JP2003252991A - アクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂、その製造方法および感光性樹脂組成物 - Google Patents

アクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂、その製造方法および感光性樹脂組成物

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JP2003252991A
JP2003252991A JP2002055113A JP2002055113A JP2003252991A JP 2003252991 A JP2003252991 A JP 2003252991A JP 2002055113 A JP2002055113 A JP 2002055113A JP 2002055113 A JP2002055113 A JP 2002055113A JP 2003252991 A JP2003252991 A JP 2003252991A
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silicone
acrylic
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JP2002055113A
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English (en)
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Masaaki Amako
雅章 尼子
Sunao Okawa
直 大川
Minoru Isshiki
実 一色
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光硬化後、高温でのポストベークを必要としな
いアクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変性ポ
リイミド樹脂、その製造方法および感光性樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】一般式: 【化1】 で表される繰り返し単位0〜50モル%、一般式: 【化2】 [式中Zは一般式: 【化3】 で表される構成単位である。]で表される繰り返し単位
50〜100モル%とからなり、一般式: 【化4】 で表される有機アミノ基がYまたはZを介して分子鎖両
末端に結合することを特徴とするアクリルもしくはメタ
クリル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂、その製造
方法およびそれを主剤とした感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリルもしくはメ
タクリル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂、その製
造方法およびこれを含んでなる感光性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶
縁膜などには、耐熱性が優れ、また、卓越した電気絶縁
性、機械強度等を有するポリイミド樹脂が用いられてい
る。しかしながら、近年半導体素子の大型化、封止樹脂
パッケージの薄型化、小型化などの移行により耐熱サイ
クル性、耐熱ショック性等の著しい向上の要求があり、
これまでのポリイミド樹脂では対応が困難になってき
た。この対策として例えばポリイミド樹脂にシリコーン
成分を導入することにより弾性率を低下させ、応力緩和
能を付与し得ることが知られている(特開昭61-64730号
公報、特開昭61-223228号公報参照)。
【0003】一方、ポリイミド樹脂パターンを作成する
複雑な工程を簡略化するためにポリイミド自身に感光性
を付与する技術が最近注目を集めている。例えばメタク
リロキシエトキシ基含有ポリイミド酸組成物(特公昭55
-30207号公報、特公昭55-41422号公報等参照)やシリコ
ーン変性ポリイミド酸、多官能性アクリレートおよび増
感剤から成る組成物(特開平2-144539号公報参照)が報
告されている。しかしながら、これらの組成物では光架
橋性官能基であるアクリル基はポリイミドではなく、そ
の前駆体であるポリイミド酸中に組み込まれているため
硬化したポリイミド膜を得るためにはパターニング後高
温でポストベークする必要があった。また、特開平10-1
935234号公報にはフェノール性水酸基を主鎖に導入した
ポリイミド樹脂からなる感光性樹脂組成物が開示されて
いるが、フェノール性水酸基を主鎖に導入するため特殊
な原料を使用しなければならず原料の供給性や経済的性
に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の目的は、光硬化後に高温でのポ
ストベークを必要としないアクリルもしくはメタクリル
官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂、その製造方法お
よびこれを含んでなる感光性樹脂組成物を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、「一般
式(1):
【化26】 [式中Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であ
る。]で表される繰り返し単位0〜50モル%、一般式
(2):
【化27】 [式中Xは上記のとおり、Zは一般式(3):
【化28】 {式中R1は同種または異種の1価の炭化水素基であ
り、R2は2価炭化水素基であり、nは1〜50の整数
である。}で表される構成単位である。]で表される繰
り返し単位50〜100モル%とからなり、一般式
(4):
【化29】 [式中R3は水素原子またはメチル基であり、R4は水素
原子またはアルコキシシリル基含有有機基であり、R5
はアクリロキシ基置換有機基またはメタクリロキシ基置
換有機基である。]で表される有機アミノ基がYまたは
Zを介して分子鎖両末端に結合していることを特徴とす
るアクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変性ポ
リイミド樹脂」、「(A)分子鎖両末端一級アミノ基置
換炭化水素基封鎖ジオルガノポリシロキサンおよび
(B)テトラカルボン酸二無水物、必要に応じてこれら
に加えて(C)有機ジアミンとを{(A)成分のモル数
+(C)成分のモル数}>(B)成分のモル数となるよ
うにして脱水閉環反応させて得られた分子鎖両末端一級
アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドに、必要に応じ
て該シリコーン変性ポリイミド中の末端アミノ基と等モ
ル数以下の(D)エポキシ基とアルコキシシリル基を同
一分子内に有す有機ケイ素化合物を反応させ、さらに、
必要に応じて該一級アミノ基によるエポキシ基の開環反
応で生成するカルビノール基を(E)シリル化剤でシリ
ル化し、次に、上記シリコーン変性ポリイミド中の末端
アミノ基のモル数に対してアクリル基もしくはメタクリ
ル基のモル数が過剰になるように(F)一般式(2
3):
【化30】 [式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R5はア
クリロキシ基含有有機基またはメタクリロキシ基置換有
機基である。]で示される多官能有機化合物を付加反応
させることを特徴とするアクリルもしくはメタクリル官
能性シリコーン変性ポリイミド樹脂の製造方法。」およ
び「前記のアクリルもしくはメタクリル官能性シリコー
ン変性ポリイミド樹脂または前記の製造方法で得られた
アクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変性ポリ
イミド樹脂100重量部、有機溶剤5〜300重量部、
ラジカル重合禁止剤0〜10重量部および光重合開始剤
0〜20重量部からなる感光性樹脂組成物。」によって
達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
のアクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変性ポ
リイミド樹脂は、一般式(1):
【化31】 で表される繰り返し単位0〜50モル%、好ましくは0
〜20モル%、および、一般式(2):
【化32】 で表される繰り返し単位50〜100モル%、好ましく
は80〜100モル%とから構成される主鎖を有する。
式中Xは4価の有機基であり、4価の芳香族系炭化水素
基、4価の脂環式炭化水素または脂肪族炭化水素基であ
ることが好ましい。好ましいXとしては式(5):
【化33】 式(6):
【化34】 式(7):
【化35】 式(8):
【化36】 式(9):
【化37】 式(10):
【化38】 式(11):
【化39】 で表される4価の有機基が例示される。また、式中Yは
2価の有機基であり、2価の芳香族系炭化水素基、脂環
式炭化水素基または脂肪族炭化水素基であることが好ま
しい。芳香族系炭化水素基の具体例として式(12):
【化40】 式(13):
【化41】 式(14):
【化42】 式(15):
【化43】 [式中Aは-CH2-,-O-,-CO-,-C(CH32-または
-SO2-である。]式(16):
【化44】 式(17):
【化45】 式(18):
【化46】 式(19):
【化47】 [式中Bは-C(CH32-または-SO2-である。]で表
される2価の有機基がある。
【0007】式中Zはポリイミド樹脂の弾性率を低下さ
せるために導入される必須の構成単位であり、一般式
(3):
【化48】 で表される。式中R1は同種または異種の一価炭化水素
基、R2は二価炭化水素基、nは1以上50以下の整数
である。R1として具体的にはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等の直鎖状
アルキル基;イソプロピル基、ターシャリーブチル基、
イソブチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロヘキシル
基等の環状アルキル基;ビニル基、アリル基、メタリル
基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリ
ル基、キシリル基等のアリール基;フェネチル基、ジフ
ェニルメチル基等のアラルキル基等が例示されるが、入
手しやすさおよび合成の容易さなどからメチル基である
ことが好ましい。メチル基以外の好ましい置換基として
は、やはり入手しやすさおよび合成の容易さなどからビ
ニル基またはフェニル基であることが好ましい。R2
して具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等の
アルキレン基;o-フェニレン基、m-フェニレン基、p-フ
ェニレン基などのアリーレン基が例示され、中でもアル
キレン基であることが好ましく、エチレン基またはプロ
ピレン基であることがより好ましい。
【0008】本発明のアクリルもしくはメタクリル官能
性シリコーン変性ポリイミド樹脂は、一般式(4):
【化49】 で表されるアクリル基含有有機アミノ基またはメタアク
リル基含有有機アミノ基が、前記Yで表される2価の有
機基または前記Zで表されるジオルガノポリシロキサン
を介して分子鎖両末端に結合することを特徴とする。
【0009】上記一般式(4)中R3は水素原子または
メチル基であり、R4は水素原子またはアルコキシリル
基含有有機基である。ここでいうアルコキシシリル基含
有有機基とは、同一分子中にエポキシ基とアルコキシシ
リル基を有する有機ケイ素化合物中のエポキシ基とアミ
ノ基との反応残基であることが好ましい。このようなア
ルコキシシリル基含有有機基を与える有機ケイ素化合物
としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシ
ドキシプロピルジメチルメトキシシラン、グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチル
エトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキ
シル)エチルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキ
シシクロヘキシル)エチルジメチルメトキシシラン、2-
(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシ
ラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチル
ジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)
エチルジメチルエトキシシランが例示される。好ましい
4としては、一般式(20):
【化50】 または、一般式(21):
【化51】 [式中R1、R2は前記と同様であり、aは0〜2の整数
であり、R6は水素原子またはオルガノシリル基であ
る。R6がオルガノシリル基の場合、具体的にはトリメ
チルシリル基、ジメチルハイドロジェンシリル基、ジメ
チルビニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフ
ェニルメチルシリル基、下記式(24);
【化52】 式(25):
【化53】 で示されるオルガノシリル基が例示され、特にトリメチ
ルシリル基であることが好ましい。]で表されるアルコ
キシシリル基含有有機基が例示される。R4がアルコキ
シシリル基含有有機基であると、本発明のシリコーン変
性ポリイミド樹脂の基材への接着性が向上する。
【0010】上記一般式(4)中R5は、アクリロキシ
基もしくはメタクリロキシ基含有有機基であり、本発明
シリコーン変性ポリイミド樹脂に光架橋性を付与するた
めに必須の構成単位である。好ましいR5としては、一
般式(22):
【化54】 [式中R7は1価炭化水素基または水酸基置換アルキル基
であり、R3、aは上記と同様である。R7が1価炭化水
素基である場合、具体的にはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等の直鎖状ア
ルキル基;イソプロピル基、ターシャリーブチル基、イ
ソブチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロヘキシル基
等の環状アルキル基;ビニル基、アリル基、メタリル
基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリ
ル基、キシリル基等のアリール基;フェネチル基、ジフ
ェニルメチル基等のアラルキル基等が例示されるが、入
手しやすさから直鎖上のアルキル基であることが好まし
く、特にはメチル基もしくはエチル基であることが好ま
しい。R7が水酸基置換アルキル基である場合、該アル
キル基残基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等の直鎖状アルキ
ル基;イソプロピル基、ターシャリーブチル基、イソブ
チル基等の分岐鎖状アルキル基が例示される。中でも水
酸基置換メチル基であることが好ましい。]で表される
アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機基が
例示される。
【0011】続いて、本発明のアクリルもしくはメタク
リル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂の製造方法に
ついて説明する。
【0012】本発明のアクリルもしくはメタクリル官能
性シリコーン変性ポリイミド樹脂は、(A)分子鎖両末
端一級アミノ基置換炭化水素基封鎖ジオルガノポリシロ
キサンおよび(B)テトラカルボン酸二無水物、および
これらに必要に応じて(C)有機ジアミンを反応させて
分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミ
ド酸中間体を得、これを脱水閉環反応させて得られた分
子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミド
に、(F)多官能性アクリル基もしくは多官能性メタク
リル基含有化合物を反応させて製造する。
【0013】先ず、分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリ
コーン変性ポリイミド酸中間体の製造方法を説明する。
【0014】(A)成分は分子鎖両末端一級アミノ基置
換炭化水素基封鎖ジオルガノポリシロキサンであり、下
記一般式(26):
【化55】 で示されるジオルガノポリシロキサンが例示される。式
中R1、R2、nは前記と同様である。
【0015】(B)成分はテトラカルボン酸二無水物で
あり、ポリイミド樹脂の始発原料として公知のものであ
る。具体的にはピロメリト酸二無水物、ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物およびベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸二無水物およびシクロヘキサンテト
ラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無
水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テト
ラカルボン酸二無水物等が例示される。また、(B)成
分の一部をトリメリット酸無水物のようにカルボン酸無
水物基とカルボキシル基を共に有する化合物で置き換え
ることは何ら本発明の目的を阻害しない。
【0016】(C)成分は分子鎖両末端が一級アミノ基
で封鎖された有機ジアミンであり、必要に応じて(A)
成分に対して補助的に用いられる。このような有機ジア
ミンとして、具体的にはp-フェニレンジアミン、m-フ
ェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルエーテル、2,2-ジアミノジフェニルプロパ
ン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェ
ノン、ジアミノナフタレン、1,3-ビス(4-アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベン
ゼン、4,4'-ジ(4-アミノフェノキシ)ジフェニルスル
ホンおよび2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン等の芳香族ジアミン、脂環式ジアミンおよ
び脂肪族ジアミンが例示される。
【0017】分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン
変性ポリイミド酸中間体の合成方法としては、通常は溶
液重合法が好ましい。溶液重合法に使用する溶剤として
は、ビス(メトキシエチル)エーテル、アニソール、N,
N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、
N-メチル-2-ピロリジノン、N-メチルカプロラクタム、
ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、
ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルトリアミドお
よびブチロラクトン等が例示される。本発明アクリルも
しくはメタクリル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂
は通常、有機溶剤に溶解された溶液状態でスピンコート
等により基材上の塗膜とするが、この時表面が均一な塗
膜を得るためにはエーテル系溶媒が好ましい。このこと
から、ビス(メトキシエチル)エーテル中での溶液重合
法が最も好ましい。また、その反応温度は、通常、-2
0〜150℃の範囲内であり、特に-5〜100℃の範
囲が好ましい。
【0018】分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン
変性ポリイミド酸中間体を合成する際には、(A)〜
(C)各成分を[{(A)成分のモル数+(C)成分の
モル数}>(B)成分のモル数]となる比率で使用する
必要がある。[{(A)成分のモル数+(C)成分のモ
ル数}/(B)成分のモル数]で表される好ましいモル
比は、1.01〜2.00であり、1.01〜1.30
であることが特に好ましい。上記モル比の範囲の下限未
満であると、得られるシリコーン変性ポリイミド酸中間
体の分子鎖末端が酸無水物で封止されるようになり、後
述する(F)成分との反応が起こらなくなることから、
本発明シリコーン変性ポリイミド樹脂の硬化性が悪化す
る場合があり、一方、上記モル比の範囲の上限を超える
と、得られるシリコーン変性ポリイミド酸中間体の分子
量が小さくなりすぎ、結果として得られる本発明シリコ
ーン変性ポリイミド樹脂の硬化皮膜の特性が十分でなく
なる場合がある。
【0019】また、{(C)成分のモル数/(A)成分
のモル数}で表されるモル比は、0〜1の範囲であるこ
とが好ましい。この範囲の上限を超えると、得られる本
発明シリコーン変性ポリイミド樹脂の硬化皮膜の弾性率
が高くなりすぎるという不都合がある。
【0020】続いて、分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シ
リコーン変性ポリイミド酸中間体を分子鎖両末端一級ア
ミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドに脱水閉環反応に
より転化するために、上記のようにして得られた分子鎖
両末端一級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミド酸中
間体を有機溶媒中で加熱共沸脱水する。分子鎖両末端一
級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミド酸中間体の有
機溶媒溶液に共沸脱水用溶剤を添加して加熱し、留出し
た共沸混合物を静置し、水相を系外に除去しながら有機
層を再び系内に戻すことにで、効果的にイミド化反応を
進行させることができる。共沸脱水用溶剤は水に溶解せ
ず、水と共沸し得る有機溶媒であり、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン等のアルカン類;トルエン、キシレ
ン、メシチレン等の芳香族炭化水素が例示される。イミ
ド化を完結させるためには、なるべく高い反応温度が必
要となるため、これらの溶媒は適当に高い沸点を有して
いることが好ましく、キシレンが最も好ましい。好まし
い反応温度は140〜200℃であり、イミド化反応に
要する時間は、上記反応温度にもよるが通常は30分〜
10時間であり、好ましくは1時間から5時間である。
【0021】さらに、得られた分子鎖両末端一級アミノ
基封鎖シリコーン変性ポリイミドに、(D)エポキシ基
とアルコキシシリル基を同一分子内に有す有機ケイ素化
合物を反応させることが好ましい。本発明のシリコーン
変性ポリイミド樹脂は、通常、基材にスピンコートする
等して塗膜とするが、(D)成分を反応させることに
で、これら基材に対する該塗膜の接着性を向上させるこ
とができるからである。(D)成分としてはグリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2-
(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシ
ラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチル
ジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)
エチルジメチルメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポ
キシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルエト
キシシランが例示される。
【0022】分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン
変性ポリイミドの分子鎖両末端の一級アミノ基と(D)
成分との反応を、(D)成分としてグリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランを挙げて具体的に示すと以下の式
のように表される。
【化56】 この反応は分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン変
性ポリイミドと(D)成分を混合し、加熱することによ
って起こる。このとき(D)成分は分子鎖両末端一級ア
ミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミド中の一級アミノ基
に対して等モル量用いることが好ましい。優れた接着性
を得るためにはなるべく多くの(D)成分を導入するこ
とが好ましいものの、分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シ
リコーン変性ポリイミド分子鎖末端の1級アミノ基に対
して等モル量以上の過剰の(D)成分を使用しても未反
応で残存するだけであり不経済だからである。本反応に
おける反応温度は良好な反応速度を得るためには高いほ
うが好ましいが、通常は200℃以下であり、100〜
150℃が好ましい。本反応に要する時間は、上記反応
温度にもよるが通常は30分〜10時間であり、好まし
くは1時間から5時間である。
【0023】一方、上述のように該分子鎖両末端一級ア
ミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドに(D)成分を反
応させた場合、アルコキシシリル基とカルビノール基が
同一分子中に存在するようになる。このとき、例えば下
記の式のような脱アルコール反応によって経時的に架橋
が進行し、後述する感光性樹脂組成物の粘度が上昇した
り、遂にはゲル化を起こしたりすることがある。
【化57】 この反応を防止し、本発明シリコーン変性ポリイミド樹
脂の保存安定性を向上させるためには、該カルビノール
基を(E)シリル化剤でシリル化することが好ましい。
(E)成分としてはヘキサメチルジシラザン、テトラメ
チルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ト
リメチルクロロシラン、ビストリメチルシリルアセトア
ミド、N,N-ジメチルアミノトリメチルシラン、1-アザ-2
-シラ-2,2-ジメチルシクロペンタン、1-アザ-2-シラ-1,
2,2,4-テトラメチルシクロペンタン、N-トリメチルシリ
ルイミダゾール、トリメチルシリルジフェニル尿素、ビ
ストリメチルシリル尿素等が例示される。中でも、ヘキ
サメチルジシラザンが最も好ましい。シリル化の際生成
する副生物がアンモニアガスであり、系内に残存しにく
いため、シリル化副生物が後記する(F)成分の多官能
性アクリル基もしくは多官能性メタクリル基含有化合物
と反応し、アクリル基もしくはメタクリル基含有率が低
下してしまうという悪影響を回避できるからである。
(E)成分の使用量は系内に残存するカルビノール基を
シリル化するのに必要最小量であることが好ましく、す
なわち、該カルビノール基と化学量論量用いることが好
ましい。上記カルビノール基のシリル化は、該シリル化
剤を該シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液に添加
し室温で放置するか、加熱することで完了する。
【0024】最後に、分子鎖両末端アミノ基封鎖シリコ
ーン変性ポリイミドの分子鎖末端アミノ基に(F)成分
である一般式(23):
【化58】 で示される多官能性アクリル基もしくは多官能性メタク
リル基含有化合物を、分子鎖両末端アミノ基封鎖該シリ
コーン変性ポリイミド中のアミノ基のモル数に対して、
アクリル基もしくはメタクリル基のモル数が過剰になる
ようにして付加反応させ、本発明のアクリルもしくはメ
タクリル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂を得る。
該成分は本発明シリコーン変性ポリイミド樹脂に光架橋
性を付与するために必須の成分である。式中、R3、R5
は前述のとおりである。
【0025】(F)成分としては市販の多官能性アクリ
ル基もしくは多官能性メタクリル基含有化合物が使用で
きる。このような化合物としてトリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコ
ールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、テトラ
メチロールプロパンテトラメタクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメ
タクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレ
ートが例示される。
【0026】本反応はマイケル付加反応として知られて
いる反応であり、例えばトリメチロールプロパントリア
クリレートと分子鎖両末端アミノ基封鎖シリコーン変性
ポリイミドの分子鎖末端アミノ基との反応は以下の式の
ように表される。
【化59】 式中R4は前記のとおりである。本付加反応において、
分子鎖両末端アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミド分
子鎖末端のアミノ基のモル数に対して(F)成分中のア
クリル基またはメタクリル基のモル数が過剰になるよう
に反応させる必要があり、{(F)成分中のアクリル基
またはメタクリル基のモル数/該シリコーン変性ポリイ
ミド分子鎖末端アミノ基のモル数}で表される好ましい
モル比は1.5〜100であり、5〜90であることが
より好ましい。上記モル比の範囲の下限未満であると
(F)成分は鎖延長反応として作用し、粘度の増大、光
架橋性の低下などの不都合が発生することがあるからで
ある。未反応の(F)成分は、光架橋反応に対する反応
性希釈剤として作用するので反応系中に残存していても
何ら問題はない。
【0027】なお、本付加反応は分子鎖両末端アミノ基
封鎖シリコーン変性ポリイミドの分子鎖末端アミノ基が
一級アミノ基である場合は(F)成分を室温で混合する
ことで容易に進行する。一方、該シリコーン変性ポリイ
ミド分子鎖末端に(D)成分を反応させ二級アミノ基と
した場合は加熱を必要とする。(F)成分中のアクリル
基もしくはメタクリル基は極めて重合しやすいので、こ
の際の加熱は100℃以下であることが好ましい。ま
た、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、p-メトキシフェノ
ール、ベンゾキノン、フェノチアジン等のラジカル重合
禁止剤を必要量添加してもよい。
【0028】次に、本発明の感光性樹脂組成物について
説明する。
【0029】本発明のアクリルもしくはメタクリル官能
性シリコーン変性ポリイミド樹脂は、通常有機溶剤に溶
解され、溶液状態の感光性樹脂組成物として基材に塗布
される。用いられる溶剤としては、分子鎖両末端一級ア
ミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミド酸中間体を合成す
るために用いられる溶剤が好適に用いられる。その具体
例としては、ビス(メトキシエチル)エーテル、アニソ
ール、メチルフェニルエーテル、N,N-ジメチルホルムア
ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリ
ジノン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、
ヘキサメチルホスホルトリアミド、ブチロラクトンが例
示され、これらの1種または2種以上を併用して用いる
ことができる。中でも、エーテル系溶媒が好ましく、ビ
ス(メトキシエチル)エーテルが最も好ましい。本感光
性樹脂組成物を基材に塗布して塗膜とする際、表面が均
一な塗膜を得易いためである。また、溶剤の使用量は、
本発明のシリコーン変性ポリイミド樹脂100重量部に
対して5〜300重量部であることが好ましく、10〜
150重量部であることが特に好ましい。
【0030】上記の感光性組成物はそのまま使用し得る
が、別途、光重合開始剤を添加してもよい。光重合開始
剤としては、ベンゾイン;メチル、エチル、イソプロピ
ルおよびイソブチル・ベンゾイン・エーテルのようなベ
ンゾイン・アルキル・エーテル;ジエトキシアセトフェ
ノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェ
ノン、α、α-ジメトキシ-α-フェニルアセトフェノ
ン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニル・ケトン、2-
ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、メ
チルフェニル・ブリオキシレート、4-ベンゾイルベンジ
ル-トリメチルアンモニウム・クロリド、1-フェニル-1,
2-ブタンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム
のようなα-アシロキシム・エーテルが例示される。光
重合開始剤の好ましい添加量はアクリルもしくはメタク
リル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂100重量部
に対して20重量部以下であることが好ましい。
【0031】また、本感光性樹脂組成物の保存安定性を
向上させるため、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、p-メ
トキシフェノール、ベンゾキノン、フェノチアジン等の
ラジカル重合禁止剤を必要量添加してもよい。さらに、
平滑な塗膜を得るために、本感光性樹脂組成物そのもの
を滅菌濾過する、あるいは、滅菌濾過した上述の分子鎖
両末端アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドを用いて
本感光性樹脂組成物を製造することが望ましい。
【0032】上記の感光性樹脂組成物は、スピンコート
などにより基材に塗布し、有機溶剤を除去した後、紫外
線を照射することにより硬化させることができる。有機
溶剤の除去条件は特に限定されず、塗膜の厚さや使用す
る有機溶剤に拠るが、エーテル系の有機溶剤を用いた場
合は50〜100℃で30分から1時間行えば十分であ
る。
【0033】また、溶剤を除去した上記感光性樹脂組成
物塗膜上に直接フォトマスクを置き、その上から紫外線
を射した後、現像用溶剤で塗膜を洗浄することで、マス
ク部分の該塗膜を除去しフォトマスク形状に忠実なパタ
ーンを有する感光性樹脂組成物硬化皮膜を得ることがで
きる。マスク部分の除去に用いる現像用溶剤としては、
アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケト
ン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、イソホロ
ン、ジエチルケトン、アセトニルアセトン、アセトキシ
エトキシプロパンなどのケトン類が好ましく、他には塩
化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどの極
性有機溶媒も好適である。中でもアセトンあるいはイソ
ブチルメチルケトンが好ましい。
【0034】本発明のアクリル官能性シリコーン変性ポ
リイミド樹脂およびそれを主剤とする感光性樹脂組成物
は、上述のように容易にパターン形成することができ、
また、形成される樹脂皮膜は優れた耐熱性、電気的特
性、機械特性を有するので電子部品保護皮膜用途として
幅広い用途に好適に用いることができる。具体的には、
ダイオード、トランジスタ、IC、LSIなどの半導体
素子表面やプリント配線基板の各種コーティング、LS
Iなどの各種遮蔽膜、多層配線の層間絶縁膜等に利用す
ることができる。その他にも、各種工業的用途、例え
ば、各種材料への耐熱性の付与、マイクロ波や放射線の
防止、高温用のコーティングワニス、高温用の接着剤な
どとしての用途も期待される。
【0035】
【実施例】以下、本発明のアクリル官能性シリコーン変
性ポリイミド樹脂および感光性樹脂組成物を実施例によ
って説明する。
【0036】
【実施例1】100ミリリットル3口フラスコに、ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物2.7グラム(9.1ミリモ
ル)およびビス(メトキシエチル)エーテル11.1グラム
を投入して80℃で加熱攪拌し、α,ω―ビスアミノプロ
ピルジメチルシロキシ―ポリジメチルシロキサン(重量
平均分子量740)7.5グラム(10.1ミリモル)を滴下し、
滴下終了後さらに80℃で1時間加熱攪拌した。これにキ
シレンを約1グラム投入して、154℃で3時間加熱攪拌し
て共沸脱水することで、下記式(27)で表される分子
鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドの
有機溶媒溶液を得た。
【0037】
【化60】 [式中mは平均8であり、nはおよそ8である。]
【0038】次に、上記の分子鎖両末端一級アミノ基封
鎖シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液にグリシド
キシプロピルトリメトキシシラン0.24グラム(1.0ミリ
モル)を添加して150℃で3時間加熱攪拌し、室温に冷却
した後テトラメチロールメタンテトラアクリレート1.82
グラム(6.1ミリモル)を加え80℃で2時間攪拌して、ア
クリル官能性シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液
を得た。これに2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを0.003g
加え、滅菌濾過して均一透明な感光性樹脂組成物を得
た。本感光性樹脂組成物のIRチャートを図1に示し
た。
【0039】得られた感光性樹脂組成物約1グラムをス
ピンコーター(400rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用いて
シリコンウェハ上に塗布した。得られたシリコンウェハ
と塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブン中で30分間
静置した後、室温まで空冷した。次に、評価用マスクパ
ターンをその塗布皮膜上に置き、窒素雰囲気中で紫外線
(deep-UV)を照射した。続いて、得られた上記の一体
化物表面をアセトンで洗浄したところ、紫外線露光部分
は塗布膜が硬化しシリコンウェハと強固に接着してい
た。その塗布膜の厚は15.8μmであった。その一方で、
マスクパターンで紫外線が遮蔽された部分はアセトンに
よって塗布皮膜が除去され、シリコンウェハ上にシリコ
ーン変性ポリイミド樹脂硬化物の良好なパターンが形成
されていることが確認された。
【0040】
【実施例2】実施例1と同様にして得た分子鎖両末端一
級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶
液に、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.48グ
ラム(2.0ミリモル)を添加し、150℃で3時間加熱攪拌
した。続いて室温に冷却し、テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート1.82グラム(6.1ミリモル)を加え80
℃で2時間攪拌して、アクリル官能性シリコーン変性ポ
リイミドの有機溶媒溶液を得た。これに2,6-ジ-t-ブチ
ル-p-クレゾールを0.003g加え、滅菌濾過して均一透明
な感光性樹脂組成物を得た。
【0041】得られた感光性樹脂組成物約1グラムをス
ピンコーター(400rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用いて
シリコンウェハ上に塗布した。得られたシリコンウェハ
と塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブン中で30分間
静置した後、室温まで空冷した。次に、評価用マスクパ
ターンをその塗布皮膜上に置き、窒素雰囲気中で紫外線
(deep-UV)を照射した。続いて、得られた上記の一体
化物表面をアセトンで洗浄したところ、紫外線露光部分
は塗布膜が硬化しシリコンウェハと強固に接着してい
た。その塗布膜の厚は16.5μmであった。その一方で、
マスクパターンで紫外線が遮蔽された部分はアセトンに
よって塗布皮膜が除去され、シリコンウェハ上にシリコ
ーン変性ポリイミド樹脂硬化物の良好なパターンが形成
されていることが確認された。
【0042】
【実施例3】実施例1と同様にして得た分子鎖両末端一
級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶
液に、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.48グ
ラム(2.0ミリモル)を添加し、150℃で3時間加熱攪拌
し、次いで1-アザ-2-シラ-1,2,2,4-テトラメチルシクロ
ペンタン0.29グラム(2.0ミリモル)を添加し、80℃で3
時間加熱攪拌した。室温に冷却し、トリメチロールプロ
パントリアクリレート1.82グラム(6.1ミリモル)を加
え80℃で2時間攪拌してアクリル官能性シリコーン変性
ポリイミドの有機溶媒溶液を得た。これを滅菌濾過して
均一透明な感光性樹脂組成物を得た。本感光性樹脂組成
物のIRチャートを図2に示した。
【0043】得られた感光性樹脂組成物約1グラムをス
ピンコーター(400rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用いて
シリコンウェハ上に塗布した。得られたシリコンウェハ
と塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブン中で30分間
静置した後、室温まで空冷した。次に、評価用マスクパ
ターンをその塗布皮膜上に置き、窒素雰囲気中で紫外線
(deep-UV)を照射した。続いて、得られた上記の一体
化物表面をアセトンで洗浄したところ、紫外線露光部分
は塗布膜が硬化しシリコンウェハと強固に接着してい
た。その塗布膜の厚は16.5μmであった。その一方で、
マスクパターンで紫外線が遮蔽された部分はアセトンに
よって塗布皮膜が除去され、シリコンウェハ上にシリコ
ーン変性ポリイミド樹脂硬化物の良好なパターンが形成
されていることが確認された。
【0044】
【実施例4】実施例1と同様にして得た分子鎖両末端一
級アミノ基封鎖シリコーンポリイミドの有機溶媒溶液
に、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.48グラ
ム(2.0ミリモル)を添加し、150℃で3時間加熱攪拌
し、次いでヘキサメチルジシラザン0.16グラム(1.0ミ
リモル)を添加し、80℃で3時間加熱攪拌した。室温に
冷却し、トリメチロールプロパントリアクリレート1.82
グラム(6.2ミリモル)を加え80℃で2時間攪拌してアク
リル官能性シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液を
得た。これを滅菌濾過して均一透明な感光性樹脂組成物
を得た。本感光性樹脂組成物のIRチャートを図3に示
した。
【0045】得られた感光性樹脂組成物約1グラムをス
ピンコーター(400rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用いて
シリコンウェハ上に塗布した。得られたシリコンウェハ
と塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブン中で30分間
静置した後、室温まで空冷した。次に、評価用マスクパ
ターンをその塗布皮膜上に置き、窒素雰囲気中で紫外線
(deep-UV)を照射した。続いて、得られた上記の一体
化物表面をアセトンで洗浄したところ、紫外線露光部分
は塗布膜が硬化しシリコンウェハと強固に接着してい
た。その塗布膜の厚は16.5μmであった。その一方で、
マスクパターンで紫外線が遮蔽された部分はアセトンに
よって塗布皮膜が除去され、シリコンウェハ上にシリコ
ーン変性ポリイミド樹脂硬化物の良好なパターンが形成
されていることが確認された。
【0046】
【実施例5】100ミリリットル4口フラスコに、α, ω
―ビスアミノプロピルジメチルシロキシ―ポリジメチル
シロキサン(平均分子量740)10.00グラム(13.5ミリモ
ル)、ビス(メトキシエチル)エーテル 14.80グラムを
投入して加熱攪拌し、80℃到達後ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物3.60グラム(12.2ミリモル)を投入して
同温度で1時間加熱攪拌した。続いて、キシレンを約1
グラム投入して、154℃で3時間加熱攪拌しながら脱水
し、室温に冷却後、滅菌濾過して、均一透明な22.0グラ
ムの実施例1と同様の分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シ
リコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液を得た。続い
て、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.75グラム
(5.9ミリモル)を加え室温で1時間攪拌してアクリル官
能性シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液を得た。
これに2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを0.003g加えて有
効分濃度60重量%の均一透明溶液な感光性樹脂組成物を
得た。
【0047】得られた感光性樹脂組成物約1グラムをス
ピンコーター(200rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用い
てフロートガラス上に塗布した。得られたフロートガラ
スと塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブン中で1時
間静置した後、室温まで空冷した。窒素雰囲気中、紫外
線(deep-UV)を照射したところ、フロートガラス上に
厚さ20μmの強固に接着した良好な硬化皮膜が得られ
た。次に、上記と同様にして、シリコンウェハ上に塗布
膜を形成し、得られたシリコンウェハと塗布膜からなる
一体化物を80℃のオーブン中で1時間静置した後、室温
まで空冷した。窒素雰囲気中、紫外線(deep-UV)を照
射したところ、シリコンウェハ上に厚さ20μmの良好な
硬化皮膜が得られた。
【0048】
【実施例6】実施例5と同様にして、実施例1と同様の
構造を有する分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シリコーン
変性ポリイミドの有機溶媒溶液を得た。続いて、この溶
液を加熱還流させ、3グラムの低沸点物を留出させて冷
却後、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.75グラ
ム(5.9ミリモル)を加え室温で1時間攪拌してアクリル
官能性シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液を得
た。続いてこれに2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを0.00
3g加えて有効分濃度60重量%の均一透明な感光性樹脂組
成物を得た。
【0049】得られた感光性樹脂組成物約1グラムをス
ピンコーター(200rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用い
てフロートガラス上に塗布した。得られたフロートガラ
スと塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブン中で1時
間静置した後、室温まで空冷した。窒素雰囲気中、紫外
線(deep-UV)を照射したところ、フロートガラス上に
厚さ20μmの良好な硬化皮膜が得られた。得られた効果
皮膜とフロートガラスとの接着は強固なものであった。
次に、上記と同様にして、シリコンウェハ上に塗布膜を
形成し、得られたシリコンウェハと塗布膜からなる一体
化物を80℃のオーブン中で1時間静置した後、室温まで
空冷した。窒素雰囲気中、紫外線(deep-UV)を照射し
たところ、シリコンウェハ上に厚さ20μmの良好な硬化
皮膜が得られた。
【0050】
【実施例7】100ミリリットル3口フラスコに、α, ω
―ビスアミノプロピルジメチルシロキシ―ポリジメチル
シロキサン(平均分子量740)5.00グラム(6.8ミリモ
ル)、ビス(メトキシエチル)エーテル6.62グラムを投
入して80℃で加熱攪拌し、次いで、ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物1.90グラム(6.5ミリモル)を投入し
て80℃で1時間加熱攪拌した。キシレンを約1グラム投
入して、154℃で3時間加熱攪拌しながら脱水し、室温に
冷却後、滅菌濾過して12.0グラムの均一透明な分子鎖両
末端一級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドの有機
溶媒溶液得た。次いで、これにペンタエリスリトールト
リアクリレート0.98グラム(3.3ミリモル)を加え1時間
室温で攪拌してアクリル官能性シリコーン変性ポリイミ
ドの有機溶媒溶液を得た。これに2,6-ジ-t-ブチル-p-ク
レゾールを0.002グラムおよびα、α-ジメトキシ-α-フ
ェニルアセトフェノン(長瀬産業製イルガキュア65
1)0.24グラムを加えて感光性樹脂組成物を得た。
【0051】得られた感光性樹脂組成物約1グラムをス
ピンコーター(200rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用い
てフロートガラス上に塗布した。得られた基材と塗布膜
からなる一体化物を80℃のオーブン中で1時間静置し、
その後空冷した。この一体化物の塗布膜状に直接評価用
マスクパターンを置き、窒素雰囲気中紫外線(deep-U
V)を照射した。その結果、基材上に良好な硬化膜が形
成された。基材上に形成された膜の厚さは28マイクロメ
ーターであった。
【0052】
【実施例8】100ミリリットル3口フラスコに、α, ω
―ビスアミノプロピルジメチルシロキシ―ポリジメチル
シロキサン(平均分子量 740)5.00 グラム(6.8ミリモ
ル)、ビス(メトキシエチル)エーテル6.62グラムを投
入して80℃で加熱攪拌し、ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物1.90グラム(6.5ミリモル)を投入して80℃で1
時間加熱攪拌した。キシレンを約1グラム投入して、15
4℃で3時間加熱攪拌しながら脱水し、分子鎖両末端一級
アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液
を得た。これを室温に冷却後ペンタエリスリトールトリ
アクリレート2.10グラム(7.0ミリモル)を加え室温で1
時間室温で攪拌してアクリル官能性シリコーン変性ポリ
イミド樹脂の有機溶媒溶液を得た。得られたアクリル官
能性シリコーン変性ポリイミド樹脂の有機溶媒溶液のI
Rチャートを図4に示した。
【0053】得られたアクリル官能性シリコーン変性ポ
リイミドの有機溶媒溶液を感光性樹脂組成物として、約
1グラムをスピンコーター(200rpm5秒間、1500rpm10秒
間)を用いて、フロートガラス上に塗布した。得られた
フロートガラスと塗布された膜からなる一体化物を80℃
のオーブン中で1時間静置し、取り出した後室温まで空
冷した。塗布膜表面に空気中で紫外線(i線)もしくは
窒素雰囲気中紫外線(deep-UV)を照射したところ、い
ずれも良好な硬化膜が得られた。フロートガラス上に形
成された膜の厚さは40〜45マイクロメーターであった。
【0054】
【実施例9】100ミリリットル3口フラスコに、α, ω
―ビスアミノプロピルジメチルシロキシ―ポリジメチル
シロキサン(重量平均分子量740)5.00グラム(6.8ミリ
モル)、ビス(メトキシエチル)エーテル6.62グラムを
投入して、攪拌し、ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物2.00グラム(6.6ミリモル)を投入して加熱攪拌し
た。キシレンを約1グラム投入して、154℃で3時間加熱
攪拌しながら脱水して分子鎖両末端一級アミノ基封鎖シ
リコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液を得た。これを
室温まで冷却後、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト2.1グラム(7.0ミリモル)を加え1時間攪拌して、均
一透明なアクリル官能性シリコーン変性ポリイミドの有
機溶媒溶液を得た。
【0055】得られたアクリル官能性シリコーン変性ポ
リイミドの有機溶媒溶液を感光性樹脂組成物として約1
グラム、スピンコーター(200rpm5秒間、1500rpm10秒
間)を用いてフロートガラス上に塗布した。得られたフ
ロートガラスと塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブ
ン中に1時間静置した後取り出し、空冷した。塗布膜表
面に空気中で紫外線(i線)もしくは窒素雰囲気中で紫
外線(deep-UV)を照射したところ、いずれも十分な硬
化膜が得られた。フロートガラス上に形成された膜の厚
さは30〜45マイクロメーターであった。
【0056】
【実施例10】100ミリリットル3口フラスコに、α,
ω―ビスアミノプロピルジメチルシロキシ―ポリジメチ
ルシロキサン(平均分子量740)5.00グラム(6.8ミリモ
ル)および2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン0.41グラム(1.0ミリモル)、ビス(メトキ
シエチル)エーテル9.0グラムを投入して80℃で加熱攪
拌し、次いで、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.
11グラム(7.2ミリモル)を投入して80℃で1時間加熱攪
拌した。キシレンを約1グラム投入して、154度で2時間
加熱攪拌しながら脱水した。室温に冷却後、滅菌濾過し
て、主鎖が下記式(28)で表される繰り返し単位約87
モル%
【0057】
【化61】 [式中nはおよそ8である。]および下記式(29)で表
される繰り返し単位約13モル%からなり、
【0058】
【化62】
【0059】その分子鎖両末端が、式(30):
【化63】 [式中nはおよそ8である。]
【0060】もしくは、式(31):
【化64】 で示される末端にアミノ基を有する有機基がイミド環の
窒素原子と結合した構造をとる均一透明な分子鎖両末端
一級アミノ基封鎖シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒
溶液約16グラムを得た。
【0061】次いで、得られた分子鎖両末端一級アミノ
基封鎖シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液にペン
タエリスリトールトリアクリレート1.21グラム(4.1ミ
リモル)を加え室温で1時間攪拌した後滅菌濾過してア
クリル官能性シリコーン変性ポリイミドの有機溶媒溶液
を得た。最後にこれに2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを
0.003グラム加えて感光性樹脂組成物を得た。
【0062】上記のようにして得られた感光性樹脂組成
物約1グラムをスピンコーター(200rpm5秒間、1500rpm
10秒間)を用いて、シリコンウェハおよびフロートガラ
スにそれぞれ塗布した。得られたそれぞれの基材と塗布
膜からなる一体化物を80℃のオーブン中で1時間静置
し、その後空冷した。得られた一体化物の塗布膜上に評
価用マスクパターンを直接置き、窒素雰囲気中で紫外線
(deep-UV)を照射した。その結果、シリコンウェハお
よびフロートガラス両基材上に良好な硬化膜が形成され
た。これらの基材上に形成された膜の厚さは20μmであ
った。
【0063】
【実施例11】実施例4で得られた感光性樹脂組成物約
1グラムをスピンコーター(400rpm5秒間、1500rpm10秒
間)を用いてシリコンウェハ上に塗布した。得られたシ
リコンウェハと塗布膜からなる一体化物を80℃のオーブ
ン中で30分間静置した後、室温まで空冷した。次に、シ
リコンウェハ上に形成されたアルミ電極と同パターンの
端子ピッチ0.6mmのフォトマスクをその塗布皮膜上に
置き、窒素雰囲気中で紫外線(deep-UV)を照射した。
続いて、得られた上記の一体化物表面をイソブチルメチ
ルケトンで洗浄したところ、紫外線露光部分は塗布膜が
硬化しシリコンウェハと強固に接着していた。その塗布
膜の厚は16.5μmであった。その一方で、マスクパター
ンで紫外線が遮蔽された部分はイソブチルメチルケトン
によって塗布皮膜が除去され、シリコンウェハ上にシリ
コーン変性ポリイミド樹脂硬化皮膜の良好なパターンが
形成されていることが確認された。
【0064】続いて上記シリコーン変性ポリイミド樹脂
パターン上に、レジスト膜形成、エッチングプロセス、
熱処理、レジスト除去の過程を経て、銅再配線層を形成
した。この再配線層上に実施例4で得られた感光性樹脂
組成物を再び塗布し、以下に述べるバリアメタル形成用
パターンを有するフォトマスクを用いた以外は上記と同
様にしてパターン化されたシリコーン変性ポリイミド樹
脂硬化皮膜を形成した。その後、銅バリアメタルを形成
し、はんだボールをバリアメタル上に設置した。このよ
うにして作製した半導体素子をマザーボードに搭載し、
本マザーボードをサーマルサイクル試験(−40℃〜+12
5℃)にかけた。その結果、サーマルサイクル約1000回
後においても本半導体素子を搭載したマザーボードは正
常に動作し、極めて高い接続信頼性が認められた。図5
に、本実施例で作成した半導体装置の概念図を示した。
【0065】
【比較例1】100ミリリットル3口フラスコに、α,ω―
ビスアミノプロピルジメチルシロキシ―ポリジメチルシ
ロキサン(平均分子量 740)4.00グラム(5.4ミリモ
ル)、1,3―ビス(γ―アミノプロピル)−1,1,3,3―テ
トラメチルジシロキサン0.34グラム(1.4ミリモル)、
ビス(メトキシエチル)エーテル6.62グラムを投入し
て、80℃で加熱攪拌し、ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物2.1グラム(7.1ミリモル)を投入して80℃で1時
間加熱攪拌した。得られたコポリマーの分析結果からコ
ポリマーの末端が酸無水物基で封鎖されていることが判
明した。投入した原料中のアミノ基より酸無水物基が過
剰であったためである。次いで、キシレンを約1グラム
投入して、154℃で3時間加熱攪拌しながら脱水した。室
温に冷却後、ペンタエリスリトールトリアクリレート
0.43グラム(1.4ミリモル)を加え室温で1時間攪拌し
た。
【0066】得られた溶液約1グラムをスピンコーター
(200rpm5秒間、1500rpm10秒間)を用いて、フロート
ガラス上に塗布した。得られたフロートガラスと塗布膜
からなる一体化物を80℃のオーブン中で30分間静置し、
空冷した。フロートガラス上に形成された膜は厚さ 28-
30マイクロメーターであったが、空気中で紫外線(i
線)または、窒素雰囲気中で紫外線(deep-UV)を照射
しても被覆膜は硬化しなかった。
【0067】
【比較例2】100ミリリットル3口フラスコに、α, ω―
ビスアミノプロピルジメチルシロキシ―ポリジメチルシ
ロキサン(重量平均分子量740)5.00グラム(6.8ミリモ
ル)、ビス(メトキシエチル)エーテル6.62グラムを投
入して加熱攪拌し、次いで、ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物2.00グラム(6.8ミリモル)を投入して加熱
攪拌した。キシレンを約1グラム投入して、154℃で3時
間加熱攪拌しながら脱水した。室温に冷却後、滅菌濾過
し、12グラムの均一透明溶液を得た。次いでペンタエリ
スリトールトリアクリレート2.1グラム(7.0ミリモル)
を加え室温で1時間攪拌し、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾ
ールを0.002g加えシリコーン変性ポリイミド樹脂組成物
を得た。
【0068】得られたシリコーン変性ポリイミド樹脂組
成物約1グラムをスピンコーター(200rpm5秒間、1500
rpm10秒間)を用いてフロートガラス上に塗布した。得
られたフロートガラスと塗布膜からなる一体化物を80℃
のオーブン中で30分間静置した後、取り出し空冷した。
フロートガラス上に形成された膜の厚さは15-17マイク
ロメーターであったが、空気中 紫外線(i線)また
は、窒素雰囲気中、紫外線(deep-UV)を照射しても硬
化しなかった。
【0069】
【比較例3】比較例2で得られたシリコーン変性ポリイ
ミド樹脂組成物に2重量%となるように、α、α-ジメ
トキシ-α-フェニルアセトフェノン(長瀬産業製イルガ
キュア651)を添加し、この溶液を用いて比較例2と
同様にしてフロートガラス上に塗布皮膜を形成し、その
皮膜の紫外線硬化性を調べた。その結果、フロートガラ
ス上に形成された膜の厚さは15-17マイクロメーターで
あったが、空気中で紫外線(i線)または窒素雰囲気中
で紫外線(deep-UV)を照射しても硬化しなかった。
【0070】
【発明の効果】本発明の新規なアクリルもしくはメタク
リル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂は、優れた光
架橋性および基材への接着性を有し、従来必要であった
パターン形成後の高温のポストベークが不要であるとい
う利点を有する。本発明のアクリルもしくはメタクリル
官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂の製造方法はこの
ような新規なアクリルもしくはメタクリル官能性シリコ
ーン変性ポリイミド樹脂を容易に、生産性良く製造する
方法を提供する。また、本発明の感光性樹脂組成物は、
上記のアクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変
性ポリイミド樹脂を含有するので、優れた光架橋性およ
び基材への接着性を有し、従来必要であったパターン形
成後の高温のポストベークが不要であるという利点を有
する。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた感光性樹脂組成物
のIRチャートである。
【図2】本発明の実施例3で得られた感光性樹脂組成物
のIRチャートである。
【図3】本発明の実施例4で得られた感光性樹脂組成物
のIRチャートである。
【図4】本発明の実施例8で得られた感光性樹脂組成物
のIRチャートである。
【図5】本発明の実施例11で得られた半導体装置の断面
の概略図である。
【符号の説明】
1 シリコンウェハ 2 アルミ電極 3 感光性樹脂組成物硬化皮膜 4 再配線層 5 バリアメタル 6 はんだボール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502R (72)発明者 一色 実 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 Fターム(参考) 2H025 AA13 AB16 AC01 AD03 BC53 BC69 BC78 BD43 BD48 FA17 4J002 CM041 EE036 EE057 EJ017 EJ067 ES016 GP03 GQ05 4J043 PA04 PA05 PA08 PA09 PB02 QA07 RA34 RA35 SA05 SA06 SA85 SB03 TA22 TA61 TA62 TB01 UA02 UA03 UA04 UA12 UA13 UA26 YB11 YB19 ZA51 ZB22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1): 【化1】 [式中Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であ
    る。]で表される繰り返し単位0〜50モル%、一般式
    (2): 【化2】 [式中Xは上記のとおり、Zは一般式(3): 【化3】 {式中R1は同種または異種の1価の炭化水素基であ
    り、R2は2価炭化水素基であり、nは1〜50の整数
    である。}で表される構成単位である。]で表される繰
    り返し単位50〜100モル%とからなり、一般式
    (4): 【化4】 [式中R3は水素原子またはメチル基であり、R4は水素
    原子またはアルコキシシリル基含有有機基であり、R5
    はアクリロキシ基置換有機基またはメタクリロキシ基置
    換有機基である。]で表される有機アミノ基がYまたは
    Zを介して分子鎖両末端に結合していることを特徴とす
    るアクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン変性ポ
    リイミド樹脂。
  2. 【請求項2】 Xが4価の芳香族系炭化水素基、4価の
    脂環式炭化水素基または4価の脂肪族炭化水素基であ
    り、Yが2価の芳香族系炭化水素基、2価の脂環式炭化
    水素基または2価の脂肪族炭化水素基であることを特徴
    とする請求項1記載のアクリルもしくはメタクリル官能
    性シリコーン変性ポリイミド樹脂。
  3. 【請求項3】Xが式(5): 【化5】 式(6): 【化6】 式(7): 【化7】 式(8): 【化8】 式(9): 【化9】 式(10): 【化10】 式(11): 【化11】 で表される4価の有機基の中から選ばれ、Yが式(1
    2): 【化12】 式(13): 【化13】 式(14): 【化14】 式(15): 【化15】 [式中Aは-CH2-,-O-,-CO-,-C(CH32-または
    -SO2-である。] 式(16): 【化16】 式(17): 【化17】 式(18): 【化18】 式(19): 【化19】 [式中Bは-C(CH32-または-SO2-である。]で表
    される2価の有機基の中から選ばれることを特徴とする
    請求項1記載のアクリルもしくはメタクリル官能性シリ
    コーン変性ポリイミド樹脂。
  4. 【請求項4】 R4が一般式(20): 【化20】 または、一般式(21): 【化21】 [式中R1、R2は上記と同様であり、aは0〜2の整数
    であり、R6は水素原子またはオルガノシリル基であ
    る。]で表されるアルコキシシリル基含有有機基である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3記載のいずれか1
    項記載のアクリルもしくはメタクリル官能性シリコーン
    変性ポリイミド樹脂。
  5. 【請求項5】 R5が下記一般式(22): 【化22】 [式中R7は1価の炭化水素基もしくは水酸基置換アルキ
    ル基であり、R3は水素原子またはメチル基であり、a
    は0〜2の整数である]で表されるアクリロキシ基含有
    有機基またはメタクリロキシ基含有有機基である請求項
    1〜4のいずれか1項記載のアクリルもしくはメタクリ
    ル官能性シリコーン変性ポリイミド樹脂。
  6. 【請求項6】 (A)分子鎖両末端一級アミノ基置換炭
    化水素基封鎖ジオルガノポリシロキサンおよび(B)テ
    トラカルボン酸二無水物、これらに加えて必要に応じて
    (C)有機ジアミンを{(A)成分のモル数+(C)成
    分のモル数>(B)成分のモル数}となるようにして脱
    水閉環反応させて得られた分子鎖両末端一級アミノ基封
    鎖シリコーン変性ポリイミドに、該シリコーン変性ポリ
    イミド中の末端アミノ基のモル数に対してアクリル基も
    しくはメタクリル基のモル数が過剰になるように(F)
    一般式(23): 【化23】 [式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R5はア
    クリロキシ基含有有機基またはメタクリロキシ基含有有
    機基である。]で示される多官能有機化合物を付加反応
    させることを特徴とするアクリルもしくはメタクリル官
    能性シリコーン変性ポリイミド樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 (A)分子鎖両末端一級アミノ基置換炭
    化水素基封鎖ジオルガノポリシロキサンおよび(B)テ
    トラカルボン酸二無水物、必要に応じてこれらに加えて
    (C)有機ジアミンとを{(A)成分のモル数+(C)
    成分のモル数}>(B)成分のモル数となるようにして
    脱水閉環反応させて得られた分子鎖両末端一級アミノ基
    封鎖シリコーン変性ポリイミドに、該シリコーン変性ポ
    リイミド中の末端アミノ基と等モル数以下の(D)エポ
    キシ基とアルコキシシリル基を同一分子内に有する有機
    ケイ素化合物を反応させ、さらに、上記シリコーン変性
    ポリイミド中の末端アミノ基のモル数に対してアクリル
    基もしくはメタクリル基のモル数が過剰になるように
    (F)一般式(23): 【化24】 [式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R5はア
    クリロキシ基含有有機基またはメタクリロキシ基置換有
    機基である。]で示される多官能有機化合物を付加反応
    させることを特徴とするアクリルもしくはメタクリル官
    能性シリコーン変性ポリイミド樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 (A)分子鎖両末端一級アミノ基置換炭
    化水素基封鎖ジオルガノポリシロキサンおよび(B)テ
    トラカルボン酸二無水物、必要に応じてこれらに加えて
    (C)有機ジアミンとを{(A)成分のモル数+(C)
    成分のモル数}>(B)成分のモル数となるようにして
    脱水閉環反応させて得られた分子鎖両末端一級アミノ基
    封鎖シリコーン変性ポリイミドに、該シリコーン変性ポ
    リイミド中の末端アミノ基と等モル数以下の(D)エポ
    キシ基とアルコキシシリル基を同一分子内に有す有機ケ
    イ素化合物を反応させ、該一級アミノ基によるエポキシ
    基の開環反応で生成するカルビノール基を(E)シリル
    化剤でシリル化し、さらに上記シリコーン変性ポリイミ
    ド中の末端アミノ基のモル数に対してアクリル基もしく
    はメタクリル基のモル数が過剰になるように(F)一般
    式(23): 【化25】 [式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R5はア
    クリロキシ基含有有機基またはメタクリロキシ基置換有
    機基である。]で示される多官能有機化合物を付加反応
    させることを特徴とするアクリルもしくはメタクリル官
    能性シリコーン変性ポリイミド樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか1項記載の製造
    方法で得られたアクリルもしくはメタクリル官能性シリ
    コーン変性ポリイミド樹脂100重量部、有機溶剤5〜
    300重量部、ラジカル重合禁止剤0〜10重量部およ
    び光重合開始剤0〜20重量部からなる感光性樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 請求項6〜8のいずれか1項記載の製
    造方法で得られたアクリルもしくはメタクリル官能性シ
    リコーン変性ポリイミド樹脂100重量部、有機溶剤5
    〜300重量部、ラジカル重合禁止剤0〜10重量部お
    よび光重合開始剤0〜20重量部からなる感光性樹脂組
    成物。
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