JP6495446B2 - ぼけ強調画像処理装置、ぼけ強調画像処理プログラム、ぼけ強調画像処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、異なる合焦距離で撮影した複数枚の画像を合成することにより、ぼけを強調した画像を作成するぼけ強調画像処理装置、ぼけ強調画像処理プログラム、ぼけ強調画像処理方法に関する。
焦点位置を変化させて異なる合焦距離で撮影した複数枚の画像から、主要被写体の前景および背景のぼけを強調した(その結果、主要被写体が引き立つようにした)ぼけ強調画像を画像処理によって作成する技術が従来より提案されている。
例えば、日本国特開2008−271241号公報には、第1の方法として、異なる合焦距離で撮影した複数枚の画像の、対応する画素のコントラストを比較することにより画素毎のぼかし量を算出し、主要被写体に最も合焦した画像に対してぼかし処理を行うことでぼけ強調画像を作成する方法が記載されている。この方法を用いた場合には、ぼかし処理により、ぼけが滑らかに変化するぼけ強調画像が得られる。
また、日本国特開2014−150498号公報には、撮像により作成された入力画像に、撮影光学系の特性と撮影条件とを用いて輝度調整やぼけ形状の調整を行った後に、ぼけが大きいレンズの光学系を再現するフィルタ処理を行うことにより実際のレンズで撮影した画像のぼけと等しい形状のぼけ強調画像を作成する方法が記載されている。この方法を用いた場合には、原理上、実際のレンズで撮影した画像と等しいぼけをもつぼけ強調画像を作成することができる。
一方、上述した日本国特開2008−271241号公報には、第2の方法として、異なる合焦距離で撮影した複数枚の画像の、対応する画素のコントラストをそれぞれ算出して、主要被写体が合焦するよう撮影された画像でのコントラストが最大の画素は主要被写体が合焦する画像の画素を選択し、主要被写体以外が焦点位置となる合焦距離で撮影された画像でのコントラストが最大の画素は、画素のコントラストが最大の合焦距離と主要被写体に関して対称となる合焦距離で撮影された画像の画素を選択して画像合成することでぼけ強調画像を作成する方法が記載されている。この方法を用いた場合には、実際のレンズでぼかした画像を利用するために、理想的なぼけ形状のぼけ強調画像を得ることができる。
しかしながら、上記日本国特開2008−271241号公報に記載されたような、ぼかし処理によってぼけ強調画像を作成する第1の方法では、ぼけの形状が実際のレンズで撮影された画像と異なってしまい、自然な画像にならないことがある。
また、上記日本国特開2014−150498号公報に記載された方法では、実際のレンズで撮影した画像と等しい自然なぼけをもつぼけ強調画像を得るためには、レンズの光学特性を非常に高い精度で特定する必要があり、かつ、十分に高い精度で演算を行う必要があるために、演算時間が長くなり、処理負荷も大きくなってしまう。
さらに、上記日本国特開2008−271241号公報に記載されたような、合成によりぼけ強調画像を作成する第2の方法では、ぼけが連続的に変化する自然な合成画像を作成するためには、合焦距離を細かいステップで変化させた各焦点位置で画像を撮影する必要があるために、撮影枚数が多くなってしまう。そして、撮影枚数が多くなると、画像を記憶するために大容量のメモリが必要となり、処理時間が長くなり、最も古い画像と最も新しい画像との時間差が大きくなるために被写体の動きが大きくなって多重像が発生してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、自然なぼけをもつぼけ強調画像を比較的少ない枚数の画像に基づいて得ることができるぼけ強調画像処理装置、ぼけ強調画像処理プログラム、ぼけ強調画像処理方法を提供することを目的としている。
本発明のある態様によるぼけ強調画像処理装置は、主要被写体を含む被写体の光学像を結像して、該光学像を撮像し画像を作成する撮像系と、上記撮像系を制御して、上記主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが許容錯乱円の直径以下の直径d0となる基準画像を該撮像系に撮像させ、さらに、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像を上記撮像系に撮像させる撮像制御部と、上記撮像制御部の制御に基づき上記撮像系により撮像された複数枚の画像を合成して、上記基準画像よりも画像のぼけが強調されたぼけ強調画像を作成する画像合成部と、を有し、上記撮像制御部は、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像として、該主要被写体の合焦距離よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、上記直径dが等しい対画像を、1対以上のn(nは複数)対撮像させるように制御し、かつ、2対以上の対画像を撮像させる場合には、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い対画像順に上記直径dを直径dk(ここに、k=1,…,n)と表したときに、2以上(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御する。
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御する。
本発明のある態様によるぼけ強調画像処理プログラムは、コンピュータに、主要被写体を含む被写体の光学像を結像して、該光学像を撮像し画像を作成する撮像系を制御して、上記主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが許容錯乱円の直径以下の直径d0となる基準画像を該撮像系に撮像させ、さらに、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像を上記撮像系に撮像させる撮像制御ステップと、上記撮像制御ステップの制御に基づき上記撮像系により撮像された複数枚の画像を合成して、上記基準画像よりも画像のぼけが強調されたぼけ強調画像を作成する画像合成ステップと、を実行させるためのぼけ強調画像処理プログラムであって、上記撮像制御ステップは、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像として、該主要被写体の合焦距離よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、上記直径dが等しい対画像を、1対以上のn(nは複数)対撮像させるように制御し、かつ、2対以上の対画像を撮像させる場合には、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い対画像順に上記直径dを直径dk(ここに、k=1,…,n)と表したときに、2以上(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御するステップである。
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御するステップである。
本発明のある態様によるぼけ強調画像処理方法は、主要被写体を含む被写体の光学像を結像して、該光学像を撮像し画像を作成する撮像系を制御して、上記主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが許容錯乱円の直径以下の直径d0となる基準画像を該撮像系に撮像させ、さらに、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像を上記撮像系に撮像させる撮像制御ステップと、上記撮像制御ステップの制御に基づき上記撮像系により撮像された複数枚の画像を合成して、上記基準画像よりも画像のぼけが強調されたぼけ強調画像を作成する画像合成ステップと、を含むぼけ強調画像処理方法であって、上記撮像制御ステップは、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像として、該主要被写体の合焦距離よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、上記直径dが等しい対画像を、1対以上のn(nは複数)対撮像させるように制御し、かつ、2対以上の対画像を撮像させる場合には、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い対画像順に上記直径dを直径dk(ここに、k=1,…,n)と表したときに、2以上(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御するステップである。
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御するステップである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図7は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1から図7は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は撮像装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、ぼけ強調画像処理装置を撮像装置(さらに具体的には、後述する図3に示すように、レンズ交換式のデジタルカメラ)に適用したものとなっている。
この撮像装置は、撮像部10と、画像合成部20と、を備えている。
撮像部10は、焦点位置の調整(焦点調整)を行って画像を撮影するものであり、レンズ11および撮像素子12を有する撮像系14と、この撮像系14を制御する撮像制御部13と、を備えている。
レンズ11は、被写体の光学像を撮像素子12上に結像する撮像光学系である。
撮像素子12は、レンズ11により結像された被写体の光学像を光電変換して、電気的な画像を作成し出力する。
撮像制御部13は、ぼけ強調画像を作成するのに適した複数の焦点位置(この焦点位置は、後述する図2に示す合焦距離Lを用いて表しても良いし、後で数式18を参照して説明するようにレンズ繰出量δを用いて表しても構わない)を算出して、撮像素子12に対してレンズ11を光軸O方向に沿って前後に駆動することにより、算出された焦点位置への調整を行う。そして、撮像制御部13は、各焦点位置において撮像素子12を制御し撮像を行わせることにより、複数枚の画像を取得させる。ここに、撮像制御部13は、撮像素子12から取得した画像に基づいて撮像制御を行う。
ここで、図2は、レンズ11に関する基本的な用語を説明するための図である。
無限遠の被写体からの光線がレンズ11により結像されて合焦する結像面に撮像素子12をおいたときに、レンズ11から撮像素子12までの光軸Oに沿った距離が焦点距離fである。
また、レンズ11から撮像素子12までの光軸Oに沿った距離を変更することにより、焦点調整が行われる。このとき、レンズ11から撮像素子12までの光軸Oに沿った距離が焦点距離fよりも大きくなるほど、撮像素子12上に結像される光学像において合焦している被写体までの光軸Oに沿った距離(合焦距離L)が短くなる。
また、合焦距離Lの被写体の光学像が結像する位置に撮像素子12があるとき、レンズ11から撮像素子12までの光軸Oに沿った距離から、レンズ11の焦点距離fを差し引いた距離を、レンズ繰出量δ(ここに、レンズ繰出量は奥行きに一対一に対応する)と呼ぶ。
このとき、レンズの公式は、次の数式1に示すように書くことができる。
[数1]
なお、デジタルカメラ等の撮像装置においては、被写体が特に近距離にある場合を除いて、L≫(f+δ)が成り立つことが多い。従って、合焦距離Lを、撮像装置から合焦する被写体までの距離と考えることができる。
なお、デジタルカメラ等の撮像装置においては、被写体が特に近距離にある場合を除いて、L≫(f+δ)が成り立つことが多い。従って、合焦距離Lを、撮像装置から合焦する被写体までの距離と考えることができる。
図3は、撮像装置がレンズ交換式のデジタルカメラである場合の焦点調整機構の構成例を示す図である。
この図3に示すデジタルカメラは、カメラ本体40と、このカメラ本体40に対してレンズマウント等を介して着脱自在な交換レンズ30と、を備えている。ここに、カメラ本体40に交換レンズ30が装着されたときには、カメラ本体40と交換レンズ30とは通信接点50を介して通信することができる。ここに、通信接点50は、交換レンズ30側に設けられた通信接点、およびカメラ本体40に設けられた通信接点を含んで構成されている。
交換レンズ30は、絞り31と、撮影レンズ32と、絞り駆動機構33と、光学系駆動機構34と、レンズCPU35と、エンコーダ36と、を備えている。
図1に示したレンズ11は、この図3に示す構成例においては、絞り31と撮影レンズ32とを含む部分が該当する。
絞り31は、撮影レンズ32を通過する光の範囲を、絞り開口の大きさを変化させることによって制御するものである。
撮影レンズ32は、1枚以上(一般的には複数枚)の光学レンズを組み合わせて構成されていて、例えばフォーカスレンズを含み、焦点調整できるように構成されている。
絞り駆動機構33は、レンズCPU35の制御に基づき、絞り31を駆動して絞り開口の大きさを調節する。
光学系駆動機構34は、レンズCPU35の制御に基づき、撮影レンズ32の例えばフォーカスレンズを光軸O方向に移動させることで、焦点調整を行う。
エンコーダ36は、カメラ本体40の後述するボディCPU47から送信されたデータ(命令も含む)を通信接点50を介して受信し、一定の規則に基づいて別の形式に変換し、レンズCPU35へ出力する。
レンズCPU35は、エンコーダ36を介してボディCPU47から受信したデータに基づいて、交換レンズ30内の各部を制御するレンズ制御部である。
カメラ本体40は、シャッタ41と、撮像素子42と、シャッタ駆動回路43と、撮像素子駆動回路44と、入出力回路45と、通信回路46と、ボディCPU47と、を備えている。
シャッタ41は、絞り31および撮影レンズ32を通過する光束が撮像素子42へ到達する時間を制御するものであり、例えばシャッタ幕を走行させる構成のメカニカルシャッタとなっている。
撮像素子42は、図1に示した撮像素子12に対応するものであり、例えば2次元状に配列された複数の画素を有し、撮像素子駆動回路44を介したボディCPU47の制御に基づき、絞り31、撮影レンズ32、および開状態のシャッタ41を介して結像された被写体の光学像を光電変換して画像を作成するものである。
シャッタ駆動回路43は、入出力回路45を介してボディCPU47から受信した命令に基づき、シャッタ41を閉状態から開状態へ移行して露光を開始し、所定の露光時間が経過した時点でシャッタ41を開状態から閉状態へ移行して露光を終了するように、シャッタ41を駆動する。
撮像素子駆動回路44は、入出力回路45を介してボディCPU47から受信した命令に基づき、撮像素子42の撮像動作を制御して露光および読み出しを行わせる。
入出力回路45は、シャッタ駆動回路43、撮像素子駆動回路44、通信回路46、およびボディCPU47における信号の入出力を制御する。
通信回路46は、通信接点50と、入出力回路45と、ボディCPU47との間に接続されていて、カメラ本体40側と交換レンズ30側との通信を行う。例えば、ボディCPU47からレンズCPU35への命令は、この通信回路46を介して通信接点50側へ送信される。
ボディCPU47は、所定の処理プログラムに従ってカメラ本体40内の各部を制御するシーケンスコントローラであり、上述したレンズCPU35へ命令を送信することで、交換レンズ30も制御するようになっており、撮像装置全体を統括的に制御する制御部である。
ここに、図1に示した撮像制御部13は、上述したような、絞り駆動機構33、光学系駆動機構34、レンズCPU35、エンコーダ36、通信接点50、シャッタ41、シャッタ駆動回路43、撮像素子駆動回路44、入出力回路45、通信回路46、ボディCPU47等を含んでいる。
この図3に示すデジタルカメラで取得された画像からぼけ強調画像を作成する合成処理は、デジタルカメラ内で行っても構わないし、記録媒体あるいは通信回線を介して外部の機器(例えばパーソナルコンピュータ等)へ出力し、外部の機器で行っても良い。従って、図3には図1の画像合成部20に対応する構成を明示的に記載していない。
次に、図4は、ぼけ強調画像を作成するために取得される複数枚の画像の焦点位置の例を示す図である。
この図4に示すような、ぼけ強調画像を作成するのに適した複数枚の画像の焦点位置は、撮像制御部13によって算出されるようになっている。ここに、図4には、一例として、焦点位置が異なる5枚の画像l2〜l−2を取得する例(撮影枚数N=5となる例)を示している。
まず、撮像素子12およびレンズ11の各構成や配置によって決定される画角内には、様々な被写体が存在するが、その中のユーザが狙いとする被写体が主要被写体である。具体的に、図4には、撮像部10に対して、例えば中程度の距離にある被写体OBJ0、近い距離にある近接被写体OBJ1、やや遠い距離にある遠方被写体OBJ2、実質的に無限遠の距離にある無限遠被写体OBJ3が画角内に存在している。そして、例えば、被写体OBJ0を主要被写体としている。
この主要被写体は、撮像装置においては、例えばユーザがフォーカスエリアを用いて合焦させた(例えば、撮像装置のレリーズボタンを半押ししてフォーカスロックした)被写体、あるいは撮像装置が顔認識処理を行って主要被写体であると推定した被写体などとして認識される。
撮像制御部13は、まず、公知のコントラストAF、位相差AF、あるいはユーザによるマニュアルフォーカスなどにより、主要被写体が合焦するようにレンズ11を駆動して焦点調整する。例えば、コントラストAFを用いた場合には、主要被写体のコントラストが最も高くなるように焦点調整が行われる。
そして、撮像制御部13は、主要被写体が合焦する焦点位置で撮像素子12に撮像を行わせ、画像I0を取得する。そして、この主要被写体が合焦する焦点位置において撮像された画像I0を、基準画像と呼ぶことにする。
次に、撮像制御部13は、決定された基準画像I0の焦点位置に応じて、撮像装置から無限遠の距離にある被写体(図4に示す例では、無限遠被写体OBJ3)の、基準画像I0における錯乱円の直径を算出する。この錯乱円の直径は、基準画像I0の焦点位置と、レンズ11の焦点距離fと、絞り開口の直径D(図5参照)と、撮像素子12のサイズおよび画素数と、に基づいて算出される。
続いて、撮像制御部13は、基準画像I0における無限遠被写体の錯乱円の直径が大きいほど撮影される画像の枚数が多くなるように、撮影枚数Nを算出する。ここに、撮像制御部13が算出する撮影枚数Nは3以上の奇数であり、N=2n+1(nは自然数)として表される。
これらN枚の画像の内の、1枚は基準画像I0であり、n枚は焦点位置が撮像部10に対して主要被写体より遠く、合焦距離Lが基準画像I0よりも大きい画像であり、n枚は焦点位置が撮像部10に対して主要被写体より近く、合焦距離Lが基準画像I0よりも小さい画像である。
以下では、撮影される画像を、合焦距離Lが大きい順に、I−n,…,I−1,I0,I1,…,Inと記載することにする(n=2の場合を示す図4参照)。
この記載法によれば、添え字が0である画像が基準画像I0、添え字が負である画像が基準画像I0よりも合焦距離Lが大きい画像、添え字が正である撮影画像が基準画像I0よりも合焦距離Lが小さい画像である。
また、画像Ik(kは−n〜nの何れか)における主要被写体の錯乱円の直径をdkとする。ここで、d0は主要被写体に合焦する基準画像I0における主要被写体の錯乱円の直径であるために、許容錯乱円の直径以下となるが、ほぼ0であると見なして良いために、特に必要がない限りd0=0であるとして扱うものとする。
次に、図5は、主要被写体の錯乱円の直径dとレンズ繰出量δとの関係を説明するための図である。
図5に示すように、主要被写体に合焦するときのレンズ繰出量(基準レンズ繰出量)をδ0とし、例えば、レンズ繰出量δが基準レンズ繰出量δ0よりも小さい場合の主要被写体の錯乱円の直径dを考える。レンズ11における絞り開口の直径をDとし、絞り開口を通過して撮像素子12上に結像する光線の光軸Oに対する最大角度をθとすると、錯乱円の直径dは次の数式2により表される。
[数6]
こうして、画像Ikを撮影するときのレンズ繰出量δkは、画像Ikの合焦距離Lが、基準画像I0の合焦距離L(以下、基準合焦距離L0という)よりも大きい場合(−n≦k<0)と、基準合焦距離L0以下である場合(0≦k≦n)と、に分けて記載すれば、次の数式7に示すようになる。
こうして、画像Ikを撮影するときのレンズ繰出量δkは、画像Ikの合焦距離Lが、基準画像I0の合焦距離L(以下、基準合焦距離L0という)よりも大きい場合(−n≦k<0)と、基準合焦距離L0以下である場合(0≦k≦n)と、に分けて記載すれば、次の数式7に示すようになる。
[数7]
この数式7の右辺に示す各量の内で、レンズ11の焦点距離fおよび絞り開口の直径Dは、撮影時における撮影レンズ32および絞り31の状態からそれぞれ決定される。また、主要被写体に合焦するときの基準レンズ繰出量δ0は、上述したように、AF処理、あるいはマニュアルフォーカスなどにより決定される。
この数式7の右辺に示す各量の内で、レンズ11の焦点距離fおよび絞り開口の直径Dは、撮影時における撮影レンズ32および絞り31の状態からそれぞれ決定される。また、主要被写体に合焦するときの基準レンズ繰出量δ0は、上述したように、AF処理、あるいはマニュアルフォーカスなどにより決定される。
従って、画像Ikを撮影するときのレンズ繰出量δkを求めるためには、画像Ikに対応する主要被写体の錯乱円の直径dkを決定すれば良い。
この主要被写体の錯乱円の直径dkの算出方法について、合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも大きい第1の場合と、小さい第2の場合とに分けて、以下に説明する。
まず、第1の場合、つまり、合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも大きいn枚の画像I−1〜I−nにおける主要被写体の錯乱円の直径d−1〜d−nについて考える。
このときまず、合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも大きいn枚の画像中の、最も合焦距離Lが大きい画像I−nの合焦距離Lを無限遠に設定する。この合焦距離Lが無限遠の画像I−nを撮影するときには撮像素子12はレンズ11から焦点距離fの位置にあるために、レンズ繰出量δ−n=0となり、錯乱円の直径d−nは、次の数式8に示すようになる。
[数8]
合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも大きい残りのn−1枚の画像は、合焦距離Lが基準合焦距離L0に近い画像ほど(つまり、主要被写体の錯乱円の直径dが小さい画像ほど)、合焦距離Lが隣接する画像同士の主要被写体の錯乱円の直径dの差分絶対値が小さくなるように、すなわち、次の数式9の条件を満たすように、錯乱円の直径dkを算出する。
合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも大きい残りのn−1枚の画像は、合焦距離Lが基準合焦距離L0に近い画像ほど(つまり、主要被写体の錯乱円の直径dが小さい画像ほど)、合焦距離Lが隣接する画像同士の主要被写体の錯乱円の直径dの差分絶対値が小さくなるように、すなわち、次の数式9の条件を満たすように、錯乱円の直径dkを算出する。
[数9]
|d0−d−1|
≦|d−1−d−2|
≦…
≦|d−(n−1)−d−n|
このような錯乱円の直径dkの具体例としては、公比RをR≧2.0であるパラメータとして、錯乱円の直径dkが等比数列をなすようにすることが挙げられる。
|d0−d−1|
≦|d−1−d−2|
≦…
≦|d−(n−1)−d−n|
このような錯乱円の直径dkの具体例としては、公比RをR≧2.0であるパラメータとして、錯乱円の直径dkが等比数列をなすようにすることが挙げられる。
より具体的に、d−nを基準として、d−(n−1)からd−1までを、
d−(n−1)=d−n/R
d−(n−2)=d−(n−1)/R
・・・
d−1=d−2/R
のように順に算出すること、つまり、dk(k=−(n−1),−(n−2),…,−1)を次の数式10に示すような漸化式を用いて算出する方法が挙げられる。
d−(n−1)=d−n/R
d−(n−2)=d−(n−1)/R
・・・
d−1=d−2/R
のように順に算出すること、つまり、dk(k=−(n−1),−(n−2),…,−1)を次の数式10に示すような漸化式を用いて算出する方法が挙げられる。
[数10]
dk=dk−1/R
あるいは、数式10に示した漸化式に替えて、次の数式11によりdkを算出しても構わない。
dk=dk−1/R
あるいは、数式10に示した漸化式に替えて、次の数式11によりdkを算出しても構わない。
[数11]
dk=d−n/Rn+k
なお、公比Rが2.0未満の数、例えば1.9であっても、撮影枚数Nを低減する効果を奏することはできる。従って、数式9に示した条件式の内の、最初の不等式、
|d0−d−1|
≦|d−1−d−2|
については満たさなくても構わないという条件緩和を行えば、公比R>1とすることもできる。
dk=d−n/Rn+k
なお、公比Rが2.0未満の数、例えば1.9であっても、撮影枚数Nを低減する効果を奏することはできる。従って、数式9に示した条件式の内の、最初の不等式、
|d0−d−1|
≦|d−1−d−2|
については満たさなくても構わないという条件緩和を行えば、公比R>1とすることもできる。
上述では公比Rをパラメータ(つまり、与えられた既知の値)として用いて、主要被写体の錯乱円の直径dkを求めたが、パラメータに設定するのは公比Rに限るものではない。
例えば、d−1をパラメータ(つまり、与えられた既知の値)として用いるようにしても良い。この場合にはまず、公比Rを次の数式12に示すように算出する。
そして、パラメータd−1と算出された公比Rとを用いて、k=−2,−3,…,−(n−1)における錯乱円の直径dk(d−nは既に既知であるために、算出を省略した)を、
d−2=R×d−1
d−3=R×d−2
・・・
d−(n−1)=R×d−(n−2)
のように順に算出する方法、ひいては、次の数式13に示すように算出する方法を用いても良い。
d−2=R×d−1
d−3=R×d−2
・・・
d−(n−1)=R×d−(n−2)
のように順に算出する方法、ひいては、次の数式13に示すように算出する方法を用いても良い。
[数13]
dk=R−k−1×d−1
あるいは、錯乱円の直径d−nを基準として、数式12により算出された公比Rを用いて、k=−(n−1),−(n−2),…,−2における錯乱円の直径dkを、
d−(n−1)=d−n/R
d−(n−2)=d−(n−1)/R
・・・
d−2=d−3/R
のように順に算出する方法、ひいては、次の数式14に示すように算出する方法を用いても構わない。
dk=R−k−1×d−1
あるいは、錯乱円の直径d−nを基準として、数式12により算出された公比Rを用いて、k=−(n−1),−(n−2),…,−2における錯乱円の直径dkを、
d−(n−1)=d−n/R
d−(n−2)=d−(n−1)/R
・・・
d−2=d−3/R
のように順に算出する方法、ひいては、次の数式14に示すように算出する方法を用いても構わない。
[数14]
dk=d−n/Rn+k
次に、第2の場合、つまり、合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも小さいn枚の画像I1〜Inにおける主要被写体の錯乱円の直径d1〜dnについて考える。
dk=d−n/Rn+k
次に、第2の場合、つまり、合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも小さいn枚の画像I1〜Inにおける主要被写体の錯乱円の直径d1〜dnについて考える。
このときには、合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも小さいn枚の画像(I1〜In)の主要被写体の錯乱円の直径d1〜dnが、上述した合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも大きいn枚の画像I−1〜I−nにおける主要被写体の錯乱円の直径d−1〜d−nとそれぞれ等しくなるように、撮像制御部13が設定する。
すなわち、撮像制御部13は、k=1,2,…,nに対して、次の数式15に示すように設定する。
[数15]
dk=d−k
ここに、主要被写体の合焦距離である基準合焦距離L0よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが等しい2つの画像が、対画像である。
dk=d−k
ここに、主要被写体の合焦距離である基準合焦距離L0よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが等しい2つの画像が、対画像である。
従って、数式9の条件を、合焦距離Lが基準合焦距離L0よりも小さいn枚の画像I1〜Inにおける条件に言い換えれば、撮像制御部13は、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い対画像順に上記直径dを直径dk(ここに、k=1,…,n)と表したときに、(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御していることになる。あるいは、上述した条件緩和の下では、この式が2以上(n−1)以下の任意のk(つまり、k=2,…,n−1)に対して成立すれば良い。
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御していることになる。あるいは、上述した条件緩和の下では、この式が2以上(n−1)以下の任意のk(つまり、k=2,…,n−1)に対して成立すれば良い。
こうして、N枚の撮影画像I−n〜Inにおける主要被写体の錯乱円の直径d−n〜dnを求めたら、撮像制御部13はさらに、上述した数式7に基づいて、レンズ繰出量δ−n〜δnを算出する。
図6は、主要被写体の合焦距離Lが、大きいFRの場合、中程度MDの場合、小さいNRの場合のそれぞれにおいて、ぼけ強調画像を作成するために取得される各画像のレンズ繰出量δの例を示す線図である。
まず、主要被写体を被写体OBJ2に設定した場合、つまり、主要被写体の合焦距離Lが大きいFRの場合には、δ−1〜δ1の3つのレンズ繰出量が設定されている。
また、主要被写体を被写体OBJ0に設定した場合、つまり、主要被写体の合焦距離Lが中程度MDの場合には、δ−2〜δ2の5つのレンズ繰出量が設定されている。
そして、主要被写体を被写体OBJ1に設定した場合、つまり、主要被写体の合焦距離Lが小さいNRの場合には、δ−3〜δ3の7つのレンズ繰出量が設定されている。
ここに、合焦距離Lが無限遠となる画像Iを撮像するためのレンズ繰出量δは0であるから、FRの場合にはδ−1=0、MDの場合にはδ−2=0、NRの場合にはδ−3=0となる。
また、主要被写体の合焦距離Lが小さいほど、レンズ繰出量δのダイナミックレンジが次のように大きくなる。
「FRの場合の|δ1|」
<「MDの場合の|δ2|」
<「NRの場合の|δ3|」
さらに、レンズ繰出量δのダイナミックレンジが大きい程、設定されるレンズ繰出量δの数が大きくなっているのは、次の理由による。
<「MDの場合の|δ2|」
<「NRの場合の|δ3|」
さらに、レンズ繰出量δのダイナミックレンジが大きい程、設定されるレンズ繰出量δの数が大きくなっているのは、次の理由による。
すなわち、異なる合焦距離Lで撮影した画像の画素値を混合して合成するときに、画素値を混合する画像の何れかでぼけが小さい画素ほど、ぼけが急激に変化するのが目立ち、不自然な画像が生成され易い。
そこで、ぼけが小さい領域では、細かいステップで焦点調整を行って錯乱円の直径dの差が小さい画像を取得し、錯乱円の直径dの差が小さい画像同士を合成することで、合成によるぼけ量の変化を小さくして、合成画像が不自然となることを防ぐようにしている。
一方、ぼけが大きい領域では、錯乱円の直径dの差が大きい画像同士で画素値を混合して合成しても、ぼけ量の変化が目立ち難く、合成画像が不自然になり難い。従って、大きなステップで焦点調整を行って撮影枚数Nを少なくするようにしている。
さらに、上述したように、主要被写体の錯乱円の直径dkが一定の公比Rで変化する等比数列をなすようにした場合は、合成によるぼけ量変化を許容範囲に抑えた条件の下で、撮影枚数Nを効果的に低減することができる。
その後、撮像制御部13は、算出したレンズ繰出量δ−n〜δnに基づきレンズ11を駆動して、撮像素子12にN枚の画像I−n〜Inを撮影させる。
こうして撮像部10によって取得されたN枚の画像は、画像合成部20に入力されて、画像合成処理が行われ、ぼけ強調画像が作成される。
図1に示したように、画像合成部20は、動き補正部21と、コントラスト算出部22と、重み算出部23と、混合部24と、を備えている。
画像合成部20に画像が入力されると、まず、動き補正部21が、基準画像I0以外の画像の、基準画像I0に対する動きを算出する。
具体的に、動き補正部21は、基準画像I0の各画素に対する、基準画像I0以外の画像の動きベクトルを、例えば、ブロックマッチング、あるいは勾配法などにより算出する。この動きベクトルの算出は、基準画像I0以外の全ての画像I−n〜I−1,I1〜Inに対して行われる。
さらに、動き補正部21は、算出した動きベクトルに基づいて動き補正を行い、全ての画像における対応画素の座標が一致するように(具体的には、基準画像I0における各画素の座標に、基準画像I0以外の画像における対応各画素の座標が一致するように)画像を変形する。この動き補正により、撮像画像I−n〜Inから、動き補正画像I−n’〜In’が作成される。なお、動きベクトルを算出する基準として基準画像I0を用いているために、基準画像I0は動き補正を行う必要がなく、I0’=I0となる。
次に、コントラスト算出部22が、動き補正画像I−n’〜In’のそれぞれに対して、画像を構成する各画素のコントラストを算出する。
このコントラストとしては、高周波成分の絶対値などが挙げられる。例えば、ある画素を着目画素として、着目画素を中心とした所定サイズの画素領域(例えば、3×3画素領域、あるいは5×5画素領域など)にラプラシアンフィルタなどのハイパスフィルタを作用させ、着目画素位置においてフィルタ処理の結果として得られた高周波成分の絶対値をさらに取ることで、着目画素のコントラストが算出される。
そして、処理対象画像における着目画素の位置を、例えばラスタスキャン順に移動させながらフィルタ処理および絶対値処理を行うことにより、処理対象画像における全画素のコントラストを得ることができる。
このようなコントラストの算出を、全ての動き補正画像I−n’〜In’に対して行う。
続いて、重み算出部23が、動き補正画像I−n’〜In’を合成してぼけ強調画像を作成するための重みw−n〜wnを算出する。この重みw−n〜wnは、基準画像I0(上述したように、動き補正基準画像I0’と等しい)において合焦している被写体は合焦しているままとし、合焦している被写体の前景および背景におけるぼけが強調されるような重みとして算出される。
対応する画素位置が一致している動き補正画像I−n’〜In’における、ある画素位置の画素をiとして表すものとする。
そして、全ての動き補正画像I−n’〜In’の中で、ある画素iのコントラストが最大となる動き補正画像がIk’であるものとする。
このとき、全ての動き補正画像I−n’〜In’における画素iに対する重みw−n(i)〜wn(i)を設定する第1の重み設定方法は、動き補正画像I−k’における画素iの重みw−k(i)を1に設定し、それ以外の動き補正画像における画素iの重みw−n(i)〜w−(k+1)(i),w−(k−1)(i)〜wn(i)を全て0に設定することである。
この第1の重み設定方法は、ある画素iのコントラストが最大となる動き補正画像Ik’と動き補正基準画像I0’を挟んで順序kが対称となる順序−kの動き補正画像I−k’を、合成後のぼけ強調画像における画素iを取得する画像として選択することを意味している。
また、上述した第1の重み設定方法では、全ての動き補正画像I−n’〜In’の中から1つの動き補正画像を、画素iのコントラスト最大値を与える動き補正画像であると近似した(つまり、画素iの奥行きが、全ての動き補正画像I−n’〜In’の何れか1つの画像における画素iの奥行きに一致するという近似を行った)。しかし、より精密には、画素iのコントラスト最大値を与えるのは、順序kが隣接する2つの動き補正画像の中間(両端も含む)であると考えられる。
そこで、より精密化を図った第2の重み設定方法は、例えば、以下のようになる。
画素iのコントラストが最大となる動き補正画像がIk’であるときには、画素iの真の合焦距離L(画素iに結像した光線を発した被写体までの合焦距離L)に対応するレンズ繰出量は、δkに一致するか、δkとδk−1との間にあるか、またはδkとδk+1との間にある。
そこで重み算出部23は、この画素iの真の合焦距離Lに対応するレンズ繰出量の推定値をδest(i)とおいて、この推定レンズ繰出量δest(i)を、動き補正画像Ik’における画素iのコントラストおよびレンズ繰出量δkと、動き補正画像Ik−1’における画素iのコントラストおよびレンズ繰出量δk−1と、動き補正画像Ik+1’における画素iのコントラストおよびレンズ繰出量δk+1と、に基づいて、例えば最小二乗法によるフィッティングやその他の適宜のフィッティングにより算出する。
こうして算出した画素iの真の合焦距離Lに対応するレンズ繰出量の推定値である推定レンズ繰出量δest(i)は、δkとδk+m(m=1または−1)との間にあるために、これらの内分比に基づき、つまり、|δk+m−δest(i)|と|δest(i)−δk|の比に基づき、動き補正画像I−k’における画素iの重みw−k(i)と動き補正画像I−(k+m)’における画素iの重みw−(k+m)(i)とを次の数式16に示すように算出すると共に、これら動き補正画像I−k’および動き補正画像I−(k+m)’以外の動き補正画像における画素iの重みを0に設定する。
この第2の重み設定方法を用いることにより、画像Inの合焦距離Lから画像I−nの合焦距離Lの間の、任意の合焦距離Lにある被写体のぼけをより正確に再現して、ぼけが連続的に変化する合成画像を作成することができる。
その後、混合部24が、重み算出部23により算出された重みw−n(i)〜wn(i)を用いてN枚の動き補正画像I−n’〜In’の画素値を混合してI−n’〜In’を合成し、1枚の合成画像を作成する。
ここに、重みw−n(i)〜wn(i)は、N枚の動き補正画像I−n’〜In’のそれぞれにおける全画素に対して算出され、N枚の重みマップw−n〜wnとして作成されている。
そして、この混合部24が合成処理を行うに際しては、N枚の動き補正画像I−n’〜In’およびN枚の重みマップw−n〜wnのそれぞれを多重解像度分解して、解像度毎に合成し、合成後に多重解像度画像の再構築を行うことで、画像を合成する際の境界をより目立ち難くするようにしている。
具体的に、混合部24は、画像I−n’〜In’については、ラプラシアンピラミッドを作成することにより多重解像度分解する。また、混合部24は、重みマップw−n〜wnについては、ガウシアンピラミッドを作成することにより多重解像度分解する。
すなわち、混合部24は、画像Ik’からlev段のラプラシアンピラミッドを作成して、画像Ik’と同解像度の成分Ik’(1)から、最も低解像度の成分Ik’(lev)までの各成分を得る。このとき、成分Ik’(lev)は、最も低解像度である解像度に動き補正画像Ik’を縮小した画像であり、その他の成分Ik’(1)〜Ik’(lev−1)は各解像度での高周波成分である。
同様に、混合部24は、重みマップwkからlev段のガウシアンピラミッドを作成して、重みマップwkと同解像度の成分wk (1)から、最も低解像度の成分wk (lev)までの各成分を得る。このとき、成分wk (1)〜wk (lev)は各解像度に縮小した重みマップである。
そして、混合部24は、多重解像度のm階層目の合成を、成分I−n’(m)〜In’(m)と、各対応する成分w−n (m)〜wn (m)の重みとを用いて、次の数式17に示すように行い、m階層目の合成結果IBlend (m)を得る。
こうして算出された各成分IBlend (1)〜IBlend (lev)は、ラプラシアンピラミッドとなっているために、IBlend (1)〜IBlend (lev)に対してラプラシアンピラミッドの再構築処理を行うことで、多重解像度合成による合成画像を得る。
画像合成部20は、このようにして混合部24により合成した画像を、ぼけ強調画像として出力する。
このような実施形態1によれば、主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが、2以上(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
を満たすように撮像を行っているために、自然なぼけをもつぼけ強調画像を比較的少ない枚数の画像に基づいて得ることができる。
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
を満たすように撮像を行っているために、自然なぼけをもつぼけ強調画像を比較的少ない枚数の画像に基づいて得ることができる。
このときさらに、合焦距離が基準合焦距離よりも大きい画像に対して錯乱円の直径dkが比Rを用いた次の関係
dk=dk−1/R
を満たすようにすることで、撮影枚数をより有効に低減することができる。
dk=dk−1/R
を満たすようにすることで、撮影枚数をより有効に低減することができる。
そして、撮影する複数枚の画像の中に、無限遠の合焦距離で撮影された画像が含まれるようにしたために、主要被写体より遠くの任意の奥行きにある画素のぼけを適切に作成することができる。
こうして、ぼけ強調画像を作成する際に、基準画像から離れるにつれて主要被写体の錯乱円の直径dの増加量が大きくなるように焦点調整を行うことで、なるべく少ない撮影枚数で、ぼけの大きなレンズで撮影した画像とぼけの形状、大きさがほぼ同等であるぼけ強調画像を作成することができる。
[実施形態2]
図8から図11は本発明の実施形態2を示したものであり、図8は撮像装置の構成を示すブロック図である。
図8から図11は本発明の実施形態2を示したものであり、図8は撮像装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
上述した実施形態1では、ぼけ量が離散的に異なる動き補正画像I−n’〜In’の画素を用いて混合部24により画像合成を行っていた。しかし、この画像合成を図7に示す重みで行った場合には、例えば図9に示すように、画素値を混合した領域において、ぼけが小さい画像の輪郭が残ったままぼけが大きい画像の大きさで輪郭が広がり、芯がある不自然なぼけが発生してしまう。
ここに、図9は、図7に示す重みで画像合成を行ったときに発生するぼけの様子を示す図である。
そこで、本実施形態は、動き補正画像I−n’〜In’にさらにぼかし処理を行って得られたぼかし画像I−n”〜In”を用いて混合部24により画像合成を行うようにしたものとなっている。
まず、本実施形態の画像合成部20は、図8に示すように、上述した実施形態1の画像合成部20の構成に加えてさらに、基準画像を構成する各画素の奥行きを算出する奥行き算出部25と、ぼかし部26と、を備えている。
動き補正部21により作成された動き補正画像I−n’〜In’は、コントラスト算出部22に加えてさらに、奥行き算出部25とぼかし部26とへ出力される。
奥行き算出部25は、奥行き推定部として機能するようになっており、まず、コントラスト算出部22と同様に動き補正画像I−n’〜In’の各画素のコントラストを算出する(あるいは、コントラスト算出部22から動き補正画像I−n’〜In’の各画素のコントラストを取得しても構わない)。このとき、全ての動き補正画像I−n’〜In’の中で、ある画素iのコントラストが最大となる動き補正画像(つまり、N枚の動き補正画像における画素iの高周波成分を比較して、最も高周波成分の絶対値が大きい動き補正画像)がIk’であるものとする。
すると、奥行き算出部25は、重み算出部23が上述した第2の重み設定方法を用いる場合に推定したレンズ繰出量δest(i)を、上述と同様の方法を用いて推定する(あるいは、重み算出部23により既に推定されている場合には、重み算出部23から取得するようにしても構わない)。
ここで、レンズ繰出量がδであるときの合焦距離Lは、数式1に示したレンズの公式を変形することによって得られ、次の数式18に示すようになる。
[数18]
この数式18によればレンズ繰出量δから合焦距離Lが一意に決まるために、各画素の推定レンズ繰出量δest(i)を算出すれば、画素毎の奥行きに対応する推定合焦距離Lest(i)(上述した真の合焦距離Lの推定値)が得られることになる。
この数式18によればレンズ繰出量δから合焦距離Lが一意に決まるために、各画素の推定レンズ繰出量δest(i)を算出すれば、画素毎の奥行きに対応する推定合焦距離Lest(i)(上述した真の合焦距離Lの推定値)が得られることになる。
ぼかし部26は、奥行き算出部25により算出された奥行きに対応する推定合焦距離Lest(i)を複数枚の画像の合焦距離と比較して、推定合焦距離Lest(i)を挟んだ合焦距離の2つの画像の内の、合焦距離が推定合焦距離Lest(i)よりも主要被写体側にある動き補正画像をまず選択する。さらに、ぼかし部26は、選択した動き補正画像に対して、基準画像I0’を挟んで順序が対称となる動き補正画像(選択した動き補正画像と相対する動き補正画像)をさらに選択し、選択した順序が対称となる動き補正画像における対象画素に対してぼかし処理を行いぼかし画像を作成する。ぼかし部26は、このような処理を、複数の画素に対して行うことにより、複数枚のぼかし画像を作成する。
具体的に、ぼかし部26は、奥行き算出部25により算出された画素iの推定レンズ繰出量δest(i)に基づいて、推定レンズ繰出量δest(i)を挟み込んでレンズ繰出量δが隣接する2つの動き補正画像と主要被写体の錯乱円直径が等しく、レンズ繰出量がδ0に対してδest(i)と反対側にある2つの動き補正画像の内の、画素iのぼけが小さい方の画像にぼかし処理を行う。
すなわち、ぼかし部26は、δ0≦δest(i)である場合には、δk≦δest(i)<δk+1(0≦k≦(n−1))となるkと順序が対称となる−kの動き補正画像I−k’を選択し、δest(i)=δnである場合には、I−n’をI−k’として選択する。
また、ぼかし部26は、δest(i)<δ0である場合には、δk−1<δest(i)≦δk(−(n−1)≦k≦0)となるkと順序が対称となる−kの動き補正画像I−k’を選択し、δest(i)=δ−nである場合には、In’をI−k’として選択する。
さらに、ぼかし部26は、選択した動き補正画像I−k’における画素iのぼけ量が、δest(i)−δ0=δ0−δtarget(i)となるレンズ繰出量δtarget(i)で撮影したときの画素iのぼけ量と同じ大きさになるように、動き補正画像I−k’における画素iを中心とした所定サイズ(例えば、3×3画素、あるいは5×5画素などであるが、ぼけの大きさに応じてサイズを変化させることになる)のぼかしフィルタを掛けてぼかし処理を行い、画素iがぼかされたぼかし画像I−k”を作成する。
このとき、ぼかし部26は、ぼかし処理を行うぼかしフィルタの大きさを与える直径breblur(i)を、次のように算出する。
まず、ぼかし部26は、レンズ繰出量δをδtarget(i)およびδ−kとして撮影したときの画素iの錯乱円直径btarget(i)およびb−k(i)を、次の数式19を用いて算出する。
さらに、ぼかし部26は、算出したbtarget(i)およびb−k(i)を用いて、次の数式20によりbreblur(i)を算出する。
[数20]
こうして、ぼかし部26は、算出したbreblur(i)の直径をもつぼかしフィルタで動き補正画像I−k’をぼかすことにより、レンズ繰出量をδtarget(i)として撮影したときの画素iのぼけ量と同じ大きさのぼけ量を有するぼかし画像I−k”を作成することができる。
こうして、ぼかし部26は、算出したbreblur(i)の直径をもつぼかしフィルタで動き補正画像I−k’をぼかすことにより、レンズ繰出量をδtarget(i)として撮影したときの画素iのぼけ量と同じ大きさのぼけ量を有するぼかし画像I−k”を作成することができる。
ここで、breblur(i)の直径をもつぼかしフィルタにより動き補正画像I−k’をぼかしたときのぼけ量と、レンズ繰出量をδtarget(i)として撮影したときの画素iのぼけ量とが厳密に等しい大きさとなるためには、画像I−k’のぼけ形状がぼかしフィルタと同じガウシアンぼけでなくてはならない(すなわち、ぼかしフィルタとしてガウシアンを想定している)が、この条件が厳密に成立しない場合でも、数式20で算出した直径をもつぼかしフィルタでぼかし処理を行えば、ぼけ量の大きさを近似的に等しくすることができる。
重み算出部23は、ぼかし部26により作成されたぼかし画像I−k”における画素iに対して重み1を与え、その他の画像における画素iに対して重み0を与えるように、重みを設定する。
こうして混合部24は、算出されたぼかし画像および重みを用いて、上述した実施形態1と同様に画像合成処理を行い、合成画像を作成する。
図10は、推定レンズ繰出量δest(i)を挟み込んでレンズ繰出量δが隣接する2つの動き補正画像と主要被写体の錯乱円直径が等しく、レンズ繰出量がδ0に対してδest(i)と反対側にある2つの動き補正画像の内の、ぼけが小さい方の動き補正画像をぼかし処理して画像合成を行う様子を示す図である。
図10に示す例においては、2つの動き補正画像I−p’,I−p−1’の内の、ぼけが小さい方の例えば動き補正画像I−p’に対して、ぼけが大きくなるほど大きくぼかすようにぼかし処理してぼかし画像I−p”を作成し、ぼけが大きい方の動き補正画像I−p−1’と合成して、ぼけ強調画像SIを作成している。
ところで、図9を参照して説明したような画素値を混合したことによるぼけの芯や、ぼけ量が異なる画像を合成したことによるぼけの不連続な変化は、ぼけが小さい領域において目立ち易い。
このとき、ぼけが小さい領域では、ぼけ量の不連続性を補正するためにかけるフィルタサイズが小さいために、フィルタ処理を短い時間で行うことができる。
これに対して、ぼけが大きい領域では、ぼけ量の不連続性を補正するためにかけるフィルタサイズが大きくなるために、フィルタ処理に要する時間が長くなるだけでなく、さらに、実際のレンズ11で撮影した画像のぼけと、フィルタ処理を含む画像処理で最終的に得られた画像のぼけと、の形状の違いが顕著になる。そして、ぼけが大きい領域では、ぼけの芯やぼけの不連続な変化が比較的目立たない。
そこで、ぼけ量の変化を補正するためのフィルタ処理を、画像全体に対して行うのに代えて、基準画像でぼけが小さい領域だけに対して行うようにすると、処理時間を短縮しながら、実際のレンズ11で撮影した画像のぼけとの形状の違いが生じるのを実効的に軽減することができて良い。
図11は、基準画像でぼけが小さい領域だけにぼかし処理を行うときの、画像合成用の重みの例を示す線図である。この図11には、N=5の場合の例を示している。
例えば、この図11に示すように、基準画像I0における、ぼけ量が小さい領域(錯乱円の直径dに対応するレンズ繰出量がδ−1以上かつδ1以下の領域)のみに対して、動き補正基準画像I0’(基準画像I0と等しい)にぼかし処理を行ってぼかし基準画像I0”としてから重み1を与えて合成処理し、基準画像I0におけるぼけ量が大きい領域(錯乱円の直径dに対応するレンズ繰出量がδ−1未満またはδ1よりも大きい領域)については、上述した実施形態1と同様に画素値を混合することでぼけ強調画像を得るようにすると良い。
このような、基準画像でぼけ量が小さい領域のみに対してぼかし処理を行うようにすることで、ぼけの芯やぼけの不連続な変化を目立たないようにして、自然なぼけ強調画像を得ることができる。
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、2枚の画像におけるある画素の画素値を混合しようとする際に、該画素のぼけが小さい方の画像にぼかし処理を行ってぼけが大きい方の画像にぼけの大きさを近づけてから画素値の混合を行うようにしたために、ぼけの芯が発生するのを軽減することができる。
また、基準画像でぼけが小さい領域だけにぼかし処理を行うようにした場合には、処理負荷を軽減し、かつ処理時間を短縮しながら、視覚的にあまり不自然でないぼけ強調画像を得ることができる。
合焦距離が奥行きと主要被写体側に最も近い画像から、基準画像I0を挟んで順序が対称となる動き補正画像を選択し、選択した画像における対象画素に対してぼかし処理を行いぼかし画像を作成するようにしたために、対象画素の奥行きに応じたぼかし画像を得ることができる。
こうして、画像を合成する境界で、ぼけの大きさが等しくなるようにフィルタ処理を行った画像を合成することで、画像を合成してもぼけの芯がないぼけ強調画像を作成することができる。
[実施形態3]
図12から図17は本発明の実施形態3を示したものである。本実施形態の撮像装置の構成は上述した実施形態2の図8に示した構成と同様であるので改めての図示を省略して適宜引用するが、本実施形態の撮像装置は作用が異なるものとなっている。
図12から図17は本発明の実施形態3を示したものである。本実施形態の撮像装置の構成は上述した実施形態2の図8に示した構成と同様であるので改めての図示を省略して適宜引用するが、本実施形態の撮像装置は作用が異なるものとなっている。
この実施形態3において、上述の実施形態1,2と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、奥行き算出部25、ぼかし部26、重み算出部23、および混合部24の作用が、上述した実施形態1または実施形態2と異なっている。
例えば、上述した実施形態1では、動き補正部21により動き補正を行った動き補正画像I−n’〜In’を混合部24により混合した。
これに対して本実施形態3では、ぼかし部26により、動き補正基準画像I0’(上述したように、動き補正基準画像I0’は基準画像I0と等しい)に対してぼかし処理を行ったぼかし基準画像I0”を作成し、作成したぼかし基準画像I0”を混合部24により背景画像と合成するようにしている。従って、ぼかし部26は、基準画像ぼかし部として機能する。
さらに、上述した実施形態1では、真の合焦距離Lが主要被写体の基準合焦距離L0よりも大きい背景に対して、基準合焦距離L0よりも小さい合焦距離Lで取得された画像に重みを付けて合成することにより、ぼけ強調画像を作成していた(図7参照)。
しかし、基準合焦距離L0よりも小さい合焦距離Lで取得された画像は、主要被写体の輪郭がぼけて広がっているために、この画像の画素値を混合して作成したぼけ強調画像では、主要被写体のぼけが背景にじみ出してしまう。
ここに、図12は、画像合成により、主要被写体の輪郭が背景ににじむ状態が発生する様子を説明するための図である。
図示のように、主要被写体である被写体OBJ0に合焦した基準画像I0中の被写体OBJ0に重み付けを行い、基準合焦距離L0よりも小さい合焦距離Lで取得された動き補正画像Ik’(図12に示す例では動き補正画像In’)中の無限遠被写体OBJ3に重み付けを行って、混合し画像合成したぼけ強調画像SIには、主要被写体である被写体OBJ0の輪郭のにじみBLが発生している。
そこで、本実施形態は、主要被写体の輪郭近傍における合成時の重みを調整することで、こうしたにじみBLの発生を抑制するようにしたものとなっている。
奥行き算出部25は、上述した実施形態2と同様に、コントラストが最大となる動き補正画像がIk’である画素iに対して、動き補正画像Ik−1’,Ik’,Ik+1’のコントラストに基づいて、画素iの被写体の真の合焦距離Lに対応すると推定される推定レンズ繰出量δest(i)を算出する。
ここで、本実施形態における奥行き算出部25は、推定奥行き信頼度算出部として機能して、算出した推定レンズ繰出量δest(i)の信頼度を評価し、奥行き補正部として機能して、信頼度に応じて推定レンズ繰出量δest(i)の補間を行うようになっている。なお、以下に説明する推定奥行き信頼度算出部および奥行き補正部の機能は、上述した実施形態2に対して適用しても構わない。
まず、信頼度は、例えば複数枚の画像の同一画素における高周波成分の分布に基づく、次のような評価法を用いる。
第1の信頼度評価法は、全ての動き補正画像I−n’〜In’において、画素iのコントラストが所定値よりも小さいときに、算出された推定レンズ繰出量δest(i)の信頼度が低いと評価する方法である。このときさらに、信頼度を、高い/低いの2値評価するだけでなく、画素iの最も高いコントラストの値の大小に応じて、信頼度の評価値を決定すると良い。
被写体にエッジ等のコントラストが存在する場合には、全ての動き補正画像I−n’〜In’の何れかにおいて、高いコントラストが得られるはずである。従って、何れの画像でも高いコントラストが得られない場合には、算出された推定レンズ繰出量δest(i)は、画素iの被写体の真の合焦距離Lに対応するレンズ繰出量δGroundTruthと大きく異なる場合が多いと考えられる。
また、第2の信頼度評価法は、次のような方法である。画素iの最も高いコントラストが得られる動き補正画像がIk1’であり、画素iの2番目に高いコントラストが得られる動き補正画像がIk2’であるものとする。このとき、|k1−k2|≠1であれば、コントラストの極大値が2つあると推定される。従って、この場合に、算出された推定レンズ繰出量δest(i)の信頼度が低いと評価する方法である。
ここでは信頼度評価法の例を2つ挙げたが、その他の信頼度評価法を用いても構わない。
そして、推定レンズ繰出量δest(i)の信頼度が低いと評価された場合には、画素iにおける推定レンズ繰出量δest(i)の補間を行う。
第1の補間法は、画素iの近傍において信頼度が高いと評価された(2値評価でない場合には、信頼度が最も高いと評価された)1つの画素jの推定レンズ繰出量δest’(j)で、画素iの推定レンズ繰出量δest(i)を置き換える方法である。
また、第2の補間法は、画素iの近傍において信頼度が高いと評価された複数の画素の推定レンズ繰出量を重み付け平均した推定レンズ繰出量δest’(i)で、画素iの推定レンズ繰出量δest(i)を置き換える方法である。このときの重みとしては、例えば、画素iと近傍画素との空間距離が近いほど大きな重みを与えても良い。あるいは、信頼度が2値評価でない場合には、信頼度の高さに応じた重みを与えるようにしても構わない。さらに、空間距離の近さと信頼度の高さとの両方に応じた重みを与えるようにしても良いし、その他の重み付けを採用しても構わない。
その他の重み付けの一例としては、画素iの画素値との画素値差分が小さい近傍画素の重みを重くする方法が挙げられる。画像中に複数の被写体が存在する場合に、同一被写体を構成する画素同士は画素値の相関性が高い(つまり、画素値差分が小さい)(これに対して、異なる被写体同士を比較すると、画素値が大きく異なることが多い)。そして、画像を被写体毎の領域に分割したときに、分割された1つの被写体領域内の各画素における合焦距離Lは概略一定であると考えられる。そこで、画素値が画素iの画素値に近い近傍画素の重みを大きくして、近傍画素の推定レンズ繰出量を重み付け平均した推定レンズ繰出量δest’(i)を画素iの推定レンズ繰出量に置き換えることを、被写体領域内の各画素について行うことにより、被写体領域毎にほぼ一定のレンズ繰出量δを得ることができる。これによって、被写体領域毎に、ほぼ一定の強さでぼけを強調することができ、被写体領域内のぼけ強調度が各画素に異なってしまう状態となるのを低減することができる。
次に、ぼかし部26は、奥行き算出部25により算出された画素iの推定レンズ繰出量δest’(i)に基づいて、次の数式21に示すような錯乱円直径best(i)を算出する。
そこで、ぼかし部26は、基準画像ぼかし部として機能して、基準画像I0の各画素において、錯乱円直径best(i)に比例した半径rfilt(i)=κ×best(i)(κは比例定数)を持つフィルタFiltにより動き補正基準画像I0’に対するフィルタ処理を行い、基準画像I0の画素毎のぼけ量に応じてぼけを強調したぼかし基準画像I0”を作成する。
ここで、フィルタFiltは、画素iとの距離がrfilt(i)以下である画素の集合Niに属する画素jのフィルタ重みをwfilt(i,j)として、次の数式22
[数22]
により、基準画像I0における画素jの画素値I0’(j)を重み付け平均して、ぼかし基準画像I0”における画素iの画素値I0”(i)を得るフィルタである。
[数22]
により、基準画像I0における画素jの画素値I0’(j)を重み付け平均して、ぼかし基準画像I0”における画素iの画素値I0”(i)を得るフィルタである。
なお、比例定数κは、奥行きが無限遠である画素、すなわち推定レンズ繰出量δest’(i)=0となる画素iでのぼかし基準画像I0”(i)の錯乱円直径dが、合焦距離Lを最も短くして撮影した画像を動き補正した動き補正画像In’における、対応する画素iの錯乱円直径dと等しくなるように値を算出する。
ここで、画素の集合Νiに属する画素jのフィルタ重みwfilt(i,j)を、図13に示すように、推定レンズ繰出量δest’(j)が基準レンズ繰出量δ0から離れるにつれて(例えば比例して)大きくなるように算出することで、背景領域の画素に対するフィルタFiltが主要被写体の画素値を混合することを防ぎ、ぼかし基準画像I0”において主要被写体の色が背景ににじみ出すのを防ぐことができる。ここに図13は、フィルタを適用する領域内の画素に対して、推定レンズ繰出量が基準レンズ繰出量から離れるにつれて重みを大きくする例を示す線図である。
また、フィルタ重みwfilt(i,j)の別の例として、図14に示すように、画素iに対するフィルタFiltでは、画素iの推定レンズ繰出量δest’(i)よりも推定レンズ繰出量δest’(j)が小さい(つまり、画素iよりも奥側にある)画素jのフィルタ重みwfilt(i,j)を大きくし、画素iの推定レンズ繰出量δest’(i)よりも推定レンズ繰出量δest’(j)が大きい(つまり、画素iよりも手前側にある)画素jのフィルタ重みwfilt(i,j)を小さくするように、フィルタ重みwfilt(i,j)を設定しても良い。ここに図14は、フィルタを適用する領域内の各画素の推定レンズ繰出量が、領域中心画素の推定レンズ繰出量よりも小さいときに重みを大きくする例を示す線図である。これにより、主要被写体の色が背景ににじみ出すことを防ぐだけでなく、主要被写体と背景の中間の距離にある被写体の色が背景ににじみ出すことも防ぐことができる。
なお、図13に示した重み下限値εは、画素の集合Niに属する全ての画素jに対して、推定レンズ繰出量δest’(j)が基準レンズ繰出量δ0に等しい(δest’(j)=δ0)ときに、数式22の分母が0にならないようにするための微小な値である。
また、図14に示したレンズ繰出量幅δmarginは、推定レンズ繰出量δest’(i)の算出誤差に相当する値をパラメータとして与えたものである。
重み算出部23は、合成重み算出部として機能して、基準画像I0における主要被写体の輪郭から半径Rth(図17参照)画素以内にある画素において、ぼかし基準画像I0”の合成重みを大きくするように、基準画像I0以外の動き補正画像I−n’〜I−1’,I1’〜In’の合成重みと、ぼかし基準画像I0”の合成重みと、を算出する。図17は、ぼかし基準画像における主要被写体の輪郭から所定半径の領域を示す図である。
ここに、半径Rthは、画像Inにおける主要被写体(例えば被写体OBJ0)の錯乱円半径dn/2に相当する画素数を設定すると良い。例えば重みwk(i)(−n≦k≦n)を以下のように算出すると、主要被写体から半径Rth画素以内にある画素において、ぼかし基準画像I0”の合成重みを大きくし、主要被写体から半径Rth画素より離れた画素での合成重みを小さくすることができる。
まず、推定レンズ繰出量δest’(j)が、基準レンズ繰出量δ0からパラメータとして定めるδdepthの範囲にある画素j、すなわち、次の数式23に示す条件を満たす画素jを主要被写体を構成する画素(基準画像I0における合焦領域を構成する画素)とし、主要被写体画素全体の集合をΜとする。
さらに図15に示すように、画素iの推定レンズ繰出量δest’(i)に応じて、動き補正画像I−n’〜I−1’,I1’〜In’の画素iに対する初期重みwk’(i)(−n≦k≦n、ただしk≠0)を算出する。ここに、図15は、動き補正画像に対して設定される初期重みを示す線図である。
その後、Rth’≧Rthを満たすパラメータRth’を用いて、画素iから主要被写体までの距離RMainObject(i)によって決まる係数α(i)を図16に示すように求める。ここに、図16は、画素から主要被写体までの距離に応じて決定される係数を示す線図である。
そして、求めた係数α(i)を上述した初期重みwk’(i)に乗算して、動き補正画像I−n’〜I−1’,I1’〜In’の画素iに対する重みwk(i)(−n≦k≦n、ただしk≠0)を算出する。
また、ぼかし基準画像I0”については、合成する全画像の重みの和が1となるように、重みw0(i)を算出する。
これらをまとめると、次の数式24に示すように重みwk(i)(−n≦k≦n)を算出することになる。
数式24により算出した重みwk(i)を用いて画像を合成することにより、背景領域内における主要被写体の近傍ではぼかし基準画像I0”の重みが大きくなり、主要被写体の色が背景ににじみ出さないように基準画像をぼかしたぼかし基準画像I0”の画素を使用して合成が行われることになる。これにより、図17に示すように、主要被写体の色がぼけ強調画像の背景ににじみ出すのを防ぐことができる。
本実施形態では、背景の一部のみをぼかし処理してぼけ強調画像を作成し、背景の大部分の領域では撮影された画像を合成してぼけを強調するために、背景の大部分の領域において、ぼけが大きなレンズで撮影したかのような自然な玉ぼけを作成することができる。
また、ぼかし基準画像I0”を作成する際に、重みw0(i)≠0である画素iでのみフィルタ処理を行うことにより、画像を大きくぼかす領域を最小限にすることができ、処理時間を短縮することができる。
このような実施形態3によれば、上述した実施形態1,2とほぼ同様の効果を奏するとともに、各画素において、算出された奥行きに合焦するレンズ繰出位置が、主要被写体に合焦するレンズ繰出位置から離れるにつれて大きくなる重みで、奥行きが奥にある画素のフィルタ重みを大きくしたフィルタにより基準画像に対してぼかし処理を行ってぼかし基準画像を作成し、基準画像における合焦領域からの画像上の距離が近い画素において、ぼかし基準画像の合成重みを大きくし、算出した合成重みを用いて、ぼかし基準画像と、基準画像とは異なる画像と、を合成するようにしたために、主要被写体の輪郭が背景ににじみ出すのを抑制することができる。
つまり、主要被写体色が背景ににじみ出さないようにフィルタ処理したぼかし基準画像を主要被写体近傍の画素値として合成することで、ぼけ強調画像で主要被写体色が背景ににじみ出すことを防ぐことができる。
なお、上述した各部は、回路として構成されていても良い。そして、任意の回路は、同一の機能を果たすことができれば、単一の回路として実装されていても良いし、複数の回路を組み合わせたものとして実装されていても構わない。さらに、任意の回路は、目的とする機能を果たすための専用回路として構成されるに限るものではなく、汎用回路に処理プログラムを実行させることで目的とする機能を果たす構成であっても構わない。
また、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明の態様を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用ができることは勿論である。
Claims (9)
- 主要被写体を含む被写体の光学像を結像して、該光学像を撮像し画像を作成する撮像系と、
上記撮像系を制御して、上記主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが許容錯乱円の直径以下の直径d0となる基準画像を該撮像系に撮像させ、さらに、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像を上記撮像系に撮像させる撮像制御部と、
上記撮像制御部の制御に基づき上記撮像系により撮像された複数枚の画像を合成して、上記基準画像よりも画像のぼけが強調されたぼけ強調画像を作成する画像合成部と、
を有し、
上記撮像制御部は、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像として、該主要被写体の合焦距離よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、上記直径dが等しい対画像を、1対以上のn(nは複数)対撮像させるように制御し、かつ、2対以上の対画像を撮像させる場合には、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い対画像順に上記直径dを直径dk(ここに、k=1,…,n)と表したときに、2以上(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御することを特徴とするぼけ強調画像処理装置。 - 上記画像合成部は、
上記基準画像を構成する各画素の奥行きを算出する奥行き算出部と、
上記奥行き算出部により算出された奥行きを上記複数枚の画像の合焦距離と比較して、上記合焦距離が上記奥行きと上記主要被写体側に最も近い画像を選択し、選択した画像を含む上記対画像の内の、上記選択した画像と相対する画像における対象画素に対してぼかし処理を行いぼかし画像を作成することを、複数の画素に対して行うことにより複数枚のぼかし画像を作成するぼかし部と、
を有し、上記ぼかし部によって作成された複数枚のぼかし画像を合成して上記ぼけ強調画像を作成することを特徴とする請求項1に記載のぼけ強調画像処理装置。 - 上記画像合成部は、
上記基準画像を構成する各画素の奥行きを算出する奥行き算出部と、
上記各画素において、算出された上記奥行きに合焦するレンズ繰出位置が、主要被写体に合焦するレンズ繰出位置から離れるにつれて大きくなる重みで、奥行きが奥にある画素のフィルタ重みを大きくしたフィルタにより上記基準画像に対してぼかし処理を行い、ぼかし基準画像を作成する基準画像ぼかし部と、
上記基準画像における合焦領域からの画像上の距離が近い画素において、上記ぼかし基準画像の合成重みを大きくする合成重み算出部と、
をさらに備え、
上記合成重み算出部により算出された合成重みを用いて、上記ぼかし基準画像と、上記基準画像とは異なる画像と、を合成することを特徴とする請求項1に記載のぼけ強調画像処理装置。 - 上記奥行き算出部は、
上記複数枚の画像の同一画素におけるコントラストを比較して、最もコントラストが大きい画像の合焦距離を該画素の推定奥行きとする奥行き推定部と、
上記複数枚の画像の同一画素におけるコントラストの分布に基づいて、上記推定奥行きの信頼度を算出する推定奥行き信頼度算出部と、
上記推定奥行きの信頼度が低い画素の奥行きを、信頼度が高い近傍の画素の推定奥行きに置き換える奥行き補正部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のぼけ強調画像処理装置。 - 上記奥行き算出部は、
上記複数枚の画像の同一画素におけるコントラストを比較して、最もコントラストが大きい画像の合焦距離を該画素の推定奥行きとする奥行き推定部と、
上記複数枚の画像の同一画素におけるコントラストの分布に基づいて、上記推定奥行きの信頼度を算出する推定奥行き信頼度算出部と、
上記推定奥行きの信頼度が低い画素の奥行きを、信頼度が高い近傍の画素の推定奥行きに置き換える奥行き補正部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のぼけ強調画像処理装置。 - 上記撮像制御部は、上記複数枚の画像の中に、無限遠の合焦距離で撮影された画像が含まれるように上記撮像系を制御することを特徴とする請求項1に記載のぼけ強調画像処理装置。
- 合焦距離が上記基準画像の合焦距離よりも大きい画像に対して、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い順にk=−1,−2,…,−nとしたときに、上記撮像制御部は、上記直径dkが比Rを用いた次の関係
dk=dk−1/R
を満たすように、上記撮像系を制御することを特徴とする請求項1に記載のぼけ強調画像処理装置。 - コンピュータに、
主要被写体を含む被写体の光学像を結像して、該光学像を撮像し画像を作成する撮像系を制御して、上記主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが許容錯乱円の直径以下の直径d0となる基準画像を該撮像系に撮像させ、さらに、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像を上記撮像系に撮像させる撮像制御ステップと、
上記撮像制御ステップの制御に基づき上記撮像系により撮像された複数枚の画像を合成して、上記基準画像よりも画像のぼけが強調されたぼけ強調画像を作成する画像合成ステップと、
を実行させるためのぼけ強調画像処理プログラムであって、
上記撮像制御ステップは、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像として、該主要被写体の合焦距離よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、上記直径dが等しい対画像を、1対以上のn(nは複数)対撮像させるように制御し、かつ、2対以上の対画像を撮像させる場合には、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い対画像順に上記直径dを直径dk(ここに、k=1,…,n)と表したときに、2以上(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御するステップであることを特徴とするぼけ強調画像処理プログラム。 - 主要被写体を含む被写体の光学像を結像して、該光学像を撮像し画像を作成する撮像系を制御して、上記主要被写体の光学像の錯乱円の直径dが許容錯乱円の直径以下の直径d0となる基準画像を該撮像系に撮像させ、さらに、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像を上記撮像系に撮像させる撮像制御ステップと、
上記撮像制御ステップの制御に基づき上記撮像系により撮像された複数枚の画像を合成して、上記基準画像よりも画像のぼけが強調されたぼけ強調画像を作成する画像合成ステップと、
を含むぼけ強調画像処理方法であって、
上記撮像制御ステップは、上記直径dが上記基準画像とは異なる画像として、該主要被写体の合焦距離よりも、合焦距離が大きい1枚の画像、および合焦距離が小さい1枚の画像で構成され、上記直径dが等しい対画像を、1対以上のn(nは複数)対撮像させるように制御し、かつ、2対以上の対画像を撮像させる場合には、合焦距離が上記主要被写体の合焦距離に近い対画像順に上記直径dを直径dk(ここに、k=1,…,n)と表したときに、2以上(n−1)以下の任意のkに対して、
|dk−1−dk|≦|dk−dk+1|
となるように制御するステップであることを特徴とするぼけ強調画像処理方法。
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