JP2007271996A - レンズ装置およびカメラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】防振ユニットのイニシャライズ動作による被写体像の変位がファインダを通して撮影者に見えないようにすることができるレンズ装置を提供する。
【解決手段】レンズ装置102は、 光学ファインダ105を有する第1のカメラと、光学ファインダを有さない第2のカメラ141とに着脱可能に装着される。該レンズ装置は、防振のために固定ユニットに対して移動可能な可動ユニット127と、該可動ユニットと固定ユニットとの間に配置され、可動ユニットの移動に伴い移動可能なボール16a〜16bとを有する防振ユニットを有する。制御手段は、該レンズ装置が第2のカメラに装着された場合は、特定のタイミングで防振ユニットのボールを所定位置に移動させるためのイニシャライズ処理を行い、該レンズ装置が第1のカメラに装着された場合は、該特定のタイミングでのイニシャライズ処理を行わないように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、像振れを抑える防振ユニットであって、いわゆるボールガイド式防振ユニットを備えた交換レンズ装置に関する。
交換レンズに搭載されるボールガイド式防振ユニットは、例えば特許文献1にて提案されている。具体的には、防振ユニットのベース部材と防振レンズを含む可動ユニットとの間に、バネ力を用いて複数のボールを挟み込み、該ボールの転動により可動ユニットを光軸直交面内にて案内するものである。この構成により、可動ユニットの光軸方向への変位を阻止しつつ、駆動抵抗を小さくした防振ユニットを実現できる。
但し、ボールガイド式防振ユニットにおいては、防振動作を開始する前にボールがその可動範囲の中央又はその近傍である初期位置に配置されていることが望ましい。特許文献1の防振ユニットでは、ボールはベース部材に形成された上記可動範囲を決める凹部内に収容されている。そして、ボールが初期位置から大きく移動し、該凹部の側壁面に当接した状態では、側壁面との摩擦によってボールが転動し難くなる。これにより、可動ユニットの駆動抵抗が増加することになる。このようなボールの初期位置からのずれは、レンズ装置に衝撃が加わることによって発生することが多い。
このため、特許文献2,3には、ボールガイド式防振ユニットに防振動作を行わせる前に、可動ユニットを互いに直交する2方向、つまり垂直方向と水平方向の機械端まで駆動した後、可動中心位置まで戻すイニシャライズ動作を行わせる手法が提案されている。これにより、最初にボールが可動範囲内のどの位置にあっても、ボールを可動範囲の初期位置にリセットすることができる。
特許文献3では、ボール位置のイニシャライズ動作を、電源投入時におけるズームやフォーカスのリセット動作に引き続いて又はこれと同時に行うとよいことが提案されている。
特開平10−319465号号公報(段落0026〜0039、図1,2等) 特開2001−290184号公報(段落0041〜0046、図5等) 特開2002−196382号公報(段落0074〜0084,0137〜0138、図5等)
しかしながら、一眼レフカメラシステムのように、撮影者がファインダを通して被写体をリアルタイムに観察する場合において、ファインダ観察中にボール位置のイニシャライズ動作を行うと、該イニシャライズ動作による被写体像の変位が観察されてしまう。したがって、撮影者に違和感を与えるおそれがある。
その一方、撮影者に違和感を与えるおそれのない状態であれば、できるだけ多くのタイミングでイニシャライズ動作を行い、可動ユニットの駆動抵抗が少ない状態を維持することが好ましい。
本発明は、防振ユニット(ボール位置)のイニシャライズ動作による被写体像の変位がファインダを通して撮影者に見えないようにすることができるとともに、可能な限りイニシャライズ動作を行うようにしたレンズ装置を提供することを目的の1つとしている。
本発明の一側面としてのレンズ装置は、光学ファインダを有する第1のカメラと、光学ファインダを有さない第2のカメラとに着脱可能に装着される。該レンズ装置は、防振のために固定ユニットに対して移動可能な可動ユニットと、該可動ユニットと固定ユニットとの間に配置され、可動ユニットの移動に伴い移動可能なボールとを有する防振ユニットを有する。さらに、該レンズ装置が第2のカメラに装着された場合は特定のタイミングで防振ユニットのボールを所定位置に移動させるためのイニシャライズ処理を行い、該レンズ装置が第1のカメラに装着された場合は、該特定のタイミングでのイニシャライズ処理を行わないように制御する制御手段を有することを特徴とする。
また、本発明の他の側面としてのレンズ装置は、電子ファインダを有するカメラに着脱可能に装着される。該レンズ装置は、防振のために固定ユニットに対して移動可能な可動ユニットと、該可動ユニットと固定ユニットとの間に配置され、可動ユニットの移動に伴い移動可能なボールとを有する防振ユニットを有する。さらに、電子ファインダが非表示状態にある場合は防振ユニットのボールを所定位置に移動させるためのイニシャライズ処理を行い、電子ファインダが表示状態にある場合はイニシャライズ処理を行わないように制御する制御手段を有することを特徴とする。
本発明では、ボールガイド式防振ユニットを搭載したレンズ装置において、装着されたカメラが光学ファインダを有する場合には、イニシャライズ処理を、光学ファインダを有さないカメラに装着された場合に比べて制限する。したがって、本発明によれば、レンズ装置が光学ファインダを有するカメラに装着された場合に、該イニシャライズ処理によってファインダ像の変動が撮影者に見えてしまうことを防止できる。また、光学ファインダを有さないカメラに装着された場合は、光学ファインダを有するカメラに装着された場合よりも多くのタイミングでイニシャライズ動作を行うことで、可動ユニットの駆動抵抗が少ない状態をイニシャライズ動作ごとに確保することができる。これにより、より精度が良好な防振動作を行うことができる。
また、ボールガイド式防振ユニットを搭載したレンズ装置において、装着されたカメラの電子ファインダが表示状態にある場合は、イニシャライズ処理を、電子ファインダが非表示状態にある場合に比べて制限する。したがって、本発明によれば、電子ファインダが表示状態である場合に、該イニシャライズ処理によってファインダ像の変動が撮影者に見えてしまうことを防止できる。また、電子ファインダが非表示状態である場合は、表示状態の場合よりも多くのタイミングでイニシャライズ処理を行うことで、可動ユニットの駆動抵抗が少ない状態をイニシャライズ処理ごとに確保することができる。これにより、より精度が良好な防振動作を行うことができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である交換レンズ(レンズ装置)を含むカメラシステムの構成を示している。本実施例のカメラシステムは、一眼レフカメラ101と、該カメラ101に着脱可能に装着される交換レンズ102とにより構成されている。
被写体からの光束は、交換レンズ102の撮影光学系を通り、カメラ101の内部に進む。撮影(画像記録)前の撮影準備状態では、該光束の一部は、クイックリターンミラー103の中央に設けられたハーフミラー部で反射され、不図示のピント板上に像を形成する。ピント板からの光は、ペンタプリズム104で正立像とされ、撮影者は、この正立像である被写体像を、光学ファインダ(以下、OVFという)105を通じて確認することができる。
このように交換レンズ102を通った光束により形成された被写体像を観察可能な状態で、後述する防振ユニットのイニシャライズ動作のための処理(イニシャライズ処理)が行われると、そのイニシャライズ動作による像変動が撮影者に視認されてしまう。このため、本実施例では、このようなイニシャライズ動作による像変動が観察されないようにするための対策を施しているが、これについて後述する。
106は測光回路であり、ピント板面上の照度を測定して、その測定結果をカメラシステム制御用MPU(以下、カメラコントローラという)107に入力する。カメラコントローラ107は、該測光結果に基づいて、露光時間や絞り値などの撮影条件を決定する。測光回路106内の測光センサは、複数のエリアに分割されており、エリアごとの測光結果を得ることができる。
108はサブミラーであり、クイックリターンミラー103の背後に配置されている。撮影準備状態においてクイックリターンミラー103のハーフミラー面を通過した光束は、サブミラー108で反射してAFユニット109に導かれる。
AFユニット109は、入射した光束によって形成された少なくとも一対の光学像を光電変換し、該光電変換信号間の位相差に基づいて撮影光学系のデフォーカス量を演算する。該デフォーカス量の情報は、カメラコントローラ107に出力される。カメラコントローラ107は、該デフォーカス量の情報に基づいて、交換レンズ102内のフォーカスレンズ125の目標駆動量と駆動方向を含むフォーカス駆動命令を作成する。
撮影動作においては、クイックリターンミラー103およびサブミラー108は、ペンタプリズム104側に移動して撮影光路から退避する。また、フォーカルプレーンシャッター110が、シャッター駆動回路111によって駆動される。これにより、被写体からの光束は、CCDセンサやCMOSセンサにより構成される撮像素子112面上に結像する。撮像素子112は被写体像を光電変換し、電荷を蓄積する。
113はタイミングジェネレータであり、撮像素子112の電荷蓄積動作、電荷の読み出し動作およびリセット動作などを制御する。
114は撮像素子112の蓄積電荷ノイズを低減するCDS回路(2重相関サンプリング回路)であり、115は読み出された電荷信号(撮像信号)を増幅するゲインコントロール回路である。116は増幅された撮像信号をアナログからデジタルの画像データへ変換するA/D変換器である。
117は映像信号処理回路であり、A/D変換器116でデジタル化された画像データに対して、フィルタ処理、色変換処理およびガンマ処理などを行う。映像信号処理回路117で信号処理された画像信号は、バッファメモリ118に格納され、LCD119に表示されたり、着脱可能なメモリカード120に記録されたりする。
152はカメラ10の電源の投入(ON)/遮断(OFF)を切り換えるためのメインスイッチである。121は操作部であり、ここには撮影モードや記録画像ファイルサイズ等の設定を行うダイヤルスイッチや、撮影準備動作および撮影動作を指示するレリーズスイッチ(SW1,SW2)が設けられている。
151はカメラ101の電源としてのバッテリである。メインスイッチ152のONによって、バッテリ105からの電源電力(メイン電源)はカメラコントローラ107等の各部に供給される。また、このメイン電源は、不図示のマウントに設けられた接点152,153を介して交換レンズ102にも供給される。一方、メインスイッチ152のOFFによって、交換レンズ102との所定の通信機能やカメラコントローラ107の所定の動作に必要なレベルの電力(OFF状態電源)の供給を残して、他の電力供給が遮断される。
カメラコントローラ107は、カメラ101の各種動作を制御するほか、インターフェース回路122および交換レンズ102側のインターフェース回路123を介して、レンズMPU(以下、レンズコントローラという)124と相互に通信する。この通信では、交換レンズ102へフォーカス駆動命令を送信したり、カメラ101や交換レンズ102の動作状態や光学情報などのデータを送受信したりする。
交換レンズ102には、撮影光学系の一部として、フォーカスレンズ125、ズームレンズ126、防振レンズ127および絞り128が配置されている。
フォーカスレンズ125は、ステッピングモータや振動型モータ等により構成されるフォーカス駆動モータ130により光軸方向に駆動されて焦点調節を行う。フォーカス駆動モータ130は、レンズコントローラ124からの制御信号を受けたフォーカス制御回路129によって制御される。フォーカス制御回路128には、フォーカスレンズ駆動回路のほか、フォーカスレンズ125の位置に応じた信号を出力するフォーカスエンコーダなども含まれている。
ズームレンズ126は、撮影者が不図示のズーム操作環を操作することにより光軸方向に移動し、変倍を行う。ズームエンコーダ131は、ズームレンズ126の位置に応じた信号を出力する。
防振レンズ127は、防振制御回路(以下、IS制御回路という)132によって制御されるリニアアクチュエータ133により駆動される。防振動作、すなわち像振れ補正動作は、次のように行われる。
角速度センサ135は、交換レンズ102(つまりはカメラシステム全体)のピッチ方向およびヨー方向の振れを検出する。角速度センサ135からの出力信号は、信号処理回路136で信号処理され後、レンズコントローラ124に入力される。レンズコントローラ124は、防振駆動目標位置を算出し、該目標位置と防振レンズエンコーダ134からの出力によって検出される防振レンズ127の位置との差に応じた駆動信号をIS制御回路132に出力する。このように、防振動作は、防振レンズエンコーダ134による検出位置をIS制御回路132にフィードバックすることで行われる。
絞り128は、ステッピングモータ138によりその開口径が変化するように駆動される。ステッピングモータ138は、レンズコントローラ124からの制御信号を受けた絞り制御回路137によって制御される。
139は防振機能の使用(ON)/不使用(OFF)を選択するためISスイッチである。
ここで、本実施例の防振レンズ127は、図2および図3に示すボールガイド式の防振ユニットに組み込まれている。
防振ユニット200は、防振レンズ127を、ピッチ方向(垂直方向)とヨー方向(水平方向)に移動させて、これら2方向の像振れを補正する。防振ユニット200は、防振レンズ127をピッチ方向に駆動するためのピッチ防振アクチュエータと、防振レンズ127をヨー方向に駆動するためのヨー防振アクチュエータとを備えており、これらアクチュエータは互いに独立して制御される。ピッチ防振およびヨー防振アクチュエータは、図1に示したリニアアクチュエータ133に相当する。
また、防振ユニット200には、可動ユニットのピッチ方向Pでの位置を検出するピッチ方向位置検出系と、ヨー方向Yでの位置を検出するヨー方向位置検出系とを有する。そして、両防振アクチュエータおよび両位置検出系はそれぞれ、同一の構成を有して90度配置が異なるだけである。このため、以下では、防振アクチュエータおよび位置検出系に関してはピッチ方向Pについてのみ説明する。
なお、図中において、添え字pが付された符号で示される構成要素はピッチ方向に関するものであり、添え字yが付された符号で示される構成要素はヨー方向に関するものである。
13は防振ユニット200の前側の固定部材であるベース部材であり、交換レンズ102の本体に固定される。14は圧縮コイルバネであり、その近傍に配置される後述する位置検出用および駆動用磁石に吸引されない材質、例えばリン青銅線により形成されている。コイルバネ14の前側の端部14aは、該コイルバネ14の径方向外方に折り曲げられている。
15は防振レンズ127を保持するシフト鏡筒である。該シフト鏡筒15には、圧縮コイルバネ14における光軸方向前側の端部が防振レンズ127の光軸と略同軸となるように係合し、該コイルバネ14の端部14aはシフト鏡筒15に設けられたV溝部15dに係合している。
16a,16b,16cはベース部材13とシフト鏡筒15との間に挟まれた3つのボールである。各ボールは、その近傍に配置される駆動用磁石に吸引されない材質、例えばSUS304(オーステナイト系のステンレス鋼)により形成されている。ボール16a,16b,16cが当接している面は、ベース部材13側がそれぞれ13a,13b,13c、シフト鏡筒15側がそれぞれ15a,15b,15cである。各当接面は、撮影光学系の光軸に対して直交する面である。3つのボール16a,16b,16cの外径が同じ場合は、3箇所にて光軸方向に対向する当接面間の距離差を小さく抑えることにより、防振レンズ127を光軸に対して直交する姿勢を維持したままで、移動案内が可能となる。
17は後側の固定部材であるセンサベースであり、2本の位置決めピンで位置を決められ、2本のビスでベース部材13に結合される。圧縮コイルバネ14の後端部はセンサベース17に係合し、センサベース17に接着等で固定される。また、圧縮コイルバネ14は、シフト鏡筒15とセンサベース17との間で圧縮されている。これにより、シフト鏡筒15とベース部材13の各当接面が3つのボール16a,16b,16cに圧接する。
また、3つのボール16a,16b,16cと当接面との間には潤滑油が配置されている。潤滑油は、各ボールがベース部材13とシフト鏡筒15とにより挟持されていない状態でも、各ボールが当接面から容易に脱落しない程度の粘度を有する。これにより、コイルバネ14の付勢力を上回る慣性力がシフト鏡筒15に働き、ボールが非挟持状態になっても、ボールの位置が容易にずれるのを防止できる。
次に、ピッチ方向防振アクチュエータの構成について説明する。18pは光軸を中心とする放射方向に2極着磁された駆動用磁石である。19pは駆動用磁石18pの光軸方向前側の磁束を閉じるためのヨークである。20pはシフト鏡筒15に接着により固定されたコイルである。
21は駆動用磁石18pの光軸方向後側の磁束を閉じるためのヨークである。該ヨーク21は、駆動用磁石18pとの間にコイル20pが移動する空間を形成するように、ベース部材13に磁力により固定されている。これにより、閉磁気回路が形成される。
コイル20pに電流を流すと、駆動用磁石18pの着磁境界に対して略直交する方向に、磁石18pとコイル20pに発生する磁力線相互の反発によるローレンツ力が発生し、シフト鏡筒15を移動させる。この構成は、いわゆるムービングコイル型と呼ばれる。
そして、防振ユニット200には、以上のピッチ方向防振アクチュエータと同じ構成のヨー方向防振アクチュエータが配置されている。これにより、防振レンズ127およびシフト鏡筒15により構成される可動ユニットを光軸に直交し、かつ互いに直交するピッチ方向およびヨー方向に駆動することができる。
ここで、図4を用いて、ボール16bに対するベース部材13と可動ユニット(シフト鏡筒15)との関係について説明する。なお、他のボール16a,16cについても同一の関係となっている。
図4(a)では、シフト鏡筒15がその可動中心位置(防振レンズL1の光軸がレンズユニット120の光軸と一致又は実質的に一致する位置)にある。また、ボール16bも、ベース部材13の当接面13bの周囲に形成された枠部13dによって決められるボール移動範囲の中心に位置している。枠部13dは、ボール移動範囲を超えてボール16bが移動しないようにするための制限部である。
この状態からシフト鏡筒15が下向き矢印方向に駆動された状態を、図4(b)に示す。シフト鏡筒15は、ベース部材13に設けられた不図示の機械端まで駆動され、可動中心位置からaだけ移動している。
ボール16bはベース部材13およびシフト鏡筒15とによって挟持されているので、図4(a)の位置から矢印方向に転がって、図4(b)に示す位置に移動する。ボール16bの転がり摩擦は滑り摩擦に対して十分小さく、ボール16bと当接面13b,15bとは滑ることはない。このため、シフト鏡筒15は、ボール16bの転がりによってガイドされながらベース部材13に対して移動する。このとき、ボール16bの中心に対して、シフト鏡筒15とベース部材13とは相対的に反対方向に移動している。したがって、ベース部材13に対するボール16bの移動量は、シフト鏡筒15の移動量の半分となる。つまり、図4(b)に示すように、ボール16bの移動量bは、aの半分(a÷2)となる。
図4(c)は、図4(a)の状態を光軸方向後側から見たときのベース部材13とボール16bを示す。ボール16bは、ピッチ方向およびヨー方向の移動範囲の中心に位置している。ボール16bおよび当接面13bの周囲には、枠部13dが示されている。枠部13dの内側面間の距離、すなわちボール移動範囲のピッチ方向およびヨー方向の大きさは、ボール16bの半径をrとすると、中心から(r+b+c)で表わされる。なお、cは機械的な余裕量である。
ボール16bが図4(c)に示すボール移動範囲の中心からc以上ずれた位置にある場合において、図4(b)に示すようにシフト鏡筒15が駆動されると、ボール16bはシフト鏡筒15がaだけ動いて機械端に当接する前に枠部13dの内側面に当接する。そして、ボール16bが枠部13dの内側面に当接した後は、シフト鏡筒15はボール16bに対して滑りながら機械端まで駆動されることになる。この状態から、シフト鏡筒15を可動中心位置まで戻すと、ボール16bはボール移動範囲の中心からcの距離の位置まで転がって戻る。
このように、シフト鏡筒15を機械端まで駆動した後に可動中心位置まで戻すことにより、最初にボール16bがどの位置にあっても、図4(d)に示すように、ボール16bの中心はボール移動範囲の中心から距離cの辺を有する矩形領域内に位置する。すなわち、ボール16bは、ボール移動範囲の中心近傍である初期位置(リセット位置)に戻る。
この一連の動作を、本実施例では、ボールのリセット動作(イニシャライズ動作:第1の動作)という。なお、このイニシャライズ動作は、振動センサ117の出力に基づく防振ユニット200の防振動作とは別の動作として行われる。
シフト鏡筒15をピッチ方向およびヨー方向に同時に同じ量だけ駆動すると、ピッチ方向およびヨー方向に対して45度をなす方向に各方向の駆動量の√2倍の位置まで移動する。このため、実際の使用状態では、シフト鏡筒15はピッチ方向およびヨー方向に完全に独立に駆動されるわけではなく、他方の位置を考慮して、光軸を中心とした円形若しくは円形に近い多角形の範囲内でシフト鏡筒15の駆動が行われる。そして、3つのボール16a,16b,16cは、該範囲の形状に相似で、半分の大きさを有する範囲内で転がり運動をする。
なお、ボール移動範囲は、ピッチ方向とヨー方向に平行な辺を持つ矩形である。仮にボール移動範囲が、上述した実使用状態でのボールの動く範囲に従った円形又は多角形の形状であると、リセット動作を行ってもボールが枠部13dに当接する位置まで移動せずに、正しいリセット動作ができない場合が生じてしまうので、好ましくない。
本実施例では、ボール移動範囲を、ピッチ方向とヨー方向に平行な辺を持つ矩形としている。そして、ボールを隣り合う2辺(隅部)に対して片寄せしたときに、該ボールと他の2辺との間の隙間が、シフト鏡筒15の該他の2辺方向への機械的な最大可動量又は実使用時の最大移動量の半分より若干大きくなるようにボール移動範囲を設定する。このような設定下でボールのリセット動作を行えば、実使用時にはボールが枠部13dに当たらず、ボールの転がりのみでシフト鏡筒15の案内が可能となる。
また、前述したように、ボールと当接面との間に潤滑油を配置することで、ボールと当接面との滑り摩擦を小さくし、可動ユニットの位置制御への影響を小さくすることができる。
なお、本実施例では、ボールの移動範囲を制限する枠部13dをベース部材13に設けた場合について説明したが、これをシフト鏡筒15に設けてもよい。また、本実施例では、3つのボールを使用した場合について説明したが、本発明においてボールの数はこれに限られない。
次に、図1に示した位置検出手段としての防振レンズエンコーダ134について説明する。
図2および図3において、22pと22yはそれぞれ光軸を中心とする放射方向に2極に着磁された検出用磁石である。23pと23yは検出用磁石22p,22yの前側に配置された、磁束を閉じるためのヨークである。これら検出用磁石22p,22yおよびヨーク両23pと23yは、シフト鏡筒15に固定されている。
24pと24yは磁束密度の変化を電気信号に変換するホール素子であり、センサベース17に位置決め固定されている。
25はピッチ方向位置検出系を構成するコイル20pおよびホール素子24pを外部回路に電気的に接続するためのフレキシブル基板である。該フレキシブル基板25は、25aの部分で折り返されている。また、26pの部分の光軸方向前側にはホール素子24pが実装されている。ホール素子24pは、センサベース17に固定されている。
上記折り返された部分はさらに3個所の曲げ部を有し、その先端部27pに形成された穴部28pには、シフト鏡筒15に形成されたピン29pが挿入されている。先端部27pはピン29pの周りにおいて回転自在である。さらに、先端部27pに設けられたランド部30p,31pには、コイル20pの端子が半田付けされる。
なお、ヨー方向位置検出系は、コイル20yおよびセンサベース17に固定されたホール素子24yにより構成され、これらもフレキシブル基板25によって外部回路に電気的に接続されている。
32はフレキシブル基板25をセンサベース17に固定するための押さえ板であり、1本のビスによりセンサベース17に固定されている。
以上のように構成されるピッチ方向とヨー方向の防振レンズエンコーダ134によってシフト鏡筒15のピッチ方向とヨー方向のそれぞれの位置が検出される。
ここで、図5には、検出用磁石22pの後側の磁束の状態を示している。図5において、横軸は光軸を中心とした放射方向での位置を、縦軸は磁束密度を示している。
横軸の中央位置に、検出用磁石22pの2極着磁の境界部分が位置する場合、磁束密度は零(0)となる。この状態では、防振レンズ127の光軸が撮影光学系の他のレンズの光軸に対して略一致する。
図5において、二点鎖線で挟まれた範囲内では、磁束密度が実用上問題とならない程度に直線的に変化する。この磁束密度変化に応じた電気信号をホール素子から出力させることにより、防振レンズ127の位置を検出することができる。
以上のように構成されたボールガイド式の防振ユニットでは、防振動作の開始前にイニシャライズ動作を行うことが望ましい。しかし、イニシャライズ動作では、シフト鏡筒15(防振レンズ127)をピッチおよびヨー方向に両側の機械端まで駆動してから中心位置まで戻す。このため、このイニシャライズ動作によって像がピッチおよびヨー方向に動く。そして、その像の動きがOVF105を通して撮影者に観察されてしまい、撮影者に不快感を与えてしまうおそれがある。
しかしながら、交換レンズ102をカメラ101に装着するときには、撮影者がOVF105を見ている可能性は少ない。したがって、このタイミングでイニシャライズ動作を行えば、撮影者に不快感を与える可能性は少ない。
一方、図6に示すようにOVFを備えていないカメラ141に、交換レンズ102が装着された場合を考える。図6に示すカメラ141は、LCD119に被写体の画像を表示する電子ビューファインダ(以下、EVFという)を備えており、撮影者はEVFに表示された被写体画像を観察しながら撮影を行う。なお、図6のカメラ141において、図1のカメラ101と共通する構成要素には、図1と同符号を付して説明に代える。
LCD119は、メインスイッチ152がOFFされている場合と、EVFの表示(ON)/非表示(OFF)を切り換えるスイッチがOFFされている場合は表示を行わない。すなわち、上記スイッチのいずれかがOFFの場合は、交換レンズ102を通る光束によって形成される被写体像を撮影者が観察することはできない。
このため、交換レンズ102が、OVFを備えずEVFを備えたカメラ141に装着された場合は、第1に、メインスイッチ152をOFFからONに切り換えた際(メイン電源投入時)にイニシャライズ動作を行うことが考えられる。すなわち、メインスイッチ152をONに切り換えた後、LCD119が被写体画像の表示を行う前にイニシャライズ動作を行えば、撮影者に不快感を与えることはない。
以上の考え方に基づいた本実施例の交換レンズ102の動作を、図7、図8および図9のフローチャートに従って説明する。なお、この動作は、レンズコントローラ124に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。また、以下の説明では、OVFを備えたカメラ101をOVFカメラといい、OVFを備えずEVFを備えたカメラをEVFカメラという。
交換レンズ102が、メインスイッチ152がOFF状態であるOVFカメラ101又はEVFカメラ141に装着されると、レンズコントローラ124には、バッテリ151からOFF状態電源が供給され、図7のステップ200から動作を開始する。
(ステップ200)
レンズコントローラ124は、レンズ制御および防振制御のための初期設定を行う。
(ステップ201)
カメラとの通信により、カメラの型番等を含むカメラID情報を取得する。ここで取得したカメラID情報より、後述するステップ206において、該交換レンズ102が装着されたカメラが、OVFカメラ101か、EVFカメラ141かを判定することができる。
(ステップ202)
レンズコントローラ124は、IS制御回路132を通じてリニアアクチュエータ133を制御して、防振ユニット200のイニシャライズ動作を行う。イニシャライズ動作の内容は前述した通りである。本実施例では、このようにカメラへの装着に応じたタイミングでは、そのカメラがOVFカメラ101かEVFカメラ141かにかかわらず、必ずイニシャライズ動作を行う。カメラへの装着に応じたタイミングとは、カメラへの装着時点だけでなく、これを含む期間(本実施例では、メインスイッチ152がOFFからONに切換え操作される前までの期間)を意味する。これについては後述する実施例でも同様である。
(ステップ203)
イニシャライズ動作を完了すると、イニシャライズ完了フラグTD_INITを1にセットする。
(ステップ204)
レンズコントローラ124は、各種スイッチの状態検出や、ズームレンズ126およびフォーカスレンズ125の位置検出を行う。スイッチには、オートフォーカスとマニュアルフォーカスを切り換えるスイッチや、ISスイッチ139などがある。
(ステップ205)
レンズコントローラ124は、カメラのメインスイッチ152がONかどうかを判定する。これは、後述のシリアル通信割込み処理において判別される。メインスイッチ152がOFFの場合はステップ206へ進む。一方、メインスイッチ152がONであった場合はステップ208へ進む。
(ステップ206)
レンズコントローラ124は、該交換レンズ102が装着されたカメラがOVFカメラ101であるかどうかを判定する。これは、ステップ201で取得したカメラID情報により判別される。OVFカメラ101であれば、ステップ211へ進み、EVFカメラ141であればステップ207へ進む。
(ステップ207)
交換レンズ102はEVFカメラ141に装着されているので、レンズコントローラ124は、イニシャライズ完了フラグTD_INITを0にクリアする。そして、ステップ211に進む。
(ステップ208)
レンズコントローラ124は、イニシャライズ完了フラグTD_INITが1であるか否か、つまりイニシャライズ動作が完了したか否かを判定する。完了していればステップ211へ進み、完了していなければステップ209へ進む。
(ステップ209)
ステップ202と同様に、レンズコントローラ124は、IS制御回路132を通じてリニアアクチュエータ133を制御して、防振ユニット200のイニシャライズ動作を行う。このステップでのイニシャライズ動作は、交換レンズ102がEVFカメラ141に装着されている場合にのみ行われる。そして、ステップ210に進む。本実施例では、このように、交換レンズ102が装着されたカメラがEVFカメラ141である場合は、メインスイッチ152のOFFからONへの切り換えに応じたタイミングで、イニシャライズ動作を行う。メインスイッチ152のOFFからONへの切り換えに応じたタイミングとは、該切り換え時点だけでなく、これを含む期間(例えば、LCD119でのEVF表示が開始される前までの期間)を意味する。これについては後述する他の実施例でも同様である。
(ステップ210)
イニシャライズ動作が完了したので、イニシャライズ完了フラグTD_INITを1にセットする。そして、ステップ211に進む。
(ステップ211)
レンズコントローラ124は、カメラからフォーカス駆動命令を受信したか否かを判定する。フォーカス駆動命令を受信した場合はステップ212へ、受信していなければステップ216へ進む。
(ステップ212)
カメラからのフォーカス駆動命令には、フォーカスレンズ125の目標駆動量および駆動方向の情報が含まれる。レンズコントローラ124は、フォーカス制御回路29内のフォーカスエンコーダ(図示せず)によってフォーカス駆動モータ130の駆動パルス数をカウントすることができる。このため、レンズコントローラ124は、該駆動パルスカウント値が目標駆動量に対応するパルス数(以下、目標パルス数という)になるまでフォーカス駆動モータ130を駆動し、フォーカス制御を行う。
(ステップ213)
次に、レンズコントローラ124は、駆動パルスカウント値が目標パルス数Pに達したか否かを判定する。目標パルス数Pに達していればステップ214へ、達していなければステップ215へ進む。
(ステップ214)
駆動パルスカウント値が目標パルス数Pに達したので、レンズコントローラ124は、フォーカスレンズ125の駆動を停止させる。そして、ステップ216に進む。
(ステップ215)
駆動パルスカウント値が目標パルス数Pに達していないので、残りの駆動パルス数に応じて、フォーカス駆動モータ130の速度設定を行う。残り駆動パルス数が少なくなるにしたがって減速させていく。そして、ステップ216に進む。
(ステップ216)
レンズコントローラ124は、カメラから全駆動停止、すなわち交換レンズ102内の全アクチュエータの駆動を停止する命令を受信したか否かを判定する。カメラ側で何も操作がなされない状態が所定時間続くと、カメラからこの全駆動停止命令が送信される。全駆動停止命令を受信した場合はステップ217に進み、受信しない場合はステップ204に戻る。
(ステップ217)
レンズコントローラ124は、全駆動停止制御を行う。ここでは、全アクチュエータの駆動を停止し、レンズコントローラ124自身もスリープ状態になる。防振ユニット200への給電も停止する。その後、カメラ側で何らかの操作が行われると、カメラは交換レンズ200にスリープ解除命令を送信するため、レンズコントローラ124はスリープ状態を解除する。
このスリープ状態の間に、カメラからのシリアル通信割込みやIS制御割込みの要求があれば、それらの割込み処理を行う。
シリアル通信割込み処理は、通信データのデコードを行い、デコード結果に応じて、絞り駆動、フォーカスレンズ駆動などのレンズ処理を行う。そして、通信データのデコードによって、カメラのメインスイッチ152のON、レリーズスイッチのSW1ON,SW2ONおよびシャッター速度等も判別できる。
また、IS制御割込みは、一定周期毎に発生するタイマー割り込みであり、該割込みの処理によって、防振ユニット200のピッチ方向とヨー方向の駆動を行う。
ここで、シリアル通信割り込みについて、図8のフローチャートを用いて説明する。レンズコントローラ124は、カメラからシリアル通信割込み要求を受信すると、ステップ300から動作を開始する。
(ステップ300)
レンズコントローラ124は、カメラからの命令(コマンド)解析を行い、各命令に応じた処理に進む。
(ステップ301)
カメラからフォーカス駆動命令を受信した場合は、次のステップ302に進む。
(ステップ302)
レンズコントローラ124は、目標パルス数に応じて、フォーカス駆動モータ130の速度設定を行い、フォーカスレンズ125の駆動を開始する。
(ステップ303)
カメラから絞り駆動命令を受信した場合は、ステップ304に進む。
(ステップ304)
レンズコントローラ124は、カメラから送信されてきた絞り駆動データを基に絞り128を駆動する。具体的には、ステッピングモータ138の駆動パターンを設定し、該駆動パターンに応じて絞り制御回路137を介してステッピングモータ138を動作させる。これにより、絞り128を駆動する。
(ステップ305)
カメラからレンズステータス通信を受信した場合は、ステップ306に進む。
(ステップ306)
レンズコントローラ124は、このステップで、レンズの焦点距離情報や防振ユニット200の動作状態などを示す情報をカメラに送信する。また、カメラからは、該カメラのステータス状態(メインスイッチ152やレリーズスイッチの状態およびEVFの表示状態など)に関する情報を受信する。
(ステップ307)
カメラからID情報を受信した場合は、ステップ308に進む。
(ステップ308)
レンズコントローラ124は、前述したカメラのID情報を受信したり、交換レンズ102のID情報をカメラに送信したりする。受信したデータは、レンズコントローラ124内のRAMに格納する。この処理は、交換レンズ102がカメラに装着された時点(ステップ201)で行うものと同じである。
(ステップ309)
カメラから、上記以外の命令、例えば交換レンズ120のフォーカス敏感度データや交換レンズ102の光学データなどのカメラ側への送信要求を受信した場合は、ステップ310でそれらに対する送信を行う。
次に、IS制御割込みについて、図9のフローチャートを用いて説明する。
IS制御割込みが発生すると、レンズコントローラ124は、図9のステップ400からIS制御を開始する。
(ステップ400)
レンズコントローラ124は、信号処理回路136で処理された角速度センサ135からの出力信号をA/D変換する。
(ステップ401)
次に、レンズコントローラ124は、低周波成分をカットするため、ハイパスフィルタ演算を行う。演算開始から所定時間はハイパスフィルタの時定数切り換えを行い、早急に信号が安定するための動作も行う。
(ステップ402)
次に、レンズコントローラ124は、ハイパスフィルタの演算結果を入力として積分演算を行う。この結果は、角変位データである。
(ステップ403)
次に、レンズコントローラ124は、ズームレンズ位置およびフォーカスレンズ位置に応じた防振敏感度のデータをレンズコントローラ124内のメモリから読み出し、防振レンズ127の目標駆動量(像振れを打ち消す方向への駆動量)SFTDRVを算出する。
(ステップ404)
次に、レンズコントローラ124は、防振レンズ27の移動量を検出する防振レンズエンコーダ34の信号をA/D変換する。そして、該A/D変換の結果をレンズコントローラ124内のRAM領域に検出移動量SFTPSTとして格納する。
(ステップ405)
次に、レンズコントローラ124は、フィードバック演算(SFTDRV−SFTPST)を行う。そして、演算結果を、RAM領域に差分値SFT_DTとして格納する。
(ステップ406)
次に、レンズコントローラ124は、ループゲインLPG_DTとステップ412での演算結果である差分値SFT_DTとを乗算する。そして、演算結果をRAM領域に駆動パルスSFT_PWMとして格納する。
(ステップ407)
さらに、レンズコントローラ124は、安定な制御系にするために、駆動パルスSFT_PWMに対して位相補償演算を行う。
(ステップ408)
そして、レンズコントローラ124は、ステップ407の演算結果を、出力パルスPWMとして出力し、IS制御割込みを終了する。出力パルスPWMは、IS制御回路132内のドライバー回路に入力され、該ドライバー回路によってリニアモータ133が駆動されることで、防振レンズ127が移動し、像振れ補正が行われる。
以上説明したように、本実施例では、交換レンズ102が装着されたカメラがOVFカメラ101であれば、該カメラに対する装着に応じたタイミング(メインスイッチ152のオン前のタイミング)でのみ防振ユニットのイニシャライズ動作を行う。一方、該交換レンズ102が装着されたカメラがEVFカメラ141である場合は、該カメラに対する装着に応じたタイミングとカメラにおいてメインスイッチ152がOFFからONに切り換えられたことに応じたタイミングでイニシャライズ動作を行う。
これにより、交換レンズ102がOVFカメラ101とEVFカメラ141のいずれに装着された場合でも、イニシャライズ動作に伴うファインダ像の変動が観察されることなく、イニシャライズ動作を行うことができる。したがって、防振ユニット200の駆動抵抗が少ない状態を確保して精度の良い防振を行うことができる。
実施例1では、交換レンズがOVFカメラに装着された場合もEVFカメラに装着された場合のいずれも、交換レンズのカメラへの装着に応じたタイミングで防振ユニットのイニシャライズ動作を行う場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、上記いずれの場合も交換レンズのカメラへの装着に応じたタイミングでイニシャライズ動作を行わないようにしてもよい。
この場合のレンズコントローラ124の動作を、本発明の実施例2として、図10のフローチャートに示す。
本実施例は、実施例1において図7に示した動作に対して、交換レンズのカメラへの装着に応じたタイミングでのイニシャライズ動作を行わせるステップ202がない点で異なる。他のステップは同じである。これにより、本実施例では、交換レンズ102が装着されたカメラがOVFカメラ101であれば、防振ユニット200のイニシャライズ動作は行われない。一方、該交換レンズ102が装着されたカメラがEVFカメラ141である場合は、該カメラにおいてメインスイッチ152のOFFからONへの切り換えに応じたタイミングでのみイニシャライズ動作が行われる。
これにより、交換レンズ102がEVFカメラ141に装着された場合は、イニシャライズ動作に伴うファインダ像の変動を観察されることなく、イニシャライズ動作を行うことができる。一方、OVFカメラ101に装着された場合は、イニシャライズ動作自体が行われないので、少なくともイニシャライズ動作に伴うファインダ像の変動が観察されることを確実に回避することができる。例えば、カメラへのレンズ装着時にも撮影者がOVFを見ることが想定される場合に効果的である。
実施例1では、メインスイッチ152がOFFからONに切り換えられたことに応じたタイミングでのイニシャライズ動作を行うか否かを、該交換レンズが装着されたカメラがEVFカメラか否かに応じて決定する場合について説明した。しかし、メインスイッチ152のOFFからONへの切り換えとは関係なく、イニシャライズ動作を行うか否かを、カメラがEVFカメラか否かに応じて決定するようにしてもよい。
この場合のレンズコントローラ124の動作を、本発明の実施例3として、図11のフローチャートを示す。なお、図11において、図7のフローチャートのステップと同じ内容のステップについては、図7と同符号を付して説明に代える。
本実施例では、図7に示したフローチャートにおいて、ステップ202,203,205〜210を削除し、ステップ201とステップ204との間にステップ502およびステップ503を追加したものに相当する。
ステップ502では、ステップ201で取得したカメラID情報に基づいて、該交換レンズが装着されたカメラがOVFカメラ101であるか、EVFカメラ141かが判定される。
そして、EVFカメラであれば、ステップ503で、防振ユニットのイニシャライズ動作が行われる。一方、OVFカメラである場合は、イニシャライズ動作は行われない。
本実施例によれば、実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1では、交換レンズが、EVFカメラに装着された場合に、メインスイッチ152のOFFからONへの切り換えに応じたタイミングでイニシャライズ動作を行う場合について説明した。しかし、EVFの表示/非表示によってイニシャライズ動作を行うか否かを変えてもよい。これは、前述したように、EVFの表示(ON)/非表示(OFF)を切り換えるスイッチがOFFされていれば、メインスイッチ152がONであってもEVFは表示状態にならず、撮影者は被写体画像を見ることがないためである。
この場合の動作を、本発明の実施例4として、図12に示すフローチャートを用いて説明する。このフローにおいて、ステップ200からステップ204まで、およびステップ211からステップ217までは、実施例1の図7に示したフローチャートと同じである。
ステップ202においては、交換レンズ102が装着されたカメラがOVFカメラ101であってもEVFカメラ141であっても、カメラへの装着に応じたタイミングで防振ユニット200のイニシャライズ動作が行われる。そして、ステップ204からはステップ601に進む。
(ステップ601)
レンズコントローラ124は、該交換レンズ102が装着されたカメラが、OVFカメラ101であるかEVFカメラ141かを判定する。これは、ステップ201でカメラから取得したカメラID情報により判別される。OVFカメラ101であれば、ステップ211へ進み、EVFカメラ141であればステップ602へ進む。
(ステップ602)
EVFカメラ141のEVFが表示状態か非表示状態かを判定する。EVFの状態を示す情報は、実施例1の図8のフローチャートにおけるステップ305およびステップ306で行われるカメラとのステータス通信によって得られる。EVFの状態を示す情報として、カメラのメインスイッチ152がONか否かの情報を用いてもよい。EVFが表示状態であればステップ603へ進み、非表示状態であればステップ604へ進む。
(ステップ603)
EVFが表示状態であるので、レンズコントローラ124は、イニシャライズ完了フラグ TD_INITを0にクリアする。
(ステップ604)
EVFが非表示状態であるので、イニシャライズ完了フラグ TD_INITが1であるか否か、つまり防振ユニット200のイニシャライズ動作が完了したか否かを判定する。完了していればステップ211へ進み、完了していなければステップ605へ進む。
(ステップ605)
防振ユニット200のイニシャライズ動作を行う。そして、ステップ606に進む。
(ステップ606)
イニシャライズ動作が完了したので、イニシャライズ完了フラグ TD_INITを1にセットする。そして、ステップ211に進む。
本実施例によれば、EVFカメラ141に交換レンズ102が装着された場合に、EVFが非表示状態であれば、メインスイッチ152がONされていても(もちろんOFFの場合も)、防振ユニット200のイニシャライズ動作を行うことができる。そして、これによる被写体像の変動が撮影者に観察されてしまうこともない。
実施例4では、交換レンズがOVFカメラに装着された場合もEVFカメラに装着された場合のいずれも、交換レンズのカメラへの装着に応じたタイミングで防振ユニットのイニシャライズ動作を行う場合について説明した。しかし、上記いずれの場合も交換レンズのカメラへの装着に応じたタイミングでイニシャライズ動作を行わないようにしてもよい。
この場合の動作を図13のフローチャートに示す。このフローチャートは、実施例4の図12のフローチャートからステップ202を削除したものに相当し、その他のステップは実施例4と同じである。
これにより、交換レンズ102がEVFカメラ141に装着された場合は、イニシャライズ動作に伴うファインダ像の変動を観察されることなく、イニシャライズ動作を行うことができる。一方、OVFカメラ101に装着された場合は、イニシャライズ動作自体が行われないので、少なくともイニシャライズ動作に伴うファインダ像の変動が観察されることを確実に回避することができる。例えば、カメラへのレンズ装着時にも撮影者がOVFを見ることが想定される場合に効果的である。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、請求項に記載の範囲内で種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記各実施例では、EVFを持たないOVFカメラ101について説明した。しかし、AFユニット109への導光方法を工夫することで、クイックリターンミラー103のハーフミラー部を透過した光を撮像素子112に導き、EVF機能を持たせることができる。この場合、EVF使用時には、OVF105への光路を遮光し、OVF105による被写体観察を行えなくすることが考えられる。このような場合、レンズコントローラは、OVFカメラとのステータス通信によってOVFが不使用状態であること(EVFが使用状態であること)を判定する。そして、このEVF付きOVFカメラを各実施例中に示したEVFカメラと同様に扱うようにしてもよい。例えば、メインスイッチのOFFからONへの切り換え後、EVFが表示状態となる前の非表示状態において防振ユニットのイニシャライズ動作を行うようにしてもよい。
本発明の実施例1である交換レンズとOVFカメラにより構成されるカメラシステムを示すブロック図。 実施例1の交換レンズに搭載された防振ユニットの分解斜視図である。 実施例1の交換レンズに搭載された防振ユニットの分解斜視図である。 実施例1の防振ユニットにおけるボールとシフトベースとシフト鏡筒との関係を示す図。 実施例1の防振ユニットにおける検出用磁石からの磁束の状態を示す図。 実施例1の交換レンズとEVFカメラにより構成されるカメラシステムを示すブロック図。 実施例1の交換レンズの動作を示すフローチャート。 実施例1の交換レンズの動作を示すフローチャート。 実施例1の防振ユニットの制御動作を示すフローチャート。 本発明の実施例2である交換レンズの動作を示すフローチャート。 本発明の実施例3である交換レンズの動作を示すフローチャート。 本発明の実施例4である交換レンズの動作を示すフローチャート。 本発明の実施例5である交換レンズの動作を示すフローチャート。
符号の説明
101 OVFカメラ
102 交換レンズ
103 クイックリターンミラー
105 光学ファインダ(OVF)
107 カメラコントローラ
108 サブミラー
112 撮像素子
119 LCD
124 レンズコントローラ
125 フォーカスレンズ
126 ズームレンズ
127 防振レンズ
132 IS制御回路
133 防振リニアアクチュエータ
134 防振レンズエンコーダ
135 角速度センサ
139 ISスイッチ
141 EVFカメラ

Claims (9)

  1. 光学ファインダを有する第1のカメラと、光学ファインダを有さない第2のカメラとに着脱可能に装着されるレンズ装置であって、
    防振のために固定ユニットに対して移動可能な可動ユニット、および該可動ユニットと前記固定ユニットとの間に配置され、前記可動ユニットの移動に伴い移動可能なボールを有する防振ユニットと、
    該レンズ装置が前記第2のカメラに装着された場合は、特定のタイミングで前記防振ユニットの前記ボールを所定位置に移動させるためのイニシャライズ処理を行い、該レンズ装置が前記第1のカメラに装着された場合は、前記特定のタイミングでの前記イニシャライズ処理を行わないように制御する制御手段とを有することを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記特定のタイミングは、該レンズ装置の前記カメラへの装着に応じたタイミングであることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記特定のタイミングは、該レンズ装置が前記カメラに装着され、かつ電源スイッチの電源遮断状態から電源投入状態への切り換えに応じたタイミングであることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  4. 前記制御手段は、該レンズ装置が前記第1のカメラに装着された場合は、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで前記イニシャライズ処理を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のレンズ装置。
  5. 前記制御手段は、該レンズ装置が前記第1のカメラに装着された場合および前記第2のカメラに装着された場合に、前記特定のタイミングとは異なるタイミングで前記イニシャライズ処理を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のレンズ装置。
  6. 前記特定のタイミングは、該レンズ装置の前記カメラへの装着に応じたタイミングであり、
    前記特定のタイミングと異なるタイミングは、電源スイッチの電源遮断状態から電源投入状態への切り換えに応じたタイミングであることを特徴とする請求項4又は5に記載のレンズ装置。
  7. 電子ファインダを有するカメラに着脱可能に装着されるレンズ装置であって、
    防振のために固定ユニットに対して移動可能な可動ユニット、および該可動ユニットと前記固定ユニットとの間に配置され、前記可動ユニットの移動に伴い移動可能なボールを有する防振ユニットと、
    前記電子ファインダが非表示状態にある場合は、前記防振ユニットの前記ボールを所定位置に移動させるためのイニシャライズ処理を行い、前記電子ファインダが表示状態にある場合は、前記イニシャライズ処理を行わないように制御する制御手段とを有することを特徴とするレンズ装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載のレンズ装置と、
    該レンズ装置が着脱可能に装着されるカメラとを有することを特徴とするカメラシステム。
  9. 請求項1から6のいずれか1つに記載のレンズ装置と、
    該レンズ装置が着脱可能に装着されるカメラであって、光学ファインダを有する第1のカメラおよび光学ファインダを有さない第2のカメラとを有することを特徴とするカメラシステム。
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