JP2003218612A - 誘電体線路、高周波回路、および高周波回路装置 - Google Patents

誘電体線路、高周波回路、および高周波回路装置

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JP2003218612A
JP2003218612A JP2002306164A JP2002306164A JP2003218612A JP 2003218612 A JP2003218612 A JP 2003218612A JP 2002306164 A JP2002306164 A JP 2002306164A JP 2002306164 A JP2002306164 A JP 2002306164A JP 2003218612 A JP2003218612 A JP 2003218612A
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dielectric strip
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Atsushi Saito
篤 斉藤
Hidemasa Iwami
秀雅 岩見
Shinichi Tamura
伸一 田村
Hideki Imura
英樹 井村
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P3/00Waveguides; Transmission lines of the waveguide type
    • H01P3/12Hollow waveguides
    • H01P3/122Dielectric loaded (not air)
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P3/00Waveguides; Transmission lines of the waveguide type
    • H01P3/16Dielectric waveguides, i.e. without a longitudinal conductor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で、電気的特性のばらつきが抑え
られ、且つ温度変化による特性変動も抑えられるように
した誘電体線路、それを備えた高周波回路および高周波
回路装置を構成する。 【解決手段】 2つの導電体部材1,2に形成した溝G
同士を対向させて形成される空間内に誘電体ストリップ
3を配置する。溝底面Gbの隅部を断面略円弧状とし、
溝側面Gsをテーパー形状として、溝側面Gsと誘電体
ストリップ3側面との間に間隙を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ミリ波帯やマイ
クロ波帯で用いられる誘電体線路、それを備えた高周波
回路および高周波回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波帯やミリ波帯における
信号の伝送路として、導波管、誘電体線路等、平面回路
型伝送路などが用いられている。これらの伝送路は、回
路構成、回路に要求される特性、回路装置の目的などに
応じて適宜用いられている。
【0003】また、誘電体装荷導波管を構成するものと
して、特許文献1が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−134008号公報(図
2,図5,図9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、矩形導波管を
伝送路とする高周波モジュールを構成しようとした場
合、導波管の断面形状の縦横2方向の寸法だけによって
設計パラメータが定まってしまうため、設計上の自由度
が低いという問題があった。
【0006】また、従来の誘電体線路のうち、誘電体装
荷導波管を構成するものでは、導波路として装荷する誘
電体の比誘電率を設計パラメータとすることができ、空
洞導波管に比べて設計上の自由度が高まる。従来設計さ
れている誘電体装荷導波管は、上下2つの導電体部材の
互いに対向する位置に溝を形成しておき、その溝に断面
矩形の誘電体ストリップを嵌め込むように、上下2枚の
導電体部材を重ねるようにしたものであった。
【0007】ところが、このような断面矩形の溝を金属
板に形成するための製造方法は容易ではなく、溝および
誘電体ストリップの寸法精度による特性のばらつきも小
さくできないという問題があった。さらに、導電体板と
誘電体ストリップの線膨張係数は通常大きく異なるの
で、環境温度変化に伴う誘電体ストリップの変形による
特性変動が生じたり、誘電体ストリップにひびや欠けが
発生して特性変動が生じるという問題があった。
【0008】この発明の目的は、製造が容易で、電気的
特性のばらつきが抑えられ、且つ温度変化による特性変
動も抑えられるようにした誘電体線路、それを備えた高
周波回路および高周波回路装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、2つの導電
体部材の間に誘電体ストリップを配してなる誘電体線路
において、2つの導電体部材に前記誘電体ストリップが
嵌め合わされる溝を形成し、該溝の底面隅部を断面略円
弧状とし、前記溝の側面を、底面から離れるにしたがっ
て溝幅が広がるようなテーパ状にし、前記溝の側面と前
記誘電体ストリップの側面との間に間隙を設けたことを
特徴とする。
【0010】また、この発明は、前記溝の底面とそれに
対向する誘電体ストリップの面との間に間隙を設けたこ
とを特徴とする。
【0011】また、この発明は、溝の開口縁の断面略円
弧状または断面切り落とし形状したことを特徴とする。
【0012】また、この発明は、前記2つの導電体部材
を互いに面対称形にしたことを特徴とする。
【0013】また、この発明は、前記誘電体ストリップ
の角部分を断面略円弧状にしたことを特徴とする。
【0014】また、この発明は、前記溝の幅を使用周波
数帯における誘電体中の波長の1/2以下とし、前記溝
の深さの2倍の値を使用周波数帯における誘電体中の波
長の1/2以上1以下にすることを特徴とする。
【0015】また、この発明は、前記2つの導電体部材
の剛性に差を持たせることを特徴とする。
【0016】また、この発明は、前記2つの導電体部材
同士の接合部の肉厚を互いに異ならせることによって、
前記剛性に差を持たせることを特徴とする。
【0017】また、この発明は、前記のいずれかの構成
による誘電体線路を信号の伝送線路として設けた高周波
回路を特徴とする。
【0018】また、この発明は、前記高周波回路を送信
信号または受信信号の処理部に設けた高周波回路装置を
特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】第1の実施形態に係る誘電体線路
の構造を図1に示す。図1は信号伝搬方向に垂直な面で
の断面図である。図1において1,2はそれぞれ金属板
からなる導電体部材である。この例では、2枚の金属板
の互いに対向する面に、Gで示す断面矩形状の溝を形成
している。この溝同士の対向によって形成される空間内
に誘電体ストリップ3を配置している。なお、導電体部
材1,2については、断面を意味するハッチングを省略
している。以降に示す各図についても同様である。
【0020】溝Gの底面Gbの隅部は、Raで示すよう
に、断面略円弧状に形成している。すなわち、所謂「R
加工」を施している。溝Gの側面Gsは、底面Gbから
離れるに従って溝幅が広がるようなテーパー状に形成し
ている。これにより、溝Gの側面Gsと誘電体ストリッ
プ3の側面との間に間隙を設けている。
【0021】さらに、2つの溝の開口縁を、Rbで示す
ように、断面略円弧状の丸みを持たせている。所謂「R
加工」を施している。
【0022】図1に示した構造で、誘電体ストリップ3
として、比誘電率εrが約2.0であるフッ素樹脂を用
い、例えば76GHz帯の信号を伝送する場合、図中の
各部の寸法は次の通りである。
【0023】誘電体ストリップ3の高さa=1.8 誘電体ストリップ3の幅b1=1.1 溝底面Gbの幅b=1.2 溝Gの深さg=0.9 溝側面Gsのテーパー角θ=2° 溝底面隅部の丸みRa=0.3 溝開口縁の丸みRb=0.3 ここで各寸法の単位はmmである。またRa,Rbは曲
率半径である。
【0024】図1において、使用周波数における誘電体
ストリップ中の波長λは、2.8[mm]である。溝幅
bは、このλgの1/2以下とし、溝深さgの2倍の値
がλgの1/2以上1以下としている。
【0025】この構造により、使用周波数帯において単
一モードでの伝送が可能となる。すなわち矩形TE10
モードでのみ伝送され、他のモードが全て遮断されるた
め、導電体部材の溝位置でずれ等が生じても、他の伝送
モードへのモード変換が起こらない。その結果、モード
変化に伴う損失が生じなく、伝送損失が低く保たれる。
【0026】導電体部材1,2としては、ZnまたはA
l(アルミニウム)のダイキャスト成型法により成型
し、その表面にAgまたはAu等の導電率の高い金属膜
をメッキ形成したものを用いる。
【0027】このように、溝底面の隅部および溝の開口
縁に丸みを持たせたことにより、さらに溝側面を外側に
広がるテーパー状に形成したことにより、成型が容易と
なり、製造コストが低減できる。
【0028】また、この誘電体ストリップ3の幅b1と
溝底面Gbの幅bとを略等しくしたことにより、溝同士
が対向して形成される空間内の中央に誘電体ストリップ
3を精度よく配置することができる。すなわち2つの導
電体部材1,2と誘電体ストリップ3とが相互に位置合
わせされる。
【0029】さらに、溝側面Gsと誘電体ストリップ3
の側面との間に間隙が生じているので、導電体部材1,
2と誘電体ストリップ3の線膨張係数の差による温度変
化に伴う歪みが吸収される。すなわち導電体部材1,2
の材料であるZnやAlの線線膨張係数が20〜30p
pm/℃であるのに対し、誘電体ストリップ3の材料で
あるフッ素樹脂の線膨張係数は100〜150ppm/
℃であるため、温度上昇時の誘電体ストリップ3の膨張
量が導電体部材1,2の膨張量よりも大きくなり、従来
の構成では、誘電体ストリップ3に導電体部材1,2か
らの応力が集中して、誘電体ストリップ3が変形してし
まう。これに対して、本発明の構造では、誘電体ストリ
ップ3の膨張が隙間部分で吸収されるので、応力の集中
が起こりにくくなり、その結果、誘電体ストリップ3の
変形に伴う電気的特性の変動を抑えることができる。
【0030】また、誘電体ストリップ3としてセラミッ
クスを用いた場合、セラミックスの線膨張係数は10p
pm/℃前後と、ZnやAlの線膨張係数より小さい。
そのため、温度低下時の導電体部材1,2の収縮量が誘
電体ストリップ3の収縮量よりも大きくなる。そのた
め、従来の構造では、温度低下時に誘電体ストリップ3
に応力が集中し、セラミックスからなる誘電体ストリッ
プ3にひびや欠けが生じることになるが、本発明の構造
ではその応力の集中が緩和され、誘電体ストリップ3に
ひびや欠けが生じることを防止できる。
【0031】なお、導電体部材1,2としては、ダイキ
ャスト成型法に限らず、鍛造法によって作成してもよ
い。さらに素体を樹脂成型により形成し、その表面に金
属膜をメッキ形成してもよい。
【0032】また、前記周波数帯で用いる誘電体ストリ
ップ3としてはフッ素樹脂に限らず、例えばセラミック
スなどの他の比誘電率の誘電体材料であってもよい。そ
の比誘電率に応じて溝深さg、溝幅bを適宜変更すれば
よい。
【0033】次に、第2の実施形態に係る誘電体線路の
構成を図2に示す。この図2も図1の場合と同様に、信
号の伝搬方向に垂直な面での断面図である。この例で
は、導電体部材1,2の溝Gの開口縁を断面切り落とし
形状としている。所謂「C加工」を施している。その他
の部分の構成は図1に示したものと同様である。前述と
同様の条件で、たとえばC部分の切り落とし幅は0.2
1[mm]とする。
【0034】これにより導電体部材をダイキャスト成型
法で製造する際に、成型品にエッジが立たないので金型
の寿命が長くなる。また、2つの導電体部材の溝開口縁
のエッジ部分への電流集中が緩和でき、伝送損失が抑え
られる。
【0035】次に、第3の実施形態に係る誘電体線路の
構成を図3を基に説明する。この例では、上下の導電体
部材1,2を分離した状態で示している。この例では、
誘電体ストリップ3の角部分を、Rで示すように断面略
円弧状に形成している。所謂「R加工」を施している。
一方、導電体部材1,2の溝Gの隅部分も断面略円弧状
に形成している。このため、丸みを持った部分同士が接
することによって、誘電体ストリップ3と導電体部材
1,2の溝底面部Gbとが安定的に当接する。すなわ
ち、溝底面Gbと誘電体ストリップ3の上下面とが面接
触して余分な間隙が生じることがない。
【0036】これに対し、比較例として(B)に示した
ように、誘電体ストリップ3の角部に丸みを持たせない
場合には、溝Gに対する僅かな位置ずれによっても、溝
底面Gbと誘電体ストリップ3の上下面との間に間隙が
生じてしまい、2つの溝の対向による空間内に誘電体ス
トリップ3が不安定な状態で組上がってしまうおそれが
ある。
【0037】また、誘電体ストリップ3の、角部分を断
面略円弧状にしたことにより、導電体部材1,2の溝G
に対する誘電体ストリップ3の挿入が容易となり、組立
て性が向上する。また、誘電体ストリップ3の幅寸法公
差が、導電体部材1,2の溝Gに対する挿入の容易性お
よびがたつきに対して影響を与えるが、その感度が緩和
できる。さらに誘電体ストリップ3の角部分の丸みは、
樹脂材料の成型加工により容易に形成できるので、R加
工を施すことによるコストアップが生じることもない。
【0038】以上に示した各実施形態では、上下の導電
体部材1,2を互いに面対称に形成しているので、2つ
の導電体部材の接触状態での、溝同士の対向による空間
に対する応力の対称性が保たれ、全体的に安定した剛構
造が得られる。
【0039】次に、第4の実施形態に係る誘電体線路の
構成を図4に示す。この図4も図1の場合と同様に、信
号の伝搬方向に垂直な面での断面図である。この例で
は、導電体部材2の溝の底面と、それに対向する誘電体
ストリップ3の面との間に間隙gapを設けている。そ
の他の部分の構成は図1に示したものと同様である。
【0040】誘電体ストリップ3がフッ素樹脂のよう
に、柔軟性の高い素材からなる場合、図1に示したよう
に、誘電体ストリップ3と溝の底面Gbとの間に特に間
隙を設けなくてもよい。すなわち、温度変化に起因して
導電体部材1,2および誘電体ストリップ3の膨張・収
縮により生じる縦方向(2つの溝の底面間方向)の圧力
は、誘電体ストリップ3の変形によって横方向へ逃がす
ことができる。しかし、誘電体ストリップが誘電体セラ
ミックスのように、柔軟性のない材料からなる場合に
は、誘電体ストリップ3の変形によって、上記圧力を逃
がすことはできず、誘電体ストリップ3にひびや欠けが
発生して特性変動が生じるおそれがある。そこで、この
ような場合に、図4に示したように、導電体部材2の溝
の底面と、それに対向する誘電体ストリップ3の面との
間に間隙gapを設けて、縦方向への圧力を逃がせるよ
うな構造とする。
【0041】なお、誘電体ストリップ3としてフッ素樹
脂を用いた場合でも、導電体部材2の溝の底面と、それ
に対向する誘電体ストリップ3の面との間に間隙が生じ
る場合がある。すなわち、フッ素樹脂からなる誘電体ス
トリップ3と2つの導電体部材1,2とを組み立てた時
点で上記間隙がなくても、使用前に加熱工程があると、
その加熱の際、誘電体ストリップ3が膨張し、その後の
冷却により収縮する結果、出荷時には、導電体部材2の
溝の底面と、それに対向する誘電体ストリップ3の面と
の間に間隙が生じる場合がある。このようにして間隙が
生じた場合でも、温度変化による誘電体ストリップの変
形を十分に抑えることができ、特性変動を回避できる。
【0042】図4に示した構造の誘電体線路の各部の具
体的な寸法は次の通りである。誘電体ストリップ3が誘
電体セラミックスの場合、導電体部材(金属)との線膨
張係数の差を−20ppm/℃と仮定して、室温25℃
における誘電体ストリップの高さaを1.79[mm]
とする。また、誘電体ストリップ3がフッ素樹脂の場
合、導電体部材(金属)との線路膨張係数の差を+10
0ppm/℃と仮定して、上述の加熱工程の後の室温2
5℃における誘電体ストリップの高さaを1.785
[mm]とする。その他の寸法は第1の実施形態の場合
と同様である。
【0043】次に、第5〜第7の実施形態に係る誘電体
線路の構成を図5〜図7に示す。これらはいずれも導電
体部材を上下非対称にしたものである。
【0044】図5において、1,2は共に導電体部材で
あるが、上部の導電体部材2は、下部の導電体部材1に
比較して全体に厚みの薄い金属板を深絞り加工したもの
である。導電体部材1の構造は、図1に示した導電体部
材1と同様である。たとえばAl板を金型によるプレス
加工により成型し、表面にAgやAu等の導電率の高い
金属膜をメッキする。この深絞り加工により形成される
溝内面の形状は、導電体部材1に形成した溝Gの内面と
同様である。
【0045】また、図中4は取り付けネジであり、導電
体部材1にネジ穴を形成しておき、導電体部材1の溝G
に誘電体ストリップ3を嵌め込み、その上部から導電体
部材2を被せ、取り付けネジ4によって導電体部材1に
導電体部材2を取り付ける。
【0046】この構造により、溝同士の対向によって形
成される空間内に、厚みの薄い導電体部材2の弾性によ
って、誘電体ストリップ3が弾性保持される。したがっ
て誘電体ストリップ3の上下面と導電体部材1,2の溝
底面との密着性が向上し、電気的特性のばらつきが抑え
られるとともに、伝送損失も抑えられる。
【0047】図6に示す例では、下部の導電体部材1
は、S45C(JIS G4051で定められている機
械構造用炭素鋼鋼材)であり、上部の導電体部材2は、
Alである。いずれもダイキャスト成型法により加工
し、表面に導電率の高い金属膜をメッキしている。溝内
面の形状は図1に示したものと同様である。
【0048】物性上、Alの弾性率はS45Cより小さ
いため、導電体部材1,2をネジ止め等により互いに押
しつけた時、導電体部材1の表面に導電体部材2の表面
形状が倣う(ならう)ことになり、両者の密着性が向上
する。その結果、溝部分の対向による空間以外に余分な
間隙が形成されず、伝送損失の増大が抑えられる。
【0049】図7に示す例では、上下の導電体部材1,
2の材料として、共にAl等の同一材料を用いるが、導
電体部材1に対する導電体部材2の取り付け位置の肉厚
を薄くしている。取り付けネジ4は、この肉厚の薄くし
た部分でネジ止め固定している。この構造により、導電
体部材1の溝周囲表面に導電体部材2の溝周囲表面の形
状が倣う(ならう)ことになり、両者の密着性が向上す
る。その結果、余分な隙間が生じることはなく、伝送損
失の増大が抑えられる。
【0050】次に、第8の実施形態に係る、この発明の
高周波回路および高周波回路装置の実施形態である、ミ
リ波レーダモジュールおよびミリ波レーダの構成を図8
を基に説明する。図8において、VCOは、ガンダイオ
ードとバラクタダイオード等を用いた電圧制御発振器、
ISOは反射信号がVCOに戻るのを抑制するアイソレ
ータである。CPLは、送信信号の一部をローカル信号
として取り出す、NRDガイドからなるカップラであ
る。CIRは、送信信号をアンテナANTの1次放射器
へ与え、また受信信号をミキサーMIX側へ伝送するサ
ーキュレータである。ミキサーMIXは、受信信号と上
記ローカル信号との高調波を生成して、IF(中間周
波)信号として出力する。
【0051】以上に示した部分がミリ波レーダモジュー
ル100である。信号処理部101は、このミリ波レー
ダモジュール100のVCOに対する変調信号と、ミリ
波レーダモジュールからのIF信号とから、物標の相対
距離および相対速度を検知する。この信号処理部101
とミリ波レーダモジュール100とによってミリ波レー
ダを構成している。
【0052】このようなミリ波レーダモジュールおよび
ミリ波レーダの伝送路として、上記のいずれかの構成に
よる誘電体線路を用いることにより、伝送損失の少な
い、電力効率の高い装置が構成できる。また、SN比の
低下が抑えられるので、探知距離を増大させることがで
きる。
【0053】また、上記伝送路を通信装置に用いた場合
には、データ伝送エラーレートの低減等の効果を奏す
る。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、誘電体ストリップが
嵌め合わされる導電体部材の溝底面隅部を断面略円弧状
とし、溝の側面をテーパ状にし、溝側面と誘電体ストリ
ップ側面との間に間隙を設けたことにより、導電体部材
をダイキャスト成型法により容易に製造できるようにな
る。また、溝に対して誘電体ストリップを容易に嵌め込
むことができ、組立て性が向上する。また、2つの導電
体部材の溝同士で構成される空間内の中央に誘電体スト
リップを容易に位置決め配置できる。また、温度上昇に
よる誘電体ストリップの相対的な膨張が、誘電体ストリ
ップ側面と溝側面との間隙で吸収されるため、安定した
電気的特性が維持できる。
【0055】また、この発明によれば、導電体部材に設
けた溝の底面とそれに対向する誘電体ストリップの面と
の間に間隙を設けたことにより、誘電体ストリップのひ
びや欠け、または変形を防止することができ、特性変動
を十分に回避することができる。
【0056】また、この発明によれば、溝の開口縁を断
面略円弧状または断面切り落とし形状としたことによ
り、導電体部材をダイキャスト成型法で製造する際に、
金型の寿命が長くなる。また、2つの導電体部材の溝開
口縁のエッジ部分への電流集中が緩和でき、伝送損失が
抑えられる。
【0057】また、この発明によれば、2つの導電体部
材を互いに面対称形にしたことにより、2つの導電体部
材の接触状態での、溝同士の対向による空間に対する応
力の対称性が保たれるので、全体的に安定した剛構造が
得られる。
【0058】また、この発明によれば、誘電体ストリッ
プの、角部分を断面略円弧状にしたことにより、溝底面
と誘電体ストリップの上下面とが面接触して余分な間隙
が生じることがなく、安定した電気的特性が得られる。
また、導電体部材の溝に対する誘電体ストリップの挿入
が容易となり、組立て性が向上する。また、誘電体スト
リップの幅寸法公差に対する、誘電体ストリップの溝挿
入の容易性およびがたつきの感度が緩和できる。
【0059】また、この発明によれば、溝の幅を使用周
波数帯における誘電体中の波長の1/2以下とし、溝の
深さの2倍の値を使用周波数帯における誘電体中の波長
の1/2以上1以下にしたことにより、使用周波数帯に
おいて単一モードでの伝送が可能となる。その結果、モ
ード変化に伴う損失が生じなく、伝送損失が低く保たれ
る。
【0060】また、この発明によれば、2つの導電体部
材の剛性に差を持たせることにより、剛性の低い導電体
部材が剛性の高い導電体部材に対し相対的に撓って、2
つの導電体部材間の密着性が高まり、伝送損失が抑えら
れる。
【0061】また、この発明によれば、2つの導電体部
材同士の接合部の肉厚を互いに異ならせて、前記剛性に
差を持たせることにより、同一材料の2つの導電体部材
でありながら、剛性差を容易に持たせることができ、全
体の製造コストの上昇を招くことがない。
【0062】また、この発明によれば、上記のいずれか
の構成による誘電体線路を信号の伝送路として設けた高
周波回路を構成することにより、さらに、その高周波回
路を送信信号または受信信号の処理部に設けた高周波回
路装置を構成することにより、伝送損失の少ない、電力
効率の高い装置が構成できる。また、SN比の低下が抑
えられ、たとえばレーダに用いた場合に探知距離を増大
させることができる。また、通信装置に用いた場合には
データ伝送エラーレートの低減等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体線路の主要部の断
面図
【図2】第2の実施形態に係る誘電体線路の主要部の断
面図
【図3】第3の実施形態に係る誘電体線路の主要部の分
解状態での断面図
【図4】第4の実施形態に係る誘電体線路の主要部の断
面図
【図5】第5の実施形態に係る誘電体線路の主要部の断
面図
【図6】第6の実施形態に係る誘電体線路の主要部の断
面図
【図7】第7の実施形態に係る誘電体線路の主要部の断
面図
【図8】第8の実施形態に係るミリ波レーダモジュール
およびミリ波レーダの構成を示すブロック図
【符号の説明】
1,2−導電体部材 3−誘電体ストリップ 4−取り付けネジ G−溝 Gb−溝底面 Gs−溝側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 伸一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 井村 英樹 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J014 DA05 DA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの導電体部材の間に誘電体ストリッ
    プを配してなる誘電体線路において、 前記2つの導電体部材に前記誘電体ストリップが嵌め合
    わされる溝を形成し、該溝の底面隅部を断面略円弧状と
    し、前記溝の側面を、底面から離れるにしたがって溝幅
    が広がるようなテーパ状にし、前記溝の側面と前記誘電
    体ストリップの側面との間に間隙を設けた誘電体線路。
  2. 【請求項2】 前記溝の底面と該溝の底面に対向する前
    記誘電体ストリップの面との間に間隙を設けた請求項1
    に記載の誘電体線路。
  3. 【請求項3】 前記溝の開口縁を断面略円弧状または断
    面切り落とし形状にした請求項1または2に記載の誘電
    体線路。
  4. 【請求項4】 前記2つの導電体部材を、互いに面対称
    形にした請求項1、2または3に記載の誘電体線路。
  5. 【請求項5】 前記誘電体ストリップの角部分を断面略
    円弧状にした請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体線
    路。
  6. 【請求項6】 前記溝の幅を使用周波数帯における誘電
    体中の波長の1/2以下とし、前記溝の深さの2倍の値
    を使用周波数帯における誘電体中の波長の1/2以上1
    以下とした請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体線
    路。
  7. 【請求項7】 前記2つの導電体部材の剛性に差を持た
    せた請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体線路。
  8. 【請求項8】 前記2つの導電体部材同士の接合部の肉
    厚を互いに異ならせて、前記剛性に差を持たせた請求項
    7に記載の誘電体線路。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の誘電体
    線路を信号の伝送線路として設けた高周波回路。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の高周波回路を送信信
    号または受信信号の処理部に設けた高周波回路装置。
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