JP2008076583A - 硬化レリーフパターンの製造方法 - Google Patents

硬化レリーフパターンの製造方法 Download PDF

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公幸 丸山
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Abstract

【課題】電気・電子材料の製造に有用な、230〜280℃での低温硬化条件において製造可能な、高い耐薬品性を有するポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンと、該硬化レリーフパターンにチタンまたはアルミニウムからなる層を設けた積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)特定の一般式(1)で表される繰り返し単位をからなるポリアミド酸エステル100質量部に対して、(B)光開始剤1〜15質量部と、(C)溶媒30〜600質量部とを含む感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いて基材上にパターンを形成し、該パターンを230〜280℃で加熱硬化することにより、ポリイミドのパターンを得る工程を含むことを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンに接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置、多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有用な感光性材料に関するものである。さらに詳しく言えば、本発明は、230〜280℃での低温硬化条件において製造可能であり、かつ高い耐薬品性を有するポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンからなる層と、該硬化レリーフパターンに接して、チタンまたはアルミニウムからなる層を設けた積層体に関する。
ポリイミド樹脂は、その高い熱的及び化学的安定性、低い誘電率及び優れた平坦化能のために、マイクロエレクトロニクス関係の材料として注目されており、半導体の表面保護膜、もしくは層間絶縁膜、またはマルチチップモジュールなどの材料として広く使用されている。
ポリイミド樹脂を用いて半導体装置を製造する場合には、通常、ポリイミド樹脂膜を基材上に形成し、リソグラフィー技術を利用して所望のパターンを形成する。具体的には、ポリイミド樹脂膜の上に、フォトレジストとフォトマスクを用いてフォトレジストのパターンを形成し、その後にエッチィングによるポリイミド樹脂のパターン化を行うという間接的なパターン形成方法が用いられる。しかしながら、この方法においては、初めに、マスクとなるフォトレジストのパターンをポリイミド樹脂膜の上に形成し、次にポリイミド樹脂のエッチングを行い、最後に不要になったフォトレジストパターンの剥離を行わなければならないため、工程が複雑であり、更に間接的なパターン形成であるが故に解像度が低い。又、エッチングにヒドラジンのような有毒物質を溶剤として用いる必要があるため、安全性の問題もある。
上記のような問題点を克服する目的で、光重合性の感光基をポリイミド前駆体に導入し、ポリイミド前駆体膜に直接パターンを形成する方法が実用化されている。例えば、二重結合を有する化合物をエステル結合、アミド結合、またはイオン結合などを介してポリアミド酸誘導体に結合してなるポリイミド前駆体、及び光開始剤等を含む感光性ポリイミド前駆体組成物で膜を形成し、これをパターンを有するフォトマスクを介して露光することによって、上記塗膜の露光された部分のポリイミド前駆体を不溶化させる手段を用いてパターンを形成し、現像処理に付し、その後、加熱して感光基成分を除去することにより、ポリイミド前駆体を熱安定性を有するポリイミドに変換する方法などが非特許文献1等で提案されている。この技術は、一般に感光性ポリイミド技術と呼ばれている。この技術によって、上記の従来の非感光性ポリイミド前駆体を用いるプロセスに伴う問題は克服された。そのため、ポリイミドパターンの形成を上記の感光性ポリイミド技術で行うことが多くなっている。
近年、半導体装置等に用いられるポリイミド膜のパターンを形成する際の解像度の向上が求められている。上記の感光性ポリイミド技術が開発される以前の非感光性ポリイミドを用いたプロセスにおいては高い解像度が得られなかったため、それを前提にして半導体装置や製造プロセスが設計されており、それによって半導体装置の集積率や精度が限られていた。一方、感光性ポリイミド技術を用いると、パターン形成時に高い解像度が得られることから、集積率や精度の高い半導体装置の製造が可能となる。これに関して以下に説明する。
例えば、メモリー素子等を製造する場合は、製品の収率を上げるために、あらかじめ予備の回路を作っておいて製品の検査後に不要な回路を切るという操作を行う。従来の非感光性ポリイミドを用いたプロセスでは、不要な回路の切断は、ポリイミドパターンの形成前に行っていたのに対し、感光性ポリイミドを用いるプロセスでは、ポリイミドパターン形成時の解像度が高いため、パターンに不要な回路を切るための穴を設けておいて、ポリイミドパターンの形成後に予備回路を切ることができる。したがって、最終製品の完成時点により近い段階で予備回路を切断することが可能となり、更に高い製品の収率が達成される。
ところで、半導体装置の製造プロセスにおいて、感光性ポリイミドは一般に350℃以上の高温条件で熱処理を行う必要があった。例えば、感光性ポリイミド前駆体のポリイミドとして、テトラカルボン酸二無水物に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、ジアミンにパラフェニレンジアミンを原料とし、350℃で3時間加熱硬化させたものを絶縁層とし、絶縁層と熱酸化膜および絶縁層と金属層間の接着性を高める技術が例えば特許文献1に開示されている。しかしながら、高温処理が不可能な半導体装置においては、300℃以下の条件で低温硬化が可能で、かつ耐薬品性の高いポリマー系の開発が望まれていた。
特開平08−051150号公報 山岡・表、「ポリファイル」、1990年、第27巻、第2号、第14〜18頁
本発明は、230〜280℃での低温硬化条件において製造可能な、高い耐薬品性を有するポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンと、該硬化レリーフパターンにチタン及び/又はアルミニウムからなる層を設けた積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、目標とする優れた特性を併せ持つポリイミドパターンを形成するために用いることのできる感光性ポリイミド前駆体組成物を開発すべく鋭意検討を行った。その結果、ポリイミドの原料として用いた際に、特定の繰り返し単位からなるポリアミド酸エステルと、光開始剤と、溶媒からなる感光性組成物を用いることによって、230〜280℃の低温硬化条件で高い耐薬品性を持ったポリイミドパターンを与え得る感光性ポリアミド酸エステル組成物が得られることを見出した。本発明は、これらの新しい知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明の第一は、(A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリアミド酸エステル100質量部と、(B)光開始剤1〜15質量部と、(C)溶媒30〜600質量部とを含む感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いて基材上にパターンを形成し、該パターンを230〜280℃で加熱硬化することにより、ポリイミドのパターンを得る工程を含むことを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法である。
Figure 2008076583
(式中、Xは少なくとも2個のベンゼン環が単結合した4価の芳香族基、または1個のベンゼン環を含む4価の芳香族基であり、X’は1個または2個のベンゼン環を含む4価の芳香族基である。0.5≦m/(m+n)≦1.0である。RおよびR’はそれぞれ独立してオレフィン性二重結合を有する1価の基であり、同一であっても異なっていても良い。YおよびY’は1個のベンゼン環からなる2価の芳香族基であり、同一であっても異なっていても良い。)
本発明の第二は、上記第一に記載の感光性ポリアミド酸エステル組成物を基材に塗布して乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程、パターンを有するフォトマスクを介して、又は直接に該塗膜に紫外線を照射する工程、現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を除去して該基材上にレリーフパターンを形成する工程、該レリーフパターンを加熱することによりポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンからなる層を該基材上に形成する工程、アルゴン、酸素、及び四フッ化炭素から選択される少なくとも1種のガスで該層の表面をドライエッチング処理する工程、ならびに該層に接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成する工程、とからなることを特徴とする積層体の製造方法である。
本発明により、230〜280℃の低温硬化条件で高い耐薬品性を持ったポリイミドパターンを与え得る感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いたポリイミドパターン及び該層に接するチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を有することを特徴とする積層体を提供することができた。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<感光性ポリアミド酸エステル組成物>
(A)ポリアミド酸エステル
本発明で使用するポリアミド酸エステルは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリアミド酸エステルであり、例えば、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物との混合物をパラフェニレンジアミンとの縮合反応に付すことによって製造することができる。
Figure 2008076583
(式中、Xは少なくとも2個のベンゼン環が単結合した4価の芳香族基、または1個のベンゼン環を含む4価の芳香族基であり、X’は1個または2個のベンゼン環を含む4価の芳香族基である。0.5≦m/(m+n)≦1.0である。RおよびR’はそれぞれ独立してオレフィン性二重結合を有する1価の基であり、同一であっても異なっていても良い。YおよびY’は1個のベンゼン環からなる2価の芳香族基であり、同一であっても異なっていても良い。)
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のX基は、原料として用いるテトラカルボン酸誘導体に由来する。該テトラカルボン酸誘導体の例としては、ピロメリット酸二無水物、及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。これらのテトラカルボン酸誘導体は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のX’基は、原料として用いるテトラカルボン酸誘導体に由来する。該テトラカルボン酸誘導体の例としては、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物が挙げられる。これらの酸無水物は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
ポリアミド酸エステルの合成においては、通常、テトラカルボン酸二無水物のエステル化反応を行って得られたテトラカルボン酸ジエステルをそのままジアミンとの縮合反応に付す方法が好ましく使用できる。
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のYおよびY’基は、原料として用いる芳香族ジアミンに由来する。該芳香族ジアミンの例としては、p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−m−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
上記のテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応に用いるアルコール類は、オレフィン性二重結合を有するアルコール類である。具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシー2−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。これらのアルコール類は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
また、特開平06−080776号公報に記載のように、上記のオレフィン性二重結合を有するアルコールに、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びアリルアルコールなどを一部混合して用いることもできる。
理論上、テトラカルボン酸二無水物のエステル化に使用するアルコール類の量は、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あたり1.0当量であるが、本発明においては、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あたり、1.01〜1.10当量になるようにアルコールを用いてテトラカルボン酸ジエステルを合成すると、最終的に得られる感光性ポリアミド酸エステル組成物の保存安定性が向上するので好ましい。
本発明の組成物においては、上述した特定のテトラカルボン酸誘導体と特定のジアミンとを組合せたポリアミド酸エステルにより300℃以下の熱処理時の耐薬品性とその他の性能とのバランスをとることができる。
ポリアミド酸エステルの合成に使用するテトラカルボン酸ジエステルとジアミンのモル比は、1.0付近であることが好ましいが、目的とするポリアミド酸エステルの分子量に応じて0.7〜1.3の範囲で用いることができる。
本発明に用いるポリアミド酸エステルの具体的な合成方法に関しては従来公知の方法を採用することができる。これについては、例えば、国際公開第00/43439号パンフレットに示されている方法を使用することができる。
本発明で用いるポリアミド酸エステルの重量平均分子量は、8000〜150000であることが好ましく、9000〜50000であることがより好ましい。
(B)光開始剤
本発明で使用する感光性ポリアミド酸エステル組成物の成分である光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、及びフルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール及び、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、2,6−ジ(4’−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、及び2,6’−ジ(4’−ジアジドベンザル)シクロヘキサノン等のアジド類、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、及び1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシンなどのN−アリールグリシン類、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物類、並びに芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類などが用いられるが、厚膜での硬化性及び光感度の点で上記オキシム類が好ましい。
これらの光開始剤の添加量は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、1〜15質量部が好ましい。開始剤をポリアミド酸エステル100質量部に対して1質量部以上添加することで光感度に優れ、15質量部以下添加することで厚膜i線硬化性に優れる。
(C)溶媒
本発明で使用するポリアミド酸エステル組成物の成分である溶媒としては、成分(A)及び(B)に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらは単独または二種以上の組合せで用いることができる。
これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、30〜600質量部の範囲で用いることができる。
さらに、本発明のポリアミド酸エステル組成物の保存安定性を向上させるため、溶媒として使用する有機溶剤中にアルコール類を含有させることが好ましい。
使用可能なアルコール類としては、分子内にアルコール性水酸基を持つものであれば特に制限はないが、具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、乳酸エチル等の乳酸エステル類、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテル、プロピレングリコール−2−(n−プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル等のモノアルコール類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジアルコール類、を挙げることができる。これらの中では、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、エチルアルコールが好ましく、特に乳酸エチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテルがより好ましい。
全溶媒中に占めるアルコール類の含量は5〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜30重量%である。アルコール類の含量が5重量%以上の場合には、(A)成分であるポリアミド酸エステル組成物の保存安定性が良好になる。また50重量%以下の場合には、(A)成分である感光性ポリアミド酸エステルの溶解性が良好になる。
(D)その他の成分
本発明で使用する感光性ポリアミド酸エステル組成物には、更に光感度を向上させるために増感剤を添加することもできる。光感度を向上させるための増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、
3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン、ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。これらの中では、光感度の点で、メルカプト基を有する化合物とジアルキルアミノフェニル基を有する化合物を組み合わせて用いることが好ましい。これらは単独でまたは2〜5種類の組み合わせで用いることができる。
光感度を向上させるための増感剤は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.1〜10質量部を用いるのが好ましい。
また、本発明で使用する感光性ポリアミド酸エステル組成物には、基材との接着性向上のため接着助剤を添加することもできる。接着助剤としては、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルアミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1、4−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤などが挙げられる。
これらの内では接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。接着助剤の添加量は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.5〜10質量部の範囲が好ましい。
また、本発明で使用する感光性ポリアミド酸エステル組成物には、保存時の組成物溶液の粘度や光感度の安定性を向上させるために熱重合禁止剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
感光性ポリアミド酸エステル組成物に添加する熱重合禁止剤の添加量としては、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.005〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明のポリアミド酸エステル組成物においては、耐熱性及び耐薬品性を向上する成分として有機チタン化合物を使用することができる。使用可能な有機チタン化合物としては、チタン原子に有機化学物質が共有結合あるいはイオン結合を介して結合しているものであれば特に制限はない。
用いることのできる有機チタン化合物の具体的な例は、まずチタノセン類である。チタノセン類としては、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイドなどが用いられる。この際に、ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1−ヒドロピロール−1−イル)フェニル)チタノセンのような光開始剤として機能するチタノセン類を用いると、本発明に用いることのある他の光開始剤との干渉により、良好なパターンを得にくい場合があり、光開始剤として機能しない有機チタン化合物の方がより好ましい。
また、本発明に用いることのできる有機チタン化合物の別の具体的な例は、チタンキレート類である。本発明ではチタンキレート類のうち、2個以上のアルコキシ基を有する物が、組成物の安定性及び良好なパターンが得られることからより好ましく、具体的な好ましい例としては、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
また本発明には、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2−エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n−ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n−プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス(ビス2,2−(アリロキシメチル)ブトキサイド)、等のテトラアルコキシド類、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルフォネート)イソプロポキサイド等のモノアルコキサイド類、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等のチタニウムオキサイド類、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のテトラアセチルアセトネート類、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルフォニルチタネート、等のチタネートカップリング剤類なども用いることができる。
これらの有機チタン化合物の添加量は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.3〜10質量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜2質量部である。添加量が0.3質量部以上で所望の耐熱性及び耐薬品性が発現し、また10質量部以下であれば保存安定性に優れる。
また、本発明で用いるポリアミド酸エステル組成物中の反応性モノマーとしては、特に限定しないが、光ラジカル発生剤の作用によりラジカル重合反応するもの、あるいは光酸発生剤や光塩基発生剤の作用により開環重合反応するものなど選択できる。ラジカル重合反応する反応性モノマーとしては特に限定するものではないが、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメタクリレートをはじめとする、エチレングリコールまたはポリエチレングリコールのモノまたはジアクリレートおよびメタクリレート、プロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールのモノまたはジアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールのモノ、ジまたはトリアクリレートおよびメタクリレート、シクロヘキサンジアクリレートおよびジメタクリレート、1,4−ブタンジオールのジアクリレートおよびジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジアクリレートおよびジメタクリレート、ネオペンチルグリコールのジアクリレートおよびジメタクリレート、ビスフェノールAのモノまたはジアクリレートおよびメタクリレート、ベンゼントリメタクリレート、イソボルニルアクリレートおよびメタクリレート、アクリルアミドおよびその誘導体、メタクリルアミドおよびその誘導体、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールのジまたはトリアクリレートおよびメタクリレート、ペンタエリスリトールのジ、トリ、またはテトラアクリレートおよびメタクリレート、およびこれら化合物のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物などの化合物を挙げることができる。
<硬化レリーフパターンの製造方法>
感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いて、ポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンを形成する方法の1つの態様としては、以下の工程が好ましい。
(a)感光性ポリアミド酸エステル組成物を基材に塗布、乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程。
(b)該塗膜を、パターンを有するフォトマスクまたはレチクルを介してまたは直接に紫外線を照射する工程。
(c)現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を溶剤で除去して、これにより該基板上にレリーフパターンを形成する工程。
(d)該レリーフパターンを230〜280℃で加熱硬化することにより、該レリーフパターン中のポリアミド酸エステルをイミド化し、これにより該基板上にポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンを形成する工程。
硬化レリーフパターンの製造方法において使用できる基材としては、シリコンウエハー、金属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素などが挙げられるが、好ましくはシリコンウエハーが用いられる。
本発明に使用する感光性ポリアミド酸エステル組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性ポリアミド酸エステル組成物中のポリアミド酸エステルのイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾、あるいは加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で行うことができる。
こうして得られた塗膜は、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、パターンを有するフォトマスクまたはレチクルを介して紫外線光源等により露光され、次いで現像される。
現像に使用される現像液としては、ポリアミド酸エステル組成物に対する良溶媒、または該良溶媒と貧溶媒との組み合わせが好ましい。良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等が好ましく、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が用いられる。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、ポリマーの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調製する。また、各溶媒を数種類組み合わせて用いることもできる。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば、回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。
上記のようにして得られたポリアミド酸エステルのパターンは加熱して感光性成分を希散させるとともにイミド化させることによって、ポリイミド樹脂からなるの硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化させる方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱の最大温度は230℃〜280℃の範囲が好ましい。該最大温度に保持する時間は30分〜5時間の条件で行うことが好ましい。加熱硬化させる際の雰囲気気体としては空気を用いても良く、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
<積層体の製造方法>
上述の感光性樹脂組成物を用いて、ポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターン層と金属層とを有して成る積層体を製造する方法の1つの態様としては、以下の工程が好ましい。
上述の硬化レリーフパターンの形成方法により基材上に硬化レリーフパターンを形成する工程に続き、該層の表面をアッシング、またはプラズマエッチング等のドライエッチング処理する。硬化レリーフパターン層は、ポリイミド部分と無機微粒子部分という当該処理によるエッチングレートの異なる2つの部分を有するため、ドライエッチング処理によって樹脂金属間接着性の向上につながる表面の微小な凹凸を硬化レリーフパターンの表面に形成することができる。
ドライエッチング処理としては、酸素、アルゴン、四フッ化炭素等のガスを使用して、圧力1〜100Pa、時間は1〜30分の条件で行うことが好ましい。
上述のようにして、基材の上に得られたポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンの上に接して、さらにバンプ用または再配線用のメタル層(チタン、アルミニウム、または銅等の金属層)をスパッタリング等の薄膜作成方法によって設けることで本発明の積層体を製造することができる。そして、該積層体の製造方法を公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、ポリイミド樹脂層の上にチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を有する半導体装置を製造することができる。
以下に実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
実施例、比較例及び参考例においては、感光性ポリアミド酸エステル組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価した。
(1)重量平均分子量
各ポリアミド酸エステルの重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。
(2)ポリイミド塗膜のガラス転移温度(Tg)の測定
基板となる厚み625μm±25μmの5インチシリコンウエハー(日本国、フジミ電子工業株式会社製)上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布した後、窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱して熱硬化したポリイミド塗膜を得た。得られたポリイミド塗膜をシリコンウェハーから剥がしてポリイミドテープとした。得られたポリイミドテープを荷重200g/mm2 、昇温速度10℃/分、20〜500℃の範囲で熱機械試験装置(島津製作所製:TMA−50)により測定し、温度を横軸、変位量を縦軸にとった測定チャートにおけるポリイミドテープの熱降伏点の接線交点をTgとした。
(3)硬化レリーフパターンの作製方法及び耐薬品性の評価
感光性樹脂組成物を5インチシリコンウエハー上に回転塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いて、g線ステッパー(NSR1505g2、日本国、ニコン社製)により、300mJ/cm2 のエネルギーを照射した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、現像液としてシクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスしてレリーフパターンを得た。
該レリーフパターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて250℃で2時間、熱処理することにより、5μm厚のポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンをシリコンウエハー上に得た。
得られた硬化レリーフパターンについて、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液に110℃で1時間浸漬した後、表面パターンを観察し、耐薬品性試験を行った。パターンの溶解、パターンの剥れ、塗膜のひびがなければ合格とした。
(4)ポリイミド塗膜のメタル接着性の評価
基板となる厚み625μm±25μmの5インチシリコンウエハー(日本国、フジミ電子工業社製)上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布した後、窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱して熱硬化したポリイミド塗膜を得た。
このポリイミド塗膜に低圧プラズマ処理をアッシング装置(神港精機社製、EXAM)を用いて酸素:四フッ化炭素の流量が40ml/分:1ml/分、50Pa、133Wの条件でプラズマアッシングを行った。このポリイミド塗膜に対し、スパッタ装置(アネルバ社製、L−430S−FH)を用いてアルゴンの流量が50sccm、1Pa、400Wの条件でアルゴンプラズマエッチングを行った。さらにこのポリイミド塗膜上にスパッタ装置(アネルバ社製、L−430S−FH)を用いて200nmの厚さでAl、またはTiの膜を形成した。このAlまたはTi膜上にエポキシ接着剤(昭和高分子社製、アラルダイトスタンダード)を用いて直径2mmのピンを接着し、これを引張り試験機(クワッドグループ社製、セバスチャン5型)を用いて引き剥がし試験を行った。引き剥がしに要する力が60Mpa以上であれば合格とした。
<参考例1>(ポリアミド酸エステルAの合成)
ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)104.1gとγ−ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)165.1gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いてp−フェニレンジアミン84.1gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリアミド酸エステルA)を得た。得られたポリアミド酸エステルAの重量平均分子量(Mw)は20000であった。
<参考例2>(ポリアミド酸エステルBの合成)
テトラカルボン酸として、ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gとベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)128.9gを用い、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン84.1gを用い、前述の特許文献1の実施例1に記載の方法と同様にして反応させてポリアミド酸エステルBを得た。ポリアミド酸エステルBの重量平均分子量(Mw)は24000であった。
<参考例3>(ポリアミド酸エステルCの合成)
テトラカルボン酸として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gとベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)128.9gを用い、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン84.1gを用い、前述の特許文献1の実施例1に記載の方法と同様にして反応させてポリアミド酸エステルCを得た。得られたポリアミド酸エステルCの重量平均分子量(Mw)は25000であった。
<参考例4>(ポリアミド酸エステルDの合成)
テトラカルボン酸として、ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gを用い、ジアミンとして3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン168.1gを用い、前述の特許文献1の実施例1に記載の方法と同様にして反応させてポリアミド酸エステルDを得た。得られたポリアミド酸エステルDの重量平均分子量(Mw)は25000であった。
<参考例5>(ポリアミド酸エステルEの合成)
ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)104.1gとγ−ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)165.1gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いて3,5−ジアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチルエステル19.6gをγ−ブチロラクトン150mlに懸濁したものを攪拌しながら15分かけて加えた。続いて、p−フェニレンジアミン64.3gをγ−ブチロラクトン200mlに懸濁したものを攪拌しながら45分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリアミド酸エステルA)を得た。得られたポリアミド酸エステルAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は20000であった。
[実施例1]
得られたポリアミド酸エステルAを用いて以下の方法で感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、調製した組成物の評価を行った。
ポリアミド酸エステルA100gを、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム(光開始剤)4g、テトラエチレングリコールジメタクリレート4g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール2g、N−フェニルジエタノールアミン4g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸3g、及び2−ニトロソ−1−ナフトール0.02gと共に、NMP80gと乳酸エチル20gからなる混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の該混合溶媒をさらに加えることによって約75ポイズに調製し、感光性ポリアミド酸エステル組成物とした。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは280℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
[実施例2]
ポリアミド酸エステルBをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは260℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
[実施例3]
ポリアミド酸エステルCをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは250℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
[比較例1]
ポリアミド酸エステルDをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは240℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解が観察された。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
[比較例2]
ポリアミド酸エステルEをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは240℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Alで13MPa、Tiで9MPaであった。
本発明は、半導体装置、多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有用な感光性材料として用いられるものである。

Claims (2)

  1. (A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリアミド酸エステル100質量部に対して、(B)光開始剤1〜15質量部と、(C)溶媒30〜600質量部とを含む感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いて基材上にパターンを形成し、該パターンを230〜280℃で加熱硬化することにより、ポリイミドのパターンを得る工程を含むことを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
    Figure 2008076583
    (式中Xは、少なくとも2個のベンゼン環が単結合した4価の芳香族基、または1個のベンゼン環を含む4価の芳香族基であり、X’は1個または2個のベンゼン環を含む4価の芳香族基である。0.5≦m/(m+n)≦1.0である。RおよびR’はそれぞれ独立してオレフィン性二重結合を有する1価の基であり、同一であっても異なっていても良い。YおよびY’は1個のベンゼン環からなる2価の芳香族基であり、同一であっても異なっていても良い。)
  2. 請求項1に記載の感光性ポリアミド酸エステル組成物を基材に塗布して乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程、パターンを有するフォトマスクを介して、又は直接に該塗膜に紫外線を照射する工程、現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を除去して該基材上にレリーフパターンを形成する工程、該レリーフパターンを加熱することによりポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンからなる層を該基材上に形成する工程、アルゴン、酸素、及び四フッ化炭素から選択される少なくとも1種のガスで該層の表面をドライエッチング処理する工程、ならびに該層に接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成する工程、からなることを特徴とする積層体の製造方法。
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