JP2000230760A - 冷凍機 - Google Patents

冷凍機

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JP2000230760A
JP2000230760A JP11029892A JP2989299A JP2000230760A JP 2000230760 A JP2000230760 A JP 2000230760A JP 11029892 A JP11029892 A JP 11029892A JP 2989299 A JP2989299 A JP 2989299A JP 2000230760 A JP2000230760 A JP 2000230760A
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refrigerant gas
liquid
evaporator
refrigerant
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Kenji Ueda
憲治 上田
Tatsuya Sato
達哉 佐藤
Hideki Tachibana
英樹 立花
Kazuhiro Sakamoto
和宏 坂本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2339/00Details of evaporators; Details of condensers
    • F25B2339/02Details of evaporators
    • F25B2339/024Evaporators with refrigerant in a vessel in which is situated a heat exchanger
    • F25B2339/0242Evaporators with refrigerant in a vessel in which is situated a heat exchanger having tubular elements

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 満液式とスプレー式とを混合することにより
効率良く蒸発を行なわせることができる蒸発器を提供す
る。 【解決手段】 満液式に特化した満液式チューブ13を
シェル11内の相対的な下部に配設し、且つスプレー式
に特化したスプレー式チューブ15をシェル11内の相
対的な上部に配設するとともに、満液式チューブ13の
集合体で形成する満液式流通路A1、A2の数と、スプ
レー式チューブ15の集合体で形成するスプレー式流通
路Bの数との比を2:1とし、さらにスプレー式チュー
ブ15に冷媒液を噴霧するスプレー14には凝縮器5の
出口の高圧の冷媒液を供給するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸発器、圧縮機及び
これを有する冷凍機に関し、特にシェルアンドチューブ
式の蒸発器及び羽根車等の圧縮部を高速で回転させる圧
縮機を有する冷凍機、例えばターボ冷凍機に適用して有
用なものである。
【0002】
【従来の技術】図1はターボ冷凍機の構成の一例を示す
系統図である。同図に示すように、圧縮機1は蒸発器2
にて蒸発した冷媒(例えはフルオロカーボン類等の有機
冷媒)ガスを吸込部1cに吸入し、駆動電動機3により
高速回転する羽根車4により2段圧縮(1段圧縮でも勿
論良い。)して凝縮器5に吐出するように構成してあ
る。蒸発器2はその内部に充填した冷媒液とその内部に
取り込む冷水(ブライン)との間で熱交換を行うことに
より冷媒液を蒸発させるように構成した満液式と呼称さ
れる方式のものである。凝縮器5は圧縮機1より吐出さ
れた高温高圧の冷媒ガスをチューブ内を流れる冷却水に
より冷却して凝縮液化させるものである。中間冷却器6
は凝縮器5と蒸発器2との間に一定の圧力差を保持する
ともに、冷媒の一部を蒸発させて蒸発器2の潜熱の増大
を図るものである。したがって、この中間冷却器6は多
段圧縮機を有する場合に必要となる機器であり、1段圧
縮の圧縮機の場合には必要ない。なお、図中の実線が冷
媒液の配管、点線が冷媒ガスの配管である。
【0003】(111) かかるターボ冷凍機におい
て、蒸発器2のチューブ内を流れる冷水は、チューブの
周囲の冷媒より温度が高いため、熱は冷水より冷媒に移
行する。この結果冷媒液は、蒸発器2の内部の圧力に相
当する温度で蒸発し、圧縮機1に吸い込まれて高速回転
する一段目の羽根車4で圧縮され、中間冷却器6から流
入する低温の冷媒ガスにより降温した後、二段目の羽根
車4によってさらに圧縮されて凝縮器5に送られる。凝
縮器5内の高圧ガスは、チューブ内を流れる冷却水によ
り冷却され、凝縮器5内の圧力に相当する温度で凝縮す
る。
【0004】凝縮器5で凝縮した冷媒液は凝縮器5に配
管接続された中間冷却器6に入り、一段目オリフィスで
中間圧力まで減圧されて膨張し、一部は気化して冷媒ガ
スとなる。この冷媒ガスは配管を介して圧縮機1の二段
目の羽根車4に吸い込まれる。一方、冷媒液の蒸発によ
り降温した残りの冷媒液は二段目オリフィスでさらに減
圧されて蒸発器2に入り蒸発する。
【0005】かかる冷凍機において蒸発器2にはシェル
アンドチューブ方式のものが汎用されている。かかるシ
ェルアンドチューブ方式の蒸発器2は、さらに満液式シ
ェルアンドチューブ形の蒸発器と、スプレー式シェルア
ンドチューブ形の蒸発器に分けることができる。
【0006】満液式シェルアンドチューブ形の蒸発器2
は、図20に示すように、シェル11と呼称される円筒
状の容器内に、冷媒と熱交換する冷水を流通させる多数
のチューブ13をシェル11の軸方向に亘り水平に配設
したものであり、チューブ13をシェル11内に充填す
る冷媒液12中に浸漬しておき、チューブ13内を流通
する冷水と熱交換することにより冷媒液12を沸騰・蒸
発させるようにしたものである。したがって、この場合
の熱伝達は沸騰・蒸発により行なわれる。一方、スプレ
ー式シェルアンドチューブ形の蒸発器2は、図21に示
すように、満液式と同様のシェル11及びチューブ15
に加え、シェル11内でチューブ15の上方に配設した
スプレー14を有しており、シェル11の下面に固着し
た液溜め17内に貯溜された冷媒液12を冷媒ポンプ1
8で汲み上げ、スプレー14を介しチューブ15に向け
て噴霧するようになっている。かくして、噴霧した冷媒
液がチューブ15の外周面に付着して液膜16を形成
し、このチューブ15内を流通する冷水と熱交換するこ
とにより冷媒液を蒸発させるようにしたものである。し
たがって、この場合の熱伝達は膜蒸発により行なわれ
る。すなわち、満液式とスプレー式とは、シェルアンド
チューブ方式という点では共通するが、それぞれの蒸発
態様乃至熱伝達態様は異なる。なお、図22に示すよう
に、ジェットポンプ19を凝縮器5で生成した高圧の冷
媒液で駆動することで冷媒液12を汲み上げ、スプレー
14を介しチューブ15に向けて噴霧するようにしたも
のもあり、この場合でも同様の機能を有する。
【0007】上述の如く、蒸発器2には満液式シェルア
ンドチューブ形の蒸発器と、スプレー式シェルアンドチ
ューブ形の蒸発器とがあるが、特に大形のターボ冷凍機
では、通常満液式シェルアンドチューブ形の蒸発器が使
用される。従来技術に係るスプレー式シェルアンドチュ
ーブ形の蒸発器2は蒸発性能が低く、所望の蒸発性能を
確保しようとすれば、いきおい大形化せざるを得ないた
めである。一方、満液式シェルアンドチューブ形の蒸発
器2では、冷媒液12の液圧(冷媒液12の液面からの
深さ。)の影響を受けて冷媒液12の液面からの深さが
深くなるにつれ液柱分だけ冷媒液12の沸騰圧力が高く
なり、その分蒸発しにくくなる。すなわち、沸騰・蒸発
がチューブ13の位置によって一様ではないため、冷水
の精密な温度制御を行なう用途には適さない。
【0008】これに対し、スプレー式シェルアンドチュ
ーブ形の蒸発器2は膜蒸発により熱伝達を行なうもので
あり、各チューブ15で均一な蒸発が確保される。した
がって、冷水の精密な温度制御を行なうことができる。
このため、スプレー式シェルアンドチューブ形の蒸発器
2は冷水の温度制御を精密に行なう必要がある用途、例
えばダイナミック氷蓄熱システムにおいて過冷却水を作
る際の過冷却器等として用いられている。
【0009】(222) かかるターボ冷凍機における
圧縮機1の駆動電動機3はその駆動に伴い発熱するた
め、冷却する必要がある。図19に示す冷凍機において
は、凝縮器5の出口側の冷媒液で駆動電動機3の固定子
3a及び回転子3bの冷却を行なっている。このため、
管路21を介して凝縮器5の出口側の冷媒液を駆動電動
機3に供給するとともに、管路22を介して冷却後のガ
ス状となった冷媒ガスを蒸発器2に排出するようになっ
ている。すなわち、管路21の凝縮器5側はその駆動電
動機3側よりも高圧であり、管路22の駆動電動機3側
はその蒸発器2側よりも高圧であるため、それぞれの圧
力差で管路21を介して駆動電動機3の内部に冷媒液が
供給されるとともに、冷却後の冷媒が管路22を介して
蒸発器2に排出される。
【0010】従来技術に係る駆動電動機3の冷却構造を
図23に基づきさらに詳細に説明する。図23は駆動電
動機3の部分を抽出して示す説明図である。同図に示す
ように、固定子鉄心3cの中央部にはその上方から径方
向に沿って中心部に向かう垂直な孔3dが設けてあり、
凝縮器5から供給された冷媒液はこの孔3dを介して固
定子鉄心3cの内周面と回転子鉄心3eの外周面との間
のギャップに至り、このギャップに沿い軸方向(図中の
矢印A)に流通するように構成してある。また、上記冷
媒液は固定子鉄心3cの外周面にも供給され、この外周
面に沿って軸方向(図中の矢印B,C)に流通するとと
もに、上記ギャップを流通してその端部から流出した冷
媒と一緒になった後蒸発器2に排出される。すなわち、
固定子鉄心3cの内周面と回転子鉄心3eの外周面との
間のギャップには液状の冷媒が供給されるが、このとき
の冷媒液の一部が気化蒸発し、冷媒ガスとなることに伴
う気化熱によっても固定子3a及び回転子3bの発生熱
が効果的に吸収されて冷却される。
【0011】(333) かかるターボ冷凍機は回転体
であり軸受けを有し潤滑する必要がある。この潤滑油系
の配管を図19中に一点鎖線で示す。この場合の潤滑点
は、駆動電動機3の回転軸を支承する軸受3f,3g、
圧縮機1の羽根車4の回転軸を支承する軸受8a,8b
及び増速歯車9等である。これらの各部には、圧縮機1
のケーシング1a内の油タンク1bに内蔵された油ポン
プ7の駆動により油冷却器を介して潤滑油が供給され
る。この場合の軸受3f,3g,8a,8bには、通常
図24に示すような静圧軸受31が用いられる。この静
圧軸受31は、図中に矢印で示すように、中央の孔31
aを介して潤滑油を径方向に圧入し、支承する回転軸3
2の外周面に噴射するとともにこの回転軸32の軸方向
の両側に沿ってそれぞれ流し、出口31bからそれぞれ
流出させることにより回転軸32との間に油膜を形成す
るように構成したもので、この油膜を介して回転軸32
を支承する。
【0012】(444) この場合の潤滑油には、通常
冷媒に溶け込ませることができるものが使用されてい
る。潤滑油が蒸発器2の液面近傍以外の特定の場所に溜
まるのを防止し、冷媒とともに循環可能にするためであ
る。潤滑油は冷媒とケーシング1a内で接触するように
なっており、冷媒中には潤滑油が混入するとともに、こ
の状態の冷媒が凝縮器5を経て蒸発器2に至る。したが
って、蒸発器2では冷媒は蒸発してガスとなり圧縮機1
へ吸入されるが、潤滑油は蒸発しないので蒸発器2に残
留し、比重が冷媒よりも小さいので、蒸発器2内の冷媒
液にはその最上層に潤滑油の密度が高い層が形成され
る。
【0013】ところが、満液式の蒸発器2を持つ冷凍機
はある一定以上の量の油が冷媒中に溶け込むと冷媒の伝
熱特性は低下し蒸発器2内の圧力の異常な低下や、これ
に伴う圧縮機1の動力の増加を招来する。このため油回
収装置を設けている。
【0014】図25は従来技術に係るこの種の油回収装
置を概念的に示す説明図である。同図に示すように、開
口部2a,2b,2cは、潤滑油と冷媒液との混合液を
回収するよう蒸発器2の内部に臨んで開口するととも
に、蒸発器2の高さ方向に適宜配置させてシェル11ま
たは管板2dに複数個(図では3個)取り付けてある。
各開口部2a,2b,2cは弁41a,41b,41
c、ドライヤ42を経由してエジェクタ43の吸引口に
連通している。また、同様に凝縮器5内に開口する開口
部も弁45を経由してエジェクタ43の駆動流体口に連
通している。エジェクタ43の吐出口は弁44を介して
油タンク1bに連通している。
【0015】この油回収装置において搬送動力を供給す
るのがエジェクタ43である。このエジェクタ43は凝
縮器5入り口の冷媒ガス圧力が他の部分(蒸発器2及び
油タンク1b)の圧力よりも十分高いことを利用するも
ので、油タンク1b内の潤滑油の油面が所定の下限位置
まで低下した時点で動作させて潤滑油の回収を開始する
とともに、油面が所定の位置まで回復した時点で止め
る。さらに詳言すると、作動時には弁44を全開にす
る。その後弁45を開いて駆動流体である冷媒ガスをエ
ジェクタ43に供給する。この結果エジェクタ43の機
能により油タンク1bに向かうガス流が形成される。こ
の状態で弁41a,41b,41cの何れか1つを開く
と冷媒と潤滑油との混合液がエジェクタ43に吸引さ
れ、次いで混合液は上記ガス流に乗って油タンク1bへ
搬送される。
【0016】ここで開口部2a〜2cは3個設けている
が、これは当該ターボ冷凍機の負荷状態及び運転状態に
より蒸発器2内の冷媒液の液面が変動するからである。
すなわち、負荷が大きい時には冷媒液の液面が上がり、
負荷が低いときには下がる。また凝縮器5の圧力が高い
と液面が上り、低いと液面が下がる。このため上位、中
位及び下位等複数の液面にそれぞれ対応する必要があ
る。
【0017】一方、図19に示すように、圧縮機1の吸
込部1cにおいてもその周囲のケーシング1aには潤滑
油が付着するが、かかる潤滑油を油タンク1bに回収す
るため吸込部1cと油タンク1b間は均圧配管46で連
通してある。油タンク1bと当該冷凍機で最も圧力が低
い吸込部1cとを同圧として吸込部1cに存在する潤滑
油を位置ヘッド差により必ず油タンク1bに回収される
ようにするためである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】(111) 上述の如
く従来技術に係るシェルアンドチューブ方式の蒸発器2
は、特殊な用途に供する場合を除き、特に大形の冷凍機
では、図20に示すように、通常満液式シェルアンドチ
ューブ形の蒸発器2が用いられる。かかる満液式シェル
アンドチューブ形の蒸発器2においては、蒸発時の気泡
による冷媒液12の液面の上昇を考慮しても最も液面が
高くなる最大負荷時に全てのチューブ13が冷媒液12
浸漬されるようにこの冷媒液12を充填している。した
がって、部分負荷時には冷媒液12の液面が下がり上部
のチューブ13の中には冷媒液12に浸漬されず冷媒液
12の沸騰・蒸発に寄与しないものがでてくる。さら
に、最大負荷時においても上部のチューブ13は下部の
チューブ13からの冷媒ガスによりボイド率の高い(ガ
スの割合が多い)冷媒液12中に浸漬されており、満液
式に特化したチューブ13はその特性を活かしきれな
い。このため、チューブ13の集合体に伝熱を寄与しな
い無効部が含まれることとなり、全体的な熱交換性能の
低下を招来するという問題がある。
【0019】(222) 図23に示すように、従来技
術に係る冷凍機の圧縮機1においては、冷媒液によりそ
の駆動電動機3の冷却を行なっているので、熱容量が大
きく、また冷媒液の蒸発熱も利用することができるの
で、冷却性能の良好なものが得られるが、固定子鉄心3
cの内周面と回転子鉄心3eの外周面との間のギャップ
に粘性が大きい冷媒液が流入することとなり、これが回
転子3bの回転時の抵抗となって駆動電動機3の動力を
増加させる要因となる。かかる動力の増加は駆動電動機
3の回転速度が大きくなる程顕著になる。
【0020】(333) 上述の如く従来技術に係る冷
凍機においては、冷媒中に漏れ出た潤滑油が回収不能な
場所に貯溜するのを防止するため、この潤滑油は冷媒に
対してある程度の相溶性を有するものを用いている。こ
の場合、冷媒液は潤滑油に較べて粘性が低いため、潤滑
油に溶け込む冷媒比率が大きくなると、この潤滑油の軸
受け負荷能力が低下するという問題を生起する。また、
潤滑油が冷媒中に漏れ出るため、定期的なその回収、補
充、入替え等のメンテナンスに多大の時間を要する。
【0021】上述の如き潤滑油を用いることに伴う問題
点は、潤滑油の代わりに冷媒自体を用いることができれ
ば解消するが、冷媒液を用いた場合には、軸受け負荷能
力が低く軸受の大形化を招くばかりでなく、静圧軸受3
1内に供給された冷媒液がその内部の回転軸32部分の
発熱により出口31bに至る迄の間に蒸発することがあ
り、このように蒸発した場合には、極端に軸受け負荷能
力が低下するという問題がある。かかる問題は、最初か
ら冷媒ガスを採用する方法も考えられるが、冷媒ガスの
場合には、さらに軸受け負荷能力が低いため、既存の静
圧軸受の発想ではこの課題を解決することはできない。
【0022】(444) 上述の如き従来技術において
冷媒系統に流出した潤滑油は、基本的には、蒸発器2に
集め、この蒸発器2に滞留する潤滑油をエジェクタ43
により油タンク1bに戻すことにより回収している。こ
のときエジェクタ43では凝縮器5から油タンク1bに
向かうガス流が蒸発器2内の潤滑油を搬送する際の駆動
流体として機能する。したがって、エジェクタ43によ
る潤滑油の回収能力は凝縮器5と油タンク1bとの間の
圧力差により決定され、それ以上の回収を行なうことは
できない。
【0023】一方、圧縮機1の吸込部1cでは冷媒ガス
中にミストとして含有される潤滑油が飛散して周囲のケ
ーシング1a等に付着し、自重で下降した後、下部に溜
まる。このように飛散して周囲に付着する潤滑油は吸込
部1cのベーンの駆動リンク等を潤滑するため、積極的
にこの現象を利用してはいるが、潤滑に要する量以上の
潤滑油が付着する場合も多い。また、油タンク1bの内
部において、潤滑油はミスト状のものとしても存在する
が、かかるミスト状の潤滑油は均圧配管46を介して逆
に吸込部1c側に流出し、これが液化して吸込部1cの
周囲に付着する。このようにして吸込部1cの周囲に付
着して液化した潤滑油は場合によっては回収不可能な場
所に貯溜されてしまう。
【0024】したがって、冷媒系統に流出した潤滑油を
的確に回収するには、圧縮機1の吸込部1cの周辺に付
着する潤滑油を効果的に回収する必要がある。
【0025】本願発明は、上記従来技術に鑑み、以下を
目的とする。 (111) 満液式とスプレー式とを組み合わせること
により効率良く蒸発を行なわせることができる蒸発器及
びこれを有する冷凍機を提供すること。 (222) 圧縮機駆動電動機の冷却性能を向上させか
つ回転損失の低い圧縮機駆動電動機及びこれを有する冷
凍機を提供すること。 (333) 液軸受を用いることなく、小形で良好な軸
受性能を確保することができる圧縮機及びこれを有する
冷凍機を提供すること。 (444) 圧縮機の吸込部の周囲に付着する潤滑油を
効果的に回収し得るようにした圧縮機及び冷凍機並びに
その運転方法を提供すること。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は次の点を特徴とする。 1) シェルアンドチューブ式の蒸発器において、冷媒
液に浸漬した状態でこの冷媒液を沸騰・蒸発させるよう
満液式に特化した満液式チューブをシェル内の相対的な
下部に配設するとともに、上方のスプレーから噴霧する
ことにより付着する冷媒液を膜蒸発させるようスプレー
式に特化したスプレー式チューブをシェル内の相対的な
上部に配設し、さらに上記満液式チューブの集合体で形
成する満液式流通路に含まれる流通路の数と、上記スプ
レー式チューブの集合体で形成するスプレー式流通路に
含まれる流通路の数とを、スプレー式流通路に含まれる
流通路の数が満液式流通路に含まれる流通路の数に較べ
同数以下になるようにするとともに、満液式流通路又は
スプレー式流通路から流出した液体がスプレー式流通路
又は満液式流通路に流入するように構成したこと。本発
明によれば、満液式チューブ及びスプレー式チューブで
形成する流通路毎に熱通過率が最適となる熱流束に持っ
てくることができるばかりでなく、部分負荷時に満液式
チューブの一部が冷媒液に浸漬されない状態となって
も、かかる状態の満液式チューブの表面は上方のスプレ
ー式チューブを流下する冷媒液により濡らすことができ
るので、この部分においても膜蒸発による熱伝導が行な
われる。また、スプレーに供給される冷媒液の量はスプ
レー式チューブの伝熱に必要な濡れ性を確保するのに十
分な量となる。
【0027】2) 上記1)に記載する蒸発器におい
て、スプレーは凝縮器、中間冷却器又はサブクーラから
の高圧の冷媒液を噴霧するように構成したものであるこ
と。これにより、従来技術に係るスプレー式シェルアン
ドチューブ形の蒸発器における冷媒ポンプ等の如き特別
な機器を必要とすることなく、スプレー式流通路で必要
とする冷媒液量以上の冷媒液をスプレーからスプレー式
チューブに向けて噴霧することができる。
【0028】3) 上記1)又は2)に記載する蒸発器
において、満液式チューブは、チューブ本体の表面に多
数の窪みを有する沸騰伝熱促進管で形成したこと。これ
により、沸騰伝熱促進管の窪みに冷媒液が入り込み、こ
のように入り込んだ冷媒液が集中的に満液式チューブを
流通する冷水と熱交換して蒸発することにより冷媒液を
高い伝熱性能で沸騰蒸発させることができる。
【0029】4) 上記1)又は2)に記載する蒸発器
において、スプレー式チューブは、チューブ本体の表面
に径方向に突出して設けるフィンの高さを最適なものと
してその数を増やすとともに、フィンの一部を軸方向に
切り欠いて付着した冷媒液がこの切り欠きに沿い移動し
得るように構成したものであること。これにより、スプ
レー式チューブに付着した冷媒液の液膜をこのスプレー
式チューブの表面の全域に広げることができるので、こ
の液膜を効果的に膜蒸発させることができる。
【0030】5) 羽根車等の圧縮部を駆動電動機で回
転することにより吸入した冷媒ガスを圧縮して吐出する
圧縮機において、駆動電動機の固定子を占位させる固定
子空間と、固定子と回転子間のギャップを含み回転子を
占位させる回転子空間との間に仕切り部材を設けて両空
間を分離する一方、冷媒液供給口から固定子空間内に冷
媒液を供給して固定子を冷却し、その後冷媒液排出口か
らこの冷媒液を排出する一方、冷媒ガス供給口から回転
子空間に冷媒ガスを供給して固定子と回転子間のギャッ
プに沿い軸方向に流通させて回転子を冷却し、その後冷
媒ガス排出口からこの冷媒ガスを排出するように構成し
たこと。本発明によれば、固定子空間と回転子空間とは
仕切り部材で仕切られて独立した別々の空間となり、固
定子は熱容量の大きい冷媒液で冷却され、回転子、特に
その固定子の内周面との間のギャップに臨む部分は粘性
の低い冷媒ガスで冷却される。
【0031】6) 上記5)に記載する圧縮機は、駆動
電動機の回転軸に圧縮部の羽根車を直結したものである
こと。このように、駆動電動機の回転軸に羽根車を直結
したことにより、駆動電動機を高速回転とする必要があ
るが、粘性が低い冷媒ガスで冷却することにより電動機
回転損失の増大を抑えることができる。
【0032】7) 上記5)又は6)に記載する圧縮機
において、冷媒ガスの通路に臨ませて冷却リングを回転
軸に固着し回転子の冷却能力を増大すること。これによ
り、冷媒ガスはリングとも熱交換するため、回転子はこ
のリングを介しても冷媒ガスにより冷却される。
【0033】8) 上記5)乃至7)の何れか一つに記
載する圧縮機を有する冷凍機において、凝縮器の出口側
から圧縮機の冷媒液供給口を介して駆動電動機の固定子
空間内に冷媒液を供給するとともに冷媒液排出口から排
出する冷媒液を蒸発器の入口側に供給する一方、蒸発器
の出口側から圧縮機の冷媒ガス供給口を介して駆動電動
機の回転子空間に冷媒ガスを供給するとともに冷媒ガス
排出口から排出する冷媒ガスを圧縮機の吸引部に戻すよ
うに構成したこと。この結果、固定子は凝縮器から供給
される熱容量の大きい冷媒液で冷却され、回転子、特に
その固定子の内周面との間のギャップに臨む部分は蒸発
器から供給される粘性の低い冷媒ガスで冷却される。こ
のとき、冷媒液は凝縮器と蒸発器との間の差圧により固
定子空間内に供給される。また、固定子を冷却した冷媒
液は蒸発器に戻され、回転子を冷却した冷媒ガスは圧縮
機の吸い込み部に戻され、それぞれ当該冷凍機の冷媒と
して機能する。
【0034】9) 上記5)乃至7)の何れか一つに記
載する圧縮機を有する冷凍機において、蒸発器の出口側
から冷媒ポンプで汲み上げた冷媒液を圧縮機の冷媒液供
給口を介して駆動電動機の固定子空間内に供給するとと
もに、冷媒液排出口から排出する冷媒液を蒸発器の入口
側に供給する一方、蒸発器の出口側から圧縮機の冷媒ガ
ス供給口を介して駆動電動機の回転子空間に冷媒ガスを
供給するように構成したこと。この場合、冷媒液は蒸発
器の出口側から冷媒ポンプで汲み上げているので、当該
冷凍機の始動時であっても確実に冷媒液を固定子空間内
に供給することができる。
【0035】10) 駆動電動機の回転により圧縮部で
冷媒ガスを圧縮する圧縮機において、高圧の冷媒ガスを
駆動電動機の回転子鉄心と固定子鉄心との間のギャップ
に供給してこの冷媒ガスを作動流体とする静圧軸受を形
成し、この静圧軸受で回転子鉄心を支承するように構成
したこと。本発明によれば、駆動電動機の回転子鉄心は
当該圧縮機で圧縮する冷媒ガスと同種の冷媒ガスを作動
流体とする静圧軸受により支承される。
【0036】11) 駆動電動機で駆動する圧縮機によ
り圧縮した高温高圧の冷媒ガスを凝縮器で冷却水と熱交
換することにより凝縮するとともに、このようにして凝
縮した高圧の冷媒液を蒸発器で冷水と熱交換することに
より蒸発させて低圧の冷媒ガスとして上記圧縮機に戻す
ように構成した冷凍機において、駆動電動機の回転子鉄
心は、この回転子鉄心と固定子鉄心との間のギャップに
高圧の冷媒ガスを供給して形成した静圧軸受で支承する
ように構成したこと。この結果、駆動電動機の回転子鉄
心は当該冷凍機の圧縮機で圧縮する冷媒ガスと同種の冷
媒ガスを作動流体とする静圧軸受により支承される。
【0037】12) 上記11)に記載する冷凍機にお
いて、圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高
圧の冷媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒
ガスを使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転
子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは圧縮機が吐出する冷
媒ガスをそのまま利用するとともに、回転子鉄心の静圧
軸受けの作動流体として機能した冷媒ガスは蒸発器へ戻
すように構成したこと。この結果、圧縮機の起動時には
圧力タンクに貯溜する高圧の冷媒ガスにより回転子鉄心
を浮かし、圧縮機の定常運転時には圧縮機で圧縮した高
温高圧の冷媒ガスで駆動電動機の回転子鉄心を継続して
支承する。この場合の静圧軸受の作動流体として機能し
た冷媒ガスは蒸発器に供給される。
【0038】13) 上記11)に記載する冷凍機にお
いて、圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高
圧の冷媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒
ガスを使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転
子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは凝縮器の飽和冷媒ガ
スを別のガス圧縮機で圧縮して得るとともに、静圧軸受
の作動流体として機能した冷媒ガスは凝縮器へ戻すよう
に構成したこと。
【0039】14) 上記11)に記載する冷凍機にお
いて、圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高
圧の冷媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒
ガスを使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転
子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは蒸発器の冷媒ガスを
別のガス圧縮機で圧縮して得るとともに、静圧軸受の作
動流体として機能した冷媒ガスは蒸発器へ戻すように構
成したこと。
【0040】15) 上記11)に記載する冷凍機にお
いて、圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高
圧の冷媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒
ガスを使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転
子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは蒸発器の冷媒ガスを
別のガス圧縮機で圧縮して得るとともに、静圧軸受の作
動流体として機能した冷媒ガスは凝縮器へ戻すように構
成したこと。
【0041】16) 吸込部に吸い込んだ冷媒ガスを圧
縮し、高温高圧の冷媒ガスとして凝縮器に吐出するとと
もに、そのケーシング内のオイルタンクに貯溜する潤滑
油を油ポンプの駆動により軸受部分等の潤滑部位に供給
するように構成した圧縮機において、上記冷媒ガスの吸
込部と上記オイルタンクとの間に油ポンプにより汲み上
げた潤滑油を駆動流体とするジェットポンプを設け、こ
のジェットポンプの駆動により上記吸込部に存在する潤
滑油を上記オイルタンクに回収するように構成したこ
と。
【0042】17) 圧縮機で圧縮した高温高圧の冷媒
ガスを凝縮器で冷却液と熱交換することにより凝縮させ
るとともに、このようにして凝縮した高圧の冷媒液を蒸
発器で冷水と熱交換することにより蒸発させて低圧の冷
媒ガスとして上記圧縮機に戻すように構成し、さらに上
記圧縮機においてはそのケーシング内のオイルタンクに
貯溜する潤滑油を油ポンプの駆動により軸受部分等の潤
滑部位に供給するように構成した冷凍機において、圧縮
機における冷媒ガスの吸込部と上記オイルタンクとの間
に油ポンプにより汲み上げた潤滑油を駆動流体とするジ
ェットポンプを設け、このジェットポンプの駆動により
上記吸込部に存在する潤滑油を上記オイルタンクに回収
するように構成したこと。
【0043】18) 上記17)に記載する冷凍機の運
転方法であって、当該冷凍機の冷凍運転を停止した後
も、一定時間油ポンプの運転のみを継続すること。
【0044】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。
【0045】(111) 図1は本発明の実施の形態に
係る蒸発器を概念的に示す説明図である。本形態に係る
蒸発器2は、従来の蒸発器と同じシェルアンドチューブ
式の熱交換器ではあるが、満液式シェルアンドチューブ
形のものとスプレー式シェルアンドチューブ形のものと
を組み合わせた構成となっている。すなわち、満液式に
特化した満液式チューブ13をシェル11内の相対的な
下部に配設するとともに、スプレー式に特化したスプレ
ー式チューブ15をシェル11内の相対的な上部に配設
してある。さらに本形態では、スプレー式流通路Bに熱
流束が大きいという負荷条件を与えて満液式流通路Aを
低熱流束域とするため、スプレー式チューブ15の集合
体で形成するスプレー式流通路Bから流出した冷水が、
満液式チューブ13の集合体で形成する満液式流通路A
に流入するように形成してある。かかる負荷条件は逆に
しても良く、この場合には満液式流通路Aで冷却された
冷水がスプレー式流通路Bでさらに冷却される構造とす
る。
【0046】ここで「満液式に特化した満液式チューブ
13」とは、冷媒液12に浸漬した状態でこの冷媒液1
2をプール沸騰させる際に良好な沸騰伝熱特性を有する
もので、例えば図2(a)に示すように、チューブ本体
13aの表面に多数の窪み13bを形成した沸騰伝熱促
進管と呼称されるチューブで好適に形成することができ
る。この沸騰伝熱促進管を用いた場合、その窪み13b
に冷媒液12が入り込み、このように入り込んだ冷媒液
12が集中的に冷水と熱交換して蒸発する。すなわち、
蒸発部位を窪み13bの部分に限定することにより効率
良く沸騰・蒸発を行なわせることができるようにしたも
のである。
【0047】また、「スプレー式に特化したスプレー式
チューブ15」とは、シェル11の内部で当該スプレー
式チューブ15の上方に配設したスプレー14から噴霧
して付着させる冷媒液を膜蒸発させる際に良好な膜伝熱
特性を有するもので、例えば図2(b)に示すように、
チューブ本体15aの表面に径方向に突出して設けるフ
ィン15bの高さを最適なものとしてその数を増やすと
ともに、フィン15bの一部を軸方向に切り欠いた切欠
部15cを設け、付着した液冷媒がこの切欠部15cに
沿い移動し得るように構成したものである。膜蒸発を効
率良く行なわせるにはチューブの表面積を可及的に広く
すれば良いとする発想から、従来、当該用途には、チュ
ーブ本体に径方向に突出させたフィンを有するフィン管
を用いていたが、単純なフィン管の場合に、スプレー1
4から噴霧されてフィンに付着した冷媒液がフィンの存
在によりその付着部分に止まり当該フィン管のうち冷媒
液で濡らされる部分とそうでない部分とができてしまい
総合的な蒸発性能を低く抑える原因となっていた。本形
態に用いる上記スプレー式チューブ15は、フィン15
b自体の高さが最適に設定してある、すなわち十分な表
面積を確保し得るフィンの高さとしてあるので、フィン
15bに付着した冷媒液の液滴が軸方向に広がるばかり
でなく、切欠部15cを有するので、この切欠部15c
を介しても液滴を軸方向に広げることができる。かくし
て、スプレー式チューブ15に形成された液膜が当該ス
プレー式チューブ15の表面の全域に広がり、スプレー
式チューブ15において効果的な膜蒸発を行なわせるた
めの必須要件であるスプレー式チューブ15の濡れ性を
良好に確保することができる。
【0048】さらに、満液式チューブ13は、単位面積
・時間当たりの熱量を表す量である熱流束(Kcal/
2 h)が広い領域で、その大小に関わらず一定の管外
熱伝達率(h0 )特性を有するという特徴をもってい
る。すなわち、熱流束が低い(満液式チューブ13の本
数が多い)領域で用いても管外熱伝達率が低下しないた
め、熱流束が低い領域で用いた場合にその特長を活かす
ことができるものであるといい得る。一方、スプレー式
チューブ15の管外熱伝達率(h0 )特性は、熱流束
(Kcal/m2 h)が低い領域から高い領域に向けて
直線的に漸増する特性を有している。したがって、満液
式チューブ13及びスプレー式チューブ15の集合体で
形成する流通路(パス)毎に最適な熱流束における負荷
分担を設定してやることができ、最適な負荷分担を設定
してやることにより、当該蒸発器2に含まれるチューブ
の本数を減らすことができる。ちなみに、本形態の場
合、低い熱流束の領域に満液式チューブ13を用い、高
い熱流束の領域でスプレー式チューブ15を用いること
により、全体を満液式チューブ13で形成する従来方式
の満液式の蒸発器に較べ全体的なチューブの本数を減ら
すことができる。
【0049】本形態に係る蒸発器2において、満液式流
通路Aは2つの流通路A1,A2で形成され、スプレー
式流通路Bは1つの流通路で形成している。すなわち、
3パスの満液式流通路A1,A2及びスプレー式流通路
Bを有するものとなっている。かくして、図3に示すよ
うに、冷水入口51から水室52へ流入した冷水は、ス
プレー式チューブ15の集合体であるスプレー式流通路
Bを通って反対側の水室53に至り、ここで折り返し満
液式チューブ13の集合体である満液式流通路A2を通
って水室54に至り、ここに再度折り返して満液式チュ
ーブ13の集合体である満液式流通路A1を流通して水
室55に至り、冷水出口56を介して外部に流出する。
このとき、満液式流通路A1,A2に含まれる満液式チ
ューブ13の数は同数であるが、スプレー式流通路Bに
含まれるスプレー式チューブ15の数は満液式流通路A
1又は満液式流通路A2に含まれる満液式チューブ13
の数よりも少なくて良い。上述の如く満液式チューブ1
3を熱流束が小さい領域で使用し、またスプレー式チュ
ーブ15を熱流束が大きい領域で使用したからである。
【0050】図1に示すように、スプレー14には凝縮
器5の出口に直接連通する管路61及び膨張弁62を介
して冷媒液を供給するようになっている。したがって、
スプレー14には高圧の冷媒液が供給され、この冷媒液
を、スプレー14を介してスプレー式チューブ15に向
けて噴霧するようになっている。このときのスプレー1
4は膨張弁としての機能も兼備する。さらに詳言する
と、膨張弁62は部分負荷時に膨張弁として機能する一
方、定格負荷及びその近傍ではスプレー14が主として
膨張弁として機能する。
【0051】上述の如き本形態の蒸発器2においては、
二つの流通路の満液式流通路A1,A2を通る冷水とこ
れらの満液式流通路A1,A2を浸漬する冷媒液12と
が熱交換して冷媒液12を沸騰・蒸発させ、スプレー式
流通路Bを通る冷水とスプレー14で噴霧してスプレー
式流通路Bを形成する各スプレー式チューブ15の表面
に付着させた膜冷媒とが熱交換して膜蒸発させる。すな
わち、沸騰・蒸発と膜蒸発とによる冷媒液12の蒸発が
生起される。ここで、当該冷凍機が部分負荷で運転され
ている場合、蒸発器2の冷媒液面が低下し満液式チュー
ブ13のうち上部のものは冷媒液12の液面から露出
し、冷媒液12で浸漬されない状態となる場合がある
が、この場合でも露出した満液式チューブ13には上方
から流下する冷媒液が付着し、スプレー式チューブ15
におけるのと同様の膜蒸発による熱交換が行なわれ、こ
のように露出した部分が当該熱交換に寄与しない無効部
分となることはない。
【0052】さらに、上述の如き実施の形態に係る蒸発
器2においては、満液式チューブ13の満液式流通路A
1,A2とスプレー式チューブ15のスプレー式流通路
Bとの比を2:1とし、スプレー14には凝縮器5の出
口から膨張弁62を介して冷媒液を供給するようにした
ので、当該蒸発器2をスプレー式の蒸発器として機能さ
せ、スプレー式チューブ15の濡れ性を十分良好なもの
とする場合、換言すればスプレー式チューブ15が乾か
ないようにする場合に必要な冷媒量の3倍の冷媒液が噴
霧させることができる。このため、スプレー式チューブ
15の濡れ性は十分に確保される。
【0053】なお、上記実施の形態においては満液式チ
ューブ13の満液式流通路A1,A2とスプレー式チュ
ーブ15のスプレー式流通路Bとの比を2:1とした
が、勿論これに限定するものではない。スプレー式チュ
ーブ15が乾かないように十分な冷媒液を噴霧してやる
必要があるため、満液式チューブ13で形成する満液式
流通路の数がスプレー式チューブ15で形成するスプレ
ー式流通路の数よりも多くなければならないが、かかる
条件さえ充足すれば特別な限定はない。また、スプレー
14から噴霧する高圧の冷媒液の供給源は凝縮器5に限
定する必要はない。凝縮器5の出口側の高圧の冷媒液、
すなわち凝縮器5の出口を出て蒸発器2に至る前の冷媒
液であれば良い。当該冷凍機がそれを有する場合には、
例えばサブクーラ63(図5参照。)及び中間冷却器6
(図6参照。)等をこの場合の冷媒液の供給源とするこ
ともできる。
【0054】図4は上記実施の形態に係る蒸発器2を有
する冷凍機を示す系統線図である。同図に示すように、
当該冷凍機は圧縮機1で圧縮した高温高圧の冷媒ガスを
凝縮器5で冷却水と熱交換することにより凝縮させると
ともに、このようにして凝縮器した高圧の冷媒液を蒸発
器2で冷水と熱交換することにより蒸発させて低圧の冷
媒ガスとして上記圧縮機1に戻すように構成したもので
ある。すなわち、従来と同様の冷凍サイクルを形成する
ものではあるが、当該冷凍機において、蒸発器2には膨
張弁62を介して凝縮器5から高圧の冷媒液が供給さ
れ、この冷媒液をスプレー14で噴霧することにより蒸
発器2が図1に基づいて説明した上述の如き機能を発揮
する。
【0055】図5は図4に示す冷凍機の凝縮器5と蒸発
器2との間にサブクーラ63を設けたものである。当該
冷凍機においては、サブクーラ63の出口側の高圧冷媒
が膨張弁62を介して蒸発器2のスプレー14に供給さ
れる。図6は図4に示す冷凍機の圧縮機1を多段式のも
のとし、凝縮器5ど蒸発器2との間に中間冷却器6を設
けたものである。当該冷凍機においては、中間冷却器6
の出口側の高圧冷媒が膨張弁62を介して蒸発器2のス
プレー14に供給される。また、当該冷凍機は凝縮器5
1と中間冷却器6との間にも膨張弁64を設けてある。
これら図5及び図6に示す冷凍機においても蒸発器2は
図4に示すものと同様の機能を発揮する。
【0056】(222) 図7は本発明の実施の形態に
係るターボ冷凍機を示す系統図、図8は図7に示すター
ボ冷凍機における圧縮機の駆動電動機を抽出して示す説
明図である。両図に示すように、本形態に係る圧縮機1
は駆動電動機3と圧縮部である羽根車4とが増速機9を
介することなく連結された直結構造のものである。した
がって、駆動電動機3は高速回転数が要求される。
【0057】上記駆動電動機3は、その固定子3aを占
位させる固定子空間26と、固定子3aと回転子3b間
のギャップを含み回転子3bを占位させる回転子空間2
7との間に仕切り部材25を設けて固定子空間26と回
転子空間27とを分離する構造となっている。また、駆
動電動機3のケーシングの中央・下部には固定子空間2
6に臨む冷媒液供給口71が、上部の左右2箇所には同
様に固定子空間26を臨む冷媒液排出口72a、72b
がそれぞれ設けてある。すなわち、冷媒液供給口71か
ら固定子空間26内に冷媒液を供給して固定子3aを冷
却し、その後冷媒液排出口72a、72bからこの冷媒
液を排出することができるようになっている。また、固
定子3a及び回転子3bの右方においてケーシングの上
部には回転子空間27に臨む冷媒ガス供給口が、同左方
においてケーシングの中央部には回転子空間27に臨む
冷媒ガス排出口74がそれぞれ設けてある。すなわち、
冷媒ガス供給口73から回転子空間27内に冷媒ガスを
供給して回転子3aと固定子3bとの間のギャップを軸
方向に流通させ、このことにより回転子3bを冷却した
後、冷媒ガス排出口74からこの冷媒ガスを排出するこ
とができるようになっている。
【0058】冷却用の冷媒液は凝縮器5の出口側から管
路21を介して冷媒液供給口71に至り、固定子3aを
冷却した後の冷媒液は冷媒液排出口72a、72bから
管路22を介して蒸発器2の入口側に至るように構成し
てある。また、冷却用の冷媒ガスは蒸発器2の出口側か
ら管路23を介して冷媒ガス供給口73に至り、回転子
3bを冷却した後の冷媒ガスは冷媒ガス排出口74から
管路24を介して圧縮機の吸い込み部1cに至るように
構成してある。
【0059】回転子3bの回転軸32には冷媒ガスの通
路に臨ませて冷却リング28a,28bが嵌着してあ
り、冷媒液に較べて熱容量が低く冷却性能が低い冷媒ガ
スで回転子3bを冷却することによる冷却性能の低下を
冷媒ガスと接触する部分の表面積を広くすることにより
抑えている。
【0060】かかる本実施の形態においては、凝縮器5
からは管路21及び冷媒液供給口71を介して冷媒液が
固定子空間26に流入して固定子3aを冷却し、その後
冷媒液排出口72a、72b及び管路22を介して蒸発
器2に戻る。すなわち、固定子3aは熱容量が大きい冷
媒液で効果的に冷却される。このとき、冷媒液は固定子
空間26を規定する仕切り部材25の外部に流出するこ
とはないので回転部分に接触することはなく、したがっ
て回転抵抗増加することもない。また、この場合の凝縮
器5から固定子空間26及び固定子空間26から蒸発器
2への冷媒液の搬送は両者間の差圧を駆動源として行な
われる。
【0061】一方、蒸発器2からは管路23及び冷媒ガ
ス供給口73を介して冷媒ガス回転子空間27に流入
し、一方の冷却リング28aと熱交換した後、固定子鉄
心3cとの間のギャップにその一端から入り込み、軸方
向に沿い流通することにより接触部分を冷却してギャッ
プの他端に至る。さらに、冷媒ガスはギャップの他端か
ら他方の冷却リング28bに至り、この冷却リング28
bと熱交換した後、冷媒ガス排出口74を経由して圧縮
機1の吸い込み部1cに至る。すなわち、回転子3bは
熱容量は低いが、粘性も低い冷媒ガスにより冷却される
ので冷媒液に較べ低い回転抵抗で圧縮機の運転ができ
る。ちなみに、本形態では駆動電動機3と圧縮部とを直
結する直結構造となっているので、駆動電動機3の速度
は従来の増速歯車9(図19参照。)が採用された場合
に較べて格段に高速であることが要求される。このよう
に駆動電動機3の速度が高速になればなる程、回転子3
bを冷媒ガスで冷却することによる効果は顕著になる。
また、この場合の蒸発器2から回転子空間27を経て圧
縮機1の吸い込み部1cへの冷媒ガスの流れは両者間の
差圧を駆動源として行なわれる。
【0062】図9は本発明の実施の形態に係るターボ冷
凍機を示す系統図である。同図に示すように、本形態に
係る冷凍機は、蒸発器2の出口側から冷媒液ポンプ18
で汲み上げた冷媒液を圧縮機1の冷媒液供給口71を介
して駆動電動機3の固定子空間26内に供給するととも
に、冷媒液排出口72a、72bから排出する冷媒液を
蒸発器2の入口側に供給するようにしたものである。す
なわち、前記の実施の形態に対して冷媒液の供給方法が
異なるが、他の構成要件は同一である。
【0063】冷媒液は蒸発器2の出口側から冷媒供給口
71に至る管路21の途中に配設した冷媒ポンプ18で
汲み上げているので、当該冷凍機の始動時であっても確
実に冷媒液を固定子空間26内に供給することができ
る。ちなみに、図7に示す実施の形態の場合、周囲の温
度等の条件にもよるが、当該冷凍機の始動時には凝縮器
5内の冷媒液がガス化してしまっている場合もあり、固
定子空間26内に供給される冷媒が冷媒液の状態で供給
されることは保証の限りではない。
【0064】なお、上記実施の形態はターボ冷凍機の場
合であるが、駆動電動機で圧縮部を回転駆動する方式の
冷凍機であれば特別な限定はない。また、羽根車4を直
結したものに限定する必要もない。ただ、駆動電動機の
回転数が高くなれば高くなる程、本願発明の特長は顕著
なものとなる。
【0065】(333) 図10は本発明の実施の形態
に係る圧縮機の駆動電動機及びその近傍部分を示す縦断
面図、図11はその回転子及びその近傍部分の横断面図
である。両図に示すように、当該駆動電動機3の固定子
鉄心3cの中央部にはその径方向に沿い回転子鉄心3d
の表面に向かう相対向する2組の孔33a,33bが形
成してある。各孔33a,33bには高圧の冷媒ガスが
供給されるようになっており、この高圧の冷媒ガスが回
転子鉄心3dの表面に噴射され、固定子鉄心3cとの間
のギャップを軸方向に沿って流れ、このギャップの両側
の開口端を介して流出し、ガス排出口39a,39bを
介して当該駆動電動機3の外部に流出するようになって
いる。このとき、孔33a,33bの先端部は固定子鉄
心3cの内周面に形成した溝34a,34bに臨んで開
口している。溝34a,34bは固定子鉄心3cの内周
面の軸方向に沿いその両端迄形成してある。また、固定
子鉄心3cの内周面は、図11に特に明確に示すよう
に、同図中二点鎖線で示す真円である回転子鉄心3dの
外周形状に対してオフセット加工してあり、両者の間に
このオフセット加工によるギャップ35a,35bも形
成してある。かくして、このギャップ35a,35bも
含め固定子鉄心3cの内周面と回転子鉄心3dの外周面
との間のギャップに供給される高圧の冷媒ガスにより良
好な静圧軸受が形成される。すなわち、かかる構成によ
り孔33a,33bの先端部から噴射された高圧の冷媒
ガスはギャップ35a,35b及び溝34a,34bを
介して固定子鉄心3cの表面との間のギャップの全域に
拡散し、これにより十分な受圧面積が確保されるため回
転子鉄心3dを支承する静圧軸受が形成される。このよ
うに高圧の冷媒ガスの回転子鉄心3dが支承された状態
で圧縮機1の羽根車4を回転駆動する。
【0066】なお、上記実施の形態においては静圧軸受
のための高圧ガスの供給口である孔33a,33bは固
定子鉄心3cの内周面の相対向する位置に2組設けた。
この種の孔33a,33bは固定子鉄心3cの内周面で
2組が相対向する必要があるので、周方向に関して等間
隔に偶数個設ける必要はあるが、その数に特別な制限は
ない。ただ、上記実施の形態の如く2組でも十分な負荷
能力を有する静圧軸受とすることができる。
【0067】上記実施の形態に係る駆動電動機3で駆動
される圧縮機を有する冷凍機に係る本発明の実施の形態
を図面に基づき詳細に説明する。
【0068】図12は本発明の実施の形態に係るターボ
冷凍機を示す系統図である。同図に示すように、当該冷
凍機は、圧縮機1で圧縮した高温高圧の冷媒ガスを凝縮
器5で冷却水と熱交換することにより凝縮させるととも
に、このようにして凝縮した高圧の冷媒液を膨張弁62
を介して蒸発器2で冷水と熱交換することにより蒸発さ
せ、低圧の冷媒ガスとして上記圧縮機1に戻すように構
成したものであり、基本的には従来技術に係る冷凍機と
同構成のものである。ここで圧縮機1は駆動電動機3で
圧縮機1の羽根車4を回転させて冷媒ガスを圧縮するも
のであるが、両者の回転軸32を共用する直結形のもの
として構成してある。なお、図中の実線が冷媒液の配
管、点線が冷媒ガスの配管である。
【0069】圧縮機1が吐出する高圧の冷媒ガスは凝縮
器5に供給されるとともに、この凝縮器5に向かう管路
から分岐されて駆動電動機3の孔33a,33bにも供
給される。かくして、圧縮機1が吐出する高圧の冷媒ガ
スは駆動電動機3の回転子鉄心3dを支承する静圧軸受
の作動流体となる。ただ、圧縮機1の始動のためには駆
動電動機3が駆動されなければならず、駆動電動機3が
駆動されるためには、その回転子鉄心3dが静圧軸受で
支承されなければならない。したがって、駆動電動機3
を始動するための冷媒ガスは別途圧力タンク36に貯溜
した高圧の冷媒ガスを用いる。このため圧縮機1から駆
動電動機3に至る管路の途中に弁38a,38bを介し
て圧力タンク36を接続するとともに、圧力タンク36
への分岐路よりも凝縮器5側で駆動電動機3に至る管路
の途中に弁38cが配設してある。かくして、駆動電動
機3の始動時には弁38aを開くとともに、弁38b,
38cを閉じて、圧力タンク36内の冷媒ガスを駆動電
動機3の孔33a,33bに供給し、これにより形成さ
れる静圧軸受で回転子鉄心3dを浮かした状態でこの駆
動電動機3を始動する。このことにより圧縮機1から吐
出する冷媒ガスの圧力が所定の高圧になり定常運転に移
行した後、今度は逆に弁38b,38cを開いて弁38
aを閉じる。かくして圧縮機1が吐出する高圧の冷媒ガ
スを圧力タンク36に充填して次回の始動に備えるとと
もに、駆動電動機3の孔33a,33bに供給して回転
子鉄心3dを支承する静圧軸受の作動流体とする。一
方、回転子鉄心3dを支承する静圧軸受の作動流体とし
て機能した冷媒ガスは蒸発器2に戻すように構成してあ
る。
【0070】本形態によれば、圧縮機1の始動時には、
圧力タンク36から供給される高圧の冷媒ガスで回転子
鉄心3dが支承されて回転を開始し、定常運転時には圧
縮機1で圧縮した高温高圧の冷媒ガスが回転子鉄心3d
の静圧軸受に供給されてこの回転子鉄心3dを支承し続
ける。このときの静圧軸受の作動流体として機能した冷
媒ガスは蒸発器2に供戻される。
【0071】図13は本発明の次の実施の形態に係るタ
ーボ冷凍機を示す系統図である。同図中図12と同一部
分には同一番号を付し重複する説明は省略する。同図に
示すように、当該冷凍機の圧縮機1の駆動電動機3の回
転子鉄心3dを支承する静圧軸受の冷媒ガスは、凝縮器
5の飽和冷媒ガスを別のガス圧縮機37で圧縮して得る
とともに、回転子鉄心3dの静圧軸受の作動流体として
機能した冷媒ガスは凝縮器5へ戻すように構成してあ
る。
【0072】図14は本発明の次の実施の形態に係るタ
ーボ冷凍機を示す系統図である。同図中図12と同一部
分には同一番号を付し重複する説明は省略する。同図に
示すように、当該冷凍機の圧縮機1の駆動電動機3の回
転子鉄心3dを支承する静圧軸受の冷媒ガスは、蒸発器
2の冷媒ガスを別のガス圧縮機37で圧縮して得るとと
もに、回転子鉄心3dの静圧軸受の作動流体として機能
した冷媒ガスは蒸発器2へ戻すように構成してある。
【0073】図15は本発明の次の実施の形態に係るタ
ーボ冷凍機を示す系統図である。同図中図12と同一部
分には同一番号を付し重複する説明は省略する。同図に
示すように、当該冷凍機の圧縮機1の駆動電動機3の回
転子鉄心3dを支承する静圧軸受の冷媒ガスは、蒸発器
2の冷媒ガスを別のガス圧縮機37で圧縮して得るとと
もに、回転子鉄心3dの静圧軸受の作動流体として機能
した冷媒ガスは凝縮器5へ戻すように構成してある。
【0074】本発明は上述の如き実施の形態に限定され
るものではない。基本的に、圧縮機1を駆動電動機3で
回転駆動するものであれば他の変形例も本発明に係る技
術思想に含まれる。当然、ターボ冷凍機に限らず、スク
リュー冷凍機等のガス圧縮機にも好適に適用し得る。
【0075】(444) 図16は本発明の実施の形態
に係るターボ冷凍機の構成の一例を示す系統図、図17
は図16における圧縮機及びその近傍部分を抽出して示
す拡大図である。両図に示すように本実施の形態に係る
冷凍機は、図19に示す従来技術に係る冷凍機に、油ポ
ンプ7により汲み上げた潤滑油を駆動流体とするジェッ
トポンプ47を追加したものであり、他の構成は図19
に示す従来技術と同様である。
【0076】図16及び図17に示すように、従来の潤
滑系を構成する油ポンプ7の吐出側の配管に分岐された
配管48が連結してあり、この配管48によりジェット
ポンプ47の駆動流体である潤滑油を供給する。配管4
9はその一端が圧縮機1の吸込部の下部に開口してお
り、他端がジェットポンプ47の吸引部に接続されてい
る。また、配管50はその一端がジェットポンプ47の
吐出口に開口しており、他端が油タンク1bの上方に開
口している。かくして、圧縮機1の吸込部1cの周囲に
付着した潤滑油、特に自重で降下して下部に貯溜する潤
滑油は配管49を介してジェットポンプ47に吸引され
油タンク1bへ吐出、回収される。この潤滑油の回収は
油ポンプ7が駆動していればよく、当該冷凍機が停止し
た後であっても可能である。
【0077】(555) 冷凍機の容量増加に伴い最近
では図18の如く1台の蒸発器および凝縮器に対しパラ
レルに接続した2台の圧縮機を有するパラレル冷凍機が
提案されている。パラレル式冷凍機においては、シング
ル運転モードからパラレル運転モードに移行する際、後
発の圧縮機の起動に伴い蒸発器の内部圧力が急変し、当
該冷凍機のトリップを生起することがある。ここで「ト
リップ」とは、蒸発器の蒸発圧力が所定値を越えて下降
したとき及び所定値を越えて上昇したときに当該冷凍機
の運転を自動的に停止することである。上述の如くシン
グル運転モードからパラレル運転モードに移行する際に
は蒸発圧力が所定値を越えて下降することがあり、この
場合には当該冷凍機の運転が停止される。かかるトリッ
プの発生に伴う運転停止は当該冷凍機の効率を低下させ
る原因となる。
【0078】ここで、シングル運転モードからパラレル
運転モードに移行する際、トリップを生起することなく
パラレル運転に円滑に移行することができるようにした
パラレル式冷凍機の制御方法を説明しておく。
【0079】図18に示すように、当該冷凍機はパラレ
ル式ターボ冷凍機であり、しかも多段式(2段式)ター
ボ冷凍機である。したがって、1台の凝縮器5及び蒸発
器2と、これらに対してパラレルに接続した2台の2段
式ターボ圧縮機1A、1Bとを有するとともに、2段式
ターボ圧縮機1A、1Bに対応して設けた2台の中間冷
却器6A、6Bを有している。すなわち、当該パラレル
式ターボ冷凍機は2つの対称な冷媒系統を有している。
なお、図中において、冷媒ガスが流通する管路を点線
で、冷媒液が流通する管路を実線で示している。
【0080】上述の如き冷媒系統のうちの1つの冷媒系
統に関してその動作を説明する。2段式ターボ圧縮機1
Aは蒸発器2から供給される冷媒ガスを吸込部1cを介
して吸入し、これを圧縮して高温・高圧の冷媒ガスとし
て吐出口1dを介し凝縮器5に供給する。この高温・高
圧の冷媒ガスは凝縮器5で冷却水と熱交換することによ
り凝縮されて液化し、オリフィス5aで減圧されて気液
混合状態となり、この冷媒が中間冷却器6Aに供給され
る。中間冷却器6Aでは気液混合状態の冷媒中の冷媒ガ
スが分離され、中間吸込弁75を介して2段ターボ圧縮
機1Aの圧縮部1cに戻り多段圧縮される。一方、中間
冷却器6Aから排出された冷媒液は蒸発器2の直近のオ
リフィス76を通過することによりさらに減圧されて蒸
発器2に至る。このようにして蒸発器2に供給された冷
媒液はその内部で冷水と熱交換することにより蒸発し、
冷媒ガスとなって2段式ターボ圧縮機1Aに吸入され
る。かくして、蒸発器2内で冷媒と接触する管路中を流
れる冷水を所定温度に冷却する。
【0081】バイパス管路77は、蒸発器2に至る冷媒
液がオリフィス76をバイパスすることができるように
したもので、このバイパス管路77に配設する開閉弁7
8により開閉することができるようになっている。ホッ
トガスバイパス管路79は凝縮器5と蒸発器2とを直接
連通する管路で、開閉弁80により開閉することができ
るようになっている。かくして開閉弁80の開状態のと
きには、凝縮器5の高温・高圧の冷媒ガスを直接蒸発器
2に供給することができるようになっており、このこと
により軽負荷時の円滑な運転が保証される。すなわち、
ホットガスバイパス管路79を介した冷媒ガスは、冷凍
機としての仕事に寄与するものではないが、この冷媒ガ
スも含めて圧縮機3の負荷としてやることにより圧縮機
1Aのサージングを防止する。ここで「サージング」と
は、圧縮機3が吸入する冷媒ガス量の不足により生起さ
れ、圧縮動作が間欠的になる現象をいう。
【0082】以上の説明は2つの冷媒系統のうちの一方
に関するものであるが、他の冷媒系統の構成及び動作も
全く同様である。すなわち、中間冷却器6Aに対応して
中間冷却器6Bが設けてあり、以下同様に中間吸込弁7
5に対応して中間吸込弁81が、オリフィス76に対応
してオリフィス82が、バイパス管路77に対してバイ
パス管路83が、開閉弁78に対して開閉弁84が、ホ
ットガスバイパス管路79に対してホットガスバイパス
管路85が、開閉弁80に対して開閉弁86がそれぞれ
設けてある。また、オリフィス5aにオリフィス5bが
対応している。
【0083】かかる冷凍機は次のような態様で運転され
る。いま、圧縮機1Aを先発機、圧縮機1Bを後発機と
する。軽負荷の場合には圧縮機1Aによるシングルモー
ド運転が行われ、所定値以上の負荷の場合に圧縮機1
A、1Bによるパラレルモード運転が行われる。そこ
で、先ず圧縮機1Aの起動直前にプリローテーションベ
ーン(以下、単にベーンと称す。)及び中間吸込弁75
を全閉状態にするとともに、ホットガスバイパス管路7
9及びディフューザーを全開状態にする。プリローテー
ションベーンの閉塞により吸込部1cが閉塞される。ま
た、「ディフューザー」とは、吐出口1dからの冷媒ガ
スの流量を調整するもので、吸入ガス量が少ない軽負荷
時に吐出口1dを絞ることによりこの吐出口1dを通過
するガス流速を速くしてやって吸入ガス量が少くてもサ
ージングを生起しないにようにするためのものである。
【0084】上述の状態で圧縮機1Aを起動し、負荷に
応じてベーンの開度を調整する。ホットガスバイパス管
路79の開度及びディフューザーの開度はベーン開度と
連動させて調整する。具体的には、開閉弁80の開度を
調整する。このとき、開閉弁80の制御にインターラプ
ター制御(後に詳述する。)を適用し、徐徐に開度を小
さくするようにしてもよい。また、中間吸込弁75は凝
縮器5及び蒸発器2の差圧が所定値になったことを条件
として開状態となり、中間冷却器6Aから圧縮機1Aに
冷媒ガスを戻す。
【0085】なお、開閉弁78は、基本的に冷却水の入
口温度に依存して開閉するが、蒸発器2の圧力が所定値
以下になると強制的に開状態となる。これによりオリフ
ィス76を介することなく、中間冷却器6Aの出口側の
高圧の冷媒液を蒸発器2に供給することができ、この蒸
発器2の内部圧力の異常な低下を防止することができ
る。
【0086】負荷の増大が検知されパラレル運転モード
に移行する際には、先ず圧縮機1Aのベーン開度を30
%程度に絞る。ホットガスバイパス管路79の開度及び
ディフューザーの開度もベーン開度に連動させる。一
方、後発の圧縮機1Bのベーン及び中間吸込弁81を全
閉にするとともに、ホットガスバイパス管路85及びデ
ィフューザーを全開にする。すなわち、先発の圧縮機1
Aの起動直前と同様の状態とする。かかる状態で圧縮機
1Bを起動する。
【0087】後発の圧縮機1Bの起動後に負荷に応じて
圧縮機1A、1Bのベーン開度を大きくしていくが、こ
のベーンの開度制御はインターラプター制御による。こ
の「インターラプター制御」とは、制御対象の所定時間
の駆動とこれに続く所定時間の停止とを交互に繰り返す
ことにより目標の状態にする制御をいう。この場合に
は、圧縮機1A、1Bの吸込部1c、1cの開度を目標
開度になるまで開く際、所定時間開口動作を継続した
後、次の所定時間開口動作を停止し、かかる動作及び停
止を繰り返すことより、徐徐にベーンを開口する制御を
いう。
【0088】後発の圧縮機1Bの起動後は、圧縮機1
A、1Bのベーンの開度を負荷に応じて制御するととも
に、これらベーンのそれぞれの開度に追従してホットガ
スバイパス管路79、85及び圧縮機1A、1Bのディ
フューザーの開度を制御する。また、中間吸込弁75、
81は凝縮器5及び蒸発器2の差圧が所定値になったこ
とを条件として開状態となり、中間冷却器6A、6Bか
ら圧縮機1A、1Bに冷媒ガスをそれぞれ戻す。開閉弁
84の制御は、開閉弁78の制御と同様であり、基本的
に冷却水の入口温度に依存して開閉するが、蒸発器2の
圧力が所定値以下になると強制的に開状態となる。これ
によりオリフィス82を介することなく、中間冷却器6
Bの出口側の高圧の冷媒液を蒸発器2に供給することが
でき、この蒸発器2の内部圧力の異常な低下を防止する
ことができる。
【0089】かかる運転方法によれば、後発の圧縮機の
起動に伴う蒸発器の蒸発圧力の変動を可及的に低減する
ことができ、トリップ等、運転に有害な現象を生起する
ことなく、円滑な運転を継続することができる。
【0090】
【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
通り、[請求項1]に記載する発明は、シェルアンドチ
ューブ式の蒸発器において、冷媒液に浸漬した状態でこ
の冷媒液を沸騰・蒸発させるよう満液式に特化した満液
式チューブをシェル内の相対的な下部に配設するととも
に、上方のスプレーから噴霧することにより付着する冷
媒液を膜蒸発させるようスプレー式に特化したスプレー
式チューブをシェル内の相対的な上部に配設し、さらに
上記満液式チューブの集合体で形成する満液式流通路に
含まれる流通路の数と、上記スプレー式チューブの集合
体で形成するスプレー式流通路に含まれる流通路の数と
を、スプレー式流通路に含まれる流通路の数が満液式流
通路に含まれる流通路の数に較べ同数以下になるように
するとともに、満液式流通路又はスプレー式流通路から
流出した冷水がスプレー式流通路又は満液式流通路に流
入するように構成したので、満液式チューブ及びスプレ
ー式チューブで形成する流通路毎に熱流束を最適のポイ
ントに持ってくることができるばかりでなく、部分負荷
時に満液式チューブの一部が冷媒液に浸漬されない状態
となっても、かかる状態の満液式チューブの表面は上方
のスプレーから噴霧する冷媒液により濡らすことがで
き、この部分においても膜蒸発による熱伝導が行なわれ
る。また、スプレーに供給される冷媒液の量はスプレー
式チューブの濡れ性を確保するのに十分な量となる。こ
の結果、チューブの本数を減らすことができ、コストの
低減、小形化及び重量の低減に寄与し得るものとなる。
また、部分負荷時においても熱交換における満液式チュ
ーブの無効部分を除去することができるので、熱交換性
能を向上させることができる。さらに、スプレーからは
スプレー式チューブが乾かず、良好な濡れ性を確保する
のに十分な量の冷媒を噴霧することができる。
【0091】[請求項2]に記載する発明は、[請求項
1]に記載する蒸発器において、スプレーは凝縮器、中
間冷却器又はサブクーラ等の出口側の高圧の冷媒液を噴
霧するように構成したので、スプレー式流通路で必要と
する冷媒液の量と同量以上の冷媒液をスプレーからスプ
レー式チューブに向けて噴霧することができる。この結
果、上述の如き[請求項1]に記載する発明と同様の効
果を奏する。
【0092】[請求項3]に記載する発明は、[請求項
1]又は[請求項2]に記載する蒸発器において、満液
式チューブは、チューブ本体の表面に多数の窪みを有す
る沸騰伝熱促進管で形成したので、窪みに冷媒液が入り
込み、このように入り込んだ冷媒液が集中的に満液式チ
ューブを流通する冷水と熱交換して蒸発することにより
冷媒液を効率良く沸騰させることができるので、上記
[請求項1]又は[請求項2]に記載する発明と同様の
効果を奏することができる。
【0093】[請求項4]に記載する発明は、[請求項
1]又は[請求項2]に記載する蒸発器において、スプ
レー式チューブは、チューブ本体の表面に径方向に突出
して設けるフィンの高さを最適なものとしてその数を増
やすとともに、フィンの一部を軸方向に切り欠いて付着
した液冷媒がこの切り欠きに沿い移動し得るように構成
したので、スプレー式チューブに付着した冷媒液の液膜
をこのスプレー式チューブの表面の全域に液膜を形成す
ることができるので、この液膜を効果的に膜蒸発させる
ことができ、上記[請求項1]又は[請求項2]に記載
する発明と同様の効果を奏することができる。
【0094】[請求項5]に記載する発明は、羽根車等
の圧縮部を駆動電動機で回転することにより吸入した冷
媒ガスを圧縮して吐出する圧縮機において、駆動電動機
の固定子を占位させる固定子空間と、固定子と回転子間
のギャップを含み回転子を占位させる回転子空間との間
に仕切り部材を設けて分離する一方、冷媒液供給口から
固定子空間内に冷媒液を供給して固定子を冷却し、その
後冷媒液排出口からこの冷媒液を排出する一方、冷媒ガ
ス供給口から回転子空間に冷媒ガスを供給して固定子と
回転子間のギャップに沿い軸方向に流通させて回転子を
冷却し、その後冷媒ガス排出口から冷媒ガスを排出する
ように構成したので、固定子空間と回転子空間とは仕切
り部材で仕切られて独立した別々の空間となっており、
固定子は熱容量の大きい冷媒液で冷却され、回転子、特
にその固定子の内周面との間のギャップに臨む部分は粘
性の低い冷媒ガスで冷却される。
【0095】この結果、固定子の冷却性能を損なうこと
なく、回転子の冷却性能を確保した上で、回転抵抗を低
減して駆動電動機の回転損失を低減できる。
【0096】[請求項6]に記載する発明は、[請求項
5]に記載する発明において、駆動電動機の回転軸に圧
縮部の羽根車を直結したので、駆動電動機を高速回転す
る必要があるが、粘性が低い冷媒ガスで回転子が冷却さ
れることにより、駆動電動機の回転損失の増加を抑える
ことができる。
【0097】[請求項7]に記載する発明は、[請求項
5]又は[請求項6]に記載する圧縮機において、冷媒
ガスの通路に臨ませて冷却リングを回転軸に固着したの
で、冷媒ガスはリングとも熱交換するため、回転子はこ
のリングを介しても冷媒ガスにより冷却される。
【0098】このため、熱容量が小さい冷媒ガスによる
冷却性能を被冷却部の表面積を大きくすることにより補
完することができる。
【0099】[請求項8]に記載する発明は、[請求項
5]乃至[請求項7]の何れか一つに記載する圧縮機を
有し、この圧縮機で圧縮した高温高圧の冷媒ガスを凝縮
器で冷却水と熱交換することにより凝縮させるととも
に、このようにして凝縮した高圧の冷媒液を蒸発器で冷
水と熱交換することにより蒸発させて低圧の冷媒ガスと
して上記圧縮機に戻すように構成した冷凍機において、
凝縮器の出口側から駆動電動機の固定子空間内に冷媒液
を供給するとともに冷媒液排出口から排出する冷媒液を
蒸発器入り口に排出する一方、蒸発器の出口側から駆動
電動機の回転子空間に冷媒ガスを供給するとともに圧縮
機の吸引部へ冷媒ガスを排出するよう構成したので、固
定子は凝縮器から供給される熱容量の大きい冷媒液で冷
却され、回転子、特にその固定子の内周面との間のギャ
ップに臨む部分は圧縮機から供給される粘性の低い冷媒
ガスで冷却される。このとき、冷媒液は凝縮器と蒸発器
との間の差圧により固定子空間内に供給され、更に固定
子を冷却した冷媒液は蒸発器に排出される。回転子を冷
却した冷媒ガスは圧縮機の吸引部に排出される。
【0100】この結果、固定子の冷却性能は損なうこと
なく、回転子の冷却性能を確保した上で、回転抵抗の増
加を抑えることができる。また、固定子を冷却した冷却
液は蒸発器に戻され、回転子を冷却した冷媒ガスは圧縮
機の吸引部へ排出され、それぞれ当該冷凍機の冷媒とし
て機能するので、電動機冷却用の特別な媒体を別系統で
供給する必要もなく、冷凍機全体のコストの高騰を生起
することなく、その高効率化を図ることができる。
【0101】[請求項9]に記載する発明は、[請求項
5]乃至[請求項7]の何れか一つに記載する圧縮機を
有し、この圧縮機で圧縮した高温高圧の冷媒ガスを凝縮
器で冷却水と熱交換することにより凝縮させるととも
に、このようにして凝縮した高圧の冷媒液を蒸発器で冷
水と熱交換することにより蒸発させて低圧の冷媒ガスと
して上記圧縮機に戻すように構成した冷凍機において、
蒸発器の出口側から冷媒ポンプで汲み上げた冷媒液を圧
縮機の冷媒液供給口を介して駆動電動機の固定子空間内
に供給するとともに、その冷媒液を蒸発器へ排出する。
このとき、冷媒液は蒸発器の出口側から冷媒ポンプで汲
み上げているので、当該冷凍機の始動時であっても確実
に冷媒液を固定子空間内に供給することができる。ま
た、固定子を冷却した冷媒液は蒸発器に供給され、回転
子を冷却した冷媒ガスは圧縮機の圧縮部に供給され、そ
れぞれ当該冷凍機の冷媒として機能する。
【0102】[請求項10]及び[請求項11]に記載
する発明は、駆動電動機の回転により圧縮部で冷媒ガス
を圧縮する圧縮機において、高圧の冷媒ガスを駆動電動
機の回転子鉄心と固定子鉄心との間のギャップに供給し
てこの冷媒ガスを作動流体とする静圧軸受を形成し、こ
の静圧軸受で回転子鉄心を支承するように構成したの
で、駆動電動機の回転子鉄心を当該圧縮機で圧縮する冷
媒ガスと同種の冷媒ガスを作動流体とする静圧軸受によ
り支承することができる。
【0103】この結果、当該圧縮機に本来的に必要な冷
媒を用いた軸受で回転子鉄心を支承することができ、従
来技術において回転子鉄心を支承するために必要とした
軸受及びこれに伴う潤滑系を除去することができるの
で、圧縮機において、簡潔な構造で、潤滑油中に冷媒が
溶け込むことに伴う問題を解消し得る。
【0104】[請求項12]に記載する発明は、[請求
項11]に記載する冷凍機において、圧縮機の始動時に
おける回転子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは別途貯溜
しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを使用する一方、圧
縮機の定常運転時における回転子鉄心を支承する高圧の
冷媒ガスは圧縮機が吐出する冷媒ガスをそのまま利用す
るとともに、回転子鉄心の作動流体として機能した冷媒
ガスは蒸発器へ戻すように構成したので、圧縮機の起動
時には圧力タンクに貯溜する高圧の冷媒ガスにより回転
子鉄心を浮かし、圧縮機の定常運転時には圧縮機で圧縮
した高温高圧の冷媒ガスで駆動電動機の回転子鉄心を継
続して支承することができる。また、この場合の静圧軸
受の作動流体として機能した冷媒ガスは蒸発器に排出さ
れる。
【0105】この結果、[請求項11]に記載する発明
と同様の効果に加え、回転子鉄心の静圧軸受に供給する
冷媒ガスを得るのに別のガス圧縮機を用意する必要はな
く、その分コストの低減に寄与するという効果も奏す
る。
【0106】[請求項13]に記載する発明は、[請求
項11]に記載する冷凍機において、圧縮機の始動時に
おける回転子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは別途貯溜
しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを使用する一方、圧
縮機の定常運転時における回転子鉄心を支承する高圧の
冷媒ガスは凝縮器の飽和冷媒ガスを別のガス圧縮機で圧
縮して得るとともに、回転子鉄心の作動流体として機能
した冷媒ガスは凝縮器へ戻すように構成したので、圧縮
機の起動時には圧力タンクに貯溜する高圧の冷媒ガスに
より回転子鉄心を浮かし、圧縮機の定常運転時には凝縮
器の飽和冷媒ガスを別のガス圧縮機で圧縮して得る冷媒
ガスで駆動電動機の回転子鉄心を継続して支承すること
ができる。この場合の静圧軸受の作動流体として機能し
た冷媒ガスは凝縮器に排出される。
【0107】この結果、本発明によれば、[請求項1
1]に記載する発明と同様の効果に加え、回転子鉄心を
支承する静圧軸受の冷媒ガスは凝縮器から供給して凝縮
器に戻しているので、この間のロスを最小にすることが
できるばかりでなく、ガス圧縮器で圧縮する冷媒ガスは
高圧であるので、このガス圧縮機は小形のもので良く、
コスト面でも有利なものとなるという効果も奏する。
【0108】[請求項14]に記載する発明は、[請求
項11]に記載する冷凍機において、圧縮機の始動時に
おける回転子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは別途貯溜
しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを使用する一方、圧
縮機の定常運転時における回転子鉄心を支承する高圧の
冷媒ガスは蒸発器の冷媒ガスを別のガス圧縮機で圧縮し
て得るとともに、回転子鉄心の作動流体として機能した
冷媒ガスは蒸発器へ戻すように構成したので、圧縮機の
起動時には圧力タンクに貯溜する高圧の冷媒ガスにより
回転子鉄心を浮かし、圧縮機の定常運転時には蒸発器の
冷媒ガスを別のガス圧縮機で圧縮して得る冷媒ガスで駆
動電動機の回転子鉄心を継続して支承することができ
る。この場合の静圧軸受の作動流体として機能した冷媒
ガスは蒸発器に排出される。
【0109】この結果、本発明によれば、[請求項1
1]に記載する発明と同様の効果に加え、回転子鉄心を
支承する静圧軸受に供給する冷媒ガスの圧力差を大きく
することができ、ガス軸受の小形化に寄与し得るばかり
でなく、ロスも小さくすることができるという効果も奏
する。
【0110】[請求項15]に記載する発明は、[請求
項11]に記載する冷凍機において、圧縮機の始動時に
おける回転子鉄心を支承する高圧の冷媒ガスは別途貯溜
しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを使用する一方、圧
縮機の定常運転時における回転子鉄心を支承する高圧の
冷媒ガスは蒸発器の冷媒ガスを別のガス圧縮機で圧縮し
て得るとともに、回転子鉄心の作動流体として機能した
冷媒ガスは凝縮器へ戻すように構成したので、圧縮機の
起動時には圧力タンクに貯溜する高圧の冷媒ガスにより
回転子鉄心を浮かし、圧縮機の定常運転時には蒸発器の
冷媒ガスを別のガス圧縮機で圧縮して得る冷媒ガスで駆
動電動機の回転子鉄心を継続して支承することができ
る。この場合の静圧軸受の作動流体として機能した冷媒
ガスは凝縮器に排出される。
【0111】この結果、本発明によれば、[請求項1
1]に記載する発明と同様の効果に加え、ロスを最も少
なくすることができるという効果も奏する。
【0112】[請求項16]、[請求項17]に記載す
る発明は、吸込部に吸い込んだ冷媒ガスを圧縮し、高温
高圧の冷媒ガスとして凝縮器に吐出するとともに、その
ケーシング内のオイルタンクに貯溜する潤滑油を油ポン
プの駆動により軸受部分等の潤滑部位に供給するように
構成した圧縮機において、上記冷媒ガスの吸込部と上記
オイルタンクとの間に油ポンプにより汲み上げた潤滑油
を駆動流体とするジェットポンプを設け、このジェット
ポンプの駆動により上記吸込部に存在する潤滑油を上記
オイルタンクに回収するように構成したので、吸込部に
存在する潤滑油は油ポンプにより汲み上げた潤滑油を駆
動流体とするジェットポンプにより油タンク内に回収す
ることができる。この結果、吸込部に存在する潤滑油を
的確に油タンク内に回収することができる。
【0113】[請求項18]に記載する発明は、[請求
項17]に記載する冷凍機の運転方法であって、当該冷
凍機の冷凍運転を停止した後も、一定時間油ポンプの運
転のみを継続するようにしたので、冷凍機の運転を停止
した後も油ポンプの継続的な駆動により圧縮機の吸込部
に存在する潤滑油を油タンクに回収し続けることができ
る。この結果、冷凍機の運転に伴い吸込部周辺に付着し
た潤滑油を完全に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を概念的に示す説明図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態に用いる満液式チューブの
一例を一部切り欠いて示す側面図(a)及びスプレー式
チューブの一例を示す側面図(b)である。
【図3】本発明の実施の形態に係る流通路を概念的に示
す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る冷凍機を示すブロッ
ク線図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る冷凍機を示すブロッ
ク線図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る冷凍機を示すブロッ
ク線図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るターボ冷凍機の構成
の一例を示す系統図である。
【図8】図14に示すターボ冷凍機における圧縮機の駆
動電動機を抽出して示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るターボ冷凍機の構成
の一例を示す系統図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る圧縮機の駆動電動
機及びその近傍部分を示す縦断面図である。
【図11】図17に示す回転子及びその近傍部分の横断
面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る冷凍機を示す系統
図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る冷凍機を示す系統
図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る冷凍機を示す系統
図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る冷凍機を示す系統
図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るターボ冷凍機の構
成の一例を示す系統図である。
【図17】図23における圧縮機およびその近傍部分を
抽出して示す拡大図である。
【図18】パラレル式冷凍機の制御系統を説明する説明
図である。
【図19】従来技術に係るターボ冷凍機の構成の一例を
示す系統図である。
【図20】冷凍機に適用される従来技術に係る満液式シ
ェルアンドチューブ形の蒸発器を概念的に示す説明図で
ある。
【図21】冷凍機に適用される従来技術に係るスプレー
式シェルアンドチューブ形の一つの蒸発器を概念的に示
す説明図である。
【図22】冷凍機に適用される従来技術に係るスプレー
式シェルアンドチューブ形の他の蒸発器を概念的に示す
説明図である。
【図23】ターボ冷凍機における圧縮機の駆動電動機を
抽出して示す説明図である。
【図24】静圧軸受を概念的に示す説明図である。
【図25】従来技術に係る油回収装置を概念的に示す説
明図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 1a ケーシング 1b 油タンク 1c 吸い込み部 2 蒸発器 2a 開口部 2b 開口部 2c 開口部 2d 管板 3 駆動電動機 3a 固定子 3b 回転子 3c 固定子鉄心 3d 回転子鉄心 3e 孔 3f,g 軸受け 4 羽根車 5 凝縮器 6 中間冷却器 7 油ポンプ 8a,b 羽根車軸受 9 増速歯車 11 シェル 12 冷媒液 13 チューブ(満液式) 13a チューブ本体 13b チューブ窪み 14 スプレー 15 チューブ(スプレー式) 15a チューブ本体 15b チューブフィン 15c フィン切欠部 16 液膜 17 液溜 18 冷媒液ポンプ 19 ジェットポンプ 21 管路(モーター冷却供給) 22 管路(モーター冷却戻り) 23 管路(固定子冷却供給) 24 管路(固定子冷却戻り) 25 仕切材 26 固定子空間 27 回転子空間 28a,b 冷却リング 31 静圧軸受け 32 回転軸 33a,b 孔 34a,b 溝 35a,b ギャップ 36 圧力タンク 37 ガス圧縮機 38a,b,c 弁 39a,b ガス排出口 41a,b,c 弁 42 ドライヤー 43 エジェクター 44 弁 45 弁 46 均圧配管 47 ジェットポンプ 48 配管(駆動流体) 49 配管(吸引部) 50 配管(吐出部) 51 冷水入り口 52 水室 53 水室 54 水室 55 水室 56 冷水出口 61 管路(冷媒液) 62 膨張弁 63 サブクーラー 64 膨張弁
フロントページの続き (72)発明者 立花 英樹 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 坂本 和宏 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェルアンドチューブ式の蒸発器におい
    て、 冷媒液に浸漬した状態でこの冷媒液を沸騰・蒸発させる
    よう満液式に特化した満液式チューブをシェル内の相対
    的な下部に配設するとともに、上方のスプレーから噴霧
    することにより付着する冷媒液を膜蒸発させるようスプ
    レー式に特化したスプレー式チューブをシェル内の相対
    的な上部に配設し、さらに上記満液式チューブの集合体
    で形成する満液式流通路に含まれる流通路の数と、上記
    スプレー式チューブの集合体で形成するスプレー式流通
    路に含まれる流通路の数とを、スプレー式流通路に含ま
    れる流通路の数が満液式流通路に含まれる流通路の数に
    較べ同数以下になるようにするとともに、満液式流通路
    又はスプレー式流通路から流出した冷水がスプレー式流
    通路又は満液式流通路に流入するように構成したことを
    特徴とする蒸発器。
  2. 【請求項2】 [請求項1]に記載する蒸発器におい
    て、スプレーは凝縮器、中間冷却器又はサブクーラから
    の高圧の冷媒液を噴霧するように構成したものであるこ
    とを特徴とする蒸発器。
  3. 【請求項3】 [請求項1]又は[請求項2]に記載す
    る蒸発器において、満液式チューブは、チューブ本体の
    表面に多数の窪みを有する沸騰伝熱促進管で形成したこ
    とを特徴とする蒸発器。
  4. 【請求項4】 [請求項1]又は[請求項2]に記載す
    る蒸発器において、スプレー式チューブは、チューブ本
    体の表面に径方向に突出して設けるフィンの高さを最適
    なものとしてその数を増やすとともに、フィンの一部を
    軸方向に切り欠いて付着した冷媒液がこの切り欠きに沿
    い移動し得るように構成したものであることを特徴とす
    る蒸発器。
  5. 【請求項5】 羽根車等の圧縮部を駆動電動機で回転す
    ることにより吸入した冷媒ガスを圧縮して吐出する圧縮
    機において、 駆動電動機の固定子を占位させる固定子空間と、固定子
    と回転子間のギャップを含み回転子を占位させる回転子
    空間との間に仕切り部材を設けて両空間を分離する一
    方、冷媒液供給口から固定子空間内に冷媒液を供給して
    固定子を冷却し、その後冷媒液排出口からこの冷媒液を
    排出する一方、冷媒ガス供給口から回転子空間に冷媒ガ
    スを供給して固定子と回転子間のギャップに沿い軸方向
    に流通させて回転子を冷却し、その後冷媒ガス排出口か
    ら冷媒ガスを排出するように構成したことを特徴とする
    圧縮機。
  6. 【請求項6】 [請求項5]に記載する圧縮機は、駆動
    電動機の回転軸に圧縮部の羽根車を直結したものである
    ことを特徴とする圧縮機。
  7. 【請求項7】 [請求項5]又は[請求項6]に記載す
    る圧縮機において、冷媒ガスの通路に臨ませて冷却リン
    グを電動機回転軸に固着したことを特徴とする圧縮機。
  8. 【請求項8】 [請求項5]乃至[請求項7]の何れか
    一つに記載する圧縮機を有し、この圧縮機で圧縮した高
    温高圧の冷媒ガスを凝縮器で冷却水と熱交換することに
    より凝縮させるとともに、このようにして凝縮した高圧
    の冷媒液を蒸発器で冷水と熱交換することにより蒸発さ
    せて低圧の冷媒ガスとして上記圧縮機に戻すように構成
    した冷凍機において、 凝縮器の出口側から圧縮機の冷媒液供給口を介して駆動
    電動機の固定子空間内に冷媒液を供給するとともに冷媒
    液排出口から排出する冷媒液を蒸発器の入口側に供給す
    る一方、蒸発器の出口側から圧縮機の冷媒ガス供給口を
    介して駆動電動機の回転子空間に冷媒ガスを供給すると
    ともに冷媒ガス排出口から排出する冷媒ガスを圧縮機の
    吸い込み部に排出するように構成したことを特徴とする
    冷凍機。
  9. 【請求項9】 [請求項5]乃至[請求項7]の何れか
    一つに記載する圧縮機を有し、この圧縮機で圧縮した高
    温高圧ガスの冷媒ガスを凝縮器で冷却水と熱交換するこ
    とにより凝縮させるとともに、このようにして凝縮した
    高圧の冷媒液を蒸発器で冷水と熱交換することにより蒸
    発させて低圧の冷媒ガスとして上記圧縮機に戻すように
    構成した冷凍機において、 蒸発器の出口側から冷媒ポンプで汲み上げた冷媒液を圧
    縮機の冷媒液供給口を介して駆動電動機の固定子空間内
    に供給するとともに、冷媒液排出口から排出する冷媒液
    を蒸発器に排出する一方、蒸発器の出口側から圧縮機の
    冷媒ガス供給口を介して駆動電動機の回転子空間に冷媒
    ガスを供給するとともに冷媒ガス排出口から排出する冷
    媒ガスを圧縮機の吸い込み部に排出するように構成した
    ことを特徴とする冷凍機。
  10. 【請求項10】 駆動電動機の回転により圧縮部で冷媒
    ガスを圧縮する圧縮機において、高圧の冷媒ガスを駆動
    電動機の回転子鉄心と固定子鉄心との間のギャップに供
    給してこの冷媒ガスを作動流体とする静圧軸受を形成
    し、この静圧軸受で回転子鉄心を支承するように構成し
    たことを特徴とする圧縮機。
  11. 【請求項11】 駆動電動機で駆動する圧縮機により圧
    縮した高温高圧の冷媒ガスを凝縮器で冷却水と熱交換す
    ることにより凝縮するとともに、このようにして凝縮し
    た高圧の冷媒液を蒸発器で冷水と熱交換することにより
    蒸発させて低圧の冷媒ガスとして上記圧縮機に戻すよう
    に構成した冷凍機において、 駆動電動機の回転子鉄心を、この回転子鉄心と固定子鉄
    心との間のギャップに高圧の冷媒ガスを供給して形成し
    た静圧軸受で支承するように構成したことを特徴とする
    冷凍機。
  12. 【請求項12】 [請求項11]に記載する冷凍機にお
    いて、 圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高圧の冷
    媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを
    使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転子鉄心
    を支承する高圧の冷媒ガスは圧縮機が吐出する冷媒ガス
    をそのまま利用するとともに、回転子鉄心の静圧軸受け
    の作動流体として機能した冷媒ガスは蒸発器へ戻すよう
    に構成したことを特徴とする冷凍機。
  13. 【請求項13】 [請求項11]に記載する冷凍機にお
    いて、 圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高圧の冷
    媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを
    使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転子鉄心
    を支承する高圧の冷媒ガスは凝縮器の飽和冷媒ガスを別
    のガス圧縮機で圧縮して得るとともに、回転子鉄心の静
    圧軸受けの作動流体として機能した冷媒ガスは凝縮器へ
    戻すように構成したことを特徴とする冷凍機。
  14. 【請求項14】 [請求項11]に記載する冷凍機にお
    いて、 圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高圧の冷
    媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを
    使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転子鉄心
    を支承する高圧の冷媒ガスは蒸発器からの冷媒ガスを別
    のガス圧縮機で圧縮して得るとともに、回転子鉄心の静
    圧軸受けの作動流体として機能した冷媒ガスは蒸発器へ
    戻すように構成したことを特徴とする冷凍機。
  15. 【請求項15】 [請求項11]に記載する冷凍機にお
    いて、 圧縮機の始動時における回転子鉄心を支承する高圧の冷
    媒ガスは別途貯溜しておいた圧力タンク内の冷媒ガスを
    使用する一方、圧縮機の定常運転時における回転子鉄心
    を支承する高圧の冷媒ガスは蒸発器の冷媒ガスを別のガ
    ス圧縮機で圧縮して得るとともに、回転子鉄心の静圧軸
    受けの作動流体として機能した冷媒ガスは凝縮器へ戻す
    ように構成したことを特徴とする冷凍機。
  16. 【請求項16】 吸込部に吸い込んだ冷媒ガスを圧縮
    し、高温高圧の冷媒ガスとして凝縮器に吐出するととも
    に、そのケーシング内のオイルタンクに貯溜する潤滑油
    を油ポンプの駆動により軸受部分等の潤滑部位に供給す
    るように構成した圧縮機において、 上記冷媒ガスの吸込部と上記オイルタンクとの間に油ポ
    ンプにより汲み上げた潤滑油を駆動流体とするジェット
    ポンプを設け、このジェットポンプの駆動により上記吸
    込部に存在する潤滑油を上記オイルタンクに回収するよ
    うに構成したことを特徴とする圧縮機。
  17. 【請求項17】 圧縮機で圧縮した高温高圧の冷媒ガス
    を凝縮器で冷却液と熱交換することにより凝縮させると
    ともに、このようにして凝縮した高圧の冷媒液を蒸発器
    で液体と熱交換することにより蒸発させて低圧の冷媒ガ
    スとして上記圧縮機に戻すように構成し、さらに上記圧
    縮機においてはそのケーシング内のオイルタンクに貯溜
    する潤滑油を油ポンプの駆動により軸受部分等の潤滑部
    位に供給するように構成した冷凍機において、 圧縮機における冷媒ガスの吸込部と上記オイルタンクと
    の間に油ポンプにより汲み上げた潤滑油を駆動流体とす
    るジェットポンプを設け、このジェットポンプの駆動に
    より上記吸込部に存在する潤滑油を上記オイルタンクに
    回収するように構成したことを特徴とする冷凍機。
  18. 【請求項18】 [請求項17]に記載する冷凍機の運
    転方法であって、当該冷凍機の冷凍運転を停止した後
    も、一定時間油ポンプの運転のみを継続することを特徴
    とする冷凍機の運転方法。
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