JP2003233167A - 感光性平版印刷版の作製方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の作製方法

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JP2003233167A
JP2003233167A JP2002032229A JP2002032229A JP2003233167A JP 2003233167 A JP2003233167 A JP 2003233167A JP 2002032229 A JP2002032229 A JP 2002032229A JP 2002032229 A JP2002032229 A JP 2002032229A JP 2003233167 A JP2003233167 A JP 2003233167A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高感度で、かつ耐刷性、特
に、大豆油インクを用いた時の耐刷性に優れた感光性平
版印刷版の作製方法を提供することにある。 【解決手段】 親水性表面を有する支持体上に、少なく
ともポリハロメチル化合物、分子内に複数のエチレン性
付加重合性基を有する化合物及び下記一般式(1)又は
一般式(2)で表される環状置換基を有する化合物とを
含有する感光層と、ポリビニルアルコールを含有する酸
素遮断層とを有する感光性平版印刷版を、画像露光した
後、現像処理前に加熱処理を施すことを特徴とする感光
性平版印刷版の作製方法。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷版
の作製方法に関し、詳しくは、レーザー光源でデジタル
データを記録するCTP(Computer To P
late)に用いる感光性平版印刷版の作製方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版では画像露光後、露
光部分を硬化させ、未露光部分を溶解除去した後、水洗
処理、フィニッシャーガム処理を行い、平版印刷版を得
ている。近年、高い解像力と鮮鋭性を得るため、画像情
報に基づいてレーザー光によるデジタル露光を行った
後、現像処理して平版印刷版を作製する方法が検討され
ている。その一例を挙げると、通信回線により伝送され
る画像信号や電子製版システム、画像処理システム等か
らの出力信号により露光光源を変調し、感光材料に直接
走査露光を行って平版印刷版を作製するシステムであ
る。
【0003】デジタルデータを直接印刷版に記録するC
TPシステムは、従来の製版フィルムを用いて感光性平
版印刷版に密着露光を行うアナログシステムに比較し、
記録データのRIP処理から刷版作製までに要する製版
時間が大幅に短縮されると同時に、必要とされる作業人
員も少なくなり、印刷会社にとってコストメリットが大
きい。
【0004】CTPシステムの方式はいくつかあるが、
フォトポリマープレートと呼ばれる光重合による画像形
成を利用した感光性平版印刷版が、高い感度と印刷の容
易性の観点から、普及している。光重合による画像形成
を利用した感光性平版印刷版は、レーザー光によって画
像様に走査露光することにより、露光部では光重合開始
剤がラジカルを発生し、エチレン性付加重合性基を有す
る化合物の連鎖重合が起きて、画像部を硬化させ、硬化
していない未露光部は、アルカリ性の現像液によって溶
出され、親水性支持体表面が現れる。光重合により硬化
した画像部は、充分な強度を有するが、長期間の印刷に
耐える強度を付与するためには、支持体と画像部を強く
接着させる技術が必要とされている。
【0005】従来は、支持体表面と感光層の間に、シラ
ンカップリング剤を含有した接着性層を設けるなどして
接着性を改良し、高耐刷力を付与する方法が提案されて
きたが、この方法では接着層を塗布する設備が必要であ
る上、接着性層塗布液を長時間停滞した際の安定性が不
十分であり、製造上の制御が複雑になる等の問題があっ
た。また、この方法で作製した平版印刷版は、特に、大
豆油インキ使用時の耐刷力が不十分であり、特別な接着
層の形成を必要とせず、高耐刷力、特に大豆油インキ使
用時に高耐刷能を有する感光性平版印刷版の開発が求め
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みてなされたものであり、その目的は、高感度で、か
つ耐刷性、特に、大豆油インクを用いた時の耐刷性に優
れた感光性平版印刷版の作製方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0008】1.親水性表面を有する支持体上に、少な
くともポリハロメチル化合物、分子内に複数のエチレン
性付加重合性基を有する化合物及び前記一般式(1)又
は一般式(2)で表される環状置換基を有する化合物と
を含有する感光層と、ポリビニルアルコールを含有する
酸素遮断層とを有する感光性平版印刷版を、画像露光し
た後、現像処理前に加熱処理を施すことを特徴とする感
光性平版印刷版の作製方法。
【0009】2.前記環状置換基を有する化合物の環状
置換基が、4員環エーテル構造又は5員環エーテル構造
を有する置換基であることを特徴とする前記1項記載の
感光性平版印刷版の作製方法。
【0010】3.前記環状置換基を有する化合物が、環
状炭酸ジエステル化合物であることを特徴とする前記1
項記載の感光性平版印刷版の作製方法。
【0011】4.前記環状置換基を有する化合物が、ラ
クトン化合物であることを特徴とする前記1項記載の感
光性平版印刷版の作製方法。
【0012】5.前記環状置換基を有する化合物が、ラ
クタム化合物であることを特徴とする前記1項記載の感
光性平版印刷版の作製方法。
【0013】6.前記親水性表面を有する支持体が、粗
面化処理、陽極酸化処理した後に、ポリビニルホスフォ
ン酸を含有する水溶液で処理を行ったアルミニウム支持
体であることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項
に記載の感光性平版印刷版の作製方法。
【0014】7.前記ポリハロメチル化合物が、2,4
−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン
誘導体であることを特徴とする前記1〜6項のいずれか
1項に記載の感光性平版印刷版の作製方法。
【0015】8.前記環状置換基を有する化合物が、同
時に分子内にエチレン性付加重合性基を有する化合物で
あることを特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記
載の感光性平版印刷版の作製方法。
【0016】9.380〜430nmの発振波長を有す
るレーザー光源を用いて画像露光を行うことを特徴とす
る前記1〜8項のいずれか1項に記載の感光性平版印刷
版の作製方法。
【0017】本発明者は、上記課題を鑑みて鋭意検討を
進めた結果、親水性表面を有する支持体上に、少なくと
もポリハロメチル化合物、分子内に複数のエチレン性付
加重合性基を有する化合物及び前記一般式(1)又は一
般式(2)で表される環状置換基を有する化合物とを含
有する感光層と、ポリビニルアルコールを含有する酸素
遮断層とを有する感光性平版印刷版を用いて、それを画
像露光した後、現像処理前に加熱処理を施すことによ
り、耐刷性、特に、大豆油インクを用いた時の耐刷性に
優れた感光性平版印刷版の作製方法を見いだすことがで
き、本発明に至った次第である。
【0018】更に、環状置換基を有する化合物として、
環状置換基が4員環エーテル構造又は5員環エーテル構
造を有する置換基である化合物、環状炭酸ジエステル化
合物、ラクトン化合物、ラクタム化合物を用いること、
あるいは同時に分子内にエチレン性付加重合性基を有す
る化合物を用いること、更に、支持体として、粗面化処
理、陽極酸化処理した後に、ポリビニルホスフォン酸を
含有する水溶液で処理を行ったアルミニウム支持体を用
いること、ポリハロメチル化合物として、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン誘導体
を用いること、あるいは380〜430nmの発振波長
を有するレーザー光源を用いて画像露光を行うことによ
り、本発明の効果がより一層発揮されることを見いだし
たものである。
【0019】以下、本発明の詳細について説明する。請
求項1に係る発明では、親水性表面を有する支持体上
に、少なくともポリハロメチル化合物、分子内に複数の
エチレン性付加重合性基を有する化合物及び前記一般式
(1)又は一般式(2)で表される環状置換基を有する
化合物とを含有する感光層と、ポリビニルアルコールを
含有する酸素遮断層とを有する感光性平版印刷版を、画
像露光した後、現像処理前に加熱処理を施すことが特徴
である。
【0020】はじめに、前記一般式(1)又は一般式
(2)で表される環状置換基を有する化合物について、
説明する。
【0021】前記一般式(1)において、mは1〜3の
整数を表し、nは0〜2の整数を表し、m+nは1〜3
の整数をとる。R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子ま
たは置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R1
とR2が連結し、環を形成していてもよい。R1、R2
表される置換基を有していてもよいアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、te
rt−ブチル基、2−エチルヘキシル基などを挙げるこ
とができる。
【0022】前記一般式(2)において、Lは−O−ま
たは−NH−を表す。xは0または1を表し、yおよび
zは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、x+y+z
は2〜4の整数をとる。
【0023】本発明に係る一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物は、当業者で従来公知の方法に
準じて合成して得ることができる。
【0024】本発明に係る一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物の添加方法としては、有機溶媒
等の適当な溶媒を選択し、それらに溶解して添加するこ
とができ、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカ
ルビトール等のグリコールエーテル類;N−メチルピロ
リドン、ジメチルフォルムアミド、水等が挙げられ、そ
れらを単独または2種以上混合して使用することができ
る。
【0025】本発明に係る一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物の添加量は、一概には規定でき
ないが、好ましは感光性組成物100質量部に対し、
0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜5
質量部である。
【0026】本発明に係る一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物の一例を以下に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】請求項2に係る発明においては、環状置換
基を有する化合物の環状置換基が、4員環エーテル構造
又は5員環エーテル構造を有する置換基であることが好
ましい。4員環エーテル構造又は5員環エーテル構造を
有する置換基としては、例えば、オキセタン、フェニル
オキセタンなどのオキセタン類、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフランなどのテトラヒドロフラ
ン類などを挙げることができる。
【0030】また、請求項3に係る発明においては、環
状置換基を有する化合物が、環状炭酸ジエステル化合物
であることが好ましい。環状炭酸ジエステル化合物とし
ては、例えば、例示化合物2−1〜2−3を挙げること
ができる。
【0031】また、請求項4に係る発明においては、環
状置換基を有する化合物が、ラクトン化合物であること
が好ましい。ラクトン化合物としては、例示化合物2−
4の他に、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチル
ラクトン、δ−カプロラクトン、δ−バレロラクトンな
どが挙げられる。
【0032】また、請求項5に係る発明においては、環
状置換基を有する化合物が、ラクタム化合物であること
が好ましい。ラクタム化合物としては、例示化合物2−
5の他に、例えば、β−プロピオラクタム、γ−ブチロ
ラクタム、δ−カプロラクタムなどが挙げられる。
【0033】請求項7に係る発明においては、ポリハロ
メチル化合物が、2,4−ビス(トリクロロメチル)−
1,3,5−トリアジン誘導体であることが好ましい。
【0034】本発明で用いることのできる2,4−ビス
(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン誘導体
の一例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0035】
【化5】
【0036】また、請求項8に係る発明では、環状置換
基を有する化合物が、同時に分子内にエチレン性付加重
合性基を有する化合物であることが好ましく、本発明に
係るエチレン性付加重合性基については、後述の付加重
合可能なエチレン性二重結合含有単量体で記載のものと
同じものを挙げることができる。
【0037】次いで、本発明に係る感光性平版印刷版の
主要な構成要素及び記録方法について説明する。
【0038】(支持体)本発明に係る平版印刷版材料に
係る支持体としては、紙、プラスチック(例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)ラミネ
ート紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜
鉛、銅などのような金属の板、二酢酸セルロース、三酢
酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラ
スチックのフィルム、上記の如き金属がラミネートもし
くは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム、アル
ミニウムもしくはクロームメッキが施された鋼板などが
挙げられ、好ましくはアルミニウムの金属板を使用する
ことであり、この場合、純アルミニウム板及びアルミニ
ウム合金板等であってもかまわない。
【0039】支持体のアルミニウム合金としては、種々
のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグ
ネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チ
タン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が
用いられる。
【0040】本発明に係る支持体は、粗面化(砂目立て
処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱
脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリ
クレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロ
ン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジ
ョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性
ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱
脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、
上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除
去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカ
リ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生
成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム
酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理
を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例え
ば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げ
られる。
【0041】用いられる機械的粗面化法は特に限定され
るものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が
好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径
0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを
回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μm
の火山灰の粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給
しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホー
ニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100
μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ、ノズルより
圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗
面化を行うことができる。又、例えば、支持体表面に、
粒径10〜100μmの研磨剤粒子を、100〜200
μmの間隔で、2.5×103〜10×103個/cm2
の密度で存在するように塗布したシートを張り合わせ、
圧力をかけてシートの粗面パターンを転写することによ
り粗面化を行うこともできる。
【0042】上記の機械的粗面化法で粗面化した後、支
持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウ
ム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬
することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫
酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基として
は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用い
られる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカ
リ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの
溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。アル
カリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、
クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を
施すことが好ましい。
【0043】電気化学的粗面化法も特に限定されるもの
ではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う
方法が好ましい。酸性電解液は、電気化学的粗面化法に
通常用いられる酸性電解液を使用することができるが、
塩酸系または硝酸系電解液を用いるのが好ましい。電気
化学的粗面化方法については、例えば、特公昭48−2
8123号公報、英国特許第896,563号公報、特
開昭53−67507号公報に記載されている方法を用
いることができる。この粗面化法は、一般には、1〜5
0ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うこと
ができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ま
しい。電流密度は、10〜200A/dm2の範囲を用
いることが出来るが、50〜150A/dm2の範囲か
ら選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/
dm2の範囲を用いることができるが、100〜200
0c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。この粗面化
法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることが出
来るが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。
【0044】電解液として硝酸系電解液を用いて電気化
学的粗面化を行う場合、一般には、1〜50ボルトの範
囲の電圧を印加することによって行うことができるが、
10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密
度は、10〜200A/dm 2の範囲を用いることがで
きるが、20〜100A/dm2の範囲から選ぶのが好
ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲
を用いることができるが、100〜2000c/dm2
の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行
う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができる
が、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液
における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解
液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、ア
ルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸
等を加えることができる。
【0045】電解液として塩酸系電解液を用いる場合、
一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加すること
によって行うことができるが、2〜30ボルトの範囲か
ら選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/d
2の範囲を用いることができるが、50〜150A/
dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100
〜5000c/dm2の範囲を用いることができるが、
100〜2000c/dm2、更には200〜1000
c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗
面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いること
ができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好まし
い。電解液における塩酸濃度は0.1〜5質量%が好ま
しい。
【0046】上記の電気化学的粗面化法で粗面化した
後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はア
ルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸として
は、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等
が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもア
ルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニ
ウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好まし
い。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐
酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に
浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0047】機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法
はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械
的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗
面化してもよい。
【0048】粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行う
ことができる。本発明において用いることができる陽極
酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用い
ることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持
体上には酸化皮膜が形成される。該陽極酸化処理には、
硫酸及び/又は燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶
液を電解液として、電流密度1〜10A/dm2で電解
する方法が好ましく用いられるが、他に、米国特許第
1,412,768号公報に記載されている硫酸中で高
電流密度で電解する方法や、同3,511,661号公
報に記載されている燐酸を用いて電解する方法、クロム
酸、シュウ酸、マロン酸等を一種又は二種以上含む溶液
を用いる方法等が挙げられる。形成された陽極酸化被覆
量は、1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは
10〜40mg/dm2である。陽極酸化被覆量は、例
えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%
液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に
溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆
溶解前後の質量変化測定等から求められる。
【0049】陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ
封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処
理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロ
ム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処
理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0050】請求項6に係る発明においては、これらの
処理を行った後に、ポリビニルホスホン酸を含有する水
溶液で処理することが好ましい。更に、特開平5−30
4358号公報に開示されているようなラジカルによっ
て付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲ
ル処理基板も好適に用いられる。
【0051】(付加重合可能なエチレン性不飽和結合含
有単量体)本発明においては、分子内に複数のエチレン
性付加重合性基を有する化合物(以下、付加重合可能な
エチレン性不飽和結合含有単量体ともいう)を含有して
いることが特徴である。
【0052】本発明に係る平版印刷版に用いる付加重合
可能なエチレン性不飽和結合含有単量体(以下、単量体
と称する場合あり)にはラジカル重合可能なエチレン性
不飽和結合を有する公知の単量体が包含される。
【0053】具体的な化合物としては、例えば、2−エ
チルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−
ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のア
クリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単
官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレー
トをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マ
レエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキ
ノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキ
サンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールの
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートの
ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
リコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレー
ト、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)
−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキ
サンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールア
クリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレー
トのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオ
ールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官
能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレート
をメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレ
エートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの
ε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレ
ート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアク
リレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジ
メチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリ
ル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタク
リレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに
代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイ
ン酸エステル等を挙げることができる。
【0054】また、プレポリマーも上記同様に使用する
ことができる。プレポリマーとしては、後述する様な化
合物等が挙げることができ、また、適当な分子量のオリ
ゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重
合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これ
らプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよい
し、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用い
てもよい。
【0055】プレポリマーとしては、例えばアジピン
酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタ
ル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール
酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルター
ル酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒ
ドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プ
ロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価の
アルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)ア
クリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例え
ば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)
アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリ
ン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メ
タ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例
えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイ
ソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポ
リエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2
−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフ
タリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、
1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシ
アネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメ
チロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジ
イソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートの
ように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入した
ウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリ
レート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒド
ロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレ
ート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アク
リロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、
スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げら
れる。
【0056】本発明に係る平版印刷版には、ホスファゼ
ンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール
酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソ
シアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロール
トリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロ
パンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコー
ルタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等
の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する
付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有するこ
とができる。
【0057】更に、本発明に用いられるエチレン性単量
体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を
含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物
は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化され
た化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有
する限り特に限定はされない。
【0058】この他に特開昭58−212994号公
報、同61−6649号公報、同62−46688号公
報、同62−48589号公報、同62−173295
号公報、同62−187092号公報、同63−671
89号公報、特開平1−244891号公報等に記載の
化合物などを挙げることができ、更に「11290の化
学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記
載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料
編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物な
ども本発明においては好適に用いることができる。これ
らの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル
基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分
子量が10,000以下、より好ましくは5,000以
下のものが好ましい。
【0059】本発明に係る平版印刷版においては、上記
した単量体を感光層の感光性組成物において、1.0〜
80.0質量%の範囲で含有するのが好ましく、より好
ましくは3.0〜70.0質量%の範囲である。
【0060】(高分子結合剤)本発明に係る平版印刷版
では、光重合性感光層に高分子結合剤を含有することが
好ましい。
【0061】本発明に係る高分子結合剤としては、例え
ば、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール
樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等を使用すること
ができる。また、これらを2種以上併用してもかまわな
い。
【0062】上記各高分子結合剤ににおいて、好ましく
はアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニ
ル系共重合であり、更に、高分子結合剤の共重合組成と
して、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタ
クリル酸アルキルエステル、またはアクリル酸アルキル
エステルの共重合体であることが好ましい。
【0063】カルボキシル基含有モノマーの具体例とし
ては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタ
コン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタ
ル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル
等のカルボン酸も好ましい。
【0064】メタクリル酸アルキルエステル、アクリル
酸アルキルエステルの具体例としては、例えば、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル
酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸
ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエ
ステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジル
メタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2
−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリ
レート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエス
テル等を挙げることができる。
【0065】更に、本発明に係る高分子結合剤は、他の
共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載の
モノマー等を用いることができる。
【0066】(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例
えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−
(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート
等。
【0067】(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例
えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシ
ブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリ
レート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−
ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキ
シルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)ア
クリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0068】(3)アミノスルホニル基を有するモノマ
ー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニル
メタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフ
ェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェ
ニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)アクリルアミド等。
【0069】(4)スルホンアミド基を有するモノマ
ー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルア
ミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミ
ド等。
【0070】(5)アクリルアミド又はメタクリルアミ
ド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−
エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、
N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアク
リルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミ
ド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0071】(6)弗化アルキル基を含有するモノマ
ー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフル
オロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメ
タクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレー
ト、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフル
オロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシ
ルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキ
シエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド
等。
【0072】(7)ビニルエーテル類、例えば、エチル
ビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチ
ルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
【0073】(8)ビニルエステル類、例えばビニルア
セテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレー
ト、安息香酸ビニル等。
【0074】(9)スチレン類、例えばスチレン、メチ
ルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0075】(10)ビニルケトン類、例えばメチルビ
ニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケト
ン、フェニルビニルケトン等。
【0076】(11)オレフィン類、例えばエチレン、
プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン
等。
【0077】(12)N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0078】(13)シアノ基を有するモノマー、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテ
ンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シ
アノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シア
ノスチレン等。
【0079】(14)アミノ基を有するモノマー、例え
ばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレ
タンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0080】更に、これらのモノマーと共重合し得る他
のモノマーを共重合してもよい。また、上記ビニル系共
重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に
(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を
付加反応させることによって得られる不飽和結合含有ビ
ニル系共重合体も、高分子結合材として好ましい。分子
内に不飽和結合とエポキシ基を共に含有する化合物とし
ては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート、特開平11−271969号に記載の
あるエポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。
【0081】これらの共重合体は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって測定された質
量平均分子量が、1〜20万であるものが好ましいが、
この範囲に限定されるものではない。
【0082】上記高分子結合剤には、必要に応じてポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹
脂、天然樹脂等、他の任意の高分子結合剤が、上記の各
ビニル系共重合体と併用されてもよい。
【0083】光重合性感光層を塗布する組成物中におけ
る上記高分子結合剤の含有量は、10〜90質量%の範
囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好まし
く、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面
から特に好ましい。更に、本発明に係るビニル系共重合
体は、該高分子結合剤において、50〜100質量%で
あることが好ましく、100質量%であることがより好
ましい。
【0084】本発明に係る高分子結合剤に含まれる重合
体の酸価については、10〜150の範囲で使用するの
が好ましく、30〜120の範囲がより好ましく、50
〜90の範囲で使用することが、感光層全体の極性のバ
ランスをとる観点から特に好ましく、これにより感光層
塗布液での顔料の凝集を防ぐことなどができる。
【0085】(光重合開始剤)本発明においては、公知
の光重合開始剤を用いることができ、例えば、J.コー
サー(J.Kosar)著「ライト・センシテイブ・シ
ステムズ」第5章に記載されるような、カルボニル化合
物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、
アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性
色素などが挙げられ、英国特許第1,459,563号
に開示されている化合物も挙げることができる。
【0086】具体的には、以下の例を挙げることができ
るが、これらに限定されない。即ち、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、α,α
−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾ
イン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾ
フェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−
ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i−プロ
ピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−ク
ロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のア
ントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチ
ルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキ
シアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサント
ン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号公
報、同61−9621号公報ならびに特開昭60−60
104号公報に記載のトリアジン誘導体;特開昭59−
1504号公報、同61−243807号公報に記載の
有機過酸化物;特公昭43−23684号公報、同44
−6413号公報、同44−6413号公報、同47−
1604号公報ならびに米国特許第3,567,453
号に記載のジアゾニウム化合物;米国特許第2,84
8,328号、同2,852,379号ならびに同2,
940,853号に記載の有機アジド化合物;特公昭3
6−22062号公報、同37−13109号公報、同
38−18015号公報ならびに同45−9610号公
報に記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−391
62号公報、特開昭59−14023号公報ならびに
「マクロモレキュルス(Macromolecule
s)」10巻,1307頁(1977年)記載の各種オ
ニウム化合物;特開昭59−142205号公報に記載
のアゾ化合物;特開平1−54440号公報、ヨーロッ
パ特許第109,851号、同126,712号ならび
に「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス
(J.Imag.Sci.)」30巻,174頁(19
86年)記載の金属アレン錯体;特開平5−21386
1号及び同5−255347号記載の(オキソ)スルホ
ニウム有機硼素錯体;「コーディネーション・ケミスト
リー・レビュー(Coordination Chem
istry Review)」84巻,85〜277頁
(1988年)ならびに特開平2−182701号公報
に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯
体;特開平3−209477号公報に記載の2,4,5
−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素、特開
昭59−107344号公報に記載の有機ハロゲン化合
物等。
【0087】本発明においては、分光増感色素(単に増
感色素ともいう)を用いることができ、例えば、可視光
から近赤外まで波長増感させる化合物としては、例えば
シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリ
ン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギ
ド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチア
ジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリ
フェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケ
トクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリ
リウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾー
ル化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘
導体、チオバルビツール酸誘導体等が挙げられ、更に欧
州特許568,993号、米国特許4,508,811
号、同5,227,227号、特開2001−1252
55公報、特開平11−271969号公報等に記載の
化合物も用いられる。
【0088】本発明において、光重合開始剤と増感色素
との配合比率は、モル比で1:100〜100:1の範
囲が、好ましい。
【0089】(各種添加剤)本発明に係る光重合性感光
層の塗布組成物には、上記した成分の他に、感光性平版
印刷版の製造中あるいは保存中において重合可能なエチ
レン性不飽和二重結合単量体の不要な重合を阻止するた
めに、重合防止剤を添加することが望ましい。適当な重
合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノ
ール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロー
ル、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−
チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブ
チル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メ
チルフェニルアクリレート等があげられる。
【0090】重合防止剤の添加量は、上記組成物の全固
形分の質量に対して、約0.01%〜約5%が好まし
い。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止する
ためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘
導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の
表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量
は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
【0091】また、着色剤も使用することができ、着色
剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に
使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料
技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧
等に述べられているものが挙げられる。
【0092】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔
料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的に
は、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラ
ファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウ
ム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウ
ムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジ
ゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフ
ェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシ
アニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙
げられる。
【0093】これらの中でも、使用する露光レーザーに
対応した分光増感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持
たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場
合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反
射吸収が0.05以下であることが好ましい。又、顔料
の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜
10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量
%である。
【0094】露光光源として、アルゴンレーザー(48
8nm)又はSHG−YAGレーザー(532nm)を
使用する場合には、上記の感光波長領域での顔料吸収及
び現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を
用いるのが好ましい。このようなものとしては、例えば
コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレ
ーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレー
キ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブル
ーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、イ
ンジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロン
バイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロン
BC等を挙げることができる。これらの中で、より好ま
しくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレット
である。
【0095】また、上記組成物は、本発明の性能を損わ
ない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有する
ことが出来る。その中でも好ましいのはフッ素系界面活
性剤である。
【0096】また、硬化皮膜の物性を改良するために、
無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を
加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下
が好ましい。
【0097】(酸素遮断層)本発明に係る平版印刷版で
は、ポリビニルアルコールを含有する酸素遮断層を有し
ていることが1つの特徴である。酸素遮断層(保護層と
もいう)は、現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶
解性が高いことが好ましく、具体的には、ポリビニルア
ルコール及びポリビニルピロリドンを挙げることができ
る。ポリビニルアルコールは酸素の透過を抑制する効果
を有し、また、ポリビニルピロリドンは隣接する感光層
との接着性を確保する効果を有する。
【0098】上記2種のポリマーの他に、必要に応じ、
ポリサッカライド、ポリエチレングリコール、ゼラチ
ン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテ
ート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウ
ム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリス
チレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド
等の水溶性ポリマーを併用することもできる。
【0099】本発明に係る平版印刷版では、感光層と保
護層間の剥離力が35mN/mm以上であることが好ま
しく、より好ましくは50mN/mm以上、更に好まし
くは75mN/mm以上である。好ましい保護層の組成
としては特願平8−161645号に記載されるものが
挙げられる。
【0100】本発明における剥離力は、保護層上に十分
大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを貼り、それ
を平版印刷版材料の平面に対して90度の角度で保護層
と共に剥離する時の力を測定することにより求めること
ができる。
【0101】保護層には、更に必要に応じて界面活性
剤、マット剤等を含有することができる。上記保護層組
成物を適当な溶剤に溶解し感光層上に塗布・乾燥して保
護層を形成する。塗布溶剤の主成分は水、あるいはメタ
ノール、エタノール、i−プロパノール等のアルコール
類であることが特に好ましい。
【0102】保護層の厚みは0.1〜5.0μmが好ま
しく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
【0103】(塗布)本発明に係る感光層の感光性組成
物を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アル
コール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタ
ノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジル
アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、又エーテル類:プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、
又ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又エステル
類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息
香酸メチル等が好ましく挙げられる。
【0104】調製された感光性組成物(感光層塗布液)
は、従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光
性平版印刷版材料を作製することが出来る。塗布液の塗
布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレード
コータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコ
ータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、
キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出
しコータ法等を挙げることが出来る。
【0105】感光層の乾燥温度は、低いと十分な耐刷性
を得ることが出来ず、又高過ぎるとマランゴニーを生じ
てしまうばかりか、非画線部のカブリを生じてしまう。
好ましい乾燥温度範囲としては、60〜160℃の範囲
が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ま
しくは、90〜120℃の範囲で乾燥することが好まし
い。
【0106】(画像記録方法)本発明に係る平版印刷版
に画像露光する光源としては、例えばレーザー、発光ダ
イオード、キセノンランプ、キセノンフラッシュラン
プ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライ
ドランプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、無電
極光源等を挙げることができる。
【0107】一括露光する場合には、光重合性感光層上
に、所望の露光画像のネガパターンを遮光性材料で形成
したマスク材料を重ね合わせ、露光すればよい。
【0108】発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を
使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等
の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像
信号に応じたデジタル露光をすることが可能であり好ま
しい。この場合は、マスク材料を使用せず、直接書込み
を行うことができる。
【0109】レーザー露光の場合には、光をビーム状に
絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク
材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。
又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を
微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形
成が可能となる。
【0110】レーザー光源としては、アルゴンレーザ
ー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体
レーザー等を何れも好適に用いることが可能であるが、
本発明においては、InGaN系やZnSe系の材料を
用い、380〜430nm域で連続発振可能な半導体レ
ーザーを用いることが、本発明の効果をいかんなく発揮
する上で、特に好ましい。
【0111】レーザーの走査方法としては、円筒外面走
査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査
では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させな
がらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレ
ーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ド
ラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側
から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることに
より円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部を
ドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に
副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバ
ノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主
走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒
外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易
く、高密度記録には適している。
【0112】(プレヒート)本発明においては、平版印
刷版に画像を露光した後、現像処理する前または現像処
理しながら感光性平版印刷版材料を加熱処理することが
好ましい。この様に加熱処理することで、感光層と支持
体の接着性が向上し、本発明に係る発明の効果を向上さ
せることができる。
【0113】本発明に係るプレヒートは、例えば、感光
性平版印刷版材料を現像処理する自動現像装置におい
て、現像処理時に搬走される感光性平版印刷版を現像前
に所定の温度範囲に加熱するプレヒートローラによる加
熱する方法を挙げることができる。例えば、プレヒート
ローラは、内部に加熱手段を有する少なくとも1つのロ
ーラを含む1対のローラからなり、加熱手段を有するロ
ーラとしては、熱伝導率の高い金属(例えば、アルミニ
ウム、鉄等)からなる中空パイプの内部に発熱体として
ニクロム線等を埋設し、該金属パイプの外側面をポリエ
チレン、ポリスチレン、テフロン(R)等のプラスチッ
クシートで被覆したものを使用することができる。ま
た、こうしたプレヒートローラの詳細については、特開
昭64−80962号公報を参照することができる。
【0114】本発明における当該プレヒートは、70〜
180℃で、3〜120秒程度行うことが好ましい。
【0115】(現像液)画像露光した感光層は露光部が
硬化する。これをアルカリ現像液で現像処理することに
より、未露光部が除去され画像形成が可能となる。この
様な現像液としては、従来より知られているアルカリ水
溶液が使用できる。例えばケイ酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム;第二燐酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム;炭酸ナトリウム、同カリウム、同アン
モニウム;炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモ
ニウム;ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム;水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及
び同リチウム等の無機アルカリ剤を使用するアルカリ現
像液が挙げられる。
【0116】また、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、
ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、
ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノール
アミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミ
ン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も
用いることができる。
【0117】これらのアルカリ剤は、単独または2種以
上組合せて用いられる。また、該現像液には、必要に応
じてアニオン性界面活性剤、両性活性剤やアルコール等
の有機溶媒を加えることができる。
【0118】本発明に係る水溶液は、基本的に、SiO
2換算でのケイ酸濃度が1.0質量%で、pH8.5〜
12.5の範囲である水溶液が好ましく、該水溶液は、
他の添加剤を含有していてもよい。また、当該水溶液
に、更に界面活性剤を0.1質量%以上5.0質量%以
下の範囲で含有する水溶液がより好ましい。また、本発
明に係る水溶液は、上記する現像液の成分を含有するこ
とも好ましい。
【0119】
【実施例】以下に、合成例、支持体作製例、実施例を具
体的に示すが、本発明の実施態様は、これらに限定され
るものでない。尚、実施例における「部」は、特に断り
ない限り「質量部」を表す。
【0120】《高分子結合剤:アクリル系共重合体1の
合成》窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸3
0部、メタクリル酸メチル50部、アクリロニトリル1
0部、メタクリル酸エチル10部、イソプロピルアルコ
ール500部及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリ
ル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間
反応させた。その後、イソプロピルアルコールの沸点で
1時間還流を行った後、トリエチルアンモニウムクロラ
イド3部及びグリシジルメタクリレート25部を加えて
3時間反応させ、アクリル系共重合体1を合成した。G
PCを用いて測定した重量平均分子量は約35,00
0、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転
移温度(Tg)は約85℃であった。また、160℃、
3時間の加熱で乾固させた際の質量変化から求めた固形
分濃度は、20質量%であった。
【0121】《感光性平版印刷版の作製》 (支持体の作製)厚さ0.24mmのアルミニウム板
(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5%
水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を
行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25
℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和
した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、
0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度10
0A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解
粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリ
ウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デ
スマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%
硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧
15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に1%
ポリビニルホスホン酸を用いて75℃で親水化処理を行
って支持体を作製した。この時、表面の中心線平均粗さ
(Ra)は0.65μmであった。
【0122】(感光性平版印刷版の作製)上記支持体上
に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥付量として
1.4g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95
℃で1.5分間乾燥した。その後、更に感光層上に、下
記組成の酸素遮断層塗工液を乾燥付量として1.8g/
2になるようアプリケーターで塗布し、75℃で1.
5分間乾燥して、感光層上に酸素遮断層を有する感光性
平版印刷版1〜19を作製した。
【0123】 〈光重合性感光層塗工液〉 高分子結合剤(アクリル系共重合体1) 40.0部(固形分換算) 分光増感色素(表1に記載の種類) 表1に記載の添加量 IRGACURE 784(チバスペシャリティケミカルズ製)4.0部 ポリハロメチル化合物(表1に記載の種類) 表1に記載の添加量 環状置換基を有する化合物(表1に記載の種類) 表1に記載の添加量 エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(アロニク スM−360:東亞合成社製) 30.0部 多官能ウレタンアクリレート(U−4HA:新中村化学工業社製) 10.0部 フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 6.0部 2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ ル)−4−メチルフェニルアクリレート(スミライザーGS:住友3M社製) 0.5部 弗素系界面活性剤(F−178K;大日本インキ社製) 0.5部 メチルエチルケトン(沸点=79.6℃) 80部 シクロペンタノン(沸点=129℃) 820部 (酸素遮断層塗工液) ポリビニルアルコール(GL−05:日本合成化学社製) 89部 水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部 界面活性剤(サーフィノール465:日信化学工業社製) 0.5部 水 900部 《感光性平版印刷版の評価》 (感度測定)上記作製した各平版印刷版に、レーザー光
源を備えたプレートセッターを使用し、2400dpi
で露光を行った。なお、本発明でいうdpiとは、2.
54cm当たりのドット数を表す。露光パターンは、1
00%画像部と、175LPIが50%のスクエアード
ットを使用した。532nm光源を使用する場合は、5
32nmの光源を備えたプレートセッター(タイガーキ
ャット:ECRM社製)を用いた。408nm光源を使
用する場合は、日亜化学社製NDHV310ACA半導
体レーザヘッドを組み込んだテスト露光機を使用した。
露光後、平版印刷版を105℃で10秒加熱処理するプ
レヒート部、現像前に酸素遮断層を除去する前水洗部、
下記組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現
像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(G
W−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)処理部を備
えたCTP自動現像機(PHW23−V:Techni
graph社製)で現像処理を行い、平版印刷版1〜1
9を作製した。
【0124】感度は、平版印刷版の版面に記録された1
00%画像部において、膜減りが観察されない最低量の
露光エネルギー量(μJ/cm2)を感度と定義した。
なお、感度値としては、最低量の露光エネルギー量(μ
J/cm2)が低いほど感度が高いことを表す。
【0125】 〈現像液組成〉 Aケイ酸カリウム 8.0質量% ペレックスNBL(花王社製) 1.0質量% 苛性カリ pH=12.3となる添加量 (耐刷性の評価)175線の画像を上記露光機を用い
て、532nmでは200μJ/cm2相当の露光量
で、405nmでは50μJ/cm2相当の露光量で露
光し、上記と同様の方法で現像して作製した平版印刷版
を、印刷機(三菱重工業社製 DAIYA1F−1)
で、コート紙、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製
の大豆油インキ ナチュラリス100)及び湿し水(東
京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用い
て印刷を行い、ハイライト部の点細りの発生する印刷枚
数を測定し、これを耐刷性の指標とした。
【0126】以上により得られた結果を表1に示す。
【0127】
【表1】
【0128】
【化6】
【0129】表1より明らかなように、本発明に係るポ
リハロメチル化合物と環状置換基を有する化合物とを含
有する感光層を設けた試料は、比較例に対して、532
nm及び405nmにおける感度が高く、かつ耐刷性に
優れていることが分かる。
【0130】
【発明の効果】本発明により、高感度で、かつ耐刷性、
特に大豆油インクを用いた時の耐刷性に優れた平版印刷
版の作製方法を提供することができた。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有する支持体上に、少なく
    ともポリハロメチル化合物、分子内に複数のエチレン性
    付加重合性基を有する化合物及び下記一般式(1)又は
    一般式(2)で表される環状置換基を有する化合物とを
    含有する感光層と、ポリビニルアルコールを含有する酸
    素遮断層とを有する感光性平版印刷版を、画像露光した
    後、現像処理前に加熱処理を施すことを特徴とする感光
    性平版印刷版の作製方法。 【化1】 〔式中、mは1〜3の整数を表し、nは0〜2の整数を
    表し、m+nは1〜3の整数をとる。R1、R2はそれぞ
    れ独立に、水素原子または置換基を有していてもよいア
    ルキル基を表し、R1とR2が連結し、環を形成していて
    もよい。〕 【化2】 〔式中、Lは−O−または−NH−を表す。xは0また
    は1を表し、yおよびzは、それぞれ独立に0〜4の整
    数を表し、x+y+zは2〜4の整数をとる。〕
  2. 【請求項2】 前記環状置換基を有する化合物の環状置
    換基が、4員環エーテル構造又は5員環エーテル構造を
    有する置換基であることを特徴とする請求項1記載の感
    光性平版印刷版の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記環状置換基を有する化合物が、環状
    炭酸ジエステル化合物であることを特徴とする請求項1
    記載の感光性平版印刷版の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記環状置換基を有する化合物が、ラク
    トン化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光
    性平版印刷版の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記環状置換基を有する化合物が、ラク
    タム化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光
    性平版印刷版の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記親水性表面を有する支持体が、粗面
    化処理、陽極酸化処理した後に、ポリビニルホスフォン
    酸を含有する水溶液で処理を行ったアルミニウム支持体
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の感光性平版印刷版の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリハロメチル化合物が、2,4−
    ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン誘
    導体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の感光性平版印刷版の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記環状置換基を有する化合物が、同時
    に分子内にエチレン性付加重合性基を有する化合物であ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の感光性平版印刷版の作製方法。
  9. 【請求項9】 380〜430nmの発振波長を有する
    レーザー光源を用いて画像露光を行うことを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版
    の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012111796A (ja) * 2010-11-19 2012-06-14 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 熱可塑性ポリヒドロキシウレタンの製造方法

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