JP2003199460A - パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス - Google Patents

パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス

Info

Publication number
JP2003199460A
JP2003199460A JP2002001229A JP2002001229A JP2003199460A JP 2003199460 A JP2003199460 A JP 2003199460A JP 2002001229 A JP2002001229 A JP 2002001229A JP 2002001229 A JP2002001229 A JP 2002001229A JP 2003199460 A JP2003199460 A JP 2003199460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
transgenic mouse
mutation
parkinson
mouse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002001229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4174212B2 (ja
Inventor
Mikio Shoji
幹夫 東海林
Masaki Ikeda
将樹 池田
Shuichi Yamada
秀一 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002001229A priority Critical patent/JP4174212B2/ja
Publication of JP2003199460A publication Critical patent/JP2003199460A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4174212B2 publication Critical patent/JP4174212B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーキンソン病原因遺伝子であるα−シヌク
レイン遺伝子の二重変異型遺伝子が導入されている、レ
ビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパミンの低下を
再現するパーキンソン病モデルトランスジェニックマウ
スを提供することを課題とする。 【解決手段】 α−シヌクレイン遺伝子の二重変異型遺
伝子を構築し、同変異型遺伝子をマウスに導入すること
によって、レビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパ
ミンの低下を再現するパーキンソン病モデルトランスジ
ェニックマウスを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーキンソン病モ
デルトランスジェニックマウスに関し、詳しくは、パー
キンソン病原因遺伝子であるα−シヌクレイン(α-syn
uclein)遺伝子の二重変異型遺伝子を導入されている、
レビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパミンの低下
を再現するパーキンソン病モデルトランスジェニックマ
ウス、同トランスジェニックマウスの効率的な選択方
法、及び、同トランスジェニックマウスを用いたパーキ
ンソン病治療薬のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パーキンソン病(Parkinson's disease:
PD)は成人・高齢者にみられる神経変性疾患として最も
頻度の高いものの一つである。主として運動機能が障害
され、振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害などの症状が
出現する。その責任病変は中脳黒質のドーパミン産生神
経細胞の変性・消失とされ、その他に青斑核、迷走神経
核などにも神経細胞の消失がみとめられる。これらの障
害による中脳−基底核系の選択的ドーパミン低下はその
前駆体であるLドーパを経口投与することにより、著明
な症状の改善がみられることから、現在はパーキンソン
病の治療としてLドーパおよびLドーパ受容体アゴニス
トが広く用いられている。しかし、症状の進行はそれに
もかかわらず次第に進行し、これらの薬効も減弱するた
め、数年から十数年の間には患者は寝たきり状態とな
り、死亡する。したがって、パーキンソン病の根本的な
原因の解明と治療法の確立が早急に望まれている。
【0003】黒質、青斑核、迷走神経核などにおける残
存ニューロンにおいて、細胞内に出現する特異的封入体
がレビー小体である。脳幹病変に加え、大脳皮質にもレ
ビー小体が出現する疾患が、レビー小体を伴う痴呆症(D
ementia with Lewy bodies:DLB)であり、痴呆性変性疾
患の中ではアルツハイマー病についで第二番目に多い疾
患である。
【0004】パーキンソン病の大多数は孤発例である
が、ごく一部に常染色体優性遺伝をとる家系が存在し、
1997年にPolymeropoulosらはイタリアとギリシャの家族
性パーキンソン病家系の連鎖解析から、原因遺伝子を染
色体第4番長腕上のα−シヌクレイン遺伝子と同定し、
ミスセンス変異(A53T)を確認した(Polymeropoulos MH,
Lavedan C, Leroy E, Ide SE, Dehejia A, Dutra A, Pi
ke B, Root H, Rubenstein J, Boyer R, Stenroos ES,
Chandrasekharappa S, Athanassiadou A, Papapetropou
los T, Johnson WG, Lazzarini AM, Duvoisin RC, Di I
orio G, Golbe LI, Nussbaum RL. Mutation in the alp
ha-synuclein gene identified in families with Park
inson's disease. Science 1997 Jun 27;276(5321):204
5-7)。さらに翌年にはドイツ家系からミスセンス変異
(A30P)が確認され(Kruger R, Kuhn W, Muller T, Wo
italla D, Graeber M, Kosel S, Przuntek H, Epplen J
T, Schols L, Riess O. Ala30Pro mutation in the gen
e encoding alpha-synucleinin Parkinson's disease.
Nat Genet. 1998 Feb;18(2):106-8.)、家族性パーキン
ソン病の原因遺伝子としてはじめに同定された。その
後、抗α−シヌクレイン抗体を用いた生化学的検討や免
疫組織学的検討によって孤発例のパーキンソン病やDLB
のレビー小体は、α−シヌクレインタンパク質が蓄積し
てできることが明らかになり、パーキンソン病の原因と
してのα−シヌクレインタンパク質蓄積の重要性が明ら
かとなってきた。
【0005】一方、新しい世紀を迎え、ポストゲノムプ
ロジェクト時代には個々の遺伝子機能を個体レベルで解
析することがますます重要になっている。マウスは我々
ヒトと同じ哺乳類であり、遺伝子配列データがヒトと共
通する部分も多いため、生命科学には欠かせない実験動
物である。また近年発達し続ける遺伝子工学により遺伝
子導入(トランスジェニック)や標的遺伝子置換(ジーン
ターゲッテイング)を行った個体を作製することが可能と
なり、遺伝子機能の解析ばかりでなく、原因遺伝子を用
いた疾患モデル動物を開発して、疾患に対する効果的な
新薬開発の需要は今後さらに増加するものと考えられ
る。
【0006】これまでに、パーキンソン病のモデルマウ
スとして、α−シヌクレインタンパク質の野生型、変異
型を過剰発現するトランスジェニックマウスが報告され
たが、レビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパミン
の低下を再現するトランスジェニックマウスについては
未だ報告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、パーキンソン病原因遺伝子である
α−シヌクレイン遺伝子の二重変異型遺伝子が導入され
ている、レビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパミ
ンの低下を再現するパーキンソン病モデルトランスジェ
ニックマウス、同トランスジェニックマウスの効率的な
選択方法、及び、同トランスジェニックマウスを用いた
パーキンソン病治療薬のスクリーニング方法を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、α−シヌク
レイン遺伝子の二重変異型遺伝子を構築し、同変異型遺
伝子をマウスに導入することによって、レビー小体の出
現、行動異常及び脳内ドーパミンの低下を再現するトラ
ンスジェニックマウスを得ることに成功した。また、本
願発明者らは、同変異型遺伝子と遺伝子マーカーを共導
入(co-injection)することによって、効率的に前記ト
ランスジェニックマウスを選択する方法を確立すること
に成功し、本発明を完成するに至った。
【0009】詳しくは、本願発明者らは1)より凝集性
の高い二重変異型α−シヌクレインタンパク質をコード
する二重変異型α−シヌクレイン遺伝子を構築し、2)
高発現系を獲得可能なプロモーターを用いて、同遺伝子
を発現させ、同タンパク質をマウスの脳に発現させるこ
とに成功し、パーキンソン病モデルトランスジェニック
マウスを得るに至った。本願発明者らは、さらに、前記
プロモーター及び二重変異型α−シヌクレイン遺伝子に
加え、3)緑色蛍光タンパク質(Green fluorescent pr
otein)をマウスに共導入することによって大量に生ま
れたF0マウスから高発現系トランスジェニックマウスを
効果的に迅速に選択する方法を確立することに成功し
た。
【0010】すなわち、本発明の要旨は以下の通りであ
る。 (1) 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列におい
て、アミノ酸番号30のアラニン残基に相当するアミノ
酸残基が他のアミノ酸に置換する第一の変異、及び、ア
ミノ酸番号53のアラニン残基に相当するアミノ酸残基
が他のアミノ酸に置換する第二の変異を有するα−シヌ
クレインタンパク質をコードするDNAがプロモーター
の制御下に配置されている組換えDNAを導入されてい
る、レビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパミンの
低下を再現するパーキンソン病モデルトランスジェニッ
クマウス。 (2) 前記α−シヌクレインタンパク質をコードする
DNAがヒト由来である、(1)に記載のトランスジェ
ニックマウス。 (3) 前記プロモーターがThy-1プロモーターであ
る、(1)又は(2)に記載のトランスジェニックマウ
ス。 (4) 前記第一の変異は、アミノ酸番号30のアラニ
ン残基に相当するアミノ酸残基がスレオニン残基に置換
する変異である、(1)〜(3)のいずれかに記載のト
ランスジェニックマウス。 (5) 前記第二の変異は、アミノ酸番号53のアラニ
ン残基に相当するアミノ酸残基がプロリン残基に置換す
る変異である、(1)〜(4)のいずれかに記載のトラ
ンスジェニックマウス。 (6) さらに、遺伝子マーカーを導入されている、
(1)〜(5)のいずれかに記載のトランスジェニック
マウス。 (7) 前記遺伝子マーカーは緑色蛍光タンパク質であ
る、(6)に記載のトランスジェニックマウス。 (8) (1)〜(7)のいずれかに記載のトランスジ
ェニックマウスを用いる、パーキンソン病治療薬のスク
リーニング方法。 (9) 前記パーキンソン病治療薬が、L−ドーパ補充
療法に使用される、(8)に記載のスクリーニング方
法。 (10) 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列にお
いて、アミノ酸番号30のアラニン残基に相当するアミ
ノ酸残基が他のアミノ酸に置換する第一の変異、及び、
アミノ酸番号53のアラニン残基に相当するアミノ酸残
基が他のアミノ酸に置換する第二の変異を有するα−シ
ヌクレインタンパク質をコードするDNAが、強力なプ
ロモーターの制御下に配置されている組換えDNAを構
築し、前記組換えDNA及び遺伝子マーカーをマウスの
受精卵に導入し、得られた受精卵を偽妊娠マウスに移植
し、マウスを飼育し、前記遺伝子マーカーの発現産物を
指標として、生まれた仔マウスから前記組換えDNAを
有する仔マウスを選択する、レビー小体の出現、行動異
常及び脳内ドーパミンの低下を再現するパーキンソン病
モデルトランスジェニックマウスの作製方法。 (11) 前記α−シヌクレインタンパク質をコードす
るDNAがヒト由来である、(10)に記載のトランス
ジェニックマウス。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二重変異型α−シヌクレインタンパク質を過剰
に発現するトランスジェニックマウスはパーキンソン病
におけるレビー小体形成と行動異常及びドーパミンの低
下を再現するパーキンソン病の疾患動物モデルであり、
SIY8713と名付けた。このモデル動物(SIY8713)は今後の
パーキンソン病の原因解明、治療薬物開発に貴重な役割
を果たすものである。
【0012】本発明の二重変異型α−シヌクレイン遺伝
子は、アミノ酸番号30のアラニン残基に相当するアミ
ノ酸残基が他のアミノ酸に置換する第一の変異、及び、
アミノ酸番号53のアラニン残基に相当するアミノ酸残
基が他のアミノ酸に置換する第二の変異を有する、α−
シヌクレインタンパク質をコードするDNAである。二重
変異を導入するα−シヌクレイン遺伝子としては、二重
変異型α−シヌクレイン遺伝子が導入されているトラン
スジェニックマウスが、パーキンソン病におけるレビー
小体形成と行動異常及びドーパミンの低下を再現するよ
うなものであれば、どのような生物由来のものであって
もよいが、好ましい一例として、ヒト由来のものが挙げ
られる。このようなDNAは、例えば、公知のヒトα−シ
ヌクレイン遺伝子をコードするゲノムDNAを鋳型とし、
α−シヌクレインタンパク質のアミノ酸番号30、及び
アミノ酸番号53のアラニン残基をコードするα−シヌ
クレイン遺伝子の塩基を他のアミノ酸をコードするよう
に置換したミスセンス変異導入プライマーを用いたPCR
によって、得ることができる。以下の実施例に、このよ
うなミスセンス導入操作に用いられる、ミスセンス変異
導入プライマーの一例を示す。また、本発明の二重変異
型α−シヌクレイン遺伝子は化学合成によって得ること
もできる。
【0013】前記第一の変異としては、配列番号1に記
載のアミノ酸配列のアミノ酸番号30のアラニン残基に
相当するアミノ酸残基がスレオニン残基に置換する変異
が好ましい。また、前記第二の変異としては、配列番号
1に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号53のアラニン
残基に相当するアミノ酸残基がプロリン残基に置換する
変異が好ましい。
【0014】α−シヌクレインタンパク質は、種間、個
体間でタンパク質の活性に影響しないアミノ酸残基にお
いてアミノ酸の置換、挿入、欠失等の相違を有すること
がある。このようなアミノ酸の置換、挿入、欠失等を有
するα−シヌクレインタンパク質における、配列番号1
のアミノ酸番号30及び53のアラニン残基に相当する
アミノ酸残基は、当業者によって容易に特定され得る。
【0015】本発明のDNAは過剰発現されることが望ま
しい。過剰発現は、例えば、本発明のDNAが適当なベク
ター中のプロモーターの制御下に配置された組換えDNA
によって行うことができる。本発明に用いられるプロモ
ーターとしては、作製するトランスジェニックマウスの
神経細胞における発現を特異的に強化するものが好まし
い。好ましいプロモーターの一例として、マウス神経細
胞における発現を特異的に強化するヒトThy-1プロモー
ターが挙げられる。
【0016】なお、本発明に用いられるPCR、プライマ
ーの作製、ゲノムDNAの調製、クローニング、酵素処理
等の方法は、当業者によく知られている通常の方法によ
り行うことができる。
【0017】本発明のトランスジェニックマウスは、ア
ミノ酸番号30のアラニン残基に相当するアミノ酸残基
が他のアミノ酸に置換する第一の変異、及び、アミノ酸
番号53のアラニン残基に相当するアミノ酸残基が他の
アミノ酸に置換する第二の変異を有するα−シヌクレイ
ンタンパク質をコードするDNAが、プロモーターの制
御下に配置されている組換えDNAを導入されている、
レビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパミンの低下
を再現するパーキンソン病モデルトランスジェニックマ
ウスである。
【0018】このようなトランスジェニックマウスは、
具体的には、例えば、本発明の二重変異型α−シヌクレ
イン遺伝子が強力なプロモーターの制御下に配置される
ように組換えDNAを構築し、得られた組換えDNAを
マウスの受精卵雄性前核にマイクロインジェクション
し、生き残った受精卵を偽妊娠マウスの卵管に移植し、
マウスを飼育し、生まれた仔マウスから前記組換えDN
Aを有する仔マウスを選択することによって得ることが
できる。生まれた仔マウスからの組換えDNAを有する仔
マウスの選択は、例えば、マウス尾より抽出したゲノム
DNAを鋳型とし、α−シヌクレイン遺伝子の塩基配列の
一部を有するプライマーを用いたPCRにて、前記組換えD
NAの導入の有無を確認する方法により、行うことができ
る。
【0019】本発明のトランスジェニックマウスは、好
ましくは、本発明の組換えDNAと共に、遺伝子マーカ
ーを導入されているトランスジェニックマウスである。
遺伝子マーカーの一例として、好ましくは、緑色蛍光タ
ンパク質(GFP)が挙げられる。緑色蛍光タンパク質と
しては、本発明のトランスジェニックマウスが選択でき
るものであれば、野生型、変異型のうちのいずれを用い
てもよい。
【0020】本発明の組換えDNAと共に、遺伝子マー
カーを導入されているトランスジェニックマウスは、組
換えDNAと共に、遺伝子マーカーをマウスの受精卵雄
性前核にマイクロインジェクションし、生き残った受精
卵を偽妊娠マウスの卵管に移植し、マウスを飼育し、生
まれた仔マウスから前記組換えDNAを有する仔マウス
を選択することによって得ることができる。生まれた仔
マウスからの組換えDNA及び遺伝子マーカーを有する仔
マウスの選択は、仔マウスに発現している遺伝子マーカ
ーの発現産物を指標として、前記組換えDNA及び遺伝子
マーカーの導入の有無を確認する方法により、効率的に
行うことができる。例えば、遺伝子マーカーとしてEGFP
を用いた場合、生まれた仔マウスに紫外線を照射し、マ
ウスの皮膚が発現したEGFPにより緑色の蛍光を発するも
のを選択することによって、前記組換えDNA及び遺伝子
マーカーの導入の有無を確認する方法により、効率的に
トランスジェニックマウスの選択を行うことができる。
【0021】本発明の組換えDNAを導入する受精卵は、
雄マウスと雌マウスを交配することにより得ることがで
きる。本発明の組換えDNAを受精卵に導入する方法とし
ては、マイクロインジェクション法、レトロウィルス・
ベクターによる方法、又は、胚性幹細胞を用いる方法等
が挙げられるが、マイクロインジェクション法が好まし
く挙げられる。なお、本発明に用いられる受精卵の培
養、マイクロインジェクション、受精卵の移植等の方法
は、当業者によく知られている通常の方法により行うこ
とができる。
【0022】本願発明のトランスジェニックマウスが再
現するレビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパミン
の低下は次のようにして確認することができる。レビー
小体の出現は、トランスジェニックマウスから調製され
た脳切片を、抗α−シヌクレイン抗体で反応させたもの
を、顕微鏡下で観察することにより、神経細胞における
封入体として確認することができる。また、行動異常
は、ローターロッド等を用いた行動実験により、運動機
能を測定し、非トランスジェニックマウスとの比較をす
ることにより、非トランスジェニックマウスに比べ、低
下した運動機能として確認することができる。脳内ドー
パミンの低下は、対照マウス及びトランスジェニックマ
ウスから調製された脳各組織より、タンパク質を抽出
し、含まれるドーパミンの量を比較することにより確認
することができる。好ましくは、ドーパミンの低下は脳
内線条体において確認される。
【0023】本願発明者らが作製し、継代に成功したSI
Y8713トランスジェニックマウスは、病理学的にはパー
キンソン病にみられるレビー小体とレビー変性神経突起
を再現するパーキンソン病の疾患モデル動物である。さ
らに、学習行動実験からSIY8713トランスジェニックマ
ウスは運動機能の著明な低下が認められた。また、SIY8
713トランスジェニックマウスはパーキンソン病の最も
重要な変化であるドーパミンの低下も再現する。このこ
とは、現在、パーキンソン病の治療法の標準となってい
るL−ドーパ補充療法の新たな治療薬開発にも有用であ
ることを示している。これらの所見は、すなわち、本願
発明者らの開発した二重変異型α−シヌクレインタンパ
ク質(A30P と A53Tの二重変異)を高発現する本発明のト
ランスジェニックマウスはパーキンソン病の動物モデル
として疾患の発生機序を解明し、根本的治療法及び治療
薬を開発するためのスクリーニング系として有用である
ことを示している。
【0024】具体的に、本願発明のトランスジェニック
マウスをパーキンソン病治療薬のスクリーニング系とし
て、例えば、次のように用いることができる。本願発明
のトランスジェニックマウスを被験マウス群、及び、対
照マウス群にわけ、被験マウス群に試験する治療薬を投
与し、その後、被験マウス群、及び、対照マウス群のそ
れぞれから脳組織を調製し、レビー小体とレビー変性神
経突起などのα−シヌクレイン蓄積による病理変化の改
善やドーパミンの低下の改善を観察することにより、並
びに、行動実験により、各群を比較し、治療薬の効果を
検討し、パーキンソン病治療薬をスクリーニングするこ
とができる。このような治療薬の例として、L-ドーパ補
充療法の治療薬が好ましく挙げられる。
【0025】本願発明者らが開発した変異型トランスジ
ェニックマウス脳において神経細胞内の変異型α-シヌ
クレインタンパク質の蓄積とレビー小体とレビー変性神
経突起を認めた。さらに、マウスの行動実験により運動
機能の著明な低下も確認された。さらに、基底核におけ
るドーパミンの選択的低下も再現された。これらの所見
より本願発明者らの開発した二重変異型α−シヌクレイ
ン(A30P,A53T変異)を発現するトランスジェニックマウ
スはパーキンソン病の疾患モデルとして疾患の発生機序
の検討と治療法の開発にきわめて有用である。SIY8713
マウスは最も高発現なラインを365nmの紫外線照射を用
いて容易にスクリーニングすることが可能であり、治療
薬開発に向けた均一な表現系を有する迅速なマウスのス
クリーニングにも有用である。
【0026】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、その要旨をこえない限り、こ
れらの実施例に限定されるものではない。 (1)二重変異型ヒトα−シヌクレイン遺伝子導入ベク
ターの作製 二重変異型ヒトα−シヌクレイン遺伝子を導入するDNA
として、マウス神経細胞に特異的に発現するヒトThy-1
プロモーターを有するゲノムDNA (8.1kb)を用いた(Gor
don JW, Chesa PG, Nishimura H, Retting WJ, Maccari
JE, Endo T, Seravalli E, Seki T, Silver J. Regula
tion of Thy-1 gene expression in transgenic mice.
Cell 50: 445-452, 1987.)。このゲノムDNAのヒトThy-
1遺伝子翻訳領域は開始コドン直前にHindIII配列(太字)
とXbaI配列(下線)を含む人工的な変異配列を有している
(図5)。
【0027】配列番号1に示されるヒト正常型α−シヌ
クレインタンパク質のアミノ酸番号30のアラニン残基
をスレオニン残基に置換する変異(A30P変異)を導入す
るため、以下に示すヒト正常型α−シヌクレインcDNAに
変異を導入するためのミスセンス変異導入用プライマー
を作製した。
【0028】ミスセンス変異プライマーA30P-フォワー
ド: TGTGGCAGAAGCACCAGGA(配列番号4) ミスセンス変異プライマーA30P-リバース : TCCTGGTGC
TTCTGCCACA(配列番号5)
【0029】プラスミドブルースクリプトII KS(スト
ラタジーン社)にクローニングしたヒト正常型α−シヌ
クレイン cDNAを鋳型DNAとして、A30P-フォワードとM13
Rのプライマーセット、並びにA30P-リバース とM13Fの
プライマーセットを用いてそれぞれ別々にPCRを行っ
た。PCRは、94℃、1分;54℃、1分;72℃、1分を30サイ
クルの反応条件で行った。得られた両PCR産物を混合
し、鋳型DNAとして、M13F/M13Rプライマーを用いて、PC
Rを行い、A30Pミスセンス変異α−シヌクレイン cDNAク
ローンを得た。PCRは、94℃、1分;54℃、1分;72℃、1
分を30サイクルの反応条件で行った。
【0030】次に、配列番号1に示されるヒト正常型α
−シヌクレインタンパク質のアミノ酸番号53のアラニ
ン残基をプロリン残基に置換する変異(A53P変異)を導
入するため、以下に示すミスセンス変異導入用プライマ
ーを作製した。
【0031】ミスセンス変異プライマーA53T-フォワー
ド: TGGTGTGACAACAGTGGCT(配列番号6) ミスセンス変異プライマーA53P-リバース : AGCCACTG
TTGTCACACCA(配列番号7)
【0032】A30Pミスセンス変異α−シヌクレイン cDN
Aクローンを鋳型DNAとして、上記A53T-フォワード及びA
53P-リバースプライマーを用いて、A30P変異の導入の際
と同様のPCR操作を行い、二重変異(A30P/A53T)を有する
二重変異型α−シヌクレインcDNAクローンを得た。この
cDNAクローンを、二重変異を有するα−シヌクレイン c
DNA (450bp) 断片をHindIIIにて予め切断したヒトThy-1
ゲノムDNAに組み込み、ブルースクリプトII KSにクロー
ン化し、SalI/NotIにて切断し、二重変異型α−シヌク
レイン遺伝子導入ベクター(phThy1-αSN (A30P/A53T) )
を作製した(図1)。
【0033】(2)導入遺伝子マーカーの作製 発光オワンクラゲ(Aequorea victoria)由来のコザッ
ク配列を含むEGFP(増幅緑色蛍光タンパク質)(Enhanc
ed green fluorescent protein)cDNAの約730bpを可視
遺伝子マーカーとして使用した。遺伝子マーカーは、pE
GFP-Basic(クローンテックカンパニー)をテンプレー
トに用いて、PCRによってコザック配列を含むEGFPの
cDNA両端にEcoRIリンカーを作製、pCAGGSベクター(Ni
wa H, Yamamura K and Miyazaki J: Efficient selecti
on for high-expression transfectants with a novel
eukaryotic vector, Gene, 108, 193-199, 1991 )のEc
oRI 部位に、PCR産物を導入したプラスミドpCX-EGFP
から、SalI-BamHI消化による 約3Kb 断片(CX-EGFP)を
回収し、導入遺伝子マーカー(CX-EGFP)を得た。
【0034】(3)トランスジェニックマウスの作製 トランスジェニックマウスは(1)で得られた二重変異
型α−シヌクレイン遺伝子導入ベクターphThy1-αSN (A
30P/A53T)及び(2)で得られた導入遺伝子マーカーCX-
EGFPを、遺伝子混合モル比1:1に調整し、マイクロイン
ジェクション(micro-injection)法にて、BDF1マウ
ス間の自然交配によって得られた受精卵(BDF2)の
雄性前核に1000コピー共導入後、Jcl:ICR偽妊娠マウス
(0.5dpc)の卵管内に移植し作製した。受精卵移植後1
9.5dpcで妊娠マウスから帝王切開で生存子を摘出または
自然出産させ、129匹のF0マウスを得た。なお、トラン
スジェニックマウス作製の基本操作はMethods in Enzym
ology Vol 225“Guide totechniques in mouse develop
ment" edited by Paul M. Wassarman, Melvin L.DePamp
hilis, Academic Press, INC.に準じて実施した。
【0035】得られた129匹のF0マウスのEGFPの発現を3
65nmの紫外線照射で検討し、緑色蛍光が18匹で確認さ
れた。この18匹を含む得られた129匹すべての尾の
PCR解析を行った。マウス尾より抽出したゲノムDNA
を用い、ヒトα-シヌクレイン遺伝子の塩基配列の一部
に基づいたプライマー(フォワード:TGG ATG TAT TCA
TGA AAG GA(配列番号8);リバース:CCA GTG GCT GC
T GCA ATG CTC(配列番号9))、及び、EGFP遺伝子の
塩基配列の一部に基づいたプライマー(フォワード:TG
G TGA GCA AGG GCG AGG AG(配列番号10);リバー
ス:TCG TGC TGC TTC ATG TGG TC (配列番号11))
を用いたPCRにて、導入されたヒトα-シヌクレイン遺伝
子とEGFP遺伝子の導入を確認した。PCRは、94℃、1分;
52℃、1分;72℃、1分を35サイクルの反応条件で行っ
た。
【0036】その結果、蛍光を発していたトランスジェ
ニックマウスは、すべてPCR判定で導入遺伝子が確認
された。また、蛍光を発していないマウスは、すべてP
CR判定で導入遺伝子が確認されなかった。したがっ
て、蛍光の存在は導入遺伝子の存在を示すことが確認さ
れ、さらに緑色蛍光の強度とα−シヌクレインタンパク
質の発現の強度が比例すると考えられた。18匹のトラン
スジェニックマウスが365nmの紫外線照射によって、発
現したGFPが励起され、皮膚が緑色の蛍光を発したが、
この中で、最も緑色蛍光が強く、ヒトα−シヌクレイン
タンパク質を最も高発現するトランスジェニックマウス
3匹を得た。このうち、さらに、以下の(4)に示す生
化学、病理学的検討及び(5)行動実験により、生化学
的組織学的に最も高発現で行動障害を発症した1系統SI
Y8713マウスを選択し、成育した。
【0037】(4)生化学、病理学的検討 α−シヌクレインタンパク質を最も高発現であった3匹
のうちの1系統であるSIY8713マウスについて、抗α-シ
ヌクレイン抗体を用いた免疫組織化学的検討(Baba M,
Nakajo S, Tu PH, Tomita T, Nakaya K, Lee VM, Troja
nowski JQ, Iwatsubo T. Aggregation of alpha-synucl
ein in Lewy bodies of sporadic Parkinson's disease
and dementia with Lewy bodies. Am J Pathol 1998 A
pr;152(4):879-84.; Shoji M, Harigaya Y, Sasaki A,
Ueda K, Ishiguro K, Matsubara E,Watanabe M, Ikeda
M, Kanai M, Tomidokoro Y, Shizuka M, Amari M, Kosa
kaK, Nakazato Y, Okamoto K, Hirai S. Accumulation
of NACP/alpha-synucleinin lewy body disease and mu
ltiple system atrophy. J Neurol Neurosurg Psychiat
ry 2000 May;68(5):605-8.)を行った。すなわち、抗α
-シヌクレインモノクローナル抗体(LB509;コスモバイ
オ社)をABC elite染色マウスキット(フナコシ社)
により標識し、マウス脳を4%パラフォルムアルデヒド
で8時間固定後、パラフィン包埋し、5mの切片を作成
したマウス脳切片に反応させ、免疫染色を行った。ま
た、チロシンヒドロキシラーゼ抗体及びサブスタンスP
抗体を用いて、同様に免疫染色を行った。また、各染色
法(Nissle、HE)で同様に調製した脳切片を染色した。
その結果、中脳黒質を含む脳幹、小脳歯状核の諸神経細
胞と小脳プルキンエ細胞、大脳皮質神経細胞にヒトα-
シヌクレイン発現タンパク質が蓄積し(図2a)、パーキ
ンソン病/DLBにみられるレビー小体が脳幹神経細胞で確
認された(図2c,e,f)。さらに、脳幹と大脳皮質にレビ
ー変性神経突起が認められた。チロシンヒドロキシラー
ゼ(tyrosine hydroxylase)(図2g)およびサブスタン
スP(substance P)(図2i)免疫染色では神経活性物質
の低下が確認され、神経活性物質やドーパミン代謝系の
異常も認められた。電顕では生後6カ月齢マウスで核内
封入体がみられ(図2l)、生後11カ月齢マウスで細胞内
封入体が観察された(図2k)。これらの封入体構造はパ
ーキンソン病にみられる所見と一致していた。
【0038】以下、図2に示す結果の説明をする。 a.SIY8713系統マウス; α−シヌクレインα−シヌクレ
イン免疫染色 (LB509), x12、著明なα−シヌクレイン
の蓄積がSIY8713系統マウスで認められる。 b.非トランスジェニックマウス;α−シヌクレイン免疫
染色(LB509), x12 c. SIY8713系統マウス;α−シヌクレイン免疫染色 (LB5
09), x200、胞体内にレビー小体が観察される。 d.非トランスジェニックマウス;α−シヌクレイン免疫
染色(LB509), x200 e. SIY8713系統マウス; Nissle染色,x100、胞体内に丸
い蓄積物質が確認される。 f. SIY8713系統マウス; HE染色,x200、HEでも観察され
る。 g. SIY8713系統マウス; チロシンヒドロキシラーゼ免疫
染色,x100、著明な低下が観察される。 h. 非トランスジェニックマウス; チロシンヒドロキシ
ラーゼ免疫染色,x100、i. SIY8713系統マウス; サブス
タンスP免疫染色,x100 j. 非トランスジェニックマウス; サブスタンスP免疫染
色,x100 k. SIY8713系統マウス;電顕所見,x33000、電顕的にレ
ビー小体が観察される。 l. SIY8713系統マウス;電顕所見,x12000、核内にも封
入体が認められる。
【0039】(5)行動実験 (4)で得られたSIY8713系統マウスについて、ロータ
ーロッドによる行動実験を行った。実験器具は、TRED M
ILL FOR MICE 7600(ugo basile, biologicalresearch
apparatus社. ミラノ, イタリア)を用いた。実験は、1
6 サイクル/分にてロッドを回転させ、1分間でのマウス
の落下時間(秒)を計測して行った。その結果、4カ月齢
トランスジェニックマウスで同年齢の非トランスジェニ
ックマウスに比べて、統計学的に有意な運動機能低下が
認められた(p<0.01,図3)。すなわち、SIY8713系統マ
ウスは、行動障害を発症した。
【0040】(6)脳内カテコールアミンの測定 マウス脳における脳内カテコールアミンの測定を行っ
た。トランスジェニック及び対照(非トランスジェニッ
ク)マウス脳にマイクロウエーブ照射 (9.0 kW,0.42
秒,NJE 2603, New Japan Radio社, 上福岡, 日本)した
後、マウスを解剖し、脳重を測定した。それぞれの脳の
部位に分け、1 ml の0.05 M 過塩素酸と10nmol/10 μl
のヨウ化エチルホモコリン(ethylhomocholine iodidea
s )を加えて,超音波破砕機(US-300T, Nissei社, 東
京, 日本)で破砕し、17,300 g 、4°C 、15分で超遠心
した。上清を0.45 μm のミリポアフィルターを通した
後、5μlのサンプルを各種カテコールアミンのelectroc
hemical detector (LC-ECD社)を装着したHPLCに打ち込
んで各濃度を測定した。遠心した沈殿を、2 ml の1 MNa
OH で再度攪拌し、タンパク濃度を決定した(Bio-Rad p
rotein assay kit, Bio-Rad社, Richmond, カリフォル
ニア, 米国)。その結果、10ヶ月齢SIY8713系統マウスの
脳ではド−パミンが線状体で低下していた(図4)。
【0041】(7)GFPによるトランスジェニックマウ
スの選択 高発現SIY8713系統マウスに、365nmの紫外線照射し、GF
Pの蛍光を観察した。その結果、高発現SIY8713系統マウ
スは同時に導入したGFPによって365nmの紫外線照射によ
って蛍光を発し、トランスジェニックマウスを容易に選
択可能であった。
【0042】
【発明の効果】本発明により、パーキンソン病原因遺伝
子であるα−シヌクレイン遺伝子の二重変異型遺伝子が
導入されている、レビー小体の出現、行動異常及び脳内
ドーパミンの低下を再現するパーキンソン病モデルトラ
ンスジェニックマウス、同トランスジェニックマウスの
効率的な選択方法、及び、同トランスジェニックマウス
を用いたパーキンソン病治療薬のスクリーニング方法が
提供される。
【0043】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Mikio SHOJI; Masaki IKEDA; Shuichi YAMADA <120> パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス <130> P-9422 <160> 11
【0044】 <210> 1 <211> 130 <212> PRT <213> Homo Sapiens <220> <223> alpha-synuclein protein <400> 1 Met Asp Val Phe Met Lys Gly Leu Ser Lys Ala Lys Glu Gly Val Val1
5 10 15Ala Ala Ala Glu Lys Thr
Lys Gln Gly Val Ala Glu Ala Ala Gly Lys20 25
30Thr Lys Glu Gly Val Leu Tyr Val Gly Ser Lys Thr Lys Glu Gly Val
35 40 45Val His Gly Val Ala Thr Val Al
a Glu Lys Thr Lys Glu Gln Val Thr50 55
60Asn Val Gly Gly Ala Val Val Thr Gly Val Thr Ala Val Ala Gln Lys65
70 75 80Thr Val Glu Gly
Ala Gly Ser Ile Ala Ala Ala Thr Gly Phe Val Lys 85 90 95 Lys Asp Gln Leu Gly Lys Asn Glu Glu Gly Ala Pro Gln Glu Gly Ile 100 105 110 Leu Glu Asp Met Pro Val Asp Pro Asp Asn Glu Ala Tyr Glu Met Pro 115 110 115 Ser Glu Glu Gly Tyr Gln Asp Tyr Glu Pro Glu Ala 120 125 130
【0045】 <210> 2 <211> 13 <212> DNA <213> Homo Sapiens <400> 2 aaccatgaac ctg 13
【0046】 <210> 3 <211> 13 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 3 aagcttctag atc 13
【0047】 <210> 4 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 4 tgtggcagaa gcaccagga 19
【0048】 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 5 tcctggtgct tctgccaca 19
【0049】 <210> 6 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 6 tggtgtgaca acagtggct 19
【0050】 <210> 7 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 7 agccactgtt gtcacacca 19
【0051】 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 8 tggatgtatt catgaaagga 20
【0052】 <210> 9 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 9 ccagtggctg ctgcaatgct c 21
【0053】 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 10 tggtgagcaa gggcgaggag 20
【0054】 <210> 11 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 11 tcgtgctgct tcatgtggtc 20
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、導入遺伝子コンストラクトを示す図
である。
【図2】 図2は、SIY8713系統マウスの免疫染色を示
す図(写真)である。
【図3】 図3は、ローターロッド試験の結果を示す図
である。
【図4】 図4は、大脳カテコールアミンの変化を示す
図である。 DA: ドーパミン(Dopamine)、NE: ノルエピネフリン(Nor
epinephrine)、5HT: セロトニン(Serotonin)、Ach: ア
セチルコリン(Acethlcholine) CN: 対照大脳皮質(control cerebral cortex), CT: ト
ランスジェニックマウス大脳皮質(transgenic mice cer
ebral cortex); HN: 対照海馬(control hippocampus),
HT: トランスジェニックマウス海馬(transgenic mice h
ippocampus); MTN: 対照中脳視床(control midbrain-th
alamus), MTT: トランスジェニックマウス中脳視床(tra
nsgenic mice midbrain-thalamus); SN: 対照線条体(co
ntrol striatum), ST: トランスジェニックマウス線条
体(transgenic mice striatum); HyN: 対照視床下部(co
ntrol hypothalamus), HyT: トランスジェニックマウス
視床下部(transgenic mice hypothalamus); MPN: 対照
橋延髄(control medulla-pons), MPT: トランスジェニ
ックマウス橋延髄(transgenic mice medulla-pons); Ce
N: 対照小脳(control cerebellum), CeT: トランスジェ
ニックマウス小脳(transgenic mice cerebellum); WN:
対照全脳(control whole brain), WT: トランスジェニ
ックマウス全脳(transgenic mice whole brain).
【図5】 図5は、ヒトThy-1遺伝子の変異配列を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東海林 幹夫 岡山市門田屋敷2−2−1 (72)発明者 池田 将樹 前橋市上小出1−23−9 (72)発明者 山田 秀一 京都市左京区聖護院川原町53 Fターム(参考) 2G045 AA29 AA34 AA35 BB10 CB17 DA13 DA36 FB02 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 FA02 FA10 GA12 HA17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列
    において、アミノ酸番号30のアラニン残基に相当する
    アミノ酸残基が他のアミノ酸に置換する第一の変異、及
    び、アミノ酸番号53のアラニン残基に相当するアミノ
    酸残基が他のアミノ酸に置換する第二の変異を有するα
    −シヌクレインタンパク質をコードするDNAがプロモ
    ーターの制御下に配置されている組換えDNAを導入さ
    れている、レビー小体の出現、行動異常及び脳内ドーパ
    ミンの低下を再現するパーキンソン病モデルトランスジ
    ェニックマウス。
  2. 【請求項2】 前記α−シヌクレインタンパク質をコー
    ドするDNAがヒト由来である、請求項1に記載のトラ
    ンスジェニックマウス。
  3. 【請求項3】 前記プロモーターがThy-1プロモーター
    である、請求項1又は2に記載のトランスジェニックマ
    ウス。
  4. 【請求項4】 前記第一の変異は、アミノ酸番号30の
    アラニン残基に相当するアミノ酸残基がスレオニン残基
    に置換する変異である、請求項1〜3のいずれかに記載
    のトランスジェニックマウス。
  5. 【請求項5】 前記第二の変異は、アミノ酸番号53の
    アラニン残基に相当するアミノ酸残基がプロリン残基に
    置換する変異である、請求項1〜4のいずれかに記載の
    トランスジェニックマウス。
  6. 【請求項6】 さらに、遺伝子マーカーを導入されてい
    る、請求項1〜5のいずれかに記載のトランスジェニッ
    クマウス。
  7. 【請求項7】 前記遺伝子マーカーは緑色蛍光タンパク
    質である、請求項6に記載のトランスジェニックマウ
    ス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のトラン
    スジェニックマウスを用いる、パーキンソン病治療薬の
    スクリーニング方法。
  9. 【請求項9】 前記パーキンソン病治療薬が、L−ドー
    パ補充療法に使用される、請求項8に記載のスクリーニ
    ング方法。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配
    列において、アミノ酸番号30のアラニン残基に相当す
    るアミノ酸残基が他のアミノ酸に置換する第一の変異、
    及び、アミノ酸番号53のアラニン残基に相当するアミ
    ノ酸残基が他のアミノ酸に置換する第二の変異を有する
    α−シヌクレインタンパク質をコードするDNAが、強
    力なプロモーターの制御下に配置されている組換えDN
    Aを構築し、前記組換えDNA及び遺伝子マーカーをマ
    ウスの受精卵に導入し、得られた受精卵を偽妊娠マウス
    に移植し、マウスを飼育し、前記遺伝子マーカーの発現
    産物を指標として、生まれた仔マウスから前記組換えD
    NAを有する仔マウスを選択する、レビー小体の出現、
    行動異常及び脳内ドーパミンの低下を再現するパーキン
    ソン病モデルトランスジェニックマウスの作製方法。
  11. 【請求項11】 前記α−シヌクレインタンパク質をコ
    ードするDNAがヒト由来である、請求項10に記載の
    方法。
JP2002001229A 2002-01-08 2002-01-08 パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス Expired - Fee Related JP4174212B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001229A JP4174212B2 (ja) 2002-01-08 2002-01-08 パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001229A JP4174212B2 (ja) 2002-01-08 2002-01-08 パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003199460A true JP2003199460A (ja) 2003-07-15
JP4174212B2 JP4174212B2 (ja) 2008-10-29

Family

ID=27641408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002001229A Expired - Fee Related JP4174212B2 (ja) 2002-01-08 2002-01-08 パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4174212B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005041649A1 (ja) * 2003-10-30 2005-05-12 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. トランスジェニック非ヒト哺乳動物
JP2008141970A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Tokyoto Igaku Kenkyu Kiko 変異型βシヌクレイントランスジェニック非ヒト動物
EP1953661A2 (en) 2007-01-30 2008-08-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Medical diagnosis assistance system, medical care assistance device, and medical care assistance method
KR20200052142A (ko) 2018-11-06 2020-05-14 성균관대학교산학협력단 파킨슨 질환 동물 모델 및 이를 이용한 스크리닝 방법

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005041649A1 (ja) * 2003-10-30 2005-05-12 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. トランスジェニック非ヒト哺乳動物
US7550649B2 (en) 2003-10-30 2009-06-23 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Transgenic non-human mammal
JP2008141970A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Tokyoto Igaku Kenkyu Kiko 変異型βシヌクレイントランスジェニック非ヒト動物
EP1953661A2 (en) 2007-01-30 2008-08-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Medical diagnosis assistance system, medical care assistance device, and medical care assistance method
KR20200052142A (ko) 2018-11-06 2020-05-14 성균관대학교산학협력단 파킨슨 질환 동물 모델 및 이를 이용한 스크리닝 방법
KR102198497B1 (ko) 2018-11-06 2021-01-06 성균관대학교산학협력단 파킨슨 질환 동물 모델 및 이를 이용한 스크리닝 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4174212B2 (ja) 2008-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7393994B2 (en) Transgenic mouse model for neurodegenerative diseases
Richfield et al. Behavioral and neurochemical effects of wild-type and mutated human α-synuclein in transgenic mice
Schlüter et al. Role of α-synuclein in 1-methyl-4-phenyl-1, 2, 3, 6-tetrahydropyridine-induced parkinsonism in mice
JPH07132033A (ja) アルツハイマー病モデルトランスジェニック動物
JP2000513929A (ja) 進行性神経疾患を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物
JP4290329B2 (ja) 遺伝子変異動物
US6452065B2 (en) Transgenic mouse expressing non-native wild-type and familial Alzheimer&#39;s Disease mutant presenilin 1 protein on native presenilin 1 null background
US20100186098A1 (en) Transgenic animal models of parkinson&#39;s disease
JPH11507821A (ja) トランスジェニック動物モデルを用いてアルツハイマー病治療薬を同定する方法
JP2005537811A (ja) 魚におけるトランスジェニック癌モデル
JP2003199460A (ja) パーキンソン病モデルトランスジェニックマウス
US20040093623A1 (en) Non-human animal disease models
AU6267300A (en) Transgenic animals as models for neurodegenerative disease
US20090031434A1 (en) Animal models for obesity and neurodegenerative diseases
KR100462180B1 (ko) 알츠하이머병 병인 유전자로 형질전환된 동물 및 그 제조방법
KR100699453B1 (ko) 신경퇴행성 질환용 모델로서의 형질전환 동물
Kim et al. The promoter of brain-specific angiogenesis inhibitor 1-associated protein 4 drives developmentally targeted transgene expression mainly in adult cerebral cortex and hippocampus
CN110564771B (zh) 脑钙化病模型的制备方法
JPH0851890A (ja) プロテオリピド蛋白質が欠損しているトランスジエニツク動物およびそのような動物の作製方法
CA2284833A1 (fr) Animal transgenique non humain dans lequel l&#39;expression du gene codant pour l&#39;insuline est supprimee
CA2458193A1 (en) Development of transgenic model for interventions in neurodegenerative diseases
KR100517831B1 (ko) PS2 돌연변이 유전자 및 APPsw 유전자를 발현하는 이중 형질전환 치매 마우스
EP1407661A1 (en) Transgenic animal transformed using green fluorescent protein gene
JP2006340604A (ja) 糖尿病性網膜症・腎症モデル動物
WO2001095709A1 (fr) Souris revelant des changements neurofibrilles causes par la demence senile

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20040204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040204

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20040402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040803

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050506

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees