JP2003205872A - 装軌式車両 - Google Patents

装軌式車両

Info

Publication number
JP2003205872A
JP2003205872A JP2002005543A JP2002005543A JP2003205872A JP 2003205872 A JP2003205872 A JP 2003205872A JP 2002005543 A JP2002005543 A JP 2002005543A JP 2002005543 A JP2002005543 A JP 2002005543A JP 2003205872 A JP2003205872 A JP 2003205872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
link
crawler
vehicle body
crawler shoe
shoe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002005543A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Ryu
美喜夫 笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Construction Crane Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Construction Crane Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Construction Crane Co Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Construction Crane Co Ltd
Priority to JP2002005543A priority Critical patent/JP2003205872A/ja
Publication of JP2003205872A publication Critical patent/JP2003205872A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carriers, Traveling Bodies, And Overhead Traveling Cranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の装軌式車両は、操向の際、クローラシ
ューの接地面と地面との間に生じる大きな摩擦抵抗によ
り、クローラシューの接地面が損耗したり、アスファル
ト路面やコンクリート路面等の表面が剥離したりして傷
む。 【解決手段】 下部ローラ11に旋回モーメントが作用
すると、リンク19は下部ローラ11と共に旋回モーメ
ントの向きに移動する。このとき、頂点部がピン22に
よって揺動自在にリンク19に支持されている三角状部
材20は、リンク19に押され、底辺部がクローラシュ
ー18の上面を転がり動く。従って、リンク19は、ク
ローラシュー18に対する位置が高くなって、車両本体
は持ち上げられる。車両本体が持ち上がると、下部ロー
ラ11が乗っていないリンク19の下方のクローラシュ
ー18は、地面との接地摩擦抵抗が小さくなり、バネ2
4の弾性復元力により、操向装置に操られた向きに移動
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械のうち、
操向装置を持った装軌式車両に関するものである。詳し
くは、クローラシューがループ状に配置された左右で一
対のクローラベルトと、各クローラベルトの移動速度の
違いによって車両本体の走行方向を操る操向装置とを備
えた装軌式車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装軌式車両としては、例
えば、建設機械のクローラクレーン等がある。従来の一
般的なクローラクレーンは、ジブや運転室等が設置され
た上部旋回体と、この上部旋回体を旋回自在に搭載して
走行する下部走行体とから構成されている。
【0003】図1(a)は、従来のクローラクレーンの
下部走行体であるクローラ式走行体1の構成を示す平面
図であり、同図(b)はその側面図である。
【0004】クローラ式走行体1は、上部旋回体を搭載
するロワーフレーム2の両側部にサイドフレーム3が装
着され、各サイドフレーム3にクローラベルト4が取り
付けられて構成されている。クローラベルト4は、走行
モータ5によって回転駆動させられるドライブスプロケ
ット6と遊動輪になるフロントアイドラ7との間に張ら
れて構成されている。クローラベルト4は、複数のクロ
ーラシュー8がループ状に配置されて構成されている。
クローラシュー8同士は、図2に示すように、隣り合う
冊状部8aが係合させられ、各冊状部8aにピン9が挿
入されることにより連結されている。
【0005】ドライブスプロケット6とフロントアイド
ラ7との間の各サイドフレーム3には、クローラベルト
4を円滑に案内する複数の上部ローラ10および下部ロ
ーラ11が設けられている。また、上部ローラ10は、
クローラベルト4が中間でたるまないように支持し、下
部ローラ11は、図3に示すように、クローラシュー8
の突状ガイド8bをまたいで乗り、クローラクレーンの
車両本体の荷重を支持する。
【0006】このような構成のクローラ式走行体1を備
えた従来の装軌式車両は、駆動装置を構成する走行モー
タ5が回転することによってクローラシュー8がループ
状に移動させられ、クローラシュー8と地面との間に生
じる摩擦力によって走行する。この際、クローラシュー
8には、下部ローラ11を介して車両本体の荷重が所定
時間間隔毎にかかる。
【0007】この種の装軌式車両は、車両本体の荷重が
接地面の広いクローラベルト4に分布されるため、1枚
のクローラシュー8の接地面にかかる接地面圧は、ホイ
ール式走行体のホイール等にかかる接地面圧よりも低く
なる。また、クローラベルト4によって接地面を連続し
て造り出せる。このため、装軌式車両は、荒れ地や軟弱
地、泥濘地等の悪路を容易に走行することが可能であ
る。
【0008】また、装軌式車両の走行方向は、左右の各
クローラベルト4を構成するクローラシュー8の移動速
度が操向装置によって左右で異ならせられることによ
り、操られる。また、左右のクローラシュー8の移動方
向を逆の向きに制御すれば、走行移動させることなく、
車両本体をその場で旋回させられる。この際、操向に要
する地面の範囲は、ホイール式走行体等が操向に要する
範囲よりも小さく、装軌式車両は小回りが利く。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装軌式車両は、クローラシュー8と地面とが滑らな
ければ、直進方向を保って走行するが、走行方向を変え
る操向の際は、クローラシュー8と地面とは滑らなけれ
ばならない。このため、従来の装軌式車両は、操向の
際、クローラシュー8の接地面と地面との間に生じる大
きな摩擦抵抗により、クローラシュー8の接地面が損耗
したり、アスファルト路面やコンクリート路面等の表面
が剥離したりして傷む。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、車両本体の荷重を
支持する複数のローラと、このローラを介して車両本体
の荷重が所定時間間隔毎にかかるクローラシューがルー
プ状に配置されて形成される左右で一対のクローラベル
トと、クローラシューをループ状に移動させてクローラ
シューと地面との間に生じる摩擦力によって車両本体を
走行させる駆動装置と、左右の各クローラベルトのルー
プ状の移動速度を同一にさせる若しくは違わせることに
よって車両本体の走行方向を操る操向装置とを備えた装
軌式車両において、ローラが所定時間間隔毎に乗って車
両本体の荷重を支持すると共に駆動装置の駆動力をクロ
ーラシューに伝える,クローラシュー毎に設けられてル
ープ状に連結されたリンクと、操向装置が操られてルー
プ状のリンクの移動速度を違わせた場合に車両本体に作
用する旋回モーメントをローラが受け,ローラが受けた
モーメント力によってリンクをクローラシューに対して
揺動させて,車両本体を持ち上げながら操向装置によっ
て操られた向きに移動させる揺動持上手段と、この揺動
持上手段によって車両本体が持ち上げられながら移動し
ている間に,ローラがリンクに乗っていないクローラシ
ューをローラが乗っていないリンクと一緒に操向装置に
よって操られた向きに移動させるシュー移動手段とを備
えていることを特徴とする。
【0011】このような構成においては、装軌式車両の
走行時、リンクにはローラが所定時間間隔毎に乗り、ロ
ーラが乗ったリンクの下方のクローラシューには車両本
体の荷重が直接かかる。また、各リンクは連結されてい
るため、ローラが乗っていないリンクにもローラが乗っ
たリンクから車両本体の荷重が伝わり、ローラが乗って
いないリンクの下方のクローラシューには車両本体の荷
重が間接的にかかる。間接的にかかるこの荷重は、ロー
ラが乗ったリンク下方のクローラシューに直接かかる荷
重よりも小さい。
【0012】操向装置が操られて左右の各クローラベル
トのループ状の移動速度が異なると、車両本体には旋回
モーメントが作用する。車両本体に旋回モーメントが作
用すると、揺動持上手段によってリンクがクローラシュ
ーに対して揺動させられて、車両本体は持ち上げられな
がら操向装置によって操られた向きに移動させられる。
車両本体が持ち上げられながら移動すると、ローラが乗
っていないリンクの下方のクローラシューは、地面との
接地摩擦抵抗が小さいため、シュー移動手段により、操
向装置によって操られた向きにリンクと共に一体で移動
させられる。一方、ローラが乗ったリンクの下方のクロ
ーラシューは、地面との接地摩擦抵抗が大きいため、そ
の場に留まり、リンクに追従しない。
【0013】駆動装置によって各リンクがさらにループ
状に移動させられると、ローラが乗っていたリンクから
ローラが離れ、ローラが乗っていなかったリンクにロー
ラが乗る。新たにリンクにローラが乗ったクローラシュ
ーは、既に操向装置によって操られた位置に留まる。一
方、それまで留まっていたクローラシューは、リンクか
らローラが離れることによって地面との接地摩擦抵抗が
小さくなるので、シュー移動手段により、操向装置によ
って操られた向きに移動させられる。
【0014】以後、操向装置の操作が終了して車両本体
に旋回モーメントが作用しなくなるまで、上記動作が繰
り返されて装軌式車両の走行方向が操られる。
【0015】上記の操向動作は、クローラシューを主体
に着目すれば、以下のように解釈できる。特定の1つの
クローラシューの上方のリンクに車両荷重を受けるロー
ラが乗ると、そのクローラシューは、その場に留まる。
リンクから車両荷重を受けるローラが離れると、そのク
ローラシューは、それまで留まっていた位置からリンク
中心までシュー移動手段によって移動する。さらに操向
装置が操られると、その操られた向きにリンクとシュー
とは一体になって引き続いて移動する。クローラシュー
が移動するのは、車両荷重を受けるローラがリンクから
離れて地面との摩擦抵抗が小さいときである。
【0016】また、本発明は、揺動持上手段が、頂点部
がリンクを揺動自在に支持し、底辺部がクローラシュー
のリンクに対向する面を転がり動く三角状部材からなる
ことを特徴とする。
【0017】このような構成においては、操向装置が操
られて車両本体に旋回モーメントが作用すると、三角状
部材の頂点部はリンクと共にクローラシューに対して揺
動し、三角状部材の底辺部はクローラシューのリンクに
対向する面を転がり動く。三角状部材の底辺部がこのよ
うに転がり動くと、その頂点部が上方に移動すると共に
横方向に移動してリンクを持ち上げ移動させる。このた
め、車両本体は持ち上がりつつ旋回するので、走行進行
方向を変えることが出来る。
【0018】また、本発明は、揺動持上手段が、リンク
のクローラシューに対向する側において車幅方向に形成
された谷状または山状の傾斜面と、クローラシューのリ
ンクに対向する側において上記傾斜面に対向して形成さ
れた山状または谷状の傾斜面とから形成されることを特
徴とする。
【0019】このような構成においては、操向装置が操
られて車両本体に走行旋回モーメントが作用すると、リ
ンクは、そのクローラシューに対向する側に形成された
谷状または山状の傾斜面が、クローラシューのリンクに
対向する側において対向して形成された山状または谷状
の傾斜面上を摺動する。このとき、リンクは、谷状また
は山状の斜面を登るので、クローラシューに対する位置
が高くなり、車両本体は持ち上がりつつ旋回する。
【0020】また、本発明は、リンクとクローラシュー
とが、揺動持上手段による車両本体が持ち上げられなが
らの移動を許容する隙間を持った係合部によって連結さ
れていることを特徴とする。
【0021】このような構成においては、係合部の隙間
により、クローラシューは一定位置に留めたまま、リン
クだけを持ち上げながら移動させることが可能である。
従って、クローラシューを地面との摩擦抵抗が大きいと
きには移動させず、摩擦抵抗の小さいときにリンクに追
従させて移動させることが可能である。
【0022】また、本発明は、シュー移動手段が、リン
クとクローラシューとの相対位置を復元する弾性力を発
揮する弾性体であることを特徴とする。
【0023】このような構成においては、操向装置が操
られて車両本体に旋回モーメントが作用し、揺動持上手
段によって車両本体が持ち上げられると共に移動するの
で、地面との接地摩擦抵抗が小さくなったクローラシュ
ーは、弾性体の弾性力によってリンクとの相対位置が元
の位置に復元され、操向装置によって操られた向きに移
動させられる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明による装軌式車両を
クローラクレーンに適用した一実施形態について説明す
る。なお、この説明において、図1に示したクローラ式
走行体1を下部走行体に用いた従来のクローラクレーン
と同一または相当する部分には同図に示した符号と同一
の符号を用いて説明する。
【0025】図4(a)は、本実施形態によるクローラ
クレーンのクローラベルトを構成するクローラシュー1
8付近の構造を概念的に示す図である。
【0026】クローラシュー18は、図1(a),
(b)に示したように、ループ状に配置されてクローラ
式走行体1の一対のクローラベルト4を構成している。
各クローラシュー18には一対の三角状部材20を介し
てリンク19および下部ローラ11が乗っている。クロ
ーラクレーンの車両本体の荷重を支持する下部ローラ1
1は、突状ガイド19aをまたいでリンク19に乗って
いる。リンク19は、クローラシュー18毎に設けられ
て隣接するもの同士がループ状に連結されており、下部
ローラ11が所定時間間隔毎に乗って車両本体の荷重を
支持する。従って、クローラシュー18には、下部ロー
ラ11および三角状部材20を介して車両本体の荷重が
所定時間間隔毎にかかる。
【0027】各三角状部材20は、図4(a)に示すよ
うに、頂点部においてピン22によってリンク19を揺
動自在に支持しており、底辺部がクローラシュー18の
リンク19に対向する面、つまりクローラシュー18の
上面を転がり動く。
【0028】リンク19は、走行モータ5等から構成さ
れる駆動装置によってドライブスプロケット6が回転駆
動されることにより、その突状部19aがドライブスプ
ロケット6の歯に噛み合い、駆動装置が発生する駆動力
をクローラシュー18に伝える。クローラシュー18は
伝えられた駆動力によってループ状に移動させられ、車
両本体はクローラシュー18と地面との間に生じる摩擦
力によって走行する。また、クローラ式走行体1に搭載
される上部旋回体の運転室には、レバー等からなる操向
装置が設けられている。この操向装置の操作によって、
左右の走行モータ5の回転速度が制御され、左右の各ク
ローラベルト4のループ状の移動速度の違いによって車
両本体の走行方向が操られる。
【0029】三角状部材20は、この操向装置が操られ
てループ状のリンク19の移動速度を違わせた場合に車
両本体に作用する旋回モーメントを下部ローラ11が受
け、下部ローラ11が受けたモーメント力によってリン
ク19をクローラシュー18に対して揺動させて、車両
本体を持ち上げながら操向装置によって操られた向きに
移動させる揺動持上手段を構成している。各三角状部材
20の両側のクローラシュー18の上面には、三角状部
材20が当接することによりその転がりの範囲を規制す
るストッパ23が設けられている。
【0030】また、リンク19とクローラシュー18と
の間には、これらを連結するバネ24が設けられてい
る。バネ24は、リンク19とクローラシュー18との
相対位置を復元する弾性力を発揮する弾性体を構成して
おり、また、三角状部材20によって車両本体が持ち上
げられながら移動している間に、下部ローラ11がリン
ク19に乗っていないクローラシュー18を下部ローラ
11が乗っていないリンク19と一緒に操向装置によっ
て操られた向きに移動させるシュー移動手段を構成して
いる。
【0031】図5(a)は、本実施形態によるクローラ
クレーンのクローラベルト4の具体的な構成の一例を示
す一部拡大側面図であり、同図(b)はその平面図であ
る。なお、同図において図4(a)と同一または相当す
る部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0032】リンク19は、断面が逆Uの字状に形成さ
れており、クローラシュー18の上面の幅方向に並設さ
れた三角状部材20,20を覆って各クローラシュー1
8毎に設けられている。クローラシュー18は断面がU
の字状に形成されており、リンク19とクローラシュー
18とは、互いの鉤状部19h,18hを係合させて分
離しないように、かつ、クローラシュー18の幅方向に
摺動自在に連結されている。また、鉤状部19h,18
hによって形成される係合部には、揺動持上手段による
車両本体が持ち上げられながらの移動を許容する、リン
ク19の揺動範囲を確保するための隙間が設けられてい
る。各クローラシュー18毎に設けられた隣接するリン
ク19同士は、隣り合う冊状部19bが係合させられ、
各冊状部19bにピン25が挿入されることによりルー
プ状に連結されている。リンク19がこのようにループ
状に連結されることにより、リンク19にバネ24によ
って連結されているクローラシュー18がループ状に配
置されて、クローラベルト4が形成されている。バネ2
4は、リンク19とクローラシュー18との間に形成さ
れる空間に設けられる。
【0033】図6は、図5(b)をA−A線に沿って破
断して得られる、三角状部材20の構成を示す拡大断面
図である。断面が概三角形である三角状部材20の頂点
部にはリンク19と共にピン22が挿入されており、三
角状部材20は、リンク19を揺動自在に支持してい
る。このピン22の位置は、三角状部材20の底辺部が
クローラシュー18の上面を転がり動くことにより揺動
し、クローラシュー18に対する高さは、三角状部材2
0がストッパ23に当接して転がりを停止し、2点鎖線
で示される位置に静止したたとき最も高くなる。
【0034】このような構成において、クローラベルト
4の接地部分には、図7に示すように、車両本体の荷重
と地面からの反力とがかかる。なお、同図において、図
1および図4(a)と同一または相当する部分には同一
符号を付してその説明は省略する。
【0035】クローラクレーンの車両本体の荷重は、こ
れを支持する下部ローラ11によって白抜き矢印で示さ
れる荷重Wに分布される。従って、リンク19に下部ロ
ーラ11が乗っているクローラシュー18には荷重Wが
直接かかり、地面から反力Nを受ける。また、各リンク
19同士は連結されているため、リンク19に下部ロー
ラ11が乗っていないクローラシュー18には荷重Wが
間接的にかかり、荷重wがかかって地面から反力nを受
ける。このリンク19に下部ローラ11が乗っていない
クローラシュー18に間接的にかかる荷重wおよび反力
nは、リンク19に下部ローラ11が乗っているクロー
ラシュー18に直接かかる荷重Wおよび反力Nよりも小
さい。従って、クローラシュー18と地面との間の摩擦
抵抗係数をμとすると、荷重Wが間接的にかかるクロー
ラシュー18の地面との摩擦抵抗rはμnとなり、荷重
Wが直接かかるクローラシュー18の地面との摩擦抵抗
R=μNよりも小さい。
【0036】次に、本実施形態によるクローラクレーン
の走行動作について説明する。
【0037】図8(a),(b),(c)は、クローラ
ベルト4の接地している部分のクローラシュー18と、
これらに所定時間間隔毎に乗る下部ローラ11との関係
を概念的に示した図である。なお、同図において図4
(a)と同一または相当する部分には同一符号を付して
その説明は省略する。
【0038】本実施形態によるクローラクレーンは、前
述したように、走行モータ5が回転することによってク
ローラシュー18がループ状に移動させられ、クローラ
シュー18と地面との間に生じる摩擦力μNおよびμn
によって走行する。同図(a)は、同図中下方へ直進走
行中のクローラシュー18と下部ローラ11との相互位
置を示している。
【0039】操向装置が操られて左右の各クローラベル
ト4のループ状の移動速度が異なると、車両本体には旋
回モーメントが作用する。車両本体に旋回モーメントが
作用すると、これを支える下部ローラ11にも旋回モー
メントによる横力が作用し、下部ローラ11の乗ったリ
ンク19は下部ローラ11と共に横方向に移動しようと
する。このとき、三角状部材20は、図4(b)に示す
ように、頂点部がリンク19と共にクローラシュー18
に対して旋回モーメントの方向に揺動し、底辺部がクロ
ーラシュー18の上面を転がり動いて、ストッパ23に
当接したところで静止する。このとき、ピン22の位置
が高くなるため、リンク19は、同図に示す位置Aから
位置Bまで横移動すると共に、クローラシュー18に対
する高さが高くなる。従って、クローラクレーンの車両
本体は持ち上がる。このとき、クローラシュー18は、
伸びたバネ24の弾性復元力によってリンク19に追従
しようとするが、地面との接地摩擦抵抗が大きいため、
そのまま位置Aに留まる。
【0040】一方、下部ローラ11が乗っていないリン
ク19も、下部ローラ11の乗っているリンク19に連
結されているため、同図(c)に示す位置Aから同図
(d)に示す位置Bまで、バネ24によって連結された
クローラシュー18と共に移動する。従って、クローラ
シュー18と地面との間には若干の隙間ができる。この
際、リンク19のクローラシュー18に対する高さは変
わらない。
【0041】この状態における各クローラシュー18と
下部ローラ11との位置関係は図8(b)に示される。
この状態において、駆動装置によってクローラシュー1
8がループ状に移動させられ、車両本体が走行すると、
下部ローラ11はそれまで乗っていたリンク19から隣
のリンク19へと移る。従って、リンク19に下部ロー
ラ11が新たに移り乗ったクローラシュー18は、図4
(e)に示すように、車両荷重を受けて位置Bに留ま
る。一方、それまで車両荷重を受けて同図(b)に示す
位置Aに留まっていたクローラシュー18は、リンク1
9から下部ローラ11が離れて車両荷重から開放される
ことにより、地面との接地摩擦抵抗が小さくなる。この
ため、伸びているバネ24の弾性復元力により、操向装
置によって操られた向きに移動させられ、位置Bにおい
てリンク19との相対位置が復元される。この状態にお
ける各クローラシュー18と下部ローラ11との位置関
係は図8(c)に示される。
【0042】以後、操向装置の操作が終了して車両本体
に旋回モーメントが作用しなくなるまで、上記動作が繰
り返されてクローラクレーンの走行方向は操られる。
【0043】ここで、図8(c)に示すように、クロー
ラシュー18が走行した量をΔd、クローラシュー18
の幅方向移動量をΔa、クローラベルト4の接地長さを
Lとすると、操向角Δθは、 Δθ=Δa/(L/2)…(1) に近似的になる。また、図9(b)に示す滑らなくても
回転できるクローラクレーンの回転半径Rは、同図
(a)に示す操向角Δθと走行量Δdとの関係から、 R=Δd/Δθ…(2) で近似的に求められる。従って、(2)式に(1)式を
代入すると、 R=Δd×(L/2)/Δa…(3) と近似的に表せる。例えば、走行量Δdをクローラシュ
ー18の長さ250〔mm〕、幅方向移動量Δaを80
〔mm〕、クローラベルト4の接地長さLを5000
〔mm〕(=250〔mm〕×20枚)とした場合、式
(3)からR=7812.5〔mm〕となり、回転半径
Rは約7.8〔m〕になることが求められる。
【0044】このような本実施形態によるクローラクレ
ーンによれば、操向の際、クローラシュー18は、大き
な接地摩擦抵抗に抗して地面を引きずられることが無く
なり、クローラシュー18の接地面や地面が従来のよう
に損耗したり傷んだりすることは無い。また、大きな接
地摩擦抵抗に抗して操向することがないので、駆動力の
損失が従来よりも少なくなる。このため、走行モータ5
等による走行駆動力を従来よりも小さくすることが出来
る。
【0045】また、図10(a)に示すクローラベルト
4の軌跡のように、クローラシュー18を1枚ずつ送っ
てΔdだけ走行しては切り返し、これを繰り返すことに
より、Δaずつその場で滑ることなく従来と同様な地面
範囲で旋回することが出来る。また、同図(b)に示す
クローラベルト4の軌跡のように、切り返すことなくΔ
aずつ操向しながら前進することが出来る。また、同図
(c)に示すクローラベルト4の軌跡のように、クロー
ラシュー18をx枚ずつ送ってΔd・x走行しては切り
返し、これを繰り返すことにより、Δa・xずつその場
で滑ることなく従来と同様な地面範囲で旋回することも
出来る。
【0046】なお、本実施形態においては、揺動持上手
段として、頭頂部がリンク19に揺動自在にピン22で
支持された三角状部材20を用いる場合について説明し
たが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、
図11(a)に示すように、揺動持上手段は、単にリン
ク19Aを支持するだけの三角コロ20Aのような部材
であっても、同図(b)に示すように、リンク19Aを
揺動させてクローラシュー18Aに対して持ち上げる構
成であればよい。なお、同図において図4(a)と同一
または相当する部分には同一符号を付してその説明は省
略する。
【0047】また、図12(a)に示すように、リンク
19Bのクローラシュー18Bに対向する側において車
幅方向に形成された山状の傾斜面19Baと、クローラ
シュー18Bのリンク19Bに対向する側において上記
傾斜面19Baに対向して形成された谷状の傾斜面18
Baとから揺動持上手段を形成してもよい。このような
構成においては、操向装置が操られて車両本体に旋回モ
ーメントが作用すると、リンク19Bは、そのクローラ
シュー18Bに対向する側に形成された山状の傾斜面1
9Baが、クローラシュー18Bのリンク19Bに対向
する側において対向して形成された谷状の傾斜面18B
a上を摺動する。このとき、リンク19bは、谷状の斜
面を登るので、クローラシュー18Bに対する位置が高
くなり、車両本体は持ち上がる。なお、リンク19Bの
クローラシュー18Bに対向する側において車幅方向に
谷状の傾斜面を形成し、クローラシュー18Bのリンク
19Bに対向する側においてこの傾斜面に対向する山状
の傾斜面を構成してもよい。
【0048】揺動持上手段を上記各構成に形成した場合
においても、上記実施形態と同様な効果が得られる。
【0049】また、本実施形態においては、本発明によ
る装軌式車両をクローラクレーンに適用した場合につい
て説明したが、ブルドーザやトラクタショベル等にも同
様に適用することが出来、この場合においても上記実施
形態と同様な効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、操
向装置が操られて左右の各クローラベルトのループ状の
移動速度が異なると、車両本体には旋回モーメントが作
用する。車両本体に旋回モーメントが作用すると、揺動
持上手段によってリンクがクローラシューに対して揺動
させられて、車両本体は持ち上げられながら操向装置に
よって操られた向きに移動させられる。車両本体が持ち
上げられながら移動すると、ローラが乗っていないリン
クの下方のクローラシューは、地面との接地摩擦抵抗が
小さいため、シュー移動手段により、操向装置によって
操られた向きにリンクと共に一体で移動させられる。一
方、ローラが乗ったリンクの下方のクローラシューは、
地面との接地摩擦抵抗が大きいため、その場に留まり、
リンクに追従しない。
【0051】この結果、本発明の装軌式車両によれば、
操向の際、クローラシューは、大きな接地摩擦抵抗に抗
して地面を引きずられることが無くなり、クローラシュ
ーの接地面や地面が従来のように損耗したり傷んだりす
ることは無い。また、大きな接地摩擦抵抗に抗する操向
がないので、駆動力の損失が従来よりも少なくなる。こ
のため、走行駆動力を従来よりも小さくすることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来の装軌式車両の構成を示す平面図
であり、(b)はその側面図である。
【図2】図1に示すクローラシューの連結部の構成を示
す平面図である。
【図3】図1に示すクローラシューの正面図である。
【図4】(a)は本発明の一実施形態による装軌式車両
のクローラシュー付近の構造を概念的に示す図であり、
(b)は(a)において旋回モーメントが作用した後の
状態を示す図であり、(c)は(a)においてローラが
乗っていない状態を示す図であり、(d)は(c)にお
いて旋回モーメントが作用した後の状態を示す図であ
り、(e)は(d)においてローラが乗った状態を示す
図である。
【図5】(a)は本発明の一実施形態による装軌式車両
のクローラベルトの具体的構成を示す側面図であり、
(b)はその平面図である。
【図6】図5に示す三角状部材の構成を示す拡大断面図
である。
【図7】本発明の一実施形態による装軌式車両のクロー
ラベルトにかかる車両本体の荷重の分布を概念的に示す
図である。
【図8】本発明の一実施形態による装軌式車両のクロー
ラベルトの接地している部分のクローラシューとこれら
に所定時間間隔毎に乗るローラとの関係を概念的に示し
た図である。
【図9】(a)は本発明の一実施形態による装軌式車両
の回転半径と操向角および走行量との関係を示す図であ
り、(b)はクローラベルトが描く回転半径の軌跡を示
す図である。
【図10】本発明の一実施形態による装軌式車両の操向
形態の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による装軌式車両を構成
する揺動持上手段の第1の変形例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による装軌式車両を構成
する揺動持上手段の第2の変形例を示す図である。
【符号の説明】
4…クローラベルト 5…走行モータ 6…ドライブスプロケット 7…フロントアイドラ 11…下部ローラ 18,18A,18B…クローラシュー 18Ba…クローラシュー18Bの谷状傾斜面 19,19A,19B…リンク 19Ba…リンク19Bの山状傾斜面 20…三角状部材 20A…三角コロ 22,25…ピン 23…ストッパ 24…バネ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両本体の荷重を支持する複数のローラ
    と、このローラを介して前記車両本体の荷重が所定時間
    間隔毎にかかるクローラシューがループ状に配置されて
    形成される左右で一対のクローラベルトと、前記クロー
    ラシューをループ状に移動させて前記クローラシューと
    地面との間に生じる摩擦力によって前記車両本体を走行
    させる駆動装置と、左右の前記各クローラベルトのルー
    プ状の移動速度を同一にさせる若しくは違わせることに
    よって前記車両本体の走行方向を操る操向装置とを備え
    た装軌式車両において、 前記ローラが所定時間間隔毎に乗って前記車両本体の荷
    重を支持すると共に前記駆動装置の駆動力を前記クロー
    ラシューに伝える,前記クローラシュー毎に設けられて
    ループ状に連結されたリンクと、前記操向装置が操られ
    てループ状の前記リンクの移動速度を違わせた場合に前
    記車両本体に作用する旋回モーメントを前記ローラが受
    け,前記ローラが受けたモーメント力によって前記リン
    クを前記クローラシューに対して揺動させて,前記車両
    本体を持ち上げながら前記操向装置によって操られた向
    きに移動させる揺動持上手段と、この揺動持上手段によ
    って前記車両本体が持ち上げられながら移動している間
    に,前記ローラが前記リンクに乗っていない前記クロー
    ラシューを前記ローラが乗っていない前記リンクと一緒
    に前記操向装置によって操られた向きに移動させるシュ
    ー移動手段とを備えていることを特徴とする装軌式車
    両。
  2. 【請求項2】 前記揺動持上手段は、頂点部が前記リン
    クを揺動自在に支持し、底辺部が前記クローラシューの
    前記リンクに対向する面を転がり動く三角状部材からな
    ることを特徴とする請求項1に記載の装軌式車両。
  3. 【請求項3】 前記揺動持上手段は、前記リンクの前記
    クローラシューに対向する側において車幅方向に形成さ
    れた谷状または山状の傾斜面と、前記クローラシューの
    前記リンクに対向する側において前記傾斜面に対向して
    形成された山状または谷状の傾斜面とから形成されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の装軌式車両。
  4. 【請求項4】 前記リンクと前記クローラシューとは、
    前記揺動持上手段による前記車両本体が持ち上げられな
    がらの移動を許容する隙間を持った係合部によって連結
    されていることを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれか1項に記載の装軌式車両。
  5. 【請求項5】 前記シュー移動手段は、前記リンクと前
    記クローラシューとの相対位置を復元する弾性力を発揮
    する弾性体であることを特徴とする請求項1から請求項
    4のいずれか1項に記載の装軌式車両。
JP2002005543A 2002-01-15 2002-01-15 装軌式車両 Pending JP2003205872A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005543A JP2003205872A (ja) 2002-01-15 2002-01-15 装軌式車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005543A JP2003205872A (ja) 2002-01-15 2002-01-15 装軌式車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003205872A true JP2003205872A (ja) 2003-07-22

Family

ID=27644557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002005543A Pending JP2003205872A (ja) 2002-01-15 2002-01-15 装軌式車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003205872A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103847823A (zh) * 2013-01-28 2014-06-11 中国科学院合肥物质科学研究院 履带式仿生爬壁机器人脚掌结构及其运动方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103847823A (zh) * 2013-01-28 2014-06-11 中国科学院合肥物质科学研究院 履带式仿生爬壁机器人脚掌结构及其运动方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2103508B1 (en) Crawler travel unit
US5295741A (en) Core bar for rubber track and rubber track traveling device
US7594705B2 (en) Track roller assembly for the crawler chain of a crawler chassis
CN101472784A (zh) 用于车辆的雪地牵引单元
JP2001225770A (ja) 装軌車両の走行装置
CN1248897C (zh) 履带式工程车辆的行走装置
CN103347775A (zh) 橡胶履带
JP5514886B2 (ja) クローラ走行装置
JP2003205872A (ja) 装軌式車両
JP4671903B2 (ja) トラックローラガード
JP2011084092A (ja) クローラ走行装置
JPH08301154A (ja) 弾性クローラ用芯金
JP2000135993A (ja) トラクター
JP2001334969A (ja) クローラ式走行装置
JP3957098B2 (ja) 旋回作業車
JPH0122730Y2 (ja)
JP3469953B2 (ja) クローラ式走行装置
JPH08301155A (ja) 弾性クローラ用芯金
JP2002255065A (ja) クローラ走行装置
JPH0971271A (ja) クローラ走行体
JP3349104B2 (ja) 旋回形掘削作業機の走行装置及び該装置用の芯金
JP2004314686A (ja) 建設機械の走行装置
JPH08244657A (ja) 内周駆動型ゴムクロ−ラ及びスプロケット
JPH09207831A (ja) 履帯式車両に用いられる懸架装置
JP2005053421A (ja) 車両用セミクローラ装置