JP2003246811A - シリカ粒子を含むポリマー系材料、その製造方法、その利用 - Google Patents

シリカ粒子を含むポリマー系材料、その製造方法、その利用

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JP2003246811A JP2002356707A JP2002356707A JP2003246811A JP 2003246811 A JP2003246811 A JP 2003246811A JP 2002356707 A JP2002356707 A JP 2002356707A JP 2002356707 A JP2002356707 A JP 2002356707A JP 2003246811 A JP2003246811 A JP 2003246811A
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ニース ベエアトールト
Matthias Koch
コッホ マチアス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療工学領域における、関節インプラントま
たは人工関節の関節部品間の摩擦を低下させることがで
きる、少なくとも部分的に従来技術の欠点を克服したポ
リマー系材料およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィンマトリックスおよび充填
材としてのシリカ粒子を含むポリマー系材料の製造方法
であって、該シリカ粒子が少なくとも重合プロセス終了
前に配合されることを特徴とするポリマー系材料の製造
方法、これにより製造したポリマー材料の関節インプラ
ント、人工関節および滑り軸受、歯車、その他の工業用
部品を製造するための使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィンマ
トリックスおよび充填材としてのシリカ粒子を含有する
ポリマー系材料およびその製造方法ならびに該ポリマー
材料用いた人工関節または関節インプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】人工関節または関節インプラントには、
特に価格および耐久性が異なる様々な材料および材料の
組合せが使用されている。好適な金属合金と超高分子量
ポリエチレン(UHMWPEと表すことがある)との組
合せは、そのような人工関節またはインプラントの大部
分を構成する安価な手法の1つである。このような「メ
タル・オン・ポリマー」のインプラントが、例えば、特
許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】国際公開第01/17464号パンフレ
ット 金属/UHMWPEの組合せの欠点は、金属とプラスチ
ックとの間に存在する静止摩擦により、プラスチック部
品が摩耗しやすいことであり、そして、UHMWPE
が、例えば、骨粒子または骨セメントに汚染されること
によって、取付け時の取付け誤差および損傷を受けやす
いことである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、関節インプラントまたは人工関節において2つ
の関節部品の間の摩擦を低下させることができる材料に
よって、少なくとも部分的に従来技術の欠点を克服する
ことのできるポリマー系材料、その製造方法およびこの
ポリマー系材料を用いた医療工学領域における関節イン
プラント、人工関節または滑り軸受、歯車、その他の工
業用部品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とのできる本発明は、次に記載する事項により特定する
ことができる。 (1) ポリオレフィンマトリックスおよび充填材とし
てのシリカ粒子を含むポリマー系材料の製造方法であっ
て、該シリカ粒子が少なくとも重合プロセス終了前に配
合されることを特徴とするポリマー系材料の製造方法。 (2) 前記シリカ粒子が、平均直径10〜500nm
であるポリエチレンオキシド官能化単分散シリカ粒子で
あって、該単分散シリカ粒子がメタロセン担体として使
用され、該単分散シリカ粒子に固定化されたメタロセン
の量が、生成物のシリカ含有量を1質量%から50質量
%の間に保つために、十分なポリオレフィンが重合時に
形成されるように選択されることを特徴とする、上記
(1)に記載のポリマー系材料の製造方法。 (3) 前記シリカ粒子が、重合活性なチーグラー−ナ
ッタ触媒種またはフィリップス触媒種を担持されたシリ
カ粒子であることを特徴とする、上記(1)または
(2)に記載のポリマー系材料の製造方法。 (4) アルキル官能化単分散シリカ粒子が、さらに十
分な量で触媒と混合され、かつこの混合物が重合のため
に用いられることを特徴とする、上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のポリマー系材料の製造方法。 (5) オレフィン官能化単分散シリカ粒子が、重合前
に混合されることを特徴とする、上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のポリマー系材料の製造方法。 (6) シリカ粒子が、ナノ分散でかつ均質的に分布し
ているポリエチレンマトリックスからなるポリマー系材
料であって、該シリカ粒子が、非酸性の求核種で官能化
されていることを特徴とするポリマー系材料。 (7) 前記シリカ粒子が、ポリエチレンオキシド鎖で
官能化されていることを特徴とする、上記(6)に記載
のポリマー系材料。 (8) アルキル官能化シリカ粒子またはオレフィン官
能化シリカ粒子が用いられることを特徴とする、上記
(6)に記載のポリマー系材料。 (9) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の方
法によって得られるポリマー系材料。 (10) 上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の
ポリマー系材料の使用であって、医療工学領域における
関節インプラントを製造するための使用。 (11) 上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の
ポリマー系材料の使用であって、滑り軸受、歯車または
他の工業用部品を製造するための使用。 (12) 少なくとも一部の関節部品が、金属材料、ポ
リマー材料またはセラミック材料からなる補綴の人工関
節であって、該人工関節の関節部品の少なくとも1つ
が、1質量%から50質量%のシリカ粒子が添加されて
いるポリオレフィンから製造されたポリマー材料からな
ることを特徴とする人工関節。 (13) ポリマー材料が、5質量%から30質量%の
シリカ粒子を含むポリオレフィンからなることを特徴と
する、上記(12)に記載の人工関節。 (14) ポリマー材料が、超高分子量ポリエチレンで
あることを特徴とする、上記(12)または(13)に
記載の人工関節。 (15) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
方法により得られるポリマー系材料に基づく人工関節。 (16) 人工関節が、人工股関節または人工膝関節で
あること特徴とする、上記(12)ないし(15)のい
ずれかに記載の人工関節。 (12) 少なくとも一部の関節部品が、金属材料、ポ
リマー材料またはセラミック材料からなる補綴の人工関
節であって、該人工関節の関節部品の少なくとも1つ
が、ポリオレフィンマトリックスおよび充填材としての
シリカ粒子を含むポリマー系材料であって、シリカ含有
量が1質量%から50質量%であるポリマー材料からな
ることを特徴とする人工関節。 (13) シリカ含有量が、5質量%から30質量%で
あることを特徴とする、上記(12)に記載の人工関
節。 (14) ポリオレフィンマトリックスが、超高分子量
ポリエチレンであることを特徴とする、上記(12)ま
たは(13)に記載の人工関節。 (15) 上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
方法により得られるポリマー系材料に基づく人工関節。 (16) 人工関節が、人工股関節または人工膝関節で
あること特徴とする、上記(12)ないし(15)のい
ずれかに記載の人工関節。
【0006】好適なポリオレフィンマトリックスとし
て、すべてのタイプのポリオレフィンを挙げることがで
きる。しかしながら、ポリエチレン(PEと表すことが
ある)が好ましい。
【0007】医療用工学領域において使用される関節イ
ンプラント、人工関節や,滑り軸受、歯車、その他の工
業用部品等の成形品は、好ましくは、3.9×106
/molから10.5×106g/molの極めて大き
い数平均分子量(Mnと表すことがある)を有するUH
MWPEを用いて成形される。
【0008】このようなポリエチレンの技術的に重要な
性質のいくつか、例えば、耐摩耗性、ノッチ付き衝撃強
度、加熱時寸法安定性および潤滑性などは、数平均分子
量の増大とともに改善されるが、その一方で、高分子量
PEの加工性が損なわれる傾向が見られる。したがっ
て、これまでの従来的なPEを用いた場合と類似した良
好な性質またはその場合よりも良好な性質を有するコン
ポジットにおいて、良好な加工性を有するポリオレフィ
ンマトリックス、例えば、PEマトリックス等を使用す
ることができることは本発明の特徴である。
【0009】
【発明の実施の形態】人工関節を用いた人工補装具にお
いて、ヒト組織または動物組織との要求される適合性
(いわゆる、生体適合性)、および関節部品の大きい摩
擦応力は、少数の材料しか用いることができないことを
意味している。
【0010】金属材料の中では、特に、コバルト/クロ
ム(CoCrMo)は成功していることが証明されてい
る。チタン系合金または表面改質チタン合金(例えば、
窒化チタン)の適用は依然として実験段階である。プラ
スチックの中では、特に、UHMWPEが、股関節体内
人工補装具のソケット部において、そして脛骨構成品の
滑り部として使用されている。酸化アルミニウムおよび
酸化ジルコニウムが使用可能なセラミック材料である。
【0011】本発明の関節インプラント、人工関節にお
いても、一部の部品についてはこれらの公知の材料から
形成された関節部品が含まれていてもよい。
【0012】ポリマー材料、例えば、PEから形成され
た関節部品の人工関節内の摩耗は、固い非多孔性のシリ
カビーズまたはシリカ粒子をポリマー材料に配合するこ
とによって最小限に抑えられる。しかしながら、通常、
シリカビーズやシリカ粒子を均一に分散するのは困難で
ある。
【0013】本発明においては、本発明のポリマー系材
料のポリオレフィンマトリックス、例えばPEにおける
シリカ(二酸化ケイ素またはSiO2と表すことがあ
る)粒子のナノ分散かつ極めて均質な分布を達成するた
めに、シリカ粒子を少なくとも重合プロセス終了前に配
合する。このようにシリカ粒子を配合すると、重合中に
触媒が細分化され形成された断片が細かく反応生成物の
マトリックス中に分散し、これによりシリカ粒子がナノ
粒子状にマトリックス中に均一に分散(ナノ分散と表す
ことがある)される。
【0014】UHMWPEは、通常の場合には、押し出
し成形されないが、その代わり、ホットプレス法によっ
て加工される。しかしながら、この方法では、続く充填
材の混合を容易に行うことができず、充填材が均一に分
散されたものを得るのが非常に困難である。
【0015】本発明のポリマー系材料の製造方法におい
ては、少なくとも重合プロセス終了前に好適な官能化を
伴うシリカ粒子をポリオレフィンマトリックスに配合す
るため様々な方法(またはその組合せ)を行うことがで
きる。
【0016】本発明に使用することのできるシリカ粒子
としては、粒子の平均直径(平均粒径と表すことがあ
る)が10〜500nmであるものが好ましく用いられ
る。好ましいシリカ粒子の具体例としては、たとえば、
単分散のシリカ粒子を挙げることができる。単分散シリ
カ粒子としては、市販品である、モノスフェア(Mon
ospheres(登録商標))100(メルク社製、
球状シリカ粒子、平均直径100nm、平均直径の標準
偏差<5%)、モノスフェア(Monospheres
(登録商標))150(メルク社製、球状シリカ粒子、
平均直径150nm、平均直径の標準偏差<5%)等を
挙げることができる。
【0017】本発明に使用するシリカ粒子は、例えば、
メタロセンと共に添加し、その後、重合に用いることに
よってポリオレフィンマトリックスに配合することがで
きる。メタロセンを、重合活性なチーグラー−ナッタ触
媒種(例えば、TiCl4)またはフィリップス触媒種
に置き換えることができる。上記方法でシリカ粒子を添
加してエテンの重合を行う場合には、この重合プロセス
において、PEがシリカ粒子の周りに形成され、これに
より、例えば、押出成形プロセスのときに混合を行う場
合よりも良好なシリカ粒子の均一な分布が達成される。
【0018】シリカが、混合物の総質量に基づいて、1
質量%〜50質量%の間の量でポリオレフィンマトリッ
クスに存在するような方法で添加を選択するのがこの場
合には好ましい。さらに好ましくは、その量は、5質量
%〜30質量%である。シリカ含有量が多く(例えば、
>55質量%)なると、ポリマー系材料が脆く、砕けや
すくなる傾向が見られるので、目的に応じて、シリカ含
有量を調整するのが好ましい。
【0019】シリカ粒子を求核性の非酸性化合物(例え
ば、ポリエーテル)で官能化することにより、メチルア
ルミノキサン(MAO)で活性化され得る化合物(主と
してメタロセンのような化合物)の直接的な担持が可能
になる。求核性の非酸性化合物で官能化されたシリカ粒
子を担体またはナノ粒子材料と表すことがある。官能化
されたシリカ粒子は、配位結合的相互作用によってMA
Oと一緒にゲルを形成することができ、したがって、メ
タロセンはMAOを介して担体に結合する。担体および
重合活性化学種(触媒種と表すことがある)の均質な分
布がこのプロセスにおいて達成される。乾燥後、触媒種
を担持させた担体(触媒と表すことがある)は、直接、
重合のための触媒として用いることができる。
【0020】チーグラー−ナッタ触媒種を担持させる場
合には、重合活性な化合物は、一般に知られている方法
によってシリカ粒子に(例えば、TiCl4の蒸気とし
て)直接接触させ担持させることができる。
【0021】重合は、溶液状態、懸濁状態または気相に
おいて公知の方法で連続的または不連続的に行うことが
できるが、気相重合および懸濁重合が特に好ましい。重
合における典型的な温度は0℃から200℃の範囲内で
あり、好ましくは20℃から140℃の範囲内である。
【0022】メタロセンの添加および触媒の活性化は、
2から10(gPE)/(g触媒)の触媒生産性が達成
されるような方法で選択される。これは、10質量%か
ら50質量%のシリカ含有量に対応する。
【0023】ポリオレフィンの製造のために通常的に用
いられ、そして高い生産性を目的とする触媒は、それに
応じて処理されたシリカ粒子で「希釈」することによっ
て同様に本発明のポリマー系材料の製造方法において使
用することができる。反応基をもはやその表面に有さな
いオレフィン官能化粒子を使用することがこの場合には
好ましい。不活性化は、最初にオレフィン官能化によっ
て、そしてさらにアルキルアルミニウム化合物(例え
ば、水素化ジイソブチルアルミニウム)で処理すること
によって行うことができる。
【0024】あるいは、シリカ粒子のアルキル官能化ま
たはオレフィン官能化によってシリカ粒子をポリオレフ
ィンマトリックス、例えば、PE内に固定することが可
能である。そのような官能化によって導入された官能基
は、特に良好な固定を達成するために、コポリマーとし
てポリオレフィンマトリックス、例えば、PEに含まれ
る。
【0025】シリカ粒子の上記官能化に使用される化合
物は、例えば、下記のような化合物である:
【0026】
【化1】 式中、Aはアルコキシ基で、好ましくはエトキシ基また
はメトキシ基であり、Bは同じタイプのアルコキシ基ま
たはアルキル基で、好ましくはメチル基であり、Dは、
少なくとも1つの末端アルキル官能基を有する炭化水素
基で、好ましくは末端二重結合を有する直鎖状アルキル
基である。
【0027】Xは、直接的な結合または(CH2n−O
−(式中、nは1から5である)などのヘテロ原子含有
結合のいずれかである。
【0028】アルキル官能化については、例えば、下記
のような化合物が使用される:
【0029】
【化2】 式中、Aはアルコキシ基で、好ましくはエトキシ基また
はメトキシ基であり、Bは同じタイプのアルコキシ基ま
たはアルキル基で、好ましくはメチル基であり、Cは、
1〜25(好ましくは10〜20)の長さを有するアル
キル基である。
【0030】Xは、直接的な結合または(CH2n−O
−(式中、nは1から5である)などのヘテロ原子含有
結合のいずれかである。
【0031】本発明の医療工学領域における、関節イン
プラント、人工関節、本発明の人工関節の製造に使用す
る関節部品、ならびに、滑り軸受、歯車、その他の工業
用部品の製造方法は、特に限定されるものではない。目
的とする製品の形状、要求性能、当該製品の製造に使用
する本発明のポリマー系材料の特性等の諸条件を勘案
し、当該技術分野における公知の製造方法の中から、適
切な方法を選択して用いればよい。また、本発明のポリ
マー材料には、当該技術分野において一般的に用いられ
ている、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、充填
剤等の添加剤を添加することができる。
【0032】下記の実施例および図は、本発明をより詳
細に説明するためのものである。
【0033】図1は、8質量%のシリカを含み、PEを
マトリックスとする本発明のポリマー系材料の透過型電
子顕微鏡写真を示す。この透過型電子顕微鏡写真は、P
hilips社製透過型電子顕微鏡、CM20(商品
名)を用い、加速電圧200kVで記録された。
【0034】サンプルは超ミクロトーム技術によって調
製された。上記ポリマー系材料は、メタロセン担持シリ
カ粒子の助けによって調製された。触媒生産性は1gの
触媒あたり11gのポリエチレンであった。シリカ粒子
の分布を明瞭に認めることができる。
【0035】ポリエーテルなどの非酸性の求核種で、好
ましくはPEOで官能化された単分散シリカ粒子は10
nmから500nmの平均直径を有し、好ましくは約1
00nmの平均直径を有する。シリカ粒子に固定化され
るメタロセンの量は、得られるポリマー系材料のシリカ
含有量を、好ましくは1質量%から50質量%(より好
ましくは5質量%から30質量%)の間に保つために、
十分なポリオレフィン(好ましくはUHMWPE)が重
合時に形成されるような方法で選択される。
【0036】本発明に使用することのできるシリカ粒
子、求核性の非酸性化合物で官能化したシリカ粒子の調
製方法、および、本発明のさらなる実施形態として、以
下に記載のものを挙げることができる。
【0037】(1) ミクロ粒子材料であって、その表
面に非酸性の求核性基を含有するオリゴマーまたはポリ
マー構造を有する無機材料のナノ粒子コアを含み、その
コアは、非酸性の求核性基と、求電子性基を含有する少
なくとも1つのさらに他の成分との相互作用によってア
グロメレート化されているミクロ粒子材料。 (2) 担体と、少なくとも1つの触媒活性種と、場合
により、少なくとも1つの共触媒とから形成される触媒
用のミクロ粒子材料であって、担体が無機材料のコアを
含むことを特徴とする(1)に記載のミクロ粒子材料。 (3) 求電子性基を含有するさらに他の成分が、少な
くとも1つの触媒活性種または少なくとも1つの共触媒
であることを特徴とする(1)または(2)に記載のミ
クロ粒子材料。 (4) 無機材料のコアを含むナノ粒子材料であって、
そのコアの表面に非酸性の求核性基を含有するオリゴマ
ーまたはポリマー構造が存在するナノ粒子材料。 (5) コアの無機材料が、好ましくは、周期表の主族
3もしくは4または亜族3ないし8の元素の酸化物、特
に好ましくは、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ホ
ウ素、酸化ゲルマニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、または酸化鉄、または混合酸化物または前記化合物
の酸化物混合物から選ばれる酸化物材料であることを特
徴とする(1)ないし(3)のいずれか一項に記載のミ
クロ粒子材料または(4)に記載のナノ粒子材料。 (6) コア表面の非酸性の求核性基を含有するオリゴ
マーまたはポリマー構造が、ポリマー、好ましくは表面
にグラフトしている線状ポリマーであり、その非酸性の
求核性基が、ポリマーの主鎖中に直接存在していてもよ
く、あるいは、側鎖として官能基または小さい分子の形
をしていることもあり得ることを特徴とする(1)ない
し(3)のいずれか一項もしくは(5)に記載のミクロ
粒子材料または(4)もしくは(5)のいずれか一項に
記載のナノ粒子材料。 (7) 非酸性の求核性基を含有するポリマーが、特
に、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドま
たはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合ポリ
マー等のポリエーテル、あるいは、ポリビニルアルコー
ル、多糖またはポリシクロデキストリンであることを特
徴とする(6)に記載のミクロ粒子材料またはナノ粒子
材料。 (8) コアの表面が、シェルとなるポリマーをグラフ
トできるようにする活性分子鎖末端の化学的官能基、好
ましくは、末端二重結合、ハロゲン官能基、エポキシ基
または重縮合性基で官能基形成されていることを特徴と
する(1)ないし(7)のいずれか一項に記載のミクロ
粒子材料またはナノ粒子材料。 (9) 求電子性基を含有する成分が、周期表の主族3
または4の(半)金属の有機金属化合物、好ましくは、
ホウ素、アルミニウム、スズ、またはケイ素の各元素の
化合物、特に好ましくはメチルアルミノキサンであるこ
とを特徴とする(1)ないし(3)のいずれか一項また
は(5)ないし(8)のいずれか一項に記載のミクロ粒
子材料。 (10) 非酸性の求核性基を含有するポリマーがポリ
エチレンオキシド(PEO)であり、求電子性基を含有
するさらに他の成分がメチルアルミノキサン(MAO)
であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれか
一項または(5)ないし(9)のいずれか一項に記載の
ミクロ粒子材料。 (11) ミクロ粒子材料が、3つの相互に垂直な直径
の平均の全ての比がいずれの場合も1.5:1から1:
1.5の範囲にある球状粒子からなっており、その材料
の平均粒径が1から150μmの範囲、好ましくは、3
から75μmの範囲にあることを特徴とする(1)ない
し(3)のいずれか一項または(5)ないし(10)の
いずれか一項に記載のミクロ粒子材料。 (12) 不均一系触媒であって、 a)(4)ないし(8)のいずれか一項に記載の少なく
とも1つのナノ粒子材料と、 b)少なくとも1つの周期表の亜族3ないし8のいずれ
かの遷移金属の化合物と、 c)少なくとも1つの周期表の主族3または4の(半)
金属の有機金属化合物とを含み、化合物b)およびc)
がナノ粒子材料a)に結合し、一緒になって触媒活性種
を形成している不均一系触媒。 (13) 成分a)および成分b)またはc)が、一緒
になって(1)ないし(3)のいずれか一項または
(5)ないし(11)のいずれか一項に記載のミクロ粒
子材料を形成していることを特徴とする(12)に記載
の不均一系触媒。 (14) 周期表の亜族3ないし8の遷移金属の化合物
が、錯体化合物であり、特に好ましくは、中心金属が、
好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナ
ジウム、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、および
クロムである元素から選択され、特に好ましい中心金属
がチタンまたは特にジルコニウムであるメタロセン化合
物であることを特徴とする(12)または(13)に記
載の不均一系触媒。 (15) ナノ粒子材料を製造する方法であって、非酸
性の求核性基を含有するオリゴマーまたはポリマー構造
を無機材料のコアの表面に適用することを特徴とする方
法。 (16) オリゴマーまたはポリマー構造を適用する前
にコアの表面に官能基を導入することを特徴とする(1
5)に記載の方法。 (17) ミクロ粒子材料を製造する方法であって、非
酸性の求核性基を含有するオリゴマーまたはポリマー構
造を表面に有する無機材料のナノ粒子コアを求電子性基
を含有する少なくとも1つのさらに他の成分によりアグ
ロメレート化することを特徴とする方法。 (18) 不均一系触媒を製造する方法であって、 a)(4)ないし(8)のいずれか一項に記載の少なく
とも1つのナノ粒子材料または(15)もしくは(1
6)記載の方法によって製造したナノ粒子材料を、少な
くとも1つの周期表の主族3または4の(半)金属の有
機金属化合物と反応させ、かつ、 b)少なくとも1つの周期表の亜族3ないし8のいずれ
かの遷移金属の化合物と反応させ、不均一系触媒を生成
させることを特徴とする方法。 (19) (12)ないし(14)のいずれか一項に記
載の不均一系触媒または(18)に記載の方法によって
製造した不均一系触媒の用途であって、ポリオレフィン
を製造するための用途。 (20) ポリオレフィンを製造する方法であって、
(12)ないし(14)のいずれか一項に記載の不均一
系触媒または(18)に記載の方法によって製造した不
均一系触媒と、式R1CH=CHR2(ただし、R1およ
びR2は、同一または異なるものであってよく、水素お
よび1から20の炭素原子を有する環状および非環状ア
ルキル基からなる群から選択される)のオレフィンとを
使用することを特徴とする方法。 (21) 重合を気相重合または懸濁重合で行うことを
特徴とする(20)に記載のポリオレフィンを製造する
方法。 (22) (12)もしくは(14)のいずれか一項に
記載の不均一系触媒または(18)に記載の方法によっ
て製造した不均一系触媒の用途であって、球状粒子構造
を有するポリオレフィンを製造するための用途。 [発明の詳細な説明] [発明の属する技術分野]本発明は、ミクロおよびナノ
粒子材料と、これらの材料から作り上げた触媒と、これ
らの材料または触媒を製造する方法と、その触媒のオレ
フィンの重合への用途と、その触媒を使用して重合する
方法とに関する。
【0038】[従来の技術]メタロセン触媒による重合
は、1980年代初め以来著しい発展を遂げた。最初は
チーグラー−ナッタ触媒のモデル系と考えられていた
が、それはエテンおよびさらに高分子量の1−オレフィ
ンを(共)重合するための非常に大きい可能性をもつ独
立した方法へとだんだんと発展した。単なるトリアルキ
ル化合物の代わりに活性度を増す共触媒のメチルアルミ
ノキサンを使用することのほかに、急速な発展の決定的
な要因は、触媒の構造/活性関係を体系的に把握するこ
とによる活性度と立体選択性の不断の改良である(G.
G.Hlatky,Coord.Chem.Rev.1
999,181,243;R.Mulhaupt,Na
chr.Chem.Tech.Lab.1993,4
1,1341)。
【0039】しかしながら、均一系触媒は、通常気相ま
たは懸濁重合の方法が使用される大規模工業用としては
限定的な適性を有するにすぎない。触媒活性中心のアグ
ロメレーションがしばしば起こり、その結果「反応器フ
ァウリング」として知られる反応器の壁その他でのケー
キングが発生する。その結果として、担持された触媒が
そのために開発された。その触媒の担持は前記の問題を
避けることを意図したものである。
【0040】本明細書で普通に記載する担体物質は、酸
化ケイ素(たとえば、米国特許第4,808,561
号、米国特許第5,939,347号、国際公開第96
/34898号)または酸化アルミニウム(たとえば、
M.Kaminaka,K.Soga,Macromo
l.Rapid Commun.1991,12,36
7)またはフィロケイ酸塩(たとえば、米国特許第5,
830,820号、ドイツ特許公開第197 27 2
57号、欧州特許公開第849 288号)、ゼオライ
ト(たとえば、L.K.Van Looveren,
D.E.De Vos,K.A.Vercruyss
e,D.F.Geysen.B.Janssen,P.
A.Jacobs,Cat.Lett.1998,56
(1),53)等の無機化合物、または、シクロデキス
トリン(D.−H.Lee,K.−B.Yoon,Ma
cromol.Rapid Commun.1994,
15,841;D.Lee,K.Yoon,Macro
mol.Symp.1995,97,185)またはポ
リシロキサン誘導体(K.Soga,T.Arai,
B.T.Hoang,T.Uozumi,Macrom
ol.Rapid Commun.1995,16,9
05)等のモデルシステム等に基づいている。
【0041】担体の使用で起こる新たな問題は、均一系
重合と比較して触媒の活性度と選択性の低下が伴うこと
である。
【0042】[発明が解決しようとする課題]したがっ
て、不均一系触媒を使用して発生する従来技術の不利な
点を防止する材料が要求されることになった。
【0043】[課題を解決するための手段]驚いたこと
に、以下で説明する無機物質のコアを有するナノ粒子の
アグロメレートは、このタイプの触媒用として有利に使
用することができ得ることが今や見出された。
【0044】本発明は、第1に、ミクロ粒子材料であっ
てその表面に非酸性の求核性基を含有するオリゴマーま
たはポリマー構造を有する無機材料のナノ粒子コアを含
み、そのコアは非酸性の求核性基と少なくとも1つの求
電子性基を含有するさらなる成分との相互作用によって
凝集しているものに関する。
【0045】そのミクロ粒子材料は、好ましくは、担体
と少なくとも1つの触媒活性種および場合により少なく
とも1つの共触媒から形成される触媒であって、それは
担体がその表面に非酸性の求核性基を含有するオリゴマ
ーまたはポリマー構造を有する無機材料のコアを含み、
そのコアは非酸性の求核性基と少なくとも1つの求電子
性基を含有するさらなる成分との相互作用によって凝集
していることを特徴とする。
【0046】[発明の実施の形態]「ナノ粒子」の用語
は、本明細書では平均粒径が約1nmから1000nm
未満の範囲にある全ての粒子に適用する。それに対応し
て「ミクロ粒子」の用語は、平均粒径が1μmから10
00μm未満の範囲にある全ての粒子に適用する。
【0047】求電子性基を含有するさらなる成分は、好
ましくは、少なくとも1つの触媒活性種または少なくと
も1つの共触媒である。
【0048】本発明はさらに無機材料のコアを含みその
コアの表面に非酸性の求核性基を含有するオリゴマーま
たはポリマー構造が存在するナノ粒子材料に関する。
【0049】無機材料のコアは、好ましくは、金属また
は半金属または金属塩からなるが、特に好ましくは、金
属カルコゲニドまたは金属プニクタイドからなる。本発
明のために使用する「カルコゲニド(chalcogenide)」の
用語は、周期表の16族の元素が電気陰性の結合パート
ナーである化合物に適用し、「プニクタイド(pnictid
e)」の用語は、周期表の15族の元素が電気陰性の結合
パートナーであるものに適用する。
【0050】好ましいコアは、金属カルコゲニドの、好
ましくは、金属酸化物、または金属プニクタイドの、好
ましくは、窒化物またはリン化物である。これらの用語
のために使用する「金属」は、すべて対イオンと比較し
て電気陽性のパートナーとして発現することができる元
素であり、たとえば、古典的亜族金属または第1および
第2主族の主族金属、それにまた第3主族の全元素なら
びにケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、ヒ素、ア
ンチモン、ビスマスなどである。好ましい金属カルコゲ
ニドおよび金属プニクタイドとしては、特に、二酸化ケ
イ素、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、窒化ガリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウ
ム、窒化ケイ素、窒化リン等が挙げられる。
【0051】本発明の目的を果たすためには、コアの無
機材料が、好ましくは、周期表の主族3および4ならび
に亜族3ないし8の元素の酸化物、特に好ましくは、酸
化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化ゲルマ
ニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、または酸化
鉄、または混合酸化物または前記化合物の酸化物混合物
から選ばれる酸化物材料であることを特徴とするミクロ
粒子またはナノ粒子材料が特に好ましい。
【0052】本発明の1つの変形においては、本発明に
よるコア/シェル型粒子の製造に採用する出発材料は、
好ましくは、二酸化ケイ素の単分散コアを含み、それ
は、たとえば、米国特許第4,911,903号に記載
されている方法により得られるはずである。ここでコア
はアンモニアを含む水性媒体中でテトラアルコキシシラ
ンを加水分解してポリ縮合することにより製造するが、
そこでは最初に一次粒子のゾルを製造し、得られたSi
2粒子をその後テトラアルコキシシランを引き続き調
節計量しながら加えることにより所望の粒径に転化させ
る。この方法により5%の平均粒径の標準偏差を有する
単分散SiO2コアの製造が可能となる。
【0053】さらに好ましい出発材料は、たとえば、T
iO2、ZrO2、ZnO2、SnO2、またはAl23
の(半)金属または非吸収性金属酸化物をコートしてあ
るSiO2コアを含む。金属酸化物をコートしたSiO2
コアの製造については、たとえば、米国特許第5,84
6,310号、ドイツ特許第198 42 134号お
よびドイツ特許第199 29 109号に、より詳細
に記載されている。
【0054】使用することが可能なさらなる出発材料と
しては、TiO2、ZrO2、ZnO 2、SnO2、または
Al23または金属酸化物の混合物等の金属酸化物の単
分散コアが含まれる。それらの製造については、たとえ
ば、欧州特許第0,644,914号に記載されてい
る。さらに、単分散SnO2コアの製造ための欧州特許
第0,216,278号の方法は、他の酸化物にも容易
に応用することができて同様の結果を与えるはずであ
る。テトラエトキシシラン、テトラブトキシチタン、テ
トラプロポキシジルコニウム、またはそれらの混合物を
1つにして、サーモスタットを用いて正確に30から4
0℃の温度に合わせてあるアルコールと水とアンモニア
の混合物に激しくかき混ぜながら加え、得られた混合物
をさらに20秒間激しくかき混ぜるとナノメートル範囲
の単分散コアの懸濁液ができる。1から2時間の後反応
時間の後、コアは通常のやり方、たとえば遠心分離によ
って分離し、洗浄して乾燥する。
【0055】コア表面の非酸性の求核性基を含有するオ
リゴマーまたはポリマー構造は、好ましくは、表面にグ
ラフトまたは重合した、すなわち表面で合成したポリマ
ーである(ただし、「オリゴマー」の用語は、以後基本
的にポリマーの用語のもとに含める)。そのポリマーは
枝分かれしていても枝分かれしていなくてもよいが、好
ましい実施形態においてはそのポリマーは線状構造を有
する。非酸性の求核性基はここで直接主鎖中に存在して
いてもよく、あるいは、側鎖として官能基または小さい
分子の形をしていることもあり得る。ポリマーは、場合
により官能基を導入した表面に直接グラフトまたは重合
し、すなわち、表面で合成されるかまたはスペーサーに
よって表面に結合してあってもよい。本発明の好ましい
実施形態においてスペーサーは、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンまたはポリスチレン等の不活性ポリマーまたは
環式もしくは非環式低分子量炭化水素化合物で、特に好
ましくは、1〜20の炭素原子を有するアルキル鎖であ
る。非酸性の求核性基を含有するポリマーは、好ましく
は、特に、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキ
シドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混
合ポリマー等のポリエーテル、またはポリビニルアルコ
ール、多糖またはポリシクロデキストリンである。
【0056】本発明によれば、これらのオリゴマーまた
はポリマー構造は、無機コアが生成した後にそれに適用
する。したがって本発明はさらに非酸性の求核性基を含
有するオリゴマーまたはポリマー構造を無機材料のコア
表面に適用することを特徴とするナノ粒子材料を製造す
る方法に関する。
【0057】オリゴマーまたはポリマー構造をコア表面
に適用するためには、既に上で述べたように、コア表面
に官能基を導入しておくことが有利であり得る。したが
って、本発明の目的を叶えるためにはオリゴマーまたは
ポリマー構造を適用する前にコア表面に官能基を導入す
る方法が好ましい。ここでは表面に活性分子鎖末端とし
てシェルとなるポリマーがグラフトできるようにする化
学機能を適用することが特に好ましい。ここで挙げるこ
とができる例としては、特に、末端二重結合、ハロゲン
官能基、エポキシ基およびポリ縮合性基がある。この時
点の官能基導入は粒子製造の途中で直接行うことができ
る。好ましい実施形態においては、官能基を導入した二
酸化ケイ素粒子は、表面の官能基導入に所望される基を
既にもっているトリアルコキシシランを使用する欧州特
許公開第216 278号に記載されている方法によっ
て得る。ヒドロキシル基をもつ表面の変性は、たとえ
ば、欧州特許公開第337 144号に開示されてい
る。粒子表面を変性するさらなる方法は、特にクロマト
グラフィー材料の製造に携わる技術分野の熟練者には、
よく知られており、様々な教科書、たとえば、Unge
r,K.K.,Porous Silica,Else
vier Scientific Publishin
g Company(1979)などに記載されてい
る。
【0058】求電子性の基を含有する成分は、好ましく
は、周期表の主族3または4の(半)金属の有機金属化
合物であり、それらはまた以下では「共触媒」と称す
る。それらは、特に好ましくは、ホウ素、アルミニウ
ム、スズ、またはケイ素等の元素の化合物、好ましくは
ホウ素またはアルミニウムの化合物である。ハロゲン化
物を含まない化合物が好ましい。化合物の有機ラジカル
は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アリール、ア
ルカリル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、
アルカリルオキシ、アラルコキシラジカルおよびフッ素
置換誘導体からなる群から選択する。
【0059】好ましい化合物は、トリアルキルアルミニ
ウム化合物、たとえば、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ
イソプロピルアルミニウム等である。
【0060】アルミニウム上にアルキル基を含有するア
ルミノキサン、たとえば、メチル−、エチル−、プロピ
ル−、イソブチル−、フェニル−、またはベンジルアル
ミノキサン等が特に好ましく、特にMAOの略語でよく
知られているメチルアルミノキサンが特に好ましい。
【0061】求電子性基を含有する成分をミクロ粒子材
料がナノ粒子コアとの相互作用を通じて生成するように
選択することはここでは基本的なことである。当技術分
野の熟練者であれば、それに相応する方法で相互に作用
しあう求核性基および求電子性基を選択するのに全く困
難はない。
【0062】ミクロ粒子材料は、好ましくは、コアがコ
ア上の非酸性の求核性基と他の成分の求電子性基との相
互作用を通して互いに保持されることによってナノ粒子
コアから次第に出来上がる。非酸性の求核性基を含有す
るオリゴマーまたはポリマー構造を表面に有する無機材
料のナノ粒子コアを、求電子性基を含有する少なくとも
1つのさらなる成分によりアグロメレート化するこのタ
イプのミクロ粒子材料を製造する方法は、同様に本発明
の主題である。
【0063】特に好ましい本発明の実施形態において、
非酸性の求核性基を含有するポリマーは、ポリエチレン
オキシド(PEO)であり、求電子性基を含有するさら
なる成分はメチルアルミノキサン(MAO)である。こ
の場合、アグロメレートが形成され、PEOのポリマー
鎖がMAOの金属中心に配位することによって安定化す
ることが想定される。この考え方によればミクロ粒子材
料は、PEO変性した表面を有するコアを含むMAOの
網目をなしている。
【0064】本発明による材料は、触媒として使用し
て、または触媒として、従来技術より次のような利点を
有する。 ・ 触媒活性化合物が担体上に均一に分布している。 ・ 触媒が反応中均一に細分化する。 ・ 形成した断片が細かく、反応生成物中に均一に分布
する。 ・ 本発明による触媒によって製造したポリマーの材料
物性が少量で均一に分布している触媒断片によって影響
されることは、最低限であるか全くない。 ・ 担体上の均一な触媒の分布が均一な断片と相まって
触媒反応の均一な進行をもたらす。 ・ この触媒は、特に反応熱の制御が技術的問題を提起
する重合反応などの反応において、均一な反応の進行に
よって発熱ピークが避けられるために、有利に使用する
ことができ得る。
【0065】上で述べた利点は、重合反応において特に
はっきりとした形で達成することができる。本発明によ
る触媒は、したがって、重合触媒であることが好まし
く、または、本発明に従ってその触媒を重合反応用とし
て使用することが特に好ましい。特に、驚いたことに
は、この方法で得られたポリマーは従来技術のものと比
較して材料特性が改良されていることが見出されてい
る。特に ・ ポリマーの透明性 ・ ポリマーの引裂き強さ ・ 触媒断片による不均質性が低下したためのポリマー
の外観 に関して利点が発生する。
【0066】本発明の好ましい実施形態においては球状
粒子が得られる。ここで球状とは、走査型電子顕微鏡写
真において粒子が球の形を与えることを意味する。「球
状」は、粒子の3つの相互に垂直な直径の平均の差が互
いに最大で長さの50%であるという意味合いで定量化
することができる。これは、3つの相互に垂直な直径の
比の全てがいずれの場合も1.5:1から1:1.5の
範囲にあることを意味する。3つの平均直径との比は、
好ましくは、すべてが1.3:1から1:1.3の範
囲、すなわち、相互の直径の差異が最大で30%でさえ
ある。
【0067】本発明による材料は、通常、1から150
μmの範囲、好ましくは、3から75μmの範囲の平均
粒径を有する。ここでの粒径分布は、たとえば空気分級
による分級によって制御できるはずである。粒子の表面
積−BET法(S.Brunnauer,P.H.Em
mett,E.Teller,J.Am.Chem.S
oc.1938,60,309)で測定する−は、通
常、50から500m2/gであるが、150から45
0m2/gの範囲の表面積が好ましい。細孔容積は、同
様にBET法で測定するが、一般的には0.5から4.
5ml/gの範囲であり、好ましい細孔容積は、0.8
ml/gより大きく、特に好ましくは、1.5から4.
0ml/gの範囲である。
【0068】本発明による材料は、非常に広範な様々な
触媒の担体として適する。原則として、全ての均一系触
媒がこのような材料の助けで固定化できる。
【0069】本発明の特に重要な実施形態においては、
その材料はオレフィン重合用触媒の担体として採用す
る。
【0070】オレフィン重合用の従来の触媒系は、周期
表の亜族3ないし8のいずれかの遷移金属の化合物と、
通常は周期表の主族3または4の(半)金属の有機金属
化合物である共触媒とからなっている。
【0071】本発明はしたがってさらに、上記の少なく
とも1つのナノ粒子材料と、少なくとも1つの周期表の
亜族3ないし8のいずれかの遷移金属の化合物と、少な
くとも1つの周期表の主族3または4の(半)金属の有
機金属化合物とを含み、遷移金属成分と有機金属成分が
ナノ粒子材料に結合しており、共に触媒活性種を形成し
ている不均一系触媒に関する。
【0072】ここでナノ粒子材料および遷移金属成分ま
たは有機金属成分にとっては、共に、上で記したよう
に、ミクロ粒子材料を形成することが特に好ましい。
【0073】周期表の亜族3ないし8のいずれかの遷移
金属の化合物は、以下で「触媒」とも称されるが、好ま
しくは、錯化合物であり、特に好ましくは、メタロセン
化合物である。原則として、これはいずれのメタロセン
でもあり得る。シクロペンタジエニル、インデニルまた
はフルオレニル配位子等の(置換)π配位子を含む橋か
け(アンサ)または非橋かけのメタロセン錯体がここで
は考えられ、3〜8族の中心金属を有する対称または非
対称の錯体を与える。採用する中心金属は、好ましく
は、金属の、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナ
ジウム、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、または
クロムであって、チタンおよび特にジルコニウムが特別
好ましい。
【0074】適当なジルコニウム化合物としては、たと
えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノ
クロリドモノヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムモノブロミドモノヒドリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)メチルジルコニウムヒドリド、ビス
(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムヒドリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジル
コニウムヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェ
ニルジルコニウムヒドリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ベンジルジルコニウムヒドリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ネオペンチルジルコニウムヒドリド、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロ
リドモノヒドリド、ビス(インデニル)ジルコニウムモ
ノクロリドモノヒドリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジ
エニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェ
ニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−プロピルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(イソブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(シクロペンチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(オクタデシルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1
−インデニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)メトキシジルコニウムクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)エトキシジルコニウムクロ
リド、ビス(シクロペンタジエニル)ブトキシジルコニ
ウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)−2−エ
チルヘキシルオキシジルコニウムクロリド(bis(cyclope
ntadienyl)-2-ethylhexoxyzirconium chloride)、ビス
(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムエトキシ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウム
ブトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジル
コニウムエトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)フ
ェニルジルコニウムエトキシド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ベンジルジルコニウムエトキシド、ビス(メチ
ルシクロペンタジエニル)エトキシジルコニウムクロリ
ド、ビス(インデニル)エトキシジルコニウムクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)エトキシジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ブトキシジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)−2−エチルヘキシ
ルオキシジルコニウム(bis(cyclopentadienyl)-2-ethyl
hexoxyzirconium)、ビス(シクロペンタジエニル)フェ
ノキシジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)シクロヘキシルオキシジルコニウムクロリド
(bis(cyclopentadienyl)cyclohexoxyzirconium chlorid
e)、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルメトキシジ
ルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)メ
チルジルコニウムフェニルメトキシド、ビス(シクロペ
ンタジフェニル)トリメチルシロキシジルコニウムクロ
リド、ビス(シクロペンタジエニル)トリフェニルシロ
キシジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チオフェニルジルコニウムクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ネオエチルジルコニウムクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ビス(ジメチルアミド)ジ
ルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルア
ミドジルコニウムクロリド、ジメチルシリレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチル
ジルコニウム、ジメチルシリレンビス(2−メチル−
4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(4−t−ブチル−2−メチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ジメチル
シリレンビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(イ
ンデニル)エトキシジルコニウムクロリド、エチレンビ
ス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
エトキシジルコニウムクロリド、エチレンビス(インデ
ニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)ジエチルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)ジベンジルジルコニウム、エチレンビス(インデニ
ル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチレンビス
(インデニル)エチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ベンジルジルコニウムモノクロ
リド、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウム
モノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジブロミド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウム、エチ
レンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジブロ
ミド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メチル−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(6−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス(5−メトキシ−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、エチレンビス(4,7−ジメチル−1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,
7−ジメトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメト
キシド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジエ
トキシド、エチレンビス(インデニル)メトキシジルコ
ニウムクロリド、エチレンビス(インデニル)エトキシ
ジルコニウムクロリド、エチレンビス(インデニル)メ
チルジルコニウムエトキシド、エチレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム
ジメトキシド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジエトキシド、
エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−イ
ンデニル)メトキシジルコニウムクロリド、エチレンビ
ス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
エトキシジルコニウムクロリド、エチレンビス(4,
5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)メチルジ
ルコニウムエトキシド、エチレンビス(4,5,6,7
−テトラヒドロ−1−インデニル)ジメチルジルコニウ
ム、イソプロピレン(シクロペンタジエニル)(1−フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチ
レン(シクロペンタジエニル)(1−フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリドがある。
【0075】適当なチタン化合物としては、たとえば、
ビス(シクロペンタジエニル)チタンモノクロリドモノ
ヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルチタン
ヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルチタ
ンクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルチ
タンクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルチ
タン、ビス(シクロペンタジエニル)エトキシチタンク
ロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ブトキシチタン
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルチタン
エトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)フェノキシ
チタンクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)トリメ
チルシロキシチタンクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)チオフェニルチタンクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ビス(ジメチルアミド)チタン、ビス(シ
クロペンタジエニル)エトキシチタン、ビス(n−ブチ
ルシクロペンタジエニル)チタンジクロリド、ビス(シ
クロペンチルシクロペンタジエニル)チタンジクロリ
ド、ビス(インデニル)チタンジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)チタンジクロリド、エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チ
タンジクロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタンジクロ
リドがある。
【0076】適当なハフニウム化合物としては、たとえ
ば、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムモノクロ
リドモノヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチ
ルハフニウムヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)
フェニルハフニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ハフニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ベンジルハフニウム、ビス(シクロペンタジエニ
ル)エトキシハフニウムクロリド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ブトキシハフニウムクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)メチルハフニウムエトキシド、ビス
(シクロペンタジエニル)フェノキシハフニウムクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)チオフェニルハフニ
ウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(ジ
エチルアミド)ハフニウム、エチレンビス(インデニ
ル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ハフニウムジ
クロリド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テ
トラヒドロ−1−インデニル)ハフニウムジクロリドな
どがある。
【0077】適当な鉄化合物としては、たとえば、2,
6−[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)
エチル]ピリジン鉄ジクロリド、2,6−[1−(2,
6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジク
ロリドがある。
【0078】適当なニッケル化合物としては、たとえ
ば、(2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル
イミノ)ブタン)ニッケルジブロミド、1,4−ビス
(2,6−ジイソプロピルフェニル)アセナフテンジイ
ミノニッケルジクロリド、1,4−ビス(2,6−ジイ
ソプロピルフェニル)アセナフテンジイミノニッケルジ
ブロミドがある。
【0079】適当なパラジウム化合物としては、たとえ
ば、(2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル
イミノ)ブタン)パラジウムジクロリド、(2,3−ビ
ス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン)
ジメチルパラジウムがある。
【0080】ここではジルコニウム化合物を使用するの
が特に好ましく、そのような化合物としては、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドお
よびビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドが特に好ましい。
【0081】しかしながら、本発明によれば、亜族3な
いし8のいずれかの遷移金属の化合物もまた伝統的なチ
ーグラー−ナッタ化合物であり得、たとえば、四塩化チ
タン、テトラアルコキシチタン、アルコキシチタンクロ
リド、ハロゲン化バナジウム、ハロゲン化酸化バナジウ
ム、アルコキシバナジウム化合物等(ただし、アルキル
基は1〜20の炭素原子を有する)である。
【0082】本発明によれば、純粋な遷移金属化合物お
よび様々な遷移金属化合物の混合物の両方とも使用する
ことが可能であり、メタロセンまたはチーグラー−ナッ
タ化合物同士の混合物およびメタロセンとチーグラー−
ナッタ化合物との混合物の両方ともが有利であり得る。
【0083】触媒粒子の平均粒径は、通常は1〜150
μmの範囲であり、好ましくは、3〜75μmの範囲で
ある。
【0084】本発明の好ましい実施形態においては、本
発明による不均一系触媒により、ポリマー粒子が有する
粒径と形を制御できる製造が可能である。ここで粒径
は、約50μmから約3mmの範囲にセットすることが
できる。好ましい粒子の形は、球形であって、上で記し
たように、それは特に均一に触媒を被覆してある球状の
担体粒子により製造することができる。
【0085】本発明はさらに、本発明による不均一系触
媒を製造する方法に関するものであり、そこでは、 a)上記の少なくとも1つのナノ粒子材料を、少なくと
も1つの周期表の主族3または4の(半)金属の有機金
属化合物と反応させ、かつ、 b)少なくとも1つの周期表の亜族3ないし8のいずれ
かの遷移金属の化合物と反応させ、不均一系触媒を生成
させる。
【0086】本発明によるナノ粒子材料を使用する不均
一系触媒の製造は、成分相互の反応が連続することを特
に考慮して様々な方法で行うことができる。
【0087】ある好ましい方法においては、周期表の主
族3または4の(半)金属の有機金属化合物(以後共触
媒と称する)は、最初にナノ粒子材料(以後担体とも称
する)に吸収させ、周期表の亜族3ないし8のいずれか
の遷移金属の化合物(以後触媒とも称する)をその後か
ら加える。別法においては、好ましい方法と同様に、触
媒と共触媒の混合物を担体と共に反応させる。ある場合
には、触媒を最初に担体に固定し、その後共触媒と反応
させるようにしても良い。この方法の好ましい変形にお
いては、本発明によるミクロ粒子材料は、ナノ粒子材料
を共触媒または触媒の第1成分と反応させることによっ
て生成させる。別法では、たとえば、共触媒のメチルア
ルミノキサンを、トリメチルアルミニウムと水を含む担
体材料と反応させることによってその場所で生成させる
こともできる。スペーサーまたはアンカー基の助けをか
りてメタロセン触媒をナノ粒子材料に直接化学結合させ
ることも不均一系触媒の製造においてはあり得るステッ
プである。
【0088】ナノ粒子材料は、通常は、不活性溶媒中に
懸濁させ、触媒および共触媒は溶液または懸濁液として
加える。個々の反応ステップの後、適当な溶媒による洗
浄を精製のため行うことができる。
【0089】すべての触媒製造の処理ステップは、好ま
しくは、保護ガス、たとえばアルゴンまたは窒素のもと
で行う。
【0090】適当な不活性溶媒としては、たとえば、ペ
ンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン等がある。
【0091】本発明による方法の特に好ましい変形にお
いては、ナノ粒子材料は、アルミノキサン、好ましく
は、市販品が入手できるメチルアルミノキサンと反応さ
せる。この場合、ナノ粒子材料は、たとえばトルエン中
に懸濁させ、その後アルミニウム成分と、0℃と140
℃の間の温度で約30分間反応させる。これにより不均
一化されたメチルアルミノキサンがミクロ粒子材料とし
てもたらされる。このようにして担持した共触媒は、そ
の後メタロセン、好ましくは、ジシクロペンタジエニル
ジルコニウムジクロリドと、触媒/共触媒の比が1と
1:100,000の間で接触させる。混合時間は5分
から48時間、好ましくは5分から60分である。
【0092】本発明による不均一系触媒の実際の触媒活
性中心は、ナノ粒子材料と触媒および共触媒成分の反応
の途中まで形成されない。
【0093】本発明によれば、不均一系触媒は、好まし
くはポリオレフィンを製造するために使用する。
【0094】したがって、本発明はまた、上記のように
ポリオレフィンを製造するための不均一系触媒の用途に
も関する。
【0095】「ポリオレフィン」の用語は、ここでは非
常に広くとらえており、モノマー分子中に少なくとも1
つの二重結合を有する置換または非置換の炭化水素化合
物の重合によって得られる高分子化合物を意味する。
【0096】オレフィンモノマーは、ここでは好ましく
は、式R1CH=CHR2(ただし、R1およびR2は、同
一または異なるものであってよく、水素および1から2
0個の炭素原子を有する環状および非環状アルキル基、
アリール基およびアルキルアリール基からなる群から選
択される)の構造を有する。
【0097】採用することができるオレフィンは、たと
えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘキサデセン、
1−オクタデセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等のモノ
オレフィン、たとえば、1,3−ブタジエン、1,4−
ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘキサ
ジエン、1,6−オクタジエン、1,4−ドデカジエン
等のジオレフィン、たとえば、スチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン、m−クロロスチレン、p−クロ
ロスチレン、インデン、ビニルアントラセン、ビニルピ
レン、4−ビニルビフェニル、ジメタノオクタヒドロナ
フタレン、アセナフタレン、ビニルフルオレン、ビニル
クリセン等の芳香族オレフィン、たとえば、シクロペン
テン、3−ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエ
ン、ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、t
−エチリデン−2−ノルボルネン、7−オクテニル−9
−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、4−ビニルベン
ゾシクロブタン、テトラシクロドデセン等の環状オレフ
ィンおよびジオレフィン、およびさらに、たとえば、ア
クリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリロニトリル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリロニトリル、マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、ビニルシラン、トリメチルアリルシラ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソブチレン等であ
る。
【0098】特に好ましいのは、エチレン、プロピレン
および一般にさらに他に1−オレフィン類であり、それ
を単独重合するかまたは別法として他のモノマーとの混
合物中で共重合するかのいずれかである。
【0099】したがって、本発明はさらに、上記の不均
一系触媒と、式R1CH=CHR2(ただし、R1および
2は、同一または異なるものであってよく、水素およ
び1から20個の炭素原子を有する環状および非環状ア
ルキル基、アリール基およびアルキルアリール基からな
る群から選択される)のオレフィンとを使用してポリオ
レフィンを製造する方法にも関する。
【0100】重合は、既知の方法である溶液重合、懸濁
重合または気相重合で、連続または不連続で行うが、気
相重合および懸濁重合が特に好ましい。重合中の一般的
な温度は0℃から200℃の範囲、好ましくは、20℃
から140℃の範囲である。
【0101】重合は、好ましくは、高圧オートクレーブ
中で行う。必要な場合は、重合途中で分子量調整剤とし
て水素を添加してもよい。
【0102】本発明に従って使用する不均一系触媒は、
ホモポリマー、コポリマーおよびブロックコポリマーの
製造を可能にする。
【0103】上記のように、制御できる粒径を有する実
質的に球形のポリマー粒子が、担体を適当に選択するこ
とによって得ることができる。
【0104】本発明はまた、したがって、本発明による
不均一系触媒の、または本発明に従って製造した不均一
系触媒の、球状粒子構造を有するポリオレフィン製造の
ための用途に関する。
【0105】
【実施例】次の略語を使用することがある: MAO メチルアルミノキサン PEO ポリエチレンオキシド Monospher(登録商標)xxx 平均粒径xxx nmを有する単 分散シリカ粒子、平均粒径の標準偏差<5%(メルクKGaA、ダルムスタット ) (実施例1) 触媒の製造 a)ナノ粒子の官能基導入(Monospheres
(登録商標)100(メルク社製)) Monospheres(登録商標)100(メルク社
製、球状シリカ粒子、平均直径100nm、平均直径の
標準偏差<5%)(60gがシリカの1molに相当)
の60gを10重量%のエタノール溶液の形で、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシシ
ランの4.93g(20mmol)と共に70℃で激し
くかき混ぜて混合する。その分散体を24時間還流す
る。分散体はその後乾燥状態になるまで蒸発させ、その
粉体を70℃の減圧下で1夜乾燥させ、10μmol/
2の表面被覆密度を与える。
【0106】b)ポリエチレンオキシド鎖のグラフト ポリエチレンオキシド350(M=350g/mol)
の5.25gをナトリウムの100mgと共に50ml
のテトラヒドロフラン中でガスの発生がおさまるまでか
き混ぜる。その溶液を、実施例1a)によって処理した
Monospher(登録商標)100の5gのテトラ
ヒドロフラン中の懸濁液にスポイトを用いて加える。1
時間かき混ぜた後、2mlの水を加え、Monosph
erを遠心分離とテトラヒドロフランによって3回洗浄
を行った後乾燥させる。
【0107】c)メタロセンの固定 実施例1b)でPEO官能基を導入したMonosph
erの1gをメチルアルミノキサン(MAO)のトルエ
ン中溶液(c(Al)=1.5mol/l)の20ml
中に懸濁させる。1時間かき混ぜた後、MAOのトルエ
ン溶液(c(Al)=1.5mol/l)の11ml中
のジシクロペンタジエニルジルコニウム0.31mmo
lの溶液3mlを加え、その混合物を30分かき混ぜ、
減圧下で溶媒を除去する。
【0108】得られた触媒は、メタロセン0.028m
mol/g触媒(メタロセンと共触媒を含む総質量)の
被覆およびAl/Zr比410を有する。走査型電子顕
微鏡写真は、触媒粒子の粒径約50μmを示す。
【0109】(実施例2) 触媒の製造 a)ナノ粒子の官能基導入(Monospheres
(登録商標)150(メルク社製)) Monospheres(登録商標)150(メルク社
製、球状シリカ粒子、平均直径150nm、平均直径の
標準偏差<5%)の16.1gを水300ml中に懸濁
させ、トリメトキシクロロプロピルシランの2.44g
(12.34mmol)のエタノール25ml中の溶液
を還流下でゆっくりと滴下して加える。その分散液を2
4時間還流する。この官能基を導入したMonosph
eresはその後遠心分離によって分離する。精製は、
エタノール中に3回懸濁させ続いて遠心分離することに
より行う。得られた粉体は減圧下で乾燥する。
【0110】b)ポリエチレンオキシド鎖のグラフト ポリエチレンオキシド350(M=350g/mol)
の2.68gをテトラヒドロフラン50ml中の水素化
ナトリウムの221mg中に0℃でゆっくりと加える。
その混合物をその後さらに0℃で30分、室温でさらに
30分かき混ぜる。その溶液を、Monospher
(登録商標)150(実施例2a)からのもの)の5g
のテトラヒドロフラン中の懸濁液にスポイトを用いて加
える。12時間かき混ぜた後、溶媒を除去し、残留物を
エタノールで3回洗浄する。
【0111】c)メタロセンの固定 実施例2b)でPEO官能基を導入したMonosph
erの1gをメチルアルミノキサン(MAO)のトルエ
ン中溶液(c(Al)=1.5mol/l)の20ml
中に懸濁させる。1時間かき混ぜた後、MAOのトルエ
ン溶液(c(Al)=1.5mol/l)の11ml中
のジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド0.
31mmolの溶液3mlを加え、その混合物を30分
かき混ぜ、減圧下で溶媒を除去する。
【0112】(実施例3) 重合 トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(c(A
l)=1mol/l)の5mlを1リットルの鋼製オー
トクレーブに導入した。そのオートクレーブをイソブタ
ンの400mlで満たして70℃に加熱し、エテンを3
6バールの圧力まで導入した。実施例1の触媒70mg
を過剰圧のアルゴンによりプレッシャーロックを通して
導入した。反応器圧力は、プレスフローコントローラを
通すエテンにより重合の途中は40バールで一定に保っ
た。1時間の重合時間の後、反応は、圧力を解除して停
止する。イソブタンは工程中に蒸発し、ポリエテンがよ
どみなく流れる細粒として残る。収量:48.6g、生
産性:触媒1gあたりPE700g。 (実施例4) [ポリエチレンオキシド官能化単分散シリカ粒子の調
製]モノスフェア(Monospheres;(登録商標))100
(メルク社製、球状シリカ粒子、平均直径:100n
m、平均直径の標準偏差<5%、60gがSiO2の1
molに相当)の60gを10質量%のエタノール分散
体の形で、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルメトキシシランの4.93g(20mmol)と共
に70℃で激しくかき混ぜて混合する。その分散体を2
4時間還流する。分散体はその後乾燥状態になるまで蒸
発させ、その粉体を70℃の減圧下で1夜乾燥させ、1
0μmol/m2の表面被覆密度でシラン処理した単分
散シリカ粒子を得た。
【0113】ポリエチレンオキシド350(M=350
g/mol)の5.25gをナトリウムの100mgと
共に50mlのテトラヒドロフラン中でガスの発生がお
さまるまでかき混ぜる。その溶液を、上記シラン処理し
た単分散シリカ粒子5gのテトラヒドロフラン懸濁液に
スポイトを用いて加える。1時間かき混ぜた後、2ml
の水を加え、シリカ粒子を遠心分離し、テトラヒドロフ
ランによって3回洗浄を行った後乾燥し、ポリエチレン
オキシド官能化単分散シリカ粒子を得た。
【0114】[メタロセンに対するミクロ粒子状材料と
しての使用]上記ポリエチレンオキシド官能化単分散シ
リカ粒子の2gを、メチルアルミノキサンのトルエン溶
液(w(MAO)=5%)の4mlと2時間撹拌して、
上記MAO溶液におけるジシクロペンタジエニルジルコ
ニウム二塩化物の溶液(c(Zr)=0.05mol/
l)の0.2mlを加えた。撹拌をさらに30分間続け
た後、溶媒を減圧下で除くと、黄色の流動性粉末が残っ
た。これを重合に直接用いた(担持量:1gの触媒あた
り2.3μmolのZr、Al/Zr=630)。
【0115】重合のために、960mgの上記触媒を、
400mlのイソブタンが満たされ、エテンで36ba
rに加圧された1lのスチール製反応装置に、アルゴン
のそれよりも高い圧力によるロックを介して70℃で導
入した。10分後、圧力を抜くことによって重合を停止
させた。収量:8.6gの無色の流動性粉末(生産性:
7.6gPE/g触媒、シリカ含有量:11%)。
【0116】生成物は、ASTM G99摩耗試験にお
いて、従来のPEと比較して増大した耐摩耗性を示して
いる。 (実施例5) (反応装置添加剤としての使用) [C18シラン処理単分散シリカ粒子の調製]132gの
モノスフェア(Monospheres;(登録商標))分散物および
150gのエタノールを500mlの三つ口フラスコに
導入する。混合物を70℃に加熱し、そして激しく撹拌
しながら、12.7gのエタノール性トリメトキシオク
タデシルシラン溶液を滴下ロートによって20分かけて
滴下して加える。添加中、シラン溶液が確実に容器の縁
に導入され、しかし容器の壁と接触しないようにしなけ
ればならない。
【0117】その後、混合物を20時間にわたって還流
する。固体が団塊形態になっている懸濁物をビーカーに
移す。固体を、デカンテーションによって、脱イオン水
で5回洗浄する。トルエンを添加した後、水を、水分離
器によって混合物から共沸蒸留により除く。
【0118】重量分析による質量測定によって、分散物
のSiO2濃度が19.4質量%であることが示され
る。
【0119】[反応装置添加剤としての使用]400m
lのイソブタンで上記のように調製されたC18シラン処
理単分散シリカ粒子の10gを1lのスチール製反応装
置に導入する。反応装置を70℃に加熱し、エテンで3
6barに加圧する。80mgのシリカ担持ジシクロペ
ンタジエニルジルコニウム二塩化物を、アルゴンのそれ
よりも高い圧力によるロックを介して導入する。60分
後、圧力を抜くことによって重合を停止させる。収量:
78gの無色の顆粒(0.5mm〜1mmの粒子直
径)。触媒生産性:850gPE/g触媒、シリカ含有
量:12.8質量%。生成物は、添加剤を用いない同一
の方法によって調製されたPEと比較して、ASTM
G99摩耗試験において増大した耐摩耗性を示してい
る。
【0120】[発明の効果]本発明のミクロおよびナノ
粒子材料、これらの材料から作り上げた触媒、これらの
材料または触媒を製造する方法、この触媒のオレフィン
重合への用途、この触媒を使用して重合する方法によ
り、従来技術に比較して、触媒活性点が担体上に均一に
分布し、触媒断片が反応生成物中に均一に分布する触媒
を提供することができる。また本発明によって製造した
ポリオレフィンは、触媒断片による不均一性が少なく、
透明性、引き裂き強さ等の材料物性に優れたポリオレフ
ィンを提供することができる。
【0121】要約 [課題] ミクロおよびナノ粒子材料と、これらの材料
から作り上げた触媒と、これらの材料または触媒を製造
する方法と、その触媒のオレフィン重合への用途と、そ
の触媒を使用して重合する方法とを提供すること。
【0122】[解決手段] ミクロ粒子材料であってそ
の表面に非酸性の求核性基を含有するオリゴマーまたは
ポリマー構造を有する無機材料のナノ粒子コアを含み、
そのコアは、非酸性の求核性基と、求電子性基を含有す
る少なくとも1つのさらに他の成分との相互作用によっ
てアグロメレート化する。
【0123】
【発明の効果】本発明のポリマー系材料は、充填材とし
てのシリカ粒子の分散がきわめて均質であり、これによ
り、耐磨耗性に優れた、本発明の、医療工学領域におけ
る関節インプラント、人工関節、人工関節部品や、滑り
軸受、歯車、その他の工業用部品等を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Philips CM20透過電子顕微鏡(加
速電圧:200kV)を使用して記録された、8質量%
のシリカを含むPEの透過型電子顕微鏡写真である。サ
ンプルは超ミクロトーム技術によって調製された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 ZNM C08L 23/00 ZNM 4J015 F16C 33/20 F16C 33/20 A 4J128 F16H 55/06 F16H 55/06 (71)出願人 591032596 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 ベエアトールト ニース ドイツ連邦共和国 64407 フレンキッシ ュ−クルムバッハ バーンホフシュトラー セ 27 (72)発明者 マチアス コッホ ドイツ連邦共和国 65183 ヴィースバー デン タウヌスシュトラーセ 56 (72)発明者 ホルガー ヴィンクラ− ドイツ連邦共和国 64291 ダルムシュタ ット レメルシュトラーセ 63アー Fターム(参考) 3J011 QA05 SC01 SD03 3J030 AC10 BC01 BC10 CA10 4C081 AB05 BB08 CA021 CF132 DA11 DC12 EA02 EA05 4J002 BB001 BB031 BB041 BB111 BB171 BB181 BC011 BC021 BC081 BC111 BD031 BD101 BG011 BG041 BG061 BG101 BH021 BK001 BL011 BL021 BQ001 DJ016 FA086 FB266 FD016 GB02 GM02 GM05 4J011 PA13 PB06 PB15 PB19 PB22 PC02 PC08 4J015 EA09 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC10 AC28 AC39 AC42 AC45 AC46 AC47 AC48 AD05 AD06 AD08 AD11 AD13 AF02 BA00A BA00B BA01A BA01B BB00A BB00B BB01A BB01B BC15B BC25A CA28A CA28B CB28C EA01 EB02 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB10 EB12 EB13 EB16 EB17 EB18 EB21 EB22 EB25 EB26 EC01 EC02 FA02 GB01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンマトリックスおよび充填
    材としてのシリカ粒子を含むポリマー系材料の製造方法
    であって、該シリカ粒子が少なくとも重合プロセス終了
    前に配合されることを特徴とするポリマー系材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記シリカ粒子が、平均直径10〜50
    0nmであるポリエチレンオキシド官能化単分散シリカ
    粒子であって、該単分散シリカ粒子がメタロセン担体と
    して使用され、該単分散シリカ粒子に固定化されたメタ
    ロセンの量が、生成物のシリカ含有量を1質量%から5
    0質量%の間に保つために、十分なポリオレフィンが重
    合時に形成されるように選択されることを特徴とする、
    請求項1に記載のポリマー系材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリカ粒子が、重合活性なチーグラ
    ー−ナッタ触媒種またはフィリップス触媒種を担持され
    たシリカ粒子であることを特徴とする、請求項1または
    2に記載のポリマー系材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルキル官能化単分散シリカ粒子が、さ
    らに十分な量で触媒と混合され、かつこの混合物が重合
    のために用いられることを特徴とする、請求項1ないし
    3のいずれかに記載のポリマー系材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 オレフィン官能化単分散シリカ粒子が、
    重合前に混合されることを特徴とする、請求項1ないし
    3のいずれかに記載のポリマー系材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリカ粒子が、ナノ分散でかつ均質的に
    分布しているポリエチレンマトリックスからなるポリマ
    ー系材料であって、該シリカ粒子が、非酸性の求核種で
    官能化されていることを特徴とするポリマー系材料。
  7. 【請求項7】 前記シリカ粒子が、ポリエチレンオキシ
    ド鎖で官能化されていることを特徴とする、請求項6に
    記載のポリマー系材料。
  8. 【請求項8】 アルキル官能化シリカ粒子またはオレフ
    ィン官能化シリカ粒子が用いられることを特徴とする、
    請求項6に記載のポリマー系材料。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし5のいずれかに記載の方
    法によって得られるポリマー系材料。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし9のいずれかに記載の
    ポリマー系材料の使用であって、医療工学領域における
    関節インプラントを製造するための使用。
  11. 【請求項11】 請求項6ないし9のいずれかに記載の
    ポリマー系材料の使用であって、滑り軸受、歯車または
    他の工業用部品を製造するための使用。
  12. 【請求項12】 少なくとも一部の関節部品が、金属材
    料、ポリマー材料またはセラミック材料からなる補綴の
    人工関節であって、該人工関節の関節部品の少なくとも
    1つが、ポリオレフィンマトリックスおよび充填材とし
    てのシリカ粒子を含むポリマー系材料であって、シリカ
    含有量が1質量%から50質量%であるポリマー材料か
    らなることを特徴とする人工関節。
  13. 【請求項13】 シリカ含有量が、5質量%から30質
    量%であることを特徴とする、請求項12に記載の人工
    関節。
  14. 【請求項14】 ポリオレフィンマトリックスが、超高
    分子量ポリエチレンであることを特徴とする、請求項1
    2または13に記載の人工関節。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    方法により得られるポリマー系材料に基づく人工関節。
  16. 【請求項16】 人工関節が、人工股関節または人工膝
    関節であること特徴とする、請求項12ないし15のい
    ずれかに記載の人工関節。
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