R
ではCLVと呼ばれる回転方式により、線速度一定とな
るようにして記録が行われる。 【0005】追記型光記録媒体の基板には、記録時にト
ラッキングを行うための案内溝(グルーブ)が予め設け
られており、ランド/グルーブ構造が形成されている。
DVD−Rでは、このランドにランドプリピット(以
下、「LPP」ということがある)と呼ばれるピットが
予め形成され、そのランドの内周側にあるグルーブのア
ドレス情報が記録されている。 【0006】プッシュプル法でトラッキングサーボを行
い、DVD−Rに記録された信号を再生する際には、グ
ルーブ上に集光させたビームスポットからの戻り光を4
分割されたダイオードA、B、C、Dをディテクタとし
て光電変換して、各々のダイオードに対応する信号A、
B、C、Dを得ている。この信号A、B、C、Dを加算
した(A+B+C+D)が記録された信号の再生信号で
あり、外周側の戻り光に対応する信号A、Bから内周側
の戻り光に対応する信号C、Dを減算した(A+B−C
−D)がトラッキングエラー信号である。従って、トラ
ッキングエラー信号には、図3に示すように、グルーブ
の外周側にあるランドのランドプリピットに対応した負
のパルスと、グルーブの内周側にあるランドのランドプ
リピットに対応した正のパルスとが現れる。ランドはそ
の内周側にあるグルーブのアドレス情報を記録している
ので、負のパルスとして現れるランドプリピットからの
信号(LPP信号)を検出することで、ランドプリピッ
トで記録したアドレス情報を読み出すことができる。 【0007】アドレス情報を正確に読み取るためには、
LPP信号強度を大きくする必要があり、ある程度の大
きさのランドプリピットを形成しなければならない。従
来、DVD−RのLPP信号振幅(変動量)について
は、大きすぎると記録後のPIエラーが大きくなり、逆
に小さすぎるとランドプリピット読み取りエラーが大き
くなるため、最適なLPP信号振幅を決定するのに多く
の試作や実験が必要であった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明は、
LPP信号振幅(ランドプリピットにおける信号の変動
量)の最適化により、高温高湿保存時、フェード保存時
等において、PIエラーの増加が抑えられ、良好なPI
エラー特性が示される光記録媒体を提供することを目的
とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題は、以下に示す
本発明により解決される。すなわち、本発明は、スパイ
ラル状のグルーブおよびアドレスを示すランドプリピッ
トが設けられた光記録媒体であって、前記グルーブへレ
ーザー光を照射したときに得られる反射信号に対する前
記ランドプリピットの影響による反射信号の変動量が、
前記グルーブへレーザー光を照射したときに得られる信
号強度の8%以内であることを特徴とする光記録媒体で
ある。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体は、スパイラ
ル状のグルーブおよびアドレスを示すランドプリピット
が設けられており、前記グルーブへレーザー光を照射し
たときに得られる反射信号に対する前記ランドプリピッ
トの影響による反射信号の変動量(以下、単に「変動
量」ということがある)が、前記グルーブへレーザー光
を照射したときに得られる信号強度の8%以内とされて
いる。すなわち、本発明の記録媒体は、図3でいうと、
未記録のグルーブにレーザー光を照射する際の信号強度
Vに対し、ランドプリピットにおける信号の変動量(例
えば振幅)ΔV’が、0.08V以内(好ましくは、0
〜0.04V)となっている。 【0011】前記変動量が8%を超えると、LPP信号
の反射信号に与える影響が大きくなりすぎるため、記録
後のPIエラーが大きくなり、再生装置等で再生した場
合に映像が止まってしまったり、エラーのためモザイク
が発生したりしてしまう。また、8%以内とすることで
PIエラーを小さくするとともに、ジッター特性を良好
なものとすることができる。 【0012】前記変動量を8%以内とするには、ランド
に設けられるランドプリピットの切り欠きの長さ(ラン
ドの走行方向の長さ)を調節したり、グルーブの幅を調
節したり、記録層の色素を適宜選択すればよい。 【0013】図1に、本発明の記録媒体の積層構造の例
を示す概略断面図を示す。図1に示すように、DVD−
R型の光記録媒体10は、トラックピッチが0.74μ
mのグルーブが形成された透明な円盤状の基板12のグ
ルーブが設けられた側の表面に、色素含有記録層14、
反射層16、及び保護層18を、この順に形成した積層
体20と、この積層体20の基板12と略同じ寸法の円
盤状の保護基板22とを、接着剤24により接合したも
のであり、以下のようにして製造することができる。 【0014】基板12上には、トラッキング用の溝が形
成され、ランド/グルーブ構造が構成されている。この
グルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成
形あるいは押出成形する際に直接基板上に所定のトラッ
クピッチで形成することが好ましい。グルーブの深さは
80〜300nmの範囲が好ましく、100〜250n
mの範囲がより好ましい。また、そのグルーブの半値幅
は0.2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。 【0015】図2に示すように、基板には、グルーブ2
とランド3が、交互に配置されている。そして、ランド
3の所定位置にアドレス情報を示すランドプリピット4
がランド3に隣接するグルーブ2を繋ぐように切り欠き
状に形成されている。ここで、本発明の記録媒体は、ラ
ンド3に形成されたランドプリピット4からの信号、す
なわちLPP信号を検出してアドレス信号を検出するも
のであるため、当該ランドプリピット4の配列方式は、
光記録媒体の種類や再生方式等に応じて適宜選択するこ
とができる。 【0016】ランドプリピット4の形状は、図2に示す
ようなグルーブ2に繋がった切り欠き状に限定されず、
ランド3の一部を切り欠いた形状(例えば、特開200
1−118288号公報の図1や図3のような形状)等
種々の形状とすることができる。また、図2のランドプ
リピット4は、その底面がグルーブ2の底面と同じであ
るが、グルーブ2底面よりも高いものでも、低いもので
もよい。但し、既述のように、LPP信号の変動量が8
%以内となるように、少なくとも、ランドプリピット4
の切り欠きの長さL等を適宜調整することが好ましい。 【0017】かかるランドプリピットは、基板を成形す
るために用いるスタンパに所望のプリピットを付与する
ことによって容易に形成することができる。すなわち、
スタンパの製造過程において、ホトレジストをレーザー
光の露光により所望のランドプリピットが形成されるよ
うにカッティングすればよい。 【0018】図1に示すような基板12(保護基板22
も含む)に用いる材料としては、例えば、ガラス;ポリ
カーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル
樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビ
ニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィ
ンおよびポリエステル等を挙げることができ、所望によ
りそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィ
ルム状としてまたは剛性のある基板として使うことがで
きる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価
格などの点からポリカーボネートが好ましい。基板は、
その直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1m
m、あるいはその直径が80±3mmで厚みが0.6±
0.1mmのものが一般に用いられる。 【0019】記録層14が設けられる側の基板12表面
には、平面性の改善および接着力の向上および記録層1
4の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよ
い。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリ
レート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン
・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N
−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエ
ン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセ
ルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポ
リエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重
合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;お
よびシランカップリング剤などの表面改質剤をあげるこ
とができる。 【0020】下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解ま
たは分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピ
ンコート、ディップコート、エクストルージョンコート
などの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより
形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.00
5〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10
μmの範囲である。 【0021】基板12上(又は下塗層)のグルーブが形
成されているその表面上には、色素含有記録層14が設
けられる。色素としては、シアニン系色素、アゾ系色
素、フタロシアニン系色素、オキソノール系色素、ピロ
メテン系色素が挙げられ、シアニン系色素、アゾ系色
素、オキソノール系色素が好ましく、シアニン系色素、
オキソノール系色素が特に好ましい。 【0022】既述のように、使用する色素によっても、
ランドプリピットにおける信号の変動量を8%以内とす
ることができる場合がある。また、前記ランドプリピッ
トの形状等と組合せて当該変動量を8%とすることがで
きる。 【0023】色素含有記録層14の形成は、例えば、シ
アニン色素、所望により退色防止剤及び結合剤などを溶
剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板
のグルーブが形成されているその表面に塗布して塗膜を
形成したのち乾燥することにより行うことができる。 【0024】色素含有記録層形成用の塗布液の溶剤とし
ては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステ
ル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2
−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水
素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサ
ンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテ
ル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−ル、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセ
トンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テ
トラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることが
できる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して
単独または二種以上を組み合わせて用いることができ
る。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑
剤、及び潤滑剤などの各種の添加剤を目的に応じて添加
してもよい。 【0025】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジオンモニウム塩、及びアミニウ
ム塩などを挙げることができる。これらの例は、例え
ば、特開平2−300288号、同3−224793
号、あるいは同4−146189号等の各公報に記載さ
れている。退色防止剤を使用する場合には、その使用量
は、色素の量に対して、通常0.1〜50重量%の範囲
であり、好ましくは、0.5〜45重量%の範囲、更に
好ましくは、3〜40重量%の範囲、特に5〜25重量
%の範囲である。 【0026】結合剤の例としては、例えばゼラチン、セ
ルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天
然有機高分子物質;およびポリウレタン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン
等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビ
ニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩
素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴ
ム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬
化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げるこ
とができる。記録層14の材料として結合剤を併用する
場合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に対して
0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、
更に好ましくは1〜5重量部である。このようにして調
製される塗布液中の色素の濃度は一般に0.01〜10
重量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5重量%の範
囲にある。 【0027】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。色素含有記録層14は単層でも重層でも
よい。色素含有記録層14の層厚は一般に20〜500
nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲
にある。本発明の光ディスクでは、色素含有記録層14
の厚みは、グルーブ内で130〜200nm(更に好ま
しくは、140〜190nm、特に好ましくは、145
〜185nm)の範囲にあることが好ましい。また、ラ
ンドの部分の色素含有記録層14の厚みは、50〜15
0nm(更に好ましくは、60〜120nm)の範囲に
あることが好ましい。 【0028】上記記録層14の上に、特に情報の再生時
における反射率の向上の目的で、反射層16が設けられ
る。反射層16の材料である光反射性物質はレーザ光に
対する反射率が高い物質であり、その例としては、M
g、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、
Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、P
o、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレ
ス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいも
のは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよ
びステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いても
よいし、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金
として用いてもよい。反射層16は、例えば上記反射性
物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより記録層14の上に形成することができ
る。反射層16の層厚は一般には10〜800nmの範
囲にあり、好ましくは20〜500nmの範囲、更に好
ましくは50〜300nmの範囲である。 【0029】反射層16の上には、記録層14などを物
理的および化学的に保護する目的で保護層18が設けら
れる。この保護層18は、基板12の記録層14が設け
られていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設け
られてもよい。保護層18に用いられる材料としては、
例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3
4などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV
硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。なお、
保護層18は必ず設けられていなくてもよい。 【0030】保護層18は、たとえばプラスチックの押
出加工で得られたフィルムを接着層を反射層16上及び
/または基板12上にラミネートすることにより形成す
ることができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、
塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に
溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、
乾燥することによっても形成することができる。UV硬
化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶
解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV
光を照射して硬化させることによっても形成することが
できる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化
防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加
してもよい。保護層18の層厚は一般には0.1〜10
0μmの範囲にある。 【0031】以上の工程により、基板12上に記録層1
4、反射層16、及び保護層18を設けた積層体20を
作製することができる。得られた積層体20と、積層体
20の基板12と略同じ寸法の円盤状の保護基板22と
を、記録層14が内側となるように接着剤24で貼り合
わせることにより、片側のみに記録層を持つDVD−R
型の光記録媒体10を製造することができる。接着剤と
しては、前記保護層18の形成に用いたUV硬化性樹脂
を用いてもよいし、あるいは合成接着剤を用いもよい。
また、両面テープなどを用いてもよい。貼り合わせ後の
光記録媒体の厚みは、1.2±0.2mmとなるように
調製することが好ましい。 【0032】得られたDVD−R型の光記録媒体の記録
及び再生は、例えば、次のように行われる。まず、光記
録媒体を所定の定線速度(3.49m/秒)または所定
の定角速度にて回転させながら、基板側から半導体レー
ザ光などの記録用のレーザ光を光学系を通して集光し、
照射する。レーザ光の照射により、記録層の照射部分が
その光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは
化学的な変化が生じてその光学特性を変えることにより
情報が記録される。記録光としては、可視域のレーザ
光、通常600nm〜700nm(好ましくは620〜
680nm、更に好ましくは、630〜660nm)の
範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いら
れる。また記録光は、NAが0.55〜0.7の光学系
を通して集光されることが好ましい。上記のように記録
された情報の再生は、光記録媒体を所定の定線速度で回
転させながら記録時と同じ波長を持つ半導体レーザ光を
基板側から照射して、その反射光を検出することにより
行うことができる。 【0033】上記の通り、本実施の形態では、基板表面
に、色素含有記録層、反射層、及び保護層が設けられて
なる積層体と、基板と略同じ寸法の円盤状保護基板と、
を記録層が内側となるように接合した構造の、片側のみ
に記録層を持つDVD−R型の光記録媒体の例を示した
が、本発明は、基板表面に色素含有記録層、反射層、及
び保護層が設けらた積層体を二枚作製し、二枚の積層体
をそれぞれの記録層が内側となるように接合した構造
の、両面に記録層を持つDVD−R型の光記録媒体に適
用することもできる。 【0034】また、本実施の形態では、DVD−R型の
光記録媒体の例を示したが、本発明は、ランドプリピッ
トによりアドレス情報を記録することが可能な光記録媒
体に適用することができ、例えば、書き換え可能なデジ
タルビデオディスクであるDVD−RWや、CD−R、
MO等にも適用することができる。 【0035】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0036】基板を作製する際に、基板のランドプリピ
ットの切り欠きの長さを種々変化させて、グルーブへレ
ーザー光を照射したときに得られる信号に対するランド
プリピットにおける信号の変動幅の異なる複数の光記録
媒体を作製した。 【0037】まず、ポリカーボネート樹脂(帝人製、商
品名:パンライトAD5503)を射出成型により成型
し、片面にスパイラル状のグルーブ(グルーブ深さ:1
50nm、トラックピッチ:0.74μm)を有する厚
さ0.6mmの基板を作製した。また、基板の作製に使
用したスタンパには、図1に示すランドプリピットが形
成されるように、切り欠きを付与しておいた。なお、ラ
ンドプリピットの長さは、100〜500nmとした。 【0038】下記化学式で表わされる1.0gの色素1
と、0.5gの色素2と、を混合し、1,1,2,2−
テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解
し、超音波振動機(シャープ(株)社製、出力:180
0W)により超音波処理を2時間施して色素1および2
を溶解し、記録層形成用の塗布液を調製した。 【0039】 【化1】【0040】調製した塗布液を、基板のプリグルーブが
形成された面に、回転数を300〜4000rpmまで
変化させながらスピンコート法により塗布し、乾燥し
て、記録層(厚さ(プリグルーブ内):約150nm)
を形成した。記録層の形成条件は、雰囲気の温度湿度を
23℃、50%RHとし、塗布液の温度を23℃とし、
基板の温度を23℃とし、排気速度を0.1m/sとし
た。 【0041】形成した記録層上にAgをスパッタリング
して、膜厚150nmの反射層を形成した。さらに反射
層上にUV硬化性樹脂(商品名:SD318、大日本イ
ンキ化学工業製)を、回転数を50〜5000rpmま
で変化させながらスピンコート法により塗布した。塗布
後、その上から高圧水銀灯により紫外線を照射して硬化
させ、厚さ8μmの保護層を形成した。 【0042】以上の工程により、基板、記録層、反射層
及び保護層からなる追記型の光記録媒体を作製した。作
製したそれぞれの追記型光記録媒体のLPP信号振幅、
反射信号へ漏れ込むLPP信号振幅の測定を行い、グル
ーブへレーザー光を照射したときに得られる信号に対す
るランドプリピットの影響による反射信号の変動量を測
定した。 【0043】反射信号への漏れ込み(変動量)が、平均
反射信号電圧(図3でいう「V」に相当)の8%を超え
る光記録媒体においては、記録後のPIエラーが規格の
280個/8ECCブロックを超えており、動画を記録
した後の再生時にモザイクや画面停止の弊害が発生し
た。一方、反射信号への漏れ込みが8%以下の光記録媒
体においては、記録後のPIエラーは280個/8EC
Cブロック以下であり、再生時に全く問題が発生しなか
った。 【0044】なお、反射信号へのLPP信号の漏れ込み
量は、ソニー(株)製DVD−R/RWエラーテスター
を用いて、判定閾値レベルを変化させて測定を行い、L
PP振幅を変化させたディスクのエラーレートに明確な
差が生じるレベルで判断した。また、変動量が8%以内
の光記録媒体では、ジッターも8%以下であった。 【0045】以上の結果より、LPP信号出力を規格値
内に設定すると同時に、反射信号へのLPP信号の漏れ
込み量を平均信号振幅(平均反射信号電圧)の8%以下
にすることにより、記録後のPIエラーを小さくするこ
とができ、容易にその最適値を設定することができる。 【0046】 【発明の効果】本発明によれば、LPP信号振幅(ラン
ドプリピットにおける信号の変動量)の最適化により、
高温高湿保存時、フェード保存時等において、PIエラ
ーの増加が抑えられ、良好なジッター特性が示される光
記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本実施の形態の光記録媒体の積層構造を示す
概略断面図である。 【図2】 ランドプリピットが設けられた基板表面をの
一例を示す斜視図である。 【図3】 LPP信号の波形図である。 【符号の説明】 10・・・光記録媒体 12・・・基板 14・・・記録層 16・・・反射層 18・・・保護層 20・・・積層体 22・・・保護基板 24・・・接着剤

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 スパイラル状のグルーブおよびアドレス
    を示すランドプリピットが設けられた光記録媒体であっ
    て、 前記グルーブへレーザー光を照射したときに得られる反
    射信号に対する前記ランドプリピットの影響による反射
    信号の変動量が、前記グルーブへレーザー光を照射した
    ときに得られる信号強度の8%以内であることを特徴と
    する光記録媒体。
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