JPH03208620A - 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

二軸配向熱可塑性樹脂フィルム

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JPH03208620A
JPH03208620A JP521990A JP521990A JPH03208620A JP H03208620 A JPH03208620 A JP H03208620A JP 521990 A JP521990 A JP 521990A JP 521990 A JP521990 A JP 521990A JP H03208620 A JPH03208620 A JP H03208620A
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thermoplastic resin
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豊田 勝也
Koichi Abe
晃一 阿部
Ryuichi Nagata
永田 隆一
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二軸配向熱可塑性樹脂フィルムに関するもので
ある。
[従来の技術] 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムとしては少なくとも片面
の走行性が改良されたフィルムが知られている(例えば
、特開昭59−111818号公報等)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の二軸配向熱可塑性樹脂フィル
ムでは、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カ
レンダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビ
ングしてソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の
増大に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に
傷がつくという欠点があった。また、従来のものでは、
上記ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにし
た時の画質、すなわち、S/N (シグナル/ノイズ比
)も不十分という欠点があった。
本発明はかかる欠点を解決し、特に高速工程でフィルム
に傷がつきに<<(以下、耐スクラッチ性に優れるとい
う)、走行時の摩擦係数が小さく(以下、摩擦係数に優
れるという)、シかもダビング時の画質低下の少ない(
以下、耐ダビング性に優れるという)二軸配向熱可塑性
樹脂フィルムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明はかかる課題を解決するために、以下の構造を有
する。すなわち、(1)熱可塑性樹脂Aと粒子を主成分
とするフィルムであって、該フィルムの長手方向ヤング
率EAが4 0 0 kg/mm2以上、長手方向の破
断強度と破断歪の積σ4が20kg/3 M2以上であり、該粒子の平均粒径がフィルムリ厚さの
0.2〜5倍、該粒子の含有量が0.1〜30重量%で
あることを特徴とする厚さ0.01〜3μmの二軸配向
熱可塑性樹脂フィルム、または、(2)熱可塑性樹脂A
と粒子を主成分とするフィルムであって、該熱可塑性樹
脂Aの凝集エネルギー密度(C.  E. D. )が
130cal/mol以上であり、該粒子の平均粒径が
フィルムの厚さの0.2〜5倍、該粒子の含有量が0.
  1〜30重量%であることを特徴とする厚さ0.0
1〜3μmの二軸配向熱可塑性樹脂フィルムとするもの
である。
本発明を構或する熱可塑性樹脂A1熱可塑性樹脂Bとし
ては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフエニレン
スルフィド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン
、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリ
サルフォン、各種エラストマーなと特に限定されること
はない。しかしながら熱可塑性樹脂A1熱可塑性樹脂B
は同じグループのポリマを用いた場合が層間の接着性が
良4 いので好ましく、特にポリエステル、中でもエチェンテ
レフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、エチ
レンα,β−ビス(2−クロルフエノキシ)エタン−4
,4” −ジカルボキシレート単位から選ばれた少なく
とも一種の構造単位を主要成分とする場合に耐スクラッ
チ性、耐ダビング性が向上するので望ましい。また、本
発明を構成する熱可塑性樹脂Aは結晶性、あるいは溶融
時光学異方性である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング
性がより一層良好となるので極めて望ましい。
ここでいう結晶性とはいわゆる非品質ではないことを示
すものであり、定量的には結晶化パラメータにおける冷
結晶化温度Tccが検出され、かつ結晶化パラメータΔ
Tcgが150℃以下のものである。さらに、示差走査
熱量計で測定される融解熱(融解エンタルピー変化)が
7.5cal/g以上の結晶性を示す場合に耐スクラッ
チ性、耐ダビング性、摩擦係数が一層良好となるので極
めて望ましい。
本発明を構成する熱可塑性樹脂Aと粒子を主威分とする
フィルムの長手方向ヤング率EAは400 kg / 
mm 2以上、好ましくは5 0 0 kg/mm2以
上、さらに好ましくは600kg/mm2以上、また、
該フィルムの長手方向の破断強度と破断歪の積σ8が2
0kg/閣2以上、好ましくは22kg/陥2以上、さ
らに好ましくは24kg/m+n2以上であることが耐
スクラッチ性の点で必要である。
フィルム表面にスクラッチが入る機構は、ガイドピンの
凹凸、埃・塵、フィルム表面からの脱落物の凝集体が硬
い引っかき子となりフィルム表面に侵入する機構と、そ
れに引き続く、引っかき子がフィルム表面をかき取る機
構から成る。
前記フィルムのヤング率が4 0 0 kg/mm2以
上である場合に引っかき子の侵入深さが小さくなるため
、フィルムの耐スクラッチ性が向上するものと考えられ
る。
また、前記フィルムの破断強度と破断歪との積σAはフ
ィルムからの脱落物の量に相関する。これはσAがフィ
ルム表面からポリマを引きちぎるのに必要なエネルギー
に正の相関関係があるためであり、σAの値が大きいほ
ど削れ物の量が少ない。そして、σ8が20kg/mm
2以上の場合に削れ物の量が一層減少するため、フィル
ムの耐スクラッチ性が向上するものと考えられる。
また、熱可塑性樹脂Aは凝集エネルギー密度が大きくな
るにつれて分子鎖間の引力が増大し、外力に対して強く
なる。本発明を構或する熱可塑性樹脂Aの凝集エネルギ
ー密度が130cal/m01以上であることが耐スク
ラッチ性の点で必要である。
上記条件を満たすポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
、エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタ
ン−4,4′−ジカルボキシレート等があるが、ヤング
率EAの点から、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
、エチレンα,β−ビス(2−クロルフエノキシ)エタ
ン−4.4′−ジカルボキシレートが特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は、フィルム中での粒
径比(粒子の長径/短径)が1.  0〜1.7 3の粒子、特に、球形状の粒子の場合に耐スクラッチ性
がより一層良好となるので望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子はフィルム中で
の単一粒子指数が0.  7以上、好ましくは0.9以
上である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となるので特に望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は、フィルム中
での相対標準偏差が0.6以下、好ましくは0.  5
以下の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層
良好となるので望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の種類は特に限定され
ないが、上記の好ましい粒子特性を満足するにはアルミ
ナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部析出
粒子などは好ましくなく、コロイダルシリカに起因する
実質的に球形のシリ力粒子、架橋高分子による粒子(た
とえば架橋ボリスチレン)などがあるが、特に10重量
%減少時温度(窒素中で熱重量分析装置島津TG−30
Mを用いて測定。昇温速度20’C/分)が380℃以
上になるまで架橋度を高くした架橋高分子粒8 子の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良
好となるので特に望ましい。なお、コロイダルシリ力に
起因する球形シリカの場合にはアルコキシド法で製造さ
れた、ナトリウム含有量が少ない、実質的に球形のシリ
カの場合に耐スクラッチ性がより一層良好となるので特
に望ましい。しかしながら、その他の粒子、例えば炭酸
カルシウム、二酸化チタン、アルミナ等の粒子でもフィ
ルム厚さと平均粒径の適切なコントロールにより十分使
いこなせるものである。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の結晶化促進係数は特
に限定されないが、−15〜15℃、好ましくは−5〜
10℃の場合に耐スクラッチ性がより一層良好となるの
で特に好ましい。
熱可塑性樹脂Aに含有される粒子の大きさは、フィルム
中での平均粒径がフィルム厚さの0.  2〜5倍、好
ましくは0.  5〜5倍、さらに好ましくは1.1〜
3倍の範囲であることが必要である。
平均粒径/フィルム厚さ比が上記の範囲より小さいと耐
スクラッチ性、摩擦係数が不良となり、逆に大きくても
耐スクラッチ性、耐ダビング性が不良となるので好まし
くない。
また熱可塑性樹脂A中の粒子のフィルム中での平均粒径
(直径)が0.02〜0.5μm1好ましくは0.03
〜0.45μmの範囲である場合に、耐スクラッチ性、
耐ダビング性、摩擦係数がより一層良好となるので望ま
しい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の含有量は0.1〜3
0重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましく
は2〜15重量%であることが必要である。粒子の含有
量が上記の範囲より少なくても、逆に大きくても耐スク
ラッチ性が不良となるので好ましくない。
本発明フィルムは上記熱可塑性樹脂Aと粒子から成る組
成物を主要成分とするが、本発明の目的を阻害しない範
囲内で、他種ポリマをブレンドしても良いし、また酸化
防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等
が通常添加される程度添加されていても良い。
本発明フィルムは上記組成物を二軸配向せしめたフィル
ムである。一軸あるいは無配向フィルムでは耐スクラッ
チ性が不良になるため好ましくない。この配向の程度は
特に限定されないが、高分子の分子配向の程度の目安で
あるヤング率が、長手方向については上述の通り4 0
 0 kg/mm2以上であり、さらに、幅方向にも3
50kg/mm’以上である場合に耐スクラッチ性が一
層良好となるので極めて好ましい。分子配向の程度の目
安であるヤング率の上限は特に限定されないが、通常、
50 0 0kg/mm2程度が製造上の限界である。
また、本発明フィルムは、ヤング率が上記範囲であって
も、フィルムの厚さ方向の一部分、例えば、表層付近の
ボリマの分子配向が無配向、あるいは、一軸配向になっ
ていない、すなわち、厚さ方向の全部分の分子配向が二
軸配向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性、摩
擦係数がより一層良好となるので特に好ましい。
特にアッペ屈折率計、レーザーを用いた屈折率計、全反
射レーザーラマン法などによって測定される分子配向が
、表面、裏面とも二軸配向である11 場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性、摩擦係数がより
一層良好となるので特に望ましい。
さらに、熱可塑性樹脂Aが結晶性ポリエステルであり、
これを主成分とする本発明フィルムの表面の全反射ラマ
ン結晶化指数が20cm−1以下、好ましくは18cm
−’以下、さらに17cm−”の場合に耐スクラッチ性
、耐ダビング性、摩擦係数が一層良好になるので極めて
望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィルムの2・
次イオンマススペクトルによって測定される粒子表層濃
度は特に限定されないが、1/10以下、特に1/50
以下である場合に摩擦係数、耐スクラッチ性がより一層
良好どなるので特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主或分とするフィルムの厚さ
は0.01〜3μm1好ましくは0.02〜1μmいさ
らに好ましくは0.03〜0、5μmであることが必要
である。フィルムの厚さが上記の範囲より小さいと耐ダ
ビング性、摩擦係数が不良となり、逆に大きいと耐スク
ラッチ性が不12 良となるので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィルムの表面
の平均突起高さは5〜500nm,好ましくは10〜3
00nm,さらに好ましくは15〜200nmの範囲で
ある場合に、耐スクラッチ性、耐ダビング性、摩擦特性
がより一層良好となるので特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィルムの平均
突起間隔は6μm以下、好ましくは4μm以下である場
合に耐スクラッチ性、耐ダビング性、摩擦係数がより一
層良好となるので特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィルム表面の
中心線深さRpは特に限定されないが、Rpが200n
m以下、特に180nm以下の場合に耐ダビング性がよ
り一層良好となるのでとくに望ましい。また、上記Rp
と最大高さRtの比、Rt/Rpが1.5〜2.5、特
に、1.7〜2.3の場合に耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性、摩擦係数が良好になるので特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィルム表面の
中心線平均粗さRaと最大高さRtの比、R t / 
R aが10.0以下の場合に耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性、摩擦係数がより一層良好となるので特に望まし
い。
本発明フィルムは上述したように、構或する熱可塑性樹
脂が結晶性あるいは溶融時光学異方性であることがきわ
めて望ましいが、溶融等方性フィルムの場合、結晶化パ
ラメータΔTcgが25〜65℃である場合に耐スクラ
ッチ性、摩擦係数がより一層良好となるので特に望まし
い。
なお熱可塑性樹脂Aがポリエステルの場合には熱可塑性
樹脂A面の厚さ方向屈折率が1.5以下の場合に、耐ス
クラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特
に望ましい。
本発明を構成する熱可塑性樹脂Aがポリエステルの場合
にはフィルムの固有粘度が0.6以上、特に0.7以上
の場合に耐スクラッチ性がより一層良好となるので特に
望ましい。
本発明フィルムを構或する熱可塑性樹脂Aがポリエステ
ルの場合はフィルム中の低分子成分含有量が0.8重量
%以下、特に0.5重量%以下の場合に耐スクラッチ性
がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明フィルムは、もちろん単体(単層フィルム)でも
用いられるが、熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィルム
の少なくとも片面に上記熱可塑性樹脂Aを主或分とする
フィルムを積層した後二軸配向したフィルムの形で用い
ると、機械特性が良好となるのみならず、耐スクラッチ
性、耐ダビング性、摩擦係数もより一層良好となるので
きわめて好ましい。ここで熱可塑性樹脂AとBは同じも
のでも、異なるものでもよい。
上記は積層構或がA/B,A/B/Aの場合であるが、
もちろん、Aと異なる表面状態を有するC層をAと反対
面に設けたA/B/Cでも、あるいはそれ以上の多層構
造でも良い。(ここで、A1B,.Cそれぞれの熱可塑
性樹脂の種類は同種でも異種でもよい。ただし、少なく
とも片面はA層であることが必要である。) 15 また、このような積層フィルムとしたときの、積層フィ
ルムのヤング率は、長手方向、幅方向ともに350kg
/mm2以上であることが耐スクラッチ性の点で好まし
い。
熱可塑性樹脂Bとしては結晶性ボリマが望ましく、特に
、結晶化パラメータΔTcgが20〜100℃の範囲の
場合に、耐スクラッチ性がより一層良好となるので望ま
しい。具体例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられるが
、ポリエステルの場合に耐スクラッチ性が一層良好とな
るので特に望ましい。また、ポリエステルとしては、エ
チレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−ク
ロルフエノキシ)エタン−4.4′ −ジカルボキシレ
ート、エチレン−2,6−ナフタレート単位から選ばれ
た少なくとも一種の構造単位を主要構或威分とする場合
に耐スクラッチ性が特に良好となるので望ましい。ただ
し、本発明を阻害しない範囲、望ましい結晶性を損なわ
ない範囲で、好ましくは5モル%以内で他成分が共重合
さ16 れていても良い。
本発明の熱可塑性樹脂Bにも、本発明の目的を阻害しな
い範囲で、他種ポリマをブレンドしても良いし、また酸
化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添
加剤が通常添加される程度添加されていても良い。
熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィルム中には粒子を含
有している必要は特にないが、平均粒径が0.01〜2
μm,特に0.02〜0.45μmの粒子が0.001
〜0.5重量%、特に0.005〜0.2重量%、さら
には0.005〜0.15重量%含有されていると、耐
スクラッチ性、摩擦係数がより一層良好となるのみなら
ず、フィルムの巻姿が良好となるのできわめて好ましい
含有する粒子の種類は熱可塑性樹脂Aに望ましく用いら
れるものを使用することが望ましい。熱可塑性樹脂Aと
Bに含有する粒子の種類、大きさは同じでも異なってい
てもよい。
上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの結晶化パラメー
タΔTcgの差(A−B)は特に限定されないが、−3
0〜+20℃の場合に、耐スクラッチ性がより一層良好
となるので特に望ましい。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、熱可塑性樹脂Aに粒子を含有せしめる方法として
は、熱可塑性樹脂がポリエステルの場合には、ジオール
成分であるエチレングリコールのスラリーの形で分散せ
しめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸成
分と重合せしめるのが延伸破れなく、本発明範囲の厚さ
と平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状態の
フィルムを得るのに有効である。また、粒子を含有する
ポリエステルの溶融粘度、共重合成分などを調節して、
その結晶化パラメータΔTcgを40〜65℃の範囲に
しておく方法、粒子の入ったジオールスラリーを140
〜200℃、特に180〜200℃で30分〜5時間、
特に1〜3時間熱処理する方法が延伸破れなく、望まし
い範囲の配向状態、表面粗さ、平均突起高さを得るのに
有効である。
また、熱可塑性樹脂B(ポリエステルを含めて)に粒子
を含有せしめる方法として、粒子をエチレングリコール
中で140〜200℃、特に180〜200℃の温度で
30分〜5時間、特に1〜3時間熱処理した後、溶媒を
水に置換したスラリーの形で熱可塑性樹脂Bと混合し、
ベント方式の2軸押出機を用いて混練する方法も有効で
ある。
かくして得られた、粒子を含有するペレットを必要に応
じて乾燥した後、公知の溶融押出機に供給し、熱可塑性
樹脂の融点以上、分解点以下の温度でスリット状のダイ
からシ一ト状に押出し、キャスティングドラム上で冷却
固化せしめて未延伸フィルムを作る。この場合、未延伸
フィルムに押出し成形する時の、口金スリット間隙/未
延伸フィルム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20
の範囲にすることは、延伸破れなく本発明範囲の厚さと
平均粒径の関係、含有量の範囲、望ましい範囲の配向状
態、表層粒子濃度比、全反射ラマン結晶化指数のフィル
ムを得るのに有効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配19 向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または
同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に
長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法を用
い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総延伸倍率
を3.5〜6.5倍で行う方法は延伸破れなく、本発明
範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の
配向状態、表層粒子濃度比のフィルムを得るのに有効で
ある。
ただし、熱可塑性樹脂が溶融時光学異方性である場合は
長手方向延伸倍率は1〜1.1倍が適切である。長手方
向延伸温度は熱可塑性樹脂の種類によって異なり一概に
いえないが、通常、その1段目を50〜130℃、2段
目はそれ以上の温度にすることが本発明範囲の厚さと平
均粒径のの関係、含有量、望ましい配向状態、平均突起
高さ、表層粒子濃度比のフィルムを得るのに有効である
。長手方向延伸速度は5000〜50000%/分の範
囲が適当である。幅方向の延伸方法としてはステン夕を
用いる方法が一般的である。延伸倍率は3.0〜5.0
倍の範囲が適当である。次にこの20 延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理温度は1
70〜220℃、特に170〜200℃、時間は0. 
 5〜60秒の範囲が好適である。
次に、熱可塑性樹脂Bを主或分とするフィルムの少なく
とも片面に熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィルムを積
層する方法としては、次の方法が考えられる。
所定の熱可塑性樹脂A組成物と熱可塑性B樹脂(A,B
は同種、異種どちらでもよい)を公知の溶融積層用押出
機に供給し、スリット状のダイからシ一ト状に押出し、
キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィ
ルムをつくる。すなわち、2または3台の押出し機、2
または3層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて
、熱可塑性樹脂A,Bを積層し、口金から2または3層
の積層シートを押出し、キャスティングロールで冷却し
て未延伸フィルムを作る。この場合、熱可塑性樹脂Aの
ボリマ流路に、スタティックミキサー、ギヤポンプを設
置する方法が延伸破れなく、本発明範囲の厚さと平均粒
径の関係、含有量、望ましい配向状態、平均突起高さ、
Rt/Rp比、R t / R a比、表層粒子濃度比
のフィルムを得るのに有効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめ
る方法のポイントは、基本的に上述した単層フィルムと
同様である。ただし、積層フィルムの場合の延伸温度の
設定は熱可塑性樹脂Bを基準として設定する必要がある
。さらに2層積層フィルムの熱処理工程は、熱可塑性樹
脂A層に吹きつける熱風温度を熱可塑性樹脂B層よりも
3〜20℃低くすることが、本発明範囲の厚さと平均粒
径の関係、含有量、望ましい配向状態、平均突起高さ、
Rt/Rp比、R t / R a比、表層粒子濃度比
、全反射ラマン結晶化指数のブイルムを得るのに有効で
ある。
[作用] 本発明は、含有する粒子の大きさとフィルムの厚さの関
係、含有量、フィルムの厚さを特定範囲とした熱可塑性
樹脂フィルムあるいはその積層フィルとしたので、従来
の溶融製膜/二軸延伸プロセスでは得られない表面形態
とすることができたため、発明の効果が得られたものと
推定される。
さらに、フィルムのヤング率、破断強度と破断歪の積、
およびそれを構或する樹脂の凝集エネルギー密度を規定
することにより、耐スクラッチ性、耐削れ性、耐ダビン
グ性、摩擦係数優れた本発明フィルムを提供することが
できた。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]本発明の特
性値の測定方法ならびに効果の評価方法はつぎの通りで
ある。
(1)粒子の平均粒径 フィルムから熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法(
例えばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子を露
出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は灰化されるが粒子
はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(
走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によっ
てできる光の濃淡)をイメージアナライザイー(例えば
ケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び
付け、観察場所を変えて粒子数5000個以上で23 次の数値処理を行い、それによって求めた数平均径Dを
平均粒子径とする。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
(2)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択し
、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子のフィルム
全重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とす
る。場合によっては、赤外分光法、紫外分光法、濁度等
の光学的測定方法の併用も有効である。
(3)結晶化パラメータΔTcg.融解熱パーキンエル
マ−社製のDSC (示差走査熱量計)■型を用いて測
定した。DSCの測定条件は次の通りである。すなわち
、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃で5
分間溶融した後、液体窒素中に急冷する。この冷却試料
を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。
さらに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピーク
温度をもって冷結晶化温度TCCとした。さら24 に昇温を続け、融解ピークからの融解熱を求めた。
ここでTccとTgとの差(Tcc−Tg)をもって結
晶化パラメータΔTcgと定義した。
(4)表面の分子配向 ナトリウムD線(5 8 9 nm)を光源として、ア
ッペ屈折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化
メチレンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポ
リマの二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折
率をN1、N2、N3とした時、(Nl −N2 )(
7)絶対値が0.07以下、カツ、N3 / [ (N
l +N2 ) /2) ] カ0.  95以下であ
つことをひとつの基準とできる。また、レーザー型屈折
率計を用いて屈折率を測定してもよい。さらに、この方
法では測定が難しい場合には全反射レーザーラマン法を
用いることもできる。
全反射レーザーラマンの測定は、Jobin−Yvon
社製Ramanot  U−1 0 0 0ラマンシス
テムにより、全反射ラマンスベクトルを測定し、例えば
ポリエチレンテレフタレートの場合では、1 6 1 
5cm−”(ベンゼン環の骨格振動)と1 7 3 0
cm−” (カルボニルの伸縮振動)のバンド強度比の
偏光測定比(YY/XX比など。ここでYY:レーザー
の偏光方向をYにしてYに対して平行なラマン光検出、
Xx:レーザーの偏光方向をXにしてXに対して平行な
ラマン光検出)が分子配向と対応することを利用できる
。ボリマの二軸配向性はラマン測定から得られたパラメ
ーターを長手方向、幅方向の屈折率に換算して、絶対値
、差などから判定できる。この場合の測定条件は次の通
りである。
■光源 アルゴンイオンレーザー(5145A)■試料のセッテ
ィング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レーザーの
プリズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は6
0゜とした。
■検出器 PM : RCA31034/Photon Cool
ing S7stem(Hamamatsu C123
G)  (supply 1600V)■測定条件 SLIT         1000μmLASER 
          100mWGATE TIME 
        1.OsecSCAN SPEED 
      12cm−”/minSAMPLI.NG
  INTERVAL   O. 2cm ”−”RE
PEAT TIME       6(5)全反射ラマ
ン結晶化指数 Jobin−Yvon社製 Ramanor  U −
 1 0 0 0ラマンシステムにより、全反射ラマン
スペクトルを測定し、カルボニル基の伸縮振動である1
730cm−1の半価幅をもって表面の全反射ラマン結
晶化指数とした。測定条件は次の通りである。測定深さ
は、表面から500〜IOOOA程度である。
■光源 アルゴンイオンレーザー(5145A)■試料のセッテ
ィング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平行
となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着させ
、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向と
の角度)は60゜ とした。
27 ■検出器 PM : RCA31034/Photon Coun
ting System(Hamarnajsu C1
230 )  (suppl7 1600D■測定条件 SLIT         1000μmLASER 
       l00mWGATE TIME    
  1. OsecSCAN SPEED      
12cm−”/min,SAMPLING INTER
VAL  O. 2cm −”REPI!AT TIM
E     6(6)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、
エリオニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、
エリオニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面
の高さを0として走査した時の突起の高さ測定値を画像
処理装置[I BAS2 0 0 0,カールツアイス
(株)製]に送り、画像処理装置上にフィルム表面突起
画像を再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分
を2値化して得られた個々の突起面積から円相当径を求
め28 てこれをその突起の平均径とする。また、この2値化さ
れた個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高さ
とし、これを個々の突起について求める。この測定を場
所を変えて500回繰返し、突起個数を求め、測定され
た全突起についてその高さの平均値を平均高さとした。
また個々の突起の高さデータをもとに、高さ分布の標準
偏差を求めた。また走査型電子顕微鏡゜の倍率は、10
00〜8000倍の間の値を選択する。なお、場合によ
っては、高精度光干渉式3次元表面解析装置(WYKO
社製TOPO−3D,対物レンズ:40〜200倍、高
解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる高さ情報を
上記SEMの値に読み替えてもよい。
(7)中心線平均表面粗さRa,中心線深さRp,最大
高さRt,突起間隔Sm 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定
の平均値をもって値とした。
・触針先端半径=0.5μm ・触針荷重  : 5mg ・測定長   :lmm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra,Rp,Rt,Smの定義は、たとえば、奈
良治郎著「表面粗さの測定・評価法」 (総合技術セン
ター、1983)に示されているものである。
(8)ヤング率、破断強度、破断歪 J I S−Z−1702に規定された方法にしたがっ
て、インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、2
5℃、65%RHにて測定した。
なお、熱可塑性樹脂A層、B層各々のヤング率、破断強
度、破断歪は積層フィルムと同一条件で製膜した単層フ
ィルムから求めた。また、熱可塑性樹脂A層のヤング率
EAは、B層のヤング率E,が既知の場合には、積層フ
ィルムのヤング率Eを測定し、下記の式にしたがって計
算しても良い。
E=(EA−lA+EB●i.) /(lA+IB) なお、ここでIA,1BはそれぞれA層、B層の積層厚
さである。
(9)凝集エネルギー密度 熱可塑性樹脂Aの凝集エネルギー密度(C.  E.D
、)の計算は、Fedorsの方法(文献:R.F.F
edors,  Po1ym,Eng.Sci..14
,147(1974) )に従った。
(10)固有粘度[η] (単位はd 1/g)オルソ
クロロフェノール中、25℃で測定した溶融粘度から下
記式から計算される値を用いる。
すなわち、 ηsp/c=[η]+K[η]2 ・Cここで、η5P
=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあ
たりの溶解ポリマ重量(g/100mL通常1.2)、
Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、
溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定
した。
(11)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フィ
ルム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元
素と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃31 度比を粒子濃度とし、厚さ方向の分析を行う。SIMS
によって測定される最表層粒子濃度(深さOの点)にお
ける粒子濃度Aとさらに深さ方向の分析を続けて得られ
る最高濃度Bの比、A/Bを表層濃度比と定義した。測
定装置、条件は次のとおりである。
■測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) ***、ATOMIKA社製 A−DIDA3000■測
定条件 1次イオン種 =02 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域: 400μm口 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.OXIO−9TorrE−GUN:0
.5KV−3.OA (12)単一粒子指数 フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。観察倍率を1032 oooo倍程度にすれば、それ以上分けることができな
い1個の粒子が観察できる。粒子の占める全面積をA1
その内2個以上の粒子が凝集している凝集体ぼ占める面
積をBとした時、(A−B)/Aをもって、単一粒子指
数とする。TEM条件は下記のとおりであり1視野面積
=2μm2の測定を視野を変えて、500視野測定する
・装置:日本電子製JEM−1200EX・観察倍率:
 100000倍 ・加速電圧:100kV ・切片厚さ:約100OA (13)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値/
短径の平均値の比である。
すなわち、下式で求められる。
長径=ΣDli/N 短径=ΣD2i/N Dli ,.D2+はそれぞれ個々の粒子の長径(最大
径)、短径(最短径)、Nは総個数である。
(14)粒径の相対標準偏差 上記(1)の方法で測定された個々の突起径Di1平均
径D1粒子総数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(
Di −D) 2/N) ”2)を平均径Dで割った値
(σ/D)で表した。
(15)低分子威分含有量 試料ボリマを粉砕しソックスレー抽出器を用いて、クロ
ロホルムを溶媒として、還流下で24時間抽出を行う。
クロロホルムを蒸発させて得られた抽出物の重量の、も
との試料の重量に対する比率(重量%)をもって低分子
成分含有量とした。
(16)結晶化促進係数 上記(3)の方法で粒子を1重量%含有するポリエステ
ルのΔTCg(■)、およびこれから粒子を除去した同
粘度のポリエステルのΔTcg(II)を測定し、ΔT
cg(II)とΔTcg (I)の差[ΔTcg(II
)一ΔTcg (I)コをもつて、結晶化促進係数とし
た。
(17)積層フィルム中の熱可塑性樹脂A層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィル
ム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素と熱可
塑性樹脂の炭素元素との濃度比(M+/C+)を粒子濃
度とし、熱可塑性樹脂A層の表面から深さ(厚さ)方向
の分析を行う。表層では表面という界面のために粒子濃
度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる
。本発明フィルムの場合は深さ[I]でいったん極大値
となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲
線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[■]
 (ここでn>I)を積層厚さとした。
条件は(11)と同じである。
なお、フィルム中に最も多く存在する粒子が有機高分子
粒子でSIMSでは測定が難しい場合には、表面からエ
ッチングしながらX線光電子分光法(XPS)、赤外分
光法(IR)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、そ
の粒子濃度のデプスプロファイルを測定し、上記同様の
手法から積層厚さを求めても良い。
さらに、上述した粒子濃度のデプスプロファイルからで
はなく、フィルムの断面観察によって熱35 可塑性樹脂A層の積層厚さを求めても良い。
なお、単層フィルムの場合の厚さは、公知の方法、たと
えば、ダイヤルゲージ法、重量法、薄膜段差測定法によ
って求めることができる。
(l8)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度1
000m/分、走行回数10パス、巻き付け角=60゜
、走行張力:20g)。この時、フィルムに入った傷を
顕微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あた
り3本未満は優、3本以上10本未満は良、10本以上
は不良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には
使用可能である。
(19)耐ダビング性 フィルムに下記組或の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度=70℃、36 線圧:200kg/cmでカレンダー処理した後、70
℃、48時間キュアリングする。上記テープ原反を17
2インチにスリットし、パンケーキを作成した。このパ
ンケーキから長さ250mの長さをVTRカセットに組
み込みVTRカセットテープとした。
(磁性塗料の組或) ・CO含有酸化鉄(BET値50m2/g):100重
量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体)         =10重量部●ニッポラン
2304 (日本ポリウレタン製ポリウレタンエラスト
マ)      :10重量部・コロネートL(日本ポ
リウレタン製イソシアネート)           
   :5重量部●レシチン            
=1重量部●メチルエチルケトン      =75重
量部・メチルイソプチルケトン    :75重量部・
トルエン           :75重量部・カーボ
ンプラック        :2重量部・ラウリン酸 
        =1.5重量部このテープに家庭用V
TRを用いてシバソク製のテレビ試験波形発生器(TG
7/U706)により100%クロマ信号を記録し、そ
の再生信号からシバソク製カラーテレビノイズ測定器(
925D/1)でクロマS/Nを測定しAとした。また
上記と同じ信号を記録したマスターテープのパンケーキ
を磁界転写方式のビデオソフト高速プリントシステム(
たとえばソニーマグネスケール■製のスプリンタ)を用
いてAを測定したのと同じ試料テープ(未記録)のパン
ケーキへダビングした後のテープのクロマS/Nを上記
と同様にして測定し、Bとした。このダビングによるク
ロマS/Nの低下(A−B)が3dB未満の場合は耐ダ
ビング性:優、3dB以上5dB未満の場合は良、5d
B以上は不良と判定した。優が望ましいが、良でも実用
的には使用可能である。
(20)摩擦係数μk フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機TBT−300型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、20℃、65%RH雰囲
気で走行させ、初期の摩擦係数を下記の式より求めた(
フィルム幅は1/2インチとした)。
μk=0.  7 3 3 l o g (T2 /T
I )ここでT1は入側張力、T2は出側張力である。
ガイド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(
表面粗度0.2S)、巻き付け角は180、走行速度は
3.3cm/秒である。この測定によって得られたμk
が0.35以下の場合は摩擦係数:良、0.35を越え
る場合は摩擦係数:不良と判定した。このμkはフィル
ムを磁気記録媒体、コンデンサ、包装用などとして加工
する時のハンドリング性を左右する臨界点である。
(21)耐削れ性 フィルムを幅172インチにテープ状にスリットしたも
のに片刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込ん
だ状態で20cm走行させる(走行張力:500g,走
行速度:6.7cm/秒)。
この時片刃の先に付着したフィルム表面の削れ物39 の高さを顕微鏡で読みとり、削れ量とした(単位はμm
)。少なくとも片面について、この削れ量が10μm未
満の場合は耐削れ性:良、10μm以上の場合は削れ量
:不良と判定した。この削れ量=10μmという値は、
印刷工程やカレンダー工程などの加工工程で、フィルム
表面が削れることによって、工程上、製品性能上のトラ
ブルが起こるか否かを判定するための臨界点である。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
平均粒径、および添加量の異なるコロイダルシリカに起
因するシリカ粒子、架橋ポリスチレン粒子を含有するエ
チレングリコールスラリーを調製し、このエチレングリ
コールスラリーを190℃で1.5時間熱処理した後、
テレフタル酸ジメチルとエステル交換反応後、縮重合し
、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する
)のペレットを作った。また、実施例3はポリエチレン
2,6−ナフタレートを、実施例4はポリエチレンα,
β−ビス(2−クロルフエノキシ)エタ40 ンー4,4“ −ジカルボキシレートを、比較例5はイ
ソフタル酸成分(17.5モル%)共重合PETを、比
較例6はポリアリレート(酸成分としてテレフタル酸/
イソフタル酸を等モルずっ、ジオール成分として2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用い、こ
れをPETと等モルずつ共重合させたもの)をそれぞれ
用い、熱可塑性樹脂Aとした。また、常法によって、固
有粘度0.62の実質的に粒子を含有しないPETを製
造し、熱可塑性樹脂Bとした。これらのポリマをそれぞ
れ180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)Lた。熱可
塑性樹脂Aを押出機1に供給し、さらに、熱可塑性樹脂
Bを押出機2に供給、それぞれ290℃で溶融し、これ
らのポリマを合流ブロック(フィードブロック)で合流
積層し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃の
キャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、2層
構造の未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10として未延伸フィ
ルムを作った。また、それぞれの押出機の吐出量を調節
し総厚さ、熱可塑性樹脂A層の厚さを調節した。この未
延伸フィルムを温度80℃にてロールの周速差を利用し
て長手方向に2.5〜5.0倍延伸した。この一軸延伸
フィルムをステン夕を用いて延伸速度2000%/分で
100℃で幅方向に2.5〜4.  0倍延伸し、定長
下で、200℃にて5秒間熱処理し、総厚さ15μmの
二軸配向積層フィルムを得た。これらのフィルムの本発
明のパラメータおよび性能は第1表に示したとおりであ
り、本発明のパラメータが本発明範囲内である場合には
摩擦係数、耐スクラッチ性、耐ダビング性は優または良
であるが、パラメータが本発明範囲外である場合は摩擦
係数、耐スクラッチ性、耐ダビング性を兼備したフィル
ムは得られないことがわかる。
[発明の効果] 本発明は、製法の工夫により、粒子を含有する熱可塑性
樹脂を用いて、粒子の大きさとフィルム厚さの関係、含
有量、フィルムの厚さを特定の範囲とし、フィルムのヤ
ング率EAN破断強度と破断歪の積σ4、それを構成す
る熱可塑性樹脂の凝集エネルギー密度(C.E. D,
 )を規定することにより、耐スクラッチ性、摩擦係数
が優れたフィルムとなり、また磁気記録媒体用に用いた
時の耐ダビング性に優れたフィルムが得られたものであ
り、各用途でのフィルム加工速度の増大に対応できるも
のである。本発明フィルムの用途は特に限定されないが
、加工工程でのフィルム表面の傷が加工工程上、製品性
能上問題となる磁気記録媒体用ベースフィルムとして特
に有用である。
また、本発明フィルムのうち2層構造のものは熱可塑性
樹脂A面が走行面(磁気記録媒体用では磁性層を塗布し
ない面、その他の用途では印刷やその他塗材の塗村など
の処理がほどこされない面)として用いることが好まし
い。
また、本発明の2層構造のフィルムは製膜工程内で、コ
ーテングなどの操作なしで直接複合積層によって作った
フィルムであり、製膜工程中あるいはその後のコーティ
ングによって作られる積層フィルムに比べて、最表層の
分子も二軸配向であるため、上述した特性以外、たとえ
ば、表面の耐削れ性もはるかに優れ、しかもコスト面、
品質の安定性などにおいて有利である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)熱可塑性樹脂Aと粒子を主成分とするフィルムで
    あって、該フィルムの長手方向ヤング率E_Aが400
    kg/mm^2以上、長手方向の破断強度と破断歪の積
    σ_Aが20kg/mm^2以上であり、該粒子の平均
    粒径がフィルムの厚さの0.2〜5倍、該粒子の含有量
    が0.1〜30重量%であることを特徴とする厚さ0.
    01〜3μmの二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
  2. (2)熱可塑性樹脂Aと粒子を主成分とするフィルムで
    あって、該熱可塑性樹脂Aの凝集エネルギー密度(C.
    E.D.)が130cal/mol以上であり、該粒子
    の平均粒径がフィルムの厚さの0.2〜5倍、該粒子の
    含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする厚
    さ0.01〜3μmの二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
  3. (3)実質的に粒子を含有しない熱可塑性樹脂Bを主成
    分とするフィルムの少なくとも片面に請求項(1)また
    は(2)記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを積層し
    てなる二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
  4. (4)平均粒径が0.01〜2μmの粒子を0.001
    〜0.5重量%含有する熱可塑性樹脂Bを主成分とする
    フィルムの少なくとも片面に請求項(1)または(2)
    記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる二
    軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
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