JP2003203634A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池

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JP2003203634A JP2002310653A JP2002310653A JP2003203634A JP 2003203634 A JP2003203634 A JP 2003203634A JP 2002310653 A JP2002310653 A JP 2002310653A JP 2002310653 A JP2002310653 A JP 2002310653A JP 2003203634 A JP2003203634 A JP 2003203634A
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雅敏 永山
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Ryoichi Tanaka
亮一 田中
Hideya Asano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムイオン二次電池の充放電サイクルに
伴う容量低下を抑制し、高温保存による容量低下を小さ
くして、信頼性に優れたリチウムイオン二次電池を提供
する。 【解決手段】 正極、負極および非水電解質からなり、
前記正極が、正極活物質、導電剤、および結着剤からな
り、前記正極活物質が、化学式Lia(Co1-x-yMgx
ybc(Mは、NiおよびAlより選ばれる少なく
とも1種、0≦a≦1.05、0.03≦x≦0.1
5、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8
≦c≦2.1)で表されるリチウム含有複合酸化物から
なり、前記正極に含まれる前記導電剤の量が、前記正極
活物質100重量部あたり3.0重量部以下であるリチ
ウムイオン二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、民生用電子機器のポータブル化、
コードレス化が急激に進んでいる。現在、これら電子機
器の駆動用電源を担う小型・軽量で高エネルギー密度を
有する電池への要望が高まっている。とりわけリチウム
イオン二次電池は、高電圧で高エネルギー密度を有する
ことから、ノートパソコン、携帯電話、AV機器などの
電源として、今後の大きな成長が期待されている。これ
まで主流を占めていたアルカリ水溶液を電解質とするニ
ッケル−カドミウム蓄電池あるいはニッケル−水素蓄電
池は、リチウムイオン二次電池に置き換わりつつある。
【0003】リチウムイオン二次電池の正極活物質に
は、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiM
24などのリチウム含有複合酸化物が用いられてい
る。これらの正極活物質は、充放電を行うことにより膨
張・収縮を繰り返す。この際に結晶構造の破壊や粒子の
割れ等が発生するため、充放電サイクルに伴う容量低下
や内部抵抗の増加を生じる。このような問題に対し、コ
バルトまたはニッケルの一部を他の元素で置換すること
により、結晶構造の安定化を図るという報告がある。例
えば、正極活物質のコバルトの一部をマグネシウムなど
の元素と置換することにより、サイクル特性や安全性を
向上させるという報告がある(特許文献1〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3162437号公報
【特許文献2】特開平5−242891号公報
【特許文献3】特開平6−168722号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の技術では、サイクル特性の劣化を抑制することが
できる反面、例えば、充電状態の電池を85℃で3日間
保存した場合には、電池内におけるガス発生量が比較的
多くなることが確認されている。特に、角薄型電池やラ
ミネートシートからなる外装材を有する電池の場合、ケ
ースや外装材の強度が弱いため、ガス発生による電池厚
みの増加や容量低下が生じることがある。ガス発生量が
増加する原因は現在のところ確かではないが、コバルト
の一部をマグネシウムで置換した正極活物質は、電子伝
導性が高く、活物質表面が活性なため、非水電解質との
反応性が高まり、非水電解質の分解が促進されるためと
考えられている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極、負極お
よび非水電解質からなり、前記正極が、正極活物質、導
電剤、および結着剤からなり、前記正極活物質が、化学
式Lia(Co1-x-yMgxybc(Mは、Niおよび
Alより選ばれる少なくとも1種、0≦a≦1.05、
0.03≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85
≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されるリチウ
ム含有複合酸化物からなり、前記正極に含まれる前記導
電剤の量が、前記正極活物質100重量部あたり3.0
重量部以下であるリチウムイオン二次電池に関する。
【0007】前記正極に含まれる前記結着剤の量は、前
記正極活物質100重量部あたり1.0重量部以上4.
0重量部以下であることが好ましい。前記結着剤は、ポ
リフッ化ビニリデンからなり、前記ポリフッ化ビニリデ
ンの重量平均分子量が、150000以上350000
以下であることが好ましい。前記非水電解質は、非水溶
媒および前記非水溶媒に溶解するリチウム塩からなり、
前記非水溶媒が、γ−ブチロラクトンおよび/またはγ
−ブチロラクトン誘導体を含むことが好ましい。前記負
極は、核粒子および前記核粒子表面の少なくとも一部を
被覆する非晶質炭素からなる材料を含み、前記核粒子は
黒鉛からなることが好ましい。本発明によれば、充放電
サイクルに伴う容量低下を抑制するとともに、高温保存
時の容量低下を抑制したリチウムイオン二次電池を提供
することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、化学式Lia(Co
1-x-yMgxybc(Mは、NiおよびAlより選ば
れる少なくとも1種、0≦a≦1.05、0.03≦x
≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.
1、1.8≦c≦2.1)で表されるリチウム含有複合
酸化物からなる正極活物質を用いる。前記複合酸化物の
結晶においては、マグネシウムでコバルトの一部が置換
されている。そのため、結晶構造が安定であり、充放電
サイクルに伴う結晶構造の破壊や粒子の割れが発生しに
くい。従って、電池の容量低下が抑制され、サイクル寿
命が向上する。
【0009】マグネシウムの含有率xが0.03未満の
場合、複合酸化物の結晶構造の安定化が不十分となる。
従って、充放電を繰り返すと、内部抵抗が増大し、サイ
クル特性が大きく劣化する。一方、含有率xが0.15
をこえると、正極活物質の充放電容量が低下する。この
ことから、Mgの含有率xは、0.03≦x≦0.15
を満たす必要がある。
【0010】前記複合酸化物は、元素Mとして、Niお
よびAlより選ばれる少なくとも1種を含むことができ
る。Niを含む複合酸化物は、低コストで得ることがで
き、耐熱性が向上する。また、Alを含む複合酸化物
は、耐熱性が向上し、サイクル特性がさらに改善され
る。ただし、元素Mの含有率yが、0.25より大きく
なると、次のようなデメリットが生じる。すなわち、N
iが過剰の場合には、サイクル寿命特性の低下や高温保
存時のガス発生量が増加する。また、Alが過剰の場合
には、活物質の充放電容量が低下したり、活物質粒子の
タップ密度が低下して極板容量が下がったりする。この
ことから、Mの含有率yは、0≦y≦0.25を満たす
必要がある。
【0011】前記正極活物質は、例えば、リチウム塩
と、マグネシウム塩と、コバルト塩とを酸化雰囲気下で
高温で焼成することにより、得ることができる。正極活
物質を合成するための原料としては、以下のものを用い
ることができる。リチウム塩としては、炭酸リチウム、
水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リ
チウム等を用いることができる。マグネシウム塩として
は、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩化
マグネシウム、フッ化マグネシウム、硝酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、蓚酸マグネ
シウム、硫化マグネシウム、水酸化マグネシウムを用い
ることができる。コバルト塩としては、酸化コバルト、
水酸化コバルト等を用いることができる。
【0012】正極活物質を、導電剤、結着剤、分散媒等
と混合することにより、ペースト状の正極合剤を得るこ
とができる。前記導電剤には、電池内において化学変化
を起こしにくい電子伝導性材料を特に限定なく用いるこ
とができるが、特に炭素材料が好ましい。例えば、アセ
チレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラ
ック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマル
ブラック等のカーボンブラック、鱗片状黒鉛などの天然
黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、導電性炭素繊維などを用いる
ことができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0013】本発明で用いる正極は、正極活物質100
重量部あたり、3重量部以下の導電剤を含んでいる。導
電剤の量を3重量部以下にすることにより、高温保存下
での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することが
でき、高温保存後の容量低下が抑制される。また、導電
剤は比較的比表面積が大きいが、導電剤の量を3重量部
以下にすることにより、導電剤を被覆する結着剤量を少
なくすることができる。従って、結着剤量を正極活物質
100重量部あたり、4重量部以下にしても、十分な極
板強度を得ることが可能になる。このように絶縁性の結
着剤を少なくすることによって、電池の負荷特性が向上
し、サイクル特性がさらに向上するという相乗効果が得
られる。ただし、結着剤量が、正極活物質100重量部
あたり、1重量部未満になると、充分な極板強度を得る
ことが困難になる。
【0014】前記結着剤には、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂のいずれを用いてもよく、これらを組み合わせて用
いることもできる。これらの中では、ポリフッ化ビニリ
デン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)が好ましく、特にPVdFが好ましい。なかでも
分子量150000以上のPVdFを用いた場合には、
結着強度が向上し、極めて少量でも十分な極板強度が得
られる。この場合、絶縁性の結着剤量をさらに低減でき
ることから、電池の負荷特性がさらに向上し、サイクル
特性が一段と向上するという相乗効果が得られる。一
方、PVdFの分子量が350000以上になると、逆
に、負荷特性が低下し、サイクル特性が低下する傾向が
ある。前記分散媒には、水系分散媒やN−メチル−2−
ピロリドンなどの有機分散媒を用いることができる。
【0015】リチウムイオン二次電池には、非水溶媒お
よび前記非水溶媒に溶解するリチウム塩からなる非水電
解質を用いることが好ましい。非水溶媒としては、例え
ば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環
状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカ
ーボネートなどの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢
酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルな
どの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラク
トン等のγ−ブチロラクトン誘導体類、1,2−ジメト
キシエタン等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン等
の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジ
オキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホ
ルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピル
ニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸
トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導
体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリ
ジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロ
フラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサル
トン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチル
−2−ピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げる
ことができる。これらは単独で用いてもよいが、2種以
上を組み合わせて用いることが好ましい。
【0016】前記非水溶媒には、γ−ブチロラクトンお
よび/またはγ−ブチロラクトン誘導体を含有させるこ
とが好ましい。上述の正極活物質を用いた場合、通常よ
く使用されている環状カーボネートと鎖状カーボネート
とを含む非水電解質では、高温保存時に発生するガス量
が多くなる傾向がある。従って、上述の正極活物質と、
環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む非水電解
質との相性は良好とは言えない。一方、γ−ブチロラク
トンやγ−ブチロラクトン誘導体を含む非水電解質の場
合、上述の正極活物質を用いても、高温保存時のガス発
生量が少量に抑えられる。これは、γ−ブチロラクトン
やγ−ブチロラクトン誘導体が、正極表面に被膜を形成
し、ガスを発生させる反応が抑制されるためと考えられ
る。
【0017】前記効果は、γ−ブチロラクトンおよび/
またはγ−ブチロラクトン誘導体の非水溶媒における含
有率が0.5重量%以上の場合に得ることができる。前
記含有率が0.5重量%未満では、高温保存下における
正極表面での被膜形成が不十分となり、前記効果が得ら
れない。ただし、前記含有率が80重量%を超えると、
非水電解質のイオン導電性が低下して電池のレート特性
が低下する。本発明において特に好ましい溶媒は、γ−
ブチロラクトン0.5〜70体積%と、ビニレンカーボ
ネート0.5〜4体積%と、環状カーボネート10〜4
0体積%との混合溶媒であり、さらに鎖状カーボネート
0〜85体積%を含んでもよい。
【0018】非水溶媒に溶解するリチウム塩としては、
例えばLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiA
lCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiC
3SO3 、LiCF3 CO2 、Li(CF3SO22
LiAsF6 、LiN(CF3SO22、LiB10Cl
10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiB
r、LiI、クロロボランリチウム等を挙げることがで
きる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。また、少なくともLiPF6 を用
いることが好ましい。非水電解質におけるリチウム塩の
濃度は、特に限定されないが、0.2〜2mol/リッ
トルであることが好ましく、0.5〜1.5mol/リ
ットルであることが特に好ましい。
【0019】本発明で用いる負極材料は、リチウム合
金、炭素材料、無機酸化物、無機カルコゲナイド、窒化
物、金属錯体、有機高分子化合物等のように、リチウム
イオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。これらの負極材料のうちでは、特に、炭素材料
が好ましい。例えば、リチウムと炭素材料、リチウムと
無機酸化物、リチウムと炭素材料と無機酸化物との組み
合わせなどが挙げられる。これらの負極材料は、高容
量、高放電電位、高い安全性、高いサイクル特性等を与
える点で好ましい。
【0020】前記リチウム合金としては、Li−Al、
Li−Al−Mn、Li−Al−Mg、Li−Al−S
n、Li−Al−In、Li−Al−Cd、Li−Al
−Te、Li−Ga、Li−Cd、Li−In、Li−
Pb、Li−Bi、Li−Mgなどが挙げられる。この
場合、リチウムの含有率は10重量%以上であることが
好ましい。
【0021】前記炭素材料としては、コークス、熱分解
炭素類、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビ
ーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラ
ス状炭素類、ポリアクリロニトリル、ピッチ、セルロー
スもしくは気相成長炭素からなる炭素繊維、不定形炭
素、有機物の焼成体などが挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、炭素材料は、炭素以外に、O、B、P、N、S、S
iC、B4Cなどの異種元素や化合物を含んでもよい。
異種元素や化合物の含有率は0〜10重量%が好まし
い。
【0022】前記無機酸化物としては、例えば、チタン
酸化物、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、ニオ
ブ酸化物、バナジウム酸化物、鉄酸化物等が挙げられ
る。また、前記無機カルコゲナイドとしては、例えば、
硫化鉄、硫化モリブデン、硫化チタン等が挙げられる。
前記有機高分子化合物としては、ポリチオフェン、ポリ
アセチレン等の高分子化合物が挙げられる。前記窒化物
としては、コバルト窒化物、銅窒化物、ニッケル窒化
物、鉄窒化物、マンガン窒化物等が挙げられる。
【0023】前記炭素材料としては、黒鉛の核粒子およ
び前記核粒子表面の少なくとも一部を被覆する非晶質炭
素からなる材料(以下、材料X)が特に好ましい。材料
Xを用いる場合、正極からマグネシウムが溶出した場合
に、表面の非晶質炭素中にマグネシウムを取り込むこと
ができるため、黒鉛層間にマグネシウムが挿入されて、
負極特性が劣化するの防ぐことができる。このため、高
温保存後の容量低下がさらに改善されるという効果が得
られる。材料Xの平均粒径は3〜20μmであることが
好ましい。
【0024】前記負極材料を、結着剤、分散媒等と混合
することにより、ペースト状の負極合剤を得ることがで
きる。結着剤や分散媒には、正極の作製で用いるものと
同様のものを用いることができる。正極は、金属箔等か
らなる芯材上に、正極合剤を塗布し、圧延、乾燥するこ
とにより、得ることができる。また、負極は、金属箔等
からなる芯材上に、負極合剤を塗布し、圧延、乾燥する
ことにより、得ることができる。正極や負極がシート状
の場合、電極合剤層は芯材の両面に設けることが好まし
い。一方の面の電極合剤層が複数層から構成されていて
もよい。電極合剤層の他に、活物質を含まない保護層、
芯材上に設けられる下塗り層、電極合剤層間に設けられ
る中間層等を有していてもよい。
【0025】以下、図面を参照しながら本発明を実施例
に基づいて説明する。図1に、実施例で作製した角型リ
チウムイオン二次電池の構造を示す。なお、ここでは角
型電池を作製したが、本発明の電池の形状は、これに限
定されるものではない。本発明は、例えば、円筒型、コ
イン型、ボタン型、シート型、積層型、偏平型の電池
や、電気自動車等に用いる大型電池にも適用できる。
【0026】
【実施例】《実施例1》 (i)正極活物質の調製 0.95mol/リットルの濃度で硫酸コバルトを含
み、0.05mol/リットルの濃度で硫酸マグネシウ
ムを含む水溶液を、反応槽に連続供給し、水のpHが1
0〜13になるように反応槽に水酸化ナトリウムを滴下
しながら、活物質の前駆体を合成した。その結果、Co
0.95Mg0.05(OH)2からなる水酸化物を得た。
【0027】この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウム
とコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.9
5:0.05になるように混合し、混合物を600℃で
10時間仮焼成し、粉砕した。次いで、粉砕された焼成
物を900℃で再度10時間焼成し、粉砕、分級し、化
学式Li(Co0.95Mg0.05)O2で表される正極活物
質を得た。
【0028】(ii)正極の作製 得られた正極活物質100重量部に対し、導電剤として
アセチレンブラックを1.5重量部混合し、さらに結着
剤として分子量300000のポリフッ化ビニリデン
(PVdF)のN−メチル−2−ピロリドン溶液を樹脂
分で2重量部加え、撹拌・混合し、ペースト状の正極合
剤を得た。正極合剤は、厚さ15μmのアルミニウム箔
の芯材の両面に塗布し、乾燥後、これを圧延し、所定寸
法に裁断し、正極とした。
【0029】(iii)負極の作製 平均粒径20μmの燐片状黒鉛100重量部に対し、増
粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を樹脂分
で1重量部混合し、さらに結着剤としてスチレン−ブタ
ジエンゴムを2重量部加え、撹拌・混合し、ペースト状
の負極合剤を得た。負極合剤は、厚さ10μmの銅箔の
芯材の両面に塗布し、乾燥後、これを圧延し、所定寸法
に裁断し、負極とした。
【0030】(iv)電池の組立 作製した正極と負極とを厚さ20μmの微多孔性ポリエ
チレン製セパレータを介して扁平な渦巻状に捲回し、極
板群1を構成した。正極と負極には、それぞれ正極リー
ド2および負極リード3を溶接した。極板群1の上部に
ポリエチレン樹脂製絶縁リングを装着し、図1に示され
るように、アルミニウム製電池ケース4内に収納した。
図1には、絶縁リングは示されていない。正極リード2
の他端は、アルミニウム製封口板5にスポット溶接し
た。負極リード3の他端は、封口板5の中央部にあるニ
ッケル製負極端子6の下部にスポット溶接した。電池ケ
ース4の開口端部と封口板5とをレーザー溶接し、所定
量の非水電解質を注入口から注入した。最後に注入口を
アルミニウム製の封栓7で塞ぎ、レーザーで封口板5に
溶接した。
【0031】非水電解質としては、エチレンカーボネー
トとエチルメチルカーボネートとの体積比1:3の混合
溶媒に1.0mol/リットルの濃度でLiPF6を溶
解したものを用いた。このようにして作製した電池を本
発明の電池1Aとした。
【0032】《実施例2》正極の導電剤であるアセチレ
ンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、
3.0重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、
本発明の電池2Aを作製した。
【0033】《実施例3》正極の導電剤であるアセチレ
ンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、
0.05重量部にしたこと以外、実施例1と同様にし
て、本発明の電池3Aを作製した。
【0034】《実施例4》正極の導電剤であるアセチレ
ンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、0
重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明
の電池4Aを作製した。すなわち、電池4Aの正極は、
導電剤を含んでいない。
【0035】《実施例5》正極の導電剤であるアセチレ
ンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、
0.1重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、
本発明の電池5Aを作製した。
【0036】《実施例6》正極の導電剤であるアセチレ
ンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、
0.5重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、
本発明の電池6Aを作製した。
【0037】《実施例7》正極の導電剤であるアセチレ
ンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、
1.0重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、
本発明の電池7Aを作製した。
【0038】《実施例8》実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.97Mg0.03(OH)2からなる水酸化物を合
成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコ
バルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.97:
0.03になるように混合したこと以外、実施例1と同
様の操作を行って、化学式Li(Co0.97Mg0.03)O
2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物
質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の
電池8Aを作製した。
【0039】《実施例9》実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.85Mg0.15(OH)2からなる水酸化物を合
成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコ
バルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.85:
0.15になるように混合したこと以外、実施例1と同
様の操作を行って、化学式Li(Co0.85Mg0.15)O
2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物
質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の
電池9Aを作製した。
【0040】《実施例10》実施例1に準じて、前駆体
としてCo0.90Mg0.10(OH)2からなる水酸化物を
合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムと
コバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.9:
0.1になるように混合したこと以外、実施例1と同様
の操作を行って、化学式Li(Co0.90Mg0.10)O2
で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質
を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電
池10Aを作製した。
【0041】《実施例11》正極の結着剤である分子量
300000のPVdFの量を、正極活物質100重量
部あたり、4重量部にしたこと以外、実施例1と同様に
して、本発明の電池11Aを作製した。
【0042】《実施例12》正極の結着剤である分子量
300000のPVdFの量を、正極活物質100重量
部あたり、1重量部にしたこと以外、実施例1と同様に
して、本発明の電池12Aを作製した。
【0043】《実施例13》正極の結着剤であるPVd
Fの分子量を350000にしたこと以外、実施例1と
同様にして、本発明の電池13Aを作製した。
【0044】《実施例14》正極の結着剤であるPVd
Fの分子量を150000にしたこと以外、実施例1と
同様にして、本発明の電池14Aを作製した。
【0045】《実施例15》エチレンカーボネート、エ
チルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビ
ニレンカーボネートを体積比20:77.5:0.5:
2で混合した混合溶媒に、1.0mol/リットルの濃
度でLiPF6を溶解した。こうして得られた非水電解
質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の
電池15Aを作製した。
【0046】《実施例16》エチレンカーボネート、エ
チルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビ
ニレンカーボネートを体積比20:48:30:2で混
合した混合溶媒に、1.0mol/リットルの濃度でL
iPF6を溶解した。こうして得られた非水電解質を用
いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池1
6Aを作製した。
【0047】《実施例17》エチレンカーボネート、エ
チルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビ
ニレンカーボネートを体積比20:8:70:2で混合
した混合溶媒に、1.0mol/リットルの濃度でLi
PF6を溶解した。こうして得られた非水電解質を用い
たこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池17
Aを作製した。
【0048】《実施例18》平均粒径20μmの燐片状
黒鉛を、石油ピッチと混合し、800℃で焼成し、燐片
状黒鉛の表面の少なくとも一部を非晶質炭素で被覆し
た。こうして得られた炭素材料(平均粒径22μm)
を、鱗片状黒鉛の代わりに用いたこと以外、実施例1と
同様にして、本発明の電池18Aを作製した。
【0049】《実施例19》0.90mol/リットル
の濃度で硫酸コバルトを含み、0.05mol/リット
ルの濃度で硫酸マグネシウムを含み、0.05mol/
リットルの濃度で硫酸ニッケルを含む水溶液を調製し
た。この水溶液を用いて、実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.90Mg0.05Ni0.05(OH)2からなる水酸
化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチ
ウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比
が、1:0.90:0.05:0.05になるように混
合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学
式Li(Co0.90Mg0.05Ni0.05)O2で表される正
極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと
以外、実施例1と同様にして、本発明の電池19Aを作
製した。
【0050】《実施例20》実施例1に準じて、前駆体
としてCo0.85Mg0.05Ni0.10(OH)2からなる水
酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リ
チウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比
が、1:0.85:0.05:0.10になるように混
合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学
式Li(Co 0.85Mg0.05Ni0.10)O2で表される正
極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと
以外、実施例1と同様にして、本発明の電池20Aを作
製した。
【0051】《実施例21》実施例1に準じて、前駆体
としてCo0.80Mg0.05Ni0.15(OH)2からなる水
酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リ
チウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比
が、1:0.80:0.05:0.15になるように混
合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学
式Li(Co 0.80Mg0.05Ni0.15)O2で表される正
極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと
以外、実施例1と同様にして、本発明の電池21Aを作
製した。
【0052】《実施例22》実施例1に準じて、前駆体
としてCo0.70Mg0.05Ni0.25(OH)2からなる水
酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リ
チウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比
が、1:0.70:0.05:0.25になるように混
合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学
式Li(Co 0.70Mg0.05Ni0.25)O2で表される正
極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと
以外、実施例1と同様にして、本発明の電池22Aを作
製した。
【0053】《実施例23》0.85mol/リットル
の濃度で硫酸コバルトを含み、0.05mol/リット
ルの濃度で硫酸マグネシウムを含み、0.1mol/リ
ットルの濃度で硫酸アルミニウムを含む水溶液を調製し
た。この水溶液を用いて、実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.85Mg0.05Al0.1(OH)2からなる水酸化
物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウ
ムとコバルトとマグネシウムとアルミニウムとのモル比
が、1:0.85:0.05:0.1になるように混合
したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式
Li(Co0.85Mg0.05Al0. 1)O2で表される正極活
物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以
外、実施例1と同様にして、本発明の電池23Aを作製
した。
【0054】《実施例24》実施例1に準じて、前駆体
としてCo0.70Mg0.05Al0.25(OH)2からなる水
酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リ
チウムとコバルトとマグネシウムとアルミニウムとのモ
ル比が、1:0.70:0.05:0.25になるよう
に混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、
化学式Li(Co0.70Mg0.05Al0.25)O2で表され
る正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いた
こと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池24A
を作製した。
【0055】《比較例1》実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.98Mg0.02(OH)2からなる水酸化物を合
成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコ
バルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.98:
0.02になるように混合したこと以外、実施例1と同
様の操作を行って、化学式Li(Co0.98Mg0.02)O
2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物
質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の
電池1Bを作製した。
【0056】《比較例2》実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.80Mg0.20(OH)2からなる水酸化物を合
成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコ
バルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.80:
0.20になるように混合したこと以外、実施例1と同
様の操作を行って、化学式Li(Co0.80Mg0.20)O
2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物
質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の
電池2Bを作製した。
【0057】《比較例3》マグネシウムを含まない化学
式LiCoO2で示される正極活物質を用いたこと以
外、実施例1と同様にして、比較例の電池3Bを作製し
た。
【0058】《比較例4》正極の導電剤であるアセチレ
ンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、
4.0重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、
比較例の電池4Bを作製した。
【0059】《実施例25》正極の結着剤である分子量
300000のPVdFの量を、正極活物質100重量
部あたり、0.5重量部にしたこと以外、実施例1と同
様にして、本発明の電池25Aを作製した。
【0060】《実施例26》正極の結着剤である分子量
300000のPVdFの量を、正極活物質100重量
部あたり、5重量部にしたこと以外、実施例1と同様に
して、本発明の電池26Aを作製した。
【0061】《実施例27》正極の結着剤であるPVd
Fの分子量を400000にしたこと以外、実施例1と
同様にして、本発明の電池27Aを作製した。
【0062】《実施例28》正極の結着剤であるPVd
Fの分子量を100000にしたこと以外、実施例1と
同様にして、本発明の電池28Aを作製した。
【0063】《比較例5》実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.65Mg0.05Ni0.3(OH)2からなる水酸化
物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウ
ムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比が、
1:0.65:0.05:0.3になるように混合した
こと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li
(Co0.65Mg0.05Ni0.3)O2で表される正極活物質
を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実
施例1と同様にして、比較例の電池5Bを作製した。
【0064】《比較例6》実施例1に準じて、前駆体と
してCo0.65Mg0.05Al0.3(OH)2からなる水酸化
物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウ
ムとコバルトとマグネシウムとアルミニウムとのモル比
が、1:0.65:0.05:0.3になるように混合
したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式
Li(Co 0.65Mg0.05Al0.3)O2で表される正極活
物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以
外、実施例1と同様にして、比較例の電池6Bを作製し
た。
【0065】[電池の評価]実施例1〜28および比較
例1〜6で作製した電池について、充放電サイクル特性
と高温保存特性の比較を行った。 (i)充放電サイクル特性 充電電圧4.20V、充電最大電流700mAhの条件
で、電池を2時間定電圧充電した後、放電電流700m
Ah、放電終止電圧3.0Vの条件で、電池を定電流放
電するサイクルを、20℃環境下で繰り返し行った。1
サイクル目の放電容量を100とした場合の300サイ
クル目の放電容量の割合を、容量維持率Aとして表1お
よび2に示す。
【0066】(ii)高温保存特性 充電電圧4.20V、充電最大電流700mAhの条件
で、電池を2時間定電圧充電した後、放電電流700m
Ah、放電終止電圧3.0Vの条件で、電池を定電流放
電するサイクルを、20℃環境下で2サイクル行い、2
サイクル目の充放電容量を確認した。その後、充電状態
の電池を85℃で3日間保存した。次いで、保存後の電
池を再び20℃で、上記と同一条件で2サイクル充放電
し、高温保存後の容量維持率Bを求めた。保存前の放電
容量を100とした場合の高温保存後2サイクル目の放
電容量の割合を、容量維持率Bとして表1および2に示
す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表1および2において、実施例1〜10の
電池特性と、比較例1〜4の電池特性との比較より、マ
グネシウムを添加した正極活物質を用い、導電剤量を正
極活物質に対して3重量%以下にした正極を用いること
により、サイクル特性と高温保存特性の両方が向上する
ことが解る。
【0070】マグネシウムの添加量が過少である比較例
1の電池1Bは、マグネシウムを添加しない比較例3の
電池3Bと同等のサイクル特性(容量維持率A)しか得
られなかった。また、マグネシウムの添加量が過多の比
較例2の電池2Bは、初期の容量が低く、高温保存時の
容量維持率Bも69%と低かった。
【0071】導電剤量は、正極活物質に対して3重量%
以下の場合に特性的に優れており、4重量%の比較例4
の電池4Bは、高温保存特性が68%と低かった。実施
例1、11、12の電池と、実施例25、26の電池と
の比較より、正極に含有される結着剤量を、正極活物質
に対して1〜4重量%にすることにより、サイクル特性
と高温保存特性の両方が向上することが解る。
【0072】結着剤量が少なすぎる実施例25の電池2
5Aは、極板強度が弱くなる傾向があり、サイクル特性
が80%であった。また、結着剤量が多すぎる実施例2
6の電池26Aは、負荷特性が低くなる傾向があり、サ
イクル特性が79%であった。実施例1、13、14の
電池特性と、比較例7、8の電池特性との比較より、正
極に含有される結着剤のPVdFの分子量を15000
0〜350000にすることにより、サイクル特性と高
温保存特性の両方が向上することが解る。
【0073】結着剤の分子量が大きすぎる実施例27の
電池27Aは、負荷特性が低く、サイクル特性も低くな
る傾向が見られた。分子量が小さすぎる実施例28の電
池28Aは、極板強度が弱く、サイクル特性が低くなる
傾向が見られた。本発明の電池15Aは、非水溶媒にエ
チレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−
ブチロラクトンおよびビニレンカーボネートを体積比2
0:77.5:0.5:2で混合した混合溶媒を用いて
いるため、電池1Aに比べて充放電を繰り返した時の容
量維持率Aはやや劣るものの、高温保存後の容量維持率
Bは良好であった。これは、保存時のガス発生を低減で
きたことによるものと考えられる。
【0074】また、本発明の電池17Aは、非水溶媒に
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ
−ブチロラクトンおよびビニレンカーボネートを体積比
20:8:70:2で混合した混合溶媒を用いているた
め、充放電を繰り返した時の容量維持率Aはさらに低下
するものの、高温保存後の容量維持率Bは非常に良好で
あった。以上のことから、非水溶媒がγ−ブチロラクト
ンを含む場合、高温保存時における容量維持率の向上効
果が得られることがわかった。
【0075】本発明の電池18Aは、負極に、表面を非
晶質炭素で被覆した燐片状黒鉛を用いているため、単な
る燐片状黒鉛を用いた本発明の電池1Aよりも、高温保
存特性が優れていた。これは、黒鉛の表面を被覆するこ
とによって、黒鉛表面の活性が抑えられ、保存特性の向
上につながったものと考えられる。
【0076】本発明の電池19A〜22Aは、ニッケル
を添加した正極活物質を用いているため、原材料のコス
トを下げることができた。また、特性的にも、正極活物
質にニッケルを添加しない実施例1の電池1Aと同様で
あり、十分に使用し得ることがわかった。ニッケルの添
加量は、比較例5の電池5Bとの比較より、コバルト、
マグネシウム、ニッケルの合計量に対して、10〜25
モル%が最適な範囲と言える。
【0077】本発明の電池23A、24Aは、アルミニ
ウムを添加した正極活物質を用いているため、活物質自
体の容量が下がり、電池23Aの電池容量は、実施例1
のそれに比べて5%低下した。しかし一方で、容量維持
率A、容量維持率Bは、ともに向上した。しかし、比較
例6の電池6Bのように、コバルト、マグネシウム、ア
ルミニウムの合計量に対してアルミニウムを30モル%
も添加すると、電池容量が15%も低下し、十分な特性
が得られなかった。よって、アルミニウムの添加量は、
コバルト、マグネシウム、アルミニウムの合計量に対し
て、25モル%以下が最適な範囲と言える。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、リチウムイオン二次電
池の充放電サイクルに伴う容量低下が抑制され、高温保
存による容量低下も小さくなる。従って、本発明によれ
ば、信頼性に優れたリチウムイオン二次電池を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる角型電池の一部を切り
欠いた斜視図である。
【符号の説明】
1 極板群 2 正極リード 3 負極リード 4 電池ケース 5 封口板 6 負極端子 7 封栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川建 裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田中 亮一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 浅野 英也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ04 AJ05 AK03 AL01 AL02 AL04 AL06 AL07 AL08 AL12 AL19 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 BJ14 DJ08 DJ09 DJ18 EJ04 EJ12 EJ14 HJ01 HJ02 HJ11 5H050 AA07 AA08 AA10 BA17 CA08 CB01 CB02 CB05 CB07 CB08 CB09 CB12 DA02 DA03 DA09 DA10 DA11 DA18 EA10 EA24 EA28 FA20 GA22 HA01 HA02 HA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極および非水電解質からなり、 前記正極が、正極活物質、導電剤、および結着剤からな
    り、 前記正極活物質が、化学式Lia(Co1-x-yMgxy
    bc(Mは、NiおよびAlより選ばれる少なくとも1
    種、0≦a≦1.05、0.03≦x≦0.15、0≦
    y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦
    2.1)で表されるリチウム含有複合酸化物からなり、 前記正極に含まれる前記導電剤の量が、前記正極活物質
    100重量部あたり3.0重量部以下であるリチウムイ
    オン二次電池。
  2. 【請求項2】 前記正極に含まれる前記結着剤の量が、
    前記正極活物質100重量部あたり1.0重量部以上
    4.0重量部以下である請求項1記載のリチウムイオン
    二次電池。
  3. 【請求項3】 前記結着剤が、ポリフッ化ビニリデンか
    らなり、前記ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量
    が、150000以上350000以下である請求項1
    記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 【請求項4】 前記非水電解質が、非水溶媒および前記
    非水溶媒に溶解するリチウム塩からなり、前記非水溶媒
    が、γ−ブチロラクトンおよび/またはγ−ブチロラク
    トン誘導体を含む請求項1記載のリチウムイオン二次電
    池。
  5. 【請求項5】 前記負極が、核粒子および前記核粒子表
    面の少なくとも一部を被覆する非晶質炭素からなる材料
    を含み、前記核粒子が、黒鉛からなる請求項1記載のリ
    チウムイオン二次電池。
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