JP2003222921A - 防振処理機能を備えた光学機器 - Google Patents

防振処理機能を備えた光学機器

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JP2003222921A
JP2003222921A JP2002020495A JP2002020495A JP2003222921A JP 2003222921 A JP2003222921 A JP 2003222921A JP 2002020495 A JP2002020495 A JP 2002020495A JP 2002020495 A JP2002020495 A JP 2002020495A JP 2003222921 A JP2003222921 A JP 2003222921A
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vertical
optical
battery
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Shinji Tsukamoto
伸治 塚本
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Pentax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振処理を電池からの電力供給で行なうタイ
プの双眼鏡において、防振処理中に電池が抜き取られて
も鏡筒の方向と一致した像の観察を可能にする。 【解決手段】 双眼鏡の電源スイッチがオンであり、電
源電池の出力レベルが所定の閾値を超えており、防振開
始スイッチがオンのとき、電源電池を収容する電池ケー
スの蓋の開閉をチェックする(S412)。蓋が開放さ
れていることが確認されたら、縦方向および横方向の駆
動枠をそれぞれのリセット位置へ駆動し、それぞれの可
動中心位置へ駆動し、電源をオフする。蓋が閉じられて
いる場合、縦方向および横方向の防振処理を実行する
(S416、S418)。電源スイッチ、電源電池の出
力レベル、防振開始スイッチ、蓋の開閉のチェック、お
よび防振処理は1ms(ミリ秒)毎に繰り返し実行す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手振れ等に起因す
る像振れを補正する防振処理機能を備えた光学機器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、双眼鏡等の光学機器には手振れ等
に起因する像振れを補正する防振処理機能を備えるタイ
プのものがある。例えば双眼鏡において、防振処理機能
は、左右の望遠光学系の光軸のぶれを検知するぶれ検知
手段と、一対の補正光学系と、一対の補正光学系をその
光軸に垂直な平面内において2次元的に駆動する駆動手
段により実現される。一対の補正光学系は、双眼鏡の左
右の望遠光学系においてその一部を構成するよう、例え
ば対物光学系と像反転光学系の間にそれぞれ配設され
る。手振れ等により双眼鏡が振動すると、ぶれ検知手段
により望遠光学系の光軸のぶれが検知される。補正光学
系は、この光軸のぶれが相殺されるよう、駆動手段によ
り光軸に垂直な平面内において互いに直交する2軸に沿
って駆動される。その結果、望遠光学系を介して得られ
る観察像の像振れが防止される。
【0003】補正光学系の駆動手段として、ステッピン
グモータを用いたタイプのものがある。ステッピングモ
ータのロータ(回転子)の回転運動がねじ送り機構を介
してシャフトのスラスト方向に沿った直線運動に変換さ
れ、シャフトのスラスト方向に沿った変位に連動して一
対の補正光学系の保持部材が駆動される。したがって、
ステッピングモータのステーター(固定子)のコイルに
流す電流を調節することにより、補正光学系の保持部材
の駆動方向および駆動量は制御される。
【0004】このように、ロータの回転運動からシャフ
トの直線運動への変換にねじ送り機構が用いられている
ため、ステッピングモータへの電力の供給が停止された
状態において、ロータを回転させるほどの外部トルクが
発生するような外力がシャフトのスラスト方向へ加わる
ということは現実的には極めて可能性が低い。換言すれ
ば、ステッピングモータの駆動電流の供給が停止される
と、ロータは停止し、シャフトはスラスト方向において
その時点での位置に停止する。その結果、補正光学系は
電力の供給が停止された時点での位置に固定される。
【0005】このような防振処理機能は、双眼鏡の使用
中、常時動作するわけではない。例えば双眼鏡の筐体の
外周面の所定の位置に配設された防振ボタンを操作する
ことにより、防止処理機能の動作の開始および停止が制
御される。すなわち、防振処理機能は状況に応じて選択
的に動作させられる機能である。また、防振処理機能は
合焦機能や眼幅調整機能等の他の機能とは独立して動作
する機能である。したがって、防振処理機能を作動させ
なくても双眼鏡による観察は可能である。
【0006】ところで、一般的に、双眼鏡等の光学機器
は観察対象のある任意の場所へ使用者が持ち運んで使用
する光学機器である。したがって、このような光学機器
において、ステッピングモータへ電力を供給する電源に
は、光学機器の持ち運びに支障を来たすことが無いよう
電池が用いられる。また、電池の使用は光学機器の携帯
性を向上させるのみではなく、着脱が簡便であるという
利点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、電池によ
る電力供給は光学機器の携帯性、操作性の面からは好ま
しい反面、電池の出し入れが容易であることがかえって
不具合を招く場合がある。例えば、防振処理機能の作動
中に電池が不用意に抜かれ、電力供給が停止すると、ね
じ送り機構の介在により望遠光学系を構成する他の光学
系の光軸と補正光学系の光軸が一致しない状態で補正光
学系が留まる可能性が大きい。
【0008】双眼鏡の場合、上述のように、防振処理機
能が動作しなくても双眼鏡による観察は可能である。し
たがって、このような状態で補正光学系が停止してしま
うと、観察対象に対して双眼鏡の鏡筒が実際に向いてい
る方向と望遠光学系を介して得られる観察対象の像にず
れが生じ、使用者に違和感を覚えさせるという問題があ
る。
【0009】本願発明は以上の問題を解決するものであ
り、防振処理機能を備えた光学機器において、鏡筒の方
向と光学系を介して確認される像とのずれの発生を防止
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る防振処理機
能を備えた光学機器は、光学機器のぶれ量を検出するぶ
れ検出手段と、光学機器のぶれによる像振れを補正する
ための補正光学系と、補正光学系を駆動し、電力が供給
されない状態において、補正光学系の位置を固定保持し
続ける駆動手段と、光学機器のぶれ量を相殺すべく補正
光学系が駆動されるよう駆動手段を制御する制御手段
と、光学機器に電力を供給する電源電池と、電源電池を
収容する電池収容部を保護する蓋部材の開閉状態を検出
する蓋開閉検出手段とを備え、蓋開閉検出手段により蓋
部材の開放が検出されると、制御手段は、補正光学系の
光軸と光学機器の結像光学系を構成する他の光学系の光
軸とが一致する基準位置まで補正光学系が駆動させるこ
とを特徴とする。
【0011】選択的に、蓋開閉検出手段により蓋部材の
開放が検出され、補正光学系が基準位置まで駆動された
後、電源電池からの電力供給が停止される。
【0012】選択的に、電源電池に接続されるコンデン
サを備え、蓋部材の開閉と電源電池からの電力供給の開
始および停止が連動するよう構成されており、蓋部材が
閉じられ、電源電池からの電力供給が開始されるとコン
デンサが充電され、蓋部材が開放されると、光学機器へ
の電力供給が電源電池からコンデンサに切り替わり、補
正光学系の基準位置までの駆動がコンデンサからの電力
供給に基づいて行われる。
【0013】また、本発明に係る防振処理機能を備えた
光学機器は、光学機器のぶれによる像振れを補正するた
めの補正光学系を有し、光学機器のぶれが相殺されるよ
う補正光学系を駆動することにより像振れを補正する防
振処理機能を備え、光学機器への電力が供給されないと
き、補正光学系は、その光軸と光学機器の結像光学系を
構成する他の光学系の光軸とが一致する位置に、常時位
置付けられることを特徴とする。
【0014】以上のように、本発明によれば、電源電池
の電池収容部の蓋部材が開放されると、補正光学系は可
動中心位置へ駆動される。したがって、防振機能の動作
中に使用者が不用意に蓋部材を開放し、電源電池を抜き
取っても、補正光学系の光軸と結像光学系を構成する他
の光学系の光軸が不一致の状態で補正光学系が固定され
る、という現象が回避される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係る第1実施形
態が適用される双眼鏡の各光学系の位置関係を模式的に
示す図である。第1の光学系10において、第1の対物
レンズ21を通過した光束は第1の補正レンズ31を通
過し第1の正立プリズム41を介して第1の接眼レンズ
51に導かれ、第2の光学系11において、第2の対物
レンズ22を通過した光束は第2の補正レンズ32を通
過し第2の正立プリズム42を介して第2の接眼レンズ
52に導かれる。第1の補正レンズ31と第2の補正レ
ンズ32はレンズ支持枠30に一体的に支持されてい
る。第1の光学系10の光軸OP1と第2の光学系11
の光軸OP2は、完全に平行となるよう調整されてい
る。
【0016】尚、本明細書において「横方向」とは光軸
OP1、OP2を含む平面に平行でかつ光軸OP1、O
P2に直交する方向であり、「縦方向」とは光軸OP
1、OP2を含む平面に垂直な方向である。第1の補正
レンズ31の光軸および第2の補正レンズ32の光軸が
光軸OP1、OP2を含む平面内に位置している場合
の、レンズ支持枠30の位置を「縦方向可動中心位置」
という。また、光軸OP1、OP2を含む平面に直交し
光軸OP1を含む平面内に第1の補正レンズ31の光軸
が位置し、かつ光軸OP1、OP2を含む平面に直交し
光軸OP2を含む平面内に第2の補正レンズ32の光軸
が位置している場合のレンズ支持枠30の位置を「横方
向可動中心位置」という。
【0017】また、本明細書において、第1の補正レン
ズ31の光軸が第1の光学系10を構成する他の光学系
の光軸と一致し、かつ第2の補正レンズ32の光軸が第
2の光学系10を構成するたの光学系の光軸と一致する
場合の第1および第2の補正レンズ31、32の位置を
「基準位置」という。すなわち、第1および第2の補正
レンズ31、32が基準位置にある状態とは、レンズ支
持枠30が縦方向可動中心位置にあり、かつ横方向可動
中心位置にある状態である。
【0018】図2は第1実施形態のレンズ支持枠30を
第1および第2の対物レンズ21、22の側から見た正
面図である。レンズ支持枠30は、縦方向駆動枠301
と横方向駆動枠302を有している。縦方向駆動枠30
1は略長方形の平板であり開口部を有するドーナツ形状
である。縦方向駆動枠301は双眼鏡体の内壁面1に一
体的に設けられたフランジ1aに配設された保持部材3
10により縦方向に摺動可能に支持されている。横方向
駆動枠302は第1および第2の補正レンズ31、32
を一体的に保持する平板であり縦方向駆動枠301の開
口部に配設されている。横方向駆動枠302は縦方向駆
動枠301に配設された保持部材320により横方向に
摺動可能に支持されている。
【0019】図3は図2において縦方向駆動枠301お
よび横方向駆動枠302の上端部に配設された保持部材
320の断面図である。保持部材320はビス321、
ナット322、ワッシャ323を有している。ビス32
1のシャフト321aは縦方向駆動枠301に穿設され
た穴301aを挿通している。シャフト321aにはネ
ジ山が切られており、ビス321のヘッド321bの反
対側の端部にはナット322が締め付けられている。ヘ
ッド321bと縦方向駆動枠301の間、およびナット
322と縦方向駆動枠301の間にワッシャ323が配
設されている。ワッシャ323の半径の長さは、横方向
駆動枠302の端面に接する縦方向駆動枠301端面か
らシャフト321aの中心軸までの長さより大きい。す
なわち、横方向駆動枠302はその端部においてワッシ
ャ323の周縁部の一部で挟持されている。
【0020】保持部材310も保持部材320と同様の
構成を有している。ビス311(図2参照)のシャフト
はフランジ1aに穿設された穴を挿通し、ビス311の
ヘッドと反対側のシャフトの端部にナット(図示せず)
が締め付けられている。ビス311のヘッドとフランジ
1aの間およびナットとフランジ1aの間にワッシャ3
13(図2参照)が配設され、縦方向駆動枠301の端
部はワッシャ313の周縁部の一部で挟持されている。
【0021】図4は図2の線A−A矢視断面図である。
図2および図4を用いて、本実施形態のアクチュエータ
について説明する。縦方向アクチュエータ330は、第
1および第2の正立プリズム41、42側(図1参照)
に配設されており、縦方向駆動枠301および横方向駆
動枠302の縦方向の中心に位置決めされている。縦方
向アクチュエータ330はステッピングモータ331と
シャフト332とから成る。ステッピングモータ331
はモータケース331aとモータケース331a内に設
けられたモータ331bとから成る。モータ331bは
ロータとロータの駆動コイルとを備え、駆動コイルに供
給する電流を調節することによりロータが回転する。ロ
ータの回転に応じてモータ331bは縦方向に沿った軸
回りに正逆回転する。シャフト332はモータ331b
の回転方向においてモータ331bと一体的に回転し、
軸方向においてモータ331bに対して移動可能なよう
に支持されている。シャフト332の外周面にはリード
ネジが形成されており、モータケース331aの軸受け
に形成されている雌ネジ(図示せず)に螺合している。
すなわち、モータ331bの正逆回転に対して、シャフ
ト332は回転しながら、その軸方向に沿って進退す
る。
【0022】シャフト332の先端部にはボールが埋設
されており、このボールが目標物を押圧する。モータケ
ース331aは第1の固定部材333によりフランジ1
aに固定されている。シャフト332の先端は縦方向駆
動枠301の下端部に固定された第1の被押圧部材33
4に当接している。
【0023】第1および第2の対物レンズ21、22が
配設された側において縦方向駆動枠301の側端部近傍
には、第1のコイルバネ391が配設されている。第1
のコイルバネ391の両端部はフック形状を有してお
り、それぞれ図2においてフランジ1aの上端部近傍に
嵌合しているビス392と、縦方向駆動枠301の下端
部近傍に嵌合しているビス393に係合している。すな
わち、第1のコイルバネ391は縦方向駆動枠301に
y1方向の付勢力を与えている。従って、シャフト33
2の先端部は常時、第1の被押圧部材334に当接して
いる。
【0024】縦方向駆動枠301および横方向駆動枠3
02の下端部近傍において第1および第2の対物レンズ
21、22(図1参照)側には、横方向アクチュエータ
340が配設されており、縦方向駆動枠301および横
方向駆動枠302の縦方向の中心に対して第1の補正レ
ンズ31が配設された側に配設されている。横方向アク
チュエータ340はステッピングモータ341とシャフ
ト342とから成る。ステッピングモータ341はモー
タケース341aとモータケース341a内に設けられ
たモータ341bとから成る。モータ341bはロータ
とロータの駆動コイルとを備え、駆動コイルに供給する
電流を調節することによりロータが回転する。ロータの
回転に応じてモータ341bは縦方向に沿った軸回りに
正逆回転する。シャフト342はモータ341bの回転
方向においてモータ341bと一体的に回転し、軸方向
においてモータ341bに対して移動可能なように支持
されている。シャフト342の外周面にはリードネジが
形成されており、モータケース341aの軸受けに形成
されている雌ネジ(図示せず)に螺合している。すなわ
ち、モータ341bの正逆回転に対して、シャフト34
2は回転しながら、その軸方向に沿って進退する。
【0025】シャフト342の先端部にはボールが埋設
されており、このボールが目標物を押圧する。モータケ
ース341aは第2の固定部材343によりフランジ1
aに固定されている。シャフト342の先端は横方向駆
動枠302の下端部に固定された第2の被押圧部材34
4に当接している。
【0026】第1および第2の対物レンズ21、22が
配設された側において縦方向駆動枠301の上端部に
は、第2のコイルバネ396が配設されている。第2の
コイルバネ396の両端部はフック形状を有している。
第2のコイル396の一方の端部は、縦方向駆動枠30
1の上端部において第1の補正レンズ31が配設された
側の端部近傍に嵌合しているビス397に係合してい
る。他方の端部は、横方向駆動枠302の上端部におい
て略中央部分に固定されたフランジ398に穿設された
穴398aに係合している。すなわち、第2のコイルバ
ネ396は横方向駆動枠302にx1方向の付勢力を与
えている。従って、シャフト342の先端部は常時、第
2の被押圧部材344に当接している。
【0027】モータ331bが正転すると、シャフト3
32は回転しながらy2方向(下方向)に突出する。シ
ャフト332のy2方向への動きは第1の被押圧部材3
34を介して縦方向駆動枠301に伝達される。上述の
ように縦方向駆動枠301はフランジ1aに摺動可能に
支持されているため、縦方向駆動枠301はモータ33
1bの正転に応じて、第1のコイルバネ391のy1方
向への付勢力に抗してy2方向へ駆動される。一方、モ
ータ331bが逆転するとシャフト332は回転しなが
らy1方向(上方向)に引き込まれ、第1のコイルバネ
391のy1方向への付勢力により縦方向駆動枠301
はy1方向へ駆動される。
【0028】モータ341bが正転すると、シャフト3
42は回転しながらx2方向(図2において左方向)に
突出する。シャフト342のx2方向への動きは第2の
被押圧部材344を介して横方向駆動枠302に伝達さ
れる。上述のように横方向駆動枠302は縦方向駆動枠
301に摺動可能に支持されているため、横方向駆動枠
302はモータ341bの正転に応じて、第2のコイル
バネ396のx1方向への付勢力に抗して、x2方向へ
駆動される。一方、モータ341bが逆転するとシャフ
ト342は回転しながらx1方向(図2において右方
向)に引き込まれ、第2のコイルバネ396のx1方向
への付勢力により、横方向駆動枠302はx1方向へ駆
動される。
【0029】ここで、縦方向および横方向のアクチュエ
ータ330、340のステッピングモータ331、34
1への電力供給が停止した場合における各モータの位置
の維持について図5を用いて説明する。図5はステッピ
ングモータ331、341のロータを外部の力で回転さ
せようとするときに発生するトルクを示すグラフであ
り、縦軸はトルク、横軸はロータの回転角度である。曲
線Aはロータが所定の位置(角度0°とする)に停止す
るよう駆動コイルに通電している場合のトルク曲線、曲
線Bは駆動コイルに通電してロータが角度0°に停止し
ている状態において駆動コイルを非通電にした場合のト
ルク曲線である。
【0030】曲線Aが示すように、駆動コイルが通電さ
れロータが角度0°で停止している場合、ロータに作用
する外部的なトルクがホールディングトルクThを超え
るとロータは回転する。換言すれば、ロータに作用する
外部的なトルクがホールディングトルクThより小さけ
れば、ロータは±θの範囲で位置保持能力を有する。
【0031】一方、駆動コイルが非通電の場合は、ロー
タに作用する外部的なトルクがホールディングトルクT
hよりも小さいディテントトルクTdを超えるとロータ
は回動する。ロータに作用する外部的なトルクがディテ
ントトルクTdより小さければ、ロータは±θ/4の範
囲で位置保持能力を有する。すなわち、駆動コイルが非
通電の場合、わずかな外力によりロータが回転しやす
い。尚、ディテントトルクとは、駆動コイルが励磁して
いない状態でロータを回転させようとする外部トルクに
抗して元の位置を保持しようとしてロータが発する最大
トルクをいう。
【0032】本実施形態において、ステッピングモータ
331、341の回転運動を直線運動に変換して縦方向
駆動枠301、横方向駆動枠302に伝達する伝達機構
は、上述のようにねじ送り機構である。非通電時に双眼
鏡に加えられる外力は像振れ補正装置のねじ送り機構の
スラスト方向すなわち可動部の送り方向に伝達される
が、ロータの回転方向には所定の減速比で低減されて伝
達され、ディテントトルクTdを超えるトルクは発生し
ない。したがって、バッテリの残量電力が減少し、ステ
ッピングモータ331、341に電力が供給されない
と、ロータは正逆転のいずれの方向にも回転せず電力供
給が停止された時点での位置に停止し、縦方向および横
方向の駆動枠301、302も電力供給が停止された時
点での位置に停止される。すなわち、補正レンズ31、
32は縦方向および横方向のアクチュエータ330、3
40への電力供給が停止されると、その時点での位置に
固定保持される。
【0033】横方向駆動枠302の上端部において第2
の補正レンズ32の近傍には、横方向リセット位置検出
センサ360が固定されている。横方向リセット位置検
出センサ360は透過型フォトインタラプタである。縦
方向駆動枠301の上端部において第2の補正レンズ3
2の近傍には、第2の保持部材320のビス321によ
り横方向リセット位置検出用薄板361が固定されてい
る。
【0034】また、図2から明らかなように、縦方向駆
動枠301の可動範囲はフランジ1aの内壁面に規定さ
れ、横方向駆動枠302の可動範囲は縦方向駆動枠30
1の開口部に規定される。すなわち、縦方向駆動枠30
1は、その横方向に沿った側端面と縦方向に沿った側端
面が交差する角部がフランジ1aの内壁面に当接する位
置よりもさらに可動中心位置から離れることはない。ま
た、横方向駆動枠302は、その縦方向に沿った側端面
が縦方向駆動枠301の開口部の内壁面に当接する位置
よりもさらに可動中心位置から離れることはない。本明
細書では、縦方向駆動枠301および横方向駆動枠30
2がこれらの位置にあるときの第1の補正レンズ31、
第2の補正レンズ32の位置をそれぞれ「可動限界位
置」と呼ぶ。
【0035】図6は、横方向リセット位置検出センサ3
60と横方向リセット位置検出用薄板361の位置関係
を示す図である。横方向リセット位置検出センサ360
は、断面形状が凹型であり、凹部360aを挟んで対向
する面にはそれぞれ発光素子と受光素子が配設されてい
る(図示せず)。横方向リセット位置検出用薄板361
は、横方向リセット位置検出センサ360の凹部360
aに位置するよう配設されている。すなわち、横方向駆
動枠302の移動とともに横方向駆動枠302に固定さ
れた横方向リセット位置検出センサ360が移動し、凹
部360aと横方向リセット位置検出用薄板361との
相対的な位置関係が変化し、それに応じて横方向リセッ
ト位置検出センサ360から出力される電圧が変化す
る。
【0036】本実施形態では、横方向駆動枠302が横
方向可動中心位置に位置決めされると、横方向リセット
位置検出センサ360から出力される電圧が変化するよ
う、横方向リセット位置検出センサ360および横方向
リセット位置検出用薄板361は配設される。尚、本明
細書では横方向リセット位置検出センサ360から出力
される電圧が変化する場合の横方向駆動枠302の位置
を「横方向リセット位置」と呼ぶ。換言すれば、横方向
リセット位置とは、設計上横方向駆動枠302が横方向
可動中心位置に位置決めされている位置である。すなわ
ち、横方向リセット位置と横方向可動中心位置は一致す
る。
【0037】図7は横方向リセット位置検出センサ36
0の出力信号を示すグラフである。横方向駆動枠302
が横方向リセット位置よりもx2方向(図2参照)へず
れている場合、すなわち図6において横方向リセット位
置検出用薄板361が+(プラス)側にずれている場
合、横方向リセット位置検出センサ360の発光素子か
ら射出される光束は横方向リセット位置検出用薄板36
1により遮断され、受光素子には入射されない。その結
果、横方向リセット位置検出センサ360から出力され
る電圧信号は0V(ボルト)となる。一方、横方向駆動
枠302が横方向リセット位置よりもx1方向(図2参
照)へずれている場合、すなわち図6において横方向リ
セット位置検出用薄板361がー(マイナス)側にずれ
ている場合、横方向リセット位置検出センサ360の発
光素子から射出される光束は横方向リセット位置検出用
薄板361に遮断されず、受光素子に入射される。その
結果、横方向リセット位置検出センサ360から出力さ
れる電圧信号は5Vとなる。
【0038】すなわち、横方向リセット位置検出センサ
360から出力される電圧信号の0Vから5Vへの変
化、あるいは5Vから0Vへの変化を検出することによ
り、横方向駆動枠302が横方向リセット位置に位置決
めされたと確認される。
【0039】図2において縦方向駆動枠301の左端部
の上端部近傍には、縦方向リセット位置検出センサ35
0が固定されている。縦方向リセット位置検出センサ3
50は、横方向リセット位置検出センサ360と同様、
所定の間隔をおいて配設された発光素子と受光素子を備
えた透過型フォトインタラプタである。フランジ1aの
左端部の上端部近傍には縦方向リセット位置検出用薄板
351が固定されており、縦方向リセット位置検出セン
サ350の発光素子と受光素子の間に位置決めされてい
る。縦方向駆動枠301の移動による縦方向リセット位
置検出センサ350と縦方向リセット位置検出用薄板3
51の相対的な位置関係の変化に応じて、縦方向リセッ
ト位置検出センサ350から出力される電圧信号が変化
する。
【0040】本実施形態では、縦方向駆動枠301が縦
方向可動中心位置に位置決めされると、縦方向リセット
位置検出センサ350から出力される電圧が変化するよ
う、縦方向リセット位置検出センサ350および縦方向
リセット位置検出用薄板351は配設される。尚、本明
細書では縦方向リセット位置検出センサ350から出力
される電圧が変化する場合の縦方向駆動枠301の位置
を「縦方向リセット位置」と呼ぶ。すなわち、上述の横
方向リセット位置と横方向可動中心位置と同様、縦方向
リセット位置と縦方向可動中心位置は一致する。
【0041】縦方向駆動枠301が縦方向リセット位置
よりもy2方向(図2参照)へずれている場合、縦方向
リセット位置検出センサ350の発光素子から射出され
る光束は縦方向リセット位置検出用薄板351により遮
断されず、受光素子に入射される。その結果、縦方向リ
セット位置検出センサ350から出力される電圧信号は
5Vとなる。一方、縦方向駆動枠301が縦方向リセッ
ト位置よりもy1方向(図2参照)へずれている場合、
縦方向リセット位置検出センサ350の発光素子から射
出される光束は縦方向リセット位置検出用薄板351に
遮断され、受光素子には入射されない。その結果、縦方
向リセット位置検出センサ350から出力される電圧信
号は0Vとなる。
【0042】すなわち、横方向リセット位置の確認と同
様、縦方向リセット位置検出センサ350から出力され
る電圧信号の0Vから5Vへの変化、あるいは5Vから
0Vへの変化を検出することにより、縦方向駆動枠30
1がリセット位置に位置決めされたと確認される。
【0043】以上のように本実施形態では、レンズ支持
枠30において縦方向駆動枠301と横方向駆動枠30
2が一体化されており、直動機構およびリセット位置検
出手段を含め補正レンズの駆動機構が1ユニット化され
ている。従って、駆動機構の双眼鏡全体への取付作業が
容易である。
【0044】尚、本実施形態のリセット位置検出手段に
おいて、薄板は保持部材若しくは双眼鏡体のフランジに
配設され透過型フォトインタラプタは駆動枠に配設され
ており、透過型フォトインタラプタ側が移動する構成を
有しているが、これに限るものではない。透過型フォト
インタラプタが保持部材若しくはフランジに配設され、
薄板が駆動枠に配設され、薄板が透過型フォトインタラ
プタの発光素子と受光素子の間を移動する構成を有して
いてもよい。すなわち、リセット位置検出手段は、駆動
枠の移動に伴い薄板と透過型フォトインタラプタの相対
的位置が変化し、それに応じて透過型フォトインタラプ
タの出力信号が変化する構成を有していればよい。
【0045】さらに、本実施形態では、リセット位置検
出センサとして透過型フォトインタラプタを用いている
がこれに限るものではなく、例えば、物体からの反射光
の有無を受光素子で検出する反射型フォトインタラプタ
(フォトレフレクタ)を用いてもよい。すなわち、発光
素子と受光素子をそれぞれの発光面と受光面が同一方向
を向くよう配設し、発光面および受光面に対向する側に
薄板を配設してもよい。発光素子から出射された光束が
薄板に反射されて受光素子に入射するか否かに基づいて
反射型フォトインタラプタと薄板との相対的位置関係を
確認し、駆動枠がリセット位置に位置決めされているか
否かを判断する。
【0046】また、透過型フォトインタラプタを用いる
場合と同様、反射型フォトインタラプタを用いたリセッ
ト位置検出手段は、駆動枠の移動に伴い薄板と反射型フ
ォトインタラプタとの相対的位置関係が変化する構成を
有していればよい。すなわち、薄板が保持部材若しくは
フランジに配設され反射型フォトインタラプタが駆動枠
に配設されていてもよく、あるいは薄板が駆動枠に配設
され反射型フォトインタラプタが保持部材若しくはフラ
ンジに配設される構成を有していてもよい。
【0047】図8は、本実施形態の防振装置のブロック
図である。縦方向角速度センサ110は、双眼鏡を保持
した時の縦方向における振れの方向及び角速度を検出
し、横方向角速度センサ120は、横方向における振れ
の方向及び角速度を検出する。縦方向角速度センサ11
0には縦方向センサアンプ111が接続されており、縦
方向角速度センサ110から出力された縦方向角速度信
号が増幅され、例えばマイクロコンピュータ等の制御手
段100に出力される。同様に、横方向角速度センサ1
20には横方向センサアンプ121が接続されており、
横方向角速度センサ120から出力された横方向角速度
信号が増幅され、制御手段100に出力される。
【0048】制御手段100では、縦方向角速度信号お
よび横方向角速度信号が所定の同期信号に基づいてデジ
タル値に変換され、それぞれのデジタル値が積分演算さ
れ手振れの角度情報である縦方向角変位信号および横方
向角変位信号が算出される。縦方向角変位信号に基づい
て、縦方向アクチュエータ330のモータ331bの駆
動ステップ数、すなわちモータ331bに加えるパルス
数を算出する。同様に、横方向角変位信号に基づいて、
横方向アクチュエータ340のモータ341bの駆動ス
テップ数、すなわちモータ341bに加えるパルス数を
算出する。
【0049】制御手段100から出力されたパルス数に
基づく縦方向アクチュエータ330のモータ331bの
回転運動はシャフト332を介して縦方向の直線運動に
変換されてレンズ支持枠30に伝達され、レンズ支持枠
30は縦方向に駆動される。同様に、制御手段100か
ら出力されたパルス数に基づく横方向アクチュエータ3
40のモータ341bの回転運動はシャフト342を介
して横方向の直線運動に変換されてレンズ支持枠30に
伝達され、レンズ支持枠30は横方向に駆動される。
【0050】制御手段100には縦方向リセット位置検
出センサ350および横方向リセット位置検出センサ3
60が接続されている。レンズ支持枠30が縦方向リセ
ット位置にある場合、縦方向リセット位置検出センサ3
50から出力される信号が変化し、レンズ支持枠30が
横方向リセット位置にある場合、横方向リセット位置検
出センサ360から出力される信号が変化し、それぞれ
の信号が制御手段100に入力される。制御手段100
では、信号の変化を検出することにより縦方向、横方向
においてレンズ支持枠30がリセット位置にあると判断
する。
【0051】さらに、制御手段100にはEEPROM
101が接続されている。上述のように横方向リセット
位置と横方向可動中心位置、および縦方向リセット位置
と縦方向可動中心位置とは一致するように設計される
が、双眼鏡の製造時の加工公差等により実際には差分が
生じる。EEPROM101には、縦方向および横方向
のリセット位置と可動中心位置の差分が予め記憶されて
いる。制御手段100は、EEPROM101からこの
差分を読み出し、縦方向および横方向においてリセット
位置にあるレンズ支持枠30が可動中心位置にまで駆動
されるよう、差分に基づいて所定のパルス数をモーター
331bおよびモーター341bにそれぞれ出力する。
【0052】電源電池130は、本実施形態の防振装置
に電力を供給する電源である。双眼鏡の電源スイッチ1
31が押されると、制御手段100、縦方向および横方
向の角速度センサ110、120、センサアンプ11
1、121、ステッピングモータ331b、341b、
リセット位置検出センサ350、360に、電源電池1
30から電力が供給される。
【0053】さらに、電源電池130は、電源ライン
(図示せず)とは別に信号ラインを介して制御手段10
0に接続されている。制御手段100は、この信号ライ
ンにより電源電池130の出力電圧のレベルの変化を所
定の周期でモニターする。
【0054】EEPROM101には、電源電池130
の出力電圧のレベルが電池切れレベルであると判断する
ための閾値VHが格納されている。閾値VHは、縦方向
アクチュエータ330のモータ331bが縦方向駆動枠
301を可動限界位置から縦方向リセット位置まで駆動
し、さらに縦方向可動中心位置まで駆動し、かつ横方向
アクチュエータ340のモータ341bが横方向駆動枠
302を可動限界位置から横方向リセット位置まで駆動
し、さらに横方向可動中心位置まで駆動するだけの電力
が残っているレベルに設定される。すなわち、閾値VH
は、モータ331bおよび341bがレンズ支持枠30
を可動限界位置から基準位置まで駆動するだけの電力が
残っているレベルに設定される。この閾値VHの具体的
な値は、双眼鏡の製造過程において予め実験により求め
られた上で、EEPROM101に格納される。すなわ
ち、双眼鏡および搭載される防振装置の製品固体差に応
じて適切な値が設定される。
【0055】制御手段100は電源電池130の出力電
圧のレベルをEEPROM101に格納された閾値VH
と比較する。比較の結果、出力電圧のレベルが閾値VH
を下回っており電池切れレベルであることを検知される
と、制御手段100は、縦方向および横方向のリセット
位置検出センサの出力結果に基づいて、縦方向駆動枠3
01および横方向駆動枠302をそれぞれ可動中心位置
まで駆動すべく、モータ331b、341bを駆動させ
る。
【0056】防振開始スイッチ132は、上述の防振処
理(縦方向および横方向角速度センサ110、120に
より検出される角速度に基づくレンズ支持枠30の駆
動)を開始するためのスイッチである。蓋開閉検出スイ
ッチ133は、双眼鏡の筐体において電源電池130を
収容する電池ケースを保護する蓋の開閉に応じて動作す
るスイッチである。
【0057】図9は、電源電池130から電力供給され
る回路要素と電源電池130との接続関係を示すブロッ
ク図である。電源電池130には、制御手段100、E
EPROM101(図8参照)、および電源スイッチ回
路135を介してステッピングモータ331b、341
b、リセット位置検出センサ350、360、センサア
ンプ111、121、角速度センサ110、120が接
続されており、電源スイッチ131が押されると、電源
スイッチ回路133がオンとなり、電源電池130から
の電力供給が開始される。防振開始スイッチ132がオ
ンされると防振処理が開始され、オン状態が続く間、防
振処理は継続的に実行される。蓋開閉検出スイッチ13
3は、電源電池130を収容する電池ケースの蓋134
に設けられる。蓋134が開放されると蓋開閉検出スイ
ッチ133はオンとなり、蓋開放を示す信号が制御手段
100に入力される。
【0058】図10〜図13を用いて制御手段100で
行なわれる本実施形態の防振処理の手順を説明する。図
10はスリープ解除後の初期処理の手順を示すフローチ
ャートである。スリープ状態(待機状態)にある制御手
段100において、電源スイッチ131が押されると、
制御手段100はスリープを解除してステップS400
で電源スイッチ回路135をオンにする。そして、ステ
ップS402で縦方向アクチュエータ330のモータ3
31bおよび横方向アクチュエータ340のモータ34
1bが駆動され、縦方向駆動枠301が縦方向リセット
位置まで駆動され、横方向駆動枠302が横方向リセッ
ト位置まで駆動される。次いで、ステップS404でE
EPROM101からリセット位置と可動中心位置との
差分が読み出され、その差分に基づいてモータ331b
および341bが駆動され、縦方向駆動枠301が縦方
向可動中心位置まで駆動されるとともに横方向駆動枠3
02が横方向可動中心位置まで駆動される。次いで図1
1のステップS406へ進む。
【0059】図11は、防振処理のメインルーチンの処
理手順を示すフローチャートである。ステップS406
で電源スイッチ131の状態が検出され、電源オフであ
れば図12のステップS500へ進み、終了処理が実行
される。電源オンであればステップS408へ進む。ス
テップS408では電源電池130の出力レベルがEE
PROM101に格納された閾値VHと比較される。電
源電池130の出力レベルが閾値VHより低いことが確
認されると、図12のステップS500へ進み、終了処
理が行なわれる。一方、電源電池130の出力レベルが
閾値VHを下回っていないことが確認されると、ステッ
プS410へ進む。ステップS410では、防振開始ス
イッチ132の状態が検出される。防振開始スイッチ1
32がオフの場合、図13のステップS600へ進み、
オンの場合、ステップS412へ進む。ステップS41
2では、蓋開閉検出スイッチ133の状態がチェックさ
れ、蓋134が開放されているか否かがチェックされ
る。蓋開閉検出スイッチ133がオンとなっており、蓋
134が開放されていることが確認されたら、図12の
ステップS500へ進み、終了処理が実行される。蓋開
閉検出スイッチ133がオフであり、蓋134は閉じら
れていることが確認されたら、ステップS414へ進
む。
【0060】図12は、電源スイッチ131がオフの場
合(ステップS406でYES)、電源電池130の出
力レベルが閾値VHより低下した場合(ステップS40
8でYES)、電池ケースの蓋134が開放された場合
(ステップS412でYES)に実行される終了処理の
処理手順を示すフローチャートである。ステップS50
0で、縦方向駆動枠301が縦方向リセット位置へ駆動
され、横方向駆動枠302が横方向リセット位置へ駆動
されるよう、モータ331bおよびモータ341bが駆
動される。次いでステップS502で、予めEEPRO
M101から読み出したリセット位置と可動中心位置と
の差分に基づいてモータ331bおよびモータ341b
を駆動し、縦方向駆動枠301を縦方向可動中心位置ま
で駆動させるとともに横方向駆動枠302を横方向可動
中心位置まで駆動させる。その後、ステップS504に
おいてモータ331bおよびモータ341bを停止し、
ステップS506で電源スイッチ回路133がオフされ
る。その後、制御手段100は自らスリープ状態へ移行
する(S508)。
【0061】一方、図11のステップS412で蓋13
4が閉じられていることが確認され、ステップS414
へ進むと、縦方向カウンタおよび横方向カウンタに
「0」がセットされる。尚、縦方向カウンタに格納され
る値は、モータ331bが正転するとそのステップ数が
加算され、逆転するとそのステップ数が減算される。ま
た、横方向カウンタに格納される値は、モータ341b
が正転するとそのステップ数が加算され、逆転するとそ
のステップ数が減算される。
【0062】次いでステップS416で縦方向防振処理
が行われる。縦方向防振処理は以下のように行われる。
制御手段100において、縦方向角速度センサ110か
ら出力された縦方向角速度信号をA/D変換し、積分演
算を行って縦方向角変位信号を算出し、縦方向角変位信
号に基づいてパルスカウント数を算出する。縦方向防振
処理における縦方向アクチュエータ330のモータ33
1bのパルスカウント数は、正転させる場合にプラスの
符号を付け、逆転させる場合にマイナスの符号を付け
る。モータ331bは縦方向カウンタの値がパルスカウ
ント数に一致するまで正転若しくは逆転される。モータ
331bの回転に伴い、縦方向における双眼鏡の振れが
相殺されるよう縦方向駆動枠301が駆動され、縦方向
の像振れが補正される。
【0063】次いでステップS418で横方向防振処理
が行われる。横方向防振処理は上述の縦方向防振処理と
同様に行われる。制御手段100において、横方向角速
度センサ120から出力された横方向角速度信号をA/
D変換し、積分演算を行って横方向角変位信号を算出
し、横方向角変位信号に基づいてパルスカウント数を算
出する。横方向防振処理における横方向アクチュエータ
340のモータ341bのパルスカウント数は、正転さ
せる場合にプラスの符号を付け、逆転させる場合にマイ
ナスの符号を付ける。モータ341bは横方向カウンタ
の値がパルスカウント数に一致するまで正転若しくは逆
転される。モータ341bの回転に伴い、横方向におけ
る双眼鏡の振れが相殺されるよう横方向駆動枠302が
駆動され、横方向の像振れが補正される。
【0064】ステップS416の縦方向防振処理および
ステップS418の横方向防振処理が終了すると、ステ
ップS420において所定時間が経過したか否かが判断
される。所定時間が経過するまではステップS420の
処理が繰り返し行われ、所定時間が経過したらステップ
S406からの処理が行われる。すなわち、電源スイッ
チ131のオンオフのチェック、電源電池130の出力
電圧のレベルチェック、電池ケースの蓋134の開閉チ
ェック、および防振処理が一定のタイミングで行われ
る。本実施形態では、所定時間を1ms(ミリ秒)とす
る。
【0065】図13は、ステップS410で防振開始ス
イッチ132がオフであることが確認された場合に実行
される処理の手順を示すフローチャートである。ステッ
プS600で縦方向アクチュエータ330のモータ33
1bおよび横方向アクチュエータ340のモータ341
bが駆動され、縦方向駆動枠301が縦方向リセット位
置まで駆動され、横方向駆動枠302が横方向リセット
位置まで駆動される。次いでステップS602におい
て、図12のステップS502と同様、モータ331b
およびモータ341bを駆動し縦方向駆動枠301を縦
方向可動中心位置まで駆動させるとともに横方向駆動枠
302横方向可動中心位置まで駆動させる。
【0066】次いでステップS604でモータ331b
およびモータ341bを停止し、ステップS606へ進
む。ステップS606で電源スイッチ131の状態を検
出し電源オフの場合、図12のステップS500へ進
み、上述の終了処理が行われる。ステップS606で電
源オンの場合、ステップS608へ進み、図11のステ
ップS408と同様、電源電池130の出力レベルがE
EPROM101に格納された閾値VHと比較される。
電源電池130の出力レベルが閾値VHより低いことが
確認されると、図12のステップS500へ進み、上述
の終了処理が行なわれる。一方、電源電池130の出力
レベルが閾値VHを下回っていないことが確認される
と、ステップS610へ進む。
【0067】ステップS610では防振開始スイッチ1
32の状態が再度、検出される。防振開始スイッチ13
2がオフの場合、ステップS606へ戻り、オンの場
合、図11のステップS412へ進む。すなわち、電源
スイッチ131がオフになるか、電源電池130の出力
レベルが閾値VHより低下するか、若しくは防振開始ス
イッチ132がオンになるまでステップS606〜S6
10が繰り返される。
【0068】以上のように本実施形態によれば、防振処
理実行中に蓋134が開放されると、第1および第2の
補正レンズ31、32を可動中心位置に移動させてから
電源供給が停止され、防振処理が強制的に終了させられ
る。すなわち、第1および第2の補正レンズ31、32
の光軸は、対応する望遠光学系を構成する他の光学系の
光軸と一致させられる。したがって、防振処理実行中で
あるにもかかわらず、使用者が不用意に電源電池130
を抜き、その後双眼鏡の使用を続けても、視認される観
察像に違和感が生じることが防止される。
【0069】図14は、本発明に係る第2実施形態が適
用される双眼鏡において電源電池130から電力供給さ
れる回路要素と電源電池130との接続関係を示すブロ
ック図である。電池ケースの蓋134には電極(図示せ
ず)が設けられており、蓋134を閉めることにより蓋
134の電極が電源電池130と接触し、通電可能とな
る。電源電池130にはコンデンサC1が接続されてい
る。また、コンデンサC1には、制御手段100、EE
PROM101(図示せず)、および電源スイッチ回路
133を介してステッピングモータ331b、341b、
リセット位置検出センサ350、360、センサアンプ
111、121、角速度センサ110、120が接続さ
れている。コンデンサC1の容量は、第1および第2の
補正レンズ31、32を可動中心位置から最も離れた位
置からリセット位置を経て可動中心位置まで移動させる
電力を供給し得る電荷を蓄積できる大きさを有してい
る。
【0070】電源電池130を電池ケースに装着し、蓋
134を閉じると、電源電池130からコンデンサC1
に電流が流れ、コンデンサC1に電荷が蓄積される。充
電が終了すると、電源電池130からコンデンサC1へ
の電流供給は停止される。
【0071】電池ケースの蓋134が開放されると、蓋
開閉検出スイッチ133から制御手段100へ蓋134
が開放されたことを示す信号が入力される一方、蓋13
4の電極と電源電池130との接触状態が解除されるの
で電源電池130からの電力供給は停止され、代わりに
コンデンサC1から電力が供給される。
【0072】第2実施形態において、防振処理は、第1
実施形態と同様、図10〜図13に示すフローチャート
に示される処理手順に従って実行される。電池ケースの
蓋143が開放された時点で、上述のように電力供給が
電源電池130からコンデンサC1に代わるので、図1
1のステップS412での電池ケースの蓋143の開放
検出から、図12の終了処理の終了まではコンデンサC
1からの電力供給により実行される。
【0073】以上のように本実施形態によれば、電池ケ
ースの蓋134の開閉と連動して電源電池130からの
電力供給の開始・停止が行われる構成を有する双眼鏡に
おいて、蓋134が開放された場合、コンデンサC1か
らの電力供給により第1および第2の補正レンズ31、
32が可動中心位置へ移動される。したがって、使用者
が不用意に蓋134を開放しても、視認される観察像に
違和感が生じることはない。
【0074】尚、第1および第2実施形態ではアクチュ
エータにステッピングモータを用い、補正光学系をその
光軸に直行する平面内において2次元的に駆動する防振
方式で説明しているが、これに限るものではなく,アク
チュエータはDCモータやコイルと磁石の組み合わせ
等、防振方式はバリアングルプリズムを用いる場合等の
他の方式でも適用できることは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、不用意に
電力供給が断たれた場合でも、鏡筒の方向と一致した観
察像を視認できる光学機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態が適用される双眼鏡
の各光学系の位置関係を模式的に示す図である。
【図2】レンズ支持枠の正面図である。
【図3】レンズ支持枠の保持部材の断面図である。
【図4】レンズ支持枠の断面図である。
【図5】ステッピングモータのロータのトルク曲線を示
すグラフである。
【図6】リセット位置検出センサとリセット位置検出用
薄板の位置関係を示す図である。
【図7】リセット位置検出センサから出力される電圧信
号のグラフである。
【図8】第1実施形態が適用される防振装置のブロック
図である。
【図9】電源電池から電力供給される回路要素と電源電
池との接続関係を示すブロック図である。
【図10】電源投入直後の初期処理の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図11】防振処理のメインルーチンの処理手順を示す
フローチャートである。
【図12】終了処理の処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図13】防振スイッチオフ時の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図14】本発明に係る第2実施形態が適用される双眼
鏡において電源電池から電力供給される回路要素と電源
電池との接続関係を示すブロック図である。
【符号の説明】
21、22 対物レンズ 30 レンズ支持枠 31、32 補正レンズ 41、42 正立プリズム 51、52 接眼レンズ 130 電源電池 310、320 保持部材 311、321 ビス 322 ナット 313、323 ワッシャ 330 縦方向アクチュエータ 340 横方向アクチュエータ 350 縦方向リセット位置検出センサ 351 縦方向リセット位置検出用薄板 360 横方向リセット位置検出センサ 361 横方向リセット位置検出用薄板 391 第1のコイルバネ 396 第2のコイルバネ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月29日(2002.11.
29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】図9は、電源電池130から電力供給され
る回路要素と電源電池130との接続関係を示すブロッ
ク図である。電源電池130には、制御手段100、E
EPROM101(図8参照)、および電源スイッチ回
路135を介してステッピングモータ331b、341
b、リセット位置検出センサ350、360、センサア
ンプ111、121、角速度センサ110、120が接
続されており、電源スイッチ131が押されると、電源
スイッチ回路135がオンとなり、電源電池130から
の電力供給が開始される。防振開始スイッチ132がオ
ンされると防振処理が開始され、オン状態が続く間、防
振処理は継続的に実行される。蓋開閉検出スイッチ13
3は、電源電池130を収容する電池ケースの蓋134
に設けられる。蓋134が開放されると蓋開閉検出スイ
ッチ133はオンとなり、蓋開放を示す信号が制御手段
100に入力される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学機器のぶれ量を検出するぶれ検出手
    段と、 前記光学機器のぶれによる像振れを補正するための補正
    光学系と、 前記補正光学系を駆動し、電力が供給されない状態にお
    いて、前記補正光学系の位置を固定保持し続ける駆動手
    段と、 前記光学機器のぶれ量を相殺すべく前記補正光学系が駆
    動されるよう前記駆動手段を制御する制御手段と、 前記光学機器に電力を供給する電源電池と、 前記電源電池を収容する電池収容部を保護する蓋部材の
    開閉状態を検出する蓋開閉検出手段とを備え、 前記蓋開閉検出手段により前記蓋部材の開放が検出され
    ると、前記制御手段は、前記補正光学系の光軸と前記光
    学機器の結像光学系を構成する他の光学系の光軸とが一
    致する基準位置まで前記補正光学系が駆動させることを
    特徴とする防振処理機能を備えた光学機器。
  2. 【請求項2】 前記蓋開閉検出手段により前記蓋部材の
    開放が検出され、前記補正光学系が前記基準位置まで駆
    動された後、前記電源電池からの電力供給が停止される
    ことを特徴とする請求項1に記載の防振処理機能を備え
    た光学機器。
  3. 【請求項3】 前記電源電池に接続されるコンデンサを
    備え、 前記蓋部材の開閉と前記電源電池からの電力供給の開始
    および停止が連動するよう構成されており、前記蓋部材
    が閉じられ、前記電源電池からの電力供給が開始される
    と前記コンデンサが充電され、 前記蓋部材が開放されると、前記光学機器への電力供給
    が前記電源電池から前記コンデンサに切り替わり、前記
    補正光学系の前記基準位置までの駆動が前記コンデンサ
    からの電力供給に基づいて行われることを特徴とする請
    求項1に記載の防振処理機能を備えた光学機器。
  4. 【請求項4】 光学機器のぶれによる像振れを補正する
    ための補正光学系を有し、前記光学機器のぶれが相殺さ
    れるよう前記補正光学系を駆動することにより前記像振
    れを補正する防振処理機能を備え、 前記光学機器への電力が供給されないとき、前記補正光
    学系は、その光軸と前記光学機器の結像光学系を構成す
    る他の光学系の光軸とが一致する位置に、常時位置付け
    られることを特徴とする防振処理機能を備えた光学機
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006113545A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Samsung Electronics Co Ltd カメラレンズアセンブリーの手振れ補正装置
US11644659B2 (en) 2019-05-28 2023-05-09 Canon Kabushiki Kaisha Optical apparatus

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JP2006113545A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Samsung Electronics Co Ltd カメラレンズアセンブリーの手振れ補正装置
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