JP2003209231A - 固体撮像装置および固体撮像システム - Google Patents
固体撮像装置および固体撮像システムInfo
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Abstract
と同時に、反射防止膜が形成される際には膜厚の最適設
計が容易で、クラックが発生しにくい固体撮像装置を提
供する。 【解決手段】 受光部109と、マイクロレンズとを少
なくとも有し、マイクロレンズの表面が気相に接するよ
うに構成された固体撮像装置において、受光部109の
光入射側に設けられる平坦化層103に、屈折率が拡が
って変化する屈折率分布領域103(a)を受光部10
9に対応させて形成することによってマイクロレンズが
形成されていることを特徴とする。
Description
レンズで受光部に集光する固体撮像装置および固体撮像
システムに関する。
化と撮影システムの小型化の要求から受光チップの小型
化と高画素化に向けた開発が進められている。
には、画素サイズを縮小することが必須である。受光領
域の縮小に伴う電気的な出力信号の低下を補うために光
電変換素子の高感度化、S/N比改善、各画素の実質的
な開口率の増加等の対策がとられている。
用効率の改善を目的として考案されたものであり、決め
られた画素領域に入射する光線を効率よく受光領域に集
光することにより実質的に開口率をあげている。
応して設けられている。マイクロレンズの形成方法とし
てはフォトリソグラフィー法を用いる方法が一般的であ
る。この方法は、開口部上面を透明樹脂によって平坦化
した後に、マイクロレンズとなる感光性樹脂をフォトリ
ソグラフィー法によって各受光部に対応するように島状
に形成し、加熱することによって島状の樹脂を軟化さ
せ、その表面張力によって球面化して曲面状のマイクロ
レンズを形成するものである。
成されるマイクロレンズは、受光部上にカラーフィルタ
ーや平坦化層を形成し、それらの上に形成されなければ
ならないためにマイクロレンズと受光部との距離を短縮
することが難しく、このことはマイクロレンズの開口数
をあげる上で大きな制約になっていた。
ズは高屈折率のマイクロレンズ樹脂界面が露出している
ので入射光の反射損失が大きく、画像形成のための光利
用効率が低くなるとともに、迷光成分の増加によりコン
トラストの低下や、ゴーストの発生などといった撮像画
質の低下をもたらしていた。
損失を減らすために有機樹脂材料からなるマイクロレン
ズ表面に無機薄膜等の反射防止膜を形成した場合には、
その熱的性質の違いから表面にクラックが入りやすいこ
とも問題となっていた。その1つ1つが同等な撮像機能
を果たさなければならない撮像素子アレイの場合には、
クラックの発生は致命的であり、その発生の防止が望ま
れていた。
は、マイクロレンズ表面における入射光の角度依存性
と、反射防止膜の形成の際に必然的に発生する膜厚の分
布を考慮しなければならず、最適な膜厚の設計が困難で
あることも問題となっていた。
のであり、マイクロレンズと受光部との距離を短縮する
と同時に、反射防止膜が形成される際には最適な膜厚の
設計が容易で、クラックが発生しにくい固体撮像装置お
よび固体撮像システムを提供することを目的とする。
めに、本発明に係る固体撮像装置は、受光部と、マイク
ロレンズとを少なくとも有し、前記マイクロレンズの表
面が気相に接するように構成された固体撮像装置におい
て、前記受光部の光入射側に設けられる平坦化層に、屈
折率が拡がって変化する屈折率分布を前記受光部に対応
させて形成することによって前記マイクロレンズが形成
されていることを特徴とする。
該受光部上に設けられた平坦化層と、マイクロレンズと
を少なくとも有し、前記マイクロレンズの表面が気相に
接するように構成された固体撮像装置において、前記平
坦化層に屈折率が拡がって変化する屈折率分布を形成す
ることによって前記マイクロレンズが形成されているこ
とを特徴とする。
該受光部上に設けられたカラーフィルターと、マイクロ
レンズとを少なくとも有し、前記マイクロレンズの表面
が気相に接するように構成された固体撮像装置におい
て、前記カラーフィルターに屈折率が拡がって変化する
屈折率分布を形成することによって前記マイクロレンズ
が形成されていることを特徴とする。
施形態について説明する。
断面図を示す。図1において、110は反射防止膜、1
02は表面平坦化層103の表面、103は表面平坦化
層を示す。表面平坦化層103は受光部(光電変換素
子)109の光入射側に形成され、低屈折率樹脂で形成
されている。表面平坦化層103には受光部109に対
応するように屈折率分布領域103aが形成されてい
る。103bは低屈折率樹脂領域である。屈折率分布領
域103aは表面平坦化層103の上部側から下部側に
向け拡がりながら、屈折率が次第に減少する構成となっ
ている。図1の曲線はその様子を示したものである。
ンズとしての機能を果たしていて、入射光を受光部に集
めている。図1では、各領域に境界があるような図示に
なっているが、実際にはこれらの領域に明確な境界はな
い。また、屈折率分布領域103aは表面平坦化層10
3の内部に形成されているので、その表面は略平面にな
っている。
は層内平坦化層、106は遮光膜、107は層間絶縁
層、108は配線、109は受光部を示す。
する。まず、シリコン等を材料とするウェハに受光部1
09、配線108、層間絶縁層107、遮光層106、
層内平坦化層105を形成する。この方法は従来の半導
体製造工程で行うので説明を省略する。ついで、カラー
フィルター104を形成する。この方法も従来のカラー
フィルター形成工程で行うので説明を省略する。
フィルター104の凹凸を平坦化するために、アクリル
系樹脂等の低屈折率樹脂からなる表面平坦化層103を
形成する。それから、特開平06−94903号公報等
で開示される拡散重合法により表面平坦化層103の表
面の所望の位置に屈折率分布領域を形成する。屈折率分
布領域における表面の平坦性は、1つの領域内で0.2
μm以内としている。
防止膜110を形成する。その形成方法は、一般的な反
射防止膜の形成方法を用いることができる。本実施形態
の反射防止膜110は酸化チタン/酸化珪素の4層積層
膜からなり、400〜700nmの可視領域における反
射率を2%以下としている。
法として拡散重合法を用いているが、それ以外にも特開
昭61−251540号公報に開示されるイオン交換
法、特開平02−310501号公報に開示される選択
的重合法等がある。この形成方法は屈折率分布領域のマ
イクロレンズとしての機能の設計に応じて選択、適用が
可能である。
と同様の構成をとるが、反射防止膜110の材料および
その形成方法が異なる。本実施形態では、反射防止膜1
10として有機材料としての低屈折率のフッ素樹脂を含
むサイトップ(旭硝子製)を用い、形成方法としてはデ
ィッピング法を用いる。
する。まず、シリコン等を材料とするウェハに受光部1
09、配線108、層間絶縁層107、遮光層106、
層内平坦化層105を形成する。この方法は従来の半導
体製造工程で行うので説明を省略する。ついで、カラー
フィルター104を形成する。この方法も従来のカラー
フィルター製造工程で行うので説明を省略する。
フィルター104の凹凸を平坦化するために、アクリル
系樹脂等の低屈折率樹脂からなる表面平坦化層103を
形成する。それから、拡散重合法により表面平坦化層1
03の表面の所望の位置に屈折率分布を形成する。屈折
率分布領域103aの表面の平坦性は、1つの領域内で
0.2μm以内としている。
坦化層の表面にディッピング法により反射防止膜110
を形成する。反射防止膜の材料としては、有機材料とし
ての低屈折率のフッ素樹脂を含むサイトップ(旭硝子
製)を用い、屈折率1.34の膜を膜厚約0.2μm形
成することにより、400〜700nmの可視領域にお
ける反射率を1.5%以下とすることができた。
ィッピング法を用いているが、ディッピング法以外のス
ピンコート法等の塗布法を用いることも可能である。
形成には拡散重合法以外にイオン交換法、選択的重合法
等を用いることが可能である。
図2を用いて詳細に説明する。図2は実施形態3の模式
的断面図を示す。110は反射防止膜、101はカラー
フィルターの表面、104はカラーフィルターである。
カラーフィルター104は受光部(光電変換素子)10
9の光入射側に形成され、低屈折率樹脂で形成されてい
る。カラーフィルター104には受光部109に対応す
るように屈折率分布領域104aが形成されている。1
04bは低屈折率樹脂領域である。
04の上部側から下部側に向け拡がりながら、屈折率が
次第に減少する構成となっている。図2の曲線はその様
子を示したものである。この屈折率分布領域はマイクロ
レンズとしての機能を果たしていて、入射光を受光部に
集めている。
になっているが、実際にはこれらの領域に明確な境界は
ない。また、屈折率分布領域104aはカラーフィルタ
ー104の内部に形成されているので、その表面は略平
面になっている。
107は層間絶縁層、108は配線、109は受光部を
示す。本実施形態では、カラーフィルター104上に表
面平坦化層103がない構成になっている。
する。まず、シリコン等のを材料とするウェハに受光部
109、配線108、層間絶縁層107、遮光層10
6、層内平坦化層105を形成する。この方法は従来の
半導体製造工程で行うので説明を省略する。ついで、カ
ラーフィルター104を形成する。この方法も従来のカ
ラーフィルター製造工程で行うので説明を省略する。
拡散重合法によりカラーフィルター104の表面の所望
の位置に屈折率分布領域を形成する。
フィルター104の表面にディッピング法により反射防
止膜110を形成する。反射防止膜の材料としては、低
屈折率のフッ素樹脂を含む有機材料であるサイトップ
(旭硝子製)を用い、屈折率1.34の膜を膜厚約0.
2μm形成することにより、400〜700nmの可視
領域における反射率を1.5%以下とすることができ
た。
ィッピング法を用いているが、ディッピング法以外のス
ピンコート法等の塗布法を用いることも可能である。
に、屈折率分布領域の形成には拡散重合法以外にイオン
交換法、選択的重合法等を用いることが可能である。
としての機能を果たす屈折率分布領域は光入射側に形成
される表面平坦化層やカラーフィルターの光入射面に形
成されているので、それらの上にマイクロレンズを形成
していた従来の場合より受光部との距離を近づけること
が可能となり、開口数をあげることが可能になった。
するため、曲面状のマイクロレンズ上に反射防止膜を形
成していた従来の場合に比べて、反射防止特性に対する
最適な膜厚の設計を容易に行うことができるようになっ
た。
止膜を形成するので、曲面状で微小な凹凸を有するマイ
クロレンズ上に形成される反射防止膜に比較して、密着
性が向上した。
れることにより、反射防止膜にクラックが発生しにくく
なった。さらに、反射防止膜の材料に有機材料を用いた
場合は、クラックはさらに発生しにくくなった。
によって反射防止膜を形成することが可能になったの
で、従来、その形成方法に採用されていた気相成長法で
形成する場合と比較して、その形成の際のコストを大幅
に削減することが可能になった。
説明した固体撮像装置を用いた固体撮像システムの一例
であるスチルビデオカメラのブロック図である。上記の
実施形態で説明した固体撮像装置は固体撮像装置204
として利用されている。図3において、バリア201は
レンズのプロテクトとメインスイッチを兼ね、レンズ2
02は被写体の光学像を固体撮像装置204に結像させ
る。絞り203はレンズを通った光量を可変するための
もので、固体撮像装置204はレンズ202で結像され
た被写体を画像信号として取り込むため装置である。撮
像信号処理回路205は固体撮像装置204から出力さ
れる画像信号に各種の補正、クランプ等の処理を行い、
A/D変換器206は固体撮像装置204より出力され
る画像信号のアナログ−ディジタル変換を行う。
り出力された画像データに各種の補正を行ったりデータ
を圧縮したりする。タイミング発生部208は固体撮像
装置204、撮像信号処理回路205、A/D変換器2
06、信号処理部207に各種タイミング信号を出力
し、全体制御・演算部209は各種演算とスチルビデオ
カメラ全体を制御する。メモリ部210は画像データを
一時的に記憶するためのもので、記録媒体制御I/F
(インターフェイス)部211は記録媒体に記録又は読
み出しを行うためのインターフェイスである。記録媒体
212は画像データの記録又は読み出しを行うための半
導体メモリで着脱可能である。外部I/F(インターフ
ェイス)部213は外部コンピュータ等と通信するため
のインターフェイスである。
ア201が開くとメイン電源がオンされ、次にコントロ
ール系の電源がオンし、A/D変換器206などの撮像
系回路の電源がオンされる。それから、露光量を制御す
るために、全体制御・演算部209は絞り203を開放
にし、固体撮像装置204から出力された信号は、撮像
信号処理回路205をスルーしてA/D変換器206へ
出力される。A/D変換器206は、その信号をA/D
変換して、信号処理部207に出力する。信号処理部2
07は、そのデータを基に露出の演算を全体制御・演算
部209で行う。
し、その結果に応じて全体制御・演算部209は絞りを
制御する。次に、固体撮像装置204から出力された信
号をもとに、高周波成分を取り出し被写体までの距離の
演算を全体制御・演算部209で行う。その後、レンズ
を駆動して合焦か否かを判断し、合焦していないと判断
したときは、再びレンズを駆動し測距を行う。
まる。露光が終了すると、固体撮像装置204から出力
された画像信号は、撮像信号処理回路205において補
正等がされ、さらにA/D変換器206でA/D変換さ
れ、信号処理部207を通り全体制御・演算209によ
りメモリ部210に蓄積される。その後、メモリ部21
0に蓄積されたデータは、全体制御・演算部209の制
御により記録媒体制御I/F部211を通り半導体メモ
リ等の着脱可能な記録媒体212に記録される。また外
部I/F部213を通り直接コンピュータ等に入力して
画像の加工を行ってもよい。
果がある。 (1) マイクロレンズとしての機能を果たす屈折率分
布領域は平坦化層やカラーフィルターの表面に形成され
ているので、平坦化層やカラーフィルター上にマイクロ
レンズを形成していた従来の場合より受光部との距離を
近づけることが可能となり、開口数をあげることが可能
になった。 (2) 平面状の層上に反射防止膜を形成するので、曲
面状のマイクロレンズ上に反射防止膜を形成していた従
来の場合に比べて、反射防止特性に対する膜厚の最適設
計を容易に行うことができるようになった。 (3) 略平面で平坦性の高い層上に反射防止膜を形成
するので、曲面状で微小な凹凸を有するマイクロレンズ
上に形成される反射防止膜に比較して、マイクロレンズ
との密着性が向上した。 (4) 平面状の層上に反射防止膜が形成されることに
より、反射防止膜にクラックが発生しにくくなった。さ
らに、反射防止膜の材料に有機材料を用いた場合には、
クラックはさらに発生しにくくなった。 (5) スピンコート法、ディッピング法等の塗布法に
よって反射防止膜を形成することが可能になったので、
従来の方法で形成する場合と比較して、その形成の際の
コストを大幅に削減することが可能になった。
断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 受光部と、マイクロレンズとを少なくと
も有し、前記マイクロレンズの表面が気相に接するよう
に構成された固体撮像装置において、 前記受光部の光入射側に設けられる平坦化層に、屈折率
分布を前記受光部に対応させて形成することによって前
記マイクロレンズが形成されていることを特徴とする固
体撮像装置。 - 【請求項2】 受光部と、該受光部上に設けられた平坦
化層と、マイクロレンズとを少なくとも有し、前記マイ
クロレンズの表面が気相に接するように構成された固体
撮像装置において、 前記平坦化層に屈折率分布を形成することによって前記
マイクロレンズが形成されていることを特徴とする固体
撮像装置。 - 【請求項3】 受光部と、該受光部上に設けられたカラ
ーフィルターと、マイクロレンズとを少なくとも有し、
前記マイクロレンズの表面が気相に接するように構成さ
れた固体撮像装置において、 前記カラーフィルターに屈折率分布を形成することによ
って前記マイクロレンズが形成されていることを特徴と
する固体撮像装置。 - 【請求項4】 前記平坦化層はカラーフィルター上に形
成されていることを特徴とする請求項2に記載の固体撮
像装置。 - 【請求項5】 前記平坦化層または前記カラーフィルタ
ーの表面には反射防止膜が形成されていることを特徴と
する請求項1から4のいずれか1項に記載の固体撮像装
置。 - 【請求項6】 前記反射防止膜は有機材料であることを
特徴とする請求項5記載の固体撮像装置。 - 【請求項7】 前記反射防止膜は塗布法によって形成さ
れることを特徴とする請求項5または6記載の固体撮像
装置。 - 【請求項8】 前記塗布法はディッピング法であること
を特徴とする請求項7記載の固体撮像装置。 - 【請求項9】 請求項1から8のいずれか1項に記載の
固体撮像装置と、 前記固体撮像装置へ光を結像する光学系と、 前記固体撮像装置からの出力信号を処理する信号処理回
路とを有することを特徴とする固体撮像システム。
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