JP2003247500A - エジェクタおよび冷凍システム - Google Patents

エジェクタおよび冷凍システム

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JP2003247500A
JP2003247500A JP2002045125A JP2002045125A JP2003247500A JP 2003247500 A JP2003247500 A JP 2003247500A JP 2002045125 A JP2002045125 A JP 2002045125A JP 2002045125 A JP2002045125 A JP 2002045125A JP 2003247500 A JP2003247500 A JP 2003247500A
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rotor
fluid
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nozzle
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JP2002045125A
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Kanetoshi Hayashi
謙年 林
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JFE Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動モータや軸受部の故障を減少させるとと
もに、ノズルに対向して設置された羽根付きロータに強
制的な回転力を与えることでエジェクタ効率の向上を図
ったエジェクタおよびこれを用いた冷凍システムを提供
する。 【解決手段】 一次流体の噴流によって二次流体の吸引
および/または昇圧するエジェクタであって、一次流体
を噴出するノズル2に対向して設けられる羽根10付き
ロータ9と、該ロータ9を回転させる駆動モータ11と
を含み、該駆動モータ11はディフューザ6内に固定さ
れたテール部材8に内蔵され、前記羽根10付きロータ
9を高速度で回転駆動することにより前記ノズル2から
噴出する一次流体と二次流体の二重らせん型押出し流の
らせんピッチを縮小する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空生成、圧縮、
昇圧などに供されるエジェクタに関し、特に一次流体と
二次流体の流れを二重らせん型押出し流とするととも
に、らせん型押出し流を生成する羽根付きロータを最適
回転数で回転駆動するようにしたエジェクタ、およびこ
れを用いた冷凍システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエジェクタは、図8に示すよう
に、ノズル100とディフューザ102を備え、ノズル
100から一次流体を高速度で噴射することによって低
圧の二次流体を吸引し、一次流体と二次流体を混合させ
つつディフューザ102から流出させるものである。ま
た、このようなエジェクタを用いて冷凍サイクルを構成
する場合には、上記二次流体が液相の状態で入っている
蒸発器をエジェクタに接続し、上記二次流体が蒸発・吸
引される際に発生する気化熱(蒸発潜熱)により発生す
る冷熱を利用する。従来のエジェクタでは、一次流体と
二次流体が接する界面104において、一次流体の噴流
によりせん断的に二次流体を巻き込みつつ混合させるも
のであるため、つまり吸引過程が一次流体と二次流体の
速度差などに起因する両流体間境界領域での乱れや渦に
よる巻き込みに基づいているため、エントロピの増大す
なわち有効エネルギーの損失は避けられないものとなっ
ていた。また、高エネルギー状態の一次流体と低エネル
ギー状態の二次流体が直接混合するため、ここでも有効
エネルギーの損失は避けられないものとなっていた。こ
れらの要因により、従来のエジェクタは効率が非常に低
いものであった。
【0003】有効エネルギーの損失を抑制し、エジェク
タの効率を向上させるためには、高エネルギー流体と低
エネルギー流体が直接接触する際、両流体の界面が、そ
れらの流れ方向に対して鉛直になっていることが望まし
い。言い換えれば、両流体界面の法線方向に流体が流れ
ていることが望ましい。この状態では、両流体が極力交
じり合わないような状態で流体間の界面を介してエネル
ギー(圧力)の授受が可逆的に行われる。さらに、高エ
ネルギー流体と低エネルギー流体は界面を介してエネル
ギーを交換し、概略同一エネルギー状態となった後に混
合する。このため、吸引・混合時の有効エネルギー損失
は、せん断による場合に比較して大幅に低減される。こ
のような、高エネルギー流体と低エネルギー流体の界面
がそれらの流れ方向に対して鉛直になっている状態は、
従来のエジェクタの如く一次流体噴流が定常的に流れて
いる場合には実現不可能である。
【0004】USP6,138,456公報に開示されているエ
ジェクタは、上記の状態を実現する一つの方策を提供し
ている。図9は同公報に示されたエジェクタの断面図で
ある。図9において、110は一次流体供給配管、11
1は二次流体供給配管、112は一次流体供給配管11
0の先端部に取り付けられたノズル、113はディフュ
ーザ、114はノズル112に対向して回転自在に設け
られた円錐体状のロータで、その円錐表面には複数の羽
根115が取り付けられている。116はロータ114
を支持する軸、117はディフューザ113内に同心に
固定されたスピンドルで、ロータ114を同心軸上に支
持する紡錘形状の部材である。
【0005】このエジェクタは、ノズル112の噴射口
に対向して極低摩擦で自由回転する円錐体状のロータ1
14を配設し、このロータ114の円錐面上に複数の傾
斜した羽根115を設け、この羽根115付きロータ1
14をディフューザ113内に同軸に支持する構成とな
っている。かかるエジェクタの構成によると、ノズル1
12からの一次流体の噴流がロータ114に取り付けら
れた羽根115に作用し、ロータ114が自由回転す
る。回転しているロータ114の羽根115が横切る下
流側には一次流体と二次流体のらせん流が形成される。
このらせん流の速度成分は、エジェクタ軸方向に大きな
速度成分を持つ。この際、一次流体と二次流体の界面
が、流体の速度方向に対して平行ではなく、らせんの強
さに応じた角度を有するため、せん断により巻き込む従
来方式に比較してエントロピの増大、すなわち有効エネ
ルギーの損失を低減することができる。さらに、一次流
体と二次流体が、その界面を介してエネルギー(圧力)
を交換して概略等エネルギー状態となった後に混合する
ため、エネルギー状態の異なる流体が直接混合する場合
に比較して有効エネルギー損失を抑制することができ
る。これらの効果により、エジェクタの効率が向上す
る。この一次流体および二次流体のらせん流は「非定常
流(non-steady flow)」と呼ばれている。ここに、非定
常流とは、流量、速度、圧力、温度などの状態が時間
的、空間的に変化する流れをいう。
【0006】また、ノズルを強制的に回転させるものと
してUSP5,647,221公報がある。図10は同公報に示
されたエジェクタの断面図である。図10において、1
20は一次流体供給配管、121は二次流体供給配管、
122は一次流体供給配管120の内部にアーム123
を介して固定されたモータで、一次流体供給配管120
の先端部に回転自在に設けられたロータ124を回転さ
せる。ロータ124には複数のノズル125が設けられ
ている。126はモータ122の回転軸、127はディ
フューザ、128はノズル125に対向してディフュー
ザ127内に同心状に固定された紡錘形状のテール部材
である。
【0007】このエジェクタは、一次流体供給配管12
0の先端部に回転自在に設けられたロータ214をモー
タ122により強制的に回転させる構成となっている。
かかるエジェクタの構成によると、ロータ124に複数
設けられたノズル125をモータ122により回転させ
るので、ノズル125から噴出する一次流体の噴流は、
ディフューザ126内において一次流体のらせん流を形
成する。したがって、このエジェクタの場合も、上記U
SP6,138,456公報によるエジェクタと同様に一次流体
と二次流体のらせん流を生成するため、エジェクタの効
率を向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記U
SP6,138,456公報によるエジェクタでは、ノズル11
2からの噴流によりロータ114を回転させているた
め、回転数が噴流の状態に依存し、必ずしも最適な状態
(回転数)で運転できるとは限らない。また、USP5,
647,221公報によるエジェクタでは、ノズル125上流
側が高圧の一次流体、下流側が低圧の二次流体となって
おり、ロータ124を支持しているモータ回転軸126
の軸受に大きなスラスト荷重が加わる。また、一次流体
供給配管120内にノズル125を回転させるモータ1
22を設けているので、モータ122が常時一次流体
(例えば、蒸気)中に浸漬しているため、モータの故障
が発生しやすい構成となっている。さらに、高速回転し
ているロータ124内部にも一次流体を流通させる必要
があるため、一次流体供給配管120とロータ124の
つなぎ目から一次流体(高圧)が二次流体(低圧)流路
側へリークするのを避けられない構造となっている。
【0009】したがって、本発明の目的は、駆動モータ
や軸受部の故障を減少させるとともに、ノズルに対向し
て設置された羽根付きロータに強制的な回転力を与える
ことでエジェクタ効率の向上を図ったエジェクタおよび
これを用いた冷凍システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエジェクタ
は、一次流体の噴流によって二次流体の吸引および/ま
たは昇圧するエジェクタであって、一次流体を噴出する
ノズルに対向して設けられる羽根付きロータと、該ロー
タを回転させる駆動手段とを含み、該駆動手段はディフ
ューザ内に固定されたテール部材に内蔵され、前記羽根
付きロータを高速度で回転駆動することにより前記ノズ
ルから噴出する一次流体と二次流体の二重らせん型押出
し流のらせんピッチを縮小することを特徴とするもので
ある。
【0011】本発明のエジェクタにおいては、固定され
たノズルから一次流体をエジェクタ軸方向に噴出する。
このノズルに対向して駆動手段により回転駆動される羽
根付きのロータがディフューザ内のテール部材に回転自
在に設けられている。そして、羽根付きロータの駆動手
段はテール部材に内蔵されている。回転駆動される羽根
付きロータの下流側では、ノズルからエジェクタ軸方向
に噴出する一次流体を羽根が回転しながら横切るため
に、らせん状に一次流体の圧力の疎密分布が形成され
る。この一次流体の圧力の疎(低圧)の部分に二次流体
が流入し、一次流体(高圧)のらせん状流体塊と二次流
体(低圧)のらせん状流体塊が二重らせん構造となった
状態が形成される。一次流体、二次流体それぞれのらせ
ん状の流体塊は、エジェクタ軸方向に大きな速度成分を
持ち、軸方向以外の速度成分が抑制されている(以下、
このらせん状の流れを「らせん型押出し流」という)。
上記二重らせん構造中の一次流体のらせん状流体塊と、
二次流体のらせん状流体塊の界面は、エジェクタ軸方向
の平行ではなく、らせんの強さ(ピッチ)に応じた角度
を有する。一次流体のらせん状流体塊と二次流体のらせ
ん状流体塊は、二重らせん構造で流れる間に、両流体の
圧力差に起因して、一次流体のらせん状流体塊が膨張し
つつ二次流体のらせん状流体塊を圧縮することになる。
この膨張・圧縮は容積的な現象に近いため、せん断によ
り巻き込む方式に比較してエントロピの増大、すなわち
有効エネルギーの損失を低減することができる。一次流
体のらせん状流体塊と二次流体のらせん状流体塊はその
界面を介して、上記膨張・圧縮によりエネルギー(圧
力)を交換して概略等エネルギー状態となった後に混合
するため、エネルギー状態の異なる流体が直接混合する
従来方式に比較して有効エネルギーの損失を抑制するこ
とができる。これらの効果により、エジェクタ効率は向
上する。
【0012】圧縮をより容積的すなわち、より低損失な
現象に近づけるためには、らせんのピッチを小さくし、
一次流体のらせん状流体塊と二次流体のらせん状流体塊
の界面の角度をエジェクタ軸方向に対して垂直に近づけ
ることが望ましい。本発明では、羽根付きロータを高速
度で回転させる駆動手段を備えたことにより、任意かつ
容易にらせんのピッチを縮小しかつ制御することが可能
となるため、上記効率の更なる向上が可能となる。さら
に、ロータの上流側と下流側でそれほど大きな圧力差は
生じないため、駆動手段や軸受に加わるスラスト荷重を
大幅に低減できる。また、駆動手段をテール部材に内蔵
させているので、一次流体や二次流体への浸漬・露出を
抑制でき、耐用性を向上させることができる。
【0013】また、エジェクタ効率(冷凍機のCOP)
は、図3に示すようにロータの回転数が高いほど大きい
が、ある程度の回転数以上になるとその向上率は頭打ち
となる。一方、ロータ駆動動力の面からは、回転数が低
いほど駆動動力が小さくてすむため、総合的に最適なロ
ータ回転数が存在する。本発明のエジェクタは、前記羽
根付きロータを最適回転数で回転数制御を行うことを特
徴としている。
【0014】また、本発明のエジェクタは、羽根付きロ
ータを高速回転させるものであるので、その駆動手段に
は電動モータを使用することが適している。また、ノズ
ルは、一次流体供給配管の先端部に取り付けられていれ
ばよく、ノズル数の制限はない。
【0015】また、ディフューザとテール部材との間の
環状流路に整流格子部材を設けるとよい。整流格子部材
によって環状流路を格子状に区切ることにより、一次・
二次流体の流れ方向を主流方向に制限するので、両流体
のエジェクタ軸方向以外の速度成分をさらに抑制するこ
とができる。
【0016】本発明の冷凍システムは、請求項1〜5の
いずれかに記載のエジェクタを用いて冷凍サイクルを構
成したことを特徴とする。
【0017】本発明のエジェクタは、羽根付きロータの
強制駆動回転により一次流体と二次流体の二重らせん型
押出し流とすることができるため、二次流体の吸引・混
合時の有効エネルギー損失が低減し、エジェクタの効率
が向上する。したがって、このようなエジェクタを用い
ることにより、一次流体に対する二次流体の流量比(=
[二次流体流量]/[一次流体流量])が増大し、冷凍
機としての効率(COP)が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0019】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態
1によるエジェクタの断面図である。このエジェクタ1
は、先端部にノズル2を有する一次流体供給配管3と、
一次流体供給配管3とハウジング4との間の空間を図示
しない二次流体供給配管からの二次流体が流れるように
した二次流体流路5と、ハウジング4に気密的に取り付
けられたディフューザ6と、ディフューザ6内に同心状
にアーム7で固定された紡錘形状あるいは流線形状のテ
ール部材8と、テール部材8の上流側端部(一次側寄り
の先端部)にてノズル2と対向して回転自在に設けられ
た円錐体状のロータ9と、ロータ9の円錐面上に取り付
けられた複数の羽根10と、テール部材8に内蔵され、
ロータ9を回転駆動するモータ11とから主として構成
されている。羽根10付きのロータ9はモータ11の回
転軸12に直結されている。図1において、回転軸12
は軸受13を介してテール部材8に回転自在に支持され
ているが、軸受13無しで直接モータ11で支持しても
良いし、また回転軸12とテール部材8との間に微小な
隙間を設けて回転軸12を軸受無しで支持しても良い。
【0020】上記のように構成されたエジェクタ1で
は、テール部材8に内蔵されたモータ11によって、ノ
ズル2に対向して設けられた羽根10付きロータ9を強
制的に回転させる。回転駆動される羽根10付きロータ
9の下流側では、ノズル2からエジェクタ軸方向に噴出
する一次流体を羽根10が回転しながら横切るために、
らせん状に一次流体の圧力の疎密分布が形成される。こ
の一次流体の圧力の疎(低圧)の部分に二次流体が流入
し、図2に示すように、一次流体(高圧)のらせん状流
体塊20と二次流体(低圧)のらせん状流体塊21が二
重らせん構造となった状態が形成される。一次流体、二
次流体それぞれのらせん状の流体塊20,21は、エジ
ェクタ軸方向に大きな速度成分を持ち、軸方向以外の速
度成分が抑制されている。上記二重らせん構造中の一次
流体のらせん状流体塊20と、二次流体のらせん状流体
塊21の界面は、エジェクタ軸方向の平行ではなく、ら
せんの強さ(ピッチ)に応じた角度を有する。一次流体
のらせん状流体塊20と二次流体のらせん状流体塊21
は、ロータ9の下流側において、テール部材8とディフ
ューザ6の間の環状流路14を流れる間に、両流体の圧
力差に起因して、一次流体のらせん状流体塊20が膨張
しつつ二次流体のらせん状流体塊21を容積的に圧縮す
る。一次流体のらせん状流体塊20と二次流体のらせん
状流体塊21は、上記膨張・圧縮により概略等エネルギ
ー状態となった後に混合し、ディフューザ6で速度エネ
ルギーを圧力エネルギーに回復し、流出配管(図示せ
ず)から流出する。
【0021】このように、羽根10付きロータ9は自由
回転ではなくモータ11により回転駆動するものである
ので、図2に示す一次流体と二次流体の二重らせん型押
出し流のらせんピッチを自由に変えることができる。そ
して、この二重らせん型押出し流のらせんピッチを小さ
くすれば、すなわちモータ11の回転数を上げれば、一
次流体のらせん状流体塊と二次流体のらせん状流体塊の
界面の角度をエジェクタ軸方向に対して垂直に近づける
ことができるため、エジェクタ効率や冷凍機としての効
率(COP)を大幅に向上させることが可能となる。
【0022】図3は、ロータ回転数とCOPとの関係を
示したグラフである。このグラフから分かるように、エ
ジェクタ効率(冷凍機のCOP)は、ロータの回転数が
高いほど大きいが、ある程度の回転数以上になるとその
向上率は頭打ちとなる。一方、ロータ駆動動力の面から
は、回転数が低いほど駆動動力が小さくてすむため、総
合的に最適なロータ回転数Naが存在する。したがっ
て、本発明のエジェクタは、この最適なロータ回転数N
aで羽根10付きロータ9の回転数制御を行うものであ
る。最適なロータ回転数Naは、このエジェクタが利用
される機器等(例えば、冷凍機)の性能にもよるが、実
験によれば、30,000rpm程度である。この回転数制御は
実験値あるいは後述するパラメータの計測値をもとに制
御を行う。
【0023】このように、羽根10付きロータ9の高速
回転を行わせるものであるため、モータ11としては電
動モータが適している。また、回転軸12の軸受13も
耐久性のきわめて高い高級軸受を使用するものとする。
さらに、モータ11は羽根10付きロータ9を回転させ
る側のテール部材8に内蔵されているので、一次流体や
二次流体の侵入がほとんどなく、モータ11や軸受部で
の故障が発生しにくいものとなっている。
【0024】実施の形態2.図4は本発明の実施の形態
2を示すものである。図5は図4のA−A線断面図、図
6は図4のB−B線断面図である。この実施の形態のエ
ジェクタ1は、一次流体供給配管3の先端部に複数のノ
ズル2を円環状に配設し、一次流体を各ノズル2からエ
ジェクタ中心軸にほぼ平行に噴出させるようにする。こ
の場合、羽根10付きロータ9はほぼ円柱体状に形成さ
れ、テール部材8に内蔵させたモータ11により回転駆
動する。また、テール部材8とディフューザ6との間に
形成される環状流路14の部分に円環状の整流格子部材
15を設けた構成としたものである。また、整流格子部
材15によってテール部材8を支持することができる。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0025】この実施の形態で示すように、ノズル2の
個数は特に限定されないものである。また、図示しない
ヘッダー部に複数のノズルを設ける構成としてもよい。
ロータ9に取り付けられた羽根10はノズル2から噴出
する一次流体の噴流を横切るものであれば何でもよく、
羽根10付きロータ9は自由回転ではなく、モータ11
により回転駆動するものであるので、羽根10の迎え角
等の制限はない。
【0026】この実施の形態においても、羽根10付き
ロータ9を最適回転数Naで回転数制御を行うことによ
り、エジェクタの効率および冷凍機効率(COP)を大
幅に向上させることができる。
【0027】また、この実施の形態のように、整流格子
部材15をテール部材8とディフューザ6との間の環状
流路14に設けた場合には、整流格子部材15によって
環状流路14をディフューザ半径方向および周方向に区
切ることになり、流れ方向が主流方向に制限されるた
め、一次流体と二次流体の速度成分を、よりエジェクタ
軸方向に平行にすることができ、エジェクタ軸方向以外
の速度成分を極力低減することができる。そのため、こ
の速度成分に起因するせん断巻き込みが低減されるの
で、エジェクタの効率がより向上する。なお、整流格子
部材15の貫通口16の形状は、図示したものに限定さ
れるものではなく、例えば円形状などでも構わない。
【0028】実施の形態3.図7は、本発明のエジェク
タを用いて冷凍サイクルおよびその制御システムを構成
した実施の形態を示す概要図である。エジェクタ1は、
ここでは実施の形態1で示した構造のものを使用してい
る。また、エジェクタ1に上記のように内蔵させた電動
モータ11には、回転数検出器30と制御装置31が接
続されている。このエジェクタ1のノズル2には、一次
流体として蒸気発生器32の駆動蒸気配管33が接続さ
れている。ハウジング4には二次流体として蒸発器34
の二次蒸気配管35が接続されている。また、エジェク
タ1は混合気排出管36により凝縮器37に接続され、
凝縮器37と蒸気発生器32は蒸気発生器戻りポンプ3
8をもつ蒸気発生器戻り配管39で接続され、凝縮器3
7と蒸発器34は減圧弁40をもつ蒸発器戻り配管41
で接続されている。凝縮器37に流入する一次流体の駆
動蒸気と二次蒸気の混合気は凝縮器37の冷却水熱交換
器42により冷却され、凝縮する。凝縮した水は、蒸気
発生器戻り配管39を経由して蒸気発生器32に戻され
ると同時に、蒸発器戻り配管41により蒸発器34に戻
される。蒸発器34内の二次蒸気がエジェクタ1により
吸引される際に発生する二次蒸気の気化熱(蒸発潜熱)
により温度低下、すなわち冷凍が発生し、蒸発器34に
接続されている冷熱負荷43を冷却する。
【0029】また、この制御システムでは、回転数検出
器30により電動モータ11の回転数を検出するほか、
冷凍機のCOPを直接算出可能なパラメータである、駆
動熱量、凝縮器冷却熱量、冷凍量や、間接的に算出可能
なパラメータである駆動蒸気流量、二次蒸気流量、蒸気
発生器32の圧力・温度、蒸発器34の圧力・温度、凝
縮器37の圧力・温度などを計測し、COPが最大とな
るように制御装置31により電動モータ11の回転数を
制御する。
【0030】このエジェクタ1を用いることにより、上
述したようにエジェクタの効率が向上するため、一次流
体に対する二次流体の流量比(=[二次流体流量]/
[一次流体流量])が増大し、冷凍機としての効率(C
OP)が向上する。
【0031】なお、蒸気発生器32に接続されている熱
交換器44の熱源としては、電力や燃料の燃焼によるも
ののほか、工場排熱や排ガス熱なども利用される。ま
た、一次、二次流体の冷媒としては、水、フロン、アル
コール、アンモニア、あるいはこれらの混合物などが利
用される。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、一次流
体を噴出するノズルに対向して設けられた羽根付きロー
タを駆動手段により高速度で回転駆動するものであるの
で、一次流体と二次流体の流れを二重らせん型押出し流
とすることができ、エジェクタ効率を大幅に向上させる
ことができるとともに、駆動手段をディフューザ内のテ
ール部材に内蔵させているので、駆動モータや軸受部の
故障を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるエジェクタの断面
図である。
【図2】図1のエジェクタの作用を示す説明図である。
【図3】ロータ回転数とCOPとの関係を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態2によるエジェクタの概要
図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図4のB−B線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3による冷凍システムおよ
びその制御システムの概要図である。
【図8】従来のエジェクタの概要図である。
【図9】USP6,138,456公報に示されたエジェクタの
断面図である。
【図10】USP5,647,221公報に示されたエジェクタ
の断面図である。
【符号の説明】
1 エジェクタ 2 ノズル 3 一次流体供給配管 6 ディフューザ 8 テール部材 9 ロータ 10 羽根 11 モータ 12 回転軸 13 軸受 14 環状流路 15 整流格子部材 20 一次流体塊 21 二次流体塊 30 回転数検出器 31 制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次流体の噴流によって二次流体の吸引
    および/または昇圧するエジェクタであって、 一次流体を噴出するノズルに対向して設けられる羽根付
    きロータと、該ロータを回転させる駆動手段とを含み、
    該駆動手段はディフューザ内に固定されたテール部材に
    内蔵され、前記羽根付きロータを高速度で回転駆動する
    ことにより一次流体と二次流体の二重らせん型押出し流
    のらせんピッチを縮小することを特徴とするエジェク
    タ。
  2. 【請求項2】 前記羽根付きロータを最適回転数で回転
    数制御を行うことを特徴とする請求項1記載のエジェク
    タ。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、電動モータからなるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のエジェクタ。
  4. 【請求項4】 前記ノズルは、一次流体の供給配管の先
    端部に取り付けられた一もしくは複数のノズルからなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエジ
    ェクタ。
  5. 【請求項5】 前記ディフューザと前記テール部材との
    間の環状流路に整流格子部材を設けたことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載のエジェクタ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のエジェ
    クタを用いて冷凍サイクルを構成したことを特徴とする
    冷凍システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112827690A (zh) * 2020-12-31 2021-05-25 广东省科学院新材料研究所 一种喷嘴装置及喷涂设备
CN114427549A (zh) * 2022-01-27 2022-05-03 广州大学 一种楔形波环状流发生器

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