JP2003231150A - 部分マット感を有する金属光沢柄キー部材とその製造方法 - Google Patents

部分マット感を有する金属光沢柄キー部材とその製造方法

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JP2003231150A
JP2003231150A JP2002028512A JP2002028512A JP2003231150A JP 2003231150 A JP2003231150 A JP 2003231150A JP 2002028512 A JP2002028512 A JP 2002028512A JP 2002028512 A JP2002028512 A JP 2002028512A JP 2003231150 A JP2003231150 A JP 2003231150A
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Japan
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key member
sheet
mold
decorative
resin
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JP2002028512A
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English (en)
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Hiroyasu Shigeta
裕康 重田
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望のマット表現を確実に得ることができ、
表面耐摩耗性に優れ、繊細な着色表現も可能である部分
マット感を有する金属光沢柄キー部材とその製造方法を
提供する。 【解決手段】 表面側全体が平滑であり且つ軟化温度が
80〜220℃である透明な基体シートの裏面に金属蒸
着層を含む加飾層を少なくとも有する加飾シートを用
い、該加飾シートを金型内に配置し、型締めして溶融樹
脂を射出充満し、冷却固化した後、型開きして上記加飾
シートが樹脂成形品表面に一体化されたキー部材を取り
出し、次いで該キー部材の上記平滑面に微細凹凸面を有
する刻印で刻印押ししてマット部と艶部とが形成された
キー部材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望のマット表現
を確実に得ることができ、表面耐摩耗性に優れ、繊細な
着色表現も可能であるキー部材とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話等のキー部材を部分マッ
ト感を有する金属光沢柄に形成する場合、部分的に微細
凹凸面が形成されたキャビティ形成面を有してなる金型
を用いて射出成形することにより樹脂成形品5を得たの
ち、樹脂成形品5の微細凹凸を有する面に薄くメッキ加
工を施し、ついで塗装工法により無色または着色された
オーバーコート層15を形成する方法がある(図12参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法で
は、樹脂成形品5の微細凹凸を有する面にメッキ加工を
施す際に、メッキ膜厚の微妙な管理が困難であるため、
ある程度の膜厚でメッキを形成することになる。そのた
め、微細凹凸の凹凸段差が30μm未満のような場合、
メッキ層14で微細凹凸を埋めてしまい、マット感が得
られなくなるという問題があった。
【0004】また、塗装工法によりオーバーコート層1
5は膜厚は3〜5μmと薄いため表面強度が弱く、メッ
キ層14は長期の使用において頻繁に接触する部位、特
に微細凹凸の凸部に形成された部位で剥離するという不
具合があった。
【0005】また、メッキ層14上への着色表現は、着
色されたオーバーコート層15をスプレー塗装等の塗装
工法により積層して行なうため、繊細な着色表現も困難
であった。しかも、着色されたオーバーコート層15の
膜厚によって濃淡が斑に現われてしまう。
【0006】したがって、本発明は、所望のマット表現
を確実に得ることができ、表面耐摩耗性に優れ、繊細な
着色表現も可能である部分マット感を有する金属光沢柄
キー部材とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の部分マット感を有する金属光沢柄キー部材
の製造方法は、表面側全体が平滑であり且つ軟化温度が
80〜220℃である透明な基体シートの裏面に金属蒸
着層を含む加飾層を少なくとも有する加飾シートを用
い、該加飾シートを金型内に配置し、型締めして溶融樹
脂を射出充満し、冷却固化した後、型開きして上記加飾
シートが樹脂成形品表面に一体化されたキー部材を取り
出し、次いで該キー部材の上記平滑面に微細凹凸面を有
する刻印で刻印押ししてマット部と艶部とが形成された
キー部材とするように構成した。
【0008】また、本発明の部分マット感を有する金属
光沢柄キー部材の製造方法は、表面側全体に微細凹凸面
を呈し且つ軟化温度が80〜220℃である透明な基体
シートの裏面に金属蒸着層を含む加飾層を少なくとも有
する加飾シートを用い、該加飾シートを金型内に配置
し、型締めして溶融樹脂を射出充満し、冷却固化した
後、型開きして上記加飾シートが樹脂成形品表面に一体
化されたキー部材を取り出し、次いで該キー部材の上記
微細凹凸面に平滑面を有する刻印で刻印押ししてマット
部と艶部とが形成されたキー部材とするように構成し
た。
【0009】また、本発明の部分マット感を有する金属
光沢柄キー部材の製造方法は、軟化温度が80〜220
℃である透明な基体シートの裏面に金属蒸着層を含む加
飾層を少なくとも有する加飾シートを用い、部分的に微
細凹凸面が形成されたキャビティ形成面に該加飾シート
の基体シート側が接するように金型内に配置し、型締め
して溶融樹脂を射出充満し、冷却固化した後、型開きし
て上記加飾シートが樹脂成形品表面に一体化されるとと
もにその表面に金型の部分的な微細凹凸面及び平滑面が
転移してマット部と艶部とが形成されたキー部材を取り
出すように構成した。
【0010】また、本発明の部分マット感を有する金属
光沢柄キー部材は、軟化温度が80〜220℃である透
明な基体シートの裏面に金属蒸着層を含む加飾層を少な
くとも有する加飾シートが樹脂成形品表面に一体化され
たキー部材であって、該キー部材の上記基体シートが表
面側に微細凹凸面からなるマット部と平滑面とからなる
艶部とを有するように構成した。
【0011】また、上記各構成において、上記基体シー
トが、ポリカーボネート、アクリル、ナイロンから選択
される樹脂フィルムであるように構成した。
【0012】
【発明の実施の形態】図面を参照しながら本発明の実施
の形態について詳しく説明する。
【0013】本発明に係る部分マット感を有する金属光
沢柄キー部材6の製造方法の第一の実施態様(図1参
照)は、表面側全体が平滑であり且つ軟化温度が80〜
220℃である透明な基体シート2の裏面に金属蒸着層
4を含む加飾層を少なくとも有する加飾シートを用い、
該加飾シート1を金型12内に配置し、型締めして溶融
樹脂13を射出充満し、冷却固化した後、型開きして上
記加飾シート1が樹脂成形品5表面に一体化されたキー
部材6を取り出し、次いで該キー部材6の上記平滑面8
に微細凹凸面7を有する刻印11で刻印押し(図2〜4
参照)してマット部9と艶部10とが形成されたキー部
材6とするものである。
【0014】上記透明な基体シート2は、金属蒸着層4
を含む加飾層を支持するとともにこれらを覆って保護す
るものである。また、この基体シート2は、上記の通り
刻印押しにより部分マット感を付与できるものである
が、その軟化温度は80〜220℃の範囲である必要が
ある。基体シート2の軟化温度が80℃未満の場合、各
種印刷法による加飾層の形成時の乾燥熱に耐えきれず寸
法収縮を起こしてしまうので、各加飾層の精度の良い見
当合わせが困難になる。また、基体シート2の軟化温度
が220℃を越える場合、刻印押しにより基体シート2
に対して部分マット感を付与するために高温での加工が
要求されるので、金属蒸着層4の前アンカー層3等の印
刷層にクラック又は微細な皺を発生させて、金属光沢が
損なわれる。軟化温度が80〜220℃の透明基体シー
ト2としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル、
ナイロンから選択される樹脂フィルムを使用するとよ
い。
【0015】また、上記基体シート2の厚みは、50〜
250μmの範囲であればよい。厚みが50μm未満の
場合、製膜工程が困難でかつ各工程でのハンドリングも
悪い。また、加飾シート1は通常、射出成形前に予めキ
ー形状に合わせて予備成形されるが、この時の伸びに追
従出来ず薄肉部となる箇所で破断する危険性が高い。さ
らに、刻印押しの際の加熱に下層の樹脂成形品5が耐え
きれず、キー部材6そのものが変形する危険性が高い。
厚みが250μmを超える場合、フィルムを予備成形最
適状態に加熱するまでに長時間を要し生産効率が悪く、
かつキー部材6の表面保護層としての役割を考慮しても
それ以上の厚みは不要でコストアップにつながる。
【0016】加飾層は、キー部材6に加飾を施すための
ものであり、本発明においては、金属蒸着層4を含むも
のである。
【0017】金属蒸着層4は、加飾層として金属光沢を
表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッターリ
ング法、イオンプレーティング法などで形成する。この
場合、表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、
ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウ
ム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合
金又は化合物を使用する。金属蒸着層4の膜厚は0.0
1μm〜0.04μmで形成するとよい。膜厚が0.0
1μm未満の場合、蒸着工程における膜厚管理が難し
く、膜厚が0.04μmを超える場合、腐食が懸念され
る。
【0018】また、上記金属蒸着層4は部分的に設けて
もよい。金属蒸着層4の部分的な形成方法としては、基
体シート2全面に形成された金属蒸着層4に部分的にマ
スク層をスクリーン印刷法等により形成した後、酸また
はアルカリ水溶液中に浸漬、その積層部以外の金属蒸着
層4を除去するエッチング法や、全面に金属蒸着層4を
形成した後、レーザー光線により金属蒸着層4を所望の
パターン形状に除去するレーザーマーキング法がある。
【0019】また、金属蒸着層4を設ける際に、他の層
と金属蒸着層4との密着性を向上させるために、前アン
カー層3(図1〜4参照)や後アンカー層を設けるとよ
い。前アンカー層3および後アンカー層の材質として
は、2液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メ
ラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴ
ム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使用
することができる。特にポリアクリル系樹脂を用いるの
がよい。ポリアクリル系樹脂は、透明性に優れるので金
属意匠の光沢感を再現、また耐熱性、柔軟性に優れるの
でアンカー層において微細な割れや皺がより発生しにく
く、また予備成形時の伸展に追従しやすいので金属光沢
感を損なうことがない。前アンカー層3および後アンカ
ー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコ
ート法、コンマコート法などのコート法、グラビアコー
ト法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0020】また、加飾層は、印刷層と金属蒸着層4と
の組み合わせからなるものでもよい。また 印刷層から
なる加飾層は、裏面から光源によって照射することで文
字や記号などの透光パターン部を光らせることのできる
ものでもよい。印刷層からなる加飾層の材質としては、
ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、オレ
フィン樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔
料または染料を着色剤として含有する熱硬化型インキま
たは溶剤揮発型インキから適宜選択して用いるとよい。
予備成形時の加熱により軟化しにくいインキ層は、予備
成形用金型へ付着しないので予備成形された加飾シート
1の立体形状を崩すことなく脱型が可能であり、また、
予備成形時の急激かつ局部的な伸びに追従するので裏面
に光源を配置したときでも光漏れが生じないものとな
る。また、高温の溶融樹脂13に接触する際、加飾層が
溶融して外観不良になるおそれも小さくなる。
【0021】印刷層からなる加飾層の形成方法として
は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多
色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラ
ビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラ
ビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などの
コート法を採用することもできる。印刷層は、表現した
い図柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける
場合もある。
【0022】印刷層からなる加飾層の乾燥膜厚は、1.
0〜30μmとするのが好ましい。厚みが1.0μmに
満たないと、充分な着色表現がなされず、また予備成形
時の伸展により薄肉部となる箇所で十分な遮光性が確保
できなくなる。また、30μmを越えると、残留溶剤が
揮発し難いため、予備成形時の脱型性が悪くなったり溶
融樹脂13の射出時に加飾層がインキ流れを起こしたり
しやすい。
【0023】また、本発明に係る加飾シート1の構成
は、上記した態様に限定されるものではなく、たとえ
ば、加飾シート1と樹脂成形品5との密着性を向上させ
るために接着層を設けることができる。接着層として
は、樹脂成形品5の材質に応じて適宜選択すると良い。
たとえば、樹脂成形品5の材質がポリアクリル系樹脂の
場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、樹脂
成形品5の材質がポリフェニレンオキシド−ポリスチレ
ン系共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン
系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これら
の樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さ
らに、樹脂成形品5の材質がポリプロピレン樹脂の場合
は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂
が使用可能である。接着層の形成方法としては、グラビ
アコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコ
ート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などの印
刷法がある。接着層は膜厚1〜30μmで形成するとよ
い。膜厚が1μm未満の場合、成形樹脂との十分な密着
性が得られない。また、膜厚が30μmを超える場合、
各印刷法による形成方法では困難。また、接着層は、透
明または半透明であってもよく、遮光性または透光性の
着色層と兼用出来るよう着色されていてもよい。
【0024】以上のような加飾シート1が表面に一体化
される上記樹脂成形品5としては、一般のインサート成
形に用いられる成形樹脂から適宜選択して用いるとよい
が、キー部材6に要求される耐衝撃性、耐熱性に対応す
る点でポリカーボネート樹脂がとくに好ましい。また、
樹脂成形品5は、裏面から光源によって照射することで
文字や記号などの透光パターン部を光らせる場合には透
明又は半透明のものを用いる。また、樹脂成形品5は、
着色されていてもよい。
【0025】また、金型12内から取り出したキー部材
6の平滑面8に対して部分的な微細凹凸面7を形成する
刻印押しは、キー部材6の最表面を覆う基体シート2に
該基材シートの軟化温度から10〜30℃高い温度範囲
で温度調節された金属製の刻印11を押し込んで行い、
刻印11に設けられた深度1〜30μmの微細凹凸を基
体シート2面に転移させる。
【0026】また、本発明に係る部分マット感を有する
金属光沢柄キー部材6の別の製造方法として、表面側全
体に微細凹凸面7を呈し且つ軟化温度が80〜220℃
である透明な基体シート2の裏面に金属蒸着層4を含む
加飾層を少なくとも有する加飾シート1を用い、前記第
一実施態様同様に射出成形により上記加飾シート1が樹
脂成形品5表面に一体化されたキー部材6を得た後、該
キー部材6の上記微細凹凸面7に平滑面8を有する刻印
11で刻印押し(図6〜8参照)してマット部9と艶部
10とが形成されたキー部材6(図5参照)とすること
もできる(第二実施態様)。この場合、加飾シート1に
使用する表面側全体に微細凹凸面7を呈する基体シート
2としては、製膜時に所望の深度1〜30μmの微細凹
凸面7を有するロールと平滑面8を有するロールとの間
を通してシート表面側にロールの凹凸を転移させたもの
を用いる。
【0027】また、本発明に係る部分マット感を有する
金属光沢柄キー部材6の別の製造方法として、軟化温度
が80〜220℃である透明な基体シート2の裏面に金
属蒸着層4を含む加飾層を少なくとも有する加飾シート
1を用い、部分的に微細凹凸面7が形成されたキャビテ
ィ形成面に該加飾シート1の基体シート2側が接するよ
うに金型12内に配置し〔図9参照)、型締めして溶融
樹脂13を射出充満(図10参照)、冷却固化した後、
型開きして上記加飾シート1が樹脂成形品5表面に一体
化されるとともにその表面に金型12の部分的な微細凹
凸面7及び平滑面8が転移してマット部9と艶部10と
が形成されたキー部材6を取り出す(図11,図5参
照)こともできる(第三実施態様)。
【0028】上記第三実施態様の場合、加飾シート1に
使用する基体シート2は、第一実施態様と同様に表面側
全体が平滑であるものを用いても、第二実施態様と同様
に表面側全体が微細凹凸を有しているものを用いてもど
ちらでも構わない。溶融樹脂13の樹脂熱及び射出圧に
より、キャビティ形成面の微細凹凸面7に接する部分は
キー部材6表面に転移してマット部9となり、キャビテ
ィ形成面の平滑面8に接する部分はキー部材6表面に転
移して艶部10となる。
【0029】金型12のキャビティ形成面に深度1〜3
0μmの微細凹凸を形成する方法としては、サンドブラ
スト法、エッチング法、放電加工法、レーザー加工法等
がある。
【0030】上記の各製造方法により得られたキー部材
6は、軟化温度が80〜220℃である透明な基体シー
ト2の裏面に金属蒸着層4を含む加飾層を少なくとも有
する加飾シート1が樹脂成形品5表面に一体化されたも
のであり、該キー部材6の上記基体シート2が表面側に
微細凹凸面7からなるマット部9と平滑面8とからなる
艶部10とを有するものである。したがって、金属蒸着
層4が基体シート2の微細凹凸面7からなるマット部9
を有する面とは反対面に設けられているため、金属蒸着
層4で微細凹凸を埋めてしまうことがなく、所望のマッ
ト表現を確実に得ることができる。
【0031】また、金属蒸着層4が透明な基体シート2
で保護され、また基体シート2の微細凹凸面7からなる
マット部9を有する面とは反対面に設けられているた
め、長期の使用においても頻繁に接触する部位で金属蒸
着層4の剥離が起きない。また、金属蒸着層4が透明な
基体シート2で保護されているため、腐食等による変色
も起きない。
【0032】さらに、加飾シート1を樹脂成形品5表面
に一体化するため、加飾シート1において基体シート2
上に金属蒸着層4とともに表現したい柄を印刷しておけ
ば、キー部材6に繊細な着色表現も可能である。
【0033】
【実施例】(実施例1) 表面全体が平滑な厚み130
μmの ポリカーボネートフィルム(軟化点150℃)
の片面にアクリルポリオールからなる熱硬化型アンカー
層をリバースコート法にて全面に形成した後、その上に
アルミニウムからなる厚み0.04μmの金属蒸着層を
真空蒸着法にて全面に形成し、次いでスミインキをセイ
コーアドバンス製「SG410/専用硬化剤=19:1」(ウ
レタン2液硬化型インキ)を用いてスクリーン印刷法に
て部分的に形成して80℃×5分の熱風乾燥をかけた
後、アルカリ溶液に浸漬し、スミインキ層が積層されて
いない金属蒸着層を除去、次いで塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂からなるインキを用い接着層をスクリーン
印刷法にて全面に形成、最後に80℃×2時間乾燥を行
い、加飾シートを形成した。
【0034】これを高圧成形法により立体形状に予備成
形した後、三次元形状に対応したキャビ形状を有する成
形金型内に配置し、型締めして溶融状態のバイエル製PC
樹脂「マクロロン2295」を加飾シートの基体シート
とは反対側より射出し、冷却固化させて上記加飾シート
が樹脂成形品表面に一体化された表面全体が平滑なキー
部材を得た。
【0035】該キー部材表面の所望の部位に、表面温度
170℃に温度調節された深度5μmからなる微細凹凸
面を有する金属刻印判を荷重9.3×10Paで3秒
間刻印押しをしてマット部と艶部とが形成されたキー部
材を得た。
【0036】(実施例2) 加飾シートの製造に用いる
基体シートが金属蒸着層を設ける面と反対面全体に深度
5μmからなる微細凹凸面を呈すること、および刻印押
しに用いる金属刻印判が平滑面を有することのほかは実
施例1と同様とした。 (実施例3) 厚み100μmの ポリアミドフィルム
(軟化点215℃)の片面にアクリルポリオールからな
る熱硬化型アンカー層をグラビアコート法にて全面に形
成した後、その上にアルミニウムからなる厚み0.06
μmの金属蒸着層を真空蒸着法にて全面に形成し、次い
でスミインキをセイコーアドバンス製「SG410/専用硬
化剤=19:1」(ウレタン2液硬化型インキ)を用い
てスクリーン印刷法にて部分的に形成して80℃×5分
の熱風乾燥をかけた後、アルカリ溶液に浸漬し、スミイ
ンキ層が積層されていない金属蒸着層を除去、次いで塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂からなるインキを用い
接着層をスクリーン印刷法にて全面に形成、最後に80
℃×2時間乾燥を行い、加飾シートを形成した
【0037】この加飾シートを高圧成形法により立体形
状に予備成形した後、三次元形状に対応したキャビ形状
を有する成形金型内に、部分的に深度20μmからなる
微細凹凸面が形成されたキャビティ形成面に基体シート
側が接するよう配置し、型締めして溶融状態のバイエル
製PC樹脂「マクロロン2295」を加飾シートの基体シ
ートとは反対側より射出し、冷却固化させて上記加飾シ
ートが樹脂成形品表面に一体化されるとともにその表面
に金型の部分的な微細凹凸面及び平滑面が転移してマッ
ト部と艶部とが形成されたキー部材を得た。
【0038】
【発明の効果】本発明の部分マット感を有する金属光沢
柄キー部材とその製造方法は、前記した構成からなるの
で、次のような効果を有する。
【0039】すなわち、本発明で得られる部分マット感
を有する金属光沢柄キー部材は、軟化温度が80〜22
0℃である透明な基体シートの裏面に金属蒸着層を含む
加飾層を少なくとも有する加飾シートが樹脂成形品表面
に一体化されたものであり、該キー部材の上記基体シー
トが表面側に微細凹凸面からなるマット部と平滑面とか
らなる艶部とを有するものであるので、所望のマット表
現を確実に得ることができ、表面耐摩耗性に優れ、繊細
な着色表現も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部分マット感を有する金属光沢柄
キー部材の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例を
示す断面図である。
【図3】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例を
示す断面図である。
【図4】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例を
示す断面図である。
【図5】本発明に係る部分マット感を有する金属光沢柄
キー部材の一実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例を
示す断面図である。
【図7】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例を
示す断面図である。
【図8】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例を
示す断面図である。
【図9】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例を
示す断面図である。
【図10】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例
を示す断面図である。
【図11】本発明に係る部分マット付与工程の一実施例
を示す断面図である。
【図12】従来技術に係る部分マット感を有する金属光
沢柄キー部材の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 加飾シート 2 基体シート 3 前アンカー層 4 金属蒸着層 5 樹脂成形品 6 キー部材 7 微細凹凸面 8 平滑面 9 マット部 10 艶部 11 刻印 12 金型 13 溶融樹脂 14 メッキ層 15 オーバーコート層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面側全体が平滑であり且つ軟化温度が
    80〜220℃である透明な基体シートの裏面に金属蒸
    着層を含む加飾層を少なくとも有する加飾シートを用
    い、該加飾シートを金型内に配置し、型締めして溶融樹
    脂を射出充満し、冷却固化した後、型開きして上記加飾
    シートが樹脂成形品表面に一体化されたキー部材を取り
    出し、次いで該キー部材の上記平滑面に微細凹凸面を有
    する刻印で刻印押ししてマット部と艶部とが形成された
    キー部材とすることを特徴とする部分マット感を有する
    金属光沢柄キー部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面側全体に微細凹凸面を呈し且つ軟化
    温度が80〜220℃である透明な基体シートの裏面に
    金属蒸着層を含む加飾層を少なくとも有する加飾シート
    を用い、該加飾シートを金型内に配置し、型締めして溶
    融樹脂を射出充満し、冷却固化した後、型開きして上記
    加飾シートが樹脂成形品表面に一体化されたキー部材を
    取り出し、次いで該キー部材の上記微細凹凸面に平滑面
    を有する刻印で刻印押ししてマット部と艶部とが形成さ
    れたキー部材とすることを特徴とする部分マット感を有
    する金属光沢柄キー部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 軟化温度が80〜220℃である透明な
    基体シートの裏面に金属蒸着層を含む加飾層を少なくと
    も有する加飾シートを用い、部分的に微細凹凸面が形成
    されたキャビティ形成面に該加飾シートの基体シート側
    が接するように金型内に配置し、型締めして溶融樹脂を
    射出充満し、冷却固化した後、型開きして上記加飾シー
    トが樹脂成形品表面に一体化されるとともにその表面に
    金型の部分的な微細凹凸面及び平滑面が転移してマット
    部と艶部とが形成されたキー部材を取り出すことを特徴
    とする部分マット感を有する金属光沢柄キー部材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 上記基体シートが、ポリカーボネート、
    アクリル、ナイロンから選択される樹脂フィルムである
    請求項1〜3のいずれかに記載の部分マット感を有する
    金属光沢柄キー部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 軟化温度が80〜220℃である透明な
    基体シートの裏面に金属蒸着層を含む加飾層を少なくと
    も有する加飾シートが樹脂成形品表面に一体化されたキ
    ー部材であって、該キー部材の上記基体シートが表面側
    に微細凹凸面からなるマット部と平滑面とからなる艶部
    とを有することを特徴とする部分マット感を有する金属
    光沢柄キー部材。
  6. 【請求項6】 上記基体シートが、ポリカーボネート、
    アクリル、ナイロンから選択される樹脂フィルムである
    請求項5記載の部分マット感を有する金属光沢柄キー部
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103075712A (zh) * 2011-08-22 2013-05-01 株式会社小糸制作所 车辆用灯具
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JP2021030693A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 ベクトル株式会社 均し機能付き刻印装置および刻印方法

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