JP2003199708A - 電子内視鏡システム - Google Patents
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Abstract
マスクを有した内視鏡を接続しても、被写界深度の拡
大、ならびに高解像の画像を生成できる内視鏡システム
を提供する。 【解決手段】 電子内視鏡システムにおいて、少なくと
も1つの内視鏡の対物光学系は、光位相変調マスクを有
し、光位相変調マスクは、物体距離に応じた光学的伝達
関数の変化が、光位相変調マスクを持たない対物光学系
よりも小さくなるように作用するよう配置され、光位相
変調マスクを有する内視鏡に対し、光位相変調マスクを
有さない内視鏡と同一の信号処理装置が接続される。
Description
ムに関し、特に、仕様や用途の異なる複数種の内視鏡を
接続し、被写体の画像をモニタで観察するための電子内
視鏡システムに関する。
い生体内等を観察することができ、医療分野を中心に診
断、治療に広く使用されている。そして、近年、被写体
像をCCD等の固体撮像素子によって電気信号に変換
し、モニタにて観察可能とした電子内視鏡が普及してい
る。このような内視鏡は、観察する部位に応じて種々の
内視鏡が用いられる。内視鏡は、光源装置や信号処理回
路を含むカメラコントローラ(信号処理装置)等に接続
されて使用される。また、信号処理回路には、画質向上
や被写体の強調を目的とした画像処理回路が搭載されて
おり、コントラスト改善のために、例えば、次に示すよ
うな、対称な2次元ディジタルフィルタが用いられてい
る。この次に示すマトリックスは、中心画素とその周囲
の画素の値に対する係数を決定するものである。
さから、固定焦点光学系が一般的に用いられ、その観察
部位に応じて必要な被写界深度が得られるように設計さ
れている。
度を広くすると光学系のFナンバーを大きくする必要が
あり、明るさが低下するといった問題が生じる。さら
に、光の回折限界の理由から被写界深度の拡大には限界
がある。これに対し、光学系の被写界深度を拡大する手
法は、例えば、米国特許5,748,371号や「Ed
ward R.Dowski, Jr., W.Tho
mas Cathey, ”Extended dep
th of fieldthrough wave−f
ront coding”, Appl.Opt.Vo
l.34, 1859−1866(1995)」等に開
示されている。図22は、 従来例による拡大被写界深
度光学系の構成を概略的に示す図である。この手法によ
る装置は図22に示されるように、CCD等の撮像手段
104と、物体101の像を撮像手段104の受光面に
結像させるレンズ系103である光学系の瞳位置に配置
されたキュービック位相変調マスク102と、撮像手段
104からの画像データに基づいて画像を構築する画像
処理装置105とを有している。
方の面は平面で、他方の面は図23に示されるようにZ
=A(X3+Y3)で表される形状をなしている。図23
は、このキュービック位相変調マスクの外観形状を説明
するための図である。Aは、任意の係数である。すなわ
ち、一方の面は、XY平面上の平面であり、他方の面
は、XY平面に直交するZ軸方向に上記の式を満たす三
次元曲面である。図23は、X及びYが−1から+1の
範囲における三次元曲面の状態を説明するための図であ
る。従って、三次元曲面形状は、係数Aに応じて変化す
る。
れを通過する光の位相にP(X,Y)=exp(jα
(X3+Y3))のずれを与える。ここで、係数αは、2
0よりも十分に大きな値が好ましく、これにより光学的
伝達関数(以下、OTFともいう。)のレスポンスは
0.2以下となり、回転非対称な収差(ボケ)による点
像の大きさは、撮像手段104の画素に比べ十分に大き
くなる。
02を持たない通常の光学系の場合、物体101が合焦
位置からずれるに従って光学的伝達関数のレスポンスの
様子は、図24から図25へ変化し、物体101がさら
にずれると図25から図26へと変化する。図24は、
通常の光学系において物体が焦点位置にあるときの光学
的伝達関数(OTF)のレスポンスを示すグラフであ
る。図25は、通常の光学系において物体が焦点位置か
ら外れたときの光学的伝達関数(OTF)のレスポンス
を示すグラフである。図26は、通常の光学系において
物体が焦点位置から図25のときよりも更に外れたとき
の光学的伝達関数(OTF)のレスポンスを示すグラフ
である。
102を持つ拡大被写界深度光学系の場合、同じずれに
対するOTFのレスポンスはそれぞれ図27から図29
に示されるようになり、合焦位置においてもOTFのレ
スポンスに低下が見られるが、合焦位置からのずれに対
する変化は少ない。図27は、拡大被写界深度光学系に
おいて物体が焦点位置にあるときの光学的伝達関数(O
TF)のレスポンスを示すグラフである。図28は、拡
大被写界深度光学系において物体が焦点位置から外れた
ときの光学的伝達関数(OTF)の強度分布を示すグラ
フである。図29は、拡大被写界深度光学系において物
体が焦点位置から図28のときよりも更に外れたときの
光学的伝達関数(OTF)のレスポンスを示すグラフで
ある。
像処理装置105によって、図30に示されるキュービ
ック位相変調マスク102のOTF特性の逆フィルタに
よる処理が行われることによって、図27から図29に
示されるOTFに対してそれぞれ図31から図33に示
されるOTFのレスポンスが得られる。図30は、拡大
被写界深度光学系において光学的伝達関数(OTF)の
レスポンスに対して行なわれる処理の逆フィルタの特性
を示すグラフである。図31は、図27の光学的伝達関
数(OTF)のレスポンスに対して図30の特性を持つ
逆フィルタによる処理を行なって得られる光学的伝達関
数(OTF)のレスポンスを示すグラフである。図32
は、図28の光学的伝達関数(OTF)のレスポンスに
対して図30の特性を持つ逆フィルタによる処理を行な
って得られる光学的伝達関数(OTF)のレスポンスを
示すグラフである。図33は、図29の光学的伝達関数
(OTF)のレスポンスに対して図30の特性を持つ逆
フィルタによる処理を行なって得られる光学的伝達関数
(OTF)のレスポンスを示すグラフである。
ポンスは、いずれも、通常の光学系の合焦時のOTFの
レスポンスに近い形を有している。その逆フィルタとし
て、例えば次に示すような非対称な2次元ディジタルフ
ィルタが用いられる。次に示すマトリックスは、中心画
素とその周囲の画素の値に対する係数を決定するもので
ある。
は、物体の焦点位置からずれるにつれて、焦点ずれによ
るボケが生じてくる。
は、同じずれに対して撮像手段104で得られる画像す
なわち画像処理前の画像は、いずれもボケているが、キ
ュービック位相マスク102による大きな回転非対称な
収差(ボケ)が発生しているためであり、そのボケの程
度はほぼ一定となっている。これらの画像に対して前述
の逆フィルタによる画像処理を行うと、通常の光学系に
近い焦点ずれの少ない画像となっている。つまり、図2
2の装置は焦点深度を拡大していることがわかる。
特開2000−5127号明細書に開示されている。開
示された内視鏡システムは、図34に示すように、複数
種の内視鏡を接続し、被写体の画像をモニタ116で観
察するための内視鏡システムである。複数種の内視鏡の
内、少なくとも1つの内視鏡111は、光学系112の
中にキュービック位相変調マスク等のような光位相変調
マスク113を有する。さらに、内視鏡111は、撮像
装置114の出力側に内視鏡の光位相変調マスク113
に対応した光学的伝達関数復元手段115が備えられて
いる。
112内の光位相変調マスク113の逆フィルタに相当
する復元手段を含んでいる必要がある。光学的伝達関数
復元手段115は、図34に示されるように内視鏡11
1内部に設けられても良いし、内視鏡111が接続され
かつモニタ116に映像を表示するカメラコントローラ
(信号処理装置)117内に設けられても良い。118
は、光源装置である。これによれば、光位相変調マスク
113の種類や有無に関わらず、様々な内視鏡を接続し
ても、被写界深度の拡大や、高解像の画像を生成するこ
とができる。
細書には、内視鏡対物光学系への光位相変調マスクの実
装手段が開示されている。ここでは、光学系の光位相変
調マスクとして、前記光学系の被写界深度の拡大を目的
としたキュービック位相変調マスク等の回転非対称な光
学素子を用いている。その回転非対称な光学素子と、回
転非対称な開口形状を有する明るさ絞りと、固体撮像素
子との光軸に対する回転方向の位置出し手段が設けられ
ている。これらの構成によって、回転方向の正確な位置
決めを可能とし、回転非対称なボケの方向を決定するこ
とで、画像処理による正確な像の回復をすることができ
る。
748,371号や、特開2000−5127号等に示
されるように、光学系に光位相変調マスクを用いて、被
写界深度を拡大する技術を内視鏡に適用する場合、光位
相変調マスクによる光学的伝達関数の悪化を回復し、高
解像の画像を得るための光学的伝達関数復元手段が必要
になる。従って、個々の光位相変調マスクに一対一に応
じた復元手段が、カメラコントローラ(信号処理装置)
内の画像処理回路、もしくは内視鏡内部に搭載されてい
る必要がある。
テムにおけるカメラコントローラ内の画像処理回路にお
いては、撮像光学系を介して得られた画像の光学的伝達
関数のレスポンスに対し、特定の周波数帯域を強調する
ことによって画像の見えを調整する画像処理回路は搭載
されているものの、例えば被写界深度拡大を目的とし
た、内視鏡光学系内に搭載した光位相変調マスクに応じ
た復元手段は有していないため、前記内視鏡光学系内に
光位相変調マスクを有する内視鏡を接続すると、解像し
た画像を得ることができず、互換性を確保できない。ま
た、互換性を確保するために、内視鏡内部に光学的伝達
関数復元手段を設ける場合、画像信号をディジタル信号
に変換するA/D変換部と、ディジタル信号化された画
像信号を映像信号に変換する信号変換部と、光学的伝達
関数復元のための画像処理部と、再び映像信号から画像
信号に信号変換するための信号変換部と、D/A変換部
が内視鏡内部に必要となる。これらの処理のための回路
は複雑であり、回路規模も大きくなるため、内視鏡本体
の肥大化を招き、操作性が悪くなるという問題が生じ
る。
るためには、光位相変調マスクと光学的伝達関数復元手
段が一対一に対応している必要があるが、例えば、回転
非対称な光学素子を光位相変調マスクとして用いた場
合、光軸に対して回転するような組立上のばらつきが発
生すると、光学的伝達関数復元手段との対応をとること
ができなくなり、高解像な画像を得ることができないと
いう問題がある。この解決手段として、特開2000−
266979号明細書に示されるように、回転非対称な
光学素子の回転方向の正確な位置決めを行うための手段
が開示されているが、撮像光学系の構成が複雑になると
いう欠点が生じる。
した点に鑑みてなされたものであり、内視鏡光学系に配
置した光位相変調マスクに応じた復元処理手段が搭載さ
れていない内視鏡システムの信号処理回路に、光位相変
調マスクを有した内視鏡を接続しても、被写界深度の拡
大、ならびに高解像の画像を生成できる内視鏡システム
を提供することを目的とする。
系の光学像を固体撮像素子によって撮像する、複数種の
内視鏡が接続される電子内視鏡システムであって、少な
くとも1つの内視鏡の対物光学系は、光位相変調マスク
を有し、光位相変調マスクは、物体距離に応じた光学的
伝達関数の変化が、光位相変調マスクを持たない対物光
学系よりも小さくなるように作用するよう配置され、光
位相変調マスクを有する内視鏡に対し、光位相変調マス
クを有さない内視鏡と同一の信号処理装置が接続され
る。
クを含む対物光学系は、光位相変調マスクを含まない通
常の対物光学系に対し光学的伝達関数を変更し、通常の
撮像光学系よりも大きな被写界深度にわたって、光の強
度にはほとんど影響しないように光学的伝達関数を変更
する。そして、光位相変調マスクを含む対物光学系を用
いた内視鏡の固体撮像素子からの画像信号を、信号処理
装置によってモニタに映し出す映像信号に変換する。従
って、本内視鏡システムによれば、内視鏡光学系に配置
した光位相変調マスクに応じた復元処理手段が搭載され
ていない内視鏡システムの信号処理回路に、光位相変調
マスクを有した内視鏡を接続しても、被写界深度の拡
大、ならびに高解像の画像を生成することができる。
施の形態を説明する。
に、本発明の内視鏡システムの第1の実施の形態を示
す。
ステムの概略の構成を示す構成図である。図2は、第1
の実施の形態に係る光位相変調マスクを含む撮像ユニッ
トの構成を説明するための図である。図3は、第1の実
施の形態に係る、明るさ絞りを配置した瞳変調素子の構
造を説明するための概略説明図である。図4は、第1の
実施の形態に係るカメラコントローラ(信号処理装置)の
構成を示すブロック図である。図5ないし図8は、第1
の実施の形態に係る瞳変調素子を含む撮像ユニットの物
体距離71mm、13.5mm、7.2mm、4mmの
ときに得られる点像のシミュレーション結果を説明する
ための図である。図9は、瞳変調素子を含む撮像ユニッ
トの各物体距離の光学的伝達関数のレスポンスのシミュ
レーション結果を説明するための図である。図10ない
し図13は、通常の光学系における撮像ユニットの物体
距離71mm、13.5mm、7.2mm、4mmのと
きに得られる点像のシミュレーション結果を説明するた
めの図である。図14は、通常の光学系における各物体
距離についての光学的伝達関数のレスポンスのシミュレ
ーション結果を説明するための図である。
る。
の固体撮像素子5上の被写体の像を結像する対物光学系
6とを有する内視鏡1と、内視鏡1で得られた画像信号
を処理して映像信号を出力するカメラコントローラ(信
号処理装置)2と、観察用の照明光を発生する光源装置
3と、カメラコントローラ2からの映像信号を表示する
モニタ4とを備えている。そして、本実施の形態の内視
鏡システムでは、複数の種類の内視鏡1を接続すること
ができるようになっており、複数の種類の内視鏡1のう
ち、少なくとも1つの内視鏡1は、その対物光学系6内
に、回転非対称な対象な表面形状を有する光学素子であ
る光位相変調マスク7が設けられている。
固体撮像素子5と固体撮像素子5に被写体像を結像する
対物光学系6により構成される。図3(a)は、光が入
射する方向から見たときの瞳変調素子7aと明るさ絞り
部材8の外観を示す図である。入射光に垂直なXY平面
に平行に明るさ絞り部材8が設けられ、絞り部材8の開
口部を通して入射した光が瞳変調素子7aに入射する。
また、図3(b)に示すように、光が入射する方向から
見て明るさ絞り部材8の背面の位置に、光位相変調マス
ク7として、瞳変調素子7aが配置されている。本実施
の形態で用いられる固体撮像素子5は、例えば、画素ピ
ッチが7μmのものが用いられる。また、光位相変調マ
スク7として用いた瞳変調素子7aは、例えば屈折率
1.523の光学的に透明なガラスで形成されており、
広い被写界深度にわたって光学的伝達関数がほぼ一定と
なる変換手段である。さらに該瞳変調素子7aは、図3
(b)に示すように、対物光学系6の光軸をZ軸とし、
Z軸と直交する面内にX、Y軸としたときに、Z=A
(X3+Y3)の形状をした自由曲面を有していて、本実
施の形態ではA=0.051とする。
光学的伝達関数の変化が、前記光位相変調マスクを持た
ない対物光学系よりも小さくなるように作用し、かつ、
点像の前記固体撮像素子受光面上の面積が最も小さくな
る物体距離において、前記光位相変調マスクを有する前
記内視鏡の対物光学系の前記点像の固体撮像素子受光面
上の面積が、光位相変調マスクを持たない内視鏡の対物
光学系の点像の固体撮像素子受光面上の面積よりも大き
くなるよう配置されている。
ンズデータを表1に示す。この光学系の焦点距離は1.
61mm、Fナンバーは8.722であり、明るさ絞り
8は第6面に、瞳変調素子7aの自由曲面部は第7面に
相当する。
正方形の開口形状を有し、その形状は一辺0.408m
mである。また、瞳変調素子7aのX軸と、明るさ絞り
8の正方形開口の一辺は平行となるよう配置されてい
る。
に、接続された内視鏡1からの画像信号をディジタル信
号に変換するA/D変換部9と、前記ディジタル信号を
映像信号に変換する信号変換部10と、前記映像信号を
モニタ4で表示可能なアナログ信号に変換するD/A変
換部11とで構成されている。
材料を用いているが、樹脂材料を用いても良い。また、
本実施の形態では瞳変調素子7aは光学的に透明なガラ
スが用いられているが、特定の波長のみ透過する光学フ
ィルタ材料を用いても良い。また、本実施の形態に係る
瞳変調素子7aの形状は、X軸方向、Y軸方向の光学的
伝達関数の変換量を同一としているが、X軸方向、Y軸
方向でその変換量が異なる構成にしても良い。例えば、
明るさ絞り8の開口形状を長方形に設定しても良いし、
瞳変調素子7aの自由曲面の形状をX軸方向、Y軸方向
で異なる係数を使用しても良い。さらに、明るさ絞り8
の形状は円形開口としても良い。また、明るさ絞り8は
瞳変調素子7aと別体でなくとも良く、瞳変調素子7a
に蒸着等により直接形成されていても良い。
87.56nmの平行光に対し、exp{i×2.41
4(X3+Y3)/0.2043}の位相変調を行う。
含む対物光学系を通して、前記画素ピッチ7μmの固体
撮像素子5上の受光面に結像し、固体撮像素子5によっ
て電気信号(画像信号)に変換される。前記電気信号は
カメラコントローラ2内のA/D変換器9にてディジタ
ル信号に変換され、信号変換部10にて映像信号に変換
される。前記映像信号はD/A変換器によってモニタ4
に表示可能なアナログ信号に変換され、モニタ4に被写
体が映し出される。
3.5mmの位置での固体撮素子5の受光面上での点像
強度分布関数(PSF)の面積がもっとも小さくなるよう
にピント調整を行った。このときの、物体距離を71m
m、13.5mm、7.2mm、4mmとしたときの固
体撮像素子5の受光面上での点像、および各物体距離で
の光軸上の光学的伝達関数のレスポンスについて、光学
シミュレーションソフトCode-V(商品名)を用いて計算
をおこなった。この結果、各物体距離における固体撮像
素子受光面上での点像の面積は、それぞれ1辺を22μ
m、14μm、20μm、31μmとした正方形の領域
内の大きさの点像として得られた。前記点像について固
体撮像素子受光面をXY平面とし、各画素における光の
強度(パーセント)をZ軸とした結果を図5ないし図8
に示す。また、各物体距離での光軸上の光学的伝達関数
のレスポンスを図9に示す。
子を含む撮像ユニットでの物体距離71mmの時に得ら
れる点像のシミュレーション結果を説明するための図で
ある。図6は、第1の実施の形態を示す瞳変調素子を含
む撮像ユニットでの物体距離13.5mmの時に得られ
る点像のシミュレーション結果を説明するための図であ
る。図7は、第1の実施の形態を示す瞳変調素子を含む
撮像ユニットでの物体距離7.2mmの時に得られる点
像のシミュレーション結果を説明するための図である。
図8は、第1の実施の形態を示す瞳変調素子を含む撮像
ユニットでの物体距離4mmの時に得られる点像のシミ
ュレーション結果を説明するための図である。図9は、
これらの各物体距離での光軸上の光学的伝達関数のレス
ポンスの計算結果を説明するための図である。
像素子受光面に相当し、Z軸は光の強度(パーセント)
である。ここで、X軸は、1、2、3、・・の画素番号
を示し、Y軸は、1、2、3、・・・で画素番号を示
す。なお、XYZ軸は、図10から図13、図15から
図18においても同様の意味である。図9においては、
Aは物体距離71mm、Bは物体距離13.5mm、C
は物体距離7.2mm、Dは物体距離4mmの時の、そ
れぞれの光学的伝達関数のレスポンスである。なお、図
14及び図19においても同様である。
1辺が14μmの正方領域、つまり画素ピッチ7μmの
固体撮像素子の一辺が2画素分、面積にして4画素分に
相当する、図6に示される光の強度分布を持つ点像とし
て得られる。また、物体距離が71mm、7.2mm、
4mmの場合の点像は、それぞれ1辺が22μm、20
μm、31μm、つまり、一辺が3.1画素分、2.9
画素分、4.4画素分に相当する正方領域に、図5、
7、8に示される光の強度分布を持つ点像として得られ
る。さらに、画素ピッチ7μmの固体撮像素子8では、
ナイキスト周波数は71ラインペア/mmとなるが、図
9に示したように、物体距離が4mmの位置におけるナ
イキスト周波数での光学的伝達関数のレスポンスが0.
2以上であり、解像していることがわかる。
瞳変調素子7aの代わりに同材質の平行平板を用いた通
常の光学系の場合について説明する。前記通常の光学系
のレンズデータは表1の第7面の形状を自由曲面から平
面に変更したものである。前記の瞳変調素子7aが配置
された撮像ユニット25の場合と同様に、物体距離1
3.5mmの位置での固体撮像素子5の受光面上での点
像強度分布関数(PSF)の面積がもっとも小さくなるよ
うにピント調整を行った。このときの物体距離を71m
m、13.5mm、7.2mm、4mmとしたときの固
体撮像素子5の受光面上での点像、および各物体距離で
の光軸上の光学的伝達関数のレスポンスについて、光学
シミュレーションソフトCode-V(商品名)を用いて計算
をおこなった。この結果、各物体距離における固体撮像
素子受光面上での点像の面積は、それぞれ1辺を16μ
m、1μm、14μm、36μmとした正方形の領域内
の大きさの点像として得られた。前記点像について固体
撮像素子受光面をXY平面とし、各画素における光の強
度(パーセント)をZ軸とした結果を図10ないし図1
3に示す。また、各物体距離での光軸上の光学的伝達関
数のレスポンスを図14に示す。
ユニットでの物体距離71mmの時に得られる点像のシ
ミュレーション結果を説明するための図である。図11
は、通常の対物光学系における撮像ユニットでの物体距
離13.5mmの時に得られる点像のシミュレーション
結果を説明するための図である。図12は、通常の対物
光学系における撮像ユニットでの物体距離7.2mmの
時に得られる点像のシミュレーション結果を説明するた
めの図である。図13は、通常の対物光学系における撮
像ユニットでの物体距離4mmの時に得られる点像のシ
ミュレーション結果を説明するための図である。図14
において、Aは物体距離71mm、Bは物体距離13.
5mm、Cは物体距離7.2mm、Dは物体距離4mm
の時の光学的伝達関数のレスポンスである。
1辺が1μmの正方領域、つまり画素ピッチ7μmの固
体撮像素子の一辺が1画素分、面積にして1画素分に相
当する、図11に示される光の強度分布を持つ点像とし
て得られる。また、物体距離が71mm、7.2mm、
4mmの場合の点像は、それぞれ1辺が16μm、14
μm、36μm、つまり、一辺が2.3画素分、2画素
分、5.1画素分に相当する正方領域に、図10、1
2、13に示される光の強度分布を持つ点像として得ら
れる。
ト周波数での光学的伝達関数のレスポンスが0.2以上
となるのは物体距離が7.2mm以上71mm未満のと
きであることがわかる。
変調素子7aを含む対物光学系6と、瞳変調素子7aを含
まない通常の対物光学系を比較すると、通常の対物光学
系の場合、物体距離7.2mmより近接すると、ナイキ
スト周波数における光学的伝達関数のレスポンスが0.
2より下回るため解像しないが、本実施の形態における
瞳変調素子7aを含む対物光学系の場合、物体距離4m
mでもナイキスト周波数における光学的伝達関数のレス
ポンスが0.2を上回っているため解像することがわか
り、被写界深度が拡大されていることがわかる。
aと明るさ絞り8による位相変調量αは2.414と十
分小さな値に設定されているため、ナイキスト周波数に
おける光学的伝達関数のレスポンスが0.2以上となる
被写界深度内において、瞳変調素子7aによって発生す
る回転非対称な収差(ボケ)は最大でも数画素程度とな
り回転非対称な収差はモニタ上で認識できないレベルと
なる。このため、例えば回転非対称なディジタルフィル
タのような前記回転非対称な瞳変調素子に対応した復元
手段は必要ない。
aに対応した光学的伝達関数復元手段が必要ないため、
前記瞳変調素子7aで発生する回転非対称なボケの方向
が決定されている必要がない。つまり、明るさ絞りは正
方開口でなくともよく、固体撮像素子5と瞳変調素子7
aとの回転位置関係を位置決めする必要もない。そのた
め、対物光学系6を含む撮像ユニット25の構成は複雑
な構成、調整を必要とせず、円形開口の明るさ絞りを用
いた通常の対物光学系を含む撮像ユニットと同様の構成
で良い。
画素ピッチを7μmのものとしたが、これに限ったもの
ではなく、固体撮像素子5の受光面上での点像の面積が
最も小さくなるピント位置における点像の大きさが、一
辺を画素ピッチの2画素分、面積にして4画素分となる
ように明るさ絞り8の開口寸法、および瞳変調素子7a
の形状を調整することで、同様の被写界深度の拡大が可
能となる。
れる被写界深度が異なるため、複数の撮像光学系を用意
する必要があるが、本実施の形態では、通常の撮像光学
系に比べ被写界深度が拡大されるため、ピント調整位置
を前後することによって、同一の撮像光学系で所望の被
写界深度を実現することが可能となる。
態について説明する。本実施の形態は、基本的な構成は
第1の実施の形態と同じであるので、同じ構成について
の説明を省略し、第1の実施の形態と異なる瞳変調素子
の形状、ならびにカメラコントローラ内の信号処理回路
について重点的に説明する。
ステムの第2の実施の形態を示す。
における瞳変調素子を含む撮像ユニットでの物体距離7
1mm、13.5mm、7.2mm、4mmのときに得
られる点像のシミュレーションの結果を示す図である。
図19は第2の実施の形態における瞳変調素子を含む撮
像ユニットの各物体距離の光学的伝達関数のレスポンス
のシミュレーション結果を示す図である。図20は第2
の実施の形態におけるカメラコントローラの構成を示す
ブロック図である。図21は第2の実施の形態における
カメラコントローラの変形例の構成を示すブロック図で
ある。
対物光学系6の光軸をZ軸としたときに、Z軸と直行す
る面内にX,Y軸を座標とし、Z=A(X3+Y3)の形
状をした自由曲面を有していて、本実施の形態ではA=
0.153とする。本実施の形態における光学系のレン
ズデータは、表1の第7面の形状を前記係数A=0.1
53とした自由曲面に変更したものである。
カメラコントローラ2では、画像信号はA/D変換部9
によりディジタル信号に変換され、そのディジタル信号
は映像信号に変換するために信号変換部10へ与えられ
る。カメラコントローラ2は、信号変換部10から出力
される映像信号に対し、特定の周波数帯域を強調する画
像処理部12を有する。画像処理部12は、複数の画像
処理回路14a、14b、・・・、14nと、映像信号
を複数の画像処理回路の内の一つに接続するための選択
回路15と、内視鏡内に搭載される判別手段(図示せ
ず)あるいはユーザインターフェースからの判別手段
(図示せず)によって、選択回路15を制御する制御回
路13とで構成される。
における別のカメラコントローラ2では、画像信号はA
/D変換部9によりディジタル信号に変換され、そのデ
ィジタル信号は映像信号に変換するために信号変換部1
0へ与えられる。カメラコントローラ2は、信号変換部
10から出力される映像信号に対して画像処理を行う色
相画像処理部17を有する。色相画像処理部17は、
R、G、Bの各映像信号に対しそれぞれ異なった画像処
理を施す、R信号用画像処理回路18a、G信号用画像
処理回路18b及びB信号用画像処理回路18cと、各
信号用画像処理回路18aないし18cに対し、画像処
理量を制御する色相制御回路19で構成される。
87.6nmの平行光に対し、exp{i×7.243
(X3+Y3)/0.2043}の位相変調を行う。
3.5mmの位置ででの固体撮像素子5の受光面上での
点像強度分布関数(PSF)の面積がもっとも小さくなる
ようにピント調整を行った。このときの、物体距離を7
1mm、13.5mm、7.2mm、4mmとしたとき
の固体撮像素子5の受光面上での点像、および各物体距
離での光軸上の光学的伝達関数のレスポンスについて、
光学シミュレーションソフトCode-V(商品名)を用いて
計算をおこなった。この結果、各物体距離における固体
撮像素子受光面上での点像の大きさは、それぞれ1辺を
48μm、40μm、47μm、58μmとした正方形
の領域内の大きさの点像として得られた。前記点像につ
いて固体撮像素子受光面をXY平面とし、各画素におけ
る光の強度(パーセント)をZ軸とした結果を図15な
いし図18に示す。また、各物体距離での光軸上の光学
的伝達関数のレスポンスを図19に示す。図19におい
て、Aは物体距離71mm、Bは物体距離13.5m
m、Cは物体距離7.2mm、Dは物体距離4mmの時
の光学的伝達関数のレスポンスである。
1辺が40μmの正方領域、つまり画素ピッチ7μmの
固体撮像素子の一辺が5.7画素分、面積にして32.
7画素分に相当する、図6に示される光の強度分布を持
つ点像として得られる。また、物体距離が71mm、
7.2mm、4mmの場合の点像は、それぞれ1辺か4
8μm、47μm、58μm、つまり、一辺が6.9画
素分、6.7画素分、8.3画素分に相当する正方領域
に、図15、17、18に示される光の強度分布を持つ
点像として得られる。
が4mmの位置におけるナイキスト周波数での光学的伝
達関数のレスポンスが0.2以上あり、解像しているこ
とがわかる。
較して、瞳変調素子の形状を変更したが、瞳変調素子の
形状を変更せずに、明るさ絞りの正方開口の一辺を0.
72mmとしても、物体距離13.5mmでの点像は同
様の効果が得られる。
像処理回路14の内、少なくとも一つの画像処理回路1
4aは、本実施の形態における対物光学系6にて得られ
る光学的伝達関数に対し、特定の周波数帯域のレスポン
スを強調する画像処理を行い、好ましくは中から高周波
数領域におけるレスポンスを強調するものである。さら
に、中から高周波数領域のレスポンスの強調量は2倍か
ら3倍である方が好ましい。
調を行う画像処理回路14は、内視鏡1内に設けられる
判別手段(図示せず)によって制御回路13を介し選択
回路15にて選択されるが、ユーザが任意に選択できる
ように、ユーザインターフェースに判別手段(図示せ
ず)を設けてもよい。
の、R、G、Bの各信号に対する各信号用画像処理回路
18aないし18cは、R、G、Bの各色ごとに光学的
伝達関数のレスポンスを強調するものである。色相制御
回路19はユーザの任意の選択によって各色の光学的伝
達関数のレスポンスの強調量を制御し、例えば、R信号
とB信号のみ光学的伝達関数のレスポンスを強調する画
像処理を施し、G信号には画像処理を施さない等の画像
処理がなされる。
変調素子7bを含む対物光学系6においても、物体距離
4mmでのナイキスト周波数における光学的伝達関数の
レスポンスが0.2を上回っているため解像することが
わかり、被写界深度が拡大されていることがわかる。
に、明るさ絞りの開口寸法を変更することで、前記同様
の効果を得ようとする場合、瞳変調素子7bを複数種用
意する必要がない。
形態で得られる光学的伝達関数は中から高周波数領域に
おけるレスポンスが、図14で示される通常の対物光学
系における光学的伝達関数に比べ低くなるため、カメラ
コントローラ2内の中から高周波数用画像処理回路14
aによって中から高周波数領域を2倍から3倍強調する
ことにより、画質の向上が図れる。
による中から高周波数領域を2倍から3倍強調する画像
処理は、通常の対物光学系における光学的伝達関数に対
し画像処理を行っても画質の向上を図れるものであり、
通常の対物光学系を有する内視鏡を接続しても問題がな
く、互換性が図れる。
領域に対し強調量を2倍から3倍としたが、例えば、第
1の実施の形態で示した構成においては図9に示したよ
うな光学的伝達関数をもっているため、高周波数領域の
み2倍から3倍強調する画像処理を行う高周波数用画像
処理回路14bを用意しても良い。
17により、例えば、血管等を観察しやすくするため
に、R信号、B信号のみ強調する、または、暗部のノイ
ズを低減するためにG信号のみ強調する等の、各色の光
学的伝達関数のレスポンスを個別に強調することができ
るため、被写体をより詳細に観察することが可能とな
る。
うに、本発明によれば、内視鏡光学系に配置した光位相
変調マスクに応じた復元処理手段が搭載されていない内
視鏡システムの信号処理回路に、光位相変調マスクを有
した内視鏡を接続しても被写界深度の拡大と、高解像度
の画像の生成をすることができる。
示す構成に特徴がある。
する、複数種の内視鏡が接続される電子内視鏡システム
であって、少なくとも1つの内視鏡の対物光学系は、光
位相変調マスクを有し、前記光位相変調マスクは、物体
距離に応じた光学的伝達関数の変化が、前記光位相変調
マスクを持たない対物光学系よりも小さくなるように作
用するよう配置され、前記光位相変調マスクを有する前
記内視鏡に対し、前記光位相変調マスクを有さない内視
鏡と同一の信号処理装置が接続されることを特徴とした
電子内視鏡システム。
クを有する対物光学系は、光位相変調マスクを持たない
通常の対物光学系に比べ、物体距離に応じた光学的伝達
関数の変化が小さくなるように作用する。そして、光位
相変調マスクを含む対物光学系を用いた内視鏡の固体撮
像素子からの画像信号を、信号処理装置によってモニタ
に映し出す映像信号に変換する。従って、本内視鏡シス
テムによれば内視鏡対物光学系に配置した光位相変調マ
スクに応じた復元処理手段が搭載されていない内視鏡シ
ステムの信号処理回路に、光位相変調マスクを有した内
視鏡を接続しても、被写界深度の拡大、ならびに高解像
の画像を得ることができる。
によって撮像する、複数種の内視鏡が接続される電子内
視鏡システムであって、少なくとも1つの内視鏡の対物
光学系は、光位相変調マスクを有し、前記光位相変調マ
スクは、物体距離に応じた光学的伝達関数の変化が、前
記光位相変調マスクを持たない対物光学系よりも小さく
なるように作用するよう配置され、前記光位相変調マス
クを有する前記内視鏡と、前記光位相変調マスクを持た
ない内視鏡に同一の画像処理を適用することを特徴とし
た電子内視鏡システム。
クを有する対物光学系は、光位相変調マスクを持たない
通常の対物光学系に比べ、物体距離に応じた光学的伝達
関数の変化が小さくなるように作用する。そして、光位
相変調マスクを持たない内視鏡に対する画像処理と同一
の画像処理を、光位相変調マスクを有する内視鏡に施
す。従って、本内視鏡システムによれば内視鏡対物光学
系に配置した光位相変調マスクに応じた復元処理手段が
搭載されていない内視鏡システムの信号処理回路に、光
位相変調マスクを有した内視鏡を接続しても、被写界深
度の拡大、ならびに高解像の画像を得ることができる。
光学系の光学的伝達関数のレスポンスは、前記光位相変
調マスクを含まない場合の対物光学系の被写界深度より
も広い物体距離にわたって、前記固体撮像素子のナイキ
スト周波数まで0.2以上あることを特徴とする付記項
1もしくは2記載の電子内視鏡システム。
通常の対物光学系と比較して、光位相変調マスクを有す
る対物光学系の光学的伝達関数のレスポンスが、広い物
体距離にわたって、固体撮像素子のナイキスト周波数ま
で0.2以上となる。これにより、光位相変調マスクを
有する対物光学系を用いた内視鏡システムでは、広い物
体距離にわたって解像した画像を得ることが可能とな
る。
面積が最も小さくなる物体距離において、前記光位相変
調マスクを有する前記内視鏡の対物光学系の前記点像の
固体撮像素子受光面上の面積Wは、前記固体撮像素子の
画素ピッチをPとしたときに、W≦36×P2を満たす
ことを特徴とする付記項1もしくは2、もしくは3記載
の電子内視鏡システム。
光位相変調マスクを有する対物光学系の光学的伝達関数
の固体撮像素子受光面上の点像の面積Wは、W≦36×
P2となる。これにより、光位相変調マスクを有する対
物光学系の光学的伝達関数のレスポンスが、広い物体距
離にわたって、固体撮像素子のナイキスト周波数まで
0.2以上となる。また、光位相変調マスクによって発
生する非対称なボケの大きさは固体撮像素子の数画素程
度と十分に小さいため、非対称ディジタルフィルタのよ
うな光学的伝達関数復元手段を必要としない。
光学系の光軸をZ軸とし、互いに直交する2軸をX、Y
としたとき、波長587.56nmの光に対して exp{i×α(X3+Y3)} (但し、|X|≦1、
|Y|≦1) の位相の変換を行うものであり、前記αは8以下の係数
であることを特徴とする付記項1もしくは2、もしくは
3もしくは4記載の電子内視鏡システム。
は、前記対物光学系の光軸をZ軸としたときに互いに直
交する2軸をX、Yとした場合、波長587.56nm
の光に対してexp{i×α(X3+Y3)}において、
係数αが8以下となる。これにより、光位相変調マスク
によって変更された光学的伝達関数のレスポンスが、固
体撮像素子のナイキスト周波数まで0.2以上となる。
タルフィルタであることを特徴とする付記項2記載の電
子内視鏡システム。
ディジタルフィルタではなく、光位相変調マスクを持た
ない内視鏡に対して適用されている回転対称なディジタ
ルフィルタを、光位相変調マスクを有する内視鏡に対し
施す。これにより、光位相変調マスクを持たない内視鏡
用に構成されたディジタルフィルタを有する信号処理装
置に対し、光位相変調マスクを有する内視鏡を接続して
も複写界深度の拡大、高画質な画像を得られる。
素子の対物光学系の光軸に対する回転方向の制限を行わ
ないことを特徴とする付記項1もしくは2記載の電子内
視鏡システム。
数復元手段が必要ないため、光位相変調マスクの光軸に
対する回転方向の位置決めが必要なくなる。例えば光位
相変調マスクに、光軸に対して直交する平面に互いに直
交するX、Y軸としたとき光軸方向に自由局面を有する
光学素子を用いた場合、固体撮像素子の縦、横方向に対
し、前記光学素子の自由曲面部のX、Y軸は、光軸に対
して回転方向の制限を設ける必要が無い。これにより、
前記光位相変調マスクと固体撮像素子を含む撮像光学系
の構成に、光軸方向の回転規制機構、あるいは回転調整
機構といった複雑な構成を必要としない。
さ絞りの開口形状は円形であること特徴とする付記項1
もしくは2記載の電子内視鏡システム。
数復元手段が必要ないため、光位相変調マスクの光軸に
対する回転方向の位置決めが必要なくなり、明るさ絞り
の開口は円形でよい。これにより、前記明るさ絞りと前
記光位相変調マスクの光軸方向に対する回転規制が必要
なくなり、固体撮像素子を含む撮像光学系の構成に、光
軸方向の回転規制機構、あるいは回転調整機構といった
複雑な構成を必要としない。
面積が最も小さくなる物体距離において、前記光位相変
調マスクを有する前記内視鏡の対物光学系の前記点像の
固体撮像素子受光面上の面積が、光位相変調マスクを持
たない内視鏡の対物光学系の点像の固体撮像素子受光面
上の面積よりも大きいことを特徴とする付記項4記載の
電子内視鏡システム。
光位相変調マスクを有する対物光学系の固体撮像素子受
光面上の点像の面積は、光位相変調マスクを持たない対
物光学系の固体撮像素子受光面上の点像の面積に比べ大
きくなる。これにより、光位相変調マスクを有する対物
光学系の光学的伝達関数のレスポンスが、広い物体距離
にわたって、固体撮像素子のナイキスト周波数まで0.
2以上となる。
数帯域における前記光学的伝達関数のレスポンスを強調
する画像処理であることを特徴とする付記項2記載の電
子内視鏡システム。
のレスポンスが低下した空間周波数に対し、レスポンス
を強調する画像処理がなされる。これにより、画質の向
上が図れる。
高周波数領域にかけて前記光学的伝達関数のレスポンス
を2倍ないし3倍強調することを特徴とする付記項10
記載の電子内視鏡システム。
のレスポンスが低下する中周波数域から高周波数域にか
けて、レスポンス強調する画像処理がなされる。これに
より、画質の向上が図れる。
体撮像素子受光面上の面積によって、前記光学的伝達関
数のレスポンス強調する周波数帯域を決定することを特
徴とする付記項4もしくは10記載の電子内視鏡システ
ム。
のレスポンスが低下する空間周波数帯域が異なるため、
低下した周波数帯域に対し、レスポンス強調する画像処
理がなされる。これにより、画質の向上が図れる。
信号に対し個別に光学的伝達関数のレスポンスを強調す
ることを特徴とする付記項10記載の電子内視鏡システ
ム。
のレスポンスが低下した空間周波数に対し、色を選択し
てレスポンス強調する画像処理がなされる。これによ
り、被写体の色により画像強調の効果が図れる。
るものではなく、本発明の要旨を変えない範囲におい
て、種々の変更、改変等が可能である。
内視鏡光学系に配置した光位相変調マスクに応じた復元
処理手段が搭載されていない内視鏡システムの信号処理
回路に、光位相変調マスクを有した内視鏡を接続して
も、被写界深度の拡大、ならびに高解像の画像を生成で
きる内視鏡システムを提供することができる。
略の構成を示す構成図である。
含む撮像ユニットの構成を説明するための図である。
した瞳変調素子の構造を説明するための概略説明図であ
る。
の構成を示すブロック図である。
像ユニットでの物体距離71mmの時に得られる点像の
シミュレーション結果を説明するための図である。
像ユニットでの物体距離13.5mmの時に得られる点
像のシミュレーション結果を説明するための図である。
像ユニットでの物体距離7.2mmの時に得られる点像
のシミュレーション結果を説明するための図である。
像ユニットでの物体距離4mmの時に得られる点像のシ
ミュレーション結果を説明するための図である。
像ユニットでの各物体距離における光学的伝達関数のレ
スポンスのシミュレーション結果を説明するための図で
ある。
の物体距離71mmの時に得られる点像のシミュレーシ
ョン結果を説明するための図である。
の物体距離13.5mmの時に得られる点像のシミュレ
ーション結果するための図である。
の物体距離7.2mmの時に得られる点像のシミュレー
ション結果するための図である。
の物体距離4mmの時に得られる点像のシミュレーショ
ン結果するための図である。
離の光学的伝達関数のレスポンスのシミュレーション結
果を説明するための図である。
撮像ユニットでの物体距離71mmの時に得られる点像
のシミュレーション結果の図である。
撮像ユニットでの物体距離13.5mmの時に得られる
点像のシミュレーション結果の図である。
撮像ユニットでの物体距離7.2mmの時に得られる点
像のシミュレーション結果の図である。
撮像ユニットでの物体距離4mmの時に得られる点像の
シミュレーション結果の図である。
撮像ユニットでの各物体距離における光学的伝達関数の
レスポンスのシミュレーション結果の図である。
ーラの構成を示すブロック図である。
ーラの変形例の構成を示すブロック図である。
を概略的に示す図である。
の外観形状を説明するための図である。
るときの光学的伝達関数(OTF)のレスポンスを示す
グラフである。
外れたときの光学的伝達関数(OTF)のレスポンスを
示すグラフである。
図25のときよりも更に外れたときの光学的伝達関数
(OTF)のレスポンスを示すグラフである。
位置にあるときの光学的伝達関数(OTF)のレスポン
スを示すグラフである。
位置から外れたときの光学的伝達関数(OTF)の強度
分布を示すグラフである。
位置から図20のときよりも更に外れたときの光学的伝
達関数(OTF)のレスポンスを示すグラフである。
関数(OTF)のレスポンスに対して行なわれる処理の
逆フィルタの特性を示すグラフである。
ポンスに対して図30の特性を持つ逆フィルタによる処
理を行なって得られる光学的伝達関数(OTF)のレス
ポンスを示すグラフである。
ポンスに対して図30の特性を持つ逆フィルタによる処
理を行なって得られる光学的伝達関数(OTF)のレス
ポンスを示すグラフである。
ポンスに対して図30の特性を持つ逆フィルタによる処
理を行なって得られる光学的伝達関数(OTF)のレス
ポンスを示すグラフである。
モニタで観察するための従来の内視鏡システムの概略の
構成を示す構成図である。
Claims (4)
- 【請求項1】対物光学系の光学像を固体撮像素子によっ
て撮像する、複数種の内視鏡が接続される電子内視鏡シ
ステムであって、 少なくとも1つの内視鏡の対物光学系は、光位相変調マ
スクを有し、 前記光位相変調マスクは、物体距離に応じた光学的伝達
関数の変化が、前記光位相変調マスクを持たない対物光
学系よりも小さくなるように作用するよう配置され、 前記光位相変調マスクを有する前記内視鏡に対し、前記
光位相変調マスクを有さない内視鏡と同一の信号処理装
置が接続されることを特徴とした電子内視鏡システム。 - 【請求項2】前記光位相変調マスクを有する対物光学系
の光学的伝達関数のレスポンスは、前記光位相変調マス
クを含まない場合の対物光学系の被写界深度よりも広い
物体距離にわたって、前記固体撮像素子のナイキスト周
波数まで0.2以上あることを特徴とする請求項1記載
の電子内視鏡システム。 - 【請求項3】点像の前記固体撮像素子受光面上の面積が
最も小さくなる物体距離において、前記光位相変調マス
クを有する前記内視鏡の対物光学系の前記点像の固体撮
像素子受光面上の面積Wは、前記固体撮像素子の画素ピ
ッチをPとしたときに、W≦36×P2を満たすことを
特徴とする請求項1もしくは2記載の電子内視鏡システ
ム。 - 【請求項4】前記光位相変調マスクは、前記対物光学系
の光軸をZ軸とし、互いに直交する2軸をX、Yとした
とき、波長587.56nmの光に対して exp{i×α(X3+Y3)} (但し、|X|≦1、
|Y|≦1) の位相の変換を行うものであり、前記αは8以下の係数
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
載の電子内視鏡システム。
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