JP2003214590A - 更生管の補修方法及びその方法に使用される補修部材並びに補修機 - Google Patents

更生管の補修方法及びその方法に使用される補修部材並びに補修機

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JP2003214590A
JP2003214590A JP2002101727A JP2002101727A JP2003214590A JP 2003214590 A JP2003214590 A JP 2003214590A JP 2002101727 A JP2002101727 A JP 2002101727A JP 2002101727 A JP2002101727 A JP 2002101727A JP 2003214590 A JP2003214590 A JP 2003214590A
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Yukihiro Takano
幸弘 高野
Akira Imagawa
明 今川
Michihiko Watanabe
充彦 渡辺
Hirohide Nakagawa
裕英 中川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 老朽化した更生管を補修する補修方法に対
し、老朽化した更生管の撤去作業を必要としないことに
より更生後の管路内径寸法が管路の全長に亘って小さく
なってしまうことを回避しながらも、この更生管からの
漏水を防止できるようにする。 【解決手段】 網状、布状、薄膜状等の芯材に合成ゴム
系の粘着剤を付着させてなる補修部材4を、粘着剤に対
する離型処理が施された保持装置6により保持して構成
管10内に搬入する。構成管10の割れ発生箇所に補修
部材4が対向した位置で保持装置6を停止し、補修部材
4を構成管10の内面に貼着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下に埋設された
既設管の内面をライニングしている樹脂製の更生管に割
れ等の破損が生じた場合の漏水を止水するための補修方
法及びこの補修方法に使用される補修部材並びに補修機
に係る。
【0002】
【従来の技術】一般に、地下に埋設されている下水用等
の既設管において、経年劣化や地盤変動などの影響によ
り老朽化が進んだ場合、その一部分に割れが生じること
がある。この場合、割れ発生箇所から湧水や雨水等の土
中水が既設管内に流入して既設管内の水量が許容水量以
上に達したり、この割れ発生箇所から既設管内の水が土
中に流出して土壌汚染を招いたりする虞がある。
【0003】このため、従来より既設管が老朽化した場
合には、その更生が行われている。この既設管の更生方
法の一つとして、例えば特開平1−56531号公報に
開示されているものが知られている。この公報に開示さ
れている更生方法は、熱可塑性樹脂製であって形状回復
温度において円筒形に形状回復するように襞状に縮退さ
せた断面形状を呈する更生管(パイプライナ)を使用す
る。つまり、この更生管を既設管内に引き込み、その
後、この更生管の内部に蒸気を供給して更生管全体を加
熱し、円筒形に形状回復させる。この形状回復動作の
後、更生管の内部に加圧エアを供給し、更生管を拡径さ
せてその外面を既設管の内面に密着させる。これによ
り、既設管の内面の全体を更生管によって覆い、既設管
内への土中水の流入や、既設管内の水の土中への流出が
回避できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如く
更生管によって既設管の更生を行った後、更生管が経年
劣化したり地盤変動などの影響により老朽化が進んだ場
合には、この更生管においてもその一部分に割れが生じ
ることがある。このように更生管に割れが生じた場合、
その止水性能に支障を来たしてしまう。
【0005】この不具合を解消する一つの手段として、
この老朽化した更生管の内側に、上記と同様の更生方法
によって新たな更生管をライニングすることが考えられ
る。
【0006】しかし、この場合、既設管の内側に2重に
更生管が存在することになって更生後の管路内径寸法が
管路全長に亘ってかなり小さくなってしまい、有効流量
が低下してしまうという課題がある。
【0007】管路内径寸法を小さくすることなしに更生
を行うためには、老朽化した更生管を既設管から撤去
し、この既設管の内側に上述の更生作業と同様の作業に
より新たな更生管をライニングすることが必要になる。
【0008】しかしながら、この老朽化した更生管を既
設管から撤去する作業は容易ではなく、しかも、更生管
が既設管に癒着しているような場合には、更生管の撤去
に伴って既設管が破損してしまう可能性もある。このた
め、この更生管の撤去を行うことなしに、この更生管か
らの漏水を防止できる構成を得たいといった要求がかね
てよりあった。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、老朽化した更生管を
補修する補修方法に対し、老朽化した更生管の撤去作業
を必要としないことにより更生後の管路内径寸法が管路
の全長に亘って小さくなってしまうことを回避しながら
も、この更生管からの漏水を防止できるようにすること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】−発明の概要−上記の目
的を達成するために、本発明は、樹脂製更生管の損傷箇
所のみを補修部材によって補修することにより、止水を
必要とする箇所のみに止水構造を適用できるようにして
いる。
【0011】−解決手段− 具体的には、既設管の内面にライニングされた樹脂製更
生管の損傷箇所を補修する補修方法を対象とする。この
補修方法に対し、表面に合成ゴム系の粘着剤を備えた補
修部材を保持装置により保持し、この保持装置を更生管
内に搬入した後、補修部材を更生管内面の損傷箇所に貼
着し、その後、上記保持装置を補修部材から離脱させて
更生管外に撤去するようにしている。
【0012】この特定事項により、更生管の損傷箇所を
止水する際、補修部材を保持した保持装置をこの損傷箇
所に対向する位置まで移動させる。その後、補修部材を
損傷箇所に向かって移動させて、この部分に貼着し、こ
れによって止水構造を得る。そして、保持装置を補修部
材から離脱させ、更生管外に撤去することにより補修作
業を終了する。これにより、止水を必要とする箇所のみ
を止水することができ、更生後の管路内径寸法が管路の
全長に亘って小さくなってしまうことがなく、また、老
朽化した更生管の撤去作業を行う必要もない。
【0013】また、上記方法に使用される補修部材とし
ては、網状、布状、薄膜状または板状の芯材の表面に合
成ゴム系の粘着剤が略均一の厚さで付着された構成のも
のが採用される。上記芯材としては、例えば合成繊維か
らなる網体、織布、不織布、ウェブ、合成樹脂製の孔開
きシートやフィルム等が掲げられる。また、合成ゴム系
の粘着剤としては、耐蝕性、展延性、接着性等に優れる
ものが好ましく、例えばブチルゴム、ポリイソブチレ
ン、スチレン・ブタジエンゴム、ポリクロロプレン(ネ
オプレン)ゴム、ニトリルゴムなどの合成ゴムを粘度の
高い溶液状にしたものがよい。
【0014】また、加熱により形状回復する補修部材を
使用した場合の補修方法としては以下の手法が掲げられ
る。つまり、上記の場合と同様に、既設管の内面にライ
ニングされた樹脂製更生管の損傷箇所を補修する補修方
法を対象とする。この補修方法に対し、更生管の長手方
向寸法よりも短く設定されていると共に、形状回復温度
に加熱された際に所定形状に形状回復するように変形さ
れた補修部材を使用する。そして、この補修部材を更生
管内面の損傷箇所に対向して配置した後、この補修部材
を形状回復温度に加熱して形状回復させ、その後、この
補修部材を更生管の内面に向けて拡径させることにより
その外面を更生管の内面に貼着させるようにしている。
また、この方法で使用される補修部材としては、形状回
復温度に加熱された際に円筒形に形状回復するように襞
状に縮退させた閉断面形状を呈するものが使用される。
【0015】この特定事項により、補修部材を更生管内
面の損傷箇所に対向して配置させた状態で、補修部材を
加熱及び拡径させることによりその外面を更生管の内面
に貼着させ、これによって損傷箇所の止水構造を得るこ
とができる。特に、本発明において補修部材の外周面に
合成ゴム系の粘着剤を付着させた場合には、上記損傷箇
所の止水を確実に行うことができ、信頼性の高い止水構
造が得られる。
【0016】また、補修部材を更生管内面に貼着するた
めの補修機を使用した補修方法としては以下の手法が掲
げられる。つまり、上記の場合と同様に、既設管の内面
にライニングされた樹脂製更生管の損傷箇所を補修する
補修方法を対象とする。この補修方法に対し、更生管の
長手方向寸法よりも短く設定されていると共に、更生管
の内径よりも小さく変形された補修部材を使用する。そ
して、この補修部材を更生管内面の損傷箇所に対向して
配置した後、この補修部材の内部に挿入された補修機を
膨張させることにより、補修部材の外面を更生管内面に
押圧して貼着し、その後、上記補修機を収縮して補修部
材から離脱させて更生管外に撤去するようにしている。
【0017】また、この補修方法において使用される補
修機は、可撓性材料により構成されると共に内部が中空
とされている一方、内部に加圧流体を供給することによ
り膨張して、補修部材の内面を外周側に押圧し、この補
修部材の外面を樹脂製更生管の内面に押圧して貼着させ
るよう構成されたものである。
【0018】更に、既設管と取付管との接続箇所を補修
する際に使用される補修機としては、既設管と取付管と
の接続箇所の内面形状に沿う外面形状を有する補修部材
の内部に挿入されて、この補修部材における既設管対向
部と取付管対向部とをそれぞれ樹脂製更生管の内面に押
圧して貼着させるよう構成されている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。尚、本形態では、既設管の内部に
ライニングされた更生管の上部に損傷(割れ)が発生し
ており、その損傷箇所を補修する場合について説明す
る。
【0020】(第1実施形態)先ず、第1実施形態につ
いて説明する。
【0021】<補修部材>本形態に係る更生管の補修方
法に利用される補修部材を図1に示す。この補修部材4
は、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維からな
る不織布を芯材41として、この芯材41の両面にブチ
ルゴムからなる粘着剤42を付着させたものである。粘
着剤42の付着厚さは片面2〜5mm程度が実用的であ
るが、この厚さは止水箇所の状況に応じて多少増減する
ことができる。例示の補修部材4では、後述の保持装置
に離着しやすくするため、芯材41の四隅近傍に薄い鉄
片43が取り付けられ、粘着剤42がこれらの鉄片43
を被覆している。なお、芯材41には、PET繊維以外
の繊維質素材を利用することもできる。それらの形態
は、適当な伸縮性を備えるものであれば、網体や織布、
ウェブ等であってもよい。また、伸縮性を有する多孔質
のシート状体、例えばポリエチレンやポリプロピレンそ
の他の合成樹脂製シートやフィルム等に多数の孔を開け
たものなど利用してもよい。
【0022】合成ゴム系の粘着剤42には、ブチルゴム
以外にも、ポリイソブチレン、スチレン・ブタジエンゴ
ム、ポリクロロプレン(ネオプレン)ゴム、ニトリルゴ
ムなどの合成ゴムを粘度の高い溶液状にしたものを利用
することができる。これらの合成ゴムは耐蝕性、展延
性、接着性等に優れるが、溶液状にするとそれ自体での
形状保持力が低下して自重で垂れ落ちたりたるんだりし
てしまうので、合成ゴムを芯材41に付着させてシート
状の形状を保持しやすくしている。
【0023】<保持装置>上記のような補修部材4は、
専用の保持装置を用いて、既設管1内にライニングされ
ている更生管10内に搬入され、更生管10の内面の損
傷箇所に貼着される。かかる保持装置の構成例を図2〜
図4に示す。
【0024】この保持装置6は、上記補修部材4を保持
するための保持板61が、更生管10内を移動しうる台
車部62に、支持部63を介して昇降自在に支持された
ものである。台車部62はカメラ64を備え、更生管1
0内を自走又はワイヤ等による牽引誘導で移動して、所
定の止水箇所(損傷箇所)まで補修部材4を搬入する。
【0025】保持板61は、湾曲自在でかつ反発弾性を
有する素材からなり、その表面には補修部材4を構成す
る合成ゴムに対する離型処理が施されている。具体的に
は、例えばスプリングシート(薄鋼板)の表面にサンド
ブラスト加工を行い、さらにその表面に四フッ化エチレ
ン樹脂をコーティングしたり、あるいはスプリングシー
トの表面に四フッ化エチレン樹脂を含浸させたガラス繊
維を接着するなどして保持板61が形成される。このよ
うな処理によって保持板61の表面が補修部材4に対し
て離着自在となり、貼着時には補修部材4が脱落しない
程度に保持板61に保持され、保持板61から補修部材
4を剥がす際には形状が崩れることなく容易に離反す
る。
【0026】なお、保持板61に補修部材4を離着自在
に保持させるにあたっては、電磁石を利用することもで
きる。すなわち、上記図1に示したように補修部材4の
芯材41の四隅に鉄片43を取り付けておくとともに、
保持板61の四隅近傍に上記鉄片43を吸着しうる電磁
石(図示せず)を配置しておき、電磁石への通電を操作
して任意に補修部材4を離着することができる。
【0027】この保持板61は、表面側を上方に向けて
凸にした湾曲状態で、支持部63により支持されてい
る。支持部63は、図2に示すように、台車部62の前
部及び後部に設けられて、それぞれ保持板61の前部と
後部とを支持している。
【0028】各支持部63は、図3及び図4に示すよう
に、台車部62上に設けられた基部631と、この基部
631内に出没自在に設けられて上下に昇降する昇降部
632と、昇降部632の上端にヒンジ結合された一対
の腕部633とを備える。基部631と昇降部632と
は、空気圧、ガス圧、油圧等の流体圧を利用するシリン
ダピストン機構、あるいは電動モータ等を利用した伸縮
機構により形成される。昇降部632は、通常は下降し
て基部631内に収容され、外部からの操作によって任
意に昇降させることができるようになっている。
【0029】腕部633は、昇降部632の上端にヒン
ジ結合されて左右斜め上方にそれぞれ延び、その上端が
保持板61の裏面にヒンジ結合されて、保持板61を湾
曲状態で保持している。左右の腕部633は、それぞれ
下端のヒンジ結合箇所に設けられた巻バネ等の付勢手段
(図示せず)により、相互の開き角度を小さくするよう
に付勢されている。そのため、保持板61は通常、図3
に示すように、断面が略円弧状ないし略放物線状になる
ような湾曲状態で保持される。このときの腕部633の
腕の長さ及び開き角度は、保持板61の曲率半径を更生
管10の内面の曲率半径よりも小さくするように設定さ
れている。
【0030】この保持装置6は、図2及び図3に示すよ
うに、昇降部632を下降させ、保持板61及びこれに
貼着された補修部材4を断面略円弧状ないし略放物線状
に保持した状態で更生管10内に進入し、所定の止水箇
所まで移動する。カメラ64を通じての監視により保持
装置6が所定の止水箇所で位置決めされると、外部から
の遠隔操作によって昇降部632が上昇する。すると保
持板61に貼着された補修部材4は、搬入時と同じ湾曲
状態のままで、まずその中央部近傍を更生管10の内面
(図2及び図3に示すものは更生管10の上部内面)に
当接させる。昇降部632がさらに上昇を続けると、保
持板61及び補修部材4は更生管10によって上昇を妨
げられるので、保持板61を支持する左右の腕部633
が次第に開き、保持板61の曲率半径が拡大する。この
動作によって、補修部材4は、中央部から両側縁部にか
けて徐々に更生管10に圧着され、図4に示すような圧
着状態が得られる。この方法では、補修部材4をその中
央近傍から両側縁部にかけて徐々に圧着することによ
り、補修部材4と更生管10との間に入る気泡が側方に
押し出されるので、補修部材4がその全面にわたって更
生管10に密着し、良好な貼着状態を得ることができ
る。
【0031】補修部材4の貼着が完了すると、昇降部6
32が下降する。すると、左右の腕部633が互いの開
き角度を狭め、保持板61の曲率半径を小さくしなが
ら、保持板61を補修部材4から剥がす。保持板61と
補修部材4との離反は、圧着時とは反対に、側縁部側か
ら中央部側にかけて行われる。こうして保持装置6が補
修部材4から離反すると、保持装置6は更生管10の外
に搬出される。
【0032】<保持装置の他の実施の形態>図5〜図6
は、保持装置6の他の構成例を示す。この保持装置6
は、保持板61が、その四隅にて伸縮自在の支持脚65
により支持されるとともに、台車部62と保持板61と
の間に設けられた略円筒容器状の拡縮部66によって昇
降自在に支持されたものである。台車部62及び保持板
61は、上記実施の形態にかかるものとほぼ同様であ
る。
【0033】支持脚65は、台車部62上の四隅に立設
されている。各支持脚65は、基柱651と、この基柱
651に対し出没自在に設けられた可動柱652とから
なり、可動柱652の上端が保持板61の裏面にヒンジ
結合されて、保持板61を湾曲状態で保持している。可
動柱652は、基柱651内部に設けられたコイルバネ
その他の付勢手段(図示せず)により、基柱651に対
して没入方向、つまり保持板61を下降させる方向に付
勢されている。なお、図6には明示していないが、基柱
651が台車部62に対して一定の角度内で傾斜しうる
よう、基柱651の下端が台車部62にヒンジ結合され
ていてもよい。
【0034】拡縮部66は、伸縮性を有する気密素材に
より形成され、空気又はガスを注入・排出することによ
り、半径方向に対して風船のように拡縮する。そして、
この拡縮により、拡縮部66の上面に支承された保持板
61が支持脚65を伸縮させながら昇降する。
【0035】この保持装置6は、拡縮部66を縮径させ
た状態(図6における実線)で更生管10内に進入し、
所定の止水箇所まで移動する。カメラ64を通じての監
視により保持装置6が所定の止水箇所で位置決めされる
と、外部からの遠隔操作によって拡縮部66が拡大す
る。すると保持板61及びこれに貼着された補修部材4
は、徐々にその曲率半径を拡大させながら持ち上げら
れ、まずその中央部近傍を更生管10の上部内面に当接
させる。拡縮部66がさらに拡径を続けると、保持板6
1及び補修部材4のほぼ全面が更生管10に沿って圧着
される(図6における二点鎖線)。この形態において
も、補修部材4はその中央近傍から両側縁部にかけて徐
々に更生管10に圧着されるので、補修部材4と更生管
10との間に入る気泡は側方に押し出され、補修部材4
と更生管10との密着が良好に行われる。
【0036】補修部材4の貼着が完了すると、拡縮部6
6が再び縮径する。すると、保持板61はその曲率半径
を縮小させながら徐々に下降し、補修部材4から剥がれ
る。保持板61と補修部材4との離反は、上記実施の形
態と同様に、側縁部側から中央部側にかけて行われる。
こうして更生管10に補修部材4が貼着され、保持装置
6が更生管10の外に搬出されて補修作業が終了する。
【0037】このように本形態の補修方法によれば、更
生管10の内面のうち、止水を必要とする箇所のみを補
修部材4によって止水することができる。従来の更生管
の更生手法の一つとして、更生管の内面の全体を更に新
たな更生管によって更生する場合には、更生後の管路内
径寸法が管路全長に亘ってかなり小さくなってしまうと
いう課題があった。また、他の手法として、老朽化した
更生管を既設管から撤去した後に、その既設管の内面の
全体を新たな更生管によって更生する場合には、作業が
煩雑であり、また既設管が破損してしまう懸念があっ
た。本形態の補修方法によれば、これら従来の課題を解
消することができ、有効流量の確保及び既設管1の破損
防止を図りながら、更生管10の補修を行うことができ
る。
【0038】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について説明する。本形態は、形状回復温度に加熱
された際に所定形状に形状回復するように変形された補
修部材を使用するものである。
【0039】−補修部材の説明− 先ず、本形態に係る補修作業において使用する補修部材
について説明する。図7はその補修部材2を示す斜視図
である。
【0040】この図7に示すように、補修部材2は、塩
化ビニルや高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂製であ
って、外面に長手方向に沿って延びる凹部21を有する
ように変形されて断面外形面積が小さくなる襞状に縮退
させた形状に成形されている。また、この補修部材2の
長手方向の寸法は、更生管10に発生する可能性のある
割れを十分に覆うことができる寸法であって、例えば5
00mmに設定されている。更に、この補修部材2は、所
定の形状回復温度(例えば80℃)に加熱されることに
よって円筒体に形状回復する性能を有している。この形
状回復温度とは、補修部材2に圧力などの外力を作用さ
せることなく加熱を行うことのみで円筒体に形状回復さ
せることができる温度である。
【0041】−封止部材の説明− 次に、上記補修部材2の両端開口を封止するための封止
部材について説明する。図8は、この封止部材7の斜視
図である。この図に示すように、封止部材7は、一対の
封止具71,72と、これら封止具71,72同士を連
結するワイヤ73とを備えている。各封止具71,72
の構成は略同一であるため、ここでは一方の(図8にお
いて左側に位置する)封止具71を代表して説明する。
【0042】この封止具71は、金属製で円盤状の封止
具本体74と、この封止具本体74の前面(相手側の封
止具72に対面する側)に取り付けられた中空の弾性体
75とにより構成されている。弾性体75はゴム製で袋
状に形成されており内部が密閉されている。このため、
この弾性体75に加圧エアが供給されると、この弾性体
75がエア供給量に応じて膨張するようになっている。
尚、図8に示す状態は、この弾性体75が上記形状の補
修部材2の開口22に装着された状態を示しており、こ
の弾性体75の形状は開口22に沿った形状となってい
る。
【0043】また、封止具本体74には、加圧エア供給
管74a、スチーム管74b及び拡径エア供給管74c
が接続されている。加圧エア供給管74aは、弾性体7
5の内部に加圧エアを供給するためのものであって、そ
の先端は弾性体75の内部で開放されている。この加圧
エア供給管74aから弾性体75の内部に加圧エアが供
給されることによって弾性体75が膨張する構成であ
る。
【0044】スチーム管74bは、補修部材2を所定形
状に回復させるべく、その内部に蒸気を供給するための
ものであって、その先端は弾性体75を貫通している。
【0045】拡径エア供給管74cは、補修部材2の内
部に拡径用エアを供給するためのものであって、その先
端も弾性体75を貫通している。
【0046】また、この弾性体75には、上記ワイヤ7
3を挿通させるための挿通孔75aが形成されている。
上記各管74a,74b,74cやワイヤ73の貫通部
分には図示しないシール構造が採用されており、弾性体
75の内部が密閉空間とされ、弾性体75の内部に供給
された加圧エアが漏れないようになっている。
【0047】他方の封止具72も上記封止具71と略同
一の構成であるが、この他方の封止具72には拡径エア
供給管74cは接続されていない。また、スチーム管7
4bは、補修部材2の内部に供給された蒸気を排出する
ためのものとして使用される。更に、この封止具72の
封止具本体74には、この封止部材7を補修部材2に装
着した状態で、この封止部材7を補修部材2と共に更生
管10に挿通させるための牽引部材としての牽引ワイヤ
72aが接続されている。
【0048】封止具71,72同士を連結する上記ワイ
ヤ73の両端は、各封止具71,72の封止具本体7
4,74に固定可能とされている。また、このワイヤ7
3の長さ寸法を調整するための図示しない調整機構が一
方の封止具71には備えられており、この調整によって
ワイヤ73の長さ寸法を補修部材2の長さ寸法に略一致
させることができるようになっている。このため、図8
に仮想線で示す補修部材2の両端の開口22,22に封
止具71,72がそれぞれ装着された状態において、ワ
イヤ73が補修部材2の内部でその長手方向に亘って緊
張状態となるようにその長さ寸法を調整すると共に、少
なくとも一方の弾性体75の内部に加圧エアを供給して
その外面を開口22に密着させれば、両封止具71,7
2が補修部材2の開口22から抜け落ちないようにする
ことが可能になる。
【0049】−更生管の補修作業− 次に、更生管の補修作業について説明する。ここでは、
図9に示すように、隣り合うマンホールQ1,Q2間に
埋設されている既設管1の内面をライニングしている更
生管10を更生する場合について説明する。この更生管
10の内径寸法は例えば250mmである。更生管10の
内径寸法はこれに限られるものではない。尚、この更生
管10のライニング工程は、従来より周知であるため、
ここでの説明は省略する。
【0050】本形態における更生管10の補修作業で
は、更生管10の内面に補修部材2を引き込む引き込み
工程と、この引き込まれた補修部材2を蒸気により加熱
する加熱工程と、補修部材2の内部に拡径用のエアを供
給して補修部材2を拡径させる拡径工程とが連続して行
われる。以下、各工程について説明する。
【0051】<引き込み工程>先ず、補修部材2の各開
口22,22に封止具71,72をそれぞれ挿入する。
例えば、一方の封止具71からワイヤ73を取り外し、
各封止具71,72を開口22,22の外側からそれぞ
れ挿入し、その後、一方の封止具71にワイヤ73を連
結する。この状態では、封止具71,72の弾性体7
5,75にはエアが供給されていないので容易に可撓
し、開口22への挿入やワイヤ73の連結も容易であ
る。このようにして開口22,22に封止具71,72
をそれぞれ挿入した状態で上記調整機構によりワイヤ7
3の長さ寸法を調整して、図8に示すようにワイヤ73
が緊張状態となるようにしておく。
【0052】また、上流側マンホールQ1付近の地上
に、蒸気発生・加圧器55を配設する。そして、この蒸
気発生・加圧器55に、一方の封止具71から延びる加
圧エア供給管74aを接続して弾性体75の内部に加圧
エアを供給することにより、その外面を開口22に密着
させる。このようにすることで、両封止具71,72が
補修部材2の開口22から抜け落ちないようにする。
尚、図9では一方の加圧エア供給管74a以外の配管を
省略している。
【0053】また、下流側マンホールQ2(図9におい
て右側に位置するマンホール)付近の地上にウィンチ5
1を配設し、下流側マンホールQ2の下部に補修部材2
及び封止部材7を牽引するワイヤ72aを案内するため
のガイド部52を設けておく。そして、一方の封止具7
2に接続されている牽引ワイヤ72aをウィンチ51に
巻き取っておく。尚、補修部材2を更生管10に引き込
むのに先立って、予め、更生管10の内部を洗浄し且つ
突出物を除去しておく。
【0054】ライニング作業が開始されると、先ず、ウ
ィンチ51によって牽引ワイヤ72aを巻き取ることに
より補修部材2を牽引し、補修部材2を更生管10の内
部に引き込んでいく。この動作により、補修部材2を、
上流側マンホールQ1と下流側マンホールQ2との間で
あって更生管10の損傷箇所に対向する位置まで搬送す
る。図11(a)は、この状態における既設管1、更生
管10及び補修部材2を軸線に直交する面で切断した断
面図であり、図12(a)は、この状態における既設管
1及び更生管10を軸線に沿って切断した断面図であ
る。
【0055】<加熱工程>次に、図10に示すように、
下流側マンホールQ2付近の地上に水・蒸気分離器56
を配設する。一方の封止具71から延びるスチーム管7
4bを蒸気発生・加圧器55に連結するともに、他端の
封止具72から延びるスチーム管74bを水・蒸気分離
器56に連結する。また、他方の封止具72から延びる
加圧エア供給管74aも蒸気発生・加圧器55に連結す
る。尚、図10に示す状態では、一方の封止具71から
延びる拡径エア供給管74cも蒸気発生・加圧器55に
連結させた状態となっている。この状態で、蒸気発生・
加圧器55より一方のスチーム管74bを経て補修部材
2内に蒸気を連続的に供給し、その蒸気を他方のスチー
ム管74bを経て水・蒸気分離器56へ流下させつつ、
補修部材2をその内部より形状回復温度まで加熱して、
略元の円筒体に形状回復させる。この際の更生管10内
における補修部材2の状態を図11(b)に示す。ま
た、この蒸気の供給と同時に、蒸気発生・加圧器55よ
り加圧エア供給管74a,74aを経て各封止具71,
72の弾性体75,75に加圧エアを連続的に供給し、
補修部材2の形状回復に追従するように弾性体75,7
5を膨張させて、その外面を開口22に密着させる。こ
のため、各封止具71,72と開口22,22との間に
は隙間が生じず、蒸気の漏れが発生することなしに補修
部材2の形状回復動作が行われる。
【0056】<拡径工程>このようにして補修部材2を
円筒体に形状回復させた後、拡径工程に移る。この拡径
工程では、各封止具71,72から延びる加圧エア供給
管74a,74aを蒸気発生・加圧器55に連結したま
ま、一方の封止具71から延びる拡径エア供給管74c
を蒸気発生・加圧器55に連結する。この状態で、蒸気
発生・加圧器55より補修部材2内に拡径用エアを連続
的に供給し、補修部材2を、その内部より加圧膨張させ
て更生管10の内面に密着させる。図11(c)は、こ
の状態における既設管1、更生管10及び補修部材2を
軸線に直交する面で切断した断面図であり、図12
(b)は、この状態における既設管1及び更生管10を
軸線に沿って切断した断面図である。この場合にも、こ
の拡径用エアの供給と同時に、蒸気発生・加圧器55よ
り加圧エア供給管74a,74aを経て各封止具71,
72の弾性体75,75に加圧エアを連続的に供給す
る。これにより補修部材2の拡径に追従して弾性体7
5,75が膨張し、その外面が開口22,22に密着し
た状態が維持される。このため、この拡径工程において
も各封止具71,72と開口22,22との間には隙間
が生じず、拡径用エアの漏れが発生することなしに、補
修部材2の内圧を十分に高めることができて、拡径動作
が円滑に行われる。そして、この加圧状態にて、冷却固
定し、その後、封止具71,72から加圧エアを抜いて
弾性体75,75を元の形状に戻し、各管74a,74
b,74cの蒸気発生・加圧器55や水・蒸気分離器5
6への接続を解除して、牽引ワイヤ72a(図10では
この牽引ワイヤ72aを省略している)により封止部材
7を補修部材2から引き抜く。これにより、更生管10
の内面のライニング作業が終了する。尚、本形態におい
て、補修部材2の外周面に上記第1実施形態の補修部材
4と同様の合成ゴム系の粘着剤を備えさせた場合には、
更生管10の内面に対する補修部材2の密着性が向上
し、止水性能の大幅向上を図ることが可能となる。
【0057】このように本形態の補修方法によっても、
止水を必要とする箇所のみを補修部材2によって止水す
ることができ、有効流量の確保及び既設管1の破損防止
を図りながら、更生管10の補修を行うことができる。
【0058】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態について説明する。本形態は、既設管である本管1
に対して取付管が接続される箇所を補修部材2によって
補修する場合について説明する。
【0059】−補修部材の説明− 先ず、本形態に係る補修作業において使用する補修部材
2について説明する。図13は本形態の補修部材2を示
す斜視図である。
【0060】この図13に示すように、補修部材2は、
塩化ビニルや高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂製で
あって、本管1をライニングしている更生管10の内径
に略一致する外径寸法を有する本管補修部(既設管対向
部)23と、取付管8(図16参照)の内径に略一致す
る外径寸法を有する取付管補修部(取付管対向部)24
とが一体的に形成されている。つまり、この補修部材2
は、本管1と取付管8との接続部分及びその周辺部の形
状に略近似した管状体として形成されている。
【0061】また、この補修部材2の本管補修部23の
長手方向の寸法は、更生管10に発生する可能性のある
割れを十分に覆うことができる寸法であって、例えば5
00mmに設定されている。また、取付管補修部24の長
さ寸法は、本管1と取付管8との接続部分の止水を十分
に行える寸法であって、例えば100mmに設定されてい
る。また、この補修部材2の肉厚寸法は、更生管10に
比べて大幅に小さく(例えば5mm程度に)設定されてお
り、この補修部材2自身では図13に実線で示す形状が
維持できず、図中仮想線で示すように撓んだ形状となる
ものである。
【0062】−補修機の説明− 次に、上記補修部材2を更生管10に向けて押圧して貼
着する際に使用する補修機9について説明する。図14
は補修機9の斜視図である。図15は図14におけるXV
-XV線に沿った断面図である。
【0063】これら図に示すように、補修機9は、FR
P(Fiber Reinforced Plastics)やCR(クロロプレ
ンゴム)やEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム)等で形成された可撓性を有する材料により構成され
ると共に内部が中空とされている。そして、この補修機
9は、補修部材2の内部に挿入され、中空の内部空間に
エアやガス等の加圧流体を供給することにより膨張し
て、補修部材2の内面を外周側に押圧し、この補修部材
2の外面を更生管10の内面に貼着させるようになって
いる。このため、この補修機9は、補修部材2の本管補
修部23の内径に略一致する外径寸法を有する本管補修
部用の第1拡径部91と、補修部材2の取付管補修部2
4の内径に略一致する外径寸法を有する取付管補修部用
の第2拡径部92とが一体的に形成されている。
【0064】この補修機9の一方(図中左側)の側面に
は上記加圧流体を供給するための供給管93が接続され
ている。また、この補修機9の他方の側面には、この補
修機9を補修部材2と共に更生管10内に引き込む際に
使用する牽引用のワイヤ72aが接続されている。ま
た、この補修機9にあっても、内部に加圧流体が供給さ
れていない状態では、図14に実線で示す形状が維持で
きず、図中仮想線で示すように撓んだ形状となるもので
ある。
【0065】−更生管の補修作業− 次に、更生管10の補修作業について説明する。本形態
の場合、図16及び図17に示すように、埋設本管1の
上面には図示しない住宅から延びる取付管8が接続され
ている。また、各管1,8の内径寸法としては、例えば
埋設本管1が250mmであって、取付管8が100mmで
ある。本発明はこれに限られるものではない。尚、この
更生管10のライニング工程は、従来より周知であるた
め、ここでの説明は省略する。
【0066】本形態における更生管10の補修作業で
は、更生管10の内面に、補修機9と共に補修部材2を
引き込む引き込み工程と、補修部材2を補修機9によっ
て拡径させる拡径工程とが連続して行われる。以下、各
工程について説明する。
【0067】<引き込み工程>先ず、地上において補修
部材2の内部に補修機9を挿入しておく。そして、上述
した第2実施形態の場合と同様に、地上に設置したウィ
ンチによって牽引ワイヤ72aを巻き取ることにより補
修機9と共に補修部材2を牽引し、補修部材2を更生管
10の内部に引き込んでいく。この動作により、補修部
材2を、埋設本管3に対する取付管8の接続箇所に対向
する位置まで搬送する。図16は、この状態における既
設管1、更生管10及び補修部材2を軸線に沿って切断
した断面図である。
【0068】<拡径工程>このようにして補修部材2を
引き込んだ後、拡径工程に移る。この拡径工程では、補
修機9の内部に向けて供給管93から加圧エア等の流体
を供給し、図17に示すように補修機9を膨張させる。
これにより、補修機9の外面が補修部材2の内面を外周
側に押圧し、この補修部材2の外面を更生管10の内面
に密着させる。つまり、補修機9の第1拡径部91が補
修部材2の本管補修部23を更生管10の内面に向けて
押圧し、補修機9の第2拡径部92が補修部材2の取付
管補修部24を取付管8の内面に向けて押圧する。
【0069】尚、補修部材2の拡径状態を維持するため
の手段としては、この補修部材2の外面に、接着剤を充
填した多数のカプセルを取り付けておき、補修機9のを
膨張に伴って補修部材2と更生管10との間や補修部材
2と取付管8との間でカプセルを挟持して破壊し、接着
剤を補修部材2の外面に塗布して、更生管10や取付管
8の内面に補修部材2を接着させるようにする。また、
この補修部材2を、加熱により図13に実線で示す形状
に形状回復する構成としておき、供給管93から補修機
9の内部に向けて供給する流体を蒸気や温風などの高温
流体とすることで更生管10や取付管8の内面に補修部
材2が密着した状態を維持させるようにしておくことも
掲げられる。また、補修機9にヒータを備えさせ、この
ヒータによる加熱によって補修部材2を図13に実線で
示す形状に形状回復させるようにしてもよい。このよう
に補修部材2を加熱により形状回復させる場合、上記第
2実施形態で示した補修部材2と同様に、外面に長手方
向に沿って延びる凹部を有するように変形されて断面外
形面積が小さくなる襞状に縮退させた形状に成形してお
くことが好ましい。
【0070】以上の拡径動作の後、補修機9の内部を減
圧し、この補修機9のみを元の収縮した形状に戻して補
修機9を補修部材4及び更生管10から引き抜き、更生
管10の内面のライニング作業が終了する。尚、本形態
においても、補修部材2の外周面に上記第1実施形態の
補修部材4と同様の合成ゴム系の粘着剤を備えさせた場
合には、更生管10の内面に対する補修部材2の密着性
が向上し、止水性能の大幅向上を図ることが可能とな
る。
【0071】このように本形態の補修方法によれば埋設
本管3に対する取付管8の接続箇所に対して補修部材2
によって良好に止水することができ、有効流量の確保及
び既設管1の破損防止を図りながら、更生管10の補修
を行うことができる。
【0072】−その他の実施形態− 上記第1実施形態では、平板状の補修部材4を更生管1
0の周方向の一部分に貼着することによって損傷箇所を
止水するようにしていた。本発明は、これに限らず、平
板状の補修部材4を更生管10の長手方向の一部分(損
傷箇所の発生部分)の周方向の全体に貼着させることに
より止水機能を発揮させるようにしてもよい。この構成
を実現するための手法としては、更生管10の周方向長
さよりも長い補修部材4を採用し、この補修部材4を更
生管10の内径よりも小径になるように巻いた状態で更
生管10の内部に搬入し、その後、この補修部材4の巻
き状態を解除するように拡径させることで、この補修部
材4の表面全体を更生管10の内面に貼着させるように
する。この場合、補修部材4の巻き状態を解除するため
の手法としては、補修部材4の芯材として弾性を有する
材料を使用し、補修部材4を小径に巻いた状態で紐など
の拘束手段によって拡径を拘束しておき、この補修部材
4を更生管10に搬入した後、この拘束を解除して補修
部材4を更生管10に貼着させるようにする。また、芯
材に形状記憶材料を使用し、補修部材4を小径に巻いた
状態で更生管10の内部に搬入した後に加熱などによっ
て芯材を元の拡径形状に回復させることで、補修部材4
を更生管10に貼着させるようにしてもよい。
【0073】上記第2実施形態では、補修部材2とし
て、外面に長手方向に沿って延びる凹部21を有するよ
うに変形されて断面外形面積が小さくなる襞状に縮退さ
せた形状のものを採用した。本発明はこれに限るもので
はなく、形状回復温度に加熱された際に所定の円筒形に
形状回復するように変形された樹脂製管であればその形
状は特に問うものではない。
【0074】上記第3実施形態では、取付管8に対して
は更生管によるライニングがなされていないものにおい
て、補修部材2による補修を行う場合について説明し
た。本発明はこれに限らず、取付管8をも更生管によっ
てライニングしたものに対して補修部材2による補修を
行う場合にも適用可能である。この場合には、取付管8
をライニングしている更生管に対して、補修部材2の取
付管補修部24が押圧されて貼着されることになる。
【0075】また、本発明が対象とする更生管10の断
面形状は、必ずしも円形に限るものではなく、種々の断
面形状の更生管10に対して適用可能である。
【0076】更に、上記各実施形態では、更生管10に
生じた割れを補修する場合について説明した。本発明は
これに限らず、更生管10の一部に発生した皺を更生管
10の部分的な切除により解消した際に、この切除部分
を補修する場合にも適用可能である。
【0077】また、本管1を更生管10によってライニ
ングする際に取付管8に対向する部分には孔を形成する
必要があるが、この孔開け作業時に所定位置からずれた
位置に孔を形成してしまった場合、この部分に良好な止
水構造を得ることを目的として上記第3実施形態で示し
た工法を適用することも可能である。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、樹脂製
更生管の損傷箇所のみを補修部材によって補修すること
により、止水を必要とする箇所のみに止水構造を適用で
きるようにしている。従来の更生管の更生手法の一つと
して、更生管の内面の全体を更に新たな更生管によって
更生する場合には、更生後の管路内径寸法が管路全長に
亘ってかなり小さくなってしまうという課題があった。
また、他の手法として、老朽化した更生管を既設管から
撤去した後に、その既設管の内面の全体を新たな更生管
によって更生する場合には、作業が煩雑であり、また既
設管が破損してしまう懸念があった。本発明の補修方法
によれば、これら従来の課題を解消することができ、有
効流量の確保及び既設管の破損防止を図りながら、更生
管の補修を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る補修部材の一部を破断した
斜視図である。
【図2】保持装置の側面図である。
【図3】保持板を下降させた状態の保持装置の正面図で
ある。
【図4】保持板を上昇させた状態の保持装置の正面図で
ある。
【図5】保持装置の他の実施形態を示す側面図である。
【図6】他の実施形態における保持装置の正面図であ
る。
【図7】第2実施形態に係る補修部材を示す斜視図であ
る。
【図8】封止部材の斜視図である。
【図9】引き込み工程を説明するための図である。
【図10】加熱工程を説明するための図である。
【図11】既設管及び更生管を軸線に直交する面で切断
した断面図であって、(a)は更生管内に補修部材を引
き込んだ状態、(b)は補修部材を加熱して形状回復さ
せた状態、(c)は補修部材を更生管の内面に密着させ
た状態をそれぞれ示す図である。
【図12】既設管及び更生管を軸線に沿って切断した断
面図であって、(a)は更生管内に補修部材を引き込ん
だ状態、(b)は拡径用エアを供給した状態をそれぞれ
示す図である。
【図13】第3実施形態に係る補修部材を示す斜視図で
ある。
【図14】第3実施形態に係る補修機を示す斜視図であ
る。
【図15】図14におけるXV-XV線に沿った断面図であ
る。
【図16】更生管内に補修部材を引き込んだ状態を示す
図である。
【図17】補修機を膨張させた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 既設管 10 更生管 2,4 補修部材 41 芯材 42 粘着剤 6 保持装置 8 取付管 9 補修機
フロントページの続き (72)発明者 中川 裕英 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 3H025 EA01 EB21 EC01 ED02 EE00 4F213 AC03 AD05 AD08 AD12 AG08 WA94 WB01 WM02 WM07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設管の内面にライニングされた樹脂製
    更生管の損傷箇所を補修する補修方法であって、 表面に合成ゴム系の粘着剤を備えた補修部材を保持装置
    により保持し、この保持装置を更生管内に搬入した後、
    補修部材を更生管内面の損傷箇所に貼着し、その後、上
    記保持装置を補修部材から離脱させて更生管外に撤去す
    ることを特徴とする更生管の補修方法。
  2. 【請求項2】 既設管の内面にライニングされた樹脂製
    更生管の損傷箇所を補修する補修方法であって、 更生管の長手方向寸法よりも短く設定されていると共
    に、形状回復温度に加熱された際に所定形状に形状回復
    するように変形された補修部材を使用し、この補修部材
    を更生管内面の損傷箇所に対向して配置した後、この補
    修部材を形状回復温度に加熱して形状回復させ、その
    後、この補修部材を更生管の内面に向けて拡径させるこ
    とによりその外面を更生管の内面に貼着させることを特
    徴とする更生管の補修方法。
  3. 【請求項3】 上記請求項1記載の更生管の補修方法に
    使用される補修部材であって、 網状、布状、薄膜状または板状の芯材の表面に合成ゴム
    系の粘着剤が略均一の厚さで付着されて構成されている
    ことを特徴とする補修部材。
  4. 【請求項4】 上記請求項2記載の更生管の補修方法に
    使用される補修部材であって、 形状回復温度に加熱された際に円筒形に形状回復するよ
    うに襞状に縮退させた閉断面形状を呈していることを特
    徴とする補修部材。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の補修部材において、 外周面に合成ゴム系の粘着剤が付着されていることを特
    徴とする補修部材。
  6. 【請求項6】 既設管の内面にライニングされた樹脂製
    更生管の損傷箇所を補修する補修方法であって、 更生管の長手方向寸法よりも短く設定されていると共
    に、更生管の内径よりも小さく変形された補修部材を使
    用し、この補修部材を更生管内面の損傷箇所に対向して
    配置した後、この補修部材の内部に挿入された補修機を
    膨張させることにより、補修部材の外面を更生管内面に
    押圧して貼着し、その後、上記補修機を収縮して補修部
    材から離脱させて更生管外に撤去することを特徴とする
    更生管の補修方法。
  7. 【請求項7】 上記請求項6記載の更生管の補修方法に
    使用される補修機であって、 可撓性材料により構成されると共に内部が中空とされて
    いる一方、 内部に加圧流体を供給することにより膨張して、補修部
    材の内面を外周側に押圧し、この補修部材の外面を樹脂
    製更生管の内面に押圧して貼着させるよう構成されてい
    ることを特徴とする補修機。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の補修機において、 既設管と取付管との接続箇所を補修する際に使用され、
    既設管と取付管との接続箇所の内面形状に沿う外面形状
    を有する補修部材の内部に挿入されて、この補修部材に
    おける既設管対向部と取付管対向部とをそれぞれ樹脂製
    更生管の内面に押圧して貼着させるよう構成されている
    ことを特徴とする補修機。
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