JP2005264747A - エジェクタ及びその運転方法並びに冷凍システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 二次流体の総圧が変化して運転ポイントが設計ポイントと乖離した際に生じるエジェクタ効率の低下を最小限とするエジェクタ及びその運転方法を提供する。
【解決手段】 一次流体の噴流によって二次流体の吸引および/または昇圧を行うエジェクタ10において、一次流体を噴出するノズル2に対向する位置に、ノズル側を向く先端部が円錐形状で、この円錐形状に連続して後方部を紡錘形状またはこれに類似する形状とした内部構造物5を設け、ディフューザ1は前記内部構造物5との間の流路に一次流体と二次流体の混合部8aと混合流体の圧力回復部8bとを有し、前記ノズル2の噴出口2aに前記内部構造物5の先端部円錐部が内包され、運転時に前記ノズル2と前記内部構造物5との相対位置を可変とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 一次流体の噴流によって二次流体の吸引および/または昇圧を行うエジェクタ10において、一次流体を噴出するノズル2に対向する位置に、ノズル側を向く先端部が円錐形状で、この円錐形状に連続して後方部を紡錘形状またはこれに類似する形状とした内部構造物5を設け、ディフューザ1は前記内部構造物5との間の流路に一次流体と二次流体の混合部8aと混合流体の圧力回復部8bとを有し、前記ノズル2の噴出口2aに前記内部構造物5の先端部円錐部が内包され、運転時に前記ノズル2と前記内部構造物5との相対位置を可変とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、真空生成、圧縮、昇圧などに供されるエジェクタ及びその運転方法並びにこのエジェクタを用いた冷凍システムに関する。
従来のエジェクタは、ノズルとディフューザを備え、ノズルから一次流体を高速度で噴射することによって低圧の二次流体を吸引し、一次流体と二次流体が混合後、ディフューザによって昇圧され流出させることにしている。また、このようなエジェクタを用いて冷凍サイクルを構成する場合には、上記二次流体が液相の状態で入っている蒸発器をエジェクタに接続し、上記二次流体が蒸発・吸引される際に発生する気化熱(蒸発潜熱)により発生する冷熱を利用する。
通常、エジェクタは、一次流体と二次流体の総圧ならびにディフューザ出口圧を基準に、ノズル、ディフューザなどの構成要素が設計される。
しかし、実際の運転時には二次流体の総圧が変化することが想定されるが、この場合二次流体の総圧が設計ポイントからずれるとエジェクタの効率は急激に低下する。この理由として、ノズル出口位置で一次流体が完全膨張でなくなることがあげられる。
通常、エジェクタは、一次流体と二次流体の総圧ならびにディフューザ出口圧を基準に、ノズル、ディフューザなどの構成要素が設計される。
しかし、実際の運転時には二次流体の総圧が変化することが想定されるが、この場合二次流体の総圧が設計ポイントからずれるとエジェクタの効率は急激に低下する。この理由として、ノズル出口位置で一次流体が完全膨張でなくなることがあげられる。
そこで、例えば特許文献1ではノズルの位置がディフューザのスロート部に対して制御自在の構造とし、二次流体の総圧によってノズルの位置を可変にする方法がとられている。しかし、この方法ではノズルののど部と出口の断面積は変化しないので、一次流体の膨張割合は同一であり、ノズル出口位置で一次流体が完全膨張でなくなってしまった場合にはエジェクタの効率低下は避けられないことになる。
一次流体の膨張割合を変化させる他の方法としては、例えば特許文献2が知られている。これは、ノズル内部にのど部から出口まで伸びる棒状のニードルを設け、ニードルの位置を調整することによって、のど部の開度とノズル出口の開度を共に可変とするものである。つまり、一次流体と二次流体が混合しその混合流体が圧力回復する機能をもつディフューザは、通常、一次流体、二次流体の総流量が最大時に適した形状に設計されているが、特許文献2のように一次流体の流量をのど部の開度で減少させると、一次流体と二次流体の総流量は大幅に低下するため、流体の通路断面積が大きくなりすぎることになる。その結果、ディフューザ内に渦や逆流が形成され、これらによりエントロピ生成が増大し、エジェクタの効率が急激に低下する課題が残る。
一次流体の膨張割合を変化させる他の方法としては、例えば特許文献2が知られている。これは、ノズル内部にのど部から出口まで伸びる棒状のニードルを設け、ニードルの位置を調整することによって、のど部の開度とノズル出口の開度を共に可変とするものである。つまり、一次流体と二次流体が混合しその混合流体が圧力回復する機能をもつディフューザは、通常、一次流体、二次流体の総流量が最大時に適した形状に設計されているが、特許文献2のように一次流体の流量をのど部の開度で減少させると、一次流体と二次流体の総流量は大幅に低下するため、流体の通路断面積が大きくなりすぎることになる。その結果、ディフューザ内に渦や逆流が形成され、これらによりエントロピ生成が増大し、エジェクタの効率が急激に低下する課題が残る。
一方、例えば特許文献3に開示されているエジェクタは、圧力交換と呼ばれる一次流体と二次流体の可逆的なエネルギー交換の現象を用いることで、エントロピ生成が抑制されエジェクタ効率が向上する技術であるが、二次流体の総圧が低下して運転ポイントが設計ポイントと乖離した際のエジェクタ効率の低下を回避する対策は施されていない。
上述したように、ディフューザ形状を一定に保ったまま、ノズル出口とのど部の断面積を変化させて流量を制御する方法では、エジェクタの効率の著しい低下を伴うため、現実的ではなく、ノズルのど部の断面積を一定として二次側の流体の総圧の変化に対応するのが現実的である。
本発明は、このような観点からなされたもので、二次流体の総圧が変化して運転ポイントが設計ポイントと乖離した際に生じるエジェクタ効率の低下を最小限とするエジェクタ及びその運転方法を提供することを目的としている。
本発明に係るエジェクタは、一次流体の噴流によって二次流体の吸引および/または昇圧を行うエジェクタにおいて、一次流体を噴出するノズルに対向する位置に、ノズル側を向く先端部が円錐形状で、この円錐形状に連続して後方部を紡錘形状またはこれに類似する形状とした内部構造物を設け、ディフューザは前記内部構造物との間の流路に一次流体と二次流体の混合部と混合流体の圧力回復部とを有し、前記ノズルの噴出口に前記内部構造物の先端部円錐部が内包され、運転時に前記ノズルと前記内部構造物との相対位置を可変とすることを特徴とする。
このように構成することにより、ノズルのど部の断面積は一定のままで、ノズル出口断面積を最適値に制御することができるため、二次流体の総圧が変化して運転ポイントが設計ポイントと乖離した際でもエジェクタ効率の低下を抑制し高効率に保つことが可能となる。
また、本発明のエジェクタは、二次流体の圧力もしくは温度または流量を計測する検出器を前記ディフューザに設け、該検出器の計測値に基づいて前記ノズルと前記内部構造物との相対位置を可変とする駆動手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
一次流体のノズル出口圧力は一次流体供給部の総圧とノズルのど部の断面積およびノズル出口断面積がわかれば近似的に計算で算出できるので、二次流体の圧力や温度、あるいは流量を計測することにより、ノズル出口位置の一次流体の圧力と二次流体の圧力を等しくするように制御することができる。
一次流体のノズル出口圧力は一次流体供給部の総圧とノズルのど部の断面積およびノズル出口断面積がわかれば近似的に計算で算出できるので、二次流体の圧力や温度、あるいは流量を計測することにより、ノズル出口位置の一次流体の圧力と二次流体の圧力を等しくするように制御することができる。
また、本発明のエジェクタでは、前記内部構造物の先端部円錐部を羽根付き回転体としてもよい。
内部構造物の先端部円錐部を羽根付き回転体としても上記と同様の効果を奏する。
内部構造物の先端部円錐部を羽根付き回転体としても上記と同様の効果を奏する。
本発明のエジェクタの運転方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載のエジェクタを運転するにあたって、ノズル出口で一次流体と二次流体が接する際の両流体の圧力を等しくするように前記ノズルと前記内部構造物との相対位置を制御する。
エジェクタの運転中に運転条件が変化した場合でも、ノズルと内部構造物との相対位置を適切に制御することにより、エジェクタ効率を高効率に保つことができる。
エジェクタの運転中に運転条件が変化した場合でも、ノズルと内部構造物との相対位置を適切に制御することにより、エジェクタ効率を高効率に保つことができる。
したがって、請求項1乃至3のいずれかに記載のエジェクタを用いて冷凍サイクルを構成することにより、冷凍機としての効率(COP)を向上させることが可能である。
以上のように、本発明のエジェクタは、ノズル位置と内部構造物との相対位置を制御することにより、運転中は一次流体が常に完全膨張に近い状態となるため、運転条件が変化した際もエジェクタ効率を高く保つことができる。さらに、ノズルのど部の断面積は一定であるため、一次流体の流量を減少させる特許文献2に記載の方法に比べて、一次流体と二次流体の総流量の減少幅は少なくて済み、これによって起こり得るエジェクタ効率の低下を抑制できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のエジェクタの概略構成図である。図2は図1のA部すなわちノズル移動機構の拡大断面図である。
このエジェクタ10は、ディフューザ1と、ディフューザ1の内部に移動可能に設けられたノズル2と、ノズル2に対向する位置に配設され、羽根3付き回転体4を保持する内部構造物5と、ノズルガイド6と、ノズル2を移動させるモータ7とから主に構成されている。
ディフューザ1は上流側に導入部11を有し、この導入部11内に上記ノズルガイド6が取り付けられている。一次流体の供給源である一次流体供給部12は一次流体供給配管13を介してノズルガイド6に接続されている。二次流体の供給源である二次流体供給部14は二次流体供給配管15を介してディフューザ1の導入部11に接続されている。ディフューザ1は混合流体流出配管16を介して他のプロセス、凝縮器、あるいは大気などへ接続されている。一次流体供給部12は、例えばボイラや加熱器などからなり、蒸気または気相状態の一次流体をノズル2に供給する。二次流体供給部14は、例えば蒸発器や真空装置などからなり、蒸気または気相状態の二次流体をディフューザ1に供給する。
このエジェクタ10は、ディフューザ1と、ディフューザ1の内部に移動可能に設けられたノズル2と、ノズル2に対向する位置に配設され、羽根3付き回転体4を保持する内部構造物5と、ノズルガイド6と、ノズル2を移動させるモータ7とから主に構成されている。
ディフューザ1は上流側に導入部11を有し、この導入部11内に上記ノズルガイド6が取り付けられている。一次流体の供給源である一次流体供給部12は一次流体供給配管13を介してノズルガイド6に接続されている。二次流体の供給源である二次流体供給部14は二次流体供給配管15を介してディフューザ1の導入部11に接続されている。ディフューザ1は混合流体流出配管16を介して他のプロセス、凝縮器、あるいは大気などへ接続されている。一次流体供給部12は、例えばボイラや加熱器などからなり、蒸気または気相状態の一次流体をノズル2に供給する。二次流体供給部14は、例えば蒸発器や真空装置などからなり、蒸気または気相状態の二次流体をディフューザ1に供給する。
次に、ノズル2と内部構造物5との相対位置を可変にする機構の一例を図2に示す。ここでは、一次流体を噴出するノズル2が、ノズルガイド6に対して、回転することなく直線的に移動するように設けられている。すなわち、図2に示す構成例では、ノズルガイド6は前部と後部に2分割されており、分割されたノズルガイド6の後部内部にモータ7を収納したモータハウジング20が取り付けられている。そして、ノズル2の移動手段は、駆動手段として例示されるモータ7によって回転するネジ機構21により構成されており、このネジ機構21は、モータ軸22にカップリング23を介して取り付けられたネジ軸24と、ノズル2に固定ステー25を介して取り付けられたネジ筒26とからなり、ネジ軸24の雄ネジ部とネジ筒26内の雌ネジ部を螺合させてなる構成である。また、ノズル2の回転防止のために、ノズル2上に設けた突起27をノズルガイド6の分割された前部内面にエジェクタ軸と平行に設けたガイド溝28に係合させている。なお、図2において、29は、分割されたノズルガイド6の前部とノズル2の間に装着されたシール部材、30はモータハウジング20の固定ステー、31はモータ7の固定ネジ、32はモータケーブルである。また、上記の固定ステー25、30は一次流体の流れを妨げないような流線形をした棒状の部材であり、複数半径方向に配設されている。
上述の内部構造物5は、上流側に円錐形状の回転体4を有し、下流側部分は紡錘形状またはこれに類似する形状とされており、ディフューザ1との間の環状流路に、一次流体と二次流体の混合部8aと混合流体の圧力回復部8bとを形成する。この内部構造物5は流線形をした棒状の部材からなる複数の固定ステー33によりディフューザ1内部に取り付けられている。
円錐形状の回転体4は回転軸34により内部構造物5の本体部に回転自在に支持されており、回転体4を形成する先端部円錐部はノズル2の末広状の噴出口2a(ノズル出口とも呼ぶ)に内包されるように配置されている。つまり、円錐部の先端4aはノズル出口位置もしくはその近傍に配置されている。また、回転体4には複数の羽根3が取り付けられ、自由回転するようになっている。なお、円錐形状の回転体4に代えて、内部構造物5の先端部を図4に示すように、回転しない単なる円錐部としてもよい。
さらにまた、図4に示すように、モータ7あるいは油圧シリンダ等の駆動手段をディフューザ1の導入部11の外壁面に取り付けることによりノズル2を前進または後退させてもよい。ノズル2の駆動手段をディフューザ1の外部に設置することによりノズル移動機構が簡単に構成することができる。
円錐形状の回転体4は回転軸34により内部構造物5の本体部に回転自在に支持されており、回転体4を形成する先端部円錐部はノズル2の末広状の噴出口2a(ノズル出口とも呼ぶ)に内包されるように配置されている。つまり、円錐部の先端4aはノズル出口位置もしくはその近傍に配置されている。また、回転体4には複数の羽根3が取り付けられ、自由回転するようになっている。なお、円錐形状の回転体4に代えて、内部構造物5の先端部を図4に示すように、回転しない単なる円錐部としてもよい。
さらにまた、図4に示すように、モータ7あるいは油圧シリンダ等の駆動手段をディフューザ1の導入部11の外壁面に取り付けることによりノズル2を前進または後退させてもよい。ノズル2の駆動手段をディフューザ1の外部に設置することによりノズル移動機構が簡単に構成することができる。
また、一次流体供給部12にはその総圧を測定する圧力計41が取り付けられ、ディフューザ1には、二次流体の圧力を測定する圧力計42が取り付けられる。これらの圧力計41、42による各圧力の測定信号は、エジェクタ10の運転を制御する制御手段43に送られ、制御手段43は、後述するようにノズル出口位置における一次流体の圧力と二次流体の圧力が等しくなるようにモータ7を制御する。
図3は、この制御系の一例を示すブロック図である。ノズルのど部2bの流路断面積とノズル出口2aの流路断面積から、ノズル出口のマッハ数が近似計算できるので、ノズル出口の一次流体の圧力はノズル出口のマッハ数と一次流体供給部12の総圧から算出できる。ノズル出口の流路断面積は、内部構造物5がノズル2に内包されているので、ノズル2と内部構造物5の相対位置によって変化させることが可能であり、その値は内部構造物の先端部形状とノズル位置の関数で表される。
一方、二次流体の圧力は図1に示した圧力計42で計測する。圧力計42は通常ある一点に固定されている。ノズル位置が可変の場合は、測定点がノズル出口位置と一致するとは限らないので、圧力の測定値はノズル出口位置での値に補正する必要がある。圧力測定点とノズル出口位置での圧力の補正は、この間の流れを等エントロピと仮定し、二次流体の総圧と、ノズルの位置と二次流体の導入部(ここでは、ディフューザ1のくびれ部1a)の形状から求まる二次流体の流路断面積、一次・二次流体の比熱比から計算により補正することができる。あるいは、ノズル出口位置と圧力測定点の相対変位が通常小さいことから、ノズル出口位置における圧力を圧力測定点で近似しても支障はない。
一方、二次流体の圧力は図1に示した圧力計42で計測する。圧力計42は通常ある一点に固定されている。ノズル位置が可変の場合は、測定点がノズル出口位置と一致するとは限らないので、圧力の測定値はノズル出口位置での値に補正する必要がある。圧力測定点とノズル出口位置での圧力の補正は、この間の流れを等エントロピと仮定し、二次流体の総圧と、ノズルの位置と二次流体の導入部(ここでは、ディフューザ1のくびれ部1a)の形状から求まる二次流体の流路断面積、一次・二次流体の比熱比から計算により補正することができる。あるいは、ノズル出口位置と圧力測定点の相対変位が通常小さいことから、ノズル出口位置における圧力を圧力測定点で近似しても支障はない。
図3に示すように、この(補正された)二次流体の圧力の測定値を目標値として、ノズル出口の一次流体の圧力の近似計算値が目標値になるようにモータ7に制御信号を出力してノズル位置を調整するフィードバック制御を行う。具体的には二次流体の(補正された)圧力が一次流体の計算でも求まるノズル出口圧力よりも高い場合は、一次流体のノズル内での膨張を小さくするために、ノズル2を内部構造物5の方向に移動させ、二次流体の補正された圧力が一次流体の計算で求まるノズル出口圧力よりも低い場合は、この逆となりノズル2を内部構造物5より開離する方向に移動させる。
次に、このエジェクタ10の動作を説明する。一次流体供給部12から一次流体供給配管13を通じてノズルガイド6内に供給された一次流体は、モータハウジング20とノズルガイド6間の環状流路を通り、さらにノズル2とネジ筒26間の環状流路を通り、ノズル2先端の噴出口2aより高速度で噴出する。二次流体は、一次流体の噴出による負圧によりディフューザ1内に吸引される。一次流体と二次流体は、ディフューザ1と内部構造物5の間の混合部8aで混合され、さらに圧力回復部8bを通過する間に速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して流出する。
このとき、二次流体の総圧の変化によりエジェクタ10の運転ポイントが設計ポイントより乖離するとエジェクタ効率が著しく低下するので、ノズル移動機構を作動させてノズル出口位置を調整することにしている。すなわち、このノズル移動機構では、ノズル2は、モータ軸22の回転によってカップリング23を介して取り付けられたネジ軸24が回転し、ノズルガイド6のガイド溝28とこの溝28に係合するノズル2の突起27とにより、ネジ軸24に螺合しているネジ筒26を直線的に前進、または後退させることができるので、これによってノズル2を内部構造物5の円錐形状の回転体4に向かって前進、または後退させることができる。
そのため、ノズルのど部2bの流路断面積は一定のままで、ノズル出口2aの一次流体の流路断面積を最適値に変化させることができ、ノズル出口位置の一次流体の圧力と二次流体の圧力を常に等しくするよう制御することができる。
このとき、二次流体の総圧の変化によりエジェクタ10の運転ポイントが設計ポイントより乖離するとエジェクタ効率が著しく低下するので、ノズル移動機構を作動させてノズル出口位置を調整することにしている。すなわち、このノズル移動機構では、ノズル2は、モータ軸22の回転によってカップリング23を介して取り付けられたネジ軸24が回転し、ノズルガイド6のガイド溝28とこの溝28に係合するノズル2の突起27とにより、ネジ軸24に螺合しているネジ筒26を直線的に前進、または後退させることができるので、これによってノズル2を内部構造物5の円錐形状の回転体4に向かって前進、または後退させることができる。
そのため、ノズルのど部2bの流路断面積は一定のままで、ノズル出口2aの一次流体の流路断面積を最適値に変化させることができ、ノズル出口位置の一次流体の圧力と二次流体の圧力を常に等しくするよう制御することができる。
したがって、このエジェクタ10によれば、一次流体を噴出させるノズル2の位置と、ノズル2に対向する位置に配設された内部構造物5の先端部円錐部との相対位置を可変とすることにより、ノズルのど部断面積が一定のままで、ノズル出口の流路断面積を適切に可変とすることができるため、エジェクタの運転中に、二次流体の総圧が変化して運転条件が変化した場合でも、ノズル出口で一次流体と二次流体が接する際の両流体の圧力を等しく(完全膨張)するように制御することができるので、簡単にエジェクタ効率の低下を抑制することができ、常に高効率を保つことができる。
なお、上記の説明では検出器として圧力計を想定しているが、圧力計に代わって温度計でもよい。また、圧力や温度を計測せずに、二次流体の流量を計測してこの値が最大となるように制御してもよい。
さらに、ノズル2を固定して内部構造物5を可変とする構造にしてもよい。この場合は検出器をノズル出口断面に設置できるので二次流体の圧力を補正する必要がない。
さらに、ノズル2を固定して内部構造物5を可変とする構造にしてもよい。この場合は検出器をノズル出口断面に設置できるので二次流体の圧力を補正する必要がない。
図5は本発明のエジェクタを用いて冷凍サイクルを構成した実施形態の一例を示す概要図である。
ここでは、エジェクタ10およびノズル移動機構並びに制御装置として、図1乃至図3に示したものを用いている。また、一次流体供給部は加熱器51で構成され、加熱器51は一次流体供給配管13を介してノズルガイド6に接続されている。二次流体供給部は蒸発器52で構成され、蒸発器52は二次流体供給配管15を介してディフューザ1の導入部11に接続されている。混合流体流出配管16は凝縮器53に接続されている。また、加熱器51と凝縮器53とを接続する配管54にはポンプ、あるいは電磁弁等からなる一次流体供給制御装置55が設けられ、蒸発器52と凝縮器53とは減圧弁56を介して二次流体戻り配管57で接続されている。
凝縮器53に流入する一次流体と二次流体の混合気は凝縮器53に接続されている冷却水配管58により冷却され、凝縮する。凝縮した液は、配管54を流れ、一次流体供給装置55により加熱器51に戻されると同時に、二次流体戻り配管57、減圧弁56を介して蒸発器52に戻る。
蒸発器52内の二次流体がエジェクタ10により吸引される際に発生する二次流体の気化熱(蒸発潜熱)により温度低下、すなわち冷凍が発生し、蒸発器52に接続されている冷熱負荷59を冷却する。
ここでは、エジェクタ10およびノズル移動機構並びに制御装置として、図1乃至図3に示したものを用いている。また、一次流体供給部は加熱器51で構成され、加熱器51は一次流体供給配管13を介してノズルガイド6に接続されている。二次流体供給部は蒸発器52で構成され、蒸発器52は二次流体供給配管15を介してディフューザ1の導入部11に接続されている。混合流体流出配管16は凝縮器53に接続されている。また、加熱器51と凝縮器53とを接続する配管54にはポンプ、あるいは電磁弁等からなる一次流体供給制御装置55が設けられ、蒸発器52と凝縮器53とは減圧弁56を介して二次流体戻り配管57で接続されている。
凝縮器53に流入する一次流体と二次流体の混合気は凝縮器53に接続されている冷却水配管58により冷却され、凝縮する。凝縮した液は、配管54を流れ、一次流体供給装置55により加熱器51に戻されると同時に、二次流体戻り配管57、減圧弁56を介して蒸発器52に戻る。
蒸発器52内の二次流体がエジェクタ10により吸引される際に発生する二次流体の気化熱(蒸発潜熱)により温度低下、すなわち冷凍が発生し、蒸発器52に接続されている冷熱負荷59を冷却する。
上述したエジェクタ10を用いることにより、冷凍機の運転中にエジェクタ10の運転条件が変化した場合でもノズル2と内部構造物5の相対位置を最適に制御することにより、エジェクタ効率の低下させることなく高効率に保つことができるため、冷凍機としての効率(COP)が向上する。
なお、一次流体加熱器51に接続されている熱交換器60の熱源としては、電力や燃料の燃焼によるもののほか、工場排熱や排ガス熱なども利用される。また、一次、二次流体の冷媒としては、水、フロン、アルコール、アンモニア、CO2、炭化水素系冷媒、あるいはこれらの混合物などが利用可能である。
1 ディフューザ、2 ノズル、3 羽根、4 回転体、5 内部構造物、6 ノズルガイド、7 モータ、8a 混合部、8b 圧力回復部、10 エジェクタ、11 導入部、12 一次流体供給部、13 一次流体供給配管、14 二次流体供給部、15 二次流体供給配管、16 混合流体流出配管、21 41、42 圧力計、43 制御手段、51 加熱機、52 蒸発器、53 凝縮器
Claims (5)
- 一次流体の噴流によって二次流体の吸引および/または昇圧を行うエジェクタにおいて、
一次流体を噴出するノズルに対向する位置に、ノズル側を向く先端部が円錐形状で、この円錐形状に連続して後方部を紡錘形状またはこれに類似する形状とした内部構造物を設け、
ディフューザは前記内部構造物との間の流路に一次流体と二次流体の混合部と混合流体の圧力回復部とを有し、
前記ノズルの噴出口に前記内部構造物の先端部円錐部が内包され、
運転時に前記ノズルと前記内部構造物との相対位置を可変とすることを特徴とするエジェクタ。 - 二次流体の圧力もしくは温度または流量を計測する検出器を前記ディフューザに設け、該検出器の計測値に基づいて前記ノズルと前記内部構造物との相対位置を可変とする駆動手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のエジェクタ。
- 前記内部構造物の先端部円錐部を羽根付き回転体とすることを特徴とする請求項1記載のエジェクタ。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のエジェクタを運転するにあたって、ノズル出口で一次流体と二次流体が接する際の両流体の圧力を等しくするように前記ノズルと前記内部構造物との相対位置を制御することを特徴とするエジェクタの運転方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のエジェクタを用いて冷凍サイクルを構成したことを特徴とする冷凍システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004074433A JP2005264747A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | エジェクタ及びその運転方法並びに冷凍システム |
Applications Claiming Priority (1)
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-
2004
- 2004-03-16 JP JP2004074433A patent/JP2005264747A/ja active Pending
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