JP2008076583A - 硬化レリーフパターンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)特定の一般式(1)で表される繰り返し単位をからなるポリアミド酸エステル100質量部に対して、(B)光開始剤1〜15質量部と、(C)溶媒30〜600質量部とを含む感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いて基材上にパターンを形成し、該パターンを230〜280℃で加熱硬化することにより、ポリイミドのパターンを得る工程を含むことを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンに接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
【選択図】なし
Description
ポリイミド樹脂を用いて半導体装置を製造する場合には、通常、ポリイミド樹脂膜を基材上に形成し、リソグラフィー技術を利用して所望のパターンを形成する。具体的には、ポリイミド樹脂膜の上に、フォトレジストとフォトマスクを用いてフォトレジストのパターンを形成し、その後にエッチィングによるポリイミド樹脂のパターン化を行うという間接的なパターン形成方法が用いられる。しかしながら、この方法においては、初めに、マスクとなるフォトレジストのパターンをポリイミド樹脂膜の上に形成し、次にポリイミド樹脂のエッチングを行い、最後に不要になったフォトレジストパターンの剥離を行わなければならないため、工程が複雑であり、更に間接的なパターン形成であるが故に解像度が低い。又、エッチングにヒドラジンのような有毒物質を溶剤として用いる必要があるため、安全性の問題もある。
近年、半導体装置等に用いられるポリイミド膜のパターンを形成する際の解像度の向上が求められている。上記の感光性ポリイミド技術が開発される以前の非感光性ポリイミドを用いたプロセスにおいては高い解像度が得られなかったため、それを前提にして半導体装置や製造プロセスが設計されており、それによって半導体装置の集積率や精度が限られていた。一方、感光性ポリイミド技術を用いると、パターン形成時に高い解像度が得られることから、集積率や精度の高い半導体装置の製造が可能となる。これに関して以下に説明する。
ところで、半導体装置の製造プロセスにおいて、感光性ポリイミドは一般に350℃以上の高温条件で熱処理を行う必要があった。例えば、感光性ポリイミド前駆体のポリイミドとして、テトラカルボン酸二無水物に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、ジアミンにパラフェニレンジアミンを原料とし、350℃で3時間加熱硬化させたものを絶縁層とし、絶縁層と熱酸化膜および絶縁層と金属層間の接着性を高める技術が例えば特許文献1に開示されている。しかしながら、高温処理が不可能な半導体装置においては、300℃以下の条件で低温硬化が可能で、かつ耐薬品性の高いポリマー系の開発が望まれていた。
<感光性ポリアミド酸エステル組成物>
(A)ポリアミド酸エステル
本発明で使用するポリアミド酸エステルは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリアミド酸エステルであり、例えば、ピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物との混合物をパラフェニレンジアミンとの縮合反応に付すことによって製造することができる。
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のX’基は、原料として用いるテトラカルボン酸誘導体に由来する。該テトラカルボン酸誘導体の例としては、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物が挙げられる。これらの酸無水物は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のYおよびY’基は、原料として用いる芳香族ジアミンに由来する。該芳香族ジアミンの例としては、p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−m−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
上記のテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応に用いるアルコール類は、オレフィン性二重結合を有するアルコール類である。具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシー2−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。これらのアルコール類は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
理論上、テトラカルボン酸二無水物のエステル化に使用するアルコール類の量は、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あたり1.0当量であるが、本発明においては、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あたり、1.01〜1.10当量になるようにアルコールを用いてテトラカルボン酸ジエステルを合成すると、最終的に得られる感光性ポリアミド酸エステル組成物の保存安定性が向上するので好ましい。
ポリアミド酸エステルの合成に使用するテトラカルボン酸ジエステルとジアミンのモル比は、1.0付近であることが好ましいが、目的とするポリアミド酸エステルの分子量に応じて0.7〜1.3の範囲で用いることができる。
本発明に用いるポリアミド酸エステルの具体的な合成方法に関しては従来公知の方法を採用することができる。これについては、例えば、国際公開第00/43439号パンフレットに示されている方法を使用することができる。
本発明で用いるポリアミド酸エステルの重量平均分子量は、8000〜150000であることが好ましく、9000〜50000であることがより好ましい。
本発明で使用する感光性ポリアミド酸エステル組成物の成分である光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、及びフルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール及び、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、2,6−ジ(4’−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、及び2,6’−ジ(4’−ジアジドベンザル)シクロヘキサノン等のアジド類、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、及び1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシンなどのN−アリールグリシン類、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物類、並びに芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類などが用いられるが、厚膜での硬化性及び光感度の点で上記オキシム類が好ましい。
これらの光開始剤の添加量は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、1〜15質量部が好ましい。開始剤をポリアミド酸エステル100質量部に対して1質量部以上添加することで光感度に優れ、15質量部以下添加することで厚膜i線硬化性に優れる。
本発明で使用するポリアミド酸エステル組成物の成分である溶媒としては、成分(A)及び(B)に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらは単独または二種以上の組合せで用いることができる。
これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、30〜600質量部の範囲で用いることができる。
さらに、本発明のポリアミド酸エステル組成物の保存安定性を向上させるため、溶媒として使用する有機溶剤中にアルコール類を含有させることが好ましい。
全溶媒中に占めるアルコール類の含量は5〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜30重量%である。アルコール類の含量が5重量%以上の場合には、(A)成分であるポリアミド酸エステル組成物の保存安定性が良好になる。また50重量%以下の場合には、(A)成分である感光性ポリアミド酸エステルの溶解性が良好になる。
本発明で使用する感光性ポリアミド酸エステル組成物には、更に光感度を向上させるために増感剤を添加することもできる。光感度を向上させるための増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、
光感度を向上させるための増感剤は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.1〜10質量部を用いるのが好ましい。
これらの内では接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。接着助剤の添加量は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.5〜10質量部の範囲が好ましい。
感光性ポリアミド酸エステル組成物に添加する熱重合禁止剤の添加量としては、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.005〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明のポリアミド酸エステル組成物においては、耐熱性及び耐薬品性を向上する成分として有機チタン化合物を使用することができる。使用可能な有機チタン化合物としては、チタン原子に有機化学物質が共有結合あるいはイオン結合を介して結合しているものであれば特に制限はない。
また、本発明に用いることのできる有機チタン化合物の別の具体的な例は、チタンキレート類である。本発明ではチタンキレート類のうち、2個以上のアルコキシ基を有する物が、組成物の安定性及び良好なパターンが得られることからより好ましく、具体的な好ましい例としては、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの有機チタン化合物の添加量は、(A)ポリアミド酸エステル100質量部に対し、0.3〜10質量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜2質量部である。添加量が0.3質量部以上で所望の耐熱性及び耐薬品性が発現し、また10質量部以下であれば保存安定性に優れる。
感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いて、ポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンを形成する方法の1つの態様としては、以下の工程が好ましい。
(a)感光性ポリアミド酸エステル組成物を基材に塗布、乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程。
(b)該塗膜を、パターンを有するフォトマスクまたはレチクルを介してまたは直接に紫外線を照射する工程。
(c)現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を溶剤で除去して、これにより該基板上にレリーフパターンを形成する工程。
(d)該レリーフパターンを230〜280℃で加熱硬化することにより、該レリーフパターン中のポリアミド酸エステルをイミド化し、これにより該基板上にポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンを形成する工程。
硬化レリーフパターンの製造方法において使用できる基材としては、シリコンウエハー、金属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素などが挙げられるが、好ましくはシリコンウエハーが用いられる。
塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性ポリアミド酸エステル組成物中のポリアミド酸エステルのイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾、あるいは加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で行うことができる。
こうして得られた塗膜は、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、パターンを有するフォトマスクまたはレチクルを介して紫外線光源等により露光され、次いで現像される。
上記のようにして得られたポリアミド酸エステルのパターンは加熱して感光性成分を希散させるとともにイミド化させることによって、ポリイミド樹脂からなるの硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化させる方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱の最大温度は230℃〜280℃の範囲が好ましい。該最大温度に保持する時間は30分〜5時間の条件で行うことが好ましい。加熱硬化させる際の雰囲気気体としては空気を用いても良く、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
上述の感光性樹脂組成物を用いて、ポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターン層と金属層とを有して成る積層体を製造する方法の1つの態様としては、以下の工程が好ましい。
上述の硬化レリーフパターンの形成方法により基材上に硬化レリーフパターンを形成する工程に続き、該層の表面をアッシング、またはプラズマエッチング等のドライエッチング処理する。硬化レリーフパターン層は、ポリイミド部分と無機微粒子部分という当該処理によるエッチングレートの異なる2つの部分を有するため、ドライエッチング処理によって樹脂金属間接着性の向上につながる表面の微小な凹凸を硬化レリーフパターンの表面に形成することができる。
ドライエッチング処理としては、酸素、アルゴン、四フッ化炭素等のガスを使用して、圧力1〜100Pa、時間は1〜30分の条件で行うことが好ましい。
上述のようにして、基材の上に得られたポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンの上に接して、さらにバンプ用または再配線用のメタル層(チタン、アルミニウム、または銅等の金属層)をスパッタリング等の薄膜作成方法によって設けることで本発明の積層体を製造することができる。そして、該積層体の製造方法を公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、ポリイミド樹脂層の上にチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を有する半導体装置を製造することができる。
実施例、比較例及び参考例においては、感光性ポリアミド酸エステル組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価した。
(1)重量平均分子量
各ポリアミド酸エステルの重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。
(2)ポリイミド塗膜のガラス転移温度(Tg)の測定
基板となる厚み625μm±25μmの5インチシリコンウエハー(日本国、フジミ電子工業株式会社製)上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布した後、窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱して熱硬化したポリイミド塗膜を得た。得られたポリイミド塗膜をシリコンウェハーから剥がしてポリイミドテープとした。得られたポリイミドテープを荷重200g/mm2 、昇温速度10℃/分、20〜500℃の範囲で熱機械試験装置(島津製作所製:TMA−50)により測定し、温度を横軸、変位量を縦軸にとった測定チャートにおけるポリイミドテープの熱降伏点の接線交点をTgとした。
感光性樹脂組成物を5インチシリコンウエハー上に回転塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いて、g線ステッパー(NSR1505g2、日本国、ニコン社製)により、300mJ/cm2 のエネルギーを照射した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、現像液としてシクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスしてレリーフパターンを得た。
該レリーフパターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて250℃で2時間、熱処理することにより、5μm厚のポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンをシリコンウエハー上に得た。
得られた硬化レリーフパターンについて、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液に110℃で1時間浸漬した後、表面パターンを観察し、耐薬品性試験を行った。パターンの溶解、パターンの剥れ、塗膜のひびがなければ合格とした。
基板となる厚み625μm±25μmの5インチシリコンウエハー(日本国、フジミ電子工業社製)上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性樹脂組成物を回転塗布した後、窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱して熱硬化したポリイミド塗膜を得た。
このポリイミド塗膜に低圧プラズマ処理をアッシング装置(神港精機社製、EXAM)を用いて酸素:四フッ化炭素の流量が40ml/分:1ml/分、50Pa、133Wの条件でプラズマアッシングを行った。このポリイミド塗膜に対し、スパッタ装置(アネルバ社製、L−430S−FH)を用いてアルゴンの流量が50sccm、1Pa、400Wの条件でアルゴンプラズマエッチングを行った。さらにこのポリイミド塗膜上にスパッタ装置(アネルバ社製、L−430S−FH)を用いて200nmの厚さでAl、またはTiの膜を形成した。このAlまたはTi膜上にエポキシ接着剤(昭和高分子社製、アラルダイトスタンダード)を用いて直径2mmのピンを接着し、これを引張り試験機(クワッドグループ社製、セバスチャン5型)を用いて引き剥がし試験を行った。引き剥がしに要する力が60Mpa以上であれば合格とした。
ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)104.1gとγ−ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)165.1gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いてp−フェニレンジアミン84.1gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリアミド酸エステルA)を得た。得られたポリアミド酸エステルAの重量平均分子量(Mw)は20000であった。
テトラカルボン酸として、ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gとベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)128.9gを用い、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン84.1gを用い、前述の特許文献1の実施例1に記載の方法と同様にして反応させてポリアミド酸エステルBを得た。ポリアミド酸エステルBの重量平均分子量(Mw)は24000であった。
<参考例3>(ポリアミド酸エステルCの合成)
テトラカルボン酸として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gとベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)128.9gを用い、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン84.1gを用い、前述の特許文献1の実施例1に記載の方法と同様にして反応させてポリアミド酸エステルCを得た。得られたポリアミド酸エステルCの重量平均分子量(Mw)は25000であった。
テトラカルボン酸として、ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gを用い、ジアミンとして3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン168.1gを用い、前述の特許文献1の実施例1に記載の方法と同様にして反応させてポリアミド酸エステルDを得た。得られたポリアミド酸エステルDの重量平均分子量(Mw)は25000であった。
<参考例5>(ポリアミド酸エステルEの合成)
ピロメリット酸二無水物(PMDA)87.2gと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)117.7gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)104.1gとγ−ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリアミド酸エステルA)を得た。得られたポリアミド酸エステルAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は20000であった。
得られたポリアミド酸エステルAを用いて以下の方法で感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、調製した組成物の評価を行った。
ポリアミド酸エステルA100gを、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム(光開始剤)4g、テトラエチレングリコールジメタクリレート4g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール2g、N−フェニルジエタノールアミン4g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸3g、及び2−ニトロソ−1−ナフトール0.02gと共に、NMP80gと乳酸エチル20gからなる混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の該混合溶媒をさらに加えることによって約75ポイズに調製し、感光性ポリアミド酸エステル組成物とした。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは280℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
ポリアミド酸エステルBをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは260℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
ポリアミド酸エステルCをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは250℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
ポリアミド酸エステルDをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは240℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解が観察された。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Al、Ti共に60MPa以上であった。
ポリアミド酸エステルEをポリアミド酸エステルAの代わりに使用した以外は実施例1と同様に感光性ポリアミド酸エステル組成物を調製し、評価を行った。
該組成物から得たポリイミド塗膜のTgは240℃であった。また、水酸化カリウム:ジメチルスルホキシド:3−メトキシ−3−メチルブタノールの重量比が1:59:40の溶液による耐薬品性試験において、パターンの溶解、パターンの剥がれ、塗膜のひびは観察されなかった。
該組成物から得たポリイミド塗膜のメタル接着性を上記の方法によって測定したところ、Alで13MPa、Tiで9MPaであった。
Claims (2)
- (A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるポリアミド酸エステル100質量部に対して、(B)光開始剤1〜15質量部と、(C)溶媒30〜600質量部とを含む感光性ポリアミド酸エステル組成物を用いて基材上にパターンを形成し、該パターンを230〜280℃で加熱硬化することにより、ポリイミドのパターンを得る工程を含むことを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項1に記載の感光性ポリアミド酸エステル組成物を基材に塗布して乾燥することにより該基材上に塗膜を形成する工程、パターンを有するフォトマスクを介して、又は直接に該塗膜に紫外線を照射する工程、現像液で現像することにより該塗膜の露光されなかった部分を除去して該基材上にレリーフパターンを形成する工程、該レリーフパターンを加熱することによりポリイミド樹脂からなる硬化レリーフパターンからなる層を該基材上に形成する工程、アルゴン、酸素、及び四フッ化炭素から選択される少なくとも1種のガスで該層の表面をドライエッチング処理する工程、ならびに該層に接してチタン及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属層を形成する工程、からなることを特徴とする積層体の製造方法。
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- 2006-09-20 JP JP2006253639A patent/JP2008076583A/ja active Pending
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