JP2003235790A - 電動湾曲内視鏡 - Google Patents

電動湾曲内視鏡

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JP2003235790A
JP2003235790A JP2002035848A JP2002035848A JP2003235790A JP 2003235790 A JP2003235790 A JP 2003235790A JP 2002035848 A JP2002035848 A JP 2002035848A JP 2002035848 A JP2002035848 A JP 2002035848A JP 2003235790 A JP2003235790 A JP 2003235790A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湾曲部の湾曲方向を反転動作させる際の湾曲応
答性及び操作性に優れた電動湾曲内視鏡を提供するこ
と。 【解決手段】電動湾曲内視鏡2は、挿入部2aを構成す
る湾曲部12に端部が固定された挿入部側ワイヤ32a
を牽引操作するスプロケット49と、スプロケット49
を回転駆動するモータ部71と、湾曲部12の湾曲方向
を指示するジョイスティック6aと、ジョイスティック
6aからの湾曲指示信号によってモータ部71に供給す
る駆動電圧を制御する制御部17とを具備し、制御部に
は湾曲部12の湾曲状態を変化させるジョイスティック
6a湾曲指示信号を基に、湾曲動作を反転されるか否か
を判定する判定部96と、湾曲方向が反転すると判定し
たとき、モータ部71に供給する通常の駆動電圧に、所
定電圧を一定時間付加する付加部98とを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡の挿入部を
構成する湾曲部の湾曲操作を、湾曲部から延出するアン
グルワイヤを電動モータで牽引、弛緩させて行う電動湾
曲内視鏡に関する。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡の挿入部を
構成する湾曲部の湾曲操作を、湾曲部から延出するアン
グルワイヤを電動モータで牽引、弛緩させて行う電動湾
曲内視鏡に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、湾曲部を有し、内視鏡の挿入
部先端部を上下、左右方向に移動させて視野方向を変換
させられる内視鏡が広く知られている。この内視鏡では
前記湾曲部の湾曲動作を、この湾曲部から延出するアン
グルワイヤを牽引、弛緩させて行なっていた。
【0004】例えば特開2001−61763号公報の
内視鏡システムには前記湾曲部を湾曲動作させる具体的
な構造が開示されている。この内視鏡システムの湾曲機
構では、アングルワイヤの両端部が接続されているチェ
ーンをスプロケットに噛合し、このスプロケットを回動
させてチェーンとともにアングルワイヤを牽引、弛緩さ
せて湾曲状態を変化させられる。
【0005】前記湾曲機構で例えば上方向に湾曲させる
場合には、スプロケットでチェーンを巻き上げ、上方向
用のアングルワイヤを牽引する。このことによって、湾
曲部が上方向に湾曲する。このとき、上方向に対して一
対である下方向用のアングルワイヤは、前記チェーンと
ともに弛緩した状態になる。
【0006】この状態から、逆方向である、つまり下方
向に湾曲させる場合には、弛緩状態であった下方向用の
アングルワイヤを牽引するとともに、牽引状態であった
上方向用のアングルワイヤを弛緩させる。このとき、弛
緩状態のチェーンを巻き上げた後に、下方向用のアング
ルワイヤに牽引力が伝達される。
【0007】すなわち、湾曲方向が反転される場合、弛
緩状態のチェーンが巻き上げられた後にアングルワイヤ
に対して牽引力がかかる。したがって、弛緩状態から牽
引状態になるまでにはある程度の時間が必要になる。
【0008】つまり、一方向に湾曲させた状態で、さら
に同方向に湾曲させる場合にはこの一方向用のアングル
ワイヤに牽引状態の張力が残存しているので、再度張力
が加わって牽引状態になるまで余り時間を必要としな
い。これに対して、前述したように反転動作の場合には
湾曲応答性が低下するという不具合がある。
【0009】この不具合に対応する方法として、例えば
特開平6−22904号公報の電動内視鏡装置がある。
この電動内視鏡装置では、アングルワイヤ等からなる牽
引部材の弛緩状態を検出する検出手段を設け、その検出
手段の検出結果に応じて駆動装置を制御するようにして
いた。
【0010】なお、この電動内視鏡装置においては、前
記検出手段として、アングルワイヤの中途及び手元側の
移動量の差分を取るもの、或いはモータの駆動電流値の
検出や、湾曲部の牽引部材の張力を検出するもの等が示
されており、アングルワイヤの弛緩状態を検出した後、
モータの回転速度を高速に切り替えて弛緩状態を解除
し、この弛緩状態を解除した後にモータの回転速度を通
常速度に切り替える制御を行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平6−22904号公報の電動内視鏡装置ではアング
ルワイヤの移動量を検出する手段や、牽引部材の張力を
測定する手段等のメカ機構を設けることによって、電動
湾曲装置や、挿入部、湾曲部が大型化するという問題が
あった。
【0012】また、モータの電流値を検知してモータに
掛かる負荷を測定し、牽引部材の弛緩状態を確認するも
のでは、電流値がばらつき易いので、電流値をモニタリ
ングして検知するために高精度な電流値測定機器が必要
になるとともに、常時、モニタリングするためにソフト
的にも確かな性能が要求され、コストアップという不具
合が発生する。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、湾曲部の湾曲方向を反転動作させる際の湾曲応答
性及び操作性に優れた電動湾曲内視鏡を提供することを
目的にしている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の電動湾曲内視鏡
は、挿入部を構成する湾曲部に端部が固定されたアング
ルワイヤを牽引操作する牽引力伝達手段と、この牽引力
伝達手段を回転駆動する駆動源と、前記湾曲部の湾曲方
向を指示する手元側に位置する湾曲指示装置と、この湾
曲指示装置からの湾曲指示信号に基づき前記駆動源に供
給する駆動電圧を制御する制御部とを具備する電動湾曲
内視鏡において、前記制御部に、前記湾曲部の湾曲状態
を変化させる情報を基に、湾曲動作を反転されるか否か
を判定する判定部と、この判定部が湾曲方向が反転され
ると判定したとき、前記駆動電源に供給する通常の駆動
電圧に、所定電圧を一定時間付加する付加部と、を設け
たことを特徴とする電動湾曲内視鏡。
【0015】そして、前記判定部で判定する情報は、前
記湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号、前記駆動
源の回転方向を示すこの駆動源に出力される電圧値の正
負、前記牽引力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転
位置信号である。
【0016】これらの構成によれば、判定部に入力され
る、湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号、又は、
前記駆動源の回転方向を示す電圧値の正負、又は、前記
牽引力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転位置信号
によって、湾曲部の湾曲状態が反転すると判定すると、
付加部から駆動源に供給される通常の駆動電圧に対して
一定時間だけ所定電圧を付加して、一定時間の間だけ、
駆動源は高速に動作する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1ないし図18は本発明の第1
実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する斜
視図、図2は内視鏡装置の構成を説明するブロック図、
図3はリモコンを説明する図、図4はリモコンのジョイ
スティックを説明する図、図5は挿入部の構成を説明す
る図、図6はドラム部内の構成を説明する図、図7はド
ラム部内の電動湾曲装置の構成を説明する図、図8は連
結部材近傍を説明する図、図9は方向変換部近傍を説明
する拡大図、図10はモータユニットの構成を説明する
図、図11は誘導面を備えるチェーン収納部の構成を説
明する図、図12はスプロケット近傍を説明する図、図
13はモニタへの表示例を説明する図、図14は非湾曲
状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説
明する図、図15は湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾
曲操作ワイヤの関係を説明する図、図16スプロケット
を逆転状態にしたときの湾曲状態の湾曲部とチェーン及
び湾曲操作ワイヤの関係を説明する図、図17は湾曲部
の湾曲動作を説明するフローチャート、図18は通常の
駆動電圧と付加部によって付加される電圧とを説明する
図である。
【0018】なお、図3(a)はリモコンの斜視図、図
3(b)はジョイスティックの可変抵抗器を説明する
図、図3(c)は可変抵抗器の抵抗値を示す図、図3
(d)はトリマで調整した可変抵抗器の抵抗値を示す
図、図4(a)はジョイスティックを説明する断面図、
図4(b)はジョイスティックの傾倒状態と直立状態と
を示す図、図4(c)はジョイスティックの傾倒状態と
直立状態とにおけるゴムカバーを示す図、図5(a)は
挿入部の長手方向断面図、図5(b)は図5(a)のA
−A線断面図、図7(a)はドラム部の内部上面図、図
7(b)は図7(a)のC‐C線断面図、図8(a)は
連結部材近傍を説明する拡大図、図8(b)は連結部材
を説明する図、図9(a)は方向変換部の平面図、図9
(b)は図9(a)の側面断面図、図10(a)はモー
タユニットの平面図、図10(b)はモータユニットの
側面図、図11(a)は上層側、下層側の断面構成を説
明する図、図11(b)は図12のB‐B線断面図、図
12(a)は図11(a)のE‐E線断面図、図12
(b)は図11(a)のD‐D線断面図である。
【0019】図1及び図2に示すように本実施形態の内
視鏡装置1は、柔軟性を有する細長の挿入部2aを備え
た例えば工業用の電動湾曲内視鏡(以下、内視鏡と略記
する)2と、この内視鏡2の前記挿入部2aを外周面部
3aに巻き取るドラム部3と、このドラム部3を回動自
在な状態で保持するフレーム部4と、このフレーム部4
の上端に設けられ、各種スイッチ及びコネクタ類や給排
気用ダクトを配置したフロントパネル5と、このフロン
トパネル5にケーブル6cを介して着脱自在に接続され
る湾曲指示装置であるリモートコントローラ(以下リモ
コン)6と、伸縮式のポール7aに回動自在に支持され
たモニタ7と、収納される機器に加わる衝撃力を抑える
緩衝材等を備えた収納ケース8と、前記フロントパネル
5に接続され、商用電源を供給可能なACケーブル5a
とで主に構成されている。前記収納ケース8は、ケース
本体を形成する箱体8aと蓋体8bとで構成されてい
る。
【0020】前記内視鏡2の挿入部2aは、前記フロン
トパネル5から座屈防止用のゴム部材5bを介して延出
している。この挿入部2aは、先端側から順に硬性の先
端部本体11、この先端部本体11を所望の方向に向け
る湾曲自在な湾曲部12、細長で柔軟性を有する可撓管
部13を連設して構成されている。
【0021】前記ドラム部3の内部空間内には、前記内
視鏡2の照明伝送手段であるライトガイド(後述する符
号21)に照明光を供給する光源部14と、前記内視鏡
挿入部2aの先端部本体11に設けた後述する撮像素子
に対する信号処理を行うCCU15と、前記内視鏡挿入
部2aの湾曲部12を電動で湾曲駆動させる駆動機構を
備えた駆動源である電動湾曲装置16と、前記リモコン
6からの湾曲指示信号に基づき、前記電動湾曲装置16
を駆動制御して前記湾曲部12の湾曲動作を制御する後
述する電動湾曲制御部17等が収納されている。なお、
前記ドラム部3の外周面部3aには、前記挿入部2aを
前記電動湾曲装置16に導く開口(図6の符号3b参
照)が形成してある。
【0022】なお、前記内視鏡挿入部2aの先端部本体
11には、視野方向、視野角などの光学特性を変換する
各種光学アダプタ18が着脱自在に取付け可能である。
【0023】図3(a)に示すように前記リモコン6に
は前記湾曲部12の湾曲方向を指示するジョイスティッ
ク6aが設けられている。このジョイスティック6a自
体はバネ性を有し、ジョイスティック6aを傾倒操作し
た状態で手を離すと直立状態に自立復帰するようになっ
ている。このジョイスティック6a近傍には後述する上
下方向用及び左右方向用の抵抗器の抵抗値をそれぞれ調
整するトリマ6u、6d、6l、6rが設けてある。な
お、符号6bは、電源ONスイッチである。
【0024】前記リモコン6内には図3(b)に示す、
前記ジョイスティック6aの傾き角に応じて抵抗値が変
化する構成の上下用可変抵抗器68及び左右用可変抵抗
器69が設けられている。例えば上下方向の最大湾曲角
度は、図3(c)、(d)に示すように上下用可変抵抗
器68の抵抗値によって決定されるようになっており、
前記トリマ6u、6dを適宜調整して、図3(c)、
(d)に示すように上下用可変抵抗器68の抵抗値を変
化させることにより、上方向最大湾曲角度及び下方向最
大湾曲角度を変化させることができるようになってい
る。
【0025】そして、図3(d)の設定状態の上下用可
変抵抗器68による湾曲角度と、図3(c)の設定状態
の上下用可変抵抗器68による湾曲角度とを比較する
と、図3(d)の設定状態における湾曲角度が、図3
(c)の設定状態における湾曲角度より、上方向及び下
方向でそれぞれ大きくなっている。
【0026】図4(a)に示すように前記ジョイスティ
ック6aには、リモコン6全体及びジョイスティック6
a内部の防滴を確保するためにゴムカバー6gが配置さ
れている。このため、このゴムカバー6gの弾性力が前
記ジョイスティック6aの自立復帰に悪影響を及ぼすお
それがある。つまり、前記ジョイスティック6aを傾倒
操作した状態で手を離したとき、このゴムカバー6gの
弾性力が抵抗になって、ジョイスティック6aが直立状
態に復帰できずに、湾曲指示信号を出力する傾倒状態に
なるおそれがある。
【0027】そこで、本実施形態においては図4(b)
に示すようにジョイスティック6aを傾倒状態から直立
状態に自立復帰させるばね定数をKjに設定し、図4
(c)に示すように前記ゴムカバー6gの弾性復元力で
ある弾性係数(ばね定数に対応)をKgに設定し、前記
Kjと前記Kgとの間に、Kj>Kgの関係を設定して
いる。このことによって、前記ゴムカバー6gの弾性復
元力によって、ジョイスティック6aの直立状態への自
立復帰が阻まれることを防止している。
【0028】図5(a)に示すように、前記光学アダプ
タ18は、アダプタ本体18aにアダプタ側光学系19
aと、照明光学系19bとを配置している。
【0029】前記内視鏡挿入部2a内には、照明光を伝
送するライトガイド21が挿通されており、このライト
ガイド21の基端は前記光源部14に固定されている。
このライトガイド21は、光源部14から供給される照
明光を伝送し、前記先端部本体11を構成する先端部材
22の照明窓に固定された先端面から、さらにその直前
に配置された照明レンズ23を経て、前記照明光学系1
9bを通してプラント内部の被写体に照射される。
【0030】前記先端部本体11には照明窓に隣接して
観察窓(撮像窓)が設けられ、この観察窓には対物光学
系24が取り付けられている。この対物光学系24の結
像位置には固体撮像素子として例えば電荷結合素子(C
CDと略記)25が配置されている。
【0031】前記CCD25から延出する信号線26
は、前記ドラム部3内の前記CCU15に接続されてい
る。前記CCU15は、前記CCD25で光電変換され
た信号から標準的な映像信号を生成してモニタ7に出力
する。このことによって、モニタ7の画面上には被写体
像である内視鏡画像が表示される。
【0032】前記湾曲部12は、環状に形成した複数の
節輪27を光軸方向に回動自在に連接したものに、網管
28、及びチューブ体29を被覆して構成されている。
前記湾曲部12の内部には、前記ライトガイド21及び
前記信号線26が湾曲上下方向に対して縦列又は若干左
右方向にずれる程度で配置されている。
【0033】図5(b)に示すように前記節輪27の円
環部の円周を略4等分する内周面の上下、左右に対応す
る位置には孔部31aを有するパイプ形状のワイヤ受け
31が固設されている。これらワイヤ受け31の孔部3
1a内には、アングルワイヤである湾曲操作ワイヤ32
の挿入部側ワイヤ32aが摺動可能に挿通されている。
【0034】これら挿入部側ワイヤ32aの先端部は、
前記先端部材22の後端部の上下、左右方向に対応する
位置にそれぞれ固定されている。このため、上下左右の
各方向に対応する挿入部側ワイヤ32aが牽引弛緩され
ることによって、湾曲部12が所望方向に湾曲して、前
記先端部本体11が所望の方向に向くようになってい
る。
【0035】前記挿入部側ワイヤ32aは、主にステン
レス等の金属製の案内管33にて、前記挿入部2aの基
端側まで案内されている。なお、前記挿入部側ワイヤ3
2aは、前記ドラム部3内で湾曲操作ワイヤ32である
電動湾曲装置側ワイヤ32bに連結している(図7
(a)参照)。
【0036】図6及び図7(a)、(b)に示すように
前記ドラム部3は、前記挿入部2aを外周面に巻回する
管状部材41と、この管状部材41の両端開口を閉鎖す
る1組の円板部材42とで構成されている。なお、図中
上面開口を塞ぐ円板部材42を上面板43とし、下面側
開口を塞ぐ円板部材42を下面板44とする。
【0037】前記管状部材41と、前記上面板43及び
下面板44とで構成されたドラム部3の内部空間には、
内蔵物として前記電動湾曲装置16、前記電動湾曲制御
部17、前記CCU15、前記光源部14、電源ユニッ
ト(図2の符号20参照)等の周辺機器が配置されてい
る。
【0038】前記挿入部2aの基端部は、前記開口3b
及び口金45を介して前記電動湾曲装置16に配置され
ている。この電動湾曲装置16と前記電動湾曲制御部1
7とは図示しない駆動ケーブルによって接続されてい
る。
【0039】また、前記挿入部2a内を挿通して前記先
端部本体11から延出する信号線26は前記CCU15
に接続されている。また、前記信号線26同様、前記挿
入部2a内を挿通して前記先端部本体11から延出して
きたライトガイド21は前記光源部14に接続されてい
る。
【0040】前記CCU15は、前記信号線26によっ
て前記CCD25から伝送された画像信号を映像信号で
ある例えばTV信号に変換処理し、このTV信号をモニ
タ7に送信するようになっている。
【0041】前記電動湾曲制御部17は、リモコン6の
ジョイスティック6aから伝送される湾曲指示信号から
前記電動湾曲装置16に例えばCDギヤードモータ等の
モータ部71を備えた後述するモータユニット47を駆
動制御して前記湾曲部12を所望の方向へ湾曲させるよ
うになっている。前記光源部14は、ランプ部14aと
点灯装置14bとで構成され、前記ライトガイド21の
基端面に照明光を供給するようになっている。
【0042】なお、これら電動湾曲装置16、電動湾曲
制御部17、光源部14は、図1で説明したように前記
ドラム部3内に配設され、このドラム部3は前記収納ケ
ース8に対し回動自在になっている。
【0043】次に、電動湾曲装置16について説明す
る。図7(a)に示すように前記挿入部2aの基端部
は、アルミやステンレスの板材で形成されたベース本体
46に固設された電動湾曲装置16に配置されている。
前記ベース本体46の一端部には電動湾曲装置16を構
成するモータユニット47が取り付けられている。この
モータユニット47は、前記湾曲部12の湾曲動作方向
に対応するように2つ設けてある。つまり、一方は上下
湾曲用モータユニット47aであり、他方は左右湾曲用
モータユニット47bである。
【0044】これらモータユニット47a、47bの回
動自在な出力軸48a、48bには、このモータユニッ
ト47a、47bの動作に連動し回動するギア部である
牽引力伝達手段を構成するスプロケット49a、49b
が設置されている(図11参照)。これらスプロケット
49a、49bには、牽引弛緩動作を行う前記湾曲操作
ワイヤ32の基端部を構成する電動湾曲装置側ワイヤ3
2bを端部に連結固定した牽引力伝達手段を構成するチ
ェーン50が噛合している(図12参照)。
【0045】前記図7(a)に示すように前記挿入部側
ワイヤ32aを、前記挿入部2aの基端側までガイドし
ている前記案内管33は、前記ベース本体46に設けた
支持部51により固定されている。前記挿入部側ワイヤ
32aと電動湾曲装置側ワイヤ32bとは、前記ベース
本体上で連結部材52を介して一体的に連結されてい
る。
【0046】図8(a)に示すように前記電動湾曲装置
側ワイヤ32bは、前記挿入部側ワイヤ32aに比べ太
いワイヤを使用している。つまり、電動湾曲装置側ワイ
ヤ32bは繰り返し曲げ耐性の高い、太くしなやかなワ
イヤである。
【0047】具体的に、本実施形態の挿入部側ワイヤ3
2aとして、径寸法0.2〜0.5程度までの1×3、
1×7本撚りのワイヤを使用し、電動湾曲装置側ワイヤ
32bとしては前記挿入部側ワイヤ32aよりも太径
の、7×7本撚り、3×7本撚り、7×19本撚りなど
のワイヤを使用している。
【0048】前記連結部材52は、前記挿入部側ワイヤ
32a側の雄ネジ52aと、前記電動湾曲装置側ワイヤ
32b側の雌ネジ52bとで主に構成されている。前記
雌ネジ52bは、前記電動湾曲装置側ワイヤ32b端に
設けた口金52cによりネジ部を回動自在に支持されて
いる。なお、これら雄ネジ52a、雌ネジ52bは、ネ
ジロック等の化学的な緩み防止手段を設けて構成してい
るが、図*8(b)に示すようにこれら雄ネジ52a及
び雌ネジ52bを被覆する熱収縮チューブ53を設ける
ようにしてもよい。
【0049】次いで、方向変換部60について説明す
る。図9(a)に示すように前記方向変換部60は、主
にワイヤ保持部60aとワイヤ外れ防止部60bとで構
成されている。前記ワイヤ保持部60aは、前記ベース
本体46に固定設置される支持板61と、この支持板6
1に固設される2本の軸体62と、この軸体62に積層
配置されて前記電動湾曲装置側ワイヤ32bを回動自在
に支持するローラ部63とで構成されている。
【0050】一方、前記ワイヤ外れ防止部60bは、前
記電動湾曲装置側ワイヤ32bが外れることを防止する
パイプ材65であり、前記支持板61にビス66によっ
て固定されている。
【0051】図9(b)に示すように前記ローラ部63
は、上下左右の前記電動湾曲装置側ワイヤ32bにそれ
ぞれ対応するように1つの軸体62に、それぞれ2個積
層配置されて、回動自在に軸支されている。積層される
上方側のローラ部63は、上下方向湾曲の電動湾曲装置
側ワイヤ32bを支持し、下方側のローラ部63は左右
方向湾曲の電動湾曲装置側ワイヤ32bを支持してい
る。
【0052】なお、前記軸体62は、前記支持板61に
ビス64によって一体的に固定されている。また、前記
ローラ部63は主にボールベアリングにて形成されてい
る。次に、モータユニット47について説明する。前記
図7で説明したように前記モータユニット47は上下用
及び左右用に対応するように2個設けてある。これらモ
ータユニット47は、図10(a)、(b)に示すよう
に駆動力を発生させる駆動源となるモータ部71と、こ
のモータ部71の駆動力を前記出力軸48まで伝達する
平歯車等の歯車列で構成された減速ギヤ部72と、前記
出力軸48の回転量を検出するポテンショメータ73と
で構成されている。前記ポテンショメータ73は、前記
減速ギヤ部72を介して前記モータ部71に対して並列
に配置されている。
【0053】前記減速ギヤ部72を介して回動する前記
出力軸48は両軸タイプである。この出力軸48の一端
側に前記スプロケット49を設置し、他端側に前記ポテ
ンショメータ73を配置している。なお、前記ポテンシ
ョメータ73は、多回転型回転角検知のポテンショメー
タであり、本実施形態では3回転ないし5回転型であ
る。
【0054】前記図11(a)及び図11(b)に示す
ようにそれぞれのモータユニット47a、47bの出力
軸48a、48bには上下方向湾曲用及び左右湾曲用の
スプロケット49a、49bが設置されている。そし
て、上下方向湾曲用スプロケット49aを前記ベース本
体46の上層54a側に、左右方向湾曲用のスプロケッ
ト49bを下層54b側に配置している。
【0055】前記図11(b)に示すように前記上層5
4aと前記下層54bとの間には両層を分離するととも
に、前記チェーン50等の案内の役目を果たす仕切部材
55が設けてある。つまり、下層54bは、仕切部材5
5とベース本体46とで構成され、上層54aは、上下
方向湾曲用スプロケット49aやチェーン50を保護す
るために配置された蓋部材104とで構成される。
【0056】前記図12(a),(b)に示すように前
記スプロケット49a、49bには前記チェーン50の
噛合が外れることを防止するためのギヤカバー部材56
がそれぞれ設けてある。また、前記チェーン50が侵入
することによって、誤噛合を防止するためのブロック1
00が設けてある。さらに、前記チェーン50の走行を
横方向で規制する一対のガード57が前記チェーン50
に沿って外側に設けてある。又、前記チェーン50の端
部近傍の走行位置には横方向の位置規制を行うように、
チェーン50の内側に配置したガイド58及びこのチェ
ーン50の外側に配置した一対の抑え部材101とを設
けている。加えて、前記ガイド58の出力軸48側の端
部には前記チェーン50のガイド58側への移動を促す
カバー102が設けてある。
【0057】そして、前記下層54bにおいては、前記
ベース本体46、仕切り部材55、ブロック100、ガ
ード57、カバー102によってチェーン50の収納部
となるチェーン収納部103を形成している。また、前
記上層54aにおいては、前記仕切り部材55、蓋部材
104、ブロック100、ガード57、カバー102に
よってチェーン収納部103を形成している。さらに、
ベース本体46、仕切り部材55、蓋部材104、ガイ
ド58、抑え部材101によってチェーン整列部105
を形成している。前記チェーン収納部103とチェーン
整列部105との境界部のチェーン50が進退する部分
が挿通口107になっている。
【0058】次に、前記図2を参照して電動湾曲制御部
17の構成を説明する。図に示すリモコン6には、ジョ
イスティック6aの傾き方向及び角度に応じた可変抵抗
器の抵抗値から電圧変換されるアナログの電圧値をA/
D変換するリモコン用A/D変換部81が設けられてい
る。このリモコン用A/D変換部81は、前記電動湾曲
制御部17と通信ケーブル82によって電気的に接続さ
れており、前記リモコン用A/D変換部81でデジタル
化された湾曲指示信号が通信ケーブル82によって電動
湾曲制御部17に送信される。
【0059】前記電動湾曲制御部17には、前記湾曲指
示信号に対応するデジタルの駆動信号を生成するマイク
ロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)90と、
このマイコン90から出力されるデジタルの駆動信号を
アナログの駆動信号に変換するD/Aコンバータ91
と、このD/Aコンバータ91で変換されたアナログの
駆動信号を増幅処理するアンプ92と、前記ポテンショ
メータ73の回転位置を示す抵抗値をA/D変換するポ
テンショメータ用AD変換部93とが設けられている。
【0060】前記マイコン90は、CPU、プログラム
が記憶されているROM、RAMを有するとともに、前
記リモコン用A/D変換部81から伝送されるデジタル
の湾曲指示信号を時系列的に記憶する記憶部94及びこ
の記憶部94に記憶されている所定の湾曲指示信号を比
較演算するとともに、この演算結果から湾曲方向を反転
させる指示であるか否かを判別する指示信号判別部95
を備えた判定部である湾曲方向判定部96と、前記ポテ
ンショメータ73で検知したスプロケット49の回転量
と前記湾曲指示信号との差分を取ってフィードバック制
御を行う差分演算部97と、前記湾曲方向判定部96か
らの反転確認信号を受けて前記差分演算部97から出力
される通常の駆動電圧に対して一定時間だけ所定電圧を
付加する作用を行う付加部98とを有している。
【0061】上述のように構成した内視鏡装置1の作用
を説明する。内視鏡装置1は、保管時、あるいは輸送時
等、使用時以外の状態では、挿入部2aがドラム部3の
外周に巻回されている。したがって、使用するに当たっ
て、まず、収納ケース8の蓋体8bを開け、ACケーブ
ル5aをコンセントに接続する。そして、リモコン6を
取り出し、挿入部2aの先端部11近傍を把持して、ゆ
っくりと挿入部2aを引っ張り出していく。すると、引
っ張り力によってドラム部3が回転して、挿入部2aが
引き出され、すべての挿入部2aが引き出された時点
で、挿入部2aの準備が完了となる。
【0062】次に、操作者は、検査に必要な光学アダプ
タ18を選択し、その光学アダプタ18を先端部本体1
1に取り付ける。そして、前記リモコン6に設けた電源
スイッチ6bをON状態にする。このことによって、内
視鏡検査可能な状態になる。
【0063】ここで、リモコン6の操作と湾曲部12の
湾曲動作との関係を説明する。前記リモコン6のジョイ
スティック6aを上下、左右の所望する方向に傾倒操作
すると、このジョイスティック6aの傾き角度に応じた
湾曲指示信号が通信ケーブル82を介して電動湾曲制御
部17に出力される。
【0064】すると、この電動湾曲制御部17では、前
記湾曲指示信号に相応するスプロケット49の回転量を
演算処理にて算出する一方、その演算結果に対応する駆
動信号をモータ部71に送信する。すると、モータ部7
1が回転を開始する。このモータ部71の回転は、減速
ギヤ部72を介して出力軸48に伝達されて、この出力
軸48を回転させる。このときの出力軸48の回転位置
は、ポテンショメータ73により検出される。
【0065】つまり、前記モータ部71は、出力軸48
の回転位置を常時ポテンショメータ73でモニタリング
された状態で動作している。そして、前記電動湾曲制御
部17では、電動湾曲制御部17で演算処理して算出し
た算出値と、ポテンショメータ73が検出する出力軸4
8の回転位置とが一致したとき、前記モータ部71の動
作を停止させる制御を行っている。
【0066】このように、前記ジョイスティック6aを
適宜操作することによって、その操作量に対応するよう
に前記湾曲部12が湾曲動作して、先端部本体11を所
望の方向に向けて対象物の観察を行える。
【0067】なお、本実施形態においては前記モータ部
71が駆動しているとき、図13に示すようにモニタ7
の画面7aの一部にモータ部71が動作中であることを
使用者に告知する指標7bとして例えば、「モータ動作
中」等の文字が表示されるようになっている。
【0068】また、前記内視鏡2では必要に応じて、前
記湾曲部12を最大湾曲角度に湾曲させる場合があるた
め、前記ポテンショメータ73として前述した多回転型
のポテンショメータを使用している。したがって、前記
湾曲操作ワイヤ32を多くの量、牽引操作する場合に
は、電動湾曲制御部17の制御によりモータ部71は出
力軸48、すなわちスプロケット49を複数回、回転さ
せて、チェーン50を移動させていく。このとき、本実
施形態のポテンショメータ73が3回転型若しくは5回
転型であるので、湾曲片側について、1回転半若しくは
2回転半回転することになる。
【0069】次に、湾曲部12の湾曲動作と、チェーン
50及び湾曲操作ワイヤ32との関係を説明する。前記
リモコン6のジョイスティック6aが自立状態である直
立状態のとき、図14に示すように前記湾曲部12は湾
曲角度が0度の非湾曲状態になる。このとき、前記チェ
ーン50は牽引された状態でも弛緩した状態でもない。
【0070】この非湾曲状態から、例えば前記湾曲部1
2を左湾曲させるように前記ジョイスティック6aを傾
倒操作すると、図15に示すように前記スプロケット4
9が矢印Aに示すように反時計方向に回転して、左方向
に対応する湾曲操作ワイヤ32Lを構成する電動湾曲装
置側ワイヤ32bの一端が連結されているチェーン一端
部50aが牽引状態になる。このことによって、左方向
湾曲操作ワイヤ32Lに対して牽引力が伝達される。
【0071】このとき、前記挿入部2a内を挿通する案
内管33と挿入部側ワイヤ32aとの間に発生する抵抗
によって前記牽引力がある程度損失するとともに、湾曲
操作ワイヤ32の弾性伸びによって牽引量がある程度吸
収されるが、これら損失分及び吸収分を相殺した分だ
け、チェーン一端部50aの移動量を予め上乗せ設定し
て、このチェーン一端部50aに連結された左方向湾曲
操作ワイヤ32Lを矢印Bに示すように所定量牽引す
る。このことによって、前記湾曲部12が矢印Cに示す
ように左湾曲する。このとき、前記チェーン50の他端
部側及びこのチェーン他端部50bに連結された右方向
湾曲操作ワイヤ32Rに弛みが発生して弛緩状態にな
る。
【0072】次いで、この左方向湾曲状態から湾曲方向
を反転動作させて、右方向に湾曲させる場合について説
明する。湾曲方向を反転させるため、前記ジョイスティ
ック6aを右湾曲させるように傾倒操作する。すると、
図16に示すように、スプロケット49が矢印Dに示す
ように時計方向に逆転して、まず、前記左方向湾曲操作
ワイヤ32Lにかかっていた牽引力が解除され、その
後、右方向湾曲操作ワイヤ32Rを牽引操作するように
チェーン他端部50bに牽引力が働く。
【0073】なお、前記前記左方向湾曲操作ワイヤ32
Lにかかっていた牽引力が解除されることによって、湾
曲部12の湾曲状態が僅かに逆方向である右方向に戻っ
ていくが、積極的に湾曲させるにはこれでは不十分であ
る。つまり、十分に右方向に湾曲されるためには、図に
示す弛んだチェーン50を巻き取った後でないと、チェ
ーン他端部50bから右方向湾曲操作ワイヤ32Rに牽
引力が働くことはない。
【0074】すなわち、ジョイスティック6aの操作方
向を反転させても、チェーン50の弛みがなくなるまで
の間、湾曲状態を反転動作させることができない。ま
た、前記スプロケット49が回動を開始しても、湾曲部
12は湾曲しないという時間が生じ、この時間が湾曲部
12の応答性の悪さになっていた。
【0075】ここで、本発明における内視鏡2の湾曲部
12の湾曲動作を図17のフローチャートにしたがって
説明する。なお、本実施形態においてはジョイスティッ
ク6aの傾き方向及び角度を湾曲指示信号としてとらえ
る湾曲制御について述べる。このため、前記リモコン6
からはジョイスティック6aの傾き方向及び角度に応じ
て、上下方向及び左右方向に対してそれぞれ、例えば1
024階調のデジタル信号が出力されるようになってい
る。
【0076】そして、前記1024階調のデジタル信号
において、湾曲部中心位置を512とし、この中心位置
より上側及び左側湾曲指示位置を0ないし511、下側
及び右側湾曲指示位置を513ないし1023に割り付
けている。なお、本説明においては左右方向に関する処
理についてのみ記載して、同様に処理される上下方向に
関する説明は省略する。
【0077】まず、ステップS1に示すようにリモコン
6のジョイスティック6aを所望の方向に所望の角度だ
け傾倒操作する。すると、このジョイスティック6aの
傾倒操作に相応した湾曲指示信号値が通信ライン82を
介して電動湾曲制御部17に伝達される。
【0078】次に、ステップS2に示すように電動湾曲
制御部17の記憶部94に、前記ジョイスティック6a
から出力された湾曲指示信号RLが記憶されてステップ
S3に移行する。
【0079】なお、前記記憶部94には、少なくとも前
記ジョイスティック6aから出力された、最新の湾曲指
示信号値と、この最新の湾曲指示信号値より1つ前の湾
曲指示信号値である前回の湾曲指示信号値と、前記最新
の湾曲指示信号値より2つ前の湾曲指示信号値である前
々回の湾曲指示信号値とが記憶されている。
【0080】そして、最新の湾曲指示信号値を出力値R
L_newと定義し、前回の湾曲指示信号値を出力値RL_o
ld1と定義し、前々回の湾曲指示信号値を出力値RL_ol
d2と定義する。このことによって、記憶部94内には出
力値RL_new、出力値RL_old1、出力値RL_old2が少
なくとも記憶されることになる。
【0081】次いで、ステップS3、ステップS4、ス
テップS5に示すように、指示信号判別部95で、前記
記憶部94に記憶されている出力値RL_new、出力値R
L_old1、出力値RL_old2の比較判定を行う。
【0082】ステップS3では、前記記憶部94内に湾
曲指示信号値が存在するか否かの確認を行う。ここで、
出力値RL_oldが存在した場合にはステップ4に移行し
て記憶部94から対応する湾曲指示信号値である出力値
RL_old1と、出力値RL_old2を呼び出し、ステップS
5に移行する。
【0083】このステップS5では、湾曲指示方向が反
転されているか否かを判定するために、前回の湾曲指示
方向の確認と、最新の湾曲指示方向の確認とを行う。そ
のために、出力値RL_old1と出力値RL_old2との差分
演算を行って前回の湾曲指示方向を得る一方、出力値R
L_newと出力値RL_old1との差分演算を行って最新の
湾曲指示方向を得る。そして、前回の湾曲指示方向と、
最新の湾曲指示方向とを確認にして、湾曲方向を反転さ
せる湾曲指示信号であるか否かを判定する。
【0084】このステップS5で最新の湾曲指示信号が
湾曲方向を反転させる指示であると判定した場合には、
ステップS6に移行して、付加部98に対して所定の電
圧を一定時間付加する指示を出力してステップS7に移
行し、モータ部71を通常の駆動電圧に対して所定の電
圧を一定時間付加した電圧で駆動する。
【0085】このことによって、モータ部71が高速に
回転してチェーン50の弛みを素早くなくし、湾曲部1
2の湾曲状態が変化していく。そして、ステップS8に
示すように変化した湾曲部12の湾曲状態を確認し、湾
曲状態が所望の状態であったなら湾曲処理を終了し、湾
曲状態が所望の状態でなかった場合には、再度湾曲角度
を調節するためにステップS1に移行して、ジョイステ
ィック6aを傾倒操作して新たな湾曲指示を出力する。
【0086】一方、前記ステップS5で湾曲方向を反転
させる指示ではなく、同方向に湾曲させる指示であると
判定した場合には、ステップS9に移行してジョイステ
ィック6aからの湾曲指示信号値とポテンショメータ7
3からの検出値との差分演算を行う。そして、差分があ
る場合にはステップS7に移行してモータ部71を通常
の駆動電圧で駆動させて湾曲状態を変化させてステップ
S8に移行する。また、前記ステップS9で差分が無し
の場合にはステップS8に移行する。これらのことによ
って、ジョイスティック6aの傾倒操作に素早く応答さ
せて湾曲制御を行える。
【0087】したがって、ジョイスティック6aを傾倒
操作して挿入部2aを対象物に挿入することにより、湾
曲部12を所望の状態に湾曲させて、対象物の観察、検
査を行える。そして、検査終了後には、挿入部2aをド
ラム部3に巻き取り、使用したリモコン6をケース本体
内に収納し、電源スイッチ6bをOFFにすることによ
り使用状態が終了する。さらに、収納ケース8は、ケー
ス本体の蓋体8bを閉めることで検査が完了するととも
に、保管状態になる。
【0088】ここで、ジョイスティック6aの操作と湾
曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。前記
図14に示す湾曲部12に湾曲がかっかていない状態の
とき、ジョイスティック6aからは湾曲指示信号として
出力値RL=512が出力される。
【0089】この状態から前記図15に示すように左湾
曲を最大にかけるようにジョイスティック6aを左方向
に傾倒操作すると、このジョイスティック6aから出力
値RL=0という湾曲指示信号が出力される。
【0090】そして、左最大湾曲させた後、右方向に湾
曲させる指示として例えば右湾曲を最大にかけるように
ジョイスティック6aを右方向に傾倒操作すると、この
ジョイスティック6aから出力値RL=1023という
湾曲指示が出力される。
【0091】上述の操作をしたとき、前記記憶部94に
は、出力値RL_newとして1023が、出力値RL_old
1として0、出力値RL_old2として512という湾曲指
示信号値が記憶される。
【0092】前記ジョイスティック6aから最新の湾曲
指示信号である出力値RL_new=1023が入力された
とき、指示信号判別部95では、前記ステップS5に示
したように湾曲方向を反転させる指示であるか否かの判
定を行う。
【0093】具体的には、上述した以下の2つの演算を
行い、その演算結果の正負が異なるか否かで反転指示で
あるか否かを判定する。
【0094】今回の場合、(出力値RL_old1)−(出
力値RL_old2)=0−512=−512<0であり、
(出力値RL_new)−(出力値RL_old1)=1023
−0=1023>0である。
【0095】今回の場合、2つの演算結果の正負が異な
っている。すなわち、ステップS5において、ジョイス
ティック6aから出力された最新の湾曲指示信号は、湾
曲状態を反転させる指示であると判定する。
【0096】そして、前記ステップS5で反転させる指
示であると判定されると、ステップS6では図18
(a)、(b)に示すように通常の駆動電圧に対して、
所定電圧を一定時間αだけ付加する。すると、前記スプ
ロケット49が時間αの間、高速に回動して、前記図1
6で示した弛みを解消するためにチェーン50をスプロ
ケット49に素早く巻き取っていく。このことによっ
て、チェーン他端部50bが右方向湾曲操作ワイヤ32
Rを牽引する力が瞬時に発生して湾曲状態が左方向から
右方向に変化していく。
【0097】これに対して、例えば以下に示すようにジ
ョイスティック6aが傾倒操作されると、ステップS5
では湾曲方向を反転させる指示がジョイスティック6a
から出力されていないと判定する。例えば、前記図14
の湾曲のかかっていない状態から、所定量左方向に湾曲
させ、その後、さらに同方向である左方向に湾曲させた
場合である。
【0098】この場合、湾曲をかけていない状態ではジ
ョイスティック6aから出力値RL=512が出力さ
れ、所定量左方向に湾曲させるためにジョイスティック
6aを左方向に傾倒操作して、例えば出力値RL=25
6が出力され、その後、さらに同方に湾曲させるために
ジョイスティック6aを左方向に傾倒操作すると例えば
出力値RL=0が出力される。このとき、前記記憶部9
4には、出力値RL_new=0、出力値RL_old1=25
6、出力値RL_old2=512が記憶される。
【0099】したがって、最新の湾曲指示信号である出
力値RL_new=0がジョイスティック6aから出力され
たとき、前記指示信号判別部95ではステップS5に示
す以下の2つの演算を行って、演算結果の正負によって
反転指示であるか否かを判定する。
【0100】つまり、今回の場合では、(出力値RL_o
ld1)−(出力値RL_old2)=256−512=−25
6<0と、(出力値RL_new)−(出力値RL_old1)
=0−256=−256<0とを得る。
【0101】今回の場合には2つの演算結果の正負が同
様であり、ステップS5ではジョイスティック6aから
の最新の湾曲指示信号は、湾曲状態を反転させる指示で
はないと判定する。したがって、今回の場合には、付加
部98から電圧を付加することなく、つまり、前記図1
8(a)、(b)に示した一定時間αの電圧付加を行う
ことなく、スプロケット49を通常の駆動電圧で駆動す
る。
【0102】このように、ジョイスティックを傾倒操作
したときに出力される湾曲指示信号を時系列的に記憶す
る一方、ジョイスティックから湾曲指示信号が出力され
るたびに所定の差分処理を行って、そのときジョイステ
ィックから出力された湾曲指示信号が湾曲動作を反転さ
せる指示であるかを判定し、湾曲状態を反転させる指示
であると判定したときにだけ、通常の駆動電圧にある所
定電圧を一定時間、付加することによって、一定時間の
間、スプロケットを素早く回動させて、チェーン及び湾
曲操作ワイヤの弛緩状態を素早く解除して牽引を開始し
て、湾曲部を逆方向に素早く湾曲動作させることができ
る。
【0103】このことによって、電動湾曲装置や、挿入
部、湾曲部を大型化することなく、反転側の湾曲操作ワ
イヤが牽引状態になるまでの時間が短縮されて湾曲反転
時の応答性が向上する。
【0104】また、ジョイスティック近傍にトリマを設
けたことによって、湾曲角度の調整を容易に行うことが
できるので、例えば制御部にPC等を接続して湾曲角パ
ラメータを修正する等の手間を省ける。なお、抵抗値を
変更する構成の代わりにジョイスティックの傾倒角度を
増減させて最大湾曲角度を調整するようにしてもよい。
【0105】なお、本実施形態においては、ジョイステ
ィックを傾倒操作したとき出力される湾曲指示信号を差
分演算した結果を基に、湾曲状態が反転したか否かを判
定し、その判定結果によってモータ部を通常の駆動電圧
で駆動させたり、通常の駆動電圧に対して一定時間、所
定電圧を付加する構成を説明したが、以下に示す情報を
基にして湾曲状態が反転したか否かを判定してモータ部
を通常の駆動電圧で駆動させたり、通常の駆動電圧に対
して一定時間、所定電圧を付加するようにしてもよい。
【0106】図19及び図20は本発明の第2実施形態
にかかり、図19は電動湾曲制御部を他の構成にした内
視鏡装置を説明するブロック図、図20は電動湾曲制御
部による湾曲制御を説明するフローチャートである。本
実施形態においてはジョイスティック6aから出力され
る湾曲指示信号をON/OFF信号としてもとらえてい
る。そして、ON信号時のみ定速で湾曲動作を行う湾曲
制御方法としている。
【0107】図19に示すように本実施形態の電動湾曲
制御部17Aは、発振器99を用いてパルス駆動電圧の
出力を指示するマイコン90Aと、この指示信号の増幅
処理を行うアンプ92Aとを有している。
【0108】前記マイコン90AはCPU、プログラム
が記憶されているROM、RAMを有するとともに、前
記リモコン用A/D変換部81から伝送される湾曲指示
信号値を湾曲方向として時系列的に記憶する記憶部94
と、この記憶部94に記憶されている湾曲指示信号を比
較して反転したか否かを確認する指示信号判別部95を
備えた湾曲方向判定部96と、この湾曲方向判定部96
の判定結果によってパルス駆動電圧信号に所定電圧を一
定時間付加する付加部98Aとを有している。なお、本
実施形態においてもジョイスティック6aの傾倒操作に
応じて上下・左右方向にそれぞれ1024階調のデジタ
ル信号が湾曲指示信号値として出力されるが、出力値5
12をOFF、出力値0ないし511及び513ないし
1023をON信号としている。その他の構成は前記第
1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説
明を省略する。
【0109】上述のように構成した電動湾曲制御部17
Aの作用を図20のフローチャートにしたがって説明す
る。まず、ステップS11に示すようにジョイスティッ
ク6aを操作する。すると、このジョイスティック6a
の傾倒操作に対応する湾曲指示信号値が通信ライン82
を介して電動湾曲制御部17に伝達される。このとき、
ステップS12に示すように電動湾曲制御部17Aの記
憶部94にジョイスティック6aから出力された最新の
湾曲指示信号値が記憶されてステップS13に移行し
て、記憶部94内に湾曲指示信号値が存在するか否かの
確認を行う。ここで、出力値RL_oldが存在した場合に
はステップS14に移行して記憶部94から対応する湾
曲指示信号値である出力値RL_old1、出力値RL_old2
を呼び出し、ステップS15に移行する。
【0110】そして、このステップS15では最新の湾
曲指示信号が湾曲方向を反転させる指示であるか否かの
判定を行う。本実施形態においては、出力値RL_oldと
して記憶されている前回のON方向を確認する一方、出
力値RL_newにて今回のON方向を確認して、湾曲方向
を反転させる指示であるか否かを判定する。
【0111】具体的には、ある方向に対してON指示が
出されいた後に、その方向とは逆方向に対するON指示
を出す場合、ジョイスティック6aは必ず、一旦OFF
位置を通過し、その後に逆方向の湾曲指示信号を出力す
る。つまり、OFF信号を確認するとともに、このOF
F位置前後での操作方向を比較することによって反転操
作であるか否かを判定している。
【0112】そして、前記ステップS15で湾曲状態を
反転させる指示であると判定した場合にはステップS1
6に移行して、付加部98Aにて対して所定のパルス駆
動電圧を付加する指示を出力してステップS17にしめ
すようにモータ部71を通常のパルス駆動電圧に所定の
パルス駆動電圧を加えた電圧で駆動する。
【0113】次いで、ステップS18に示すように湾曲
部12の湾曲状態の変化を確認して、湾曲状態が所望の
状態であるなら湾曲処理を終了し、湾曲状態が所望の状
態でなかった場合には、再度湾曲角度を調節するために
ステップS11に移行して、ジョイスティック6aを傾
倒操作して新たな湾曲指示を出力する。
【0114】なお、前記ステップS15で湾曲方向を反
転させる指示ではなく、同方向に湾曲させる指示である
と判定した場合には、ステップの記載は省略するが前記
図17のステップS9と同様にジョイスティック6aか
らの湾曲指示信号値とポテンショメータ73からの検出
値との差分演算を行う。そして、差分がある場合にはモ
ータ部71を通常のパルス駆動電圧で駆動させて湾曲状
態を変化させて湾曲状態の確認を行い、差分無しの場合
には直接、湾曲状態の確認を行う。
【0115】ここで、ジョイスティック6aの操作と湾
曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。湾曲
部12に湾曲のかっかていない状態のとき、ジョイステ
ィック6aからは出力値RL=512という湾曲指示信
号が出力される。この状態から例えば左湾曲をかけるよ
うにジョイスティック6aを操作する。このとき、この
ジョイスティック6aから出力値RLとして0ないし5
11の湾曲指示信号を出力する。その後、右方向に湾曲
をかけるようにジョイスティック6aを操作する。する
と、湾曲方向を左方向から右方向に切り換えるたことに
より、リモコン6からは一度だけ、出力値として512
(OFF信号)が出力された後に、ジョイスティック6
aから出力値RLとして513ないし1023の湾曲指
示信号が出力される。
【0116】したがって、上述のようにジョイスティッ
ク6aを操作した場合には、記憶部94には、左湾曲O
Nのときの例えば出力値RL_new=0と、湾曲OFFで
ある出力値RL_old1=512と、右湾曲ONのときの
例えば出力値RL_old2=1023が記憶されている。
【0117】したがって、ステップS15では、出力値
RL_old1=512のOFF信号を有するとともに、出
力値RL_new−出力値RL_old1=0−512<0と、
出力値RL_old2−出力値RL_old1=1023−512
>0との結果を得る。
【0118】このことによって、出力値RL_old1(O
FF信号)の前後で演算結果の正負が異なっていること
により、ジョイスティック6aの傾倒操作が湾曲動作を
反転される指示であると判定する。
【0119】なお、ステップS16では、図21(a)
に示すように一定時間α、高いパルス駆動電圧が加わる
ように通常のパルス駆動電圧に所定電圧を付加する。こ
の結果、時間αの間だけ前記スプロケット49が高速に
回動してチェーン50の弛みを解消させて、右方向湾曲
操作ワイヤ32Rを牽引する力が瞬時に発生して湾曲状
態が逆方向に変化する。
【0120】一方、ステップS15でジョイスティック
から湾曲方向を反転させる指示が出力されていないと判
定されるのは例えばジョイスティック6aを湾曲なしの
状態から、まず左方向に湾曲させ、次に、一端、ジョイ
スティック6aを自立状態にして、再び左方向に湾曲さ
せる場合等である。
【0121】このとき、最初、湾曲がかかっていない状
態であるのでジョイスティック6aから出力値RL=5
12の湾曲指示信号が出力される。その後、左方向へ湾
曲させることにより、このジョイスティック6aから出
力値RLとして0ないし511が出力される(ここで
は、仮に出力値RLを0とする)。
【0122】次に、その動作を続けず、ジョイスティッ
ク6aを一度中央(出力値RL=512を出力)に戻
し、その後、再び、前回と同じ方向に湾曲させるとジョ
イスティック6aから出力値RLとして0ないし511
が出力される(ここでは、仮に出力値RLを0とす
る)。
【0123】このとき、記憶部94には、出力値RL_n
ew=0、出力値RL_old1=512、出力値RL_old2=
0が記憶されているので、ステップS15では、 出力値RL_old1=512、 出力値RL_new−出力値RL_old1=0−512=−5
12<0、 出力値RL_old2−出力値RL_old1=0−512=−5
12<0 との結果を得る。
【0124】このことによって、出力値RL_old1(O
FF信号) の前後で演算結果の正負が同じであるの
で、ジョイスティック6aの傾倒操作によって湾曲方向
を反転される指示でないと判定する。このため、付加部
98Aで電圧を付加することなく、通常のパルス駆動電
圧でモータ部71は駆動される。
【0125】このように、ジョイスティックがOFF位
置である中央を通過したとき、記憶部にOFF位置を示
す湾曲指示信号値を記憶することによって、ジョイステ
ィックの操作によって、回転方向を反転させる指示が出
力されたか否かの判定をより確実に行うことができる。
その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様であ
る。
【0126】なお、パルス駆動電圧にパルス信号を付加
する場合、パルス信号の付加は頂部に限定されるもので
はなく、図21(b)に示すようにパルス信号の底部で
あってもよい。
【0127】また、OFF位置である中央を出力値51
2の1つだけに限定することなく、出力値512±αと
設定することによって、ジョイスティック6aに遊びを
持たせて操作性を向上させることができる。つまり、O
FF位置を出力値512と設定した場合には、ジョイス
ティック6aを僅かに移動させただけでON指示とな
る。つまり、敏感に反応するが、OFF位置を出力値5
12±αと設定することにより、OFF領域が広がる。
前記αの値としては、例えば10ないし80程度に設定
する。このことによって、ジョイスティック6aに触れ
ただけで動作することがなくなる。
【0128】図22及び図23は本発明の第3実施形態
にかかり、図22は電動湾曲制御部を別の構成にした内
視鏡装置を説明するブロック図、図23は電動湾曲制御
部による湾曲制御を説明するフローチャートである。本
実施形態においては、モータ部71へ供給される電圧の
正負によって湾曲状態が反転したか否かを判定してモー
タ部を通常の駆動電圧で駆動させたり、通常の駆動電圧
に対して一定時間、所定電圧を付加するようにしてい
る。
【0129】図22に示すように本実施形態の電動湾曲
制御部17Bには、通信ライン82を介してリモコン6
のジョイスティック6aからの湾曲指示信号値とポテン
ショメータAD変換部93の回転位置信号値とを差分演
算し、その差分量に対応するデジタルの駆動信号を生成
するマイコン90Bを有している。
【0130】このマイコン90Bは、CPU、プログラ
ムが記憶されているROM、RAMを有するとともに、
ポテンショメータAD変換部93を介してポテンショメ
ータ73で検知したスプロケット49を回転させる出力
軸48の回転位置信号値と前記湾曲指示信号値との差分
を一定時間間隔で取得してフィードバック制御を行う差
分演算部97Aと、この差分演算部97Aから出力され
るデジタル出力値を記憶する記憶部94B及びこの記憶
部94Bに記憶されているデジタル出力値と、今回出力
された最新のデジタル出力値とで湾曲方向が反転されて
いるか否かの判別を行う判別部95Bを備えた湾曲方向
判定部96Bと、この湾曲方向判定部96Bで湾曲方向
が反転されるという結果を得てモータユニット47へ出
力する駆動電圧に一定電圧を付加する付加部98Bとを
有している。
【0131】なお、前記リモコン6からの湾曲指示信号
及びポテンショメータAD変換部93から出力される回
転位置信号値は、共に1024階調のデジタル信号とし
て扱われる。そして、それぞれ、出力値512を中央値
としている。
【0132】また、前記アンプ部92Bから出力される
電圧値は、プラス又はマイナスの電圧値である。そし
て、前記モータ部71を正転させる際にはプラス電圧で
あり、前記モータ部71を逆転させる際にはマイナス電
圧である。具体的な電圧値としては、−15Vから+1
5Vの範囲であり、上方向及び左方向の湾曲指示の場合
には出力電圧値は負の値を示し、下方向及び右方向の湾
曲指示の場合には出力電圧値は正の値を示す。その他の
構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符
合を付して説明を省略する。
【0133】図23のフローチャートにしたがって、本
発明における内視鏡2の湾曲部12の湾曲動作を説明す
る。ステップS21に示すようにリモコン6のジョイス
ティック6aを操作する。すると、ジョイスティック6
aの傾き方向及び角度に応じた湾曲指示信号としてJS
出力値RLが通信ライン82を介して電動湾曲制御部1
7Bに伝達される。
【0134】そして、この電動湾曲制御部17Bに前記
JS出力値RLが入力された時点でステップS22に示
すように、このJS出力値RLと、ポテンショメータ7
3からの回転位置信号値であるPM出力値RLとの差分
を演算し、その差分の有無を確認する。ここで、差分が
あった場合にはステップS23に移行する。
【0135】ステップS23では、その差分結果値を出
力値△RLとして記憶部94Bに記憶する。このことに
より、この記憶部94Bには、少なくとも今回の出力値
△RLと前回の出力値△RLとが記憶されており、最新
の出力値を出力値△RL_new、前回の出力値を出力値△
RL_old1と定義する。
【0136】次いで、ステップS24、ステップS2
5、ステップS26に示すように判別部95Bで前記出
力値の比較判定を行う。その際、ステップS24に示す
ように出力値△RL_old1が記憶されているか否かを確
認し、出力値△RL_old1が記憶されているときにはス
テップS25に移行して記憶されている出力値△RL_o
ld1を呼び出してステップS26に移行する。
【0137】このステップS26では前回の出力値△R
L_old1と、今回の出力値△RL_newとの比較判別を行
う。ここで、出力値△RL_old1<0かつ出力値△RL_
new>0の結果を得た場合、又は、 出力値△RL_old1
>0かつ出力値△RL_new<0の結果を得た場合、ステ
ップS26では回転方向が反転されると判定する。この
場合には、ステップS27に移行して付加部98Bより
通常の駆動電圧に一定電圧を付加し、ステップS28に
示すように一定電圧を負荷した駆動電圧でモータ部71
を駆動させる。
【0138】なお、前記差分演算部97Aでは、一定時
間間隔で出力値△RLを生成している。つまり、前記モ
ータ部71が動作しているとき、前記出力値△RLはそ
のたびに、新しい値に更新される。そして、出力値△R
L=0を得たとき、モータユニット47への駆動電圧の
出力を停止する。
【0139】また、前記差分演算部97Aでは、同様に
JS出力値RLの差分演算処理を一定時間間隔で行って
いる。したがって、一定時間内での過度に速くジョイス
ティックが操作されたか否かの確認をし、過度に速くジ
ョイスティックが操作されたことを検出した際にはその
ジョイスティックの操作によって出力された値を無視す
るようにしている。
【0140】ここで、ジョイスティック6aの操作と湾
曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。例え
ば、ジョイスティック6aから右方向に最大湾曲させる
というJS出力値RL=1023を出力するとき、実際
のポテンショメータからのPM出力値RL=512、す
なわち、湾曲角度0の非湾曲状態であったとする。
【0141】この場合、JS出力値RLとPM出力値R
Lとの値が一対一の対応であるとすると、出力値△RL
=(JS出力値RL−PM出力値RL=1023−51
2=511の結果を得る。そして、この結果から、右方
向への湾曲動作を開始して、最終的に湾曲部12が右最
大湾曲状態になったときに、出力値△RL=0になる。
【0142】次に、この状態から湾曲角度0を指示する
JS出力値RL=512が入力されると、出力値△RL
=512−1023=−511の結果を得、この結果か
ら左方向への湾曲動作を開始する。このとき、記憶部9
4Bには、前回の出力値△RL_old1=511と、最新
の出力値△RL_ne=−511とが記憶されるので、ス
テップS26では出力値△RL_old1=511>0かつ
出力値△RL_new=−511<0の結果から湾曲方向を
反転させると判定する。
【0143】このため、付加部98ではこの判定を受
け、通常では、モータユニット47へはVmot=k*
出力値△RL_new(k:任意の係数)の電圧値が出力し
て湾曲動作させるところを、湾曲部12が左方向へ湾曲
するので出力値△RLは負側への動作であり、かつ付加
電圧(δ)を仮にδ=−2.00として、 Vmot_add=k*(出力値△RL_new+δpo
t) Vmot_add=k*(出力値△RL_new−2.0
0)となり、通常より絶対値の大きな電圧値で湾曲動作
させることになる。
【0144】具体的に、k=0.01(単位V)、出力
値△RL_new=−512の場合には Vmot=k*出力値△RL_new=−5.12V、 Vmot_add=k*(出力値△RL_new−200)
=−7.12Vとなり、Vmot_addが2V多い供
給電圧で動作する。なお、前記Vmot_addは上述
した実施形態と同様に一定時間のみ付加される。
【0145】なお、前記出力値△RLの更新期間が例え
ば0.2秒毎である場合には、次の出力値△RLつまり
出力値△RLが更新されるまでの間の0.2秒間、Vm
ot_addが一時的に付加され、その後は、反転動作
がない限り、通常の駆動電圧であるVmotがモータユ
ニット47に供給される。
【0146】また、前記アンプ部92Bからの電圧は、
前記図18、前記図21のどちらの形態での出力でもよ
く、一定時間αは前述した更新時間、例えば0.2秒間
の付加となる。
【0147】さらに、付加電圧を付加するのではなく、
Vmotの係数kを一時的に大きな値k1に変化させる
ようにしてもよい。つまり、 Vmot_add=k1*出力値△RL_new として、一定時間Vmot_addを出力するようにし
てもよい。
【0148】このように、モータ部に供給される電圧の
正負によって動作方向の反転を確認し、通常の駆動電圧
に所定の電圧を付加してモータ部に供給するので湾曲反
転時のレスポンスを適切に確保することができる。この
ことによって、湾曲操作性が損なわれることが防止され
る。
【0149】また、ジョイスティックの動作を所定時間
間隔で差分演算処理する一方、過度に速くジョイスティ
ックが操作されたことを検知した際には、ジョイスティ
ックからの出力値を無視させることによって、動作に過
敏に反応して無理な動作をさせることをなくすことがで
き、観察性、挿入性が向上する。
【0150】図24及び図25は本発明の第4実施形態
にかかり、図24は電動湾曲制御部をまた他の構成にし
た内視鏡装置を説明するブロック図、図25は電動湾曲
制御部による湾曲制御を説明するフローチャートであ
る。
【0151】図24に示すように本実施形態の電動湾曲
制御部17Cには、通信ライン82を介してリモコン6
のジョイスティック6aからの湾曲指示信号値とポテン
ショメータAD変換部93の回転位置信号値とを差分演
算し、その差分量に対応するデジタルの駆動信号を生成
するマイコン90Cを有している。
【0152】このマイコン90Cは、CPU、プログラ
ムが記憶されているROM、RAMを有するとともに、
ポテンショメータAD変換部93を介してポテンショメ
ータ73で検知したスプロケット49を回転させる出力
軸48の回転位置信号値と前記湾曲指示信号値との差分
を一定時間間隔で取得してフィードバック制御を行う差
分演算部97Aと、ポテンショメータAD変換部93か
ら出力された回転位置信号値を記憶する記憶部94C
と、この記憶部94Cに記憶されている回転位置信号値
と、今回の回転位置信号値とで湾曲方向が反転したか否
かを判別する判別部95Cを備えた湾曲方向判定部96
Cと、この湾曲方向判定部96Cからの湾曲方向が反転
されるという結果を得てモータユニット47へ出力する
駆動電圧に一定電圧を付加する付加部98Bとを有して
いる。その他の構成は前記第3実施形態と同様であり、
同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0153】ここで、本発明における内視鏡2の湾曲部
12の湾曲動作を図25のフローチャートにしたがって
説明する。本実施形態においては、ステップS31に示
すようにジョイスティック6aを操作すると、ジョイス
ティック6aの傾き方向及び角度に応じた湾曲指示信号
としてJS出力値RLが通信ライン82を介して電動湾
曲制御部17Bに入力され、その時点で、ステップS3
2に示すようにJS出力値RLと、ポテンショメータ7
3の回転位置信号値であるPM出力値RLとの差分を演
算して差分の有無を確認する。
【0154】ここで、差分があった場合にはステップS
23に移行して、ポテンショメータ73からの回転位置
信号値であるPM出力値RLを記憶部94Cに記憶す
る。このとき、この記憶部94Cに、少なくとも今回の
PM出力値RLと、前回のPM出力値RLと、前々回の
PM出力値RLとが記憶されていれば、最新の出力値を
PM出力値RL_new、前回の出力値をPM出力値RL_o
ld1、前々回の出力値をPM出力値RL_old2と定義す
る。
【0155】次いで、ステップS34、ステップS3
5、ステップS36に示すように判別部95Cで比較判
定を行う。その際、まず、ステップS34に示すように
PM出力値RLが記憶されているか否かを確認し、記憶
されているときにはステップS35に移行して記憶され
ているPM出力値RL_old1及びPM出力値RL_old2を
呼び出してステップS36に移行する。
【0156】このステップS36では、PM出力値RL
_old1−PM出力値RL_old2 が正か負かの判定を行っ
て前回までの湾曲方向を確認する一方、さらに、PM出
力値RL_new−PM出力値RL_old1 の正負の判定を
行って最新の湾曲方向を確認する。そして、湾曲方向が
反転したか否かを判定する。
【0157】ここで、反転していると判定した場合に
は、ステップS37に移行して付加部98Bより一定電
圧をつう状電圧に対して一定時間だけ付加し、ステップ
S38に示すように負荷した駆動電圧でモータ部71を
駆動する。
【0158】ここで、ジョイスティック6aの操作と湾
曲部12の湾曲状態との関係を具体的に説明する。例え
ば、最初、湾曲がかかっていない、PM出力値RL=5
12の状態で湾曲が停止していた状態とする。ここで、
ジョイスティック6aにより右方向に最大湾曲をかけ、
JS出力値RL=1023が出されて、右方向への湾曲
が開始されたとする。
【0159】このとき、差分である出力値RL=102
3−512>0である。この後、一定時間間隔でPM出
力値RLがサンプリングされていく。そして、湾曲部1
2が右方向に最大湾曲すると、出力値RL=0になる。
したがって、それまでの間のPM出力値RLは、一定時
間間隔に検出されているため、仮に1024階調を1刻
みずつサンプリングできたとすると、PM出力値RL_n
ew=1022、PM出力値RL_old1=1021、PM
出力値RL_old2=1020になり、PM出力値RL_ol
d1−PM出力値RL_old2>0、及びPM出力値RL_ne
w−PM出力値RL_old1>0となって回転方向が反転し
ていないと判定される。このとき、PM出力値RL=1
023になっている。
【0160】その後、ジョイスティック6aより非湾曲
状態に戻る指示が出されると、JS出力値RL=512
が出力され、その瞬間、ステップS32では差分有りと
の判断を下すが、モータユニット47に必要な起動電圧
に達するまでモータ部71は動作できないので、前記J
S出力値RL=512が出力された直後はPM出力値R
Lは1023のままになる。
【0161】その後、湾曲動作していくとき、同様に1
024階調を1刻みでサンプリングできた場合、PM出
力値RL_new=1022、PM出力値RL_old1=10
23、PM出力値RL_old2=1022となる。その後
は、PM出力値RL_new=1021、1020、101
9…順次変化していく。
【0162】そして、前記PM出力値RL_new=102
2、PM出力値RL_old1=1023、PM出力値RL_
old2=1022となったとき、PM出力値RL_old1−
PM出力値RL_old2=1>0、及びPM出力値RL_ne
w−PM出力値RL_old1=−1<0となって回転方向が
反転したと判定する。すると、付加部98Bによって前
記図18に示したように通常の駆動電圧に所定電圧が一
定時間だけ付加されてモータ部71を起動する。
【0163】このように、ポテンショメータから出力さ
れる回転位置信号値を一定時間間隔で検知することによ
って、実際の湾曲部の反転動作を確認した後、瞬時に高
速動作を行うことができる。このことによりって、反転
時の湾曲レスポンスがさらに改善する。
【0164】なお、本実施形態においては前記第2実施
形態と同様にON/OFF入力にしてPM出力値RLを
省略するようにしてもよい。
【0165】尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに
限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々変形実施可能である。
【0166】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
【0167】(1)挿入部を構成する湾曲部に端部が固
定されたアングルワイヤを牽引操作する牽引力伝達手段
と、この牽引力伝達手段を回転駆動する駆動源と、前記
湾曲部の湾曲方向を指示する手元側に位置する湾曲指示
装置と、この湾曲指示装置からの湾曲指示信号に基づき
前記駆動源に供給する駆動電圧を制御する制御部とを具
備する電動湾曲内視鏡において、前記制御部に、前記湾
曲部の湾曲状態を変化させる情報を基に、湾曲動作を反
転されるか否かを判定する判定部と、この判定部が湾曲
方向が反転されると判定したとき、前記駆動電源に供給
する通常の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付
加部と、を設けた電動湾曲内視鏡。
【0168】(2)前記判定部で判定する情報は、前記
湾曲指示装置から出力される湾曲指示信号である付記1
記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0169】(3)前記判定部は、前記湾曲指示装置か
ら出力される湾曲指示信号を時系列的に記憶する記憶部
と、この記憶部に記憶されている所定の湾曲指示信号を
差分演算して湾曲方向が反転されるか否かを判定する指
示信号判別部と、を有する付記2記載の電動湾曲内視
鏡。
【0170】(4)前記指示信号判別部は、前記記憶部
に記憶されている少なくとも最新の湾曲指示信号値、前
回の湾曲指示信号値、前々回の湾曲指示信号値を基に、
前回値と前々回値との差分演算及び最新値と前回値との
差分演算を行い、それぞれの結果から湾曲方向が反転さ
れるか否かを判定する付記3に記載の電動湾曲内視鏡。
【0171】(5)前記湾曲指示装置は、上下方向及び
左右方向をそれぞれ1024階調の湾曲指示信号として
前記制御部に出力する付記1に記載の電動湾曲内視鏡装
置。
【0172】(6)前記湾曲指示装置から1024階調
のデジタルの湾曲指示信号を出力するとき、湾曲部中心
位置を示す湾曲指示信号を512、この湾曲部中心位置
より上側及び左側湾曲位置を示す湾曲指示信号を0ない
し511、下側及び右側湾曲位置を示す湾曲指示信号を
513ないし1023と割り付けるとともに、最新の湾
曲指示信号を指示_new、これより1つ前の湾曲指示信号
を指示_old1、これよりさらに1つ前の湾曲指示信号を
指示_old2と定義し、 (指示_old1−指示_old2)<0かつ(指示_new−指示_o
ld1)>0 又は、 (指示_old1−指示_old2)>0かつ(指示_new−指示_o
ld1)<0 の関係が成り立つとき、前記付加部は前記駆動源に通常
の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付記4又は
付記5に記載の電動湾曲内視鏡。
【0173】(7)前記湾曲指示装置から1024階調
のデジタルの湾曲指示信号を出力するとき、湾曲OFF
状態を示す湾曲指示信号を512±α、上側湾曲指示及
び左側湾曲指示を示す湾曲指示信号を0ないし511−
α、下側湾曲指示及び右側湾曲指示を示す湾曲指示信号
を513+αないし1023と割り付けるとともに、最
新の湾曲指示信号を指示_new、これより1つ前の湾曲指
示信号を指示_old1、これよりさらに1つ前の湾曲指示
信号を指示_old2と定義し、 指示_old1=512±αかつ 指示_old2−指示_old1>
0かつ 指示_new−指示_old1<0 又は、 指示_old1=512±αかつ 指示_old2−指示_old1<
0かつ 指示_new−指示_old1>0 の関係が成り立つとき、前記付加部は前記駆動源に通常
の駆動電圧に、所定電圧を一定時間付加する付記4又は
付記5に記載の電動湾曲内視鏡。
【0174】(8)前記αの値は、10ないし80のデ
ジタル値である付記7記載の電動湾曲内視鏡。
【0175】(9)前記判定部で判定する情報は、前記
駆動源の回転方向を示すこの駆動源に出力される電圧値
の正負である付記1記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0176】(10)前記判定部は、前記駆動源に出力
された電圧値の正負を時系列的に記憶する記憶部と、こ
の記憶部に記憶されている電圧値の正負を比較して湾曲
方向が反転されるか否かを判定する回転方向判別部と、
を有する付記9記載の電動湾曲内視鏡。
【0177】(11)前記回転方向判別部は、前記記憶
部に記憶されている最新の電圧値と前回の電圧値とを比
較し、その結果から湾曲方向が反転されるか否かを判定
する付記10に記載の電動湾曲内視鏡。
【0178】(12)前記制御部は、前記湾曲指示装置
から伝送されるON/OFF指示信号を基に、ON制御
時の回転方向がOFF制御されるごとに数値割り付けを
行い、その数値を差分演算する付記4記載の電動湾曲内
視鏡装置。
【0179】(13)前記駆動源へ出力する最大電圧値
を、±15Vに設定した付記9記載の電動湾曲内視鏡。
【0180】(14)前記判定部で判定する情報は、前
記牽引力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転位置信
号である付記1記載の電動湾曲内視鏡装置。
【0181】(15)前記判定部は、前記出力軸の回転
位置信号を時系列的に記憶する記憶部と、前記出力軸の
回転位置信号を差分演算して、湾曲方向が反転されるか
否かを判定する回転位置判別部と、を有する付記14記
載の電動湾曲内視鏡。
【0182】(16)前記回転位置判別部は、少なくと
も最新の回転位置信号値、前回の回転位置信号値、前々
回の回転位置信号値を基に、前回値と前々回値との差分
演算及び最新値と前回値との差分演算を行い、それぞれ
の結果から湾曲方向が反転されるか否かを判定する付記
15に記載の電動湾曲内視鏡。
【0183】(17)前記出力軸の回転位置信号値は、
可変抵抗器から出力される電圧値を1024階調に変換
したデジタル値である付記14記載の電動湾曲内視鏡。
【0184】(18)前記出力軸の回転位置信号値は、
可変抵抗器から出力されるアナログ電圧値である付記1
4記載の電動湾曲内視鏡。
【0185】(19)前記駆動源は、CDギヤードモー
タである付記1記載の電動湾曲内視鏡。
【0186】(20)前記付加部による一定電圧の付加
を、パルス駆動電圧の頂部を増すことで行う付記1記載
の電動湾曲内視鏡。
【0187】(21)前記付加部による一定電圧の付加
を、パルス駆動電圧の底部を増すことで行う付記1記載
の電動湾曲内視鏡。
【0188】(22)前記付加部による一定電圧の付加
を、非パルス状の連続するリニア電圧に対して行う付記
1記載の電動湾曲内視鏡。
【0189】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、湾
曲部の湾曲方向を反転動作させる際の湾曲応答性及び操
作性に優れた電動湾曲内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図18は本発明の第1実施形態に係
り、図1は内視鏡装置の構成を説明する斜視図
【図2】内視鏡装置の構成を説明するブロック図
【図3】リモコンを説明する図
【図4】リモコンのジョイスティックを説明する図
【図5】挿入部の構成を説明する図
【図6】ドラム部内の構成を説明する図
【図7】ドラム部内の電動湾曲装置の構成を説明する図
【図8】連結部材近傍を説明する図
【図9】方向変換部近傍を説明する拡大図
【図10】モータユニットの構成を説明する図
【図11】誘導面を備えるチェーン収納部の構成を説明
する図
【図12】スプロケット近傍を説明する図
【図13】モニタへの表示例を説明する図
【図14】非湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作
ワイヤの関係を説明する図
【図15】湾曲状態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワ
イヤの関係を説明する図
【図16】スプロケットを逆転状態にしたときの湾曲状
態の湾曲部とチェーン及び湾曲操作ワイヤの関係を説明
する図
【図17】湾曲部の湾曲動作を説明するフローチャート
【図18】通常の駆動電圧と付加部によって付加される
電圧とを説明する図
【図19】図19及び図20は本発明の第2実施形態に
かかり、図19は電動湾曲制御部を他の構成にした内視
鏡装置を説明するブロック図
【図20】電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフ
ローチャート
【図21】通常の駆動電圧と付加部によって付加される
電圧とを説明する図
【図22】図22及び図23は本発明の第3実施形態に
かかり、図22は電動湾曲制御部を別の構成にした内視
鏡装置を説明するブロック図
【図23】電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフ
ローチャート
【図24】図24及び図25は本発明の第4実施形態に
かかり、図24は電動湾曲制御部をまた他の構成にした
内視鏡装置を説明するブロック図
【図25】電動湾曲制御部による湾曲制御を説明するフ
ローチャート
【符号の説明】
6a…ジョイスティック 16…電動湾曲装置 17…電動湾曲制御部 90…マイコン 94…記憶部 95…指示信号判別部 96…湾曲方向判定部 98…付加部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部を構成する湾曲部に端部が固定さ
    れたアングルワイヤを牽引操作する牽引力伝達手段と、
    この牽引力伝達手段を回転駆動する駆動源と、前記湾曲
    部の湾曲方向を指示する手元側に位置する湾曲指示装置
    と、この湾曲指示装置からの湾曲指示信号に基づき前記
    駆動源に供給する駆動電圧を制御する制御部とを具備す
    る電動湾曲内視鏡において、 前記制御部に、 前記湾曲部の湾曲状態を変化させる情報を基に、湾曲動
    作を反転されるか否かを判定する判定部と、 この判定部が湾曲方向が反転されると判定したとき、前
    記駆動電源に供給する通常の駆動電圧に、所定電圧を一
    定時間付加する付加部と、 を設けたことを特徴とする電動湾曲内視鏡。
  2. 【請求項2】 前記判定部で判定する情報は、前記湾曲
    指示装置から出力される湾曲指示信号であることを特徴
    とする請求項1記載の電動湾曲内視鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記判定部で判定する情報は、前記駆動
    源の回転方向を示すこの駆動源に出力される電圧値の正
    負であることを特徴とする付記3記載の電動湾曲内視鏡
    装置。
  4. 【請求項4】 前記判定部で判定する情報は、前記牽引
    力伝達部材の出力軸の回転位置を示す回転位置信号であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電動湾曲内視鏡装
    置。
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