JP2003225952A - タイヤ製造工程のシミュレーション方法、この方法を実行するためのプログラム、空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ製造工程のシミュレーション方法、この方法を実行するためのプログラム、空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ

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JP2003225952A
JP2003225952A JP2002027139A JP2002027139A JP2003225952A JP 2003225952 A JP2003225952 A JP 2003225952A JP 2002027139 A JP2002027139 A JP 2002027139A JP 2002027139 A JP2002027139 A JP 2002027139A JP 2003225952 A JP2003225952 A JP 2003225952A
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tire
tread
raw tire
belt
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Maomi Morishita
真臣 森下
Ryoji Hanada
亮治 花田
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加硫前の各製造工程で発生するタイヤの変形状
態や各部材の歪みや応力や張力を算出することのできる
タイヤ製造工程のシミュレーション方法、およびこの方
法を実行させるためのプログラム、空気入りタイヤの製
造方法および空気リタイヤを提供する。 【解決手段】タイヤ製造工程をシミュレートする、生タ
イヤケーシングモデルと、トレッド/ベルトモデルと、
ブラダーモデルと、加硫用モールドモデルとを生成する
工程(ステップS100)と、前記生タイヤケーシング
モデルの内周面に圧力を与えて、前記生タイヤケーシン
グモデルを膨張させ、前記トレッド/ベルトモデルに圧
着させて、グリーンタイヤモデルを作成する工程(ステ
ップS110)と、前記ブラダーモデルの内周面に圧力
を与え、加硫用モールドモデルの内表面の形状を拡張限
界として前記グリーンタイヤモデルを拡張させる工程
(ステップS120)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤを
製造する際のタイヤの製造工程をシミュレートするタイ
ヤ製造工程のシミュレーション方法、この方法をコンピ
ュータに実行させるためのプログラム、空気入りタイヤ
の製造方法および空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤの製造は、一般に、図1
2(a),(b)に示すように、カーカス部材P、1対
のビードコア部材Bd 、1対のビードフィラー部材Bf
および1対のサイドトレッド部材Sを有する、回転体形
状の生タイヤケーシング100を成形する第1成形工程
と、トレッド部材Tおよびベルト部材Be を有する回転
体形状のトレッド/ベルト部106を成形し、この成形
されたトレッド/ベルト部106の内周面側に回転体の
中心軸を一致させるようにして生タイヤケーシング10
0を配し、この状態で生タイヤケーシング100を膨張
させて上記生タイヤケーシング100をトレッド/ベル
ト部106の内周面に圧着させて完成生タイヤ108
(グリーンタイヤ)を成形する(図12(b)破線参
照)第2成形工程と、このグリーンタイヤ108を加硫
用金型(モールド)内に入れて、グリーンタイヤ108
の内周面側から伸縮自在な加硫用ブラダー(図示されな
い)を膨張させて、グリーンタイヤ108を加硫用モー
ルドの内表面の形状に沿わせるように拡張し、その後、
加硫用モールドおよび加硫用ブラダーを昇温して、拡張
したグリーンタイヤ108を加硫する加硫工程を有す
る。
【0003】ここで、第2成形工程では、予め設けられ
たトレッド/ベルト部106の内周面に生タイヤケーシ
ング100を圧着してグリーンタイヤ108が成形でき
るように、タイヤケーシング100を膨張させるととも
に、加硫工程では、加硫用ブラダーを用いてグリーンタ
イヤ108の内周面側から圧力を加えてグリーンタイヤ
108を拡張させる。このような工程を経て、所望の空
気入りタイヤが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記空気入り
タイヤの製造では、カーカス部材P、ビードコア部材B
d 、ビードフィラー部材Bf 、サイドトレッド部材S、
トレッド部材Tやベルト部材Be 等の各部材の設定され
た設計寸法が不適切な場合、あるいは、各部材の寸法が
ばらつく場合、上記膨張や拡張の過程で得られた形状が
いびつになったり、各部材に余分な歪みがかかって部材
が局部的に屈曲したり、拡張されたグリーンタイヤ10
8が加硫用モールドの内表面の形状に接触しないため
に、加硫工程で未加硫部分が発生する等の製造時の不具
合が生じる。
【0005】一方、第1成形工程で成形される生タイヤ
ケーシング100および第2成形工程で成形されるトレ
ッド/ベルト部106から出発して、加硫用モールド内
でグリーンタイヤ108を拡張するまでに、各部材に歪
みや応力が発生して各部材が変形するが、この歪みや応
力や各部材の変形状態について現在解析されていないの
が現状である。従って、タイヤ製造時における空気入り
タイヤに不具合が発生した場合、例えば、加硫終了直後
のタイヤサイド部表面にバックリングが発生した場合、
過去の作業者の積み上げた勘と経験によってタイヤ製造
時の不具合を解消するための改善策を施すしか方法がな
かった。特に、不具合が頻発する場合、タイヤの不適切
な設計寸法に原因があるのか、各部材の寸法のばらつき
によって発生するのか、原因を特定するのが困難である
場合も多い。鋭意検討して原因を特定することもできる
が、多大の空気入りタイヤを製造して、統計的手法を用
いて原因を解明することとなり、多大の人件費、製造コ
ストおよび時間を必要とする。
【0006】また、カーカス部材やベルト部材を構成す
る、予め所定の傾斜角度で配置された複数の有機繊維の
線材やスチール線材は、上記膨張や拡張によって角度変
化を起こし、しかも張力が発生する。この線材の角度変
化や張力の発生は、製造された空気入りタイヤの諸性能
(タイヤ振動性能、操縦安定性能、耐久性能、磨耗性
能)に大きな影響を与えることから、加硫直前の線材に
かかる張力や線材の角度変化を所望の状態にすることは
重要である。特に、各部材に殆ど歪みや応力や張力が発
生せず、しかも線材の傾斜角度が所定の状態となってい
る第1成形工程における生タイヤケーシング100およ
び第2成形におけるトレッド/ベルト部106から出発
して、加硫用モールド内でグリーンタイヤの拡張が終了
するまでに線材に発生する張力や線材の受ける傾斜角度
の角度変化が適切になるように設定することは重要であ
る。
【0007】そこで、本発明は、上記問題点を解消する
ために、空気入りタイヤの加硫前の各製造工程において
発生するタイヤの変形状態や各部材の歪みや応力や張力
を算出することのできるタイヤ製造工程のシミュレーシ
ョン方法を提供し、さらに、この方法をコンピュータに
実行させるためのプログラム、空気入りタイヤの製造方
法および空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、タイヤの製造工程をシミュレートするタ
イヤ製造工程のシミュレーション方法であって、トレッ
ド部材およびベルト部材を有して形成されるトレッド/
ベルト部と、カーカス部材、ビードコア部材、ビードフ
ィラー部材およびサイドトレッド部材を有して形成さ
れ、前記トレッド/ベルト部の内周面側に配される生タ
イヤケーシングと、前記生タイヤケーシングと前記トレ
ッド/ベルト部を結合して一体化された生タイヤを加硫
するために、前記生タイヤの内周面側に配される加硫用
ブラダーと、前記生タイヤを加硫するために、前記生タ
イヤの外周面側に配される加硫用金型とを、それぞれモ
デル化して、トレッド/ベルトモデルと生タイヤケーシ
ングモデルとブラダーモデルと金型モデルとを生成する
モデル生成工程と、生タイヤケーシングの内周面に対応
する、前記生タイヤケーシングモデルの内周面に圧力を
与えて、前記生タイヤケーシングモデルを膨張させ、前
記トレッド/ベルトモデルに圧着させて、生タイヤ完成
モデルを作成する完成モデル作成工程と、前記ブラダー
モデルの内周面に圧力を与え、前記金型モデルの内表面
の形状を拡張限界として前記生タイヤ完成モデルを拡張
させる拡張工程とを有することを特徴とするタイヤ製造
工程のシミュレーション方法を提供する。
【0009】ここで、前記モデル生成工程は、前記生タ
イヤケーシングモデルと前記トレッド/ベルトモデルと
前記ブラダーモデルを、複数の有限要素を有する有限要
素モデルで作成するのが好ましい。その際、タイヤ製造
工程のシミュレーション方法は、前記金型モデル内で拡
張された前記生タイヤ完成モデルにおける複数の有限要
素に発生する歪み、応力および張力のうち少なくとも1
つの物理量を算出する物理量算出工程を有するのが好ま
しい。
【0010】また、前記完成モデル作成工程は、前記生
タイヤケーシングモデルの膨張により前記生タイヤケー
シングモデルを部分的に前記トレッド/ベルトモデルに
接触させ、さらに、前記トレッド/ベルトモデルの外周
面側から所定の分布荷重を与えて、前記生タイヤケーシ
ングモデルと対向する前記トレッド/ベルトモデルの面
を前記生タイヤケーシングモデルに接触させ、この接触
した部分を結合して一体化させるのが好ましい。また、
前記拡張工程は、前記生タイヤ完成モデルが前記金型モ
デルの内表面と接触する場合、前記金型モデルの内表面
に沿った前記生タイヤ完成モデルの滑りを許容するのが
好ましい。
【0011】また、本発明は、タイヤの製造工程をシミ
ュレートするタイヤ製造工程のシミュレーション方法
を、コンピュータに実行させるプログラムであって、ト
レッド部材およびベルト部材を有して形成されるトレッ
ド/ベルト部と、カーカス部材、ビードコア部材、ビー
ドフィラー部材およびサイドトレッド部材を有して形成
され、前記トレッド/ベルト部の内周面側に配される生
タイヤケーシングと、前記生タイヤケーシングと前記ト
レッド/ベルト部を結合して一体化された生タイヤを加
硫するために、前記生タイヤの内周面側に配される加硫
用ブラダーと、前記生タイヤを加硫するために、前記生
タイヤの外周面側に配される加硫用金型とを、それぞれ
複数の有限要素を有する有限要素モデルにモデル化し
て、トレッド/ベルトモデルと生タイヤケーシングモデ
ルとブラダーモデルと金型モデルとを生成する工程を、
コンピュータの演算手段に実行させる手順と、生タイヤ
ケーシングの内周面に対応する前記生タイヤケーシング
モデルの内周面に圧力を与えて、前記生タイヤケーシン
グモデルを膨張させ、前記トレッド/ベルトモデルに圧
着させて、生タイヤ完成モデルを作成する工程を前記演
算手段に実行させる手順と、前記ブラダーモデルの内周
面に圧力を与え、加硫用金型の内表面の形状を拡張限界
として前記生タイヤ完成モデルを拡張させる工程を前記
演算手段に実行させ、拡張結果をコンピュータの記憶手
段に記憶させる手順と、前記記憶手段から拡張結果を呼
び出して、拡張した前記生タイヤ完成モデルにおける複
数の有限要素に発生する歪み、応力および張力のうち少
なくとも1つの物理量を算出する工程を前記演算手段に
実行させる手順とを有することを特徴とするプログラム
を提供する。
【0012】さらに、本発明は、上述したタイヤ製造工
程のシミュレーション方法によって得られたシミュレー
ション結果に基づいて、空気入りタイヤを設計して空気
入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法を提供
する。また、本発明は、この空気入りタイヤの製造方法
で製造された空気入りタイヤを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のタイヤ製造工程の
シミュレーション方法について、添付の図面に示される
好適実施例を基に詳細に説明する。図1は、本発明のタ
イヤ製造工程のシミュレーション方法を実施するシミュ
レーション装置10の構成を示すブロック図である。
【0014】シミュレーション装置10は、空気入りタ
イヤ(以下、単にタイヤという)の製造、すなわち、図
12(a),(b)で示したように、カーカス部材P、
1対のビードコア部材Bd 、1対のビードフィラー部材
f および1対のサイドトレッド部材Sを有する生タイ
ヤケーシング100を膨張させて予め作られたベルト/
トレッド部106の内周面に圧着させてグリーンタイヤ
108を成形し、さらに、加硫用モールド内で、加硫用
ブラダーを膨張させて、グリーンタイヤ108を加硫直
前のインモールド形状にまで拡張して変形させる製造工
程をシミュレートする装置である。なお、加硫用ブラダ
ーとは、タイヤを加硫する際、加硫用モールド内の内側
から、加硫用モールド内にセットされたグリーンタイヤ
を拡張して、タイヤモールドの内表面に押し当てるため
の伸縮自在な袋状の部材である。
【0015】シミュレーション装置10は、モデル作成
部12、グリーンタイヤモデル作成演算部14、グリー
ンタイヤモデル変形演算部16および物理量算出部18
を主に有して構成される。また、シミュレーション装置
10は、上記各部位の処理のタイミングを制御し駆動す
るCPU20および上記各部位で得られた結果を記録す
るメモリ22を有する。なお、シミュレーション装置1
0は、上記各部位がプログラムを実行することによって
機能するコンピュータによって構成されてもよいし、各
部位が専用回路等のハードウェアによって構成された専
用装置であってもよい。さらに、上記各部位の一部がプ
ログラムを実行することで機能するコンピュータ、残り
の部位がハードウェアによって構成されてもよい。な
お、コンピュータによってプログラムが実行されて各部
位が機能する場合、各部位の演算処理は、実質的にCP
U20によって成される。なお、シミュレーション装置
10は、CPU20からバスケーブルを介して、キーボ
ードやマウス等の入力系24とディスプレイ26に接続
される。
【0016】モデル作成部12は、カーカス部材P、1
対のビードコア部材Bd 、1対のビードフィラー部材B
f および1対のサイドトレッド部材Sを有して回転体形
状に形成される生タイヤケーシング100と、トレッド
部材Tおよびベルト部材Beを有して回転体形状に形成
されるトレッド/ベルト部106と、生タイヤケーシン
グ100とトレッド/ベルト部106を結合して一体化
されたグリーンタイヤを加硫するためにグリーンタイヤ
の内周面側に配される加硫用ブラダーとを、それぞれモ
デル化して、有限要素モデルの生タイヤケーシングモデ
ル30(図3参照)と、有限要素モデルのトレッド/ベ
ルトモデル32(図3参照)と、有限要素モデルのブラ
ダーモデル34(図3参照)とを生成する他、グリーン
タイヤを加硫するために、グリーンタイヤの外周面側に
配される加硫用モールドをモデル化した加硫用モールド
モデル38(図3参照)を作成する部位であり、後述す
るモデル作成工程を実施する部位である。加硫用モール
ドモデル38は、変形を許容しない剛表面あるいは剛体
要素で形成される。生タイヤケーシング100はトレッ
ド/ベルト部106の内周面側に配されるように、作成
される生タイヤケーシングモデル30が、トレッド/ベ
ルトモデル32の内周面側に、回転体形状の中心軸を一
致させて配される。
【0017】有限要素モデルは、タイヤや加硫用ブラダ
ーを構成する各部材を複数の有限要素に分割して作成さ
れたモデルである。有限要素の形状は特に限定されない
が、3次元モデルの場合、特に立体要素は6面体要素が
好適に用いられ、2次元軸対称モデルの場合、4角形軸
対称要素が好適に用いられる。有限要素モデルの作成
は、具体的には、節点の座標値と、各節点を番号化して
各有限要素の形状を規定した節点の番号の組の数値デー
タからなるモデル形状のファイルが作成され、さらに、
有限要素によって表される各部材の材料定数の数値デー
タが付加されて、有限要素モデルのファイルが作成され
る。このような有限要素モデルは、入力系24によって
モデル形状の数値データやモデル形状の数値データを表
す情報や、材料定数の数値データや材料定数の数値デー
タを表す情報がオペレータによって入力されて作成され
る。作成されたファイルは、メモリ22に記憶されると
ともに、グリーンタイヤモデル作成演算部14に供給さ
れる。
【0018】グリーンタイヤモデル作成演算部14は、
1対のビードコア部材間の間隔に対応する、生タイヤケ
ーシングモデル30における間隔を、変位を与えること
によって狭くするとともに、生タイヤケーシングの内周
面に対応する、生タイヤケーシングモデル30の内周面
に圧力を付与して、生タイヤケーシングモデル30を膨
張させ、トレッド/ベルトモデル32に圧着させて、生
タイヤ完成モデル(グリーンタイヤモデル)36(図4
参照)を作成する部位であり、後述するグリーンタイヤ
モデル作成工程を実施する部位である。なお、生タイヤ
ケーシングの内周面は、回転体形状を成した生タイヤケ
ーシングの内側表面であって、製造されたタイヤに内圧
を充填する際の空洞領域に接する内表面に相当する面を
いう。作成されたグリーンタイヤモデル36は、1つの
ファイルとしてメモリ22に記憶されるとともに、グリ
ーンタイヤモデル変形演算部16に供給される。
【0019】グリーンタイヤモデル変形計算部16は、
ブラダーモデルの内周面に圧力を付与してグリーンタイ
ヤモデルを、加硫用モールドモデル38内で拡張させ
て、インモールド形状に変形させるグリーンタイヤモデ
ル拡張工程を実施する部位である。この拡張工程につい
ては後述する。拡張したグリーンタイヤモデルの算出結
果は、ファイルとしてメモリ22に記憶されるととも
に、物理量算出部18に供給される。
【0020】物理量算出部18は、グリーンタイヤモデ
ル36における複数の有限要素に発生する歪み、応力お
よび張力のうち少なくとも1つの物理量を算出する部位
である。算出された物理量は、プリンタ等に出力される
とともに、CPU20を介してディスプレイ26に供給
されて、グラフや数値データとして画面表示される。
【0021】入力系24は、マウスやキーボードからな
り、有限要素モデルを設定するための入力情報を設定
し、あるいは、上記各部位における算出結果をグラフや
数値として表示するためのパラメータ情報を設定する部
位である。ディスプレイ26は、モデル作成部12で有
限要素モデルを作成するための、座標値や有限要素の形
状や材料定数を設定するための入力設定画面を表示した
り、各部位における算出結果を用いて、各部材の変形状
態や、有限要素に発生する歪み、応力あるいは張力の変
化をグラフや数値で表した画面を表示する部位である。
【0022】なお、シミュレーション装置10の各部位
がプログラムを実行することによって機能するコンピュ
ータによって構成される場合、以下のプログラムが実行
される。すなわち、プログラムは、トレッド部材Tおよ
びベルト部材Be を有して形成されるトレッド/ベルト
部106と、カーカス部材P、ビードコア部材Bd 、ビ
ードフィラー部材Bf およびサイドトレッド部材Sを有
して形成され、トレッド/ベルト部106の内周面側に
配される生タイヤケーシング100と、生タイヤケーシ
ング100とトレッド/ベルト部106を結合して一体
化されたグリーンタイヤ108を加硫するために、生タ
イヤケーシング100の内周面側に配される加硫用ブラ
ダーと、グリーンタイヤ108を加硫するために、グリ
ーンタイヤ108の外周面側に配される加硫用モールド
とを、それぞれ有限要素モデルにモデル化して、トレッ
ド/ベルトモデル32と生タイヤケーシングモデル30
とブラダーモデル34と加硫用モールドモデル38とを
生成するモデル生成工程を、CPU20に実行させる手
順と、生タイヤケーシングの内周面に対応する、生タイ
ヤケーシングモデル30の内周面に圧力を付与して、生
タイヤケーシングモデル30を膨張させ、トレッド/ベ
ルトモデル32に圧着させて、グリーンタイヤモデル3
6を作成するグリーンタイヤモデル作成工程をCPU2
0に実行させる手順と、ブラダーモデル34の内周面に
圧力を付与し、設定された加硫用モールドモデル38の
内表面の形状を拡張限界としてグリーンタイヤ36を拡
張させるグリーンタイヤモデル拡張工程をCPU20に
実行させ、拡張結果をメモリ22に記憶させる手順と、
メモリ22から拡張結果を呼び出して、拡張したグリー
ンタイヤモデル36における複数の有限要素に発生する
歪み、応力および張力のうち少なくとも1つの物理量を
算出する算出工程をCPU20に実行させる手順とを有
する。
【0023】次に、本発明のタイヤ製造工程のシミュレ
ーション方法について、図2に示すフローチャートに沿
って説明する。タイヤ製造工程のシミュレーション方法
は、主に、モデル作成工程(ステップS100)と、グ
リーンタイヤモデル作成工程(ステップS110)と、
グリーンタイヤモデル拡張工程(ステップS120)
と、物理量算出工程(ステップS130)とを有する。
【0024】モデル作成工程は、トレッド部材Tおよび
ベルト部材Be を有して形成されるトレッド/ベルト部
106と、カーカス部材P、ビードコア部材Bd 、ビー
ドフィラー部材Bf およびサイドトレッド部材Sを有し
て形成され、トレッド/ベルト部106の内周面側に配
される生タイヤケーシング100と、生タイヤケーシン
グ100とトレッド/ベルト部106を結合して一体化
されたグリーンタイヤ108を加硫するために、生タイ
ヤケーシング100の内周面側に配される加硫用ブラダ
ーと、グリーンタイヤ108を加硫するために、グリー
ンタイヤ108の外周面側に配される加硫用モールドと
がそれぞれモデル化されて、トレッド/ベルトモデル3
2と生タイヤケーシングモデル30とブラダーモデル3
4と加硫用モールドモデル38とが、モデル作成部12
において作成される。
【0025】図3には、一例として各モデルの右半分の
断面図が示されている。図3に示す生タイヤケーシング
モデル30およびトレッド/ベルトモデル32は、タイ
ヤサイズが425/65R22.5のトラックバス用タ
イヤの生タイヤケーシング100およびトレッド/ベル
ト部106のモデルであり、第2成形工程が開始される
直前の配置を再現している。
【0026】上記各モデルは2次元軸対称モデルであっ
て、図3に示す断面形状を、想定されるタイヤ回転軸を
中心に回転して得られる回転体の形状を成す。図3に
は、例えば、カーカス材Pに対応するカーカス材モデル
P’、1対のビードコア部材B d に対応するビードコア
部材モデルBd ’、1対のビードフィラー部材Bf に対
応するビードフィラー部材モデルBf ’および1対のサ
イドトレッド部材Sに対応するサイドトレッド部材モデ
ルS’が示されている。また、補強層部材をモデル化し
た補強層部材モデルCf ’(図3参照)やベルトカバー
層部材をモデル化したモデル(図示されず)も作成され
る。
【0027】なお、図3において、生タイヤケーシング
モデル30とブラダーモデル34が接触しているが、ス
テップS116までは生タイヤケーシングモデル30と
ブラダーモデル34とが接触するか否かをの接触判定を
行わず、ブラダーモデル34はステップS116まで実
質的に存在しないものとして演算を行う。この後、ステ
ップS120からは生タイヤケーシングモデル30とブ
ラダーモデル34との間の接触判定を行う。すなわち、
ステップS120以降ブラダーモデル34は実質的に存
在するものとして演算を行う。すなわち、図3は、第2
成形直前の生タイヤケーシング100およびトレッド/
ベルト部106の配置状態と、加硫工程前の加硫用モー
ルドと加硫用ブラダーの配置状態を重ねて表現したもの
である。このような有限要素モデルを構成する構成要素
の種類は特に限定されないが、例えば、カーカス材モデ
ルP’やベルト材Be のコードは6面体要素や4角形軸
対称要素とともにリバーを用いて、ビードコア部材モデ
ルBd ’、ビードフィラー部材モデルBf ’、サイドト
レッド部材モデルS’およびトレッド部材Tのモデルは
主に6面体要素や4角形軸対称要素等の要素を用いて構
成される。一方、加硫用モールドモデル38のモデルも
特に制限されないが、例えば、上部モールドモデル38
Uと下部モールドモデル38Lを有し、変形を許容しな
い剛表面あるいは剛体要素で加硫用モールドモデル38
の内表面の形状が作成される。
【0028】次に、グリーンタイヤモデル作成工程が、
グリーンタイヤモデル作成演算部14において行われ
る。グリーンタイヤモデル作成工程は、図2に示すよう
に、ステップS112、ステップS114およびステッ
プS116からなる。まず、図4に示すように、1対の
ビードコア部材Bd 間の間隔に対応する、生タイヤケー
シングモデル30における間隔を、変位を与えることに
よって狭くし、幅Fw (図3において、Fw /2の幅が
示されている)を狭くする(図4中の矢印A方向にビー
ドコア部材モデルBd ’を強制的に移動する)ととも
に、生タイヤケーシング30の内周面に対応する、生タ
イヤケーシングモデル30における内周面に所定の圧力
r 、例えば1kgf/cm2 を付与して、生タイヤケ
ーシングモデル30を膨張させ、トレッド/ベルトモデ
ル32の中央部分に接触させる演算が行われる(ステッ
プS112)。演算結果は、メモリ22に記憶される。
上記ビードコア部材モデルBd ’間の幅Fw は、例えば
800mmから650mmに狭められる。ビードコア部
材モデルBd ’は、矢印A方向に移動した後固定され
る。
【0029】次に、図5に示すように、圧力Pr を付与
した状態で、さらに、生タイヤケーシングモデル30と
接触する部分と反対のトレッド/ベルトモデルの外表面
側から所定の分布荷重Wを付与して、生タイヤケーシン
グモデル30と対向するトレッド/ベルトモデル32の
面を生タイヤケーシングモデル30に接触させて圧着す
る、すなわち、接触した部分を結合して一体化する演算
が行われる(ステップS114)。より具体的には、ト
レッド/ベルトモデル32の中央で接触した部分から、
トレッド/ベルトモデルの両端側に向けて、分布荷重W
の付与と解除を順次繰り返して行う。その際、トレッド
/ベルトモデル32と生タイヤケーシングモデル30と
が一旦接触すると、接触した部分を結合して一体化する
処理が行われる。なお、分布荷重Wにおける圧力は、例
えば6kgf/cm2 である。次に、図6に示すように
圧力Pr を解除した演算が行われ、グリーンタイヤモデ
ル36が生成され(ステップS116)。なお、ステッ
プS112において固定されたビードコア部材モデルB
d ’は、ステップS116において固定が解除される。
このようなグリーンタイヤモデル36は、有限要素モデ
ルのファイルとして作成され、メモリ22に記憶され
る。
【0030】次に、グリーンタイヤモデル拡張工程が、
グリーンタイヤモデル変形演算部16において行われ
る。まず、図7に示すように、ブラダーモデル34の内
周面に圧力Pr ’を付与し、ブラダーモデル34を膨張
させることでグリーンタイヤモデル36を拡張するシェ
ーピングの演算が行われる(ステップS122)。圧力
r ’は、例えば、0.8kgf/cm2 である。ブラ
ダーモデル34は、きわめて剛性の低い材料定数で作成
されるため、0.8kgf/cm2 のような低い圧力で
も膨張する。このようなシェーピングの際、ブラダーモ
デル34のクランプ部34’(図7参照)を、圧力
r ’の付与とともに矢印B方向に所定量移動させる演
算を行う。演算結果は、メモリ22に記憶される。
【0031】次に、圧力Pr ’がブラダーモデル34に
付与された状態のまま、グリーンタイヤモデル36の周
りに配置された加硫モールドモデル38のうち、上部モ
ールドモデル38Uを図7に示す位置から図8中の矢印
C方向に、下部モールドモデル38Lを図7に示す位置
から図8中の矢印D方向に移動して、図8に示すように
加硫用モールドモデル38を閉じる演算が行われる(ス
テップS124)。その際、ブラダーモデル34のクラ
ンプ部34’は、下部モールドモデル38Lの矢印D方
向の移動に合わせて矢印E方向に移動する演算が行われ
る。こうして加硫用モールドモデル38が閉じられる
(ステップS124)。演算結果は、メモリ22に記憶
される。
【0032】次に、圧力Pr ’が所定の圧力、例えば、
20kgf/cm2 に上げられ、加硫用モールドモデル
38の内表面を拡張限界としてグリーンタイヤモデル3
6を拡張して加硫直前のインモールド形状に変形させる
演算が行われる(ステップS126)。その際、拡張に
よって加硫用モールドモデル38の内表面に接触したグ
リーンタイヤモデル36の接触部分は、加硫用モールド
モデル38の内表面に沿って滑りを許容する境界条件の
下に演算を行う。これにより、図9に示すように、グリ
ーンタイヤ34のビード部領域R1 〜ショルダー部領域
2 の外表面は、加硫用モールド38の内表面の形状に
沿って変形される。演算結果は、メモリ22に記憶され
る。
【0033】最後に、加硫用モールド内で拡張されたグ
リーンタイヤモデル34における複数の有限要素に発生
する歪み、応力および張力のうち少なくとも1つの物理
量が、物理量算出部18で算出される(ステップS13
0)。算出結果は、ディスプレイ26にグラフとしてあ
るいは数値として表示され、あるいは、プリンタ等の外
部機器に出力される。また、オペレータの指示により、
ステップS112〜ステップS126の所望の処理の終
了後の各部材の歪みや応力や張力のうち少なくとも1つ
の物理量が算出されてもよい。さらに、図10(a),
(b)や図11(a),(b)に示すように、ディスプ
レイ26にステップS126における演算結果を用いて
グリーンタイヤの変形状態が画面表示されてもよい。
【0034】図10(a),(b)および図11
(a),(b)は、同一の生タイヤケーシングモデル3
0とトレッド/ベルトモデル32と、異なる内面形状を
持った加硫用モールドモデル38とを用いて、ステップ
S112〜S126に至る演算を行った際に得られるグ
リーンタイヤモデル36の変形状態を示している。図1
0(b)は、図10(a)に示すビードフィラー部材モ
デルBf ’付近を拡大した拡大図である。同様に、図1
1(b)は、図11(a)に示すビードフィラー部材モ
デルBf ’付近を拡大した拡大図である。図10(b)
に示されるように、領域R3 において、サイドトレッド
部材モデルS’が内側に巻き込まれるとともに、領域R
3 の上方で加硫用モールドモデル38と接触しない領域
が生ずる。このような状態で実際のグリーンタイヤを加
硫すると、サイド表面に未加硫部分やゴム部材の巻き込
みが発生し加硫故障とされる。一方、加硫用モールドモ
デル38の内面形状を改善した場合、図11(b)に示
すように、領域R4 においてサイドトレッド部材モデル
S’が内側に巻き込まれる不具合が改善され、加硫用モ
ールドモデル38と接触しない領域が低減する。
【0035】このように生タイヤケーシングモデル30
を膨張し、トレッド/ベルトモデル32と結合して一体
化したグリーンタイヤモデル34を作成し、この作成し
たグリーンタイヤモデル34を、ブラダーモデル36を
用いて加硫用モールドモデル38内で拡張する演算を行
うので、第1成形工程終了後の、歪みや応力や張力が発
生していない状態から、上記膨張や拡張によって発生す
る各部材にかかる歪みや応力や張力を工程別に解析する
ことができる。しかも、製造工程において、ブラックボ
ックスとなっている加硫用モールド内でのグリーンタイ
ヤの拡張による各部材の変形状態を解析し、この変形状
態をディスプレイ26上で見ることができる。
【0036】従って、例えば、加硫用モールド内でタイ
ヤに不具合が発生した場合、どの製造工程の段階でどの
ような要因によって不具合が発生するか、例えば、加硫
用モールドの設計寸法に問題があるのか、各部材の設計
寸法に問題があるのか、各部材の製造時の寸法ばらつき
に問題があるのか、さらには、製造工程におけるパラメ
ータ(圧力Pr ,Pr ' やクランプ部34’の移動位置
等)に問題があるのか、短時間で、人件費、製造コスト
をかけることなく効率よく予測することができ、さら
に、対処策も解析結果に基づいて容易に見いだすことが
できる。特に、コストが比較的高い加硫用モールドの内
表面の形状を設計する際、加硫用モールド内でタイヤの
各部材に不具合が生じるか否かを、予め短時間かつ効率
よく調べることができ、加硫用モールドの設計の効率
化、低コスト化を図ることができる。
【0037】さらに、ベルト部材Be を構成するスチー
ル線材やカーカス部材Pを構成する有機繊維からなる線
材に、膨張や拡張に伴って発生する張力や上記線材の傾
斜角度の角度変化を工程別に予測することができる。一
方、これらの線材の張力や傾斜角度の角度変化は、タイ
ヤの諸性能(タイヤ振動性能、操縦安定性能、耐久性
能、磨耗性能)に大きな影響を与えることから、上記製
造工程における各部材の設計寸法、各部材の製造のばら
つき、あるいは製造工程におけるパラメータ等をタイヤ
の諸性能と関連づけることもできる。すなわち、タイヤ
の製造工程における各部材の設計寸法、各部材の製造時
の寸法のばらつき、あるいは製造工程におけるパラメー
タ等を、上記シミュレーション方法を通して、タイヤの
諸性能を向上させるためのタイヤ設計要因として反映さ
せることができる。
【0038】このようなタイヤ製造工程のシミュレーシ
ョン方法によって得られたシミュレーションの解析結果
に基づいて、製造工程における不具合を改善するための
原因、さらに改善策を見いだし、この改善策に基づいて
タイヤを設計してタイヤを製造することができる。ま
た、加硫直前の拡張されたグリーンタイヤにおける線材
にかかる張力や線材の傾斜角度の角度変化を解析して、
所望のタイヤ性能を有するタイヤを設計し製造すること
ができる。このようにして製造されたタイヤは、本発明
の空気入りタイヤに含まれる。
【0039】以上、本発明のタイヤ製造工程のシミュレ
ーション方法、この方法を実行するためのプログラム、
空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤについ
て詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされ
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改
良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、生タイヤ
ケーシングモデルを膨張してトレッド/ベルトモデルと
結合して一体化されたグリーンタイヤモデルを作成し、
この作成したグリーンタイヤモデルを、ブラダーモデル
を用いて加硫用モールドモデル内で拡張する演算を行う
ので、タイヤの加硫前の各製造工程における空気入りタ
イヤの各部材の歪みや応力や張力の変化を算出や、製造
工程において、ブラックボックスとなっている加硫用モ
ールド内でのグリーンタイヤの拡張による各部材の変形
状態を解析し、この変形状態を表示することができる。
従って、タイヤ製造工程におけるタイヤの不具合を短時
間に容易に改善することができ、しかも、タイヤ製造工
程中の各種パラメータをタイヤ諸性能と関連づけること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法を実施するシミュレーション装置の一例を示すブロ
ック図である。
【図2】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法のフローを示すフローチャートである。
【図3】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法で行われる処理の一部分を説明する図である。
【図4】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法で行われる処理の他の部分を説明する図である。
【図5】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法で行われる処理の他の部分を説明する図である。
【図6】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法で行われる処理の他の部分を説明する図である。
【図7】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法で行われる処理の他の部分を説明する図である。
【図8】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法で行われる処理の他の部分を説明する図である。
【図9】 本発明のタイヤ製造工程のシミュレーション
方法で行われる処理の他の部分を説明する図である。
【図10】 (a),(b)は、本発明のタイヤ製造工
程のシミュレーション方法で行われたグリーンタイヤモ
デルの変形状態の一例を示す図である。
【図11】 (a),(b)は、本発明のタイヤ製造工
程のシミュレーション方法で行われたグリーンタイヤモ
デルの変形状態の他の例を示す図である。
【図12】 (a),(b)は、従来から行われている
タイヤ製造工程を説明する図である。
【符号の説明】
10 シミュレーション装置 12 モデル作成部 14 グリーンタイヤモデル作成演算部 16 グリーンタイヤモデル変形演算部 18 物理量算出部 20 CPU 22 メモリ 24 入力系 26 ディスプレイ 30 生タイヤケーシングモデル 32 トレッド/ベルトモデル 34 ブラダーモデル 36 生タイヤ完成モデル(グリーンタイヤモデル) 38 加硫用モールドモデル 38U 上部モールドモデル 38L 下部モールドモデル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤの製造工程をシミュレートするタイ
    ヤ製造工程のシミュレーション方法であって、 トレッド部材およびベルト部材を有して形成されるトレ
    ッド/ベルト部と、カーカス部材、ビードコア部材、ビ
    ードフィラー部材およびサイドトレッド部材を有して形
    成され、前記トレッド/ベルト部の内周面側に配される
    生タイヤケーシングと、前記生タイヤケーシングと前記
    トレッド/ベルト部を結合して一体化された生タイヤを
    加硫するために、前記生タイヤの内周面側に配される加
    硫用ブラダーと、前記生タイヤを加硫するために、前記
    生タイヤの外周面側に配される加硫用金型とを、それぞ
    れモデル化して、トレッド/ベルトモデルと生タイヤケ
    ーシングモデルとブラダーモデルと金型モデルとを生成
    するモデル生成工程と、 生タイヤケーシングの内周面に対応する、前記生タイヤ
    ケーシングモデルの内周面に圧力を与えて、前記生タイ
    ヤケーシングモデルを膨張させ、前記トレッド/ベルト
    モデルに圧着させて、生タイヤ完成モデルを作成する完
    成モデル作成工程と、 前記ブラダーモデルの内周面に圧力を与え、前記金型モ
    デルの内表面の形状を拡張限界として前記生タイヤ完成
    モデルを拡張させる拡張工程とを有することを特徴とす
    るタイヤ製造工程のシミュレーション方法。
  2. 【請求項2】前記モデル生成工程は、前記生タイヤケー
    シングモデルと前記トレッド/ベルトモデルと前記ブラ
    ダーモデルを、複数の有限要素を有する有限要素モデル
    で作成することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ製
    造工程のシミュレーション方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のタイヤ製造工程のシミュ
    レーション方法であって、 前記金型モデル内で拡張された前記生タイヤ完成モデル
    における複数の有限要素に発生する歪み、応力および張
    力のうち少なくとも1つの物理量を算出する物理量算出
    工程を有することを特徴とするタイヤ製造工程のシミュ
    レーション方法。
  4. 【請求項4】前記完成モデル作成工程は、前記生タイヤ
    ケーシングモデルの膨張により前記生タイヤケーシング
    モデルを部分的に前記トレッド/ベルトモデルに接触さ
    せ、さらに、前記トレッド/ベルトモデルの外周面側か
    ら所定の分布荷重を与えて、前記生タイヤケーシングモ
    デルと対向する前記トレッド/ベルトモデルの面を前記
    生タイヤケーシングモデルに接触させ、この接触した部
    分を結合して一体化させることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のタイヤ製造工程のシミュレーショ
    ン方法。
  5. 【請求項5】前記拡張工程は、前記生タイヤ完成モデル
    が前記金型モデルの内表面と接触する場合、前記金型モ
    デルの内表面に沿った前記生タイヤ完成モデルの滑りを
    許容する請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ製造工
    程のシミュレーション方法。
  6. 【請求項6】タイヤの製造工程をシミュレートするタイ
    ヤ製造工程のシミュレーション方法を、コンピュータに
    実行させるプログラムであって、 トレッド部材およびベルト部材を有して形成されるトレ
    ッド/ベルト部と、カーカス部材、ビードコア部材、ビ
    ードフィラー部材およびサイドトレッド部材を有して形
    成され、前記トレッド/ベルト部の内周面側に配される
    生タイヤケーシングと、前記生タイヤケーシングと前記
    トレッド/ベルト部を結合して一体化された生タイヤを
    加硫するために、前記生タイヤの内周面側に配される加
    硫用ブラダーと、前記生タイヤを加硫するために、前記
    生タイヤの外周面側に配される加硫用金型とを、それぞ
    れ複数の有限要素を有する有限要素モデルにモデル化し
    て、トレッド/ベルトモデルと生タイヤケーシングモデ
    ルとブラダーモデルと金型モデルとを生成する工程を、
    コンピュータの演算手段に実行させる手順と、 生タイヤケーシングの内周面に対応する前記生タイヤケ
    ーシングモデルの内周面に圧力を与えて、前記生タイヤ
    ケーシングモデルを膨張させ、前記トレッド/ベルトモ
    デルに圧着させて、生タイヤ完成モデルを作成する工程
    を前記演算手段に実行させる手順と、 前記ブラダーモデルの内周面に圧力を与え、加硫用金型
    の内表面の形状を拡張限界として前記生タイヤ完成モデ
    ルを拡張させる工程を前記演算手段に実行させ、拡張結
    果をコンピュータの記憶手段に記憶させる手順と、 前記記憶手段から拡張結果を呼び出して、拡張した前記
    生タイヤ完成モデルにおける複数の有限要素に発生する
    歪み、応力および張力のうち少なくとも1つの物理量を
    算出する工程を前記演算手段に実行させる手順とを有す
    ることを特徴とするプログラム。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ製
    造工程のシミュレーション方法によって得られたシミュ
    レーション結果に基づいて、空気入りタイヤを設計して
    空気入りタイヤを製造することを特徴とする空気入りタ
    イヤの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方
    法で製造されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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