JP2003242685A - 光ディスク保護フィルム - Google Patents

光ディスク保護フィルム

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JP2003242685A JP2002041306A JP2002041306A JP2003242685A JP 2003242685 A JP2003242685 A JP 2003242685A JP 2002041306 A JP2002041306 A JP 2002041306A JP 2002041306 A JP2002041306 A JP 2002041306A JP 2003242685 A JP2003242685 A JP 2003242685A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異物、口金スジの発生や厚みムラの発生という
問題点を解消するとともに、読みとり・記録エラーの発
生という問題が少なく、かつ紫外線で劣化しにくく、さ
らにディスクとの接着性にも優れた、光記録・再生特性
を長時間にわたって変質させることなく、機械特性・環
境適正面などに優れた光ディスク保護フィルム(シー
ト)を提供すること。 【解決手段】少なくとも片面の表面比抵抗値が25℃、
65RH%で1011Ω/□以下であり、しかも該表面の
表面硬度が鉛筆硬度で3H以上であることを特徴とする
光ディスク保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク基盤の
表面に貼り付けられて光記録層を保護するのに用いられ
る光ディスク保護フィルム(シート)に関するものであ
る。特に、光として青色レーザー光線を用いたDVDブ
ルー用の高密度光記録用光ディスクの保護用に最適に用
いられる保護フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【従来技術】光ディスク基盤は、高密度・大容量の記録
ができることから近年急速にその使用実績を伸ばしてき
たが、一方で、その記録表面上にある波長より小さな傷
や異物はエラー処理で特に問題はないが、用いるレーザ
ー光線の波長に比較して大きな欠点や異物が存在する
と、書き込み時や読みとり時にエラーが生じるという問
題がある。
【0004】そこで、これらの光ディスク基盤の上にゴ
ミや傷がつかないように表面保護フィルムが用いられて
いる。高分子素材としては主として溶液製膜されたポリ
カーボネート(PC)フィルムが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなPCフィルムでは、本発明者らの知見によれば、帯
電防止性がないためゴミを吸着しやすく、かつまた表面
硬度が無いために表面が傷つきやすく、また吸水率が大
きいために高温高湿下でPCが加水分解で劣化し、機械
的に脆くなったり、内部にマイクロクラックが入って、
光学的に透過率低下し、記録エラーが生じるという問題
があり、更に加えてリターデーション値が大きいため
に、書き込みや読み込み時のエラーになったり、光ディ
スク基盤との接着性が劣り剥離するという多くの問題点
もあった。
【0006】また、PCは、製造時に塩化メチレンとい
う溶媒を用いなければならないために環境等に対する検
討も必要であるという問題を有していた。
【0007】そこで、特開平13−266407号公報
などにおいてPCの代わりに耐水性のある熱可塑性脂環
状ノルボルネン系樹脂を用いることが提案されている
が、上述の問題点である帯電防止性能や、耐擦過性がな
いために、特に表層が傷つきやすいことが大問題である
ばかりか、異物、口金スジや厚みムラが大きく、読みと
り・記録エラーが発生しやすいばかりか、紫外線で劣化
しやすく、さらにディスクとの接着性にも劣っており、
光記録・再生特性を長時間にわたって変質させることな
く、機械特性、環境適正などに優れたの保護シートは存
在せず、従って優れた光ディスク保護フィルムは存在し
なかったのである。
【0008】本発明は、上述した欠点を改良した光ディ
スク保護フィルムを提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の光デ
ィスク保護フィルムは、少なくとも片面の表面比抵抗値
が25℃、65RH%で1011Ω/□以下、好ましくは
25℃、40RH%で109 Ω/□以下であり、しかも
該表面の表面硬度が3H以上であることを特徴とするも
のである。
【0010】さらに、かかる本発明の光ディスク保護フ
ィルムの具体的態様として、好ましくは該片面とは逆面
の表面張力が40dyn/cm以上、より好ましくは4
5dyn/cm以上であることを特徴とする光ディスク
保護フィルムである。
【0011】また、好ましくは、本発明の光ディスク保
護フィルムにおいて、吸水率0.1重量%以下、ガラス
転移温度120℃以上の非晶性ポリオレフィン素材を用
いた光ディスク保護フィルムである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光ディスク保護フ
ィルムの好ましい実施の形態について説明する。
【0013】本発明の光ディスク保護フィルムは、代表
的には、光ディスクなどの光情報記録媒体のレーザー入
光面に汚れや傷が付着することを防止するために、該入
光面側に貼り付けて用いられる保護フィルムである。
【0014】該本発明の光ディスク保護フィルムは、そ
の機能として、まず、良好な帯電防止性能を有するもの
であって、具体的には、25℃、65RH%条件下で少
なくとも片側表面の表面比抵抗値が1011Ω/□以下で
あるものであり、好ましくは25℃、40RH%条件下
で109 Ω/□以下であるものである。
【0015】少なくとも片側表面がかかる表面比抵抗値
特性を有することから、本発明の光ディスク保護フィル
ムは、良好な帯電防止性能を有してゴミ・異物を寄せ付
けないことにおいて顕著な効果を有する。すなわち、本
発明のフィルムは、乾燥した光ディスク装置内で使用さ
れるため、特に湿度の低い状態での帯電防止性能が重要
なものである。
【0016】さらに、本発明の光ディスク保護フィルム
は、帯電防止機能とともに該保護フィルムの表面が硬く
て傷つきにくいものであり、特に、前述した表面比抵抗
値特性を有する片側表面が、該表面硬度として鉛筆硬度
3H以上を有するものであり、好ましくは5H以上のも
のである。
【0017】光ディスク保護フィルムとして通常の使い
方程度ではこの程度(3H以上)の表面硬度でも良い
が、特にディスクを回転しながら異物に接触する場合
や、傷のサイズを使用波長程度に小さくするためには、
さらなる表面硬度が要求され、特に、本発明で最も好ま
しくは鉛筆硬度で6H以上のものである。
【0018】また、保護フィルムの面内方向および厚さ
方向のいずれのリターデーションRd値が好ましくは8
nm以下であり、より好ましくは3nm以下であること
が記録の読み取り・書き込みのエラー防止にとって重要
なものである。さらに該保護フィルムの光弾性率Hは、
好ましくは20(10-13 cm2 /dyn)以下であ
り、より好ましくは8(10-13 cm2 /dyn)以下
であり、これは、それら値よりも大きいと、たとえ小さ
なリターデーションRdフィルムを準備しても貼合わせ
やコーティングなどの工程での外力によってリターデー
ションが大きくなる場合があるためである。
【0019】さらに、水蒸気透過率Wとしては、好まし
くは40(g/m2 ・日・0.1mm)以下であり、よ
り好ましくは10(g/m2 ・日・0.1mm)以下で
あり、光線透過率が好ましくは88%以上、より好まし
くは92%以上であることが耐久性・耐湿性・耐熱性に
より優れた保護フィルムを実現し得るものである。
【0020】該保護フィルムを光ディスクの記録表面に
貼合わせるために、帯電防止性とハードコート性を有し
た面とは逆面に、光記録面とのアクリルなどの感圧性接
着材を塗布しておくことが重要であり、このために逆面
の表面張力は好ましくは40dyn/cm以上、より好
ましくは45dyn/cm以上にしておくことが好まし
い。このために用いる表面処理方法としては、火炎処
理、プラズマ処理、アンカーコーティング処理などのよ
うに表面処理によって表面が帯電しない処理が必要であ
る。
【0021】該保護フィルムの高分子素材として、好ま
しいものとして、代表的には、吸水率0.1重量%以下
でかつガラス転移温度120℃以上の非晶性ポリオレフ
ィン素材を用いることができ、更に、詳しくは該非晶性
ポリオレフィンからなる高分子化合物としては、脂環状
オレフィン共重合体(COC)、水添ポリスチレン、ポ
リ4メチルペンテン−1、およびそれらの変性体から選
ばれた非晶性熱可塑性重合体であり、本発明の場合、特
に透明で光弾性率の小さく、しかもガラス転移温度(T
g)の高い脂環状オレフィン共重合体(COC)が好ま
しい。ここで脂環状オレフィン共重合体(COC)と
は、ノルボルネン骨格を有する120℃以上のTgを有
する高Tgポリオレフィンや、テトラシクロドデセン誘
導体または該テトラシクロドデセンと共重合可能な不飽
和環状化合物とメタセシス重合して得られる重合体を水
素添加して得られる重合体などがあり、特開昭60−1
68708号公報、特開昭62−252406号公報、
特開昭62−252407号公報、特開昭63−145
324号公報、特開昭63−264626号公報、特開
平2−133413号公報、特開平1−240517号
公報、特公昭57−8815号公報などで例示すること
ができる。
【0022】環状COCの側鎖に−(CH2nCOOR
などの極性基を適度に有したもの、例えばノルボルネン
基2〜5個に1個程度の極性基を有したものも好ましい
が、すべてのノルボルネン基全部に極性基を有するとい
うような多くの極性基を有すると水蒸気透過率が40
(g/m2 ・日・80μmシート)を越えるようにな
り、さらに吸水率や湿度膨張係数βも大きくなり、保護
機能としての特性が損なわれることがあり好ましくな
い。これらの保護フィルムに、各種の添加剤、例えば紫
外線吸収剤、すべり材、安定剤、酸化防止剤、粘度調整
剤、帯電防止剤、吸水材などを併用することができる。
【0023】本発明において、該保護フィルムの少なく
とも片面の表面比抵抗値は25℃、65RH%で1011
Ω/□以下であり、好ましくは25℃、40RH%で1
9Ω/□以下のものであり、しかも該表面の表面硬度
が3H以上である光ディスク保護フィルムで、さらに該
面とは逆面の表面張力が好ましくは40dyn/cm以
上、より好ましくは45dyn/cm以上のものであ
る。そして、より好ましくは、上述した特性を満足する
非晶性ポリオレフィン素材を用いた光ディスク保護フィ
ルムである。
【0024】本発明において、フィルム厚さは、特に限
定されないが、好ましくは40〜150μm、より好ま
しくは75〜120μm程度のものが取扱い性に優れて
おり好ましいものである。ただ、この保護フィルムの厚
さムラは厳密に管理しないと、記録・再生時にエラーが
生じる場合があるので、厚さの変動値としては好ましく
は3μm以下、より好ましくは1μm以下に小さく抑え
ることが重要である。
【0025】以下に本発明の光ディスク保護フィルムを
製造する方法の一例を示すが、本発明の該フィルムはこ
れに限定されるものではない。
【0026】すなわち、従来から知られている一軸式、
二軸式、あるいはタンデム式などの押出機などで非晶性
ポリオレフィン樹脂Aと、該樹脂Aとは剥離可能なポリ
マー樹脂Bとを別個に溶融させ、各溶融された樹脂流を
フィードブロックと呼ばれる口金前の3層合流器で積層
して3層積層構造にして、BABからなる3層溶融積層
構造積層シートをドラムの様な移動冷却媒体に密着冷却
固化させてキャストシートを得る。このとき、溶融され
る樹脂Aが酸化分解や酸化反応を起こしやすい樹脂、特
にCOCといわれる非晶性高Tg樹脂では、溶融時の酸
素を極力少なくするために、事前に該樹脂を真空で乾燥
して完全に脱気したり、真空押出をしたり、窒素置換押
出をして樹脂の酸化反応を防止したり、さらには該樹脂
に酸化防止剤の添加したりすることが大切であり、この
ような対策をとらないと、溶融時に該樹脂が酸化反応を
起こし、該樹脂が酸化・ゲル化などに変性し、溶融樹脂
が口金などの金属材質と非常に粘着しやすくなり、この
ために口金すじといわれる固定すじが発生しやすくな
り、光学用途としては利用できなくなることがある。こ
のためにも、溶融樹脂との接液面材質は、通常のクロム
メッキや窒化鋼などではなく、TiN、WCのような離
形性に優れたセラミック系材質や、SUS材質などが好
ましい。
【0027】剥離可能なポリマー樹脂Bとしては、「B
AB」の積層構成で3層積された溶融樹脂を冷却ドラム
に密着させて冷却固化するのであるが、該溶融樹脂シー
トの中央部と端部とを実質的に同時にドラムに着地する
ようにキャストすることが厚みムラなどにとって良いの
である。このためにも、B層の樹脂選択と相互の溶融粘
度や冷却ドラム温度管理が大切である。
【0028】また、溶融シートが冷却ドラム上で滑ると
分子配向が生じ、いわゆるレターデーションとして10
nm以上になり、光学的等方性ではなくなるためであ
る。このために、該3層積層体BABを冷却ドラム上に
密着させて冷却させる際に、該シートにエアーナイフ、
エアーチャンバー、プレスロール法、流動パラフィン塗
布法、静電気印加法、高温ドラム粘着法などから選ばれ
た方法などの密着性向上手段によりキャストすることが
大切である。特に、表層の保護層Bの溶融時の電気比抵
抗値をドラム側の層Aよりも2桁程度小さくしておくこ
とが好ましい。さらに、BAB3層で溶融押出するとき
には、両表層Bが内層Aを包み込むような形の積層形態
を取ることによって高い密着量が得られる。
【0029】また、キャスト位置としては、該3層積層
体BABを押し出す口金ランド部のポリマー流れの方向
が、水平方向であり、しかも該冷却ドラムへの最初の接
地点が、該冷却ドラムの頂上位置近傍であることが最も
好ましいが、必ずしもこのようなキャスト位置ではなく
とも、いわゆる口金内ランド部の流れ方向と、大気下に
押し出されたシートの進行方向とがほぼ同一するか、あ
るいは流れ方向と進行方向とのなす狭角となる角度が3
0度以内にすることにより、口金すじと呼ばれる表面欠
点が経時で発生しにくくなるためである。なお、移動冷
却媒体の表面粗さRyは鏡面ロールでは、好ましくは
0.4μm以下、より好ましくは0.2μm以下と超平
滑であることが密着性向上やシートの平滑性等には肝要
である。しかし、高速でキャストしたい場合などでは、
クロムメッキに逆電界を掛けてマイクロクラックドラム
にした表面粗さRyとしては1〜4μm程度の粗面ロー
ルであっても良い。なお、これら3層積層体の全体の厚
みはβ線、IR吸収法などで測定可能であるが、A層の
みの厚みを測定するには、赤外線などの光学的干渉ある
いは吸収で厚みを求めることが可能である。かくして得
られたる高分子樹脂層Aは、B層で両面カバーされてい
るので、表面の酸化変性の少ないシートが得られ、さら
に表面無欠点で光学的等方性に優れるばかりか、厚み均
質性、表面平滑性に優れたシートになる。
【0030】この3層積層シートの片面のB層を剥離し
て、剥離したA面にコロナ処理、プラズマ処理、火炎処
理、あるいはアンカー処理などの非耐電表面活性化処理
をし、表面張力を40dyn/cm以上に高めた後、該
表面に帯電防止性とハードコート性とを有する吐剤をコ
ーティングし、乾燥して、紫外線を照射して硬化させ
て、ハードコート性と帯電防止機能を付与し、該コーテ
ィング表面の保護にオレフィン系の粘着性を有したプロ
テクトフィルムを貼付ける。
【0031】さらに該帯電防止とハードコートを有した
A面とは逆面のA面に光記録層に接着させるために、ア
クリル系などの感圧粘着材(接着剤)を20〜50μm
程度塗布し、シリコン離型PETフィルムを貼付る。
【0032】かくして得られた光ディスク保護フィルム
は、プロテクトフィルム層/ハードコート・帯電防止層
/光学的等方性層/感圧粘着材層/PET離型フィルム
層からなる5層のフィルムであり、該PET離型層を剥
がしてその面を光記録層に接着させ、光ディスクの保護
フィルムを得ることができる。このように実際の使用時
には、表層に貼付けてあるプロテクトフィルムを剥がし
て使用をする。こうすることにより、光ディスクは、ゴ
ミ・傷による記録エラーがなくなり信頼性が一段と向上
するものである。
【0033】
【物性の測定法】本発明で使用した物性値の測定法につ
いて以下に述べる。 1.フィルムの厚みむら:アンリツ株式会社製フィルム
シックネステスタ「KG601A」を用い、フィルムの
縦方向に30mm幅、10m長にサンプリングしたフィ
ルムを連続的に厚みを測定する。フィルムの搬送速度は
3m/分とした。
【0034】10m長での厚み最大値Tmax(μ
m)、最小値Tmin(μm)から、R=Tmax−T
minを求め、Rと10m長の平均厚みTave(μ
m)から、厚みむら(%)=R/Tave×100とし
て求めた。 2.熱的特性(Tm、Tg、Tmc):パーキンエルマ
ー社製DSC−II型測定装置を用い、サンプル重量10
mg、窒素気流下で、昇温速度20℃/分で昇温してゆ
き、ベースラインの偏起の開始する温度をTg、さらに
昇温したところの発熱ピークをTccとし、結晶融解に
伴う吸熱ピーク温度を融点Tmとした。Tm+20℃で
1分間保持した後、冷却速度20℃/分で溶融体を冷却
し、結晶化に基づく発熱ピーク温度をTmcとした。 3.水蒸気透過率:JIS−K7129 B法に従い、
40℃、90RH%で測定した。単位はg/m2・24
時間・シートである。MOCON社製PERMATRA
N−WIAを用いた。 4.光線透過率:分光光度計U−3410(日立製作所
製)を用いて、波長300〜700nmの範囲における
可視光線の全光線透過率を測定し、550nmでの光線
透過率を採用した。 5.リターデーション:偏光顕微鏡下にサンプルをセッ
トし、消光位から45°サンプルを回転しコンペンセイ
ターで偏光干渉色をうち消す値をリターデーションとし
た。単位はnmである。 6.接着力(kg/cm):JIS Z0237に従い
Tピール剥離試験で求めた剥離に必要な強度(kg)を
試験片の幅で割った値である。 7.表面粗さRa:小坂研究所製の高精度薄膜段差計E
T−10を用いて、触針先端半径0.5μm、針圧5m
g、測定長1mm、カットオフ0.08mmで測定し、
JISB−601に従って中心線平均粗さRaを求め
た。 8.表面張力γ:JIS K−6788に従い測定し
た。 9.光弾性率H:室温で測定シートに加重F(dyn/
cm2 )をかけ、シートを伸ばしたときに発生する複屈
折△nから、△n/Fで求め、単位は10-13 cm2
dynで表わす。 10.表面比抵抗:25℃、65RH%で24時間サン
プルを放置後、その雰囲気でデジタル超高抵抗/微小電
流計(アドバンテスト製R8340A)を用いて印加電
圧100Vで3端子電極を用いて測定した。単位はΩ/
□であり、JIS K6911に従って測定したもので
ある。
【0035】また、25℃、40RH%の表面比抵抗値
は、25℃、40RH%の条件下で同様に測定したもの
である。 11.表面鉛筆硬度:JIS K5400に準じて、各
種硬度の鉛筆を90度の角度でフィルムに押し当て加重
1kgで引っ掻いたときに、傷が発生しないときの最も
堅い鉛筆硬度で表示する。
【0036】
【実施例】以下に、本発明をより理解しやすくするため
に実施例・比較例を示す。
【0037】実施例1 高分子シートの化合物Aとして、ノルボルネン系樹脂で
ある環状オレフィン共重合体COC(日本ゼオン社製”
ゼオノア”1600、Tg:165℃)を用い、常法に
従い、原料Aを真空乾燥により水分および溶存酸素を脱
気後、原料ホッパーから押出機までを窒素置換した15
0mmの真空押出機に供給して、280℃で溶融させ
た。一方、その樹脂Aの周りを取り囲むように積層する
樹脂BとしてポレエチレンテレフタレートPET樹脂
(固有粘度:0.75、Tg:70℃、280℃での溶
融比抵抗値106 Ω)を真空乾燥後、65mmの溶融押
出機に供給して285℃で溶融させ、それぞれを15μ
m以上の異物を除去するフィルターを通過させた後、厚
さ方向にB/A/Bと3層にして、しかも該積層シート
端部には樹脂B層しか積層しないようにA層の周りを取
り囲むように積層した後、1200mm幅のカラス口金
形状のTダイ口金(樹脂流動方向は水平になるようにセ
ット)からLD間として50mmの距離にあるキャスト
ドラム頂上に、傾斜させて押出した。
【0038】このときの口金ランド部での樹脂流動方向
と溶融樹脂シートとのなす狭角は0度であった。このド
ラムと樹脂シートとの密着性を上げるために、接地点の
少し前に非ドラム面側からタングステンの0.15mm
のワイヤーで10kv、5mAの正電荷を印加して溶融
体シートを40℃に保たれた鏡面クロムメッキドラム
(ドラム直径:1800mm、表面最大粗さRt:0.
1μm、)上に50m/minの速度で密着・冷却固化
させた。
【0039】かくして得られた3層キャストフィルム
は、B/A/Bの積層構成からなり各層厚さが5/10
0/5μmからなる総厚み110μmのものであり、B
層を剥離してA層単独での100μmの厚みむらを測定
したところ、長手方向、幅方向とも1%以下と小さいも
のであり、しかも、そのA層の厚みむらの周波数解析を
しても3〜10Hzの着地振動起因の厚みむらは皆無で
あり、厚み均質性に優れており、さらに平面性にも優れ
た、クレーター・口金スジなどの表面欠点のない、リタ
ーデーションが0.3nmと完全等方性の非晶性の10
0μmシートであった。
【0040】また、該シートは、端部でも幅変動もな
く、光線透過率も400〜700nmの範囲で90%以
上と透明で完全な非晶質であり光学的等方性に優れたシ
ートであった。
【0041】該B層を剥離した後の片面A層面に外部と
遮断した密閉状態でコロナ処理を行い易接着化した後
に、日本化薬(株)製のカヤノーバKAS−205の4
0%吐液をイソプロピルアルコールで希釈して30%に
してメタバー#10で塗布厚みとして4.5g/m2
ートし、80℃で乾燥後、200mJ/m2 で紫外線を
照射した。
【0042】かくして得られた表面の表面比抵抗値は、
25℃、40RH%で108Ω/□であり、優れた帯電
防止機能と、鉛筆硬度4Hというハードコート性を有し
たものであった。このコート面に汚れ防止のために、プ
ロテクトフィルムを貼付けた。
【0043】このA面とは逆面にアクリル系の感圧粘着
剤を塗布して、乾燥後シリコン離型PETフィルムを重
ね合わせて巻き取った。
【0044】得られた光ディスク保護フィルムは、プロ
テクトフィルム層/ハードコート・帯電防止層/光学的
等方性層/感圧粘着材層/PET離型フィルム層からな
る5層のフィルムであり、該PET離型層を剥がしてそ
の面を光記録層に接着させ、光ディスクの保護フィルム
をした。実際の使用時には、表層に貼付てあるプロテク
トフィルムを剥がして使用することにより、光ディスク
は、ゴミ・傷による記録エラーが無くなり、信頼性が一
段と向上した。 比較例1 実施例1で用いた樹脂A表層にハードコートと帯電防止
機能を有した層をコーティングすることを止め、実施例
1のようにBAB3層フィルムの片面B層を剥がして感
圧粘着剤を塗布/離型PETフィルムの貼付けを行い、
B/A/粘着層/離型層の積層構成となるようにして厚
さ100μmを主体とする保護フィルムを製造した。
【0045】このようにA樹脂表層に帯電防止機能と、
ハードコート性能を有さないときは、たとえ光ディスク
の保護フィルムとして使用しても、全くその効果を示さ
ず、ゴミが付着したり、表面に傷が付いたりして光学用
の保護フィルムとしては使用できないものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の光ディスク保護フィルムは、光
ディスク基盤の表面に貼り付けられて、該光ディスクの
光記録層を良好に保護することを可能にする。
【0047】特に、光として青色レーザー光線を用いた
DVDブルー用の高密度光記録用のディスクにおいては
高度な光記録層の保護が要請されるものであるが、本発
明のフィルムによれば該保護を簡単にかつ良好に達成で
きるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 G11B 7/24 535M C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES // C08L 23:00 C08L 23:00 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA39 AH19 BA01 BB06 BC01 BC12 5D029 LA03 LB02 LB07 LC07 LC14 LC21 LC25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面の表面比抵抗値が25℃、
    65RH%で1011Ω/□以下であり、しかも該表面の
    表面硬度が鉛筆硬度で3H以上であることを特徴とする
    光ディスク保護フィルム。
  2. 【請求項2】片面の表面比抵抗値が1011Ω/□以下で
    あり、しかも該表面の表面硬度が3H以上であり、その
    逆面の表面張力が40dyn/cm以上であることを特
    徴とする請求項1記載の光ディスク保護フィルム。
  3. 【請求項3】該表面比抵抗値が25℃、40RH%で1
    9Ω/□以下であることを特徴とする請求項1または
    2記載の光ディスク保護フィルム。
  4. 【請求項4】該光ディスク保護フィルムの面内および厚
    さ方向でのリターデーションRdが8nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の光ディスク
    保護フィルム。
  5. 【請求項5】該光ディスク保護フィルム層の光弾性率H
    が、20(10-13cm2/dyn)以下であることを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の光ディスク保
    護フィルム。
  6. 【請求項6】該光ディスク保護フィルムの素材が、吸水
    率0.1重量%以下かつガラス転移温度120℃以上の
    非晶性ポリオレフィン素材であることを特徴とする請求
    項1、2、3、4または5記載の光ディスク保護フィル
    ム。
  7. 【請求項7】該非晶性ポリオレフィンからなる高分子化
    合物が、脂環状オレフィン共重合体(COC)、水添ポ
    リスチレン、ポリ4メチルペンテン−1、およびそれら
    の変性体から選ばれた非晶性熱可塑性重合体であること
    を特徴とする請求項6記載の光ディスク保護フィルム。
  8. 【請求項8】該光ディスク保護フィルムの厚さが、40
    〜150μmであることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6または7記載の光ディスク保護フィル
    ム。
  9. 【請求項9】該光ディスク保護フィルムの厚さ変動値
    が、3μm以下であることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7または8記載の光ディスク保護フィ
    ルム。
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JP2009238361A (ja) * 2009-05-15 2009-10-15 Shin Etsu Polymer Co Ltd 光情報記録媒体
JPWO2008153032A1 (ja) * 2007-06-11 2010-08-26 帝人化成株式会社 光学部品用積層フィルム

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