JP2003248966A - 可撓性記録ディスク - Google Patents

可撓性記録ディスク

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JP2003248966A
JP2003248966A JP2002048100A JP2002048100A JP2003248966A JP 2003248966 A JP2003248966 A JP 2003248966A JP 2002048100 A JP2002048100 A JP 2002048100A JP 2002048100 A JP2002048100 A JP 2002048100A JP 2003248966 A JP2003248966 A JP 2003248966A
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Japan
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flexible
disk
film
recording
substrate
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Application number
JP2002048100A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Yasutomo Aman
康知 阿萬
Shiyouzou Murata
省蔵 村田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転駆動時における回転軸方向の振れが空気
流の圧力差によって安定化される可撓性記録ディスクに
おいて、静止時の反りが小さい構造にする。 【解決手段】 成形後の記録面13側において転写層1
2は引張り応力,記録層13は圧縮応力,オーバーコー
ト14が引張り応力の膜になるため、反対面のオーバー
コート15を厚めなものとすることにより、フレキシブ
ル基板11の両面における残留応力を、互いに同じ大き
さ、かつ同じ向きとしてバランスさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性を有する光
ディスクなどの可撓性記録ディスクに係り、特に記録/
再生時の回転駆動時における回転軸方向の振れが空気流
の圧力差によって安定化される可撓性記録ディスクに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ放送のデジタル化が始まる
など、大容量のデジタルデータを記録することが光ディ
スクに求められている。光ディスクの高密度化のための
手法のうち、基本的な方法は記録/再生のための光のス
ポット径を小さくすることである。
【0003】このため、記録/再生のために用いられる
光の波長を短く、かつ対物レンズの開口数NAを大きく
することが有効である。光の波長についてはCD(comp
actdisk)では近赤外光の780nm、DVD(digital
versatile disk)では赤色光の650nm近傍の波長
が用いられている。最近、青紫光の半導体レーザが開発
され、今後は400nm近傍のレーザ光が使用されると
予想される。
【0004】また、対物レンズについては、CD用はN
A0.5未満であったが、DVD用はNA0.6程度で
ある。今後、さらに開口数(NA)を大きくしてNA
0.7以上とすることが求められる。しかし、対物レン
ズのNAを大きくすること、および光の波長を短くする
ことは、光を絞るときに収差の影響が大きくなることで
もある。したがって、光ディスクのチルトやデフォーカ
スに対するマージンが減ることになる。また、NAを大
きくすることによって焦点深度が小さくなるため、フォ
ーカスサーボ精度を上げなくてはならない。
【0005】さらに、高NAの対物レンズを使用するこ
とによって、対物レンズと光ディスクの記録面との距離
が小さくなってしまうため、光ディスクの面ぶれを小さ
くしておかないと、始動時のフォーカスサーボを引き込
む直前、対物レンズと光ディスクとが衝突することがあ
り、ピックアップの故障の原因となる。
【0006】短波長,高NAの大容量光ディスクとし
て、例えばO PLUS E(vol.20 No.2)
の183ページに示されているように、CDと同程度に
厚く剛性の大きい基板に記録膜を成膜し、記録/再生用
の光を基板を通さずに、薄いカバー層内を通して記録膜
に対して記録/再生する構成のシステムが提案されてい
る。
【0007】また、例えば特開平7−105657号公
報,特開平10−308059号公報に記載されている
ように、平面をもつ安定化板上で可撓性を有する光ディ
スクを回転させて、光ディスクにおける面ぶれを安定化
させる方法が知られている。
【0008】また、本発明者らは、特願2001−22
8943号により、フレキシブル基板に記録膜を形成し
たディスクにおいて、記録面の裏面側をガイドで空気安
定化して面ぶれを数μm以下とし、高NAレンズを用い
た光ディスクシステムを提案した。
【0009】図5は特願2001−228943号の発
明の説明図であり、1は可撓性を有するシート状の光デ
ィスク、2は光ディスク1のハブ3を保持するスピンド
ルシャフト、4はスピンドルシャフト2を回転駆動する
スピンドルモータ、5は、光ディスク1に対して光ビー
ムLaを出射して情報の書き込みを行う記録手段、およ
び光ディスク1からの反射ビームLbにより書き込まれ
た情報の読み取りを行う再生手段としての光ピックアッ
プ、6は光ピックアップ5に設けられた対物レンズ、7
は、光ディスク1を介して光ピックアップ5に対向設置
され、光ディスク1の面振れを防止するための安定化ガ
イド部材である。
【0010】前記光ディスク1の基本構成は図6の断面
図に示すものであって、記録層8が光ピックアップ5の
対物レンズ6に対向し、可撓性を有するディスク基板9
が安定化ガイド部材7に対向するように、スピンドルシ
ャフト2に設けられたチャッキング部にセットされる。
【0011】図5において、記録/再生時、前記構成の
可撓性を有する光ディスク1を、光ピックアップ5と安
定化ガイド部材7間で回転させる。回転している光ディ
スク1は、それ自体、小さいながら剛性を持ち、また回
転すると遠心力の作用により、真っ直ぐな状態になろう
とする力を持つ。したがって、光ディスク1に対して安
定化ガイド部材7を近づけて、ベルヌーイの法則に基づ
く空気流の圧力差による反発力を生成して光ディスク1
に与えることにより、光ディスク1が真っ直ぐになろう
とする力と、安定化ガイド部材7からの反発力の釣り合
いによって、大きな面ぶれ(ディスク回転軸方向の振
れ)を減少させることができる。
【0012】図5に示すような構成例では、光ディスク
1との対向面が円弧状をなす円柱状の安定化ガイド部材
7を用いており、光ディスク1における安定化ガイド部
材7による前記空気圧の作用による面ぶれが安定する部
位Aにおけるディスク回転方向上流側と下流側とに前記
空気圧の作用を生じさせない領域(安定化ガイド部材7
がない空間部)B,Cを設け、面ぶれを安定化させた部
位Aの前後位置に光ディスク1に「逃げ」となる部分を
存在させることによって、面ぶれを安定化させた部位A
における光ディスク1の反発力を小さくするようにして
いる。このようにしたことによって、空気力による安定
化力の効果が増大することになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記のように可撓性を
有するディスクにおける面振れを空気流の圧力差によっ
て安定化させる方法では、ディスクとして前記圧力差を
受けて容易に曲がり得る特性が必要となる。
【0014】ところが、ディスクの基板となる薄いプラ
スチックフィルムに対してスパッタリング、あるいは化
学的気相成長法にて記録膜を形成したり、トラッキング
用のグルーブなどを紫外線硬化樹脂で形成したりする
と、これらの膜における残留応力によって可撓性を有す
る基板が大きく反ることがあった。記録膜の成膜温度、
あるいは紫外線硬化樹脂の硬化時における収縮の状態な
どの違いにより、ディスク全体の反りの状態は影響を受
け、まったく反らないようにディスクを製造することは
困難であった。
【0015】特許第2942430号公報には、可撓性
を有するディスクの外周部に高剛性の部位を設けて、デ
ィスクの反りを小さくする方法が開示されている。この
方法はディスクの反りを小さくできるという利点がある
が、高剛性部を設けるためにディスクの厚みが大きくな
り、ジュークボックス型にディスクを積層して用いる場
合に小型化することに難がある。
【0016】また、静止時にディスクが反っていても回
転時にガイドで矯正して反り、面振れを小さくすること
は可能であるが、最初から反りが小さい方がガイドでの
安定化効果は大きい。
【0017】また、静止時の反りが大きいと、ディスク
を多数枚カートリッジに入れてジュークボックスタイプ
の装置として用いるとき、ディスクの起動時にディスク
が周辺と摺動して傷がつくおそれがある。
【0018】特開平9−54985号公報には、紫外線
硬化樹脂の硬化収縮による基板変形を2枚貼り合わせる
ことで打ち消す方法が開示されているが、可撓性を有す
るディスクを2枚の貼り合わせで作成することは、硬く
かつ厚い構成のディスクとは異なり、欠陥ができやす
く、しかも製造が難しい。
【0019】特許第2543230号公報には、基板が
薄くなったときに高剛性の板を挟んで貼ることにより、
薄い基板における反りを小さくするようにした方法が開
示されているが、この方法では薄くはなるが、ディスク
の可撓性がなくなり、前記のような空気流の圧力差によ
る面振れ安定化ができなくなってしまう。
【0020】本発明の目的は、回転駆動時における回転
軸方向の振れが空気流の圧力差によって安定化される可
撓性記録ディスクにおいて、静止時の反りを小さくで
き、数枚積載状態にしても載置高さを低くでき、しかも
互いに傷付けないようにできる構成の可撓性記録ディス
クを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、回転駆動時における回転軸
方向の振れが空気流の圧力差によって安定化される可撓
性記録ディスクにおいて、可撓性を有するディスク基板
の片面に圧縮応力あるいは引張り応力をもつ記録膜を形
成し、他面に前記記録面と同様に圧縮応力あるいは引張
り応力をもつ保護膜を形成したことを特徴とする。
【0022】請求項2記載の発明は、回転駆動時におけ
る回転軸方向の振れが空気流の圧力差によって安定化さ
れる可撓性記録ディスクにおいて、可撓性を有するディ
スク基板の片面に圧縮応力をもつ記録膜を形成し、他面
に引張り応力をもつ紫外線硬化樹脂からなる保護膜を形
成したことを特徴とする。
【0023】請求項3記載の発明は、回転駆動時におけ
る回転軸方向の振れが空気流の圧力差によって安定化さ
れる可撓性記録ディスクにおいて、可撓性を有するディ
スク基板の片面に圧縮応力をもつ記録膜を形成し、他面
に圧縮応力をもつ無機膜を保護膜として形成したことを
特徴とする。
【0024】請求項4記載の発明は、回転駆動時におけ
る回転軸方向の振れが空気流の圧力差によって安定化さ
れる可撓性記録ディスクにおいて、可撓性を有するディ
スク基板の片面に圧縮応力をもつ記録膜を形成し、他面
に圧縮応力をもつダイヤモンドライクカーボン保護膜を
形成したことを特徴とする。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項1〜4いず
れか1項記載の可撓性記録ディスクにおいて、ディスク
基板を平板上に静止させたときの反りが、中心部と周辺
部との高さの差Tとディスク半径Rとの比(T/R)が
0.1以下になるように設定したことを特徴とする。
【0026】前記構成の可撓性記録ディスクによれば、
可撓性を有するディスク基板における一面にプリグルー
ブを形成する転写層および記録/再生を行う記録層を形
成し、ディスク基板の他面に無機材料の薄膜あるいは紫
外線硬化樹脂の保護膜などを形成することにより、記録
膜やグルーブ転写層が形成されたディスク基板には基板
と膜の間に残留応力が発生するため、記録膜あるいはグ
ルーブ転写層が形成される面とは反対面に、前記残留応
力と同じ応力が発生するような膜を形成することにより
前記2面における応力をバランスさせることにより、反
りの発生を小さくすることができる。また、従来のよう
にディスク基板の一部を厚くするなどの補強構造が不要
であるためディスクが厚くならず、ディスクを積層した
ときに全体の厚さが高くなることがない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0028】図1は本発明の第1実施形態を説明するた
めの可撓性光ディスクの構成を示す断面図であり、フレ
キシブル基板(ディスク基板)11である厚さ60μ
m,直径120mmの円盤状ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム上に、紫外線硬化樹脂(大日本イ
ンキ製SD318)を用いて、厚さ15μmのグルーブ
転写層12を形成した。これはNiスタンパ上に紫外線
硬化樹脂を滴下し、その上にPETフィルムを貼り合わ
せて紫外線で硬化させ、その後,PETフィルムをスタ
ンパから剥離して製作した。0.7μmピッチでグルー
ブを形成し、ランドとグルーブの比率は1:1、かつグ
ルーブ深さは45nmである。
【0029】このフィルムをインラインスパッタ装置
(製品名アネルバILC3105)のスパッタトレイの
基板ホルダに装着し、4層からなる記録膜13をスパッ
タ成膜した。スパッタガスは全て純アルゴンであって、
ターゲット直径は200mmである。また混合体は、そ
れぞれの組成の合金または燒結体のターゲットを用い
た。
【0030】スパッタ時のトレイへのフレキシブル基板
11の装着は、直径120mmにカットしたフレキシブ
ル基板11を同じサイズのガラス板に載せ,外周をマス
クで押さえて取り付けた。したがって、スパッタ中はシ
ートは強制的に平面に保持される。
【0031】記録層13の成膜(4層)は,まず、転写
された紫外線硬化樹脂のグルーブの上に反射放熱層とし
てAg膜を30nm形成した。スパッタ圧力は0.3P
a、かつスパッタ電力は0.5kW/DCとした。
【0032】次に、断熱保護膜として、ZrO2−Y2
3−SiO2混合膜を6nm形成した。スパッタ圧力は
0.15Pa、かつスパッタ電力は1.5kW/RFと
した。
【0033】次に、相変化型記録層として、AgInS
bTeGe膜を10nm形成した。スパッタ圧力は0.
1Pa、かつスパッタ電力は0.3kW/DCとした。
【0034】次に、上部保護膜として、ZnS−ZrO
2−Y23混合膜を30nm形成した。スパッタ圧力は
0.15Pa、スパッタ電力は1.5kW/RFとし
た。
【0035】その後、ディスクをスパッタ装置から取り
出して、この記録層13の上に、紫外線硬化樹脂(大日
本インキ製PEA300)を3μmスピンコートし、紫
外線照射して硬化させ、オーバーコート(保護膜)14
とした。
【0036】最後に、このフレキシブル基板11のスパ
ッタ膜の反対面を、紫外線硬化樹脂(大日本インキ製S
D318)にて20μmスピンコートして、紫外線を照
射して硬化させ、オーバーコート(保護膜)15とし
た。
【0037】このディスクを、大口径レーザを用いた初
期化装置でAgInSbTeGe記録層を溶融し、結晶
化させた。
【0038】(表1)にこのディスクがPETシートの
状態から紫外線硬化樹脂でのグルーブ転写,成膜,反対
面の紫外線硬化樹脂コートと工程を経るにしたがって、
静止状態での反りがどのように変化したかを示す。反り
は、平板上に記録膜を下にディスクを載置し、反って捲
くり上がった最上点の高さとディスク直径の比で表し
た。反りなしであれば,この比は0になり、理想は0で
ある。
【0039】
【表1】 注(*)オーバーコート後、シートがロール状に丸まっ
てしまった。
【0040】(表1)において、フレキシブル基板の両
側の膜応力がバランスすればよいはずであるが、薄膜の
応力測定は難しい。また、最終目的はディスクが反らな
いことであるから、そりの状態が単純に小さいというこ
とでディスクを評価した。
【0041】ディスクの反りは普通は角度で定義する
が,可撓性光ディスクのような構造の場合,はなはだし
いときは捲くれ上がってロール状になってしまうなど、
極端な場合があり、またディスクを回転し、ピックアッ
プのレンズの動きから反りを評価する一般的な機械特性
評価装置では静止状態での反りは評価できない。回転す
ると、空気あるいは遠心力の影響を受けて状態が急速に
変化するからである。そこで、きわめて簡便ではある
が,ディスクを平板において、そのときの反って捲くり
上がった最上点の高さとディスク直径の比で反りの状態
で評価した。
【0042】(表1)に示すように、反対面のオーバー
コート15を形成することによって、ロール状に丸まっ
てしまうまでになったディスクをほぼ元に戻すことがで
きた。
【0043】前記実施形態の可撓性光ディスクにおい
て、スパッタの誘電体膜および金属膜は成膜後に圧縮応
力になる。また紫外線硬化樹脂も紫外線硬化するとき収
縮するために膜には引張り応力が残留する。記録面13
側において転写層12は引張り応力,記録層13は圧縮
応力,オーバーコート14が引張り応力の膜になる。こ
こで転写層12およびオーバーコート14は厚さが大き
く応力が大きい。そのため、反対面のオーバーコート1
5も厚めなものとし、互いの残留応力を同じ大きさ、か
つ同じ向きとしてバランスさせた。
【0044】このようにして、可撓性光ディスクでは、
ほぼ反りを除くことができたため、図5にて説明したよ
うなディスク駆動装置にて、支障なく記録再生を行うこ
とができた。
【0045】図2は本発明の第2実施形態を説明するた
めの可撓性光ディスクの構成を示す断面図であり、フレ
キシブル基板(ディスク基板)21である厚さ60μ
m,直径120mmの円盤状ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム上に、熱可塑製樹脂である塩化ビ
ニルを用いて厚さ10μmのグルーブ転写層22を熱転
写法にて形成した。0.7μmピッチでグルーブを形成
し、ランドとグルーブの比率は1:1、かつグルーブ深
さは45nmである。
【0046】このフィルムをインラインスパッタ装置
(製品名アネルバILC3105)のスパッタトレイの
基板ホルダに装着し、4層からなる記録膜23をスパッ
タ成膜した。スパッタガスはカーボン膜以外は純アルゴ
ンであり、ターゲット直径は200mmである。また、
混合体は、それぞれの組成の合金または燒結体のターゲ
ットを用いた。
【0047】スパッタ時のトレイへのフレキシブル基板
21の装着は、直径120mmにカットしたフレキシブ
ル基板21を同じサイズのガラス板に載置し、外周をマ
スクで押さえて取り付けた。したがって、スパッタ中は
シートは強制的に平面に保持される。
【0048】記録膜23の成膜(4層)は、まず、転写
されたグルーブの上に反射放熱層としてAg膜を40n
m形成した。スパッタ圧力は0.3Pa、かつスパッタ
電力は0.5kW/DCとした。
【0049】次に、断熱保護膜として、ZrO2−Y2
3−SiO2混合膜を6nm形成した。スパッタ圧力は
0.15Pa、かつスパッタ電力は1.5kW/RFと
した。
【0050】次に、相変化型追記記録層としてGeTe
膜を8nm形成した。スパッタ圧力は0.1Pa、かつ
スパッタ電力は0.3kW/DCとした。
【0051】次に、上部保護膜としてZnS−ZrO2
−Y23混合膜を25nm形成した。スパッタ圧力は
0.15Pa、かつスパッタ電力は1.5kW/RFと
した。
【0052】最後に、グラファイトターゲットを用い、
摺動保護膜としてカーボン保護膜24を形成した。膜厚
は10nmとした。スパッタガスはアルゴン/40体積
%のメタンを用いた。スパッタ圧力は0.15Pa、か
つスパッタ電力は1.0kW/RFとした。
【0053】この後、ディスクをスパッタ装置から取り
出して、フレキシブル基板21の記録膜23と反対側に
カーボン膜を形成した。本例では、化学的気相成長法を
用い、ダイヤモンドライクカーボン膜25を形成した。
膜厚は30nmとした。原料ガスにはトルエンを用い
た。成膜中圧力は0.8Pa、かつ投入電力は1kWと
した。
【0054】このディスクは、GeTeの成膜直後のア
モルファス相を駆動装置側に設置されたレーザ加熱で結
晶化することにより記録する追記型ディスクである。し
たがって、記録膜23上のカーボン保護膜24として摺
動性は良いが、耐熱性に劣るカーボン膜を用いることが
でき、紫外線硬化樹脂は一切用いる必要がない。このた
め記録膜23側における膜全部の応力は小さくなる。そ
のため、応力バランスのための記録膜23とは反対側の
膜をダイヤモンドライクカーボン膜25のみにすること
ができた。
【0055】ダイヤモンドライクカーボンは、摺動性が
よく、また記録膜23を含めて、全てドライ−プロセス
でディスクを形成できるために、欠陥が少なく、歩留ま
りの高いディスク製造を行うことができた。
【0056】なお、第2実施形態の可撓性光ディスクの
完成時の反り、高さ/直径の比の評価の結果、0.01
であって、きわめて良好な耐反り特性をもっていた。
【0057】図3は本発明の第3実施形態を説明するた
めの可撓性光ディスクの構成を示す断面図であり、フレ
キシブル基板(ディスク基板)31である厚さ75μ
m,直径120mmの円盤状で熱可塑製樹脂であるポリ
プロピレンフィルム上にグルーブ転写層32を熱転写法
にて形成した。0.7μmピッチでグルーブを形成し,
ランドとグルーブの比率は1:1、かつグルーブ深さは
45nmである。
【0058】このフィルムをインラインスパッタ装置
(製品名アネルバILC3105)のスパッタトレイの
基板ホルダに装着し、4層からなる記録膜33をスパッ
タ成膜した。スパッタガスは純アルゴンであり、ターゲ
ット直径は200mmである。また混合体は、それぞれ
の組成の合金または燒結体のターゲットを用いた。
【0059】スパッタ時のトレイへのフレキシブル基板
31の装着は、直径120mmにカットしたフレキシブ
ル基板31を同じサイズのガラス板に載置し、外周をマ
スクで押さえて取り付け。したがって、スパッタ中は、
フレキシブル基板31は強制的に平面に保持される。
【0060】記録膜33の成膜(4層)は、まず、転写
された紫外線硬化樹脂のグルーブの上に反射放熱層とし
てAl−1wt%Si膜を30nm形成した。スパッタ
圧力は0.2Pa、かつスパッタ電力は1.5kW/D
Cとした。
【0061】次に、保護膜としてSi34膜を6nm形
成した。スパッタ圧力は0.15Pa、かつスパッタ電
力は1.5kW/RFとした。
【0062】次に、光磁気型記録層としてTbFeCo
膜を10nm形成した。スパッタ圧力は0.1Pa、か
つスパッタ電力は0.3kW/DCとした。
【0063】次に、上部保護膜としてZnS−ZrO2
−Y23混合膜を20nm形成した。スパッタ圧力は
0.15Pa、かつスパッタ電力は1.5kW/RFと
した。
【0064】最後に、摺動保護膜として窒化シリコン保
護膜(Si34膜)34を10nm形成した。スパッタ
圧力は0.15Pa、かつスパッタ電力は1.5kW/
RFとした。
【0065】その後、ディスクをスパッタ装置から取り
出してフレキシブル基板31の記録膜33とは反対側に
カーボン膜を形成した。本例では化学的気相成長法を用
い、ダイヤモンドライクカーボン膜35を形成した。膜
厚は20nmとした。原料ガスにはトルエンを用いた。
成膜中圧力は0.8Pa、かつ投入電力は1kWとし
た。
【0066】第3実施形態の可撓性光ディスクは相変化
型ではないので記録温度が低く、また相変化に由来する
体積変化がないため、記録時に膜は微小な変形を生じな
い。したがって、膜変形を防止するために紫外線硬化樹
脂を一切用いる必要がない。このため、記録膜33側に
おける膜全部の応力は小さくなる。そのため、応力バラ
ンスのためのフレキシブル基板31における記録膜33
とは反対側の膜をダイヤモンドライクカーボン膜35の
みにすることができた。
【0067】ダイヤモンドライクカーボン膜35は摺動
性がよく、また記録膜33を含め、すべてドライ−プロ
セスでディスクを形成できるために、欠陥が少なく、歩
留まりの高いディスク製造を行うことができた。
【0068】なお、第3実施形態の可撓性光ディスクの
完成時の反り、高さ/直径の比の評価の結果、0.01
であって、きわめて良好な耐反り特性をもっていた。
【0069】図4は、前記実施形態のような可撓性光デ
ィスクを3600rpmで、かつ図5における空気力に
よって面振れを安定させるための機構(安定化ガイド部
材7)を備えずにフリーに回転駆動させたときのディス
ク面振れ(ピーク・ツー・ピーク:PP値)の状態をレ
ーザ変位計で測定した結果を示す図である。
【0070】フリー回転中の可撓性光ディスクは、図5
に示すような安定化ガイド部材7によって、その面振れ
を10μmまで抑制することができるが、回転当初の面
振れが大きいと安定化ガイド部材に当接,摺動してしま
うことがある。また、このような状態はフリー回転時に
は400μmを超えると生じる。
【0071】したがって、図5に示すような安定化ガイ
ド部材7を用いて可撓性光ディスクにおける面振れを1
0μm以下に抑制することを保証するには、ディスクの
フリー回転時の面振れを400μm以下にする必要があ
る。
【0072】このことから、図4を考察すると、ディス
ク面振れ400μmを保証することができるのは、可撓
性光ディスクにおける中心部と周辺部との高さの差Tと
ディスク半径Rとの比(T/R:図5参照)が0.1以
下のときである。よって、ディスク基板を平板上に静止
させたときの反りが、中心部と周辺部との高さの差Tと
ディスク半径Rとの比(T/R)が0.1以下になるよ
うに設定すれば、各実施形態における可撓性光ディスク
を、図5に示すような安定化ガイド部材7を用いてディ
スクの状態を良好に安定化させることが可能になる。
【0073】なお、本発明は、光ディスクに限定される
ものではなく、フレキシブル基板を用いた記録媒体すべ
てに対して適用することができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ディスク基板の表裏両面における残留応力のバランスを
とることにより、ディスクの反りの発生を抑制すること
ができるため、回転駆動時における回転軸方向の振れが
空気流の圧力差によって安定化される可撓性記録ディス
クにおいて、静止時の反りを小さくでき、良好な記録/
再生が行え、また、例えばディスクを数枚積載状態にし
ても載置高さを低くでき、しかも互いに傷付けないよう
にできるなどの実際的な効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための可撓性
光ディスクの構成を示す断面図
【図2】本発明の第2実施形態を説明するための可撓性
光ディスクの構成を示す断面図
【図3】本発明の第3実施形態を説明するための可撓性
光ディスクの構成を示す断面図
【図4】可撓性光ディスクを3600rpmで、かつ空
気力によって面振れを安定させるための機構を備えずに
フリーに回転駆動させたときのディスク面振れ(PP
値)の状態をレーザ変位計で測定した結果を示す図
【図5】特願2001−228943号の発明の説明図
【図6】可撓性光ディスクの基本構造例を示す断面図
【符号の説明】
1 光ディスク 5 光ピックアップ 7 安定化ガイド部材 8 記録層 9 ディスク基板 11,21,31 フレキシブル基板 12,22,32 グルーブ転写層 13,23,33 記録膜 14,15 オーバーコート 24 カーボン保護膜 25,35 ダイヤモンドライクカーボン膜 34 窒化シリコン保護膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/0037 G11B 7/0037 (72)発明者 村田 省蔵 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5D029 JC01 KB01 KB20 KC09 LA02 LA12 LC11 5D090 AA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動時における回転軸方向の振れが
    空気流の圧力差によって安定化される可撓性記録ディス
    クにおいて、 可撓性を有するディスク基板の片面に圧縮応力あるいは
    引張り応力をもつ記録膜を形成し、他面に前記記録面と
    同様に圧縮応力あるいは引張り応力をもつ保護膜を形成
    したことを特徴とする可撓性記録ディスク。
  2. 【請求項2】 回転駆動時における回転軸方向の振れが
    空気流の圧力差によって安定化される可撓性記録ディス
    クにおいて、 可撓性を有するディスク基板の片面に圧縮応力をもつ記
    録膜を形成し、他面に引張り応力をもつ紫外線硬化樹脂
    からなる保護膜を形成したことを特徴とする可撓性記録
    ディスク。
  3. 【請求項3】 回転駆動時における回転軸方向の振れが
    空気流の圧力差によって安定化される可撓性記録ディス
    クにおいて、 可撓性を有するディスク基板の片面に圧縮応力をもつ記
    録膜を形成し、他面に圧縮応力をもつ無機膜を保護膜と
    して形成したことを特徴とする可撓性記録ディスク。
  4. 【請求項4】 回転駆動時における回転軸方向の振れが
    空気流の圧力差によって安定化される可撓性記録ディス
    クにおいて、 可撓性を有するディスク基板の片面に圧縮応力をもつ記
    録膜を形成し、他面に圧縮応力をもつダイヤモンドライ
    クカーボン保護膜を形成したことを特徴とする可撓性記
    録ディスク。
  5. 【請求項5】 ディスク基板を平板上に静止させたとき
    の反りが、中心部と周辺部との高さの差Tとディスク半
    径Rとの比(T/R)が0.1以下になるように設定し
    たことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の可
    撓性記録ディスク。
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JP2006040362A (ja) * 2004-07-23 2006-02-09 Ricoh Co Ltd フレキシブル光ディスク及びその製造方法

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