JP2003192626A - 2−アダマンタノンの製造方法 - Google Patents
2−アダマンタノンの製造方法Info
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Abstract
高収率、且つ高純度で2−アダマンタノンを製造する方
法を開発すること。 【解決手段】 アダマンタン、1−アダマンタノール、
及び2−アダマンタノールか選ばれる少なくとも1種を
濃硫酸中で酸化させて2−アダマンタノンを製造する方
法において、反応途中、好適には2−アダマンタノン生
成の終息域で、反応液にtert−ブチルアルコール等
のアルコールを添加することを特徴とする2−アダマン
タノンの製造方法。
Description
子材料原料等として有用な2−アダマンタノンの製造方
法に関する。
や医農薬中間体として有用な化合物である。例えば、ア
ルキルアダマンチルエステル化合物を原料として得られ
るレジストは、半導体製造プロセスにおけるドライエッ
チング耐性が高いことが報告され(例えば特開平5−2
65212号公報)、半導体用レジスト材料としての可
能性が注目されている。しかして、2−アダマンタノン
は、上記アルキルアダマンチルエステル化合物の原料と
して重要な化合物である。
ての用途から、2−アダマンタノンには、高純度化の要
求が高くなっている。また、電子材料等の分野において
は競争が激しく、製造コスト低減の要求も厳しくなって
いる。すなわち、2−アダマンタノンは、廉価な原材料
を用いて簡便な方法で高純度の製品を得ることがきわめ
て重要となっている。
ては、アダマンタンを濃硫酸で酸化した後、水蒸気蒸留
により精製する方法が知られている(オーガニックシン
セシス1973年53号8ページ、特開平11−189
564号公報)。
容易に不均化反応を起こし、1対1のアダマンタンと2
−アダマンタノンを生成し、さらに、1−アダマンタノ
ールは、硫酸中で転位反応を起こし、容易に上記2−ア
ダマンタノールを生成するため、これらアダマンタノー
ル類を原料に用いて、上記濃硫酸によるアダマンタンの
酸化反応と同様の反応を実施することも知られている
(例えば、テトラヒドロン1968年24巻5361〜
5368ページ等)。
の硫酸酸化により2−アダマンタノンを得る方法は、比
較的高い収率で2−アダマンタノンが得られるものの、
不揮発性のタール分が多量に生成するものであった。特
に、アダマンタンの消費量が減少する反応の終息域にお
いて、収率を向上させるために反応温度を高めると、不
揮発性のタール分の生成量が高まり大きな問題になって
いた。このタール分は、水蒸気蒸留や特願2000−1
29295のような特別な抽出法を採用し精製しなけれ
ばならず、操作の煩雑化を招いていた。
タノンを得る方法として、ヒドロキシフタルイミド等を
触媒としてアダマンタンを酸素酸化する方法等も知られ
ている(特開平10−309469号公報等)が、収率
が30%程度と低く満足のいくものではなかった。
生させることなく、高収率、且つ高純度で2−アダマン
タノンを製造する方法を開発することが大きな課題であ
った。
解決するために鋭意研究を行ってきた。その結果、アダ
マンタン、1−アダマンタノール、及び2−アダマンタ
ノールから選ばれる少なくとも1種を濃硫酸中で酸化反
応させるに際して、反応途中に、反応液にアルコールを
添加することにより、上記の課題が解決できることを見
出し本発明を完成させるに至った。
アダマンタノール、及び2−アダマンタノールから選ば
れる少なくとも1種を濃硫酸中で酸化させて2−アダマ
ンタノンを製造する方法において、反応途中に、反応液
にアルコールを添加することを特徴とする2−アダマン
タノンの製造方法である。
2−アダマンタノンと、(1)アルキルリチウム、
(2)グリニヤール試薬、並びに(3)ハロゲン化アル
キル化合物および金属リチウムから選ばれる少なくとも
一種のアルキル化試薬とを反応させてアルキルアダマン
チルアルコキシド化合物を得、次いで、該アルキルアダ
マンチルアルコキシド化合物と酸ハロゲン化物又は酸無
水物とを反応させることを特徴とするアルキルアダマン
チルエステル化合物の製造方法も提供する。
ダマンタン、1−アダマンタノール、及び2−アダマン
タノール(以下、これらの原料を、アダマンタン等とも
総称する)の何れを用いても濃硫酸中での反応により、
2−アダマンタノンを良好に生成させることができる。
すなわち、まず、2−アダマンタノールは、濃硫酸中で
容易に、酸化されたり、1対1のモル比の不均化反応を
起こし、アダマンタンと上記目的物である2−アダマン
タノンを生成する。また、1−アダマンタノールは、硫
酸中では容易に転位反応を起こし、上記2−アダマンタ
ノールに転換される。さらに、アダマンタンは、濃硫酸
中で、これら1−アダマンタノールや2−アダマンタノ
ールに容易に酸化される。
最終的には、上記2−アダマンタノールから2−アダマ
ンタノンが生成する反応が生じ、反応液中に該目的化合
物が蓄積されていく。
供しても、2−アダマンタノンは良好に生成していく。
質量%のものをいう。あまり濃度が高いとタール分の生
成量が多くなり、あまり濃度が低いと酸化力が低下する
傾向があるため、好適には95%〜98%の濃硫酸が使
用される。これらの濃硫酸は試薬もしくは工業的に入手
容易なものが何等制限なく使用でき、濃度の高いもの
は、発煙硫酸等を濃度の低い硫酸に加えることで調整す
ることもできる。
に制限はないが、大過剰に使用しても使用量に見合った
効果が得られるわけではなく、あまり使用量が少ないと
酸化力が低下し、アダマンタン等の反応原料を懸濁させ
る能力が低下するため、該アダマンタン等に対して3倍
量〜500倍量、好適には5倍量〜300倍量で使用さ
れる。
応は、無溶媒中で行うことも可能であるが、有機溶媒中
で実施することも可能である。本発明において使用され
る溶媒については、水と相溶せず、反応を阻害せず、ア
ダマンタン、1−アダマンタノール、2−アダマンタノ
ールを溶解させる有機溶媒が何等制限無く使用できる。
これらの有機溶媒の種類を具体的に例示すると、塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪
族炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭
化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテ
ル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエス
テル類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類等を
挙げる事ができる。
る、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭
化水素類が好適に採用される。
は、特に制限は無いが、あまり量が多いと、一バッチあ
たりの収量が小さくなるため経済的ではなく、あまり量
が少ないとアダマンタン等を溶解させることができずに
反応速度が低下するため、通常、反応液全体に対して、
アダマンタン等の量が0.1〜60質量%、好ましくは
1〜50質量%となるように有機溶媒を使用することが
好ましい。
タン等から2−アダマンタノンを得る反応において、反
応途中に、反応液にアルコールを添加することにある。
それにより、不揮発性のタール分の生成を大幅に低減す
ることが可能になる。
中に不揮発性のタール分が生成する原因は、反応途中
に、前記反応機構から反応液中に共存することになる1
−アダマンタノールと2−アダマンタノンとが副反応し
ケタールが形成されることに起因すると考えられる。つ
まり、このケタールが、2−アダマンタノンを生成する
反応を阻害し、高い熱エネルギーを与える等すると活発
に重合して多量のタール分を生成させると推察される。
ールを添加すると、該アルコールの作用によりこのケタ
ールが分解されてタール分の生成が抑制され、また、上
記ケタールの分解物は、2−アダマンタノンや1−アダ
マンタノールであるため、前記目的物の収率を大きく高
める。したがって、本発明によれば、精製工程の煩雑化
につながるタール分はほとんど生成させることなく、目
的とする2−アダマンタノンを高収率、かつ高選択率で
生成させることが実現できる。
が特に制限なく使用できるが、好適には、炭素数1〜6
のアルキル基、アラルキル基を持つ、第1級アルコー
ル、第2級アルコール、第3級アルコールが良好であ
る。具体的に例示すると、メタノール、エタノール、1
−プロパノール、n−ブタノール、1−ペンタノール、
1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチ
ルアルコール、フェニルプロピルアルコール等の第1級
アルコール類;イソプロパノール、s−ブタノール、2
−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノー
ル、3−ヘキサノール等の第2級アルコール類;t−ブ
タノール、トリフェニルメチルアルコール等の第3級ア
ルコール類が挙げられる。
ら、メタノール、エタノール、1−プロパノール、n−
ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、ベ
ンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソプ
ロパノール、s−ブタノール、2−ペンタノール、3−
ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、
t−ブタノール、トリフェニルメチルアルコール等が好
適であり、特に、t−ブタノール等の第3級アルコール
類が最も好ましい。
いが、あまり量が多いと副反応を助長し、あまり少ない
とケタールを分解しきれないため、原料のアダマンタン
等の使用量1モルに対して0.01モル〜10モル、好
ましくは0.02モル〜5モル、更に好ましくは0.0
3モル〜2モルであるのが良い。
の添加する時期は、反応を終了するまでの途中であれば
いつでも良い。反応初期においては、濃硫酸によりアル
コールが酸化され、副反応を起こすおそれがあるため、
2−アダマンタノン生成の終息域で反応液にアルコール
を添加し、反応を継続させるのが好ましい。具体的に
は、反応液中のアダマンタン濃度がガスクロマトグラフ
ィー等による測定で2質量%以下、好適には1質量%以
下になった後、すなわち、反応液中のアダマンタン濃度
が上記値になってからガスクロマトグラフィー等による
測定では確認できない状態までの間に添加するのが好ま
しい。
が確認できない状態にまで至った時は、できるだけ速く
アルコールを添加するのが好ましいが、反応液の温度を
70℃以下、好適には60℃以下に保っている場合にお
いては、タール分の生成速度は僅かずつであるため、極
端に長時間が経過した後でなければ本発明の効果は十分
に発揮される。好適には、前記アダマンタンが確認でき
ない状態に至ってから後、5時間以内、より好適には2
時間以内にアルコールを添加するのが望ましい。
加した後の期間を含め、反応温度は、特に制限は無い
が、あまり温度が高いとタール分の副生を助長し、あま
り温度が低いと反応速度が小さくなるため、通常、10
℃〜80℃、好ましくは20℃〜70℃の範囲で行われ
るのが良い。また、特開平11−189564号公報に
記載のように昇温方法を決めて行うとより良い効果が得
られる。特に、反応液にアルコールを添加した後は30
〜50℃の反応温度を設定するのが、タール分の生成を
さらに低減させる観点から好ましい。本発明では、この
ように反応液にアルコールを添加した後において穏かな
温度条件としても、ケタールの分解により2−アダマン
タノンの収率は極めて高い値を達成することができ有利
である。
て、反応の最終的な終点は、反応液中の1−アダマンタ
ノールの濃度をガスクロマトグラフィー等による測定で
確認し、該化合物の濃度が3質量%以下、好ましくは2
質量%以下に低下した時とすれば良い。一般には、反応
液にアルコールを添加した後、0.5〜5時間、好適に
は1〜2時間保持するのが好ましい。また、全体の反応
時間は特に制限は無いが、使用する硫酸濃度或いは反応
温度により異なるため一概には言えないが、通常0.5
〜100時間あれば十分である。
状態でも実行可能であり、反応液は攪拌下で行うことが
好ましい。
途中にアルコールを添加する以外は特に制限はなく、如
何なる手順により実施しても良い。通常は、反応容器に
所定の濃度に調整した濃硫酸を仕込み、次いで、所定量
のアダマンタン等を加え、温度等の諸反応条件を設定し
て反応を行うのが一般的である。
製方法としては、特に制限はなく公知の方法が採用され
る。本発明においては、反応液中にはタール分はほとん
ど含有されていないため、水蒸気蒸留等の煩雑な精製操
作を行わなくても、簡単な手法により高純度の2−アダ
マンタノンを得ることができる。例えば、反応後の反応
液を氷にあけ、析出する結晶をろ過や遠心分離すること
も可能であるし、溶媒により抽出し、洗浄、溶媒留去、
乾燥後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、
再結晶などの処理により分離精製することもできる。
2−アダマンタノンは、例えば医薬中間体、フォトレジ
スト用モノマーの原料、フォトクロミック化合物の原
料、塗料、接着剤、粘着剤、膜、吸着材などの材料の原
料など種々の工業用材料として有用に使用できる。例え
ば、アルキルアダマンチルエステル化合物を製造する際
の原料として使用するのが好ましい。
例えば、これを原料として製造されるレジストにおい
て、半導体製造プロセスでのドライエッチング耐性が高
いことが知られており(例えば特開平5−265212
号公報)、半導体レジスト材料としての将来性が注目さ
れている。本発明で得られた2−アダマンタノンは、タ
ール分等が生じ難かったことに起因して純度が極めて高
いため、上記アルキルアダマンチルエステル化合物の製
造原料として使用した場合、該化合物が収率良く、高純
度に得られるという有利な効果が発揮される。
ダマンチルエステル化合物を得る反応について説明す
る。
を用いてのアルキルアダマンチルエステル化合物の製造
は、該2−アダマンタノンと、(1)アルキルリチウ
ム、(2)グリニヤール試薬、並びに(3)ハロゲン化
アルキル化合物および金属リチウムから選ばれる少なく
とも一種のアルキル化試薬とを反応させてアルキルアダ
マンチルアルコキシド化合物を得、次いで、該アルキル
アダマンチルアルコキシド化合物と酸ハロゲン化物又は
酸無水物とを反応させる方法により行うのが好ましい。
は、(1)アルキルリチウム、(2)グリニヤール試
薬、並びに(3)ハロゲン化アルキル化合物および金属
リチウム(すなわち、両者の組み合わせ)から選ばれる
少なくとも一種であれば特に限定されず、導入したいア
ルキル基の種類に応じた各種化合物が適宜用いられる。
合物を具体的に例示すれば、アルキルリチウムとして
は、メチルリチウム、エチルリチウム、ブチルリチウム
等が;グリニヤール試薬としては、臭化メチルマグネシ
ウム、塩化エチルマグネシウム等が;ハロゲン化アルキ
ルとしては、ヨウ化メチル、臭化エチル等が挙げられ
る。
ンとを反応させてアルキルアダマンチルアルコキシド化
合物を得る方法は特に限定されず、例えば、2−アダマ
ンタノンに対してほぼ等モルまたは小過剰のアルキル化
試薬を有機溶媒中で反応させることにより好適に行うこ
とができる。このときの溶媒としては、該アルキル化剤
と反応しない溶媒であれば公知の有機溶媒が制限なく使
用できる。好適に使用できる有機溶媒を例示すれば、ジ
エチルエーテル、テトラハイドロフラン、エチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサ
ン、トルエン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。
ないが、アルキル化試薬の使用量は、2−アダマンタノ
ン1モルに対して、0.9〜1.5モル、特に1.0〜
1.3モルであるのが好適である。ただし、アルキル化
試薬として、上記(3)のハロゲン化アルキル化合物と
金属リチウムとの組み合わせを使用する場合において
は、これら各試薬の好適な使用量は、それぞれ2−アダ
マンタノン1モルに対して、0.8〜2.0モルおよび
1.5〜2.5グラム原子、特に1.0〜1.2モルお
よび1.8〜2.0グラム原子である。
ルキル化剤の種類により適宜決定すればよいが、上記
(1)または(2)のアルキル化試薬を用いる場合には
通常20〜80℃で行われる。また、上記(3)のアル
キル化試剤を用いる場合において、ハロゲン化アルキル
としてヨウ化物を用いる場合は、−80〜20℃で反応
させるのが好適であり、臭化物や塩化物を用いる場合に
は0〜100℃で反応させるのが好適である。さらに、
反応時間は用いるアルキル化剤の種類にもよるが、通
常、0.5〜24時間である。
チルアルコキシド化合物は、一般には単離することなく
酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応に使用させる。こ
のとき使用する酸ハロゲン化物又は酸無水物としては、
目的物とするアルキルアダマンチルエステル化合物の種
類に応じて対応する構造の酸ハロゲン化物又は酸無水物
を使用すればよい。
れば、アセチルクロリド、メタクリル酸クロリド、塩化
ベンゾイル等が挙げられる。一方、好適に使用できる酸
無水物を例示すれば、アクリル酸無水物、メタクリル酸
無水物等が挙げられる。
と酸ハロゲン化物又は酸無水物との反応方法は特に限定
されず、公知の方法が使用できる。例えば、溶媒の存在
下で両者を混合することにより好適に行うことができ
る。このとき、酸ハロゲン化物の使用量は、アルキルア
ダマンチルアルコキシド化合物1モルに対して、0.9
〜2.0モル、特に1.0〜1.3モル使用であるのが
好適である。
合には、過剰量の酸ハロゲン化物1モルに対して1モル
以上の3級アミン化合物を加えておくことも可能であ
り、特に目的とするアルキルアダマンチルエステル化合
物が酸に対して不安定な場合には、このような量の3級
アミン化合物を添加するのがより好適である。このとき
3級アミン化合物としては、特に限定されないが、トリ
エチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジ
アザビシクロ[2.2.2.]オクタン等が使用できる。
ンチルアルコキシド化合物1モルに対して、0.8〜
2.0モル、特に0.9〜1.3モル使用であるのが好
適である。
ゲン化物又は酸無水物の種類にもよるが、酸ハロゲン化
物を使用するときは一般には20℃〜100℃で0.5
時間〜24時間反応させればよい。他方、酸無水物を使
用するときは反応速度と重合防止の兼ね合いから0℃〜
40℃で0.5時間〜6時間反応させることが好まし
い。
チルエステル化合物は、例えば水洗、乾燥、溶媒留去等
の通常の後処理を行い、通常の精製方法、例えばシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶などの方
法を用いることにより単離することができる。
るが、本発明はこれらの実施例によって何等制限される
ことはない。
て、激しく攪拌しながら50℃に加熱し、5時間反応
し、その後、60℃まで加熱した。60℃に加熱した後
において、30分ごとに反応液をサンプリングし、反応
液中のアダマンタン濃度を測定したところ、20時間反
応後、アダマンタンがガスクロマトグラフィー(以下G
Cと称す)で1質量%以下になっていることが確認でき
たため、30℃に冷却し、tert−ブチルアルコール
を1.48g(仕込んだアダマンタン1モルに対して
0.1モルに相当する量)添加した。30℃で1時間攪
拌し、1−アダマンタノールがGCで2質量%以下にな
っていることを確認し、冷却した。
クロロメタン400mlで抽出したところ、ジクロロメ
タンに不溶の固形物の析出はわずかであることを目視で
確認し、飽和炭酸水素ナトリウム水と10%食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタン
を留去した。淡黄色結晶の2−アダマンタノンが13.
2g(収率88%)得られ、ドデカンを内部標準として
GC分析したところ、純度が96.1%であった。
96%濃硫酸161g中で50℃、17時間反応させ、
アダマンタンがGC上1質量%以下になっていることを
確認してから、tert−ブチルアルコールを1.48
g添加した以外は実施例1と同様の操作を行った。
ロメタンに不溶の固形物はまったく見られず、淡黄色結
晶の2−アダマンタノン13.5g(収率90%)が得
られ、純度が97.7%であった。
を、96%濃硫酸163g中で50℃、15時間反応さ
せ、アダマンタンがGC上1質量%以下になっているこ
とを確認してから、tert−ブチルアルコールを1.
48g添加した以外は実施例1と同様の操作を行った。
ロメタンに不溶の固形物はまったく見られず、淡黄色結
晶の2−アダマンタノン13.6g(収率91%)が得
られ、純度が97.8%であった。
りに表1に示したアルコールを、仕込んだアダマンタン
1モルに対して0.1モルに相当する量添加した以外は
実施例1と同様の操作を行った。何れの実施例において
も、ジクロロメタン抽出時にジクロロメタンに不溶の固
形物はまったく見られないか、見られてもわずかの析出
量であった。
量を11.8g(仕込んだアダマンタン1モルに対して
0.8モルに相当する量)とする以外は実施例1と同様
の操作を行った。
ロメタンに不溶の固形物はわずかにしか析出せず、淡黄
色結晶の2−アダマンタノン12.4g(収率85%)
が得られ、純度が96.5%であった。
て、激しく攪拌しながら50℃に加熱し、5時間反応
し、その後、60℃まで過熱した。60℃に加熱した後
において、30分ごとに反応液をサンプリングし、反応
液中のアダマンタン濃度を測定したところ、20時間反
応後、アダマンタンがGCで1質量%以下になっている
ことが確認し、さらに70℃まで加熱し3時間攪拌し、
1−アダマンタノールがGCで2質量%以下になってい
ることを確認し、冷却した。
クロロメタン400mlで抽出した。その時、ジクロロ
メタンに不溶のタール状の固形物が大量に析出した。そ
の後、飽和炭酸水素ナトリウム水と10%食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥してからジクロロメタンを
留去した。淡黄色結晶の2−アダマンタノンが9.75
g(収率65%)得られ、ドデカンを内部標準としてG
C分析したところ、純度が88.0%であった。
gを加えて、激しく攪拌しながら50℃に加熱し、15
時間反応し、その後、60℃で3時間、70℃で2時間
攪拌し、1−アダマンタノールがGCで2質量%以下に
なっていることを確認し、冷却した。
クロロメタン400mlで抽出した。その時、ジクロロ
メタンに不溶の固形物が大量に析出した。その後、飽和
炭酸水素ナトリウム水と10%食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥してからジクロロメタンを留去した。
淡黄色結晶の2−アダマンタノンが10.5g(収率7
0%)得られ、ドデカンを内部標準としてGC分析した
ところ、純度が94.8%であった。
mmol)をテトラハイドロフラン25mLに溶解し、
あらかじめ調整した臭化メチルマグネシウムのテトラハ
イドロフラン溶液(1mol/L)50mLを40℃以
下で滴下した。GCで反応の進行を確認し、反応液にト
リエチルアミン1.25g(12.5mmol)とメタ
クリル酸クロリド7.5g(75mmol)を加え、5
0℃で3時間攪拌した。
えて反応を停止した。その後、テトラハイドロフランを
減圧留去したのちヘプタン50mLを加え、1N塩化ア
ンモニウム水溶液、10%水酸化ナトリウム水溶液、イ
オン交換水で順次洗浄した。その後、ヘプタンを減圧留
去することにより粗生成物を得た。該粗生成物にジエチ
レングリコール0.75gを加えてから減圧蒸留(92
℃/0.4mmHg)したところ、2−メチル−2−ア
ダマンチルメタクリレート7.06g(収率60%)が
得られた。
mmol)をテトラハイドロフラン25mLに溶解し、
臭化エチル6g(55mmol)を加えた。溶液を激し
く攪拌しながら金属リチウムを0.1gずつ、溶液の温
度が30℃を超えないように加え、合計0.75g(8
5mmol)を加えた。反応の進行をGCで確認し、目
視で金属リチウムが消失したことを確認してから反応液
にメタクリル酸クロリド5g(50mmol)を加え
た。
から反応液にメタノール1.5mLと5%水酸化ナトリ
ウム水溶液1.5mLを加えて室温で1時間攪拌し、反
応を停止した。その後有機溶媒を減圧留去した後、ヘキ
サンを100mL加え、得られた溶液を10%水酸化ナ
トリウム水溶液、20%食塩水で順次洗浄した。その
後、ヘキサンを減圧留去して粗生成物を得、イソプロパ
ノールから再結晶して2−エチル−2−アダマンチルメ
タクリレート5.21g(収率42%)を得た。
mmol)をテトラハイドロフラン25mLに溶解し、
あらかじめ調整した臭化メチルマグネシウムのテトラハ
イドロフラン溶液(1mol/L)50mLを40℃以
下で滴下した。GCで反応の進行を確認し、反応液にア
クリル酸無水物5.34g(51mmol)を加え、室
温で4時間攪拌した。
1.5mLと5%水酸化ナトリウム水溶液1.5mLを
10℃以下で加えて1時間攪拌し、有機層を分離した。
有機層をさらに10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し
た後、溶媒を留去することにより粗生成物を得た。該粗
生成物を減圧蒸留(85℃/0.3mmHg)したとこ
ろ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート7.3
8g(収率60%)が得られた。
7.5g(50mmol)をテトラハイドロフラン25
mLに溶解し、臭化エチル6g(55mmol)を加え
た。溶液を激しく攪拌しながら金属リチウムを0.1g
ずつ、溶液の温度が30℃を超えないように加え、合計
0.75g(85mmol)を加えた。反応の進行をG
Cで確認し、目視で金属リチウムが消失したことを確認
してから反応液にアクリル酸無水物5.34g(51m
mol)を加えた。
から反応液にメタノール1.5mLと5%水酸化ナトリ
ウム水溶液1.5mLを加えて室温で1時間攪拌し、反
応を停止した。その後、有機層を分離し、有機層をさら
に10%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、有機溶
媒を減圧留去し、残渣を減圧蒸留して2−エチル−2−
アダマンチルアクリレート7.43g(収率64%)を
得た。
して2−アダマンタノンを製造するに際して、不揮発性
のタール分の発生を大きく抑制することができる。した
がって、水蒸気蒸留等の煩雑な精製操作を行わなくて
も、ろ過や再結晶等の簡単な分離精製操作により、反応
液から高純度の2−アダマンタノンを得ることができ
る。
て高く、工業上極めて有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 アダマンタン、1−アダマンタノール、
及び2−アダマンタノールから選ばれる少なくとも1種
を濃硫酸中で酸化させて2−アダマンタノンを製造する
方法において、反応途中に、反応液にアルコールを添加
することを特徴とする2−アダマンタノンの製造方法。 - 【請求項2】 2−アダマンタノン生成の終息域で反応
液にアルコールを添加し、反応を継続することを特徴と
する請求項1に記載の2−アダマンタノンの製造方法。 - 【請求項3】 2−アダマンタノンの生成の終息域が、
反応液中のアダマンタン濃度が2質量%以下になった後
である請求項2に記載の2−アダマンタノンの製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載の製造
方法によって得られた2−アダマンタノンと、(1)ア
ルキルリチウム、(2)グリニヤール試薬、並びに
(3)ハロゲン化アルキル化合物および金属リチウムか
ら選ばれる少なくとも一種のアルキル化試薬とを反応さ
せてアルキルアダマンチルアルコキシド化合物を得、次
いで、該アルキルアダマンチルアルコキシド化合物と酸
ハロゲン化物又は酸無水物とを反応させることを特徴と
するアルキルアダマンチルエステル化合物の製造方法。
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WO2006006414A1 (ja) * | 2004-07-07 | 2006-01-19 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 2-アダマンタノンの製造方法 |
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WO2012121350A1 (ja) * | 2011-03-10 | 2012-09-13 | 国立大学法人徳島大学 | 嵩高い水酸基含有化合物由来のエステルの製造方法 |
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