JP2003185916A - マクロレンズ - Google Patents
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Abstract
良好にする。 【解決手段】 物体側から順に正の屈折力を有する第1
レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2
と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3より構成さ
れ、第2レンズ群G2は前群G2fと正の屈折力を有す
る後群G2bとからなり、無限遠から等倍−1に合焦す
る際に、第3レンズ群G3を像面Aに対して固定し、第
1レンズ群G1と第2レンズ群G2を物体方向へ繰り出
しながら、第2レンズ群G2の前群G2fと後群G2b
との間隔を、倍率−1/2を境に減少から増加へと転じ
るようにする。
Description
付近まで撮影可能な画角32度程度のマクロレンズに関
する。
出しで近距離物体への合焦を行うものは、その焦点距離
に比例して繰り出し量が大きくなるため、機構上の理由
から特にオートフォーカスレンズでは作動上の問題が生
じる。例えば35mm判換算で50〜100mm程度の
焦点距離をもつ多くの標準〜中望遠マクロレンズにおい
ては、上記の問題を解決するため、従来からマクロレン
ズの全系を物体側から正の屈折力を有する前群と負の屈
折力を有する後群との2群で構成し、後群は像面に対し
て固定し、前群の焦点距離を全系の焦点距離より短く設
定し、この前群で合焦させることにより繰り出し量を小
さく抑えるようにしている。さらに、収差補正のため
に、後群までも移動させるようにしたものや、前群内を
複数の群に分離してそれぞれの群を異なる速度で移動さ
せる所謂フローティング方式を採用したものもある。
と負の屈折力を有する後群との2群で構成し、後群を像
面に対して固定し、前群で合焦させるタイプとしては、
例えば特開昭62−227111号公報に示されている
ようなものがある。これは、レンズの繰り出し量や全長
を短く設定できる反面、近距離側特に等倍撮影距離近く
で球面収差が大きくアンダになって、球面収差によるベ
スト面と、非点収差と像面湾曲による像面との差が大き
くなり、良好な性能が得られない。これと同様の構成
で、合焦時に後群が前群よりも遅い速度で移動する所謂
フローティング方式を採用したものに、特開昭61−2
38010号公報に示されるようなものがある。これ
は、近距離合焦時の球面収差の発生量を少なく抑えるこ
とができる反面、前群及び後群の全体が繰り出しに寄与
することになるため、繰り出し重量が増大すると共に、
繰り出し量も増大して全長が大型化する原因になる。
ある第1群をさらに2つの正レンズ群に分割し、合焦の
際には第1群の2つの正レンズ群の間隔を変化させるフ
ローティング方式を採用した構成のマクロレンズとして
は、特開平2−19814号公報,特開平2−2853
13号公報,特開平6−308386号公報,特開平8
−248305号公報等に示されたようなものがある。
これらの公報には、2群に分割した第1群内の各群が、
合焦の際に一体として繰り出されながら、相対的に一方
向に近付いたり離れたりするものであり、これによっ
て、前述した近距離合焦時の球面収差の増大を抑えた
り、コマフレアを補正したりすることが可能になる。し
かし、まだ充分な収差補正がなされているとは言えず、
特に近距離合焦時においては、像面のアンダへの倒れ以
上に球面収差のアンダの膨らみが大きいために、ベスト
面と像面との差が生じ、画面中心から周辺まで良好な性
能が得られていない。
クロレンズにあっては、正レンズ光学系である前群を無
限遠から等倍といった高倍率の撮影距離に合焦していく
と、光学系への軸上光束の入射角と射出角の差に相当す
る偏角が大きくなるため、球面収差がアンダ方向に大き
く発生すると同時に、非点収差と像面湾曲による像面も
アンダ方向に倒れる結果となる。それに加え、特に中間
倍率から等倍にかけて、第1レンズ群を射出する軸上光
束が発散光束になることに起因して、球面収差はオーバ
方向に高次の輪帯球面収差を伴いながら、アンダ方向に
膨らんでいく。したがって、中間倍率(例えば倍率−1
/2)付近から等倍までは、オーバ方向の輪帯球面収差
の発生が次第に大きくなって球面収差のアンダ方向への
膨らみを抑制する傾向となる。
は、像面のアンダ方向の倒れより球面収差のアンダ方向
への倒れの方が速く、逆に中間倍率付近から等倍までは
像面の倒れの方が球面収差の倒れよりも速くなる。した
がって、等倍においてベスト面と像面をバランスよくま
とめたとしても、特に中間倍率付近の撮影距離において
はレンズ性能の中落ちが大きく起きる結果となる。この
発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、無限遠か
ら至近距離までの広範囲な撮影領域において合焦時の優
れた収差補正状態を保ち得るマクロレンズを提供するこ
とを目的とする。
達成するため、物体側から順に正の屈折力を有する第1
レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の
屈折力を有する第3レンズ群より構成され、上記第2レ
ンズ群は前群と正の屈折力を有する後群とからなり、無
限遠から至近距離に合焦する際に、上記第3レンズ群を
像面に対して固定し、上記第1レンズ群と上記第2レン
ズ群を物体方向へ繰り出しながら、上記第2レンズ群の
上記前群と上記後群との間隔を、中間倍率を境に減少か
ら増加へと転じるようにフローティングするマクロレン
ズを提供するものである。
無限遠における全系の焦点距離、f1を無限遠における
第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離、Xmを中
間倍率までの第1レンズ群と第2レンズ群の繰り出し量
(繰り出し方向を正とする)、ΔXmを中間倍率におけ
る第2レンズ群の後群の前群に対する相対的なフロート
量(繰り出す方向を正とする)としたとき、 1.2<f/f1<1.5 (1) (ΔXm/Xm)・100<3(%) (2) となるようにするのが好ましい。さらに、上記のマクロ
レンズにおいて、f3を第3レンズ群の焦点距離とした
とき、 2<|f3/f1|<2.4 (3) とするのがよい。
に構成することにより、合焦に際して無限遠から中間倍
率までは、第2レンズ群の前群に対して正の後群を近付
けることによって像面のアンダ方向への倒れを速くし、
輪帯球面収差をオーバに発生させることによりアンダへ
の膨らみが緩和されて、球面収差と像面とのバランスを
とることができる。しかし、このようにすると中間倍率
付近からさらに近距離になると像面の倒れの方が大きく
なってしまうため、今度は第2レンズ群の前群に対して
後群を相対的に離間させることにより、同様に球面収差
によるベスト面と像面のバランスをとることができる。
したがって、撮影全域で球面収差と像面のバランスのと
れた良好な画質を得ることが可能になる。さらに、上記
の条件式(1),(2),(3)を満たすように構成す
ることにより一層良好な性能を得ることができる。
実施例を図面に基づいて具体的に説明するが、それに先
立ち、この発明の実施形態に用いる合焦方式の特徴と各
条件式(1)〜(3)の理由について説明する。いま、
この発明の光学系を第1正群(焦点距離F1)と第2負
群とからなる正負2群構成と仮定し、第2負群を像面に
対して固定し、第1正群を合焦群としてその繰り出し量
をX、このときの全系の焦点距離をF、倍率をBとする
と、 (F1)2=−F・X/B であり、繰り出し量Xを大きくとるほど第1正群の屈折
力を緩く設定することができる。また、第2負群の倍率
をB2としたとき、 B2=F/F1 であるから、第2負群の倍率B2も小さくなって諸収差
とその合焦時の変動を比較的小さく抑えることができ
る。
ーカスレンズでは差支えないが、オートフォーカス(以
下「AF」という)レンズへ適用した場合には駆動量が
増大して不利である。一般に、AFレンズでは合焦群の
移動量を小さく設定する必要があるが、これによって合
焦群の屈折力が強くなり、すでに述べたように後群の拡
大倍率も強くなるため、球面収差を中心とした諸収差並
びにその合焦時の収差変動が大きくなる。そのため、前
述した条件式(1)の値が下限値を下回ると合焦時の繰
り出し量が大きくなって機構上不利になり、上限値を上
回ると繰り出し量は小さくできるが、後群による拡大倍
率が大きくなり、合焦時の収差変動が増大する。
ズ群G1と第2レンズ群G2の前群G2fの繰り出し量
Xmと後群G2bのフロート量ΔXmの比(%)であ
り、条件式(2)の値を外れると、特に中間倍率付近の
撮影距離で像面補正効果が大きくなり過ぎ、像面が大き
くオーバに倒れてしまうため、適切なフローティングの
効果が得られなくなる。また、この発明の光学系におい
ては、合焦時の第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2
の繰り出し量をX、第2レンズ群G2の後群G2bの第
1レンズ群G1及び第2レンズ群G2の前群G2fに対
するフロート量をΔX、中間倍率(−1/2)合焦時の
第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2の前群G2fの
繰り出し量をXm、このときの第1レンズ群G1及び第
2レンズ群G2の前群G2fに対する第2レンズ群G2
の後群G2bのフロート量をΔXmとしたとき、 のようにフローティングを行うことにより特に効果が顕
著になる。
レンズ群G1と第2レンズ群G2の合成焦点距離f1と
第3レンズ群G3の焦点距離f3との比であり、この値
が上限値を上回ると、第1レンズ群G1及び第2レンズ
群G2に対する第3レンズ群G3の屈折力が緩くなり、
近距離合焦時に球面収差の変動が大きくなりすぎる。ま
た、この発明では絞りを第1レンズ群G1と第2レンズ
群G2との間に置くのが適切であるが、このようにする
と最軸外近傍の光束に対して片絞り傾向が強くなりす
ぎ、絞り込みの際に画面の四隅で急激な周辺光量落ちの
原因になる。このような片絞り対策として、絞りの位置
を例えば第2レンズ群G2の後群G2bの後方に置く
と、近距離合焦時に発散光束として入射する軸上光束の
周縁付近の光束がこの絞り位置で制限を受けるため、実
効Fナンバが暗くなり、AFレンズへの適用を考える場
合に不利である。なお、条件式(3)の値が下限値を下
回ると、第1,第2レンズ群G1,G2に対する第3レ
ンズ群G3の屈折力が強くなり、全長は短くできるが、
無限遠合焦時に像面がオーバ気味に倒れ、近距離合焦時
には糸巻き型の歪曲収差が強くなる。
い各実施例を示す。図1〜図4は、この発明の実施例1
〜4の構成図、図5〜8は、実施例1〜4の収差曲線図
である。なお、これらの各図において(a)は無限速合
焦状態(β=0)、(b)は倍率−1/2(−0.5)
合焦状態、(c)は等倍(−1)合焦状態をそれぞれ示
している。この発明によるマクロレンズは、例えば図1
に示すように、物体側から順に正の屈折力を有する第1
レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2
と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3より構成され
る。第2レンズ群G2は、前群G2fと後群G2bとか
らなり、後群G2bは正の屈折力を有している。このよ
うな構成で、無限遠から近距離に合焦する際に、第3レ
ンズ群G3を像面Aに対して固定し、第1レンズ群G1
と第2レンズ群G2を物体方向へ繰り出しながら、第2
レンズ群G2の前群G2fと後群G2bの間隔を変化さ
せるようにする。このとき、無限遠∞から中間倍率−1
/2までの領域では両者の間隔が減少するようにし、中
間倍率−1/2から等倍−1までの領域では両者の間隔
が増加するようにしている。
離、f1を無限遠における第1レンズ群G1と第2レン
ズ群G2の合成焦点距離、Xmを中間倍率−1/2まで
の第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の繰り出し量
(繰り出す方向を正とする)、ΔXmを中間倍率−1/
2における第2レンズ群後群G2bの、第1レンズ群G
1並びに第2レンズ群前群G2fに対する相対的なフロ
ート量(繰り出す方向を正とする)、f3を第3レンズ
群G3の焦点距離としたとき、 1.2<f/f1<1.5 (1) (ΔXm/Xm)・100<3(%) (2) 2<|f3/f1|<2.4 (3) となるように各群の諸元を設定する。
例4のパラメータを示すものである。
(1)〜(3)の値を表5に示す。
下のような効果を奏する。請求項1に記載のマクロレン
ズによれば、比較的画角の大きなマクロレンズにおい
て、合焦時の非点収差の変動をきわめて小さく抑えるこ
とができると共に、球面収差による最良面と像面のバラ
ンスを良好にとることが可能である。請求項2に記載の
マクロレンズによれば、フローティング効果を一層良好
に保つことができる。請求項3に記載のマクロレンズに
よれば、絞り込みの際の画面四隅での周辺光量落ちや実
効Fナンバの暗転化を防止することができ、同時に近距
離合焦の歪曲収差を減少させることが可能になる。
Claims (3)
- 【請求項1】 物体側から順に正の屈折力を有する第1
レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の
屈折力を有する第3レンズ群より構成され、上記第2レ
ンズ群は前群と正の屈折力を有する後群とからなり、無
限遠から至近距離に合焦する際に、上記第3レンズ群を
像面に対して固定し、上記第1レンズ群と上記第2レン
ズ群を物体方向へ繰り出しながら、上記第2レンズ群の
上記前群と上記後群との間隔を、中間倍率を境に減少か
ら増加へと転じるようにフローティングすることを特徴
とするマクロレンズ。 - 【請求項2】 請求項1記載のマクロレンズにおいて、
以下の条件式を満足することを特徴とするマクロレン
ズ。 1.2<f/f1<1.5 (1) (ΔXm/Xm)・100<3(%) (2) 但し、 f:無限遠における全系の焦点距離 f1:無限遠における第1レンズ群と第2レンズ群の合
成焦点距離 Xm:中間倍率までの第1レンズ群と第2レンズ群の繰
り出し量(繰り出す方向を正とする) ΔXm:中間倍率における第2レンズ群の後群の前群に
対する相対的なフロート量(繰り出す方向を正とする) - 【請求項3】 請求項1又は2記載のマクロレンズにお
いて、以下の条件式を満足するマクロレンズ。 2<|f3/f1|<2.4 (3) 但し、 f3:第3レンズ群の焦点距離
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001384725A JP2003185916A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | マクロレンズ |
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JP2001384725A JP2003185916A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | マクロレンズ |
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-
2001
- 2001-12-18 JP JP2001384725A patent/JP2003185916A/ja active Pending
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