JP2006196063A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に高速記録においても、良好なPIエラー特性が示される光記録媒体を提供する。
【解決手段】 グルーブへレーザー光を照射したときに得られる再生信号に対する前記ランドプリピットの影響による漏れこみ信号の波形が、前記再生信号よりも信号強度が高くなる第一の突出部が形成された後、前記再生信号よりも信号強度が低くなる谷部が形成され、その後、前記再生信号よりも信号強度が高くなる第二の突出部が形成されてなる形状であり、
前記第一の突出部における信号強度および前記第二の突出部における信号強度の平均信号強度から前記谷部における信号強度を差し引いた谷部信号強度(A)と、前記平均信号強度から前記再生信号の信号強度を差し引いた突出部信号強度(B)との比(A/B)が、2以下であることを特徴とする光記録媒体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、追記型の光記録媒体に関し、特に、高速で情報の記録および再生を行うことができる追記型の光記録媒体に関する。
近年の短波長レーザの開発により、コンパクトディスク(CD)よりも高密度な記録再生を可能とするデジタルヴァーサタイルディスク(DVD)が実用化され、現在では、書き込みが可能な追記型光記録媒体であるDVD−Rも実用化されている。そして、DVD−Rは、パーソナルコンピューターの普及に伴ってその需要も次第に増大している。
上記DVD−Rは、プラスチック等の透明基板上に記録層、反射層を順次設け、レーザー光の照射による記録層の物理的あるいは化学的変化を利用して情報を記録する。また、記録された情報の読み取りもレーザー光を照射することにより行われる。DVD−Rの最大記録容量は、データ記録領域の内周直径が48mm、外周直径が116mm、トラックピッチが最小0.74μmの場合で、線速度を3.5m/sとしたときに、最大で4.70GBである。
前記透明基板は、スタンパーを油圧プレス機のモールディングダイスの片側に取り付け、溶融点付近まで加熱した樹脂(ポリカーボネート)をプレス加工する圧縮成型法により作製される。前記トラッキング用の案内溝のトラックピッチは隣接する案内溝の中心線間の距離である。また、前記線速度は溝に刻まれたウォブルの周期で決定され、記録装置、再生装置にて媒体を回転させた際のウォブルの周波数が所定の周波数となるようにした場合の溝方向の速度のことであり、DVD−RではCLVと呼ばれる回転方式により、線速度一定となるようにして記録が行われる。
追記型光記録媒体の基板には、記録時にトラッキングを行うための案内溝(グルーブ)が予め設けられており、ランド/グルーブ構造が形成されている。DVD−Rでは、このランドにランドプリピット(以下、「LPP」ということがある)と呼ばれるピットが予め形成され、そのランドの内周側にあるグルーブのアドレス情報が記録されている。
プッシュプル法でトラッキングサーボを行い、DVD−Rに記録された信号を再生する際には、グルーブ上に集光させたビームスポットからの戻り光を4分割されたダイオードA、B、C、Dをディテクタとして光電変換して、各々のダイオードに対応する信号A、B、C、Dを得ている。この信号A、B、C、Dを加算した(A+B+C+D)が記録された信号の再生信号(反射信号)であり、外周側の戻り光に対応する信号A、Bから内周側の戻り光に対応する信号C、Dを減算した(A+B−C−D)がトラッキングエラー信号である。
従って、トラッキングエラー信号には、グルーブの外周側にあるランドのランドプリピットに対応したパルス信号(正規ランドプリピット信号)と、グルーブの内周側にあるランドのランドプリピットに対応し、前記パルス信号とは逆極性のパルス信号(逆ランドプリピット信号)とが現れる。ランドプリピットはその内周側にあるグルーブのアドレス情報を記録しているので、逆ランドプリピット信号は不要となり、正規ランドプリピット信号(LPP信号)を検出することで、当該ランドプリピットで記録したアドレス情報を正しく読み出すことができる。
上記アドレス情報を正確に読み取るためには、LPP信号強度をある程度大きくし、逆ランドプリピット信号の漏れ込みを一定値以下とする必要がある。当該漏れ込み量が大きすぎると記録後のPIエラーが大きくなるからである。
そこで、再生信号へのランドプリピット信号の漏れ込み量の変動を8%以下とする光記録媒体(例えば、特許文献1参照)や、ランドプリピットのトラック方向の長さを0.2〜0.31μmに規定する光記録媒体(例えば、特許文献2参照)、および、ランドプリピット形状を規定しランドプリピット信号の漏れ込み量を規定した光記録媒体(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
しかし、これらは、正規ランドプリピット信号と逆ランドプリピット信号の漏れ込みに関しては何ら言及されていない。すなわち、逆ランドプリピット信号の再生信号への漏れ込みと記録再生特性との相関が見出されておらず、逆ランドプリピット信号の漏れ込み量を制御し、記録再生特性(特に、PIエラー特性)を向上させる光記録媒体については、未だ十分な検討がなされていないといえる。また、高速記録媒体においては、この逆ランドプリピット信号の再生信号への漏れ込みが大きな影響を与えると考えられる。
特開平2003−257046号公報 特開平2002−237101号公報 欧州特許第0751506B1号明細書
以上から、本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、再生信号への逆ランドプリピット信号の漏れこみ量を最適化することにより、特に高速記録においても、良好なPIエラー特性が示される光記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題は、以下に示す本発明により解決される。
すなわち、本発明は、スパイラル状のグルーブおよびアドレスを示すランドプリピットが設けられた光記録媒体であって、
前記グルーブへレーザー光を照射したときに得られる再生信号に対する前記ランドプリピットの影響による漏れこみ信号の波形が、前記再生信号よりも信号強度が高くなる第一の突出部が形成された後、前記再生信号よりも信号強度が低くなる谷部が形成され、その後、前記再生信号よりも信号強度が高くなる第二の突出部が形成されてなる形状であり、
前記第一の突出部における信号強度および前記第二の突出部における信号強度の平均信号強度から前記谷部における信号強度を差し引いた谷部信号強度(A)と、前記平均信号強度から前記再生信号の信号強度を差し引いた突出部信号強度(B)との比(A/B)が、2以下であることを特徴とする光記録媒体である。
前記グルーブの深さは、150nm以下であることが好ましく、130nm以下であることがより好ましい。
また、本発明の光記録媒体は、高速記録用に供することが好ましい。ここで、「高速記録」とは、記録速度が7.0m/s(2倍速)以上をいい、好ましくは、14.0〜56.0m/s(4〜16倍速)をいう。
本発明の光記録媒体は、再生信号への逆ランドプリピット信号の漏れこみ量が最適化されているため、特に高速記録においても、良好なPIエラー特性を示すことができる。
本発明の光記録媒体は、スパイラル状のグルーブおよびアドレスを示すランドプリピットが設けられている。そして、グルーブへレーザー光を照射したときに得られる再生信号に対するランドプリピットの影響による漏れこみ信号の波形が、図1に示すような形状となっている。すなわち、当該波形は、再生信号よりも信号強度が高くなる第一の突出部が形成された後、再生信号よりも信号強度が低くなる谷部が形成され、その後、再生信号よりも信号強度が高くなる第二の突出部が形成されてなる形状となっている。なお、図1は、理解を容易にするため多少誇張して表現している。
ここで、第一の突出部および第二の突出部に相当するパルスは、正規ランドプリピット信号に該当し、当該正規ランドプリピット信号と逆極性となる谷部に相当するパルスは、逆ランドプリピット信号に該当する。
第一の突出部における信号強度および第二の突出部における信号強度の平均信号強度Vaから谷部における信号強度Vbを差し引いた谷部信号強度Aと、平均信号強度Vaから再生信号の信号強度Vを差し引いた突出部信号強度Bとの比(A/B)は、2以下となっている。
既述のように、ランドプリピット信号を正しく検出するには、再生信号への逆ランドプリピット信号の漏れ込みを極力低減させる必要がある。そこで、本発明者らが再生信号への逆ランドプリピット信号の漏れ込み量とエラーレート(PIエラー)との関係を調査したところ、上記谷部信号強度と突出部信号強度との比(A/B、以下、「信号強度比」ということがある)が2を超えると、PIエラーが増加することが確認された。これは、漏れこみ部分が記録されたランダム信号にノイズとして混入するが、A/Bが大きいことは極めて短時間でノイズが上下変動することになり、より記録信号へのノイズ混入による信号乱れの影響が大きいことによるとが推察される。
PIエラーの低減と生産性や実用性を考慮すると、信号強度比は、0〜1.5
であることが好ましく、0〜1.0であることがより好ましい。信号強度比は、例えば、DDU−1000を使用し、ランドプリピットが存在する位置のRF信号部をオシロスコープで観察することで、求めることができる。
信号強度比を2以上とするには、(1)基板に設けられたグルーブの溝深さを所定の範囲としたり、および/または、基板に設けられたランドプリピットの形状を所定の形状とする方法、(2)基板上に形成される記録層の厚さを所定の範囲とする方法、(3)上記(1)および(2)の方法を組み合わせた方法、を適用すればよい。
上記(1)〜(3)の方法について、以下説明する。
(1)の方法:
図2に示すように、基板には、グルーブ2とランド3が、交互に配置されている。そして、ランド3の所定位置にアドレス情報を示すランドプリピット4がランド3に穴が形成されたように設けられている。
なお、本発明の光記録媒体は、ランド3に形成されたランドプリピット4からの信号、すなわちLPP信号を検出してアドレス信号を検出するものであるため、当該ランドプリピット4の配列方式は、光記録媒体の種類や再生方式等に応じて適宜選択することができる。
本発明者らは、このグルーブ2の溝深さにより、信号強度比が変化することを見出した。すなわち、信号強度を2以上とするには、当該溝深さを150nm以下とすることが好ましく、130nm以下とすることがより好ましく、100〜130nmとすることがさらに好ましい。
また、基板に設けられるランドプリピット4を所定の形状をすることでも信号強度比を制御できることが見出された。図2に示すように、基板上に形成されたランドプリピットは、その周方向の長さが、250〜400nmであることが好ましく、280〜340nmであることがより好ましい。
ランドプリピット4の形状としては、種々の形状が考えられるが、図2に示すように、ランドプリピットからグルーブまでの高さが、グルーブの高さの40%以上あるような形状とすることが好ましい。当該形状は、約40%を有するため、信号強度比を2以下とすることができる。
また、図2のランドプリピット4は、その底面がグルーブ2の底面と同じであるが、グルーブ2底面よりも高いものでも、低いものでもよい。
かかるランドプリピットは、基板を成形するために用いるスタンパに所望のプリピットを付与することによって容易に形成することができる。すなわち、スタンパの製造過程において、ホトレジストをレーザー光の露光により所望のランドプリピットが形成されるようにカッティングしておけばよい。
(2)の方法:
当該方法では、基板上に形成される記録層の厚さを、50〜150nmとすることが好ましく、70〜120nmとすることがより好ましい。ここで、記録層の厚みとはグルーブ部での平均厚みをいい、ディスク断面をSEM観察することにより測定することができる。
(3)の方法:
当該方法は、既述のように、(1)および(2)の方法を組み合わせた方法である。すなわち、まず、記録層の厚さを既述の所望の範囲とする。そして、グルーブの溝深さを既述の範囲とし、および/または、ランドプリピットの形状を既述の所望の形状とするものである。(1)および(2)の方法を組み合わせることで、より確実に信号強度比を2以上とすることができる。
図3に、本発明の記録媒体の積層構造の例を示す概略断面図を示す。
図3に示すように、DVD−R型の光記録媒体10は、トラックピッチが例えば0.74μmのグルーブ(溝)が形成された透明な円盤状の基板12のグルーブが設けられた側の表面に、色素を含有する記録層14、反射層16、及び保護層18を、この順に形成した積層体20と、この積層体20の基板12と略同一寸法の円盤状の保護基板22とを、接着剤24により接合したものであり、以下のようにして製造することができる。
基板12上には、既述のようにトラッキング用の溝が形成され、ランド/グルーブ構造が構成されている。このグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に所定のトラックピッチで形成することが好ましい。グルーブの溝幅(半値幅)は230〜430nmの範囲にあることが好ましく、280〜380nmの範囲にあることがより好ましい。
図3に示すような基板12(保護基板22も含む)に用いる材料としては、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。基板は、その直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1mm、あるいはその直径が80±3mmで厚みが0.6±0.1mmのものが一般に用いられる。
記録層14が設けられる側の基板12表面には、平面性の改善および接着力の向上および記録層14の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤をあげることができる。
下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
基板12上(又は下塗層)のグルーブが形成されているその表面側には、色素を含有する記録層14が設けられる。色素としては、シアニン系色素、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、オキソノール系色素、ピロメテン系色素が挙げられ、シアニン系色素、アゾ系色素、オキソノール系色素が好ましく、シアニン系色素、オキソノール系色素が特に好ましい。
記録層14の形成は、例えば、シアニン色素、所望により退色防止剤及び結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板のグルーブが形成されているその表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。
記録層形成用の塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤などの各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
退色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジオンモニウム塩、及びアミニウム塩などを挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同3−224793号、あるいは同4−146189号等の各公報に記載されている。退色防止剤を使用する場合には、その使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50重量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45重量%の範囲、更に好ましくは、3〜40重量%の範囲、特に5〜25重量%の範囲である。
結合剤の例としては、例えばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層14の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に対して0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは1〜5重量部である。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。色素含有記録層14は単層でも重層でもよい。
上記記録層14の上に、特に情報の再生時における反射率の向上の目的で、反射層16が設けられる。反射層16の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金として用いてもよい。反射層16は、例えば上記反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層14の上に形成することができる。反射層16の層厚は一般には10〜800nmの範囲にあり、好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜300nmの範囲である。
反射層16の上には、記録層14などを物理的および化学的に保護する目的で保護層18が設けられる。この保護層18は、基板12の記録層14が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。保護層18に用いられる材料としては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。なお、保護層18は必ず設けられていなくてもよい。
保護層18は、たとえばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着層を反射層16上及び/または基板12上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層18の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
以上のようにして、基板12上に記録層14、反射層16、及び保護層18を設けた積層体20を作製することができる。得られた積層体20と、積層体20の基板12と略同一寸法の円盤状の保護基板22とを、記録層14が内側となるように接着剤24で貼り合わせることにより、片側のみに記録層を持つDVD−R型の光記録媒体10を製造することができる。接着剤としては、前記保護層18の形成に用いたUV硬化性樹脂を用いてもよいし、あるいは合成接着剤を用いもよい。また、両面テープなどを用いてもよい。貼り合わせ後の光記録媒体の厚みは、1.2±0.2mmとなるように調製することが好ましい。
得られたDVD−R型の光記録媒体の記録及び再生は、例えば、次のように行われる。まず、光記録媒体を所定の定線速度(3.49m/秒)または所定の定角速度にて回転させながら、基板側から半導体レーザ光などの記録用のレーザ光を光学系を通して集光し、照射する。レーザ光の照射により、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化が生じてその光学特性を変えることにより情報が記録される。記録光としては、可視域のレーザ光、通常600nm〜700nm(好ましくは620〜680nm、更に好ましくは、630〜660nm)の範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。また記録光は、NAが0.55〜0.7の光学系を通して集光されることが好ましい。
なお、本発明の光記録媒体の記録速度は、高速記録に対応させるすべく、7.0m/s(2倍速)以上とすることが好ましく、14.0〜56.0m/s(4〜16倍速)とすることがより好ましい。
上記のように記録された情報の再生は、光記録媒体を所定の定線速度で回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導体レーザ光を基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
上記の通り、本実施の形態では、基板表面に、色素含有記録層、反射層、及び保護層が設けられてなる積層体と、基板と略同じ寸法の円盤状保護基板と、を記録層が内側となるように接合した構造の、片側のみに記録層を持つDVD−R型の光記録媒体の例を示したが、本発明は、基板表面に色素含有記録層、反射層、及び保護層が設けらた積層体を二枚作製し、二枚の積層体をそれぞれの記録層が内側となるように接合した構造の、両面に記録層を持つDVD−R型の光記録媒体に適用することもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
ポリカーボネート樹脂(帝人製、商品名:パンライトAD5503)を射出成型により成型し、片面にスパイラル状のグルーブ(グルーブ深さ(溝深さ):120nm、溝幅(半値幅):330nm、トラックピッチ:0.74μm)を有する厚さ0.6mmの基板(外径120mm)を作製した。
なお、基板の作製に使用したスタンパには、図2に示すランドプリピットが形成されるように、切り欠きを付与しておいた。
下記化学式で表わされる1.0gの色素Aと、0.5gの色素Bと、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解し、記録層形成用の塗布液を調製した。
Figure 2006196063
調製した塗布液を、基板のプリグルーブが形成された面に、回転数を300〜4000rpmまで変化させながらスピンコート法により塗布し、乾燥して、記録層(厚さ(プリグルーブ内):80nm)を形成した。
記録層の形成条件は、雰囲気の温度湿度を23℃、50%RHとし、塗布液の温度を23℃とし、基板の温度を23℃とし、排気速度を0.1m/sとした。
形成した記録層上にAgをスパッタリングして、膜厚150nmの反射層を形成した。
さらに、反射層上にUV硬化性樹脂(商品名:SD318、大日本インキ化学工業製)を接着剤として塗布し、ダミー基板(プリグルーブが形成されていない点を除いて上記基板と同一寸法)を載置し、その上から高圧水銀灯により紫外線を照射して貼り合わせた。
以上のようにして、基板、記録層、反射層及びダミー基板からなる追記型の光記録媒体を作製した。
〔実施例2〜5〕
溝深さ、記録層の厚さ等を下記表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
〔比較例1〜3〕
ランドプリピットとグルーブの間の高さを低くし、溝深さ、記録層の厚さ等を下記表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
作製したそれぞれの光記録媒体について、DDU1000(パルステック社製)を用いて転送レート11.06にて、8−16変調信号を記録した。記録パワーは、それぞれの媒体でジッターが最も小さくなる記録パワーに設定した。
その後、記録レーザー波長と同じ波長のレーザーを用いて再生(再生速度:3.5m/s)を行い、PIエラーの測定を行った。結果を下記表1に示す。なお、PIエラーは、多くても280であることが必要であり、実用性を考慮すると、100以下であることが好ましい。
Figure 2006196063
以上の結果より、比較例1〜3の光記録媒体では、PIエラーが400を超えていたのに対し、実施例1〜5の光記録媒体はいずれも、PIエラーが280以下と良好であった。特に、溝深さを130nmとした実施例1,2の光記録媒体は、PIエラーが100以下で実用的に非常に優れていることがわかった。
LPP信号の波形図である。 ランドプリピットが設けられた基板表面の一例を示す斜視図である。 本実施の形態の光記録媒体の積層構造を示す概略断面図である。
符号の説明
10・・・光記録媒体
12・・・基板
14・・・記録層
16・・・反射層
18・・・保護層
20・・・積層体
22・・・保護基板
24・・・接着剤

Claims (3)

  1. スパイラル状のグルーブおよびアドレスを示すランドプリピットが設けられた光記録媒体であって、
    前記グルーブへレーザー光を照射したときに得られる再生信号に対する前記ランドプリピットの影響による漏れこみ信号の波形が、前記再生信号よりも信号強度が高くなる第一の突出部が形成された後、前記再生信号よりも信号強度が低くなる谷部が形成され、その後、前記再生信号よりも信号強度が高くなる第二の突出部が形成されてなる形状であり、
    前記第一の突出部における信号強度および前記第二の突出部における信号強度の平均信号強度から前記谷部における信号強度を差し引いた谷部信号強度(A)と、前記平均信号強度から前記再生信号の信号強度を差し引いた突出部信号強度(B)との比(A/B)が、2以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記グルーブの深さが、150nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記グルーブの深さが、130nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
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